JP2008129110A - カラー画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より大幅なトナー抑制率に対応可能で且つ画質の劣化を極力抑えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】カラー画像形成装置は,黒を含む複数色のカラー画像データの入力階調値から画像再生データを生成する画像処理ユニットと,画像再生データに基づいてカラー画像データの画像を黒を含む複数色のトナーを利用して形成する印刷エンジンとを有する。そして,画像処理ユニットは,トナーセーブモード時において,黒以外の複数色の入力階調値を一律に通常時に比較して第1の抑制率で減少した抑制階調値に変換し,黒の入力階調値を前記第1の抑制率よりも小さい第2の抑制率で減少した抑制階調値に変換する階調変換部を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は,プリンタ,複写機,ファックスなどの画像形成装置に関し,特に,トナーセーブモードを有するカラー画像形成装置に関する。
カラー画像形成装置において,ドラフト印刷などの目的でトナーセーブモードが設けられている。トナーセーブモードに設定されると,通常時よりもトナー量を削減して現像が行われる。
以下の特許文献1には,トナーセーブモードの場合に,CMYKの4色のトナーのうち,CMYの3色のトナーを同じ割合で抑制(減少)させ,K(ブラック)のトナーだけは通常時と同じ量に制御することが提案されている。CMYトナーのトナー抑制率を全て同じ割合で行っているので,CMYによる色相は変化せず彩度が低下するのみであり,画質が劣化しがたく,また,Kトナーを抑制しないことで,CMYK全てを一律に抑制する場合に比べて画像が鮮明になり締まった画質になるので,トナーセーブによる画質の劣化を抑制することができる。特許文献1によれば,トナーセーブモード時に,CMYトナーを約70%程度一律に減少させ,Kトナーは減少させていない。
特開2004−309662号公報
近年,環境問題への対策やランニングコスト抑制のために,トナー消費量を従来よりも更に削減することが望まれている。従来,抑制率を20〜30%としてトナー量を通常時の70〜80%にすることが行われているが,更に,抑制率を50%,80%とすることが望まれている。
このようにトナー抑制率を大きくすると,上記の特許文献1によれば,CMYトナーが極端に抑制されるのに対してKトナーは全く抑制されない。その結果,逆に形成された画像ではKトナーのみが浮いてしまい,画像の見栄えが悪くなるという問題がある。
そこで,本発明の目的は,より大幅なトナー抑制率に対応可能で且つ画質の劣化を極力抑えた画像形成装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために,本発明の第1の側面によれば,カラー画像形成装置は,黒を含む複数色のカラー画像データの入力階調値から画像再生データを生成する画像処理ユニットと,前記画像再生データに基づいて前記カラー画像データの画像を黒を含む複数色のトナーを利用して形成する印刷エンジンとを有する。そして,画像処理ユニットは,トナーセーブモード時において,前記黒以外の複数色の入力階調値を一律に通常時に比較して第1の抑制率で減少した抑制階調値に変換し,前記黒の入力階調値を前記第1の抑制率よりも小さい第2の抑制率で減少した抑制階調値に変換する階調変換部を有する。
上記の第1の側面によれば,黒以外の複数色のトナー量に加えて黒のトナー量も抑制することで,より大きなトナー抑制を可能とする。さらに,黒以外の複数色のトナー量を一律に第1の抑制率で減少させるので,自然画像の色相は変化せず彩度のみが減少し,黒のトナー量は第1の抑制率より小さい第2の抑制率で減少させるので,さらに黒のトナー量がCMYのトナー量より多く使用されるので,画像の締まり(鮮明度)を維持しつつ黒トナーが浮き上がって画像の見栄えが悪くなるのを防止できる。
