JP2006032915A - スピントランジスタ、プログラマブル論理回路および磁気メモリ - Google Patents

スピントランジスタ、プログラマブル論理回路および磁気メモリ Download PDF

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Abstract

【課題】増幅機能を有するスピントランジスタを提供すること。
【解決手段】スピントランジスタ100は、半導体基板10と、半導体基板10上において第1方向に磁化された強磁性体で形成される第1導電層12と、半導体基板10上において第1方向とその第1方向に対して反平行の第2方向とのいずれか一方に磁化される強磁性体で形成された第2導電層14と、第1導電層12と第2導電層14の間に位置し、第1導電層12と第2導電層14との間で電子スピンを導くチャネル部と、チャネル部の上方に位置するゲート電極40と、第1導電層12および第2導電層14の少なくとも一方とチャネル部との間に位置するトンネルバリア膜11a,11bと、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、MOS構造のスピントランジスタ、それを用いたプログラマブル論理回路、並びにトンネル磁気抵抗効果を利用した磁気メモリに関し、特に、増幅作用を有するスピントランジスタと、面方向のスピン注入によって記憶状態を制御することができる磁気メモリとに関する。
近年、電子のスピン自由度を利用したスピンエレクトロニクスデバイスの研究開発が盛んに行われている。また、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)や再生磁気ヘッドの応用など、トンネル磁気抵抗効果(TMR)を基礎とする応用研究も勢いを増しつつある。特に、半導体と磁性体とを結合したスピントランジスタが注目されている。
代表的なスピントランジスタの構造として、拡散型スピントランジスタ(Mark Johnsonタイプ)(非特許文献1参照)、Supriyo Dattaタイプ(スピン軌道制御型スピントランジスタ)(非特許文献2参照)、スピンバルブトランジスタ(非特許文献3および非特許文献4参照)、単電子スピントランジスタ(非特許文献5参照)、共鳴スピントランジスタ(非特許文献6参照)が提案されている。
また、ソースおよびドレインが磁性体で形成され、チャネルとドレインとの間にポイントコンタクトを設けたMOS構造のスピントランジスタが提案されている(特許文献1参照)。このポイントコンタクトは、スピン偏極した電子に対して量子効果が生じるサイズであり、その抵抗はチャネル抵抗よりも著しく大きい。チャネルとドレインとの間の界面抵抗は、ドレイン電流の磁化依存性を決定する主要因であるため、このスピントランジスタでは、結果的に、大きな磁気抵抗変化率(MR比:Magneto-resistance ratio)を得ることができる。
また、MRAMとMOSFETとの組み合わせによって、ANDゲートやORゲートなどの基本論理ゲートを構成し、MRAMの記憶状態を変更することで、それら論理ゲートの有効と無効を制御することができるプログラマブル論理回路が提案されている。
特開2003−92412号公報 M. Johnson et al., Phys. Rev. B37, 5326, (1988) D. Datta et al., Appl. Phys. Lett. 56, 665 (1990) D. J. Monsma et al., Phys. Rev. Lett. 74, 5260 (1995) K.Mizushima et al., Phys. Rev. B58, 4660 (1998) K. Ono et al., J. Phys. Soc. Jpn 66, 1261 (1997) N. Akiba et al., Physica B256-258, 561 (1998)
しかしながら、上記したスピントランジスタのいずれも増幅機能を有しておらず、トランジスタの機能のうち、スイッチング機能のみの活用に留まっていた。
また、特許文献1に記載のスピントランジスタでは、ポイントコンタクトでの抵抗値が大きくなるため、素子の応答速度が低下するという問題があった。さらに、ポイントコンタクトを有するスピントランジスタの実験報告において、高いMR比が実現できる例とできない例とが存在しており、このようなスピントランジスタを、多数の素子の集合である論理回路に適用することは、難しいという問題があった。
ポイントコンタクトを有しない構造のスピントランジスタであっても、半導体基板として真性半導体を用い、且つソースおよびドレインに用いる磁性体として磁性半導体を用いれば、MR比を大きくすることができる。具体的には、ソースおよびドレインとチャネルとの界面においてショットキーバリアを形成し、このショットキーバリアを介してスピン注入を行なう。磁性半導体は、例えば、半導体の原子の一部分をMnなどの磁性体で置換することにより得られる。しかしながら、磁性半導体は、現在のところ室温で良好な角型比が得られておらず、低温での動作に制限されるという問題があった。
また、MRAMとMOSFETとを組み合わせてプログラマブル論理回路を構築した場合、磁性体層からなるMRAMと半導体層からなるMOSFETとの間の配線が複雑になるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、増幅機能と不揮発性記憶機能を有し、且つ信頼性の高いスピントランジスタを提供することを目的とする。
また、本発明は、本発明にかかるスピントランジスタを用いることによって従来の配線の問題を解決したプログラマブル論理回路を提供することを目的とする。
また、面方向のスピン注入によって記憶状態を制御することができる磁気メモリを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるスピントランジスタは、第1方向に磁化された強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか一方として機能する第1導電層と、前記第1方向と該第1方向に対して反平行の第2方向とのいずれか一方に磁化される強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか他方として機能する第2導電層と、前記第1導電層と前記第2導電層の間に位置し、前記第1導電層と前記第2導電層との間で電子スピンを導くチャネル部と、前記チャネル部の上方に位置するゲート電極と、前記第1導電層および前記第2導電層の少なくとも一方と前記チャネル部との間に位置するトンネルバリア膜と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるスピントランジスタは、第1方向に磁化された強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか一方として機能する第1導電層と、前記第1方向と該第1方向に対して反平行の第2方向とのいずれか一方に磁化される強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか他方として機能する第2導電層と、前記第1導電層と前記第2導電層の間に位置し、前記第1導電層と前記第2導電層との間で電子スピンを導くチャネル部と、前記チャネル部の上方に位置するゲート電極と、前記第2導電層上に位置する第1多層膜と、前記第2導電層上に位置し、前記第1多層膜と離間した第2多層膜と、を備え、前記第1多層膜は、前記第2導電層上に位置する第1非磁性層と、該第1非磁性層上に位置し且つ第3方向に磁化された第1磁性層と、を有し、前記第2多層膜は、前記第2導電層上に位置する第2非磁性層と、該第2非磁性層上に位置し且つ第4方向に磁化された第2磁性層と、を有し、前記第2導電層の磁化方向は、該第2導電層を介して、前記第1多層膜と前記第2多層膜との間に流す電流の向きによって制御されることを特徴とする。
また、本発明にかかるプログラマブル論理回路は、第1方向に磁化された強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか一方として機能する第1導電層と、前記第1方向と該第1方向に対して反平行の第2方向とのいずれか一方に磁化される強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか他方として機能する第2導電層と、前記第1導電層と前記第2導電層の間に位置し、前記第1導電層と前記第2導電層との間で電子スピンを導く第1チャネル部と、前記第1チャネル部の上方に位置する第1ゲート電極と、前記第1チャネル部と前記第1ゲート電極との間に位置する第1フローティングゲートと、前記第1導電層および前記第2導電層の少なくとも一方と前記第1チャネル部との間に位置する第1トンネルバリア膜と、を有する第1スピントランジスタと、第3方向に磁化された強磁性体で形成され、前記第1導電層または前記第2導電層のいずれか一方と電気的に接続されソースまたはドレインのいずれか一方として機能する第3導電層と、前記第3方向と該第3方向に対して反平行の第4方向とのいずれか一方に磁化される強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか他方として機能する第4導電層と、前記第3導電層と前記第4導電層の間に位置し、前記第3導電層と前記第4導電層との間で電子スピンを導く第2チャネル部と、前記第2チャネル部の上方に位置する第2ゲート電極と、前記第2チャネル部と前記第2ゲート電極との間に位置し前記第1フローティングゲートと電気的に接続される第2フローティングゲートと、前記第3導電層および前記第4導電層の少なくとも一方と前記第2チャネル部との間に位置する第2トンネルバリア膜と、を有する第2スピントランジスタと、を備え、前記第1ゲート電極は第1入力端子と電気的に接続され、前記第2ゲート電極は第2入力端子と電気的に接続され、前記第3導電層は出力端子と電気的に接続され、前記第2導電層および前記第4導電層の磁化方向に応じて、AND回路またはOR回路として機能することを特徴とする。
