JP2006012616A - リチウム二次電池用正極材およびその製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用正極材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高容量で且つ粒状(球状)性のよいLiNiO系リチウム二次電池用正極材を高い粉砕収率で得る。
【解決手段】硝酸ニッケルその他の金属硝酸塩に加えて硝酸酸化ジルコニウムの硝酸塩の水溶液と、水酸化リチウム水溶液とを混合して得られた、水酸化物を主要成分とする粒子と硝酸塩を主要成分とする水溶液相とからなるスラリーを高温噴霧乾燥して、水酸化物相と硝酸塩相との2相を有する粒状リチウム遷移金属複合酸化物前駆体を形成する。該前駆体を焼成(予備焼成および本焼成)して、ハードグローブ粉砕性指数が90以上のリチウム遷移金属複合酸化物を形成し、これを解砕して、Zrを含有するLiNiO系正極材粉末を得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、LiNiO系のリチウム二次電池用正極材(活物質)ならびにその改良製造方法に関し、特に正極材を構成するリチウム遷移金属複合酸化物およびその前駆体ならびにその製造方法の改良に関する。
リチウム二次電池は、ビデオカメラ、携帯電話等の携帯用電子機器の主電源、あるいはパソコンの非常電源等、各種電子機器の電源として広く用いられているほか、近年はハイブリッドカー等の自動車用電源としての利用も注目されている。このリチウム二次電池を充電するとリチウム遷移金属複合酸化物からなる正極活物質中のリチウムは電気化学的に炭素材等からなる負極材中にドープされる。そして、リチウムをドープした負極材はリチウム電極(負極)として作用し、放電に伴って負極材から脱ドープされたリチウムは、正極中に戻って再度リチウム遷移金属複合酸化物を復元する。
このようなリチウム二次電池の正極活物質としては、従来LiCoO系のリチウム遷移金属複合酸化物が用いられてきたが、このLiCoO系の正極活物質(正極材)は高価であり、容量も例えば140mAh/gと比較的低い難点がある。
これに対し、LiCoO系正極材に比べて、比較的安価で且つ高容量(たとえば約160mAh/g以上)の正極材としてLiNiO系複合酸化物が注目されている。しかしながら、このLiNiO系複合酸化物は、正極材として用いるに適した粒状(球状)性を得るのが困難であるという問題がある。
従来、このLiNiO系正極材の製造方法としては、Li塩の水溶液と、Niおよび必要に応じてその他の金属の塩の水溶液とを混合して、複合金属錯塩を生成させ、必要に応じて水洗後、乾燥、焼成して、LiNiO系の複合酸化物を形成する方法が多く用いられている。Li塩およびNi塩等としては、硝酸塩が用いられることが多い(特許文献1、2等)。これに対し、焼成時の窒素酸化物の発生を低減するため、ならびに中和によりLi複合金属錯塩を効率的に形成するため等の理由により、Li源としてLi塩の代りに水酸化リチウムの水溶液を用いる方法も知られている(特許文献3、4等)。
特開平10−87332号公報 特開平11−16439号公報 特開平4−237953号公報 特開平10−214624号公報
しかしながら、上記したLiNiO系正極材の製造方法によって得られるLiNiO系複合酸化物は、焼成過程で焼結しがちであり、正極材として適当な粒状(球状)体を得るためには強度の粉砕工程が必要であり、また正極材としての収率もよくないという難点がある。
従って、本発明の主要な目的は、リチウム二次電池用正極材として適した粒状のLiNiO系複合酸化物、特にその粉砕前の前駆体としてのLiNiO系複合酸化物、ならびにその効率的な製造方法、を提供することにある。
本発明者等は、上述の目的で研究した結果、優れた粉砕性を有する正極材前駆体が、遷移金属の一種であるZrを含むLiNiO系複合酸化物により形成し得ることを見出した。