上記の目的を達成するために,本発明の第2の側面によれば,カラー画像形成装置は,黒を含む複数色のカラー画像データの入力階調値から画像再生データを生成する画像処理ユニットと,前記画像再生データに基づいて前記カラー画像データの画像を黒を含む複数色のトナーを利用して形成する印刷エンジンとを有する。そして,画像処理ユニットは,第1のトナーセーブモード時において,前記黒以外の複数色の入力階調値を一律に通常時に比較して第1の抑制率で減少した抑制階調値に変換し,前記黒の入力階調値は減少させず,前記第1のトナーセーブモードよりもセーブ率が高い第2のトナーセーブモード時において,前記黒以外の複数色の入力階調値を一律に通常時に比較して前記第1の抑制率よりも大きい第2の抑制率で減少した抑制階調値に変換し,前記黒の入力階調値を前記第2の抑制率よりも小さい第3の抑制率で減少した抑制階調値に変換する階調変換部を有する。
上記の第2の側面によれば,セーブ率が比較的小さい第1のトナーセーブモード時では,黒以外の複数色のトナー量のみを一律に減少させ,黒のトナー量は減少させない。そして,第1のトナーセーブモードよりもセーブ率が大きい第2のトナーセーブモード時では,黒以外の複数色のトナー量を第2のトナーセーブモードのセーブ率に対応する第2の抑制率で減少させることに加えて,黒のトナー量も減少させる。但し,黒のトナー量の抑制率は黒以外の複数色の第2の抑制率よりも少ない第3の抑制率にして,黒トナー不足による自然画像の不鮮明さ(締まりがなくなること)を防止する。
上記第1または第2の側面において好ましい態様によれば,画像処理ユニットは,前記抑制階調値を前記画像再生データに変換するハーフトーン処理部と,形成する画像のエッジ部分をなめらかな形状にするスムージング処理部とを有し,前記スムージング処理部は,前記抑制階調値が所定の閾値を超えている画素であって周囲の画素と比較して階調値が高い画素をエッジ部分の画素と判定してスムージング処理を行い,前記トナーセーブモード時において,前記所定の閾値を,前記黒の画像データと黒以外の複数色の画像データとについてそれぞれの抑制率に対応した低い閾値に設定することを特徴とする。
上記第1または第2の側面において好ましい態様によれば,階調変換部は,前記黒の入力階調値の抑制を,入力階調値が増大するに伴ってその抑制階調値が,リニアに単調増加する変換特性,上に凸な単調増加の変換特性,または下に凸な単調増加の変換特性のいずれかで行うことを特徴とする。
以下,図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し,本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず,特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
図1は,本実施の形態におけるカラー画像形成装置の構成図である。カラー画像形成装置であるプリンタ200は,ホストコンピュータ100にネットワークなどの接続回線を介して接続される。プリンタ200は,画像処理ユニットとして機能するプリンタコントローラ210と,印刷エンジン250とで構成される。
ホストコンピュータ100にインストールされているプリンタドライバ110から,画像データを有するまたは画像データを生成するための印刷コマンドを有する印刷データが供給され,画像処理ユニット210内のインターフェース211がその印刷データを受信する。画像処理ユニット210全体を制御するCPU212が,印刷データから画像データを抽出し,または印刷データ内の印刷コマンドから画像データを生成し,メモリ213内にビットマップデータとして展開する。このビットマップデータは例えば各画素のRGBの階調データである。
画像処理ユニット210は,メモリ213内に展開されたRGBの階調データから印刷エンジンのトナー色に対応するCMYKの階調データに変換する色変換部214と,色変換部214が生成するCMYKの入力階調値をそれぞれ階調変換して階調値データC1,M1,Y1,K1を生成する階調変換部215と,その階調値データC1,M1,Y1,K1を所定のスクリーンテーブルを参照して印刷エンジンの画像形成に対応する画像再生データC2,M2,Y2,K2を生成するハーフトーン処理部216と,その画像再生データをパルス幅変調するパルス幅変調器217とを有する。また,ハーフトーン処理部216は,印刷される画像のエッジ部を検出しエッジ部分の形状をスムーズにするスムージング処理部を内蔵する。
