JP2006028447A - 発泡性スチレン系重合体粒子、その製造方法及び成形品 - Google Patents

発泡性スチレン系重合体粒子、その製造方法及び成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】
微粒子(平均粒子径0.3mm以下)が少なく、重合廃液の環境負荷が小さく、かつ成形品の外観及び強度の良好な発泡性スチレン系重合体粒子、その製造方法、スチレン系予備発泡ビーズ及び発泡成形品を提供する。
【解決手段】
スチレン系単重体を難溶性リン酸塩及び陰イオン系界面活性剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合する方法であって、陰イオン系界面活性剤としてα−オレフィンスルホン酸ナトリウム塩を使用し、かつスチレン系単重体の重合率が0重量%〜30重量%の間に、重合系内の水素イオン濃度をpH9〜13とする期間を設け、重合反応の完了前もしくは重合
反応完了後に易揮発性発泡剤を含浸させることを特徴とする発泡性スチレン系重合体粒子
の製造方法。
【選択図】なし。

Description

本発明は、微小粒子(特に平均粒子径0.3mm以下)が少なく、重合廃液の環境負荷が小さく、かつ外観及び強度の良好なスチレン系発泡成形品を得ることができる発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法、発泡性スチレン系重合体粒子及びこれを発泡成形して得られる発泡スチレン系樹脂成形品に関する。
従来のスチレン系単量体を懸濁重合し、スチレン系重合体粒子を製造する方法においては、主懸濁剤として難溶性リン酸塩、懸濁助剤として陰イオン系界面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、水相中の水素イオン濃度を重合率0重量%〜30重量%の間にpH9〜13とするために、水溶性炭酸塩及び/又は水酸化化合物を使用(特公平8−26083号公報)していた。
また、発泡スチレン系樹脂成形品は、優れた断熱性、経済性、衛生性を特徴として多くの食品容器や梱包材、緩衝材等に用いられている。これらの発泡成形品は、スチレン系発泡性樹脂粒子をスチーム等により加熱、所望の嵩密度まで予備発泡し、熟成工程を経た後、成形金型に充填され再度加熱発泡成形する方法により製造される。
現在、発泡ポリスチレン用重合体粒子は、要求される性質により重合体粒子を製造しており、所望の粒径の重合体粒子を高収率で得られる懸濁重合法を強く望まれているのと同時に、微小粒子の発生が少ない懸濁重合法も強く望まれている。微小粒子が多く発生すると脱水処理、篩い分けによっても完全に除去するのが困難であり、目的とする粒径の粒子間に微小粒子が混入した場合、成形不良の原因となるばかりでなく、成形機の金型を汚染する原因ともなる。また、近年更なる環境負荷低減を求められているのと同時に、排水中に混入した微小粒子の回収も容易な作業ではない。
特公平8−26083号公報
特公平8−26083号公報に示される方法は、粒径分布の幅が狭く、微小粒子の発生が少ない重合体粒子が得られるが、気泡構造が大きく、外観及び強度が良好なスチレン系発泡成形品を得ることができない。また、生産量の増加に伴う環境負荷増大による廃水処理設備投資額の増加が起きている。本発明は、更なる微小粒子の低減及び成形品の品質向上、重合廃液のCOD負荷を低減させた発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法を供することを目的とするものである。
本発明者らは、主懸濁剤として難溶性リン酸塩、懸濁助剤として陰イオン系界面活性剤を用いる懸濁重合において、、水相中の水素イオン濃度を重合率0重量%〜30重量%の間にpH9〜13とする期間を設け、さらに陰イオン系界面活性剤としてα−オレフィンスルホン酸ナトリウム塩を使用することにより、微小粒子の低減及び成形品の品質向上、重合廃液のCOD負荷を低減させた発泡性スチレン系重合体粒子を再現性良く製造できることを見いだし、本発明を完了するに至った。
すなわち、本発明の第1の態様によれば、スチレン系単量体を難溶性リン酸塩及び陰イオン系界面活性剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合する方法であって、陰イオン系界面活性剤としてα−オレフィンスルホン酸ナトリウム塩を使用し、かつスチレン系単量体の重合率が0重量%〜30重量%の間に、重合系内の水素イオン濃度をpH9〜13とする期間を設け、重合反応の完了前もしくは重合反応完了後に易揮発性発泡剤を含浸させることを特徴とする発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法が供される。
本発明の第2の態様によれば、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム塩を、重合開始前及び重合率60重量%〜97重量%において少なくとも1回以上添加する、前記の態様の発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法が供される。