また、本発明にかかるプログラマブル論理回路は、第1方向に磁化された強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか一方として機能する第1導電層と、前記第1方向と該第1方向に対して反平行の第2方向とのいずれか一方に磁化される強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか他方として機能する第2導電層と、前記第1導電層と前記第2導電層の間に位置し、前記第1導電層と前記第2導電層との間で電子スピンを導く第1チャネル部と、前記第1チャネル部の上方に位置する第1ゲート電極と、前記第1チャネル部と前記第1ゲート電極との間に位置する第1フローティングゲートと、前記第1導電層および前記第2導電層の少なくとも一方と前記第1チャネル部との間に位置する第1トンネルバリア膜と、を有する第1スピントランジスタと、第3方向に磁化された強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか一方として機能する第3導電層と、前記第3方向と該第3方向に対して反平行の第4方向とのいずれか一方に磁化される強磁性体で形成され、前記第1導電層または第2導電層のいずれか一方と電気的に接続されソースまたはドレインのいずれか他方として機能する第4導電層と、前記第3導電層と前記第4導電層の間に位置し、前記第3導電層と前記第4導電層との間で電子スピンを導く第2チャネル部と、前記第2チャネル部の上方に位置する第2ゲート電極と、前記第2チャネル部と前記第2ゲート電極との間に位置し前記第1フローティングゲートと電気的に接続される第2フローティングゲートと、前記第3導電層および前記第4導電層の少なくとも一方と前記第2チャネル部との間に位置する第2トンネルバリア膜と、を有する第2スピントランジスタと、を備え、前記第1ゲート電極は第1入力端子と電気的に接続され、前記第2ゲート電極は第2入力端子と電気的に接続され、前記第4導電層は出力端子と電気的に接続され、前記第2導電層および前記第4導電層の磁化方向に応じて、AND回路またはOR回路として機能することを特徴とする。
また、本発明にかかる磁気メモリは、第1方向に磁化される強磁性体で形成された磁気固着層と、前記第1方向と該第1方向に対して反平行の第2方向とのいずれか一方に磁化される強磁性体で形成された磁気記録層と、前記磁気記録層上に位置する第1多層膜と、前記磁気記録層上に位置し、前記第1多層膜と離間した第2磁気多層膜と、を備え、前記第1多層膜は、前記磁気記録層上に位置する第1非磁性層と、該第1非磁性層上に位置し且つ第3方向に磁化された第1磁性層と、を有し、前記第2多層膜は、前記磁気記録層上に位置する第2非磁性層と、該第2非磁性層上に位置し且つ第4方向に磁化された第2磁性層と、を有し、前記磁気記録層の磁化方向は、該磁気記録層を介して、前記第1磁気多層膜と前記第2磁気多層膜との間に流す電流の向きによって制御されることを特徴とする。
本発明にかかるスピントランジスタによれば、周知のMOSトランジスタのスイッチング機能および増幅機能に加え、第2導電層内の磁化方向を制御することにより、メモリ機能をも提供することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるスピントランジスタによれば、面方向におけるスピン注入によって第2導電層の磁化方向を制御することができ、これによりメモリ機能を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるプログラマブル論理回路によれば、メモリ機能を有するスピントランジスタによって構築されるので、スイッチング部とメモリ機能部との間の配線を簡略化することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる磁気メモリによれば、面方向におけるスピン注入によって磁気記録層の磁化方向を制御することができるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかるスピントランジスタ、磁気メモリ、およびプログラマブル論理回路の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。但し、図面は模式的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは現実のものとは異なる。また、図面の相互間において同じ部分を指す場合であっても、互いの寸法や比率が異なって示されている部分もある。
(実施の形態1)
実施の形態1にかかるスピントランジスタは、ソースとドレインを磁性体で形成した、MOS構造のトランジスタであって、チャネルとソースおよび/またはドレインとの間にトンネルバリア膜が形成されていることを特徴とする。
図1は、実施の形態1にかかるスピントランジスタの模式的な断面図である。図1において、スピントランジスタ100は、半導体基板10と、半導体基板10上に形成された第1導電層12および第2導電層14と、第1導電層12と半導体基板10との間に形成されたトンネルバリア膜11aと、第2導電層14と半導体基板10との間に形成されたトンネルバリア膜11bと、第1導電層12と第2導電層14の間に位置する半導体基板10上に形成されたゲート絶縁膜30と、ゲート絶縁膜30上に形成されたゲート電極40と、第1導電層12上に形成された反強磁性層16と、反強磁性層16上に形成された電極20aと、第2導電層14上に形成された電極20bと、を備える。第1導電層12は、MOSトランジスタのソースおよびドレインのいずれか一方として機能する層であり、第2導電層14は、MOSトランジスタのソースおよびドレインのいずれか他方として機能する層である。このスピントランジスタ100は、ソースおよびドレインとして強磁性体を用いている点と、トンネルバリア膜11a,11bが形成されている点を除けば、従来のMOSトランジスタと同じ構造である。よって、ゲート絶縁膜30の直下であって且つ第1導電層12と第2導電層14との間に位置する半導体基板10の領域は、チャネルとして機能する。
半導体基板10は、例えば、Si,Geなどの真性半導体、GaAs,ZnSeなどの化合物半導体、または、これら半導体にドーピングを施した高導電性の半導体である。第1導電層12は、磁気固着層として機能する強磁性体であり、その磁化は、所定の向きに固定される。換言すれば、この第1導電層12に含まれる電子の大部分が所定のスピン方向に偏極されている。図1においては、第1導電層12内の電子スピンの向きは紙面手前方向である。第1導電層12は、例えば、
i)NiFe合金,CoFe合金, CoFeNi合金
ii)(Co, Fe, Ni)−(Si, B)系合金、(Co, Fe, Ni)
−(Si, B)−(P, Al, Mo, Nb, Mn)系合金
iii)Co−(Zr, Hf, Nb, Ta, Ti)膜などのアモルファス材料
iv)Co2(CrxFe1-x)Al系やCo2MnAl, Co2MnSi
系などのホイスラー合金(ハーフメタル)
v)SiMn, GeMnなどの希薄磁性半導体材料
からなる群より選ばれる少なくとも1種の強磁性薄膜またはそれら多層膜で形成することができる。
また、第1導電層12は、一方向異方性を有することが望ましい。第1導電層12の厚さは、0.1nmから100nmが好ましく、超常磁性にならない程度の厚さである0.4nm以上がより望ましい。
反強磁性層16は、第1導電層12の磁化をより強固に且つ安定に固着するために形成される薄膜である。反強磁性層16として、例えば、FeMn,PtMn,PtCrMn,NiMn,IrMn,NiO,またはFe23を用いることができる。
第2導電層14は、磁気記録層として機能する強磁性体であり、外部から与えられる磁界やスピン注入によって、その磁化方向が変化する。すなわち、第2導電層14の磁化方向を、第1導電層12の磁化方向に対して、「平行」または「反平行」に制御することが可能である。ここで、ある磁化方向に対して「平行」とは、2つの磁化の向きが略一致することを意味し、ある磁化方向に対して「反平行」とは、2つの磁化の向きが互いに略反対であることを意味する。以下の説明においても、「平行」と「反平行」という表現はこの定義に従う。図1においては、第2導電層14の磁化方向は紙面から手前方向または裏面方向に制御される。第2導電層14もまた、第1導電層12と同様な強磁性薄膜で形成することができる。また、第2導電層14は、一軸異方性を有することが望ましく、その厚さは、第1導電層12と同程度である。第2導電層14として、軟磁性層/強磁性層という2層構造、または、強磁性層/軟磁性層/強磁性層という3層構造を用いても良い。
第1導電層12および第2導電層14を形成する磁性体に、さらに、Ag,Cu,Au,Al,Mg,Si,Bi,Ta,B,C,O,N,Pd,Pt,Zr,Ir,W,Mo,Ru,Re,Os,Nb,Bなどの非磁性元素を添加することにより、磁気特性、結晶性、機械的特性、化学的特性などの各種物性を調節してもよい。
トンネルバリア膜11a,11bは、例えば、Si,Ge,Al,Ga,Mg,Ti,Taの酸化物または窒化物で形成される。ゲート絶縁膜30は、従来のMOSトランジスタのゲート絶縁膜と同様な材料、例えば、SiO2で形成される。
ゲート電極40、電極20a、および電極20bもまた、従来のMOSトランジスタにおいて用いられる電極材料で形成される。ゲート電極40は、例えば、多結晶シリコンで形成され、電極20a,20bおよび図示しないゲート引き出し電極は、例えばアルミニウムや多結晶シリコンで形成される。
図2−1は、第2導電層14の磁化方向が、第1導電層12の磁化方向に対して「平行」である場合のスピントランジスタ100を模式的に表わした図である。また、図2−2は、この場合の、第1導電層12、第2導電層14、およびトンネルバリア膜11a,11bのエネルギーバンド図である。なお、図2−2は、第1導電層12および第2導電層14がホイスラー合金などのハーフメタル材料で形成された場合のエネルギーバンド図である。
同じ磁化方向の領域間では、その磁化方向と同じ向きに偏極された電子スピンは流れやすい。よって、磁化方向が「平行」の関係にあるときは、スピントランジスタ100は、従来のMOSトランジスタと同様なスイッチング機能を有する。すなわち、ゲート電極40に印加する電圧を制御することによって、電極20aと電極20bとの間の導通状態を制御することができる。
より具体的には、電極20aと電極20bとの間に印加された電圧によって、第1導電層12の電子は伝導帯に励起され、トンネルバリア膜11aのエネルギー障壁を透過し、ゲート電圧によって下げられたチャネル領域の伝導帯およびトンネルバリア膜11bのエネルギー障壁を経て、第2導電層14の伝導帯へと移動する。磁化方向が「平行」の関係にあるときは、図2−2に示すように、Upスピンの電子とDownスピンの電子のそれぞれについての第1導電層12のエネルギーバンド構造と第2導電層14のエネルギーバンド構造は一致する。Upスピンの電子はUpスピンバンドに移動し、Downスピンの電子はDownスピンバンドに移動するので、励起した電子は、容易に第1導電層12から第2導電層14へと移動することができる。
図3−1は、第2導電層14の磁化方向が、第1導電層12の磁化方向に対して「反平行」である場合のスピントランジスタ100を模式的に表わした図である。また、図3−2は、この場合の、第1導電層12、第2導電層14、およびトンネルバリア膜11a,11bのエネルギーバンド図である。なお、図3−2もまた、第1導電層12及び第2導電層14がハーフメタル材料で形成された場合のエネルギーバンド図である。
異なる磁化方向の領域間では、一方の磁化方向に偏極した電子スピンは他方の磁化方向の領域へはほとんど流れない。よって、磁化方向が「反平行」の関係にあるときは、スピントランジスタ100は、OFF状態のMOSトランジスタと等価である。すなわち、ゲート電極40に閾値以上の電圧を印加しても、電極20aと電極20bとの間に電流はほとんど流れない。
磁化方向が「反平行」の関係にあるときは、図3−2に示すように、Upスピンの電子とDownスピンの電子のそれぞれについての第1導電層12のエネルギーバンド構造と第2導電層14のエネルギーバンド構造は一致しない。よって、励起した電子は、第1導電層12から第2導電層14へと移動することが困難となる。
