JP4882847B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は,プリンタ,複写機,ファックスなどの画像形成装置に関し,特に,トナーセーブモードを有するカラー画像形成装置に関する。
カラー画像形成装置にドラフト印刷などの目的でトナーセーブモードを搭載することが行われている。トナーセーブモードに設定すると,画像形成装置は通常時よりもトナー量を削減して現像を行う。
以下の特許文献1には,トナーセーブモードの場合に,CMYKの4色のトナーのうち,CMYの3色のトナーを同じ割合で抑制(減少)させ,K(ブラック)のトナーだけは抑制せずに通常時と同じ量に制御することが提案されている。CMYトナーのトナー抑制率を全て同じ割合で行っているので,CMYによる色相は変化せず彩度が低下するのみであり,画質が劣化しがたい。また,Kトナーを抑制しないことで,黒文字が中間濃度の黒にならず二値化処理による文字品質の劣化は生じず,自然画像についてはKトナーの割合が高いのでCMYK全てを一律に抑制する場合に比べて画像が鮮明になり締まった画質になる。その結果,トナーセーブによる画質の劣化を抑制することができる。
さらに,出願中の特許文献2には,CMYトナーを抑制しながら,Kトナーも抑制することが提案されている。CMYトナーを例えば50%程度に抑制し,Kトナーはそれよりも多い抑制率にして,Kトナーの量をCMYトナーの量よりも多くして画質低下を抑制している。
また,特許文献3,4,5には,画像形成装置の入力階調と出力濃度との関係を理想的なリニアな関係に保つために,印刷エンジンにより生成したパッチパターンを測定し,入力階調を画像形成のためのデータに変換するスクリーンテーブルの特性を補正することが記載されている。
特開2004−309662号公報 特願2006−317985号公報 特開2000−56525号公報 特開2006−33402号公報 特開2004−102239号公報
しかしながら,カラー画像形成装置は,経年変化により入力階調に対応する出力濃度の特性が変化する場合がある。例えば,CMYトナーのうち一部,例えばMトナーの出力濃度が通常状態(理想状態)より低下もしくは上昇することがある。その結果,CMYトナーの色のバランスが崩れてしまう。この場合,Mトナーの出力濃度が上昇した場合は入力階調を低下させる補正をすることで色バランスを通常状態に戻すことができるが,低下した場合は印刷エンジンの再チューニングをしない限り補正することはできない。
上記のように,CMYトナーの出力濃度が通常状態からずれると,前述のトナーセーブモードにより形成されるカラー画像も色バランスが崩れてることになる。
そこで,本発明の目的は,トナーセーブモードでの画質の劣化を抑えた画像形成装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために,本発明の側面によれば,複数色の入力階調を有する画像データに基づいてカラー画像を形成する画像形成装置において,
所定の変換特性に基づいて前記画像データの入力階調から画像再生データを生成するハーフトーン処理部を有するコントローラユニットと,前記画像再生データに基づいて前記入力階調に対応する出力濃度の画像を形成する印刷エンジンとを有し,
前記コントローラユニットは,前記複数色の入力階調をそれぞれのトナー抑制率で抑制して前記画像再生データを生成するトナーセーブモードを有し,前記コントローラユニットは,更に,前記複数色それぞれのトナー抑制率を可変設定する抑制率設定部を有することを特徴とする。
上記本発明の側面によれば,トナーセーブモードでの複数色それぞれのトナー抑制率を可変設定することで,印刷エンジンなどの特性変化にかかわらず所望の色バランスの画像を形成することができる。
上記本発明の側面の好ましい態様によれば,前記ハーフトーン処理部は,前記複数色の入力階調に対する画像の出力濃度の測定値に基づいて,前記所定の変換特性を,前記入力階調に対して前記画像の出力濃度が所定の特性になるように補正する出力濃度補正モードを有する。所定の特性とは,例えばリニア特性,上に凸の特性,下に凸の特性,上下に凸のS字特性などである。
上記本発明の側面の好ましい態様によれば,前記抑制率設定部は,前記複数色の入力階調に対する出力濃度の測定値に基づいて,トナー抑制時の出力濃度が初期目標値に一致するように前記複数色それぞれのトナー抑制率を設定する。
上記本発明の側面の好ましい態様によれば,前記抑制率設定部は,前記複数色の入力階調に対する出力濃度の測定値のうち最大出力濃度または所定の入力階調に対応する基準出力濃度の測定値に基づいて,トナー抑制時の最大出力濃度または基準出力濃度が初期目標値に一致するように前記複数色それぞれのトナー抑制率を設定する。
上記本発明の側面の好ましい態様によれば,前記最大出力濃度または基準出力濃度の測定値は,前記ハーフトーン処理部が前記出力濃度補正モードで取得した測定値に含まれる測定値である。
上記本発明の側面の好ましい態様によれば,前記コントローラユニットは,前記トナーセーブモードで前記複数色の入力階調をそれぞれのトナー抑制率で抑制した抑制入力階調に変換する階調変換部を有し,前記ハーフトーン処理部は,前記抑制入力階調を前記画像再生データに変換する。
上記本発明の側面の好ましい態様によれば,前記抑制率設定部は,前記複数色が低濃度のコンポジットグレイパッチであって前記複数色についてそれぞれトナー抑制率を組み合わせた複数のコンポジットグレイパッチを有するパッチ画像から,選択されたコンポジットグレイパッチのトナー抑制率の組み合わせに,前記複数色のトナー抑制率を設定する。
上記本発明の側面の好ましい態様によれば,前記抑制率設定部は,黒色のトナー抑制時の出力濃度が当該黒色以外の複数色のトナー抑制時の出力濃度のいずれよりも大きくなる範囲で,前記黒色のトナー抑制率を可変設定する。