本発明の第3の態様によれば、重合率が60重量%以上のとき、反応槽内の酸素濃度を7体積%以下に保ちつつ、スチレン系単量体を添加し、重合途中にあるスチレン系重合体粒子に吸着させて重合反応を進める前記の発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法が供される。
本発明の第4の態様によれば、重合率が60重量%以上97重量%以下で、前記反応槽内の酸素濃度を5体積%以下に保つ前記の発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法が供される。
本発明の第5の態様によれば、添加するスチレン系単量体が、発泡性スチレン系重合体粒子の製造に用いられる単量体総量の5重量%〜30重量%である前記の発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法が供される。
本発明の第6の態様によれば、重合率20重量%〜50重量%の間に、少なくとも1回以上、難溶性無機塩を追加する前記の発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法が供される。
本発明の第7の態様によれば、前記のいずれかに記載の製造方法により得られる発泡性スチレン系重合体粒子が供される。
本発明の第8の態様によれば、前記の発泡性スチレン系重合体粒子を予備発泡させて得られるスチレン系予備発泡ビーズが供される。
本発明の第9の態様によれば、前記スチレン系予備発泡ビーズを発泡成形させて得られることを特徴とするスチレン系発泡成形品が供される。
本発明によれば、微小粒子(平均粒子径0.3mm以下)が少なく、重合廃液の環境負荷が小さく、かつ外観及び強度の良好なスチレン系発泡成形品を得ることができる。
本発明の発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法及び成形品について詳しく説明する。
本発明は、スチレン系単量体を難溶性リン酸塩及び陰イオン系界面活性剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合する方法であって、陰イオン系界面活性剤としてα−オレフィンスルホン酸ナトリウム塩を使用し、かつスチレン系単量体の重合率が0重量%〜30重量%の間に、重合系内の水素イオン濃度をpH9〜13とする期間を設け、重合反応の完了前もしくは重合反応完了後に易揮発性発泡剤を含浸させることを特徴とする発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法、得られる発泡性スチレン系重合体樹脂粒子及びその用途に関する。
本発明において、陰イオン系界面活性剤として、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム塩を用いる。α−オレフィンスルホン酸ナトリウム塩は、重合開始前及び重合率60重量%〜97%において少なくとも1回以上添加することが好ましい。重合開始前の添加量は、スチレン系単量体総量に対して0.0001重量%〜0.01重量%が好ましく、0.0005重量%〜0.007重量%がより好ましい。0.0001重量%未満であると、界面活性剤としての機能が十分ではなくなり、重合体粒子の塊状化が起こる傾向がある。0.01重量%を超えると水相と油相の逆転現象が起こり好ましくない。また、重合率60重量%〜97重量%における添加量は0.001重量%〜0.01重量%が好ましい。
スチレン系重合体は、スチレン系単量体を重合して得られるものである。本発明において、「スチレン系単量体」とは、スチレン、α―メチルスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体のみ、またはこれらのスチレン若しくはスチレン誘導体を主成分とし、アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル類との混合単量体を意味するものである。また、スチレン若しくはスチレン誘導体を主成分とする限りにおいて、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の架橋剤を使用するものも、本発明の「スチレン系単量体」の定義に含まれる。
重合開始剤としては、スチレン系単量体に可溶なラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t―ブチルパーオキシベンゾエート、t―ブチルパーオキシイソプロピルカーボネイト等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物などを使用することができるが、有機過酸化物を使用することが好ましい。有機過酸化物は、スチレン系単量体総量に対して0.001重量%〜0.5重量%使用されるのが好ましい。有機過酸化物は一種又は二種以上用いることができる。