したがって、閾値以上のゲート電圧を印加した状態において、電極20aと電極20bとの間の電流を計測すれば、第2導電層14の磁化方向が第1導電層12の磁化方向に対して「平行」であるか「反平行」であるかを特定することができる。これは、スピントランジスタ100にメモリ機能が備わっていることを意味する。特に、第2導電層14は、電流磁場やスピン注入などによって外部からエネルギーが与えられない限り、その磁化方向を保持するので、不揮発性のメモリ機能を実現する。
また、このスピントランジスタ100は、従来のMOSトランジスタと同様な増幅機能をも有する。閾値以上のゲート電圧を印加すると、チャネル領域に位置する半導体の価電子帯のバンド端が上昇するため(結果的に、伝導帯のバンド端が下がる)、第1導電層12からチャネルへと注入された電子は、そのチャネルを経て容易に第2導電層14側へと移動することができる。換言すれば、電子がチャネル領域を通過する容易性、すなわち、電子の量は、ゲート電圧の大きさに依存する。これは、ゲート電圧の制御によって、第1導電層12と第2導電層14との間の電流を増幅することができることを意味する。
さらに、周知のMOS型スピントランジスタでは、ショットキーバリアを形成するために半導体基板として真性半導体を用いていたが、スピントランジスタ100では、ショットキーバリアに代えてトンネルバリアが形成されているので、半導体基板として化合物半導体やドーピングされた半導体を用いることができる。すなわち、スピントランジスタ100を構成する材料の選択性を高めることができる。
以上に説明したように、実施の形態1にかかるスピントランジスタ100によれば、第1導電層12および第2導電層14が磁性体または磁性半導体で形成されたMOSトランジスタとして提供され、第1導電層12とチャネルとの間と第2導電層14とチャネルとの間とにそれぞれトンネルバリア膜11a,11bが形成されている。これにより、周知のMOSトランジスタのスイッチング機能および増幅機能に加え、第2導電層14内の磁化方向を制御することにより、メモリ機能をも提供することができる。
なお、第1導電層12とチャネルとの間と、第2導電層14とチャネルとの間とのいずれか一方のみにトンネルバリア膜が形成された場合であっても、上記効果を得ることができる。
また、図1では、ゲート絶縁膜30およびゲート電極40の側面に何も形成されていないが、図4に示すスピントランジスタ100’のように、それら側面に絶縁膜42a,42bが形成されていてもよい。絶縁膜42a,42bは、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)やスパッタリングなどで成膜した後、RIE(反応性イオンエッチング)などによる選択的エッチングによって形成することができる。
また、図1では、半導体基板10に第1導電層12および第2導電層14が埋め込まれているが、これら導電層は、図5に示すように、半導体基板の主面上に形成されていてもよい(以下、この型を表面積層型MOS構造と称する)。図5に示すスピントランジスタ1100では、トンネルバリア膜11a,11bは、それぞれ半導体基板1110の表面に形成される。また、第1導電層12は、トンネルバリア膜11a上に形成され、第2導電層14はトンネルバリア膜11b上に形成される。なお、図5において、図1と共通する部分には同一の符号が付されている。チャネルは、ゲート絶縁膜30の直下に形成される。このように、第1導電層12および第2導電層14を半導体基板1110の主面上に形成される表面積層型MOS構造のスピントランジスタであっても、上述した図1の効果を享受することができる。さらに、図6に示すスピントランジスタ1100’のように、ゲート絶縁膜30およびゲート電極40と第1導電層12との間と、ゲート絶縁膜30およびゲート電極40と第2導電層14との間とに、それぞれ絶縁膜42a,42bが形成されていてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態2にかかるスピントランジスタは、図1に示した第2導電層14の磁化方向を電流磁場によって制御する構造を有することを特徴としている。図7は、実施の形態2にかかるスピントランジスタの模式的な断面図である。このスピントランジスタ110において、反強磁性層16、ゲート電極40、および半導体基板層10の表面とゲート絶縁膜30の側面とが絶縁層60で覆われている。スピントランジスタ110の図1と異なる点は、絶縁層60の上に第1ワード線111aが形成される点と、半導体層10と酸化シリコン層50とがSOI(Silicon On Insulator)基板の一部として提供され、酸化シリコン層50内に第2ワード線111bが形成される点である。なお、酸化シリコン層50の下には、Si等の支持基板(図示しない)が設けられている。
第1ワード線111aと第2ワード線111bは、第2導電層14を間に挟むように、略直交して配置され、例えば、AlやCuで形成される。図7では、第1ワード線111aは、第1導電層12および第2導電層14を横切る方向に伸び、第2ワード線111bは、第2導電層14に沿った方向に伸びる。
第1ワード線111aと第2ワード線111bのそれぞれに電流パルスを流すことにより、これらワード線に挟まれた領域、すなわち第2導電層14が位置する領域に合成磁場が生成される。合成磁場の向きは、上記電流パルスの向きによって制御することができる。この合成磁場の向きより、第2導電層14の磁化方向を制御することができる。
よって、この実施の形態2にかかるスピントランジスタ110によれば、実施の形態1にかかるスピントランジスタ100の第2導電層14の磁化方向を、電流磁場によって制御することができる。
なお、この電流磁場の制御構造は、図5に示した表面積層型MOS構造のスピントランジスタに対しても適用することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3にかかるスピントランジスタは、実施の形態2にかかるスピントランジスタの第1ワード線および/または第2ワード線の表面の一部に、磁性体からなる磁気被覆層が形成されていることを特徴としている。図8−1は、実施の形態3にかかるスピントランジスタの模式的な断面図である。このスピントランジスタ120において、図7と異なる点は、絶縁層60上の第1ワード線121aの上面および側面に磁気被覆層(Yoke)122aが形成されている点と、酸化シリコン層50内の第2ワード線121bの下面および側面に磁気被覆層(Yoke)122bが形成されている点である。磁気被覆層122a,122bは、例えば、パーマロイで形成される。図8−2は、図8−1のX−X線断面図である。図8−1および図8−2に示すように、磁気被覆層122a,122bの断面はU字状であり、第1ワード線121aおよび第2ワード線121bの表面のうち、第2導電層14の方向に向いた面には磁気被覆層は形成されない。
この実施の形態3にかかるスピントランジスタ120によれば、第1ワード線121aおよび第2ワード線121bに形成された磁気被覆層122a,122bによって、第2導電層14へと局所的に電流磁場を与えることが可能になる。換言すれば、第2導電層14の磁化方向を制御するのに必要な電流パルスをより小さくすることができ、これにより、電流パルスの増大に伴う諸問題、すなわちEM(Electro Migration)や電流パルス生成回路の面積の増大などを回避することができる。
図9は、実施の形態3にかかるスピントランジスタのドレイン電流特性を示すグラフである。なお、このグラフを得るのに用いたスピントランジスタの第1導電層12は、(Co90Fe108515/PtMn/Ta/Poly−Siの強磁性多層膜であり、第2導電層14は、(Co90Fe108515/Ta/Poly−Siの強磁性多層膜である。図9において、実線は、第2導電層14の磁化方向を第1導電層12の磁化方向に対して「平行」にした状態のグラフを表わし、破線は、「反平行」にした状態を表わしている。また、「平行」状態および「反平行」状態のそれぞれにおいて、ゲート電圧Vgを0.2V,0.6V,0.9V,1.4Vとした場合の各グラフが示されている。図9に示すように、「平行」状態では、「反平行」状態と比較して、より小さいソース−ドレイン間電圧の印加によっても十分に大きなドレイン電流が流れる。すなわち、「平行」状態と「反平行」状態との間において異なる電流特性が示されており、これはメモリ機能の発現を意味する。さらに、ゲート電圧の増加に伴い、ドレイン電流も増加している。これは、このスピントランジスタ120に増幅機能が備わっていることを意味する。
図10は、実施の形態3にかかるスピントランジスタの他の例のドレイン電流特性を示すグラフである。なお、このグラフを得るのに用いたスピントランジスタの第1導電層12および第2導電層14は、ハーフメタル材料Co2MnAlを用いた多層膜である。具体的には、第1導電層12として、Co2MnAl/(Co90Fe108515/PtMn/Ta/Poly−Siの強磁性多層膜を用い、第2導電層14として、Co2MnAl/(Co90Fe108515/Cu/(Co90Fe108515/PtMn/Ta/Poly−Siの強磁性多層膜を用いた。また、「平行」状態および「反平行」状態のそれぞれにおいて、ゲート電圧Vgを0.4V,0.8V,1.2V,1.5Vとした場合の各グラフが示されている。図10においても、図9と同様なドレイン電流特性が示されている。但し、図10に示すグラフは、図9のグラフと比較して、「反平行」状態では、十分に大きなドレイン電流が流れるために、より大きなソース−ドレイン間電圧を印加する必要がある。これは、第1導電層12および第2導電層14としてハーフメタル材料を用いた方が、より大きなMR比が得られることを意味している。
(実施の形態4)
実施の形態4にかかるスピントランジスタは、実施の形態1にかかるスピントランジスタの第2導電層14の磁化方向をスピン注入によって制御する構造を有することを特徴としている。図11−1は、実施の形態4にかかるスピントランジスタの模式的な断面図である。また、図11−2は、図11−1に示すスピントランジスタの平面図である。このスピントランジスタ130において、図1と異なる点は、第2導電層14の上に、互いに所定の距離だけ離間した第1多層膜と第2多層膜が形成されている点である。
図11−1に示すように、このスピントランジスタ130は、第2導電層14の表面に、第1多層膜として、非磁性層131aと磁気固着層132aとがその順に積層され、第2多層膜として、非磁性層131bと磁気固着層132bとがその順に積層されている。特に、第1多層膜と第2多層膜は、第2導電層14の長手方向に沿って長く、互いに平行である。すなわち、第1多層膜と第2多層膜との間隙もまた、第2導電層14の長手方向に沿って長い。磁気固着層132a,132bは、それらの磁化方向が互いに「反平行」の関係にあり、第1導電層12と同様な磁性材料で形成される。非磁性層131a,131bは、例えば、Ag,Cu,Au,Al,Ru,Os,Re,Si,Bi,Ta,B,C,Pd,Pt,Zr,Ir,W,Mo,Nb,またはそれら合金で形成される。