以下,図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し,本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず,特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶ。
図1は,本実施の形態における画像形成装置の構成図である。図1には,画像形成装置の一例としてプリンタの構成が示される。プリンタ以外には,スキャナ機能を内蔵した複写機,ファクシミリなども同様の画像形成装置である。
プリンタ20は,ホストコンピュータ10にネットワークなどを介して接続され,ホストコンピュータ10にインストールされたプリンタドライバ12から印刷データを受信する。プリンタ20は,印刷データに基づいて画像再生データを生成するコントローラユニット200と,画像再生データに基づいて画像を形成する印刷エンジン250とを有する。
コントローラユニット200は,コントローラユニット全体を制御するCPU202と,画像データなどを格納するメモリ206と,印刷データを受信するインターフェースIFと,印刷データに基づく画像データをRGBからCMYKに色変換する色変換部208と,色変換されたCMYKの画像データの入力階調値を所定の特性に基づいて階調変換する階調変換部209と,階調変換部209から出力される階調値を所定のガンマ特性(またはスクリーン)に基づいて画像形成用の画像再生データに変換するハーフトーン・スムージング処理部210と,画像再生データをパルス幅変調するパルス幅変調器212とを有する。
さらに,不揮発性メモリ214は,前述の所定のガンマ特性を有するスクリーンガンマテーブル216と,補正ガンマテーブル218と,センサ値・紙上濃度変換テーブル220と,トナーセーブモードでのトナー抑制率テーブル222とを記録している。ハーフトーン・スムージング処理部210は,AMスクリーンやFMスクリーンに対応するガンマ特性を有するスクリーンガンマテーブル216を参照して,入力階調値を画像再生データに変換する。また,ハーフトーン・スムージング処理部210は,画像のエッジ部分の解像度を改良する処理も行う。
印刷エンジン250は,エンジンコントローラ252と,レーザダイオードまたはライン状発光素子などからなる発光手段254と,感光体ドラム256と,図示しない現像ユニット,転写ユニット,定着ユニットなどを有する。そして,エンジンコントローラ252は,コントローラユニット200が生成する画像再生データに基づいて,発光手段254からビームを照射させて,感光体ドラム256上に潜像を形成し,現像ユニットにより潜像をトナー像に現像し,転写ユニットによりトナー像を印刷媒体,例えば用紙に転写し,定着ユニットにより用紙上にトナー画像を定着する。
印刷エンジン250は,さらに内蔵する濃度センサ260により,感光体ドラム256上にまたは中間転写媒体(図示せず)上に形成されたトナー像からなるパッチ画像256の濃度を検出し,コントローラユニット200にセンサインターフェースS−IFを介してそのセンサ値を出力する。
トナーセーブモードでは,階調変換部209が,トナー抑制率テーブル222の抑制率に基づいてCMYKの階調値を抑制した階調値に変換する。また,自動画像濃度制御では,センサ値から得られるパッチ画像256の出力濃度に基づいて,ハーフトーン処理部210への入力階調とそれにより形成される画像の出力濃度とが理想的なリニア特性になるように,補正ガンマテーブル218を生成する。
[トナーセーブモード]
図2は,コントローラユニット内の色変換部,階調変換部,ハーフトーン・スムージング処理部210の構成図を示す図である。CPUは,ホストコンピュータ10から受信した印刷データに基づいて,画像の画素毎の例えばRGBの階調値を生成し,色変換部208が色変換ルックアップテーブル208Tを参照してRGBの階調値をCMYKの階調値に色変換する。そして,階調変換部209は,所定の特性を有する階調変換ルックアップテーブル209Tを参照して,CMYK階調値をC’M’Y’K’階調値に階調変換する。この階調変換は,例えば印刷エンジン250の固体誤差などを除去するためのものである。
また,階調変換部209は,印刷指定されたトナーセーブモードのトナー抑制率に応じてCMYKの階調値をC’M’Y’K’の階調値に階調変換する機能も有する。図2の階調変換テーブル209Tは,通常の階調変換テーブル例でありCMYK全てについて同じ変換特性で階調変換される。一方,階調変換テーブル209Txは,トナーセーブモード時の階調変換テーブル例である。この例は,前述の特許文献1に記載されたものと同じであり,Kの階調値については階調値を抑制せず,CMYの階調値についてのみ一律に階調値を抑制する。CMYの階調値を一律に抑制することで色相は変化せず彩度のみが低下し,またKトナーは抑制しないので文字画像の劣化はなく,自然画像は締まった画像にすることができる。
ハーフトーン・スムージング処理部210は,C’M’Y’K’の入力階調値をスクリーンガンマテーブル216を参照してC”M”Y”K”の出力階調値に変換する。この出力階調値OUTが画像再生データに対応する。
[自動画像濃度制御]
プリンタのコントローラユニット200は,自動画像濃度制御プログラム204を実行することで,入力階調値に対する印刷エンジンの出力画像濃度が理想的な特性を維持するように自動的に補正制御を行う。また,自動画像濃度制御プログラム204は,トナーセーブモードでのトナー抑制率を補正する機能も有する。自動画像濃度制御の概略は次の通りである。