すなわち、本発明のリチウム二次電池正極活物質用リチウム遷移金属複合酸化物は、概ねLiNiZr1−x−y(0.5<x≦0.99;0<y<0.10;MはCo,Mn,Al,B,Ga,In,Fe,Cr,V,Ti,Si,Ca,およびMgからなる群より選ばれた少なくとも一種の補助金属)の組成を有し、且つハードグローブ粉砕性指数が90〜240であることを特徴とするものである。
また、本発明は、上記リチウム遷移金属複合酸化物の前駆体を与えるものであり、該複合酸化物前駆体は、水酸化物相と硝酸塩相との2相を有する粒状体であり、少なくとも水酸化物相中にZrを含むことを特徴とするものである。
また、本発明は上記リチウム遷移金属複合酸化物前駆体の効率的な製造方法を提供するものであり、これは、硝酸ニッケル、硝酸酸化ジルコニウム(硝酸ジルコニル)および必要に応じて更にCo,Mn,Al,B,Ga,In,Fe,Cr,V,Ti,Si,CaおよびMgからなる群より選ばれた補助金属の硝酸塩の水溶液と、水酸化リチウム水溶液とを混合することにより、水酸化物を主要成分とする粒子と、硝酸塩を主要成分とする水溶液相とからなるスラリーを形成し、該スラリーを150〜500℃の高温で噴霧乾燥することにより粒状体を得ることを特徴とするものである。
上記リチウム遷移金属複合酸化物前駆体を酸素含有雰囲気中で焼成することにより、上記した本発明の優れた粉砕性を有するリチウム遷移金属複合酸化物が得られ、これを解砕、すなわち比較的軽度の粉砕、に付すことにより粉末正極材が得られる。
本発明により、優れた粉砕性を有するリチウム遷移金属複合酸化物が得られ、これを通じてLiNiO系粉末正極材の効率的な製造が可能となる理由は、必ずしも明らかではないが、本発明法に従い硝酸ニッケルおよび硝酸酸化ジルコニウムを含む水溶液と、水酸化リチウム水溶液とを混合して得られたスラリーを高温噴霧乾燥することより、おそらくは硝酸酸化ジルコニウム溶液に水酸化リチウムを加えて生じるゲル状の(水)酸化ジルコニウム(ここでは、一部が脱水して酸化物状態となっているものを含み得る水酸化ジルコニウムの意味である)は、前駆体スラリーの乾燥時に脱水および高温によって酸化ジルコニウムとして固定されると考えられ、また、酸化ジルコニウムは安定な化合物であることから乾燥時に形成されると考えられる前駆体粒子中の酸化ジルコニウムの骨格も安定であり、この骨格が前駆体焼成時に生じる粒子の溶融ないし粒子間の焼結を抑制させるために、焼成後に得られるリチウム遷移金属複合酸化物の焼結が軽度に留まるため、良好な粉砕性が維持されるものと推定される。
以下、本発明をより具体的に説明する。
(正極材(正極活物質))
本発明の目的とする正極材は、概ねLiNiZr1−x−y(0.5<x≦0.99;0<y<0.10;MはCo,Mn,Al,B,Ga,In,Fe,Cr,V,Ti,Si,CaおよびMgからなる群より選ばれた少なくとも一種の補助金属)の組成を有するものである。ここで組成について「概ね」とは、補助金属の含有等により、上記組成式からの±5%程度のずれは許容されることを意味する。
上記組成式においてNi量を表わすxは、0.5<x≦0.99である。xが0.5以下ではLiNiO系正極材の持つ、容量その他の優れた性質が損なわれる。他方0.99を超えると、Zrを加えることによる本発明の効果を得るのが困難となる。他方Zr量を表わすyは0.10未満であり、特に金属元素中のZrのモル濃度が0.025〜2.5%(y/2=0.00025〜0.025)であることが好ましい。0.025%以下ではZrの添加効率が乏しく、所望の粉砕性が得られない。2.5%を超えて添加すると、得られる正極材が過度にかさ高くなり、電極密度および放電容量が低下しがちである。金属元素中のZr濃度は、より好ましくは0.1〜1%の範囲である。
MはCo,Mn,Al,B,Ga,In,Fe,Cr,V,Ti,Si,B,CaおよびMgから選ばれる少なくとも一種の補助金属であり、LiNiO系正極材において既知の目的で必要に応じて含まれる。