印刷エンジン250は,印刷エンジン内の各部材を制御するエンジンコントローラ251と,画像再生データをパルス幅変調したパルス信号に基づいて駆動させる発光手段252と,発光手段252からのビーム照射により潜像が形成される感光体ドラム253と,感光体ドラム253上に形成された潜像にトナーを供給する複数のトナーカートリッジ261〜264を有する現像ユニット260とを有する。それ以外に,図示しないが,感光体ドラム253上に形成されたトナー像を印刷媒体に転写する転写手段と,転写されたトナー像を定着させる定着手段とを有する。
印刷エンジン250は,CMYKに対応するパルス信号に応じて感光体ドラム253上に潜像を形成し,トナーカートリッジ261〜264から対応する色のトナーを供給して潜像にトナー剤を付着してトナー画像を形成し,印刷媒体に4色のトナー画像を転写してカラー画像を形成する。1つの感光体ドラム253が設けられている場合は,4サイクルの感光,現像を繰り返してカラー画像を形成し,4つの感光体ドラムが設けられている場合は,4つの色のトナー画像をそれぞれに形成してカラー画像を形成する。
ハーフトーン処理部216は,4つのカラープレーンにおいて,入力階調値C1,M1,Y1,K1を,AMスクリーンやFMスクリーンによるルックアップテーブルを参照して,画像再生データC2,M2,Y2,K2を生成する。また,ハーフトーン処理部内のスムージング処理部は,入力階調値C1,M1,Y1,K1が所定の閾値を超える画素であり,且つ周囲の画素と所定の階調差を有する画素をエッジ部分の画素と判定し,そのエッジ部分の形状をスムーズにするためにドットを追加するための画像データを生成する。新たに生成された画像データの階調値もハーフトーン処理部により画像再生データに変換される。
階調変換部215は,CPU212からの変換制御信号に応じて,所定の階調変換処理を行う。階調変換処理には,印刷エンジンの特性ばらつきや経年変化に伴って入力階調値に対する出力濃度が最適値からずれている場合に,最適値になるように入力階調値を補正する補正処理や,印刷ジョブにトナーセーブモードが指定されている場合に,入力階調値CMYKをモードに対応した抑制率で階調値を減じるトナーセーブ処理などが含まれる。
[通常動作]
図2は,画像処理ユニットの階調変換部における通常動作時での階調変換特性を示す図である。階調変換部215は,変換特性CNV1では,0〜255階調を有する256階調の入力階調値C,M,Y,Kを,リニアな関係で0〜255階調の階調値C1,M1,Y1,K1に変換する。変換特性CNV2では,同様に256階調の入力階調値C,M,Y,Kを256階調の階調値C1,M1,Y1,K1に変換するが,その特性は,低階調値領域ではより高い階調値になり,高階調値領域では逆により低い階調値になる。たとえば,AMスクリーンにおいて低階調値領域では画素内のドット面積が狭くなりトナーが付着しにくく画質の低下が予想されるので,より高めの階調値に変換され,高階調値領域では人間の目には鈍感であるのでやや低めの階調値に変換される。これら以外にも様々なノンリニアな変換特性が考えられる。
以下の説明では,簡単のために階調変換部の変換特性がCNV1を例にして,トナーセーブモードでの階調変換処理を説明する。
上記の通り,通常動作時においては,階調変換部215は,0〜255階調の入力階調値C,M,Y,Kに対して0〜255階調の階調値C1,M1,Y1,K1に変換する。そして,この階調値C1,M1,Y1,K1による出力濃度が再現されるように,各色のトナーが使用される。したがって,255階調の入力階調値C,M,Y,Kは,255階調の階調値C1,M1,Y1,K1に変換され,AMスクリーンの場合は,その255階調の出力濃度が再現されるように, 画素の潜像の面積やトナーが付着したドット面積が形成される。