まず,プリンタの電源起動時や,感光体ドラムや現像ユニットの置き換え時などの所定のタイミングで,自動画像濃度制御プログラム204は,印刷エンジン250に低濃度から高濃度まで所定の階調ステップを有するパッチ画像258を形成させる。具体的には,コントローラユニット200がパッチ画像データから図2の構成により画像再生データを生成し,印刷エンジン250がその画像再生データに対応するパッチ画像258を感光体ドラム256上に形成する。このパッチ画像258はトナー像であり,図示しない中間転写媒体上に形成されてもよい。そして,濃度センサ260がパッチ画像258の濃度を測定しそのセンサ値がコントローラユニット200に供給される。
自動画像濃度制御プログラム204は,このセンサ値に基づいて紙上の出力濃度値を求め,パッチ画像データの入力階調値と出力濃度値との関係を示す入力階調・出力濃度特性を求める。そして,この入力階調・出力濃度特性が理想的なリニアな関係になるように,入力階調値を補正するための補正ガンマテーブル218を生成し,不揮発性メモリ214に記録する。そして,この補正ガンマテーブル218に基づいてスクリーンガンマテーブル216が補正され,ハーフトーン処理部210は,その補正スクリーンガンマテーブル216を参照して,入力階調値データを画像再生データに変換する。または,ハーフトーン処理部210は,補正ガンマテーブル218を参照して入力階調値を補正し,補正された入力階調値をスクリーンガンマテーブル216を参照して画像再生データに変換する。
図3は,自動画像濃度制御プログラムによる制御手順を示すフローチャート図である。自動画像濃度制御プログラム204は,前述のとおり自動画像濃度制御機能に加えてトナーセーブモードでのトナー抑制率の補正機能も有している。また,図4は,入力階調と出力濃度の特性と補正ガンマテーブルの例を示す図である。そして,図5は画像濃度補正を行うハーフトーン処理部の構成図である。さらに,図6は自動画像濃度制御におけるグラフを示す図である。これらを参照して自動画像濃度制御について説明する。
図3において,コントローラユニット200は,自動画像濃度制御プログラム204を実行してパッチ画像258を生成する(S10)。パッチ画像258は,パッチデータに基づいて通常の印刷処理と同様にして形成される。パッチデータは,印刷可能な256階調をパッチ階調数Pmaxに応じて255/(Pmax−1)の等間隔に区分した入力階調値を有するデータである。このパッチデータを,通常印刷時に使用するスクリーンガンマテーブル216により画像再生データに変換し,それを印刷エンジン250により画像形成してパッチ画像258が形成される。
次に,印刷エンジン内の感光体ドラム256上のパッチ画像258の出力濃度についてセンサ値を取得する(S12)。図6の第1象限のグラフ600が,パッチデータに対応する入力階調とパッチ画像から得たセンサ値との関係グラフであり,横軸は0〜255の入力階調値,縦軸は0〜1023のセンサ値を示す。このセンサ値は正規化された値である。
次に,コントローラユニット200は,センサ値を紙上濃度値に変換する(S14)。すなわち,工場出荷段階などであらかじめ求めておいたセンサ値・紙上濃度変換テーブル220を使用して,各パッチパターンのセンサ値から紙上濃度値(出力濃度値)を求める。図5の第2象限のグラフ220が,センサ値・紙上濃度変換テーブル220の一例である。このテーブルにより0〜1023のセンサ値が0〜255の紙上濃度値に変換される。この変換テーブル220は,事前にパッチ画像を印刷媒体の紙上に形成しその紙上濃度を測色器で測定し,その紙上濃度とパッチパターンのセンサ値とから生成される。
図4に,上記の入力階調とセンサ値のグラフ600と,センサ値と出力濃度のグラフ220とから得られる,入力階調・出力濃度特性603が示されている。この入力階調・出力濃度特性603が,理想的にはリニアな関係604であることが望ましい。しかし,エンジンやトナーの経年変化により入力階調と出力濃度の特性がリニアでなくなる場合がある。そこで,上記のパッチ画像の出力濃度を測定してその特性を検出し,その特性がリニアな関係になるように補正することが必要になる。そのために,図6の第4象限に示した補正ガンマテーブル218を生成して,入力階調に対する出力濃度が理想的なリニアな特性604になるようにする。
すなわち,自動画像濃度制御プログラムは,入力階調・出力濃度特性603がリニアな特性604になるような補正ガンマテーブル218を生成する(S16)。そして,自動画像濃度制御プログラムは,この補正ガンマテーブル218に基づいてスクリーンガンマテーブル216を修正する(S18)。その後の通常印刷では,この修正されたスクリーンガンマテーブル216に基づいて入力階調が画像再生データに変換される。または,補正ガンマテーブル218とスクリーンガンマテーブル216とにより入力階調が画像再生データに変換される。
図6の第4象限の補正ガンマテーブル218は,図6の反時計回りで,補正後入力階調INaが補正ガンマテーブル218により補正前入力階調INbに変換され,それが印刷エンジン(特性600,220を有する)で画像形成されると,補正後入力階調INaと出力濃度とが理想的なリニア特性604になることを意味している。つまり,ハーフトーン処理部210が,補正前の入力階調値INb=64を,補正後の入力階調値INa=56.73で使用してハーフトーン処理するようにすれば,リニア特性604の出力濃度を得ることができる。図4に示されるとおり,補正前では,入力階調・出力濃度特性603によれば,ある入力階調値に対して得られる紙上濃度値が理想値よりも低くなり出力画像が淡く印刷されることが判明したため,補正後では,入力階調値56.73を補正ガンマテーブル218により階調値64に補正変換し,その補正変換した入力階調値64をハーフトーンガンマテーブルによりハーフトーン処理することで,より濃い画像を出力させることができる。