本発明のZr添加に伴う、LiNiO系正極材の粉砕性の向上ならびにサイクル特性の向上という効果は、補助金属MとしてMnを加えると相乗的に増大することが確認されている(後記実施例7〜10)。金属元素中のMnモル濃度は、25モル%未満、好ましくは0.5〜15モル%である。25モル%以上添加すると、得られる正極材が過度にかさ高くなり、電極密度および放電容量が低下しがちである。
以下、本発明を、本発明による正極材の製造方法の工程に従って、順次説明する。
(出発原料−スラリー形成)
本発明法においては、硝酸ニッケル、硝酸酸化ジルコニウムおよび更に必要に応じて補助金属の硝酸塩の水溶液、必要に応じてアンモニウム塩等の錯化剤水溶液、およびLiOH水溶液を、所望の組成の正極材を与える割合で用意し、これらを混合して中和することにより、Niリッチで且つZrを含む水酸化物を主要成分とする粒子と、Liを含む硝酸塩を主要成分とする水溶液相とからなるスラリーを形成する。
(高温噴霧乾燥)
次いで上記スラリーを150〜500℃の高温空気雰囲気中で、噴霧乾燥する。噴霧乾燥は、スプレーノズルを用いて行うこともできるが、得られる正極材の粒度分布幅を狭くするために、回転ディスク型の噴霧乾燥機を用いて行うことが好ましい。噴霧乾燥温度は150〜500℃、特に250〜500℃の範囲の高温で行うことが好ましい。150℃未満では、焼成前の前駆体中に残存する水分が多くなり、焼成中の粒子形状の保持が困難となる。また500℃を超えると、前駆体の熱分解が表面より急速に進むため、得られる正極材が中空構造となり、タップ密度および結果的に得られる電極密度が低下する。
上記噴霧乾燥温度は、噴霧乾燥機に温度分布があるときは、入口空気温度として満たされることが望ましい。但し、この場合でも出口空気温度は150℃以上であることが好ましい。
(リチウム遷移金属複合酸化物前駆体)
上記高温噴霧乾燥工程を経て、水酸化物相と硝酸塩相との2相を有する粒状体であり、少なくとも水酸化物相中にNiおよびZrを含む、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物の前駆体が得られる。複合酸化物前駆体は、平均粒子径(50容量%粒子径、以下同様)が1〜100μmの範囲内であることが好ましい。1μm未満では、焼結が進み、得られる複合酸化物の粉砕性の向上が期待し難い。100μmを超えると製品の収率が低下する。
(焼成)
上記で得られたリチウム遷移金属複合酸化物前駆体を、酸素含有雰囲気中で焼成することにより、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物を得る。
焼成は、200〜600℃の予備焼成と600〜950℃の本焼成の二工程を含むことが好ましい。予備焼成工程は、前駆体粒子の(水)酸化ジルコニウムを酸化ジルコニウムに変化させて前駆体粒子の耐溶融性を改善する工程であり、上記温度範囲に0.1〜10時間程度、保持することにより行われる。本焼成は、前駆体粒子中の硝酸リチウムも含めて全金属を酸化物に変換するための工程であり、上記温度範囲に0.5〜10時間程度保持することにより行われる。予備焼成温度が200℃未満では、Zrの酸化が不充分となり、焼結防止の充分な効果が得られない。また本焼成温度が950℃を超えると、複合酸化物の熱分解反応が支配的となり、得られる正極材のレート特性等の電池性能が低下する。
もちろん、上記予備焼成と本焼成は、ロータリーキルン等の連続的に温度上昇が可能な焼成炉においては、連続的な工程として実施することもできる。両工程の境界は、本質的なものではなく、本焼成に入る前に前駆体粒子表層の耐溶融性が向上する程度に(水)酸化ジルコニウム成分が酸化ジルコニウム成分に変換し得ればよい。
(リチウム遷移金属複合酸化物)