また、磁気固着層132aの上には電極133aが形成され、磁気固着層132bの上には電極133bが形成される。電極133a, 133bは、例えばアルミニウムや多結晶シリコンで形成される。
第2導電層14に対するスピン注入は、電極133aと電極133bとの間に電流を流すことにより行なう。以下に、このスピン注入による磁化方向の制御について説明する。ここで、図11−1に示すように、磁気固着層132aの磁化方向は、第1導電層12の磁化方向に対して「反平行」であり、磁気固着層132bの磁化方向は、第1導電層12の磁化方向に対して「平行」であるとする。
まず、第2導電層14の磁化方向が第1導電層12の磁化方向に対して「平行」に記録された状態を想定する。この状態から、スピン注入によって第2導電層14の磁化方向を「平行」から「反平行」に反転させる。この磁化反転は、電極133bから電極133aに向けて電流を流すことにより行なう。電子の移動で言えば、磁気固着層132a内の「反平行」に偏極された電子スピン(以下、反平行スピンと称する。)が非磁性層131aを介して第2導電層14に注入される。第2導電層14内の「平行」に偏極された電子スピン(以下、平行スピンと称する。)は、注入された反平行スピンのトルクを受けて、そのスピン方向を反平行に反転する。また、注入によって磁気固着層132bに達した反平行スピンは、磁気固着層132bの磁化方向が「平行」であるために、そこで反射される。反射された反平行スピンは、さらに、第2導電層14内の平行スピンに対してトルクを与え、その平行スピンのスピン方向を反平行に反転させる。これにより、第2導電層14の磁化方向を「平行」から「反平行」に反転させることができる。
この「平行」→「反平行」動作に要する電流IC APは、
C AP=e・α・M・At[H+Hk+2πM]/(h・g(0))
と表わされる。ここで、α はGilbert damping parameter、Mは磁化、Atは第2導電層14の体積、Hは磁場、Hkは異方性定数、hはプランク定数である。また、g(0)の一般式g(π)は、磁気固着層132aと非磁性層131aの界面および磁気固着層132bと非磁性層131bの界面でのスピン依存性を示しており、
g(θ)=1/[−4+(1+p)3・(3+cosθ)/4p3/2
と表わされる。ここで、pはスピン偏極率である。
つぎに、第2導電層14の磁化方向が第1導電層12の磁化方向に対して「反平行」に記録された状態を想定する。この状態から、スピン注入によって第2導電層14の磁化方向を「反平行」から「平行」に反転させる。この磁化反転は、上記した「平行」→「反平行」動作とは逆に、電極133aから電極133bに向けて電流を流すことにより行なう。電子の移動で言えば、磁気固着層132b内の平行スピンが非磁性層131bを介して第2導電層14に注入される。この反転動作も、スピンの向きが異なる点以外は、上記した「平行」→「反平行」の動作と同様である。
この「反平行」→「平行」の動作に要する電流IC Pは、
c P=e・α・M・At[H−Hk−2πM]/(h・g(π))
と表わされる。なお、g(π)>g(0)であるため、一般に、電流Ic Pの方が、電流Ic APに比べて小さい。
図11−1および図11−2に示した磁化方向制御構造は、図12に示すように、上述した表面積層型MOS構造に対しても適用することができる。図12に示すスピントランジスタ1130では、半導体基板1110の表面に形成されたトンネルバリア膜11a,11b上にそれぞれ第1導電層12,第2導電層14が形成され、第2導電層14上に、図11−1および図11−2に示した第1多層膜(非磁性層131a,磁気固着層132a)および第2多層膜(非磁性層131b,磁気固着層132b)が形成される。
図11−1および図11−2では、第1多層膜と第2多層膜が第2導電層14の長手方向に沿って互いに平行となる方向に長いとしたが、並置される方向を90°回転させ、第1磁気多層膜の先端と第2多層膜の先端との間に間隙が形成されるように配置されてもよい。図13−1は、この場合の実施の形態4にかかるスピントランジスタの模式的な断面図である。また、図13−2は、図13−1に示すスピントランジスタの平面図である。図13−1に示すスピントランジスタ140は、第2導電層14の表面に、第1多層膜として、非磁性層141aと磁気固着層142aとがその順に積層され、第2多層膜として、非磁性層(図示せず)と磁気固着層142bとがその順に積層されている。特に、第1多層膜と第2多層膜は、それらの先端同士が向かい合うように且つその先端間に間隙ができるように、配置される。磁気固着層142a,142bは、図11−1に示した磁気固着層132a,132bと同様な材料で形成され、非磁性層141a,141bもまた、図11−1に示した非磁性層131a,131bと同様な材料で形成される。磁気固着層142aの上には電極143aが形成され、磁気固着層142bの上には電極143bが形成される。これら電極もまた、図11−1に示した電極133a, 133bと同様な材料で形成される。
図13−1および図13−2に示した磁化方向制御構造は、図14に示すように、上述した表面積層型MOS構造に対しても適用することができる。図14に示すスピントランジスタ1140では、半導体基板1110の表面に形成されたトンネルバリア膜11a,11b上にそれぞれ第1導電層12,第2導電層14が形成され、第2導電層14上に、図13−1および図13−2に示した第1多層膜(非磁性層141a,磁気固着層142a)および第2多層膜(非磁性層,磁気固着層142b)が形成される。
以上に説明したように、実施の形態4にかかるスピントランジスタ130,1130,140および1140によれば、第2導電層14の磁化方向を、スピン注入によって制御することができる。実施の形態2および3に示した電流磁場によって生成された合成磁場は、スピントランジスタの層構造とは無関係に空間的な広がりを有するので、第2導電層14以外の構成部に対して悪影響を及ぼす可能性がある。また、MOS構造によって占有される空間以外に、ワード線を配置するための空間が必要となる。実施の形態4にかかるスピントランジスタでは、これら電流磁場を生成する構造上の欠点を改善している。さらに、スピン注入は、第2導電層14の面方向に対して行なわれるため、磁化方向を制御するために注入される電子スピンは、トンネルバリア膜11a,11bを流れない。これにより、トンネルバリア膜11a,11bの破壊が避けられる。
なお、図11−1において、磁気固着層132aと電極133aとの間と、磁気固着層132bと電極133bとの間とに、反強磁性層16と同様な材料で形成された反強磁性層を設けてもよい。これにより、磁気固着層132aと磁気固着層132bの磁化をより強固に且つ安定に保持することができる。図12,図13−1および図14に示したスピントランジスタについても同様である。
さらに、実施の形態4の特徴であるスピン注入構造は、トンネルバリア膜11a,11bを備えないスピントランジスタに対しても適用可能である。すなわち、第1導電層12および第2導電層14とチャネルとの間にショットキーバリアが生成されるMOS型スピントランジスタにも対しても、スピン注入による第2導電層の磁化方向制御が可能である。
(実施の形態5)
実施の形態5にかかるスピントランジスタは、実施の形態4にかかるスピントランジスタにおいて、少なくとも一方の磁気多層膜の磁気固着層を、磁性層/非磁性層/磁性層の3層構造によって形成することを特徴としている。
図15−1は、実施の形態5にかかるスピントランジスタの模式的な断面図である。また、図15−2は、図15−1に示すスピントランジスタの平面図であり、図15−3は、図15−2に示すスピントランジスタのXI−XI線断面図である。図15−1に示すスピントランジスタ150において、図13−1と異なる点は、第2導電層14の表面に、第1多層膜として、非磁性層151aと、磁性層152aと、非磁性層153aと、磁性層154aとがその順に積層され、第2多層膜として、非磁性層152bと磁性層153bとがその順に積層されている点である。また、磁性層152aと磁性層153bの磁化方向は「反平行」の関係にあり、磁性層154aと磁性層153bの磁化方向は「平行」の関係にある。すなわち、第1多層膜を構成する2つの磁性層152a,154aは磁化方向が異なる。
磁性層152a,154a,153bは、実施の形態4において説明した磁気固着層と同様な材料で形成され、非磁性層151a,153a,152bもまた、実施の形態4において説明した非磁性層と同様な材料で形成される。磁性層154aの上には電極155aが形成され、磁性層153bの上には電極154bが形成される。これら電極もまた、上述した電極と同様な材料で形成される。
磁性層152a/非磁性層153a/磁性層154aのように、磁化方向の異なる2つの磁性層を、非磁性層を介して挟んだ構造とすることにより、2つの磁性層間において反強磁性相互作用が生じ、磁性層の磁化方向がより強固に且つ安定に保持される。すなわち、この3層構造は、第1導電層12の上に形成された反強磁性層16と同様な作用を提供することができる。この3層構造に隣接してさらに反強磁性層を設けると、より効果的である。磁気固着層を構成する磁性層/非磁性層/磁性層の2つの磁性層の膜厚を調整することにより、磁気記録層である第2導電層14の磁化シフトを任意に設定することもできる。また、この3層構造による磁化固着は、磁性層からの漏洩磁界(stray field)を低減させることができる。
なお、第2多層膜の磁性層を、磁性層/非磁性層/磁性層の3層構造によって実現しても良い。この場合、第1多層膜と第2多層膜のうち、一方が、非磁性層/磁性層を奇数回積層した多層構造によって形成され、他方が、非磁性層/磁性層を偶数回積層した多層構造によって形成される必要がある。
この3層構造による磁化固着は、磁気固着層である第1導電層12に対して適用することもできる。すなわち、第1導電層12と反強磁性層16とからなる構造を、磁性層/非磁性層/磁性層の3層構造としてもよい。この場合、3層構造にさらに、反強磁性層16を隣接させて配置することもできる。
また、図15−1〜図15−3に示した磁化方向制御構造は、図16に示すように、上述した表面積層型MOS構造に対しても適用することができる。図16に示すスピントランジスタ1150では、半導体基板1110の表面に形成されたトンネルバリア膜11a,11b上にそれぞれ第1導電層12,第2導電層14が形成され、第2導電層14上に、図13−1および図13−2に示したような第1多層膜(非磁性層151a,磁性層152a,非磁性層153a,磁性層154a)および第2多層膜(非磁性層152b,磁気固着層153b)が形成される。
以上に説明したように、実施の形態5にかかるスピントランジスタ150および1150によれば、第2導電層14に対するスピン注入を行なうための磁気固着層が、磁性層/非磁性層/磁性層の3層構造によって形成される。この3層構造によって、磁気固着層の磁化をより強固に且つ安定に保持することができる。
(実施の形態6)