図5は,補正ガンマテーブルを使用したハーフトーン処理部を示す図である。このハーフトーン処理部210は,補正後入力階調値INa=56.73を補正ガンマテーブル218で補正前入力階調値INb=64に変換し,それをスクリーンガンマテーブル216で変換して画像再生データを生成する。この画像再生データにより印刷された出力濃度Dが図6の第3象限の縦軸の階調値INa=56.73に対応する出力濃度になり,リニアな特性604が実現される。
なお,ハーフトーン処理部210は,前述のとおり,補正ガンマテーブル218に基づいてスクリーンガンマテーブル216を補正し,補正されたスクリーンガンマテーブルにより,補正後入力階調値INaを画像再生データに変換してもよい。
図7は,自動画像濃度補正による特性の補正を示す図である。上記の自動画像濃度補正によれば,画像データの入力階調に対する出力濃度の関係は,図7(A)に示したノンリニアな特性1,2,3が,図7(B)に示したリニアな特性1,2,3に補正される。この濃度補正は,工場出荷時における印刷エンジンの特性に起因してノンリニアな特性をリニアな特性に修正することができるとともに,経年変化により印刷エンジンの特性が変化したりトナーの特性が変化したことに起因して工場出荷時に補正されていた特性がノンリニアになった場合にもリニアな特性に修正できる。この自動画像濃度補正は,CMYKの4色についてそれぞれ行われる。
図7に示されるとおり,自動画像濃度補正によれば,入力階調及び出力濃度の最小値と最大値との間がリニアな特性に補正される。よって,最大出力濃度が低下すればそのリニア特性の傾きも小さくなり,最大出力濃度が上昇すればそのリニア特性の傾きも大きくなる。もし,CMYのうち一色のみ最大出力濃度が低下した場合,その色のリニア特性の傾きを大きくすることはエンジンのチューニングを行わない限り画像処理ではできない。逆に最大出力濃度が上昇している場合は,画像処理でリニア特性の傾きを小さく補正することは可能である。
図8は,トナーセーブモードを説明する図である。図8(A)の左側には,定常状態におけるCMYの画像の補正後の入力階調と出力濃度との関係例が示されている。図7で説明したとおり,入力階調と出力濃度とはリニアな特性になっている。また,CMY画像間では,最大出力濃度にわずかな違いが存在する場合がある。図8(A)の右側には,トナーセーブモードにおけるCMYの画像の補正後の入力階調と出力濃度との関係例が示されている。図2で説明したトナーセーブモードでは,CMY画像の入力階調が一律に所定のトナー抑制率に基づいて抑制(図中矢印方向)されるので,その出力濃度も一律に抑制される。
図8(B)には,定常状態(実線)とトナーセーブモード(破線)における画像形成装置の色再現範囲が示されている。実線で示した定常状態ではCMY画像の最大入力階調に対応する出力濃度を最大濃度とする色再現範囲が形成される。それに対して,破線で示したトナーセーブモードでは,CMY画像の入力階調が抑制されるので,抑制された最大入力階調に対応する出力濃度を最大濃度とする色再現範囲が形成される。このトナーセーブモードでは,CMYの入力階調が同じ抑制率で抑制されるので,CMYのバランスは保たれ定常状態と同じ色相の画像を形成することができる。
図9は,トナーセーブモードの問題点を説明する図である。この例は,経年変化によりマゼンタMの最大出力濃度が矢印に示されるとおり低下している。図9(A)の左側の経時変化によりマゼンタMの最大出力濃度が低下すると,リニア特性に補正されたCMYの出力濃度のバランスが崩れて色相に変化が生じる。このマゼンタMの出力濃度が低下した状態で,図9(B)の右側に示すとおりCMYの入力階調が同じ抑制率で抑制されると,CMYのバランスが崩れたまま抑制される。
図9(B)には,定常状態(実線)と経時変化時(一点鎖線)とトナーセーブモード(破線700,702)における画像形成装置の色再現範囲が示されている。実線の定常状態とそれに対するトナーセーブモード700は,図8(B)と同じである。一方,一点鎖線の経時変化時はマゼンタMの最大出力濃度が低下しているので,CMYを一律に抑制したトナーセーブモード702でもマゼンタMの最大出力濃度が他のC,Yとの関係でバランスを崩したままになる。その結果,トナーセーブモード702では,定常状態のトナーセーブモード700に比較すると,赤近辺の色合いは黄味が強くなり,青近辺の色合いは青みが強くなる。
[本実施の形態におけるトナーセーブモード]
図9で説明したとおり,印刷エンジンやトナーの特性の経年変化によりCMYの色バランスが崩れると,CMYを一律に抑制するトナーセーブモードでもCMYの色バランスが崩れた画像が形成される。図9のように,ある色の最大出力濃度が低下した場合,通常印刷モードではその最大出力濃度を上昇させるように画像処理で補正することはできない。しかし,トナーセーブモードではCMYのトナー量が抑制されるので,その抑制率を調整することでCMYの色バランスを正常状態に戻すことが可能になる。もちろん,ある色の最大出力濃度が上昇した場合も正常状態に戻すことができる。
そこで,本実施の形態におけるトナーセーブモードでは,画像濃度補正を行った時に検出した最大出力濃度に応じて,トナー抑制率を算出し,トナーセーブモードでは定常状態における色バランスに修正した画像を形成できるようにする。画像濃度補正では,入力階調に対する出力濃度がリニアな関係になるように補正するので,トナー抑制率を最大出力濃度の変化に対応して設定するようにすれば,全ての入力階調の範囲で色バランスがとれた出力濃度を得ることができる。