上記焼成工程を経て得られる本発明のリチウム遷移金属複合酸化物は、前駆体粒子の焼結性が低減されているとはいえ、焼成工程において若干の焼結を受けるため、前駆体の平均粒子径の1〜100μmよりは大なる1〜100mm程度の平均粒子径を有するが、良好な粉砕性を有するため、軽度の粉砕、すなわち解砕により、容易に且つ高い収率で、好ましい粒子径である目開き53μmのふるい下へと微粒化可能である。このリチウム遷移金属複合酸化物の良好な粉砕性は、後述するハードグローブ粉砕性指数が90〜240、より好ましくは100〜200であることで代表される。ハードグローブ粉砕性指数が90未満では、良好な粉砕性が得られず、正極材に適した53μmのふるい下の粒度が高収率で得られない。他方ハードグローブ粉砕性指数が240を超える複合酸化物は、過剰にもろくかさ高な粉末で、粉砕後に得られる正極材のタップ密度が低く、得られる電極密度も低くならざるを得ない。
(粉末正極材)
上記リチウム遷移金属複合酸化物の解砕によって得られる本発明の粉末正極材は、目開き53μmのふるい下で代表される粒径を有し、平均粒子径としては1〜40μm、特に5〜25μmのものが好ましく用いられる。
粒径が0.5μm未満の微粉が多いと、電極を作成するために必要な導電材あるいは結着剤の使用量が増大し、容量も低下傾向を示すので好ましくない。従って必要に応じて微粉末を除去することが望ましい。
かくして得られた本発明の粉末正極材は、リチウム二次電池の正極活物質として用いられ、その100重量部に対し、例えば0.5〜10重量部のアセチレンブラック等の導電助剤、例えば0.5〜10重量部のフッ化ビニリデン系樹脂等からなる結着剤および10〜80重量部程度のN−メチルピロリドン等の結着剤の溶媒あるいは水性分散媒とともにペースト化され、Al、ステンレススチール等の集電体上に塗布され、乾燥を経て例えば10〜400μm程度の厚さの正極合剤層を形成するために用いられる。
得られた正極は、炭素材、黒鉛材、SnO系粉末等の任意の負極活物質およびバインダー等からなる合剤電極層を有する負極、ならびに電解液とともに組合されて、リチウム二次電池の構成に用いられる。
〔実施例〕
以下、本発明を、実施例、比較例により更に具体的に説明する。以下の実施例を含めて、本明細書に記載の物性等は、下記方法による測定値を基準とするものである。
1.ハードグローブ粉砕性指数
焼成後、粉砕による粉末正極材形成前のリチウム遷移金属複合酸化物試料のハードグローブ粉砕性指数は、JIS−M8801に準じた方法により測定する。すなわち、試料は、乾燥後、必要に応じて試験機によって4.75mm以下に予備粉砕してから1.18mm〜600μmになるように粉砕、ふるい分けを行い、粉砕試験に供する(但し、複合酸化物試料が600μm以上に焼結しない場合には、試料の全量を粉砕試験に供する)。
粉砕試験は、底部に環状凹部を有する所定のハードグローブ粉砕試験機の該環状凹部に直径25.4mmの鋼球8個を配置し、該凹部に更に50gの試料を入れた後、粉砕機を毎分15〜20回転で合計60回転させて粉砕する。粉砕後の試料の75μmのふるい下の重量(w)を測定し、ハードグローブ粉砕性指数(HGI)を以下の式より求める。
[数1]
HGI=13+6.93w
すなわち、HGI=90は、w=(90−13)/6.93=11.1gに相当し、これは、上記粉砕試験で600μm以上の粒径から目開き75μmのふるい下に11.1/50=0.222=22.2%が粉砕される程度の粉砕性を意味する。
2.粉砕(解砕)収率
実施例相当品は、試料乳針で軽く解砕後、53μmのふるい下の割合を測定した。比較例相当品については、解砕後、53μmふるい上を更にロッドミルで10分あるいは30分間粉砕し、53μmのふるい下の合計量の全試料に対する割合を収率とした。
3.元素分析
正極材および前駆体の金属元素分析は、ICP(高周波プラズマ)発光分析により行った。すなわち、試料25mgを秤量し、王水4ml+純水で100mlに定容化し、完全に溶解する。この溶液を純水で10倍に希釈し、10ppmYの内標準を添加したものを濃度分析用試料とし、高周波プラズマ発光分析装置(堀場製作所製「JY−ICP Ultima」)を用いて測定した。このときの検量線用の標準試料は、MERCK社製「multi-element standard solution IV」を用いた。ICP試料重量と金属元素量との差により酸素量を求めた。