実施の形態6にかかるスピントランジスタは、実施の形態4にかかるスピントランジスタにおいて、第1多層膜を構成する磁気固着層の磁化方向と第2多層膜を構成する磁気固着層の磁化方向とが同一であることを特徴としている。特に、スピン注入によって、第2導電層14に還流磁区が生成されることを特徴とする。図17−1は、実施の形態6にかかるスピントランジスタの模式的な断面図である。また、図17−2は、図17−1に示すスピントランジスタの平面図である。
このスピントランジスタ160は、第2導電層14の表面に、第1多層膜として、非磁性層161aと磁気固着層162aとがその順に積層され、第2多層膜として、非磁性層161bと磁気固着層162bとがその順に積層されている。また、磁気固着層162aの上には電極163aが形成され、磁気固着層162bの上には電極163bが形成される。スピントランジスタ160は、磁気固着層162a,162bの磁化方向が同一である点以外は、図11−1に示したスピントランジスタ130と同じ構造を有し、同様な材料で形成される。
以下に、このスピントランジスタ160における、スピン注入による磁化方向の制御、特に還流磁区の生成について説明する。ここで、図11−1に示したように、磁気固着層162a,162bの磁化方向は、第1導電層12の磁化方向に対して「平行」であるとする。
まず、第2導電層14の磁化方向が第1導電層12の磁化方向に対して「反平行」に記録された状態を想定する。正確には、第2導電層14において還流磁区が生成されており、その還流磁区のチャネル側に位置する磁区、換言すれば非磁性層161aの直下に位置する磁区(以下、近位磁区と称する。)の磁化方向が「反平行」であり、且つ非磁性層161bの直下に位置する磁区(以下、遠位磁区と称する。)の磁化方向が「平行」である状態を想定する。図18−1は、この状態での還流磁区を示す図である。このように、第2導電層14に還流磁区が生成されている場合、第2導電層14は、第1導電層12に対して「反平行」と「平行」の2つの記録状態を有することになる。しかしながら、ドレイン電流の流れやすさは、実質、第1導電層12の磁化方向と、第2導電層14の近位磁区の磁化方向とによって決まる。このため、第2導電層14の記録状態は、近位磁区の磁化方向によって表わすことができる。
図18−1に示す状態から、スピン注入によって近位磁区の磁化方向を「平行」に反転させ、遠位磁区の磁化方向を「反平行」に反転させる。この磁化反転は、電極163bから電極163aに向かう向きに電流を流すことにより行なう。電子の移動で言えば、磁気固着層162a内の平行スピンが非磁性層161aを介して第2導電層14に注入される。近位磁区内の反平行スピンは、注入された平行スピンのトルクを受けて、その向きを反転させ、平行スピンとなる。注入された平行スピンは、近位磁区と遠位磁区とを通過して、磁気固着層162bに到達する。磁気固着層162bの磁化方向は、「平行」であるため、平行スピンは反射されずに、容易に電極163bへと流れる。一方、電極163aと電極163bとの間の電圧の印加により、平行スピンだけではなく、第2導電層14内の反平行スピンも磁気固着層162bへと移動する。磁気固着層162bに達した反平行スピンは、磁気固着層162bの磁化方向が「平行」であるために、そこで反射される。反射された反平行スピンは、さらに、遠位磁区内の平行スピンに対してトルクを与え、その向きを「反平行」に反転させる。これにより、近位磁区の磁化方向を「平行」に反転させ、遠位磁区の磁化方向を「反平行」に反転させることができる。図18−2は、これら磁化反転後の還流磁区を示す図である。図18−1と図18−2とを比較してもわかるように、磁気固着層162aから第2導電層14へのスピン注入により、還流磁区の磁化方向を時計回りから反時計回りに反転させることができる。
つぎに、第2導電層14の磁化方向が第1導電層12の磁化方向に対して「平行」に記録された状態を想定する。正確には、図18−2に示した状態である。この磁化反転は、電極163aから電極163bに向かう向きに電流を流すことにより行なう。電子の移動で言えば、磁気固着層162b内の平行スピンが非磁性層161bを介して第2導電層14に注入される。この磁化反転も、スピンの向きが異なる点以外は、上記した「反平行」→「平行」の動作と同様である。
また、図18−1および図18−2に示した磁化方向制御構造は、図19に示すように、上述した表面積層型MOS構造に対しても適用することができる。図19に示すスピントランジスタ1160では、半導体基板1110の表面に形成されたトンネルバリア膜11a,11b上にそれぞれ第1導電層12,第2導電層14が形成され、第2導電層14上に、図17−1および図17−2に示した第1多層膜(非磁性層161a,磁性層162a)および第2多層膜(非磁性層161b,磁気固着層162b)が形成される。
以上に説明したように、実施の形態6にかかるスピントランジスタ160および1160によれば、第2導電層14に、スピン注入によって還流磁区を生成し、この還流磁区の磁化方向を制御することによって、第2導電層14の記録状態を制御することができる。特に、還流磁区は、熱的に安定であり、磁性体で形成される第2導電層14のサイズが小さくなった場合の熱揺らぎによるスピン反転の問題も解決できるという利点がある。
なお、図13−1、図14および実施の形態5にかかるスピントランジスタに対しても、第2導電層14上において並置された磁性層の磁化方向を互いに平行に固着すれば、上記した還流磁区の生成および磁化反転を実現することもできる。
(実施の形態7)
上述した実施の形態1〜6にかかるスピントランジスタを用いて、プログラマブル論理回路を構成することができる。図20は、実施の形態7にかかるプログラマブル論理回路を構成するスピントランジスタの模式的な断面図である。図20に示すスピントランジスタ170において、図1と異なる点は、ゲート電極40とゲート絶縁膜30に代えて、ゲート電極41とフローティングゲート31が設けられた点である。なお、第2導電層14の磁化方向は、実施の形態2および3に示した電流磁場や実施の形態4〜6に示したスピン注入によって制御することができ、図20では、それら制御のための構造の図示を省略している。
図21は、図20のスピントランジスタを用いて構成されたプログラマブル論理回路の一例である。図21に示すプログラマブル論理回路は、それぞれ図20に示した構造のN型のスピントランジスタMT1とP型のスピントランジスタMT2とによって構成され、これらスピントランジスタは、フローティングゲートFGを共有している。すなわち、図20に示すフローティングゲート31は、隣接する他のスピントランジスタのフローティングゲートと電気的に接続されている。また、スピントランジスタMT1のドレイン(またはソース)とスピントランジスタMT2のソース(またはドレイン)とが接続され、スピントランジスタMT1のソース(またはドレイン)は電源電圧に接続され、スピントランジスタMT2のドレイン(またはソース)は接地されている。このプログラマブル論理回路では、スピントランジスタMT1,MT2の各ゲートが入力端子に接続され、スピントランジスタMT1のドレイン(すなわち、スピントランジスタMT2のソース)が出力端子に接続される。
図22は、図21に示したプログラマブル論理回路のレイアウト例である。図22において、N型拡散領域1012aは、第1導電層12に対応し、N型不純物が拡散されたSiMn, GeMnなどの希薄磁性半導体材料で作成される。このN型拡散領域1012aは、ビアホールおよび金属配線層を介して電源ラインVDDに接続される。N型拡散領域1014aは、第2導電層14に対応し、N型不純物が拡散された半導体強磁性材料で作成される。このN型拡散領域1014aは、ビアホールおよび金属配線層を介して出力端子Yに接続される。また、P型拡散領域1012bは、第1導電層12に対応し、P型不純物が拡散されたSiMn, GeMnなどの希薄磁性半導体材料で作成される。このP型拡散領域1012bは、ビアホールおよび金属配線層を介して接地ラインGNDに接続される。P型拡散領域1014bは、第2導電層14に対応し、P型不純物が拡散された半導体強磁性材料で作成される。このP型拡散領域1014bは、ビアホールおよび金属配線層を介して出力端子Yに接続される。ゲート電極1041a,1041bは、ゲート電極41に対応し、例えばポリシリコンで作成され、それぞれビアホールおよび金属配線層を介して入力端子A,Bに接続される。
図23は、図21に示すプログラマブル論理回路の出力特性を示すグラフであり、フローティングゲートFGに与える論理レベルVfgと論理出力Yとの関係を示している。なお、スピントランジスタMT1の論理入力をAとし、スピントランジスタMT2の論理入力をBとすると、Vfg=(A+B)/2の関係を満たす。図23において、実線は、スピントランジスタMT1,MT2の各第2導電層14の磁化方向がともに「平行」である場合の出力特性を示し、破線は、スピントランジスタMT1の第2導電層14の磁化方向が「平行」であり且つスピントランジスタMT2の第2導電層14の磁化方向が「反平行」である場合の出力特性を示す。図23に示すように、このプログラマブル論理回路の論理出力Yは、スピントランジスタMT1,MT2の各第2導電層14の磁化方向に応じて異なる特性を示す。具体的には、フローティングゲートFGの論理レベルVfgが1/2である場合、換言すれば、論理入力AおよびBのいずれか一方のみが論理レベル“1”を示す場合、「平行」状態では、論理出力Yは“0” を示すが、「反平行」状態では、論理出力Yは“1” を示す。この特性を利用して、図21に示すプログラマブル論理回路は、スピントランジスタMT1,MT2の記録状態に応じて、AND回路とOR回路を実現することができる。
図24−1は、図21に示すプログラマブル論理回路において、スピントランジスタMT1,MT2の各第2導電層14の磁化方向、すなわちスピンの向きがともに第1導電層12の磁化方向に対して「平行」である場合の入出力関係表である。この入出力関係表をみてわかるように、入力A,Bに対する出力Yの関係は、AND論理演算の真理値表と一致しており、これは、図21に示すプログラマブル論理回路がAND回路として機能していることを意味する。
図24−2は、図21に示すプログラマブル論理回路において、スピントランジスタMT1の第2導電層14の磁化方向、すなわちスピンの向きが第1導電層12の磁化方向に対して「平行」であり、且つスピントランジスタMT2の第2導電層14の磁化方向が第1導電層12の磁化方向に対して「反平行」である場合の入出力関係表である。特にこの場合、スピントランジスタMT2は高インピーダンス状態となる。この入出力関係表をみてわかるように、入力A,Bに対する出力Yの関係は、OR論理演算の真理値表と一致しており、これは、図21に示すプログラマブル論理回路がOR回路として機能していることを意味する。