図3の画像濃度補正及びトナー抑制率補正のフローチャートに示されるとおり,工程S14で入力階調に対する出力濃度(紙上濃度値)を測定した後に,CMYK各色の最大出力濃度に応じてトナー抑制率を演算し(S20),求めたトナー抑制率を不揮発性メモリ14のトナー抑制率テーブル222に記憶する(S22)。そして,トナーセーブモードでは,階調変換部209が入力階調にトナー抑制率を乗算する。その結果,トナー量が抑制された画像が形成される。ただし,ハーフトーン処理部210が補正ガンマテーブル218を使用して,もしくは補正ガンマテーブル218により補正されたスクリーンガンマテーブル216を使用して入力階調値を画像再生データに変換するので,リニア特性は維持される。
トナー抑制率rate(Color)[%]は,入力階調In(0≦In≦255),階調変換後の出力階調Outとすると,次の式の通りである。
Figure 0004882847
また,CMY各色のトナー抑制率rate(Color)[%]は,目標とするトナーセーブ時に得たい最大出力濃度であるsave_max(Color)をあらかじめ設定し,現状の濃度特性との関係をもとに算出する。現状の濃度特性は図3のように内蔵する濃度センサによるパッチ画像のセンサ値から求めても良いし,印刷媒体に形成したパッチ画像を測色機で測定した値から求めても良いし,ユーザが入力した値を使用してもよい。トナー抑制率は,以下の式で求められる。ただし,dens(0)は紙白濃度(最小出力濃度),dens(255)は最大出力濃度である。
Figure 0004882847
図10は,本実施の形態におけるトナーセーブモードを説明する図である。図10(A)にはトナーセーブしない場合の入力階調と出力濃度のリニア特性(実線)が3種類示され,更にトナーセーブ時の特性(破線)700が示されている。ここでは,任意の色の特性について示している。
実線のリニア特性のうち定常状態(1)は,入力階調に対して,最小出力濃度が0.1,最大出力濃度が1.6のリニア特性になっている。したがって,出力濃度を50%に抑制するトナーセーブモードの場合は,セーブした最大出力濃度save_max(color)は0.85(=(1.6−0.1)/2)にすることが必要になる。定常状態(1)の場合のトナー抑制率rate(Color)は,当然にして,上記の式(2)に基づき,図10(B)の定常状態(1)に示されるようにトナー抑制率rate(Color)=50%になる。そして,トナーセーブモードで,階調変換部209(図1,2)が入力階調にこのトナー抑制率rate(Color)=50%を乗算すれば,出力濃度が0.1〜0.85の範囲に抑制される。上記のsave_max(color)=0.85が目標とするトナーセーブ時の最大出力濃度である。
次に,実線のリニア特性のうち濃度上昇(2)は,最大出力濃度が1.7に上昇している。そのためリニア特性は定常状態(1)よりも全体的に高くなっている。したがって,50%のトナーセーブモードの場合に,セーブした最大出力濃度save_max(color)を目標値の0.85にするためには,トナー抑制率を定常状態(1)よりも低くすることが必要になる。つまり,濃度上昇(2)の場合のトナー抑制率rate(Color)は,式(2)に基づき,図10(B)の濃度上昇(2)に示されるようにrate(Color)=46.88%になる。つまり,目標とするトナーセーブ時の最大出力濃度save_max(color)=0.85と,現状の最大出力濃度1.7とに基づいて,トナー抑制率rate(Color)が求められる。
最後に,実線のリニア特性のうち濃度低下(3)は,最大出力濃度が1.3に下降している。そのためリニア特性は定常状態(1)よりも全体的に低くなっている。したがって,50%のトナーセーブモードの場合に,セーブした最大出力濃度save_max(color)を目標値の0.85にするためには,トナー抑制率を定常状態(1)よりも高くすることが必要になる。つまり,濃度低下(3)の場合のトナー抑制率rate(Color)は,式(2)に基づき,図10(B)の濃度低下(3)に示されるようにrate(Color)=62.50%になる。この場合も,目標とするトナーセーブ時の最大出力濃度save_max(color)=0.85と,現状の最大出力濃度1.3とに基づいて,トナー抑制率rate(Color)が求められる。
なお,トナーセーブ率を50%以外に設定した場合は,定常状態(1)においてそのトナーセーブ率に対応する目標とするトナーセーブ時の最大出力濃度save_max(color)が設定される。そして,現状の最大出力濃度との関係から,式(2)により各色のトナー抑制率rate(Color)が求められる。
図11,12,13は,本実施の形態におけるCMYのトナーセーブを説明する図である。図10では任意の色のトナー抑制率を説明したが,図11,12,13では,CMYのトナー抑制率を説明し,その場合の色再現空間を示して,トナーセーブモードでCMYの色バランスが崩れないことを説明する。
図11は,定常状態の場合である。図11(A)はトナーセーブしない場合のCMYの入力階調・出力濃度特性(実線)と,トナーセーブ時の特性(破線)とが示されている。この場合,マゼンタMの最小出力濃度が0.1,最大出力濃度が1.6である。この濃度特性は経年変化がなく工場出荷時と一致している。したがって,トナーセーブ時はCMY全てのトナー抑制率を50%にすれば,目標最大出力濃度0.85にすることができる。
図11(B)には定常状態における色再現範囲が示されている。CMYの濃度特性に経年変化がなく定常状態にあるので,トナーセーブ時の再現できる色空間700は,印刷エンジンが出力可能な最大の色空間800の50%の空間になっている。定常状態ではトナーセーブしない時もトナーセーブ時も共にCMYの色バランスは崩れていないので,トナーセーブ時の画像に色相の変化はない。