4.平均粒径
前駆体の平均粒子径は、画像解析法によって行った。すなわち、光学顕微鏡によって前駆体の拡大画像を撮影し、高精細画像解析システム(旭エンジニアリング製「IP−1000PC」)を用いて、この画像と拡大倍率の情報より50容量%粒子径を求めた。このときのサンプル数(粒子数)は150以上300以下とした。
正極材の平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定法によって行った。すなわち、正極材2gを100ccの純水に分散させた懸濁液を測定用試料として、レーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所製 SALD−3000S)を用いて測定した。測定は1分間の超音波分散の10秒後に行い、スムージング処理無し、分布関数無変換の条件で50容量%粒子径を求めた。
5.放電容量
試料94gを導電材(アセチレンブラック)3gと混合した後、この混合物をN−メチルピロリドン(MMP)に結着剤(ポリフッ化ビニリデン)3gを溶解した液と混練してペーストとした。ついで、このペーストを厚さ50μmのアルミ箔の片面に塗着した後、乾燥し圧延して、さらに直径14mmの円盤状に打ち抜いて、厚さ70μmの電極合剤層を有するコイン型リチウム二次電池の正極板とした。負極板は厚さ0.9mmの金属リチウムをステンレス鋼製ネット上に圧着したものを用い、正極と負極の間にはポリプロピレン製セパレータを配した。電解液は1モルの六フッ化リン酸リチウム(LiPF)をエチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)の混合溶媒中に溶かしたものを用いた。これらをコイン型電池用ケース内に配した後、ポリプロピレン製ガスケットを介して密封し、評価用のコイン型電池を作製した。
この電池を用いて室温(25℃)で充放電試験を行った。すなわち、正極に対して概ねC/5のレート(すなわち全容量を5時間で充電する速度)に相当する約1.2mAの定電流値で、充電終止電圧4.3Vまで充電した後、1Cのレート(すなわち全容量を1時間で放電する速度)に相当する約6mAの定電流値で、放電終止電圧を3.0Vまで放電を行い、放電容量を求めた。
6.サイクル特性(容量保持率)
試料9.4gを導電材(アセチレンブラック)0.3gと混合した後、この混合物をN−メチルピロリドン(MMP)に結着剤(ポリフッ化ビニリデン)0.3gを溶解した液と混練してペーストとした。ついで、このペーストを厚さ50μmのアルミ箔の片面に塗着した後、乾燥し、圧延して、さらに直径14mmの円盤状に打ち抜いて、コイン型リチウム二次電池の正極板とした。負極板は、メソカーボンマイクロビーズ(大阪ガスケミカル(株)製「MCMB25−28」)9.1gとカーボンファイバー(昭和電工(株)製「VGCF」)0.2gとを混合した後、この混合物をN−メチルピロリドン(MMP)に結着剤(ポリフッ化ビニリデン)0.7gを溶解した液と混練してペーストとした。ついで、このペーストを厚さ20μmの銅箔の片面に塗着した後、乾燥し、圧延して、さらに円盤状に打ち抜いて厚さ100μmの電極合剤層を形成したものを用いた。正極と負極の間にはポリプロピレン製セパレータを配した。電解液は1.5モルの六フッ化リン酸リチウム(LiPF)をエチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)の混合溶媒中に溶かしたものを用いた。これらをコイン型電池用ケース内に配した後、ポリプロピレン製ガスケットを介して密封し、評価用のコイン型電池を作製した。