また,スムージング処理におけるエッジ検出では,エッジ部分の画素を判別する階調閾値Vth0が最高階調値の255階調に設定される。よって,文字などエッジ部分が有効に検出され,所望のスムージング処理が行われる。
[トナーセーブモード動作]
図3は,画像処理ユニットの階調変換部におけるトナーセーブモード時での階調変換特性を示す図である。図3(A)は,セーブ率が比較的小さい(例えばセーブ率0〜20%)第1のトナーセーブモードでのCMYとKに対する変換特性を示し,図3(B)はセーブ率が比較的大きい(例えばセーブ率20〜80%)第2のトナーセーブモードでのCMYとKに対する変換特性を示している。
図3(A)に示されるとおり,印刷ジョブに含まれるトナーセーブモードが比較的低いセーブ率の場合は,CMYの入力階調値は,入力階調0〜255において,一律に第1の抑制率SV1だけ減じられた抑制階調値C1,M1,Y1に変換される。つまり,第1の抑制率SV1が20%の場合は,通常動作時の変換特性CNV1の出力階調値を80%に減じた第1の変換特性CNV11で階調変換が行われる。それに対して,黒のトナーKの入力階調値は,図2の通常動作時と同じ変換特性CNV1で階調値K1に変換される。
このように,第1のトナーセーブモードでは,CMYのトナーは通常動作時の階調変換特性CNV1を一律に第1の抑制率SV1だけ減じるように階調変換が行われる。よって,CMYのトナー量の比率は一定に保たれるので,色相は通常動作時と同じに維持され,彩度のみが低下する。また,Kトナーは通常動作時と同じ階調変換特性CNV1で階調変換が行われるので,CMYのトナーに比較して黒,Kトナーの量は多めになる。その結果,自然画像の締まり(鮮明度)が良くなる。また,黒文字が中間階調にならないので文字品質の劣化がない。
ここで,CMYのカラートナーでは,階調変換前の入力値をIn(0≦In≦255),階調変換後の出力値をOut,抑制後のトナー量をrate[%]とすると,次の式により階調変換が行われる。ここで抑制率SV1は,SV1=100−rateである。
Out=In×(rate/100) (1)
次に,図3(B)に示されるとおり,印刷ジョブに含まれるトナーセーブモードが比較的高いセーブ率の場合は,CMYの入力階調値は,入力階調0〜255において,一律に第2の抑制率SV2(>SV1)だけ減じられた抑制階調値C1,M1,Y1に変換される。つまり,第2の抑制率SV2が50%の場合は,通常動作時の変換特性CNV1の出力階調値を50%に減じた第2の変換特性CNV12で階調変換が行われる。さらに,黒のトナーKの入力階調値は,入力階調0〜255において,一律に,第2の抑制率SV2より小さい第3の抑制率SV3だけ減じられた抑制階調値K1に変換される。例えば,第2の抑制率SV2が50%の場合は,第3の抑制率SV3が0〜50%のうちのいずれかの割合,例えば30%にされ,通常動作時の変換特性CNV1の出力階調値を70%に減じた第3の変換特性CNV13で階調変換が行われる。
つまり,CMYの入力階調値は,図3(B)左側の第2の変換特性CNV12で階調変換が行われ,Kの入力階調値は,図3(B)右側の第3の変換特性CNV13で階調変換が行われる。上記の式(1)において,第2の変換特性CNV12のrateが,第3の変換特性CNV13のrateよりも小さくなる。即ち,rate(CMY)<rate(K)になる。
図3(B)の左側の変換特性において,CMYは,変換特性CNV12で階調値が減じられるが,その場合に,Kの変換特性は,通常時の変換特性CNV1とCMYの変換特性CNV12との間であれば,いずれの変換特性であってもよい。
図3(B)の右側には,第3の変換特性CNV13の変形例として,下に凸の変換特性CNV13xと,上に凸の変換特性CNV13yとが示されている。つまり,変換特性CNV13は,0〜255の入力階調値に対して一定の割合(直線的)で抑制して減じた抑制階調値を生成し,変換特性CNV13xは,下に凸の特性で抑制して減じた抑制階調値を生成し,変換特性CNV13yは,上に凸の特性で抑制して減じた抑制階調値を生成する。いずれも,入力階調値に対して抑制階調値は単調増加である。