図12は,マゼンタの最大出力濃度が上昇した場合である。つまり,図12(A)の実線に示されるとおり,マゼンタMの最大出力濃度が1.7と上昇し,最大出力濃度がCMYの順番になっている。その結果,図12(B)の印刷エンジンが出力可能な最大色空間800は,マゼンタMで広がっている。
この場合,トナーセーブモードでマゼンタMの最大出力濃度を目標値0.85にするために,マゼンタMのトナー抑制率を46.88%に設定する。それ以外のCYのトナー抑制率は50%に設定する。その結果,図12(A)の破線に示されるとおり,トナーセーブ時の最大出力濃度はCYMの順番に戻っている。
図12(B)に示されるとおり,マゼンタMのトナー抑制率を50%にすると色再現空間704に示すとおり色のバランスが崩れてしまうが,本実施の形態では,マゼンタMのみトナー抑制率を46.88%にし,CYのトナー抑制率を50%にしているので,トナーセーブ時の色再現空間700は,定常状態の700と一致する。よって,トナーセーブ時の色バランスが理想状態と一致し色相に変化は生じない。
図13は,マゼンタの最大出力濃度が低下した場合である。つまり,図13(A)の実線に示されるとおり,マゼンタMの最大出力濃度が1.3と低下し,最大出力濃度がCYに比較してMが低くなりすぎている。その結果,図13(B)の印刷エンジンが出力可能な最大色空間802は,マゼンタMで狭まっている。
この場合,トナーセーブモードでマゼンタMの最大出力濃度を目標値0.85にするために,マゼンタMのトナー抑制率を62.50%に設定する。それ以外のCYのトナー抑制率は50%に設定する。その結果,図13(A)の破線に示されるとおり,トナーセーブ時の最大出力濃度はCYMがバランス良く補正されている。
図13(B)に示されるとおり,マゼンタMのトナー抑制率を50%にすると色再現空間702に示すとおり色のバランスが崩れてしまうが,本実施の形態では,マゼンタMのみトナー抑制率を62.50%にし,CYのトナー抑制率を50%にしているので,トナーセーブ時の色再現空間700は,定常状態の700と一致する。よって,トナーセーブ時の色バランスが理想状態と一致し色相に変化は生じない。
図13の最大出力濃度が低下した場合は,トナーセーブモードでトナー量が抑制されることを利用して,その抑制率を調整することで,トナーセーブモードでの色バランスを理想状態に戻すことができる。この処理はコントローラによる画像処理で行うことができる。
図14は,本実施の形態におけるKのトナーセーブを説明する図である。トナーセーブモードでは,CMYのトナー量を抑制するとともに,Kのトナー量も必要に応じて抑制する。ただし,Kのトナー量の抑制率は,抑制後のKトナーの最大出力濃度が,抑制後のCMYトナーの最大出力濃度のいずれよりも大きくなる範囲で設定することが望ましい。具体的には,抑制後のKトナーの最大出力濃度は,カラートナーとのバランス上,抑制後のCMYカラートナーの最大出力濃度よりも20〜30%増加させる。そのようにすることで,トナーセーブモード時の自然画像の締まりを良くすることができる。
図14(A)に示すとおり,本実施の形態では,抑制後のKトナー最大出力濃度902が,トナー抑制しない場合のKトナー最大出力濃度900よりも低く,抑制後のCMYトナー最大出力濃度904,906,908のいずれよりも高くなるように設定する。すなわち,Kトナーの許容される出力階調範囲は910の範囲に入ることが望ましい。
そこで,図14(B)に示すとおり,抑制後のKトナーの出力濃度特性920は,図14(A)に示したKトナー許容範囲910内に収まればよく,その許容範囲910内で所望の濃度特性をとることができる。たとえば,(1)最小から最大まで一定の割合で抑制する特性,(2)最小から最大まで上に凸の単調増加により抑制する特性,(3)最小から最大まで下に凸の単調増加により抑制する特性のいずれかである。(2)は,第1の入力階調領域での出力濃度の傾きが第1の入力階調領域よりも高い第2の入力階調領域での出力濃度の傾きよりも大きい場合である。また,(3)は,第1の入力階調領域での出力濃度の傾きが第1の入力階調領域よりも高い第2の入力階調領域での出力濃度の傾きよりも小さい場合である。
上記(1)の場合は,有彩色と無彩色のバランスが最も良くKトナーの抑制量も平均的なものとなる。上記(2)の場合は,画像の暗部領域の締まりを改善しつつKトナーの抑制量を増加させることができる。また,上記(3)の場合は,Kトナーの抑制量は低下するが,画像の輪郭のコントラストを高めることができる。また,(2)(3)のように単調増加特性を維持することで,Kトナーの出力濃度の連続性が保たれ,階調飛びや階調潰れによる画質低下を抑えることができる。
上記(1)の場合はKのトナー抑制率はテーブル内に1つ設定すればよい。上記(2),(3)の場合は,Kのトナー抑制率を,入力階調に応じて複数設定することが求められる。または,階調変換部209が参照できるトナー抑制テーブルを上記(2)(3)の特性に基づいて生成し,テーブル222に記録してもよい。
さらに,Kトナーを抑制することで黒文字の入力階調が中間階調になり,スクリーニング処理部210によるスクリーニング処理でドットなしが増加して文字品質の低下が懸念される。しかし,スクリーニング・スムージング処理部210によるスムージング処理で,処理対象の階調値の境界を示す閾値をKトナーの抑制量に合わせて低下させることで,黒文字が中間階調になってもエッジとして検出され解像度が改良されるので,文字品質の低下を抑えることができる。また,Kトナーについては,スクリーニング処理で,FMスクリーンによる処理や誤差拡散処理など密度変調スクリーンを利用したり,同じ出願人により提案されているアドバンストAMスクリーン法のように,網点間隔は一定でも重心位置に網点中心を移動させる処理をすることで,文字品質の低下を抑制することができる。