この電池を用いて室温(25℃)で充放電試験を行った。すなわち、正極に対して概ねC/5のレート(すなわち全容量を5時間で充電する速度)に相当する約1.2mAの定電流値で、充電終止電圧4.3Vまで充電した後、C/5のレートで放電終止電圧3.0Vまで放電を行った。続いて、1C充放電サイクルとして、まず1Cのレート(すなわち全容量を1時間で充電する速度)に相当する約6mAの定電流値で、終止電圧4.3Vまで充電した後、1Cのレートに相当する約6mAの定電流で、放電終止電圧3.0Vまで放電を行い、1サイクル目の1Cの放電容量を求めた。
更に、上記1C充放電サイクルを100サイクルまで継続し、50サイクル目および100サイクル目における1C放電容量を第1サイクルにおける1C放電容量で割って、それぞれ、50サイクルおよび100サイクル容量保持率(%)とした。
(実施例1)
Li1.0Ni0.879Zr0.095Al0.025の組成のリチウムニッケル複合酸化物正極材を製造した。
まず、中和剤として水酸化リチウム1水和物10.5モルに純水を加えて溶解し、室温で2500mlの水溶液とした。次に原料として硝酸ニッケル8.79モル、硝酸コバルト0.95モル、硝酸アルミニウム0.25モル、硝酸酸化ジルコニウム0.01モルを秤量し、これに純水を加えて2500mlの均一な水溶液とした。また、錯化剤として硝酸アンモニウム5モルを純水と混合して、2500mlの水溶液とした。これらの中和剤、原料、錯化剤の3溶液をそれぞれ14ml/minの流量で50℃に保温した攪拌槽に連続的に供給し、この結果、水酸化物粒子が析出したスラリーを得た。反応中のpH値は6〜8であった。原料供給終了後、スラリーの温度を50℃に保ったまま、3時間攪拌を続けた。
このスラリーを空気雰囲気下で回転ディスク型の噴霧乾燥機(大川原化工機製「ODB−8」)を用いて噴霧乾燥した。噴霧乾燥機の入口乾燥空気温度は320℃、スラリー供給流量は1.2kg/min、出口ガス温度195℃であった。この結果、平均粒径25μmの球状前駆体(複合酸化物前駆体)を得た。球状前駆体の組成をICP分析したところ、Li:Ni:Co:Al:Zr=1.05:0.879:0.095:0.025:0.001であった。この複合前駆体は空気中で一時間放置した後も粉体形状を維持していた。
この前駆体100gを容量50mlの95.3%Al製磁製さや(ニッカトー(株)製「SSA−H」)に入れて、3Nl/minの空気気流下で電気マッフル炉(株式会社デンケン製「KDF S−70」)を用いて100℃/hの昇温速度で室温より775℃まで昇温した後、775℃で2時間焼成を行なってリチウム遷移金属複合酸化物を得た。焼成物のハードグローブ指数を測定したところ、105であった。得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、乳鉢で軽く解砕して53μmの篩で分級したところ、篩上に残るものは14.2重量%であった。篩下に分級された製品を電池評価に用いた。ICPによる組成分析によって正極粒子の平均組成を確認したところ、組成式Li1.05Ni0.88Zr0.001Co0.095Al0.025で表されるものであった。
(実施例2)
実施例1と同様にしてLi1.05Ni0.883Zr0.0025Co0.09Al0.025の組成のリチウムニッケル複合酸化物前駆体を製造した。
この前駆体100gを容量50mlのAl磁製ルツボ(「SSA−H」)に入れて蓋をして、空気雰囲気下で電気マッフル炉(「KDF S−70」)を用いて、100℃/hの昇温速度で室温より775℃まで昇温した後、775℃で2時間焼成を行なってリチウム遷移金属複合酸化物を得た。焼成物のハードグローブ指数を測定したところ、132であった。得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、乳鉢で軽く解砕して53μmの篩で分級したところ、篩上に残るものは9.2重量%であった。篩下に分級された製品を電池評価に用いた。ICPによる組成分析によって正極粒子の平均組成を確認したところ、組成式Li1.05Ni0.883Zr0.0025Co0.09Al0.025で表されるものであった。
(実施例3)