得られるスチレン系重合体粒子の全体の分子量は、触媒濃度を調整するか、連鎖移動剤を併用するか、又はこれら両方により調整できる。連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、α―メチルスチレンダイマー等の従来公知のものが使用できる。連鎖移動剤の添加量は、スチレン系単量体総量に対して20ppm〜100ppm使用することが好ましい。
難溶性リン酸塩としては、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸マグネシウム、リン酸バリウム、リン酸ストロンチウム、リン酸アルミニウム、リン酸鉄、リン酸コバルト、ピロリン酸カルシウム等を使用することができるが、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイトが好ましい。添加量はスチレン系単量体総量に対して0.1重量%〜0.8重量%が好ましく、特に好ましくは0.15重量%〜0.4重量%である。
スチレン系単量体には気泡形成剤としてエチレン酢ビ共重合体、エチレンビスステアリルアマイド、メチレンビスステアリルアマイド等を添加しても良い。
本発明において、スチレン系単量体の重合率が0重量%〜30重量%の間に、重合系内の水素イオン濃度がpH9〜13、好ましくはpH10〜12となる期間を持つことにより、微小重合体粒子の生成を抑制することができる。重合率が30重量%を超えてから水素イオン濃度を調整しても充分な微小重合体粒子抑制効果が得られない。また、前記水素イオン濃度がpH13を超えると微小重合体粒子抑制効果が不充分となり、pH9未満では,重合体粒子の生長が促進され、粒径分布は幅の広いものとなってしまう。上記のような水素イオン濃度に調整する方法として、水溶性塩基性塩を添加する方法が有効である。該水溶性塩基性塩としては、水溶性炭酸塩及び/又は水酸化化合物が効果が大きいので好ましく、特に、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化化合物が最も効果が高くさらに好ましい。これら水溶性塩基性塩は、前記水素イオン濃度とするためには一般に、水性媒体に対し、好ましくは0.005重量%〜0.1重量%、特に好ましくは0.01重量%〜0.1重量%使用される。またこれら水溶性塩基性塩の添加は,スチレン系系単量体の重合率が0重量%〜30重量%の間に行うことが必要であり,これ以降の添加ではその効果が十分に表れない。
なお、本発明における「重合率」とは、重合系内に存在する単量体を基準として規定するものであり、その後に添加するものの量は基準には含まれない。
本発明におけるスチレン系単量体の懸濁重合においては、重合率20重量%〜50重量%の間にで少なくとも1回以上の難溶性無機塩を追加することが好ましい。重合率20重量%未満および重合率50重量%を超えるところで難溶性無機塩を追加すると懸濁重合終了時の粒度分布がシャープとならない傾向がある。
本発明の製造方法においては、重合率が好ましくは60重量%以上、より好ましくは60%以上97%以下において、好ましくは反応槽内の酸素濃度を7体積%以下に保ちつつ、スチレン系単量体を添加することが好ましい。酸素濃度が7体積%を超えると、スチレン系単量体を添加して反応を進める際に、スチレン系重合体粒子の表面層で低分子量物が形成される。表皮での低分子量物の生成は、発泡成形時において熱融着が促進しすぎて、成形品の強度を低下させると共に表面仕上がりを悪化させる。好ましくは、酸素濃度は5体積%以下で、より好ましくは1体積%以下である。酸素濃度は、窒素等の不活性ガスで置き換えることにより調整できる。
ここで、スチレン系単量体添加時の重合率が60重量%より低い場合、スチレン系重合体粒子へのスチレン単量体の吸収が促進し、中心部の分子量が高分子量化するため、発泡力及び成形品の融着が低下する傾向がある。また、重合率が97重量%より高い場合、重合体粒子へのスチレン単量体の吸収が低下し、樹脂粒子内のラジカル量および重合触媒量が減少し、重合体粒子最表層部の分子量が低分子量化するため、発泡成形時において熱融着が促進しすぎて、成形品の強度を低下させると共に表面仕上がりを悪化させる恐れがある。
スチレン単量体の添加量は、最終的に得られるスチレン系重合体粒子の製造に用いられる単量体総量に対して5重量%〜30重量%であることが好ましい。より好ましくは、10重量%〜15重量%の範囲である。添加量が5重量%より少ない量では、スチレン系重合体粒子における最表面部の高分子量化効果が小さく、強度向上効果を十分に得られない場合がある。反面、添加量が30重量%より多い量では、重合体粒子を軟化し、スチレン単量体の吸収が促進され中心部の分子量が高分子量化する等粒子内の最も高分子量化する部分が中心部へ移動するため、発泡力及び成形品で融着しにくくなる場合がある。
懸濁重合温度は、一般に、80℃〜95℃である。スチレン単量体の添加温度は、そのままの温度でもよく昇温してもよい。最終的な発泡性スチレン系樹脂粒子の残存するスチレン単量体量を少なくするという、工業的な製造効率からは、重合温度は90℃以上が好ましく、スチレン単量体添加は昇温中に行うことが好ましい。