[目視によるトナー抑制率の補正]
前述のトナーセーブモード時のトナー抑制率の補正は,内蔵パッチ画像を生成し内蔵センサで出力濃度を測定することで,現状の出力濃度特性を求め,それに対応してトナー抑制率をCMYK別々に補正している。しかし,内蔵パッチ画像を生成し測定しなくても,パッチ画像を印刷用紙に印刷し,測色機で出力濃度を測定し,その測定結果に応じてトナー抑制率を再設定するようにしても良い。さらに,測色機が利用できない場合には,以下のパッチ画像を利用して目視によりトナー抑制率を決定するようにすることもできる。
図15は,本実施の形態における目視によるトナー抑制率補正のためのパッチ画像例を示す図である。図15のパッチ画像は,低濃度領域,例えば40%程度の低濃度のコンポジットグレイパッチ群であって,CMYそれぞれについてトナー抑制率を50%(設定値0)にした出力濃度を基準濃度として,トナー抑制率55%(設定値+1),60%(設定値+2),45%(設定値−1),40%(設定値−2)で組み合わせたパッチ群からなる。各設定値におけるCMY各色のグレイ階調値の例が表940に示されている。
パッチ群930は,中心のパッチ62がCMY全て設定値0の基準濃度のパッチであり,右斜め軸方向にCトナーの設定値がプラスとマイナスになるパッチと,左斜め軸方向にMトナーの設定値がプラスとマイナスになるパッチとを有する。パッチ群930の下地935は基準濃度になっている。
パッチ群931,932,933,934も同様のパッチ群で構成される。そして,パッチ群930に比較すると,パッチ群931,932はYトナーの設定値がプラス方向に変化し,パッチ群933,934はYトナーの設定値がマイナス方向に変化している。各パッチ群にそれぞれ25個のパッチが含まれ,合計で125パッチを有する。
ユーザは,図15のパッチ画像を印刷用紙に形成し,どのパッチがトナーセーブモードでの理想的な色バランスを有するパッチ画像かを目視で選択する。そして,選択したパッチ番号を,例えばホストコンピュータ10のプリンタドライバ12から入力する。または,プリンタ20に設けられている入力ボタンから入力する。この選択されたパッチ画像が現状のCMYの出力濃度特性としてプリンタに認識される。よって,プリンタの自動画像濃度制御及びトナー抑制率補正プログラム204は,選択されたパッチ番号に対応するCMYのトナー抑制率に各色の抑制率を修正して不揮発性メモリ14に記憶する。
上記のパッチ画像を目視で選択する方法では,低濃度のグレイバランスが最適となるトナー抑制率を決定するので,トナーセーブ時の画質を官能的に一定にすることができる。グレイバランスを調整しただけでは完全に経時変化を取り除くことは困難であるが,少なくともグレイバランスの見栄えを一定に保てば色空間内の色相のずれも小さくなるので,結果的に色空間内の官能的な見栄えも一定に保たれる。
また,1つのプリンタで調整したグレイバランスの結果に,他のプリンタのグレイバランスを一致させるようにすれば,両者の官能的な見栄えを近づけることができエンジン間の機体差も小さくすることができる。具体的には,第1のプリンタで選択したパッチパターンと同じグレイバランスを有するパッチパターンを,第2のプリンタで選びだして選択すれば,両プリンタのトナーセーブモードでの画質は同等になる。
図16は,本実施の形態における目視によるトナー抑制率補正のためのパッチ画像の別の例を示す図である。図16のパッチ画像は図15のパッチ画像の簡易版である。
図15のパッチ画像は,トナー抑制率を5段階に変化させて得られる125通りのパッチパターンからなる。しかし,これらのパッチパターンは数が多く,CMYの各階調の割合が同等のパッチパターンが存在しそれらのパッチパターンは官能的には同等のグレイバランスを有するので,目視で最適なグレイバランスを選択することは熟練者でないかぎり容易ではない。
そこで,図16の簡易版では,パッチ画像950が6角形の中に,上下方向にYトナーをプラスまたはマイナスし,右斜め方向にCトナーをマイナスまたはプラスし,左斜め方向にMトナーをマイナスまたはプラスした37個のパッチパターンで構成する。中央にデフォルト濃度のパッチ0を配置し,パッチ画像950の下地952の色がデフォルト濃度のパッチ0の色になっている。
図16の簡易版のパッチ画像では,例えば,青味を強めたい場合には図15のようにシアンとマゼンタを強めるのではなく,イエローを弱めることでグレイバランスを変更している。また,シアンとマゼンタとイエローを等量強めた場合あるいは弱めた場合には,グレイバランスに変化はないので,そのようなグレイバランスが重複するパッチは省いている。パッチ数が37個に減少しているので,最適なパッチパターンの選択が容易になりトナー抑制率の調整が非常に簡便に行える。
上記の実施の形態では,ハーフトーン処理部のスクリーンガンマテーブルが補正されて,入力階調に対する出力濃度が理想的なリニアな関係になるように補正されている。しかし,本発明はかならずしもリニアな関係になるように補正されている必要はない。例えば入力階調に対する出力濃度の傾きが徐々に減少する上に凸の特性に補正されてもよい。逆に,入力階調に対する出力濃度の傾きが徐々に増加する下に凸の特性に補正されてもよい。若しくは,低入力階調領域では上に凸(または下に凸)の特性で,高入力階調領域では下に凸(または上に凸)の特性を有し,全体でS字の特性を有していても良い。いずれにしても,既知の特性に補正されるので,測定したまたはユーザから入力された最大出力濃度(またはある基準入力階調に対する基準出力濃度)に基づいて,トナー抑制時の最大出力濃度(または基準出力濃度)が初期目標値に一致するようにトナー抑制率が選択されればよい。