実施例1と同様にしてLi1.05Ni0.870Zr0.005Co0.09Al0.035の組成のリチウムニッケル複合酸化物前駆体を製造した。
この前駆体100gを容量50mlのAl磁製さや(「SSA−H」)に入れて、3Nl/minの容量で空気を流しながら、電気マッフル炉(「KDF S−70」)を用いて、100℃/hの昇温速度で室温より775℃まで昇温した後、775℃で2時間焼成を行なってリチウム遷移金属複合酸化物を得た。焼成物のハードグローブ指数を測定したところ、137であった。得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、乳鉢で軽く解砕して53μmの篩で分級したところ、篩上に残るものは14.7重量%であった。篩下に分級された製品を電池評価に用いた。ICPによる組成分析によって正極粒子の平均組成を確認したところ、組成式Li1.05Ni0.87Zr0.005Co0.09Al0.035で表されるものであった。
(実施例4)
実施例1と同様にしてLi1.05Ni0.870Zr0.0100Co0.085Al0.035の組成のリチウムニッケル複合酸化物前駆体を製造した。
この前駆体100gを容量50mlのAl磁製さや(「SSA−H」)に入れて、3Nl/minの容量で空気を流しながら、電気マッフル炉(「KDF S−70」)を用いて、100℃/hの昇温速度で室温より775℃まで昇温した後、775℃で2時間焼成を行なってリチウム遷移金属複合酸化物を得た。焼成物のハードグローブ指数を測定したところ、112であった。得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、乳鉢で軽く解砕して53μmの篩で分級したところ、篩上に残るものは4.6重量%であった。篩下に分級された製品を電池評価に用いた。ICPによる組成分析によって正極粒子の平均組成を確認したところ、組成式Li1.05Ni0.87Zr0.01Co0.085Al0.035で表されるものであった。
(実施例5)
実施例1と同様にしてLi1.05Ni0.900Zr0.0150Co0.085の組成のリチウムニッケル複合酸化物前駆体を製造した。
この前駆体100gを容量50mlのAl磁製さや(「SSA−H」)に入れて、3Nl/minの容量で空気を流しながら、電気マッフル炉(「KDF S−70」)を用いて、100℃/hの昇温速度で室温より775℃まで昇温した後、775℃で2時間焼成を行なってリチウム遷移金属複合酸化物を得た。焼成物のハードグローブ指数を測定したところ、115であった。得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、乳鉢で軽く解砕して53μmの篩で分級したところ、篩上に残るものは12.9重量%であった。篩下に分級された製品を電池評価に用いた。ICPによる組成分析によって正極粒子の平均組成を確認したところ、組成式Li1.05Ni0.900Zr0.015Co0.085で表されるものであった。
(実施例6)
実施例1と同様にしてLi1.05Ni0.870Zr0.0250Co0.08Al0.025の組成のリチウムニッケル複合酸化物前駆体を製造した。
この前駆体100gを容量50mlのAl磁製ルツボ(「SSA−H」)に入れて、蓋をして、空気雰囲気中、電気マッフル炉(「KDF S−70」)を用いて、100℃/hの昇温速度で室温より775℃まで昇温した後、775℃で2時間焼成を行なってリチウム遷移金属複合酸化物を得た。焼成物のハードグローブ指数を測定したところ、118であった。得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、乳鉢で軽く解砕して53μmの篩で分級したところ、篩上に残るものは22重量%であった。篩下に分級された製品を電池評価に用いた。ICPによる組成分析によって正極粒子の平均組成を確認したところ、組成式Li1.05Ni0.870Zr0.0250Co0.08Al0.025で表されるものであった。