なお、図21に示したプログラマブル論理回路において、スピントランジスタMT1のソース(またはドレイン)を接地し、スピントランジスタMT2のドレイン(またはソース)を電源電圧に接続し、さらに、スピントランジスタMT1とスピントランジスタMT2の接続点にインバータを接続した回路構成とした場合でも、上記同様に、AND回路またはOR回路として機能させることができる。図25は、この場合のプログラマブル論理回路である。図25に示すように、入力Bをゲートに入力するP型のスピントランジスタMT2のドレイン(またはソース)が電源電圧に接続され、入力Aをゲートに入力するN型のスピントランジスタMT1のソース(またはドレイン)が接地されている。スピントランジスタMT2のソース(またはドレイン)とスピントランジスタMT1のドレイン(またはソース)はともにインバータINVの入力端子に接続されている。インバータINVの出力端子からは論理出力Y’が得られる。
図26−1は、図25に示すプログラマブル論理回路において、スピントランジスタMT1の第2導電層14の磁化方向、すなわちスピンの向きが第1導電層12の磁化方向に対して「反平行」であり、且つスピントランジスタMT2の第2導電層14の磁化方向が第1導電層12の磁化方向に対して「平行」である場合の入出力関係表である。特にこの場合、スピントランジスタMT1は高インピーダンス状態となる。この入出力関係表をみてわかるように、入力B,Aに対する出力Y’の関係は、AND論理演算の真理値表と一致しており、これは、図25に示すプログラマブル論理回路がAND回路として機能していることを意味する。
図26−2は、図25に示すプログラマブル論理回路において、スピントランジスタMT1,MT2の各第2導電層14の磁化方向、すなわちスピンの向きがともに第1導電層12の磁化方向に対して「平行」である場合の入出力関係表である。この入出力関係表をみてわかるように、入力B,Aに対する出力Y’の関係は、OR論理演算の真理値表と一致しており、これは、図25に示すプログラマブル論理回路がOR回路として機能していることを意味する。
以上のことから、図21または図25に示したプログラマブル論理回路は、第2導電層14の磁化方向を制御することによって、AND回路とOR回路のいずれか一方を実現することができる。AND回路およびOR回路は基本回路であるため、これら回路を組み合わせることにより、NAND回路、NOR回路、およびEX−OR回路を含む、あらゆる論理回路を構築することができる。
上述した実施の形態におけるプログラマブル論理回路において、2つのスピントランジスタの接続関係は、ソースおよびドレインという文言を用いて説明したが、実施の形態1で説明したように、第1導電層12(すなわち磁気固着層)および第2導電層14(すなわち磁気記録層)はソースとしてもドレインとしても機能し得るため、2つのスピントランジスタ間において、磁気固着層同士が接続されてもよいし、磁気記録層同士が接続されてもよく、磁気固着層と磁気記録層とが接続されてもよい。このような簡便な接続構成で優れた特性を有するプログラマブル論理回路を提供することが可能である。
なお、図21または図25に示したスピントランジスタMT1,MT2の一方を、通常のMOSトランジスタに置換してもよい。例えば、図21のスピントランジスタMT1を、フローティングゲートを有する通常のNMOSトランジスタで構築しても、図24−1および図24−2に示した真理値表と同じ結果が得られる。
以上に説明したように、実施の形態7にかかるプログラマブル論理回路によれば、第2導電層14の磁化方向に応じてAND回路とOR回路とのいずれか一方に切り替わる論理回路を構築することができる。特に、このプログラマブル論理回路を構成するスピントランジスタはスイッチング機能と不揮発性メモリ機能とを有しているので、従来のプログラマブル論理回路(すなわち、スイッチング部とメモリ機能部とが別素子で構成された論理回路)において素子間の配線が複雑になっていたという問題も解決される。
(実施の形態8)
以下に、実施の形態8として、実施の形態1にかかるスピントランジスタ(図1に示したスピントランジスタと等価)の製造工程を説明する。図27−1〜図27−3は、このスピントランジスタの製造工程を、その断面図で示した図である。まず、シリコン基板181上に、素子領域を規定するためのフィールド酸化膜183a,183bを形成し、周知のリソグラフィ工程、エッチング工程、および成膜工程によって、第1導電層埋め込み領域191a、第2導電層埋め込み領域191b、ゲート絶縁膜186、およびゲート電極187を作成する(図27−1)。ゲート絶縁膜186およびゲート電極187は、実施の形態1で説明した材料を用いて形成される。
つぎに、スパッタリングおよびプラズマ酸化工程によって、フィールド酸化膜183a,183b、第1導電層埋め込み領域191a、第2導電層埋め込み領域191b、ゲート絶縁膜186、およびゲート電極187の露出面にトンネルバリア膜185a,185bを形成する(図27−2)。なお、ゲート電極187の表面の一部は、配線との接続のために露出している。これらトンネルバリア膜185a,185bもまた、実施の形態1で説明した材料を用いて形成される。そして、スパッタリングによって、第1導電層埋め込み領域191a、第2導電層埋め込み領域191bに、それぞれ第1導電層182,第2導電層184を積層した(図27−3)。このスパッタリングは、例えば、強指向性のスパッタ装置を用いる。また、第1導電層182および第2導電層184は、それぞれ異なるレジストマスクを用いることにより、異なる材料で形成することができる。これにより、第1導電層182および第2導電層184とシリコン基板181のチャネル領域との間に、それぞれトンネルバリア膜185a,185bが形成されたスピントランジスタ180を得ることができる。
以上に説明したように、実施の形態8にかかる製造方法によれば、周知の半導体製造技術を用いて、実施の形態1にかかるスピントランジスタを容易に作成することができる。
(実施の形態9)
実施の形態4〜6にかかるスピントランジスタのスピン注入構造は、MRAMのような磁気メモリのメモリ機能を担う構造としても有用である。ここでは、実施の形態6にかかるスピントランジスタのスピン注入構造、すなわち還流磁区の生成によって記憶保持および記憶状態の切替えを可能にした構造を用いた磁気メモリについて説明する。図28は、実施の形態9にかかる磁気メモリの模式的な断面図である。
図28に示す磁気メモリ200において、反強磁性層285、磁気固着層286、トンネルバリア層287、磁気記録層214、非磁性層261a、非磁性層261b、磁気固着層262a、磁気固着層262b、電極263a、電極263bは、材料および機能の点で、順に、図17−1に示した、反強磁性層16、第1導電層12、トンネルバリア膜11a(および11b)、第2導電層14、非磁性層161a、非磁性層161b、磁気固着層162a、磁気固着層162b、電極163a、電極163bに相当する。特に、磁気記録層214の表面に、第1多層膜として、非磁性層261aと磁気固着層262aとがその順に積層され、第2多層膜として、非磁性層261bと磁気固着層262bとがその順に積層されている点も、図17−1と同じである。また、図28において、図17−1のチャネル領域に相当する部分は、下部磁気記録層288であり、磁気記録層214と同様な材料で形成される。磁気メモリ200では、チャネルを形成する必要がないため、この下部磁気記録層288は単に、電子スピンの注入窓として機能する。但し、この注入窓は、磁気記録層214に形成される還流磁区のうち、実施の形態6において説明した近位磁区に相当する磁区の直下のみに配置させる必要がある。この磁気メモリの記録状態は、生成された還流磁区のうちの近位磁区の磁化方向に依存するからである。なお、下部磁気記録層288は省略されてもよい。
上記した積層構造は、下地電極層296上に形成される。具体的には、図28に示すように、下地電極層296の表面にさらに導電層284が形成され、この導電層284の上に、反強磁性層285、磁気固着層286、トンネルバリア層287、下部磁気記録層288が、その順に積層され、下部磁気記録層288の上に、磁気記録層214を主要部とするスピン注入構造が形成される。また、電極263a上には電極引出層264aが形成されており、この電極引出層264a上にさらにビット線270が形成されている。磁気メモリ200のメモリ機能部は、このビット線270と下地電極層296との間に挟まれた構成によって実現される。
下地電極層296の下層には、メモリ機能部の記憶状態を読み取る選択トランジスタが形成されており、この選択トランジスタのソース電極引出層294と下地電極層296とが電気的に接続されている。選択トランジスタは、半導体基板290と、半導体基板290に形成されたソース領域292およびドレイン領域293と、ゲート電極291とで構成される。また、ソース領域292上にはソース電極引出層294が形成され、ドレイン領域293上にはドレイン電極引出層295が形成される。なお、ビット線270と半導体基板290との間の上記した積層構造以外の領域は絶縁材料で満たされている。
換言すれば、磁気メモリ200は、周知のMRAMのセルにおいて、TMR素子に該当する部分が、上記したメモリ機能部に置換された構造を有する。すなわち、この磁気メモリ200をアレイ状に複数個形成することで、メモリセルアレイを構築することができる。
なお、磁気記録層214と、下部磁気記録層288と、トンネルバリア層287と、磁気固着層286とからなる構成に代えて、MRAMを構成するTMR素子を用いてもよい。換言すれば、TMR素子内に環流磁区を生成する。具体的には、トンネルバリア層287に代えて、絶縁層(または誘電体層)を用いる。この絶縁層として、例えば、Al23,SiO2,MgO,AlN,Bi23,MgF2,CaF2,SrTiO2,AlLaO3,AlNOを用いることができる。これらの化合物は、化学量論的にみて完全に正確な組成である必要はなく、酸素、窒素、フッ素などの欠損、あるいは過不足が存在していてもよい。また、この絶縁層(または誘電体層)の厚さは、トンネル電流が流れる程度に薄い方が望ましく、10nm以下であることが好ましい。
図29−1および図29−2は、磁気記録層214上で形成される還流磁区を示す図である。実施の形態6において説明したスピン注入による磁化制御と同様に、磁気メモリ200を構成する磁気記録層214上でも、スピン注入(図28に示す点線)によって還流磁区の磁化方向を制御することができる。このスピン注入は、電極263a,263b間に電流を流すことによって行なう。また、磁気メモリ200の記録状態は、MRAMと同様に、ビット線270とドレイン電極引出層295との間に流れる電流(図28に示す一点鎖線)の量によって検出することができる。
図28では、下地電極層296と磁気記録層214との間の層構造の幅、すなわち、導電層284、反強磁性層285、磁気固着層286、トンネルバリア層287および下部磁気記録層288の各幅は、磁気記録層214の幅よりも小さかったが、図30に示すように、磁気記録層214の幅と一致させても良い。図30に示す磁気メモリ300において、下地電極層396上に順に導電層384、反強磁性層385、磁気固着層386、トンネルバリア層387が形成され、それらの幅は、磁気記録層214の幅と一致する。