リニアな変換特性CNV13の場合は,CMYによる有彩色とKによる無彩色のバランスが最もよく,トナーの抑制量も平均的なものとすることができる。下に凸の変換特性CNV13xの場合は,暗部領域(高階調領域)ではKトナー量が多めになるようにして画像の締まりを改善しながら,変換特性CNV13よりもKトナーの抑制量を増加させることができる。そして,上に凸の変換特性CNV13yの場合は,Kトナーの抑制量としては低下するが,入力階調0〜255の全般においてKトナー量が多めになるので画像における輪郭などのコントラストを高くすることができる。
さらに,上記のいずれの変換特性CNV13,CNV13x,CNV13yにおいても,入力階調値に対して抑制階調値が単純増加であるので,Kトナーによる濃度の連続性が保持され,階調飛びや階調潰れによる画質劣化を抑えることができる。
図4は,本実施の形態におけるトナーセーブモードを説明する図である。図4において,横軸は印刷ジョブ毎に指示されるトナー抑制率0〜100%に対応し,縦軸は抑制されたトナー量(式(1)のrate)0〜100%に対応する。
指示されるトナー抑制率SVが比較的低い第1のトナーセーブモードMODE1では,CMYのトナー量が第1の抑制率SV1で抑制され,Kのトナー量は抑制されない(rate=100%)。一方,指示されるトナー抑制率が第1のトナーセーブモードよりも高い第2のトナーセーブモードMODE2では,CMYのトナー量が第2の抑制率SV2で抑制され,Kのトナー量も第2の抑制率SV2よりは小さい第3の抑制率SV3で抑制される。
そして,いずれのトナーセーブモードでも,指示されるトナー抑制率SVが高くなるに伴い,抑制されたトナー量rateはトナー抑制率SVに対応して少なくなるように減じられる。
図4のように,トナーの抑制率が小さい領域から大きい領域において,CMYのトナー量とKのトナー量とを,Kのトナー量がCMYのトナー量よりも大きくなるようにして,CMYのトナー量を減じたことによる自然画像の画質の低下(締まりがなくなり不鮮明になる)を抑えることができ,黒の文字画像の画質低下を抑制することができる。したがって,より広い抑制率の要求に応えることができ,より大きなトナーセーブを実現することができる。
図5は,本実施の形態におけるスムージング処理を説明する図である。前述のとおり,スムージング処理は,階調値データC1,M1,Y1,K1から文字画像などのエッジ部分を検出し,そのエッジ部分の形状をスムーズにするために行う画像処理である。図5(A)は,階調値データが255の画素P1が検出され,その周りの画素の階調値と所定の基準値以上の階調差が検出された場合に,エッジ部分の画素と判定される例である。この場合,ぎざぎざのエッジの画素に画像データQ1を追加し,エッジ形状をRのようにスムーズにする。図5(A)では,エッジ部分の画素P1を検出するために,階調閾値Vth0を255に設定している。
ところで,本実施の形態では,第1のトナーセーブモードではCMYの階調値が抑制されるので,上記のエッジ検出を適切に行うために,その閾値Vth1を,第1のトナー抑制率SV1に対応した階調値(255×(100−SV1)/100)にする。即ち,図3(A)の左の変換特性図に示される通りである。
同様に,第2のトナーセーブモードでは,CMYの階調値に加えてKの階調値も抑制されるので,上記のエッジ検出を適切に行うために,その閾値Vth2,Vth3を,第2のトナー抑制率SV1,第3のトナー抑制率SV3に対応した階調値にする。即ち,図3(B)の左の変換特性図に閾値Vth2が,右の変換特性図に閾値Vth3がそれぞれ示されている。
図5(B)には,エッジ検出のための画素階調値の閾値を抑制した場合のスムージング処理が示されている。画素P1の階調値はトナーセーブにより抑制されているが,それに対応してエッジ検出のための閾値Vth1,2,3も抑制され,適切にエッジ部分の画素を検出することができる。そして,エッジ部分の形状をスムーズにするために,画像データQ1を追加し,エッジ形状がRのようにスムーズにされる。
このように,トナーの抑制率に応じてスムージング処理対象のエッジ検出の閾値も抑制させることで,適切にスムージング化することができる。よって,トナーセーブにより文字などの濃度はうすくなるがその輪郭は鮮明にされるので,画質の低下を抑制できる。