上記の実施の形態では,トナーセーブモードで階調変換部が入力階調をトナー抑制率により抑制した抑制入力階調に変換し,ハーフトーン処理部が抑制入力階調を画像再生データに変換している。しかし,ハーフトーン処理部内の補正ガンマテーブルでトナー抑制率により入力階調を抑制するようにしてもよい。または,ハーフトーン処理部内の補正されたスクリーンガンマテーブルが,トナー抑制率に基づいて修正され,その修正スクリーンガンマテーブルにより入力階調が画像再生データに変換されてもよい。
本実施の形態における画像形成装置の構成図である。 コントローラユニット内の色変換部,階調変換部,ハーフトーン・スムージング処理部210の構成図を示す図である。 自動画像濃度制御プログラムによる制御手順を示すフローチャート図である。 入力階調と出力濃度の特性と補正ガンマテーブルの例を示す図である。 画像濃度補正を行うハーフトーン処理部の構成図である。 自動画像濃度制御におけるグラフを示す図である。 自動画像濃度補正による特性の補正を示す図である。 トナーセーブモードを説明する図である。 トナーセーブモードの問題点を説明する図である。 本実施の形態におけるトナーセーブモードを説明する図である。 本実施の形態におけるCMYのトナーセーブを説明する図である。 本実施の形態におけるCMYのトナーセーブを説明する図である。 本実施の形態におけるCMYのトナーセーブを説明する図である。 本実施の形態におけるKのトナーセーブを説明する図である。 本実施の形態における目視によるトナー抑制率補正のためのパッチ画像例を示す図である。 本実施の形態における目視によるトナー抑制率補正のためのパッチ画像の別の例を示す図である。
符号の説明
20:プリンタ(画像形成装置) 200:コントローラユニット
204:自動画像濃度制御プログラム 210:ハーフトーン・スムージング処理部
216:スクリーンガンマテーブル 218:補正ガンマテーブル
220:センサ値・紙上濃度変換テーブル
222:トナー抑制率テーブル

Claims (7)

  1. 複数色の入力階調を有する画像データに基づいてカラー画像を形成する画像形成装置において,
    所定の変換特性に基づいて前記画像データの入力階調から画像再生データを生成するハーフトーン処理部を有するコントローラユニットと,
    前記画像再生データに基づいて前記入力階調に対応する出力濃度の画像を形成する印刷エンジンとを有し,
    前記コントローラユニットは,前記複数色の入力階調をそれぞれのトナー抑制率で抑制して前記画像再生データを生成するトナーセーブモードを有し,
    前記コントローラユニットは,更に,前記複数色の最大入力階調に対する画像の最大出力濃度の測定値のいずれかが低下した場合に,前記複数色の最大入力階調に対する画像の最大出力濃度の測定値に基づいて,前記トナーセーブモードにおける目標トナー抑制率での前記複数色それぞれの最大出力濃度が,前記最大出力濃度の測定値が低下していない定常状態のトナーセーブモードにおける前記目標トナー抑制率での前記複数色それぞれの最大出力濃度に一致するように前記複数色それぞれのトナー抑制率を可変設定する抑制率設定部を有する画像形成装置。
  2. 請求項1において,
    前記ハーフトーン処理部は,前記複数色の入力階調に対する画像の出力濃度の測定値に基づいて,前記所定の変換特性を,前記入力階調に対して前記画像の出力濃度が所定の特性になるように補正する出力濃度補正モードを有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項において,
    前記最大出力濃度の測定値は,前記ハーフトーン処理部が前記出力濃度補正モードで取得した前記複数色の入力階調に対する画像の出力濃度の測定値に含まれる測定値であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1において,
    前記コントローラユニットは,前記トナーセーブモードで前記複数色の入力階調をそれぞれのトナー抑制率で抑制した抑制入力階調に変換する階調変換部を有し,
    前記ハーフトーン処理部は,前記抑制入力階調を前記画像再生データに変換することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1または2において,
    前記抑制率設定部は,前記複数色が低濃度のコンポジットグレイパッチであって前記複数色についてそれぞれトナー抑制率を組み合わせた複数のコンポジットグレイパッチを有するパッチ画像から,選択されたコンポジットグレイパッチのトナー抑制率の組み合わせに,前記複数色のトナー抑制率を設定することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1において,
    前記抑制率設定部は,黒色の前記目標トナー抑制率での最大出力濃度が当該黒色以外の複数色の前記目標トナー抑制率での最大出力濃度のいずれよりも大きくなる範囲で,前記黒色のトナー抑制率を可変設定することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項において,
    前記抑制率設定部は,前記黒色のトナー抑制率を,黒色の入力階調に対する出力濃度の特性が,入力階調の全領域で出力濃度の傾きが一定の第1の特性,第1の入力階調領域での出力濃度の傾きが前記第1の入力階調領域より高い第2の入力階調領域での出力濃度の傾きよりも大きい第2の特性,または,第1の入力階調領域での出力濃度の傾きが前記第1の入力階調領域より高い第2の入力階調領域での出力濃度の傾きよりも小さい第3の特性のいずれかを設定することを特徴とする画像形成装置。
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