さらに、図30に示した構造において、磁気記録層214とトンネルバリア層387との間にスピン反射層を設けても良い。図31に示す磁気メモリ400において、下地電極層496、導電層484、反強磁性層485、磁気固着層486、トンネルバリア層487は、それぞれ図30に示す下地電極層396、導電層384、反強磁性層385、磁気固着層386、トンネルバリア層387に相当する。この磁気メモリ400では、さらに、磁気記録層214とトンネルバリア層487との間にスピン反射層490が形成されている。スピン反射層490は、磁性層491と非磁性層492がその順に積層された多層膜である。
スピン反射層490として、以下の材料の組み合わせを用いることが可能である。すなわち、磁気抵抗効果素子あるいは磁気メモリの磁気記録層(フリー層)214の材料がCoを含む強磁性材料(金属、合金、化合物等)の場合は、この磁気記録層214に接する非磁性層492の材料として、Cr,Ru,Ir,Os,Reから選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属または合金等を用いることが好ましい。また、磁気記録層214の材料がFeを含む強磁性材料(金属、合金、化合物等)の場合は、この磁気記録層214に接する非磁性層492の材料として、Cr,Ru,Os,Re,W,Mn,V,Ti,Moから選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属または合金等を用いることが好ましい。さらに、磁気記録層214の材料がNiを含む強磁性材料(金属、合金、化合物等)の場合は、この磁気記録層214に接する非磁性層492の材料として、Cr,Ru,Os,Re,Rh,Ir,W,Nb,V,Ta,Moから選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属または合金等を用いることが好ましい。ここで、磁気記録層214の材料がNi−Co,Ni−Fe,Co−Fe,Co−Fe−Ni等の合金である場合は、Co,Fe,Niそれぞれに好適な非磁性材料のうち共通の非磁性材料を用いることが好適である。なお、各場合において、磁性層491の材料としては磁気記録層214と同じ材料を用いることができるが、これに限られない。このスピン反射層490によって、スピン注入電流をさらに低減できるとともに、スピン注入時において磁気固着層262a、非磁性層261a、磁気記録層214、非磁性層261b、および磁気固着層262bからなる電流路上に流れる電流を増やし、さらにはトンネルバリア層487に与えるダメージを軽減することができる。
図32は、図28に示した磁気メモリのさらなる変形例である。図32に示す磁気メモリ500において、導電層584、反強磁性層585、磁気固着層586、トンネルバリア層588、磁気記録層514、非磁性層561a、非磁性層561b、磁気固着層562a、磁気固着層562b、電極563a、電極563b、電極引出層564aは、順に、図28に示した、導電層284、反強磁性層285、磁気固着層286、トンネルバリア層287、磁気記録層214、非磁性層261a、非磁性層261b、磁気固着層262a、磁気固着層262b、電極263a、電極263b、電極引出層264aに相当する。
図32において、図28と異なる点は、トンネルバリア層588と磁気固着層586との間に絶縁層587が形成され、尚且つ、導電層584の底面とトンネルバリア層588の底面の一部とが同一面上に位置するように、メモリ機能部を構成するいくつかの層が傾斜を有している点である。具体的には、導電層584の一部にテーパが形成され、この導電層584上に、反強磁性層585、磁気固着層586、絶縁層587、トンネルバリア層588、磁気記録層514が積層されることにより、これら層もまた傾斜を有する。非磁性層561aおよび磁気固着層562aは、図32に示すように、磁気記録層514上の平坦面と傾斜面に形成される。このように、エッジ部にトンネル障壁を作成することにより実効的な接合面積を反強磁性層585および磁気固着層586の膜厚で制御でき、接合面積のばらつきを抑えることができる。なお、図31に示したスピン反射層は、図32の磁気記録層514とトンネルバリア層588との間にも設けることが可能であり、スピン注入書き込み時の電流を低減することができる。
図28,図30〜32に示した磁気メモリの構造は、従来のMRAMを形成する工程と同様に、周知の半導体製造工程を用いて容易に形成することができる。
また、上記図28,図30〜32では、図17−1に示したスピントランジスタのように、磁性層間が互いに「平行」の関係にあるスピン注入制御構造を例示したが、図11−1,図12,図13−1,図14,図15−1,図16に示したように、磁性層間が互いに「反平行」の関係にあるスピン注入制御構造であってもよい。
以上に説明したように、実施の形態9にかかる磁気メモリによれば、MRAMのTMR素子に該当する部分を、実施の形態4〜6にかかるスピントランジスタのスピン注入構造に置き換えた構造を有しているので、スピン注入によって磁化方向が制御される磁気メモリを提供することができる。また、この磁気メモリは、実施の形態4〜6において説明した効果を享受することができる。
なお、本発明は、上述したような特定の実施形態に限定されるものではなく、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。すなわち、本発明にかかる実施の形態は、添付の特許請求の範囲およびその均等物にかかる発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
以上のように、本発明にかかるスピントランジスタは、増幅機能およびメモリ機能を有するスイッチング素子として有用であり、特に、プログラマブル論理回路の単位素子として使用するのに適している。また、本発明にかかる磁気メモリは、不揮発性メモリとして使用するのに適している。
実施の形態1にかかるスピントランジスタの模式的な断面図である。 第2導電層の磁化方向が「平行」状態である場合のスピントランジスタの模式的な断面図である。 第2導電層の磁化方向が「平行」状態である場合のスピントランジスタのエネルギーバンド図である。 第2導電層の磁化方向が「反平行」状態である場合のスピントランジスタの模式的な断面図である。 第2導電層の磁化方向が「反平行」状態である場合のスピントランジスタのエネルギーバンド図である。 実施の形態1にかかるスピントランジスタの別の例の模式的な断面図である。 実施の形態1にかかるスピントランジスタのさらに別の例の模式的な断面図である。 実施の形態1にかかるスピントランジスタのさらに別の例の模式的な断面図である。 実施の形態2にかかるスピントランジスタの模式的な断面図である。 実施の形態3にかかるスピントランジスタの模式的な断面図である。 図6−1のX−X線断面図である。 実施の形態3にかかるスピントランジスタのドレイン電流特性を示すグラフである。 実施の形態3にかかるスピントランジスタの別の例のドレイン電流特性を示すグラフである。 実施の形態4にかかるスピントランジスタの模式的な断面図である。 図11−1に示すスピントランジスタの平面図である。 実施の形態4にかかるスピントランジスタの別の例の模式的な断面図である。 実施の形態4にかかるスピントランジスタの模式的な断面図である。 図11−1に示すスピントランジスタの平面図である。 実施の形態4にかかるスピントランジスタの別の例の模式的な断面図である。 実施の形態5にかかるスピントランジスタの模式的な断面図である。 図15−1に示すスピントランジスタの平面図である。 図15−2に示すスピントランジスタのXI−XI線断面図である。 実施の形態5にかかるスピントランジスタの他の例の模式的な断面図である。 実施の形態6にかかるスピントランジスタの模式的な断面図である。 図17−1に示すスピントランジスタの平面図である。 磁化方向が「反平行」状態である第2導電層の還流磁区を示す図である。 磁化方向が「平行」状態である第2導電層の還流磁区を示す図である。 実施の形態6にかかるスピントランジスタの他の例の模式的な断面図である。 実施の形態7にかかるプログラマブル論理回路を構成するスピントランジスタの模式的な断面図である。 図20に示すスピントランジスタを用いて構成されたプログラマブル論理回路の一例を示す図である。 図21に示したプログラマブル論理回路のレイアウト例を示す図である。 図20に示すプログラマブル論理回路の出力特性を示すグラフである。 図21に示すプログラマブル論理回路の「平行」状態での真理値表である。 図21に示すプログラマブル論理回路の「反平行」状態での真理値表である。 図20に示すスピントランジスタを用いて構成されたプログラマブル論理回路の他の例を示す図である。 図25に示すプログラマブル論理回路の「反平行」状態での真理値表である。 図25に示すプログラマブル論理回路の「平行」状態での真理値表である。 実施の形態8にかかるスピントランジスタの製造工程のうち、第1導電層埋め込み領域および第2導電層埋め込み領域を形成する工程を、その断面図によって示した図である。 実施の形態8にかかるスピントランジスタの製造工程のうち、トンネルバリア膜を形成する工程を、その断面図によって示した図である。 実施の形態8にかかるスピントランジスタの製造工程のうち、第1導電層および第2導電層を形成する工程を、その断面図によって示した図である。 実施の形態9にかかる磁気メモリの模式的な断面図である。 磁気記録層上で形成される還流磁区を示す図である。 磁気記録層上で形成される他の状態の還流磁区を示す図である。 図28に示した磁気メモリの変形例を示す図である。 図30に示した磁気メモリの変形例を示す図である。 図28に示した磁気メモリの他の変形例を示す図である。
符号の説明
10,290,1110 半導体基板
11a,11b,185a,185b トンネルバリア膜
12,182 第1導電層
14,184 第2導電層
16,285,385,485,585 反強磁性層
30,186 ゲート絶縁膜
31 フローティングゲート
40,41,187,291 ゲート電極
42a,42b 絶縁膜
50 酸化シリコン層
60 絶縁層
100,110,120,130,140,150,160,170,180,1100,1130,1140,1150,1160 スピントランジスタ
111a,121a 第1ワード線
111b,121b 第2ワード線
122a,122b 磁気被覆層
131a,131b,141a,151a,152b,153a,161a,161b,261a,261b,492,561a,561b 非磁性層
132a,132b,142a,142b,162a,162b,286,262a,262b,386,486,562a,562b,586 磁気固着層
20a,20b,133a,133b,143a,143b,154b,155a,163a,163b,263a,263b,563a,563b 電極
152a,153b,154a,491 磁性層
183a,183b フィールド酸化膜
181 シリコン基板
191a 第1導電層埋め込み領域
191b 第2導電層埋め込み領域
200,300 磁気メモリ
214,514 磁気記録層
264a,564a 電極引出層
270 ビット線
284,384,484,584 導電層
287,387,487,588 トンネルバリア層
288 下部磁気記録層
292 ソース領域
293 ドレイン領域
294 ソース電極引出層