昜揮発性発泡剤は、スチレン単量体の添加と平行して圧入することもできるが、一般的には、スチレン単量体添加後に行うことが好ましく、重合反応の完結前又は完結後に、昜揮発性発泡剤をスチレン系重合体粒子に含浸することが好ましい。
昜揮発性発泡剤は、一般に、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素の中から選ばれる。また、発泡助剤として脂肪族炭化水素の他に、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素や芳香族炭化水素を昜揮発性発泡剤と併用することもできる。
重合に際し、溶剤、可塑剤、発泡セル造核剤、充填材、難燃剤、難燃助剤、滑剤、着色剤等、発泡性スチレン系重合体粒子を製造する際に用いられる添加剤を、必要に応じて適宜使用してもよい。
本発明における発泡性スチレン系樹脂粒子の平均粒子径は、0.05mm〜2.0mmであることが好ましい。一般的に、平均粒子径が0.05mm未満又は2.0mmを超えるような粒径分布のスチレン系重合体粒子を安定的に懸濁重合で得ることは困難である。
本発明における発泡性スチレン系重合体粒子は、発泡剤の含浸が完了し、重合系内より排出され、更に脱水乾燥した後、必要に応じて表面被覆剤を被覆される。かかる被覆剤は、従来公知である発泡スチレン系樹脂粒子に用いられるものが適用できる。例えば、ジンクステアレート、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ひまし硬化油、アミド化合物、シリコーン類、静電防止剤などである。
こうして得られる発泡性スチレン系重合体粒子は、通常の方法により、加熱して予備発泡させてスチレン系予備発泡ビーズとすることができる。さらにこの予備発泡ビーズを発泡成形して、各種形状のスチレン系発泡成形品とすることができる。
次に実施例を示し、本発明を詳しく説明する。
実施例1
攪拌機付属の14リットルオートクレーブ槽内に、窒素を500〜600ml/minの速度で30分間置換した後、純水6000g、燐酸三カルシウム9g、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(商品名 ラテムルPS、花王(株)製)0.2gを入れ230回転/分で攪拌しながら仕込んだ。続いてスチレン5400g、ベンゾイルパーオキサイド17.7g、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネイト2.4g、エチレンビスアミド3gを攪拌しながら仕込んだ。仕込み完了後、重合槽内を密閉し、ブロー用配管を開放した後、窒素を200〜300ml/minの速度で流し、90℃まで昇温して重合を開始した。重合率(比重法により測定)10重量%に達した時点で炭酸ナトリウム10%水溶液3.0gを添加した。これにより、pHは11となった。昇温完了1.5時間及び2.5時間後、それぞれ燐酸三カルシウムを3g追加した。引き続き90℃で2時間保温した時点で再度燐酸三カルシウム6gとα−オレフィンスルホン酸ナトリウム0.3gを追加した。このときまで、窒素は継続し流し続けており、このときの重合率は96重量%であり、酸素濃度を測定したところ0.1体積%以上であった。酸素濃度測定後、窒素を止めブロー用配管を閉めた後、スチレン600gを100℃に昇温しながら3時間かけて連続的に滴下した。
引き続きシクロヘキサン90g、更に1時間後に、ブタン(イソブタン/ノルマルブタン比=4/6)420gを1時間で圧入し、更に4時間保温した。その後、室温まで冷却しオートクレーブより取り出した。
取り出したスラリーを洗浄、脱水、乾燥と各工程を行った後、14メッシュ通過、26メッシュ残で分級し、更にジンクステアレート0.08%、ひまし硬化油0.05%、ジメチルシリコーン0.02%を表面被覆しスチレン系発泡性樹脂粒子を得た。
得られた発泡性スチレン系重合体粒子の小粒子量、成形品表面平滑性、成形品強度、排水CODを表1に示した。
実施例2
攪拌機付属の14リットルオートクレーブ中に、純水6000g、燐酸三カルシウム9g、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム0.2gを入れ230回転/分で攪拌しながら仕込んだ。続いてスチレン5400g、ベンゾイルパーオキサイド16.5g、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネイト2.4g、エチレンビスアミド3gを攪拌しながら仕込んだ。仕込み完了後、重合槽内を密閉し、90℃まで昇温して重合を開始した。重合率(比重法により測定)10重量%に達した時点で炭酸ナトリウム10%水溶液3.0gを添加した。これにより、pHは11となった。昇温完了2時間及び3時間後、それぞれ燐酸三カルシウムを3g追加した。引き続き90℃で2時間保温した時点で再度燐酸三カルシウム6gとα−オレフィンスルホン酸ナトリウム0.3gを追加した。このときの重合率を測定したところ95重量%であった。また、重合槽内を窒素で200〜300ml/minの速度で10分間置換した。このときの重合槽内における酸素濃度は3.1体積%であった。この後、スチレン600gを100℃に昇温しながら3時間かけて連続的に滴下した。発泡剤の含浸以降は、実施例1と同様に行った。