以上の通り,本実施の形態によれば,カラー画像形成装置において,トナー抑制率が小さい場合は,CMYのトナーのみ抑制しKのトナーは抑制せず,トナー抑制率が大きい場合は,CMYのトナーの抑制に加えてKのトナーも抑制し,且つKトナーの抑制率をCMYトナーの抑制率よりも小さくしているので,トナー量を広い範囲にわたって抑制制御することができ,且つ,トナー抑制率が小さい場合から大きい場合のいずれにおいてもトナーセーブによる画質の低下を極力抑えることができる。
本実施の形態におけるカラー画像形成装置の構成図である。 画像処理ユニットの階調変換部における通常動作時での階調変換特性を示す図である。 画像処理ユニットの階調変換部におけるトナーセーブモード時での階調変換特性を示す図である。 本実施の形態におけるトナーセーブモードを説明する図である。 本実施の形態におけるスムージング処理を説明する図である。
符号の説明
200:プリンタ,カラー画像形成装置 210:画像処理ユニット
215:階調変換部 250:印刷エンジン
260:現像ユニット 261〜264:トナーカートリッジ
216:ハーフトーン処理部(スムージング処理部内蔵)

Claims (4)

  1. 黒を含む複数色のトナーを利用してカラー画像を形成するカラー画像形成装置において,
    黒を含む複数色のカラー画像データの入力階調値から画像再生データを生成する画像処理ユニットと,
    前記画像再生データに基づいて前記カラー画像データの画像を前記黒を含む複数色のトナーを利用して形成する印刷エンジンとを有し,
    前記画像処理ユニットは,トナーセーブモード時において,前記黒以外の複数色の入力階調値を一律に通常時に比較して第1の抑制率で減少した抑制階調値に変換し,前記黒の入力階調値を前記第1の抑制率よりも小さい第2の抑制率で減少した抑制階調値に変換する階調変換部を有することを特徴とするカラー画像形成装置。
  2. 黒を含む複数色のトナーを利用してカラー画像を形成するカラー画像形成装置において,
    黒を含む複数色のカラー画像データの入力階調値から画像再生データを生成する画像処理ユニットと,
    前記画像再生データに基づいて前記カラー画像データの画像を前記黒を含む複数色のトナーを利用して形成する印刷エンジンとを有し,
    画像処理ユニットは,第1のトナーセーブモード時において,前記黒以外の複数色の入力階調値を一律に通常時に比較して第1の抑制率で減少した抑制階調値に変換し,前記黒の入力階調値は減少させず,前記第1のトナーセーブモードよりもセーブ率が高い第2のトナーセーブモード時において,前記黒以外の複数色の入力階調値を一律に通常時に比較して前記第1の抑制率よりも大きい第2の抑制率で減少した抑制階調値に変換し,前記黒の入力階調値を前記第2の抑制率よりも小さい第3の抑制率で減少した抑制階調値に変換する階調変換部を有することを特徴とするカラー画像形成装置。
  3. 請求項1または2において,
    前記画像処理ユニットは,前記抑制階調値を前記画像再生データに変換するハーフトーン処理部と,形成する画像のエッジ部分をなめらかな形状にするスムージング処理部とを有し,
    前記スムージング処理部は,前記抑制階調値が所定の閾値を超えている画素であって周囲の画素と比較して階調値が高い画素をエッジ部分の画素と判定してスムージング処理を行い,前記トナーセーブモード時において,前記所定の閾値を,前記黒の画像データと黒以外の複数色の画像データとについてそれぞれの抑制率に対応した低い閾値に設定することを特徴とするカラー画像形成装置。
  4. 請求項1または2において,
    前記階調変換部は,前記黒の入力階調値の抑制を,入力階調値が増大するに伴ってその抑制階調値が,リニアに単調増加する変換特性,上に凸な単調増加の変換特性,または下に凸な単調増加の変換特性のいずれかで行うことを特徴とするカラー画像形成装置。
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