295 ドレイン電極引出層
296,396,496 下地電極層
490 スピン反射層
1012a,1014a N型拡散領域
1012b,1014b P型拡散領域

Claims (19)

  1. 第1方向に磁化された強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか一方として機能する第1導電層と、
    前記第1方向と該第1方向に対して反平行の第2方向とのいずれか一方に磁化される強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか他方として機能する第2導電層と、
    前記第1導電層と前記第2導電層の間に位置し、前記第1導電層と前記第2導電層との間で電子スピンを導くチャネル部と、
    前記チャネル部の上方に位置するゲート電極と、
    前記第1導電層および前記第2導電層の少なくとも一方と前記チャネル部との間に位置するトンネルバリア膜と、
    を備えたことを特徴とするスピントランジスタ。
  2. 前記ゲート電極には、前記チャネル部のエネルギー準位を制御するための電圧が印加されることを特徴とする請求項1に記載のスピントランジスタ。
  3. 前記第1導電層に接触する反強磁性層をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のスピントランジスタ。
  4. 前記第2導電層を挟み且つ互いに略直交した第1ワード線および第2ワード線をさらに備え、
    前記第2導電層の磁化方向は、前記第1ワード線と第2ワード線に流れる電流によって生成される合成磁場の向きに応じて制御されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のスピントランジスタ。
  5. 前記第1ワード線は、SOI(Silicon On Insulator)基板内に形成されることを特徴とする請求項4に記載のスピントランジスタ。
  6. 前記第1ワード線と前記第2ワード線の少なくとも一方は、少なくとも側面が磁気被覆層で覆われていることを特徴とする請求項4または5に記載のスピントランジスタ。
  7. 第1方向に磁化された強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか一方として機能する第1導電層と、
    前記第1方向と該第1方向に対して反平行の第2方向とのいずれか一方に磁化される強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか他方として機能する第2導電層と、
    前記第1導電層と前記第2導電層の間に位置し、前記第1導電層と前記第2導電層との間で電子スピンを導くチャネル部と、
    前記チャネル部の上方に位置するゲート電極と、
    前記第2導電層上に位置する第1多層膜と、
    前記第2導電層上に位置し、前記第1多層膜と離間した第2多層膜と、
    を備え、
    前記第1多層膜は、前記第2導電層上に位置する第1非磁性層と、該第1非磁性層上に位置し且つ第3方向に磁化された第1磁性層と、を有し、
    前記第2多層膜は、前記第2導電層上に位置する第2非磁性層と、該第2非磁性層上に位置し且つ第4方向に磁化された第2磁性層と、を有し、
    前記第2導電層の磁化方向は、該第2導電層を介して前記第1多層膜と前記第2多層膜との間に流す電流の向きによって制御されることを特徴とするスピントランジスタ。
  8. 前記第3方向は前記第1方向または前記第2方向に一致し、
    前記第3方向と前記第4方向は互いに反対向きであることを特徴とする請求項7に記載のスピントランジスタ。
  9. 前記第3方向は前記第1方向または前記第2方向に一致し、
    前記第3方向と前記第4方向は一致し、
    前記第2導電層には、該第2導電層を介して前記第1多層膜と前記第2多層膜との間に流す電流の向きに応じて異なる向きの還流磁区が生成されることを特徴とする請求項7に記載のスピントランジスタ。
  10. 前記第1多層膜は、前記第1磁性層上に位置する第3非磁性層と、該第3非磁性層上に位置し且つ前記第3方向に対して反平行の第5方向に磁化された第3磁性層と、を有することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載のスピントランジスタ。
  11. 前記第1導電層および前記第2導電層の少なくとも一方と前記チャネル部との間に位置するトンネルバリア膜をさらに備えたことを特徴とする請求項7〜10のいずれか一つに記載のスピントランジスタ。
  12. 前記チャネル部と前記ゲート電極との間に位置するフローティングゲートをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載のスピントランジスタ。
  13. 第1方向に磁化された強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか一方として機能する第1導電層と、前記第1方向と該第1方向に対して反平行の第2方向とのいずれか一方に磁化される強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか他方として機能する第2導電層と、前記第1導電層と前記第2導電層の間に位置し、前記第1導電層と前記第2導電層との間で電子スピンを導く第1チャネル部と、前記第1チャネル部の上方に位置する第1ゲート電極と、前記第1チャネル部と前記第1ゲート電極との間に位置する第1フローティングゲートと、前記第1導電層および前記第2導電層の少なくとも一方と前記第1チャネル部との間に位置する第1トンネルバリア膜と、を有する第1スピントランジスタと、
    第3方向に磁化された強磁性体で形成され、前記第1導電層または前記第2導電層のいずれか一方と電気的に接続されソースまたはドレインのいずれか一方として機能する第3導電層と、前記第3方向と該第3方向に対して反平行の第4方向とのいずれか一方に磁化される強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか他方として機能する第4導電層と、前記第3導電層と前記第4導電層の間に位置し、前記第3導電層と前記第4導電層との間で電子スピンを導く第2チャネル部と、前記第2チャネル部の上方に位置する第2ゲート電極と、前記第2チャネル部と前記第2ゲート電極との間に位置し前記第1フローティングゲートと電気的に接続される第2フローティングゲートと、前記第3導電層および前記第4導電層の少なくとも一方と前記第2チャネル部との間に位置する第2トンネルバリア膜と、を有する第2スピントランジスタと、
    を備え、
    前記第1ゲート電極は第1入力端子と電気的に接続され、
    前記第2ゲート電極は第2入力端子と電気的に接続され、
    前記第3導電層は出力端子と電気的に接続され、
    前記第2導電層および前記第4導電層の磁化方向に応じて、AND回路またはOR回路として機能する論理回路を少なくとも含んだことを特徴するプログラマブル論理回路。
  14. 第1方向に磁化された強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか一方として機能する第1導電層と、前記第1方向と該第1方向に対して反平行の第2方向とのいずれか一方に磁化される強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか他方として機能する第2導電層と、前記第1導電層と前記第2導電層の間に位置し、前記第1導電層と前記第2導電層との間で電子スピンを導く第1チャネル部と、前記第1チャネル部の上方に位置する第1ゲート電極と、前記第1チャネル部と前記第1ゲート電極との間に位置する第1フローティングゲートと、前記第1導電層および前記第2導電層の少なくとも一方と前記第1チャネル部との間に位置する第1トンネルバリア膜と、を有する第1スピントランジスタと、
    第3方向に磁化された強磁性体で形成され、ソースまたはドレインのいずれか一方として機能する第3導電層と、前記第3方向と該第3方向に対して反平行の第4方向とのいずれか一方に磁化される強磁性体で形成され、前記第1導電層または第2導電層のいずれか一方と電気的に接続されソースまたはドレインのいずれか他方として機能する第4導電層と、前記第3導電層と前記第4導電層の間に位置し、前記第3導電層と前記第4導電層との間で電子スピンを導く第2チャネル部と、前記第2チャネル部の上方に位置する第2ゲート電極と、前記第2チャネル部と前記第2ゲート電極との間に位置し前記第1フローティングゲートと電気的に接続される第2フローティングゲートと、前記第3導電層および前記第4導電層の少なくとも一方と前記第2チャネル部との間に位置する第2トンネルバリア膜と、を有する第2スピントランジスタと、
    を備え、
    前記第1ゲート電極は第1入力端子と電気的に接続され、
    前記第2ゲート電極は第2入力端子と電気的に接続され、
    前記第4導電層は出力端子と電気的に接続され、
    前記第2導電層および前記第4導電層の磁化方向に応じて、AND回路またはOR回路として機能する論理回路を少なくとも含んだことを特徴とするプログラマブル論理回路。
  15. 第1方向に磁化された強磁性体で形成される磁気固着層と、
    前記第1方向と該第1方向に対して反平行の第2方向とのいずれか一方に磁化される強磁性体で形成された磁気記録層と、
    前記磁気記録層上に位置する第1多層膜と、
    前記磁気記録層上に位置し、前記第1多層膜と離間した第2多層膜と、
    を備え、
    前記第1多層膜は、前記磁気記録層上に位置する第1非磁性層と、該第1非磁性層上に位置し且つ第3方向に磁化された第1磁性層と、を有し、
    前記第2多層膜は、前記磁気記録層上に位置する第2非磁性層と、該第2非磁性層上に位置し且つ第4方向に磁化された第2磁性層と、を有し、
    前記磁気記録層の磁化方向は、該磁気記録層を介して前記第1多層膜と前記第2多層膜との間に流す電流の向きによって制御されることを特徴とする磁気メモリ。
  16. 前記第3方向は前記第1方向または前記第2方向に一致し、
    前記第3方向と前記第4方向は互いに反対向きであることを特徴とする請求項15に記載の磁気メモリ。
  17. 前記第3方向は前記第1方向または前記第2方向に一致し、
    前記第3方向と前記第4方向は一致し、
    前記第2導電層には、該第2導電層を介して前記第1多層膜と前記第2多層膜との間に流す電流の向きに応じて異なる向きの還流磁区が生成されることを特徴とする請求項15に記載の磁気メモリ。
  18. 前記磁気固着層と前記磁気記録層との間に位置するトンネルバリア層をさらに備えたことを特徴とする請求項15〜17のいずれか一つに記載の磁気メモリ。
  19. 前記磁気固着層と前記磁気記録層との間に位置するスピン反射層をさらに備えたことを特徴とする請求項15〜18のいずれか一つに記載の磁気メモリ。
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