比較例1
α−オレフィンスルホン酸ナトリウム0.2gをドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム0.3g、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム0.3gをドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3gに変更した以外は、実施例1と同様に行い重合体粒子を得た。
比較例2
α−オレフィンスルホン酸ナトリウム0.2gをドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3g、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム0.3gをドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3gに変更した以外は、実施例2と同様に行い重合体粒子を得た。
実施例及び比較例において得られた表1の特性評価方法は以下の通り行った。
300μm以下の微小粒子量目開きが300μm(50Mesh)以下の重合体粒子の割合(重量%)を測定した。
(2)外観(表面平滑率)
スチレン系発泡性重合体粒子を、日立テクノプラント(株)製のHBP−700発泡機を用いて嵩密度60ml/gに発泡させて予備発泡ビーズを得た。さらに、この予備発泡ビーズをダイセン工業(株)製のVS−500成形機を用いスチーム圧力を0.08MPaで実施して、550mm×335mm×150mmの成形品を得た。この成形品表面部分に黒色印刷インクをローラーで薄く塗り、この表面部分を画像処理装置にかけた。表面部分の空隙には印刷インクが塗布されないことから、全塗布面積に対する黒色部分の面積を求め表面平滑率とし、外観の評価数値とした。
(3)曲げ強度
(2)と同様にして製造した成形品の曲げ強度を、JIS−A−9511に準じて測定した。
(4)排水COD
重合排水のCOD測定は、JIS−K−0102に準じて実施した。
Figure 2006028447

Claims (9)

  1. スチレン系単量体を難溶性リン酸塩及び陰イオン系界面活性剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合する方法であって、陰イオン系界面活性剤としてα−オレフィンスルホン酸ナトリウム塩を使用し、かつスチレン系単量体の重合率が0重量%〜30重量%の間に、重合系内の水素イオン濃度をpH9〜13とする期間を設け、重合反応の完了前もしくは重合反応完了後に易揮発性発泡剤を含浸させることを特徴とする発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法。
  2. α−オレフィンスルホン酸ナトリウム塩を、重合開始前及び重合率60重量%〜97重量%において少なくとも1回以上添加する請求項1記載の発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法。
  3. 重合率が60重量%以上のとき、反応槽内の酸素濃度を7体積%以下に保ちつつ、スチレン系単量体を添加し、重合途中にあるスチレン系重合体粒子に吸着させて重合反応を進める請求項1又は2記載の発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法。
  4. 重合率が60重量%以上97重量%以下で、前記反応槽内の酸素濃度を5体積%以下に保つ請求項1又は2記載の発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法。
  5. 添加するスチレン系単量体が、発泡性スチレン系重合体粒子の製造に用いられる単量体総量の5重量%〜30重量%である請求項3記載の発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法。
  6. 重合率20重量%〜50重量%の間に、少なくとも1回以上、難溶性無機塩を追加する請求項1〜5の何れかに記載の発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られる発泡性スチレン系重合体粒子。
  8. 請求項7記載の発泡性スチレン系重合体粒子を予備発泡させて得られるスチレン系予備発泡ビーズ。
  9. 請求項8記載のスチレン系予備発泡ビーズを発泡成形させて得られることを特徴とするスチレン系発泡成形品。
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