(実施例7)
実施例1と同様にしてLi1.05Ni0.868Zr0.0025Mn0.05Co0.08の組成のリチウムニッケル複合酸化物前駆体を製造した。
この前駆体100gを容量50mlのAl磁製さや(「SSA−H」)に入れて、3Nl/minの流量で空気を流しながら、電気マッフル炉(「KDF S−70」)を用いて、100℃/hの昇温速度で室温より775℃まで昇温した後、775℃で2時間焼成を行なってリチウム遷移金属複合酸化物を得た。焼成物のハードグローブ指数を測定したところ、128であった。得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、乳鉢で軽く解砕して53μmの篩で分級したところ、篩上に残るものは1.3重量%であった。篩下に分級された製品を電池評価に用いた。ICPによる組成分析によって正極粒子の平均組成を確認したところ、組成式Li1.05Ni0.868Zr0.0025Mn0.05Co0.08で表されるものであった。
(実施例8)
実施例1と同様にしてLi1.05Ni0.866Zr0.0040Mn0.05Co0.08の組成のリチウムニッケル複合酸化物前駆体を製造した。
この前駆体100gを容量50mlのAl磁製さや(「SSA−H」)に入れて、3Nl/minの流量で空気を流しながら、電気マッフル炉(「KDF S−70」)を用いて、100℃/hの昇温速度で室温より775℃まで昇温した後、775℃で2時間焼成を行なってリチウム遷移金属複合酸化物を得た。焼成物のハードグローブ指数を測定したところ、143であった。得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、乳鉢で軽く解砕して53μmの篩で分級したところ、篩上に残るものは0.1重量%であった。篩下に分級された製品を電池評価に用いた。ICPによる組成分析によって正極粒子の平均組成を確認したところ、組成式Li1.05Ni0.866Zr0.0040Mn0.05Co0.08で表されるものであった。
(実施例9)
実施例1と同様にしてLi1.05Ni0.865Zr0.0050Co0.08Mn0.05の組成のリチウムニッケル複合酸化物前駆体を製造した。
この前駆体100gを容量50mlのAl磁製さや(「SSA−H」)に入れて、3Nl/minの流量の酸素を流しながら、電気マッフル炉(「KDF S−70」)を用いて、100℃/hの昇温速度で室温より775℃まで昇温した後、775℃で10時間焼成を行なってリチウム遷移金属複合酸化物を得た。焼成物のハードグローブ指数を測定したところ、128であった。得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、乳鉢で軽く解砕して53μmの篩で分級したところ、篩上に残るものは1.0重量%であった。篩下に分級された製品を電池評価に用いた。ICPによる組成分析によって正極粒子の平均組成を確認したところ、組成式Li1.05Ni0.866Zr0.0050Co0.08Mn0.05で表されるものであった。
(実施例10)
実施例1と同様にしてLi1.05Ni0.863Zr0.0075Co0.08Mn0.05の組成のリチウムニッケル複合酸化物前駆体を製造した。
この前駆体100gを容量50mlのAl磁製さや(「SSA−H」)に入れて、3Nl/minの流量で空気を流しながら、電気マッフル炉(「KDF S−70」)を用いて、100℃/hの昇温速度で室温より775℃まで昇温した後、775℃で2時間焼成を行なってリチウム遷移金属複合酸化物を得た。焼成物のハードグローブ指数を測定したところ、142であった。得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、乳鉢で軽く解砕して53μmの篩で分級したところ、篩上に残るものは0.1重量%であった。篩下に分級された製品を電池評価に用いた。ICPによる組成分析によって正極粒子の平均組成を確認したところ、組成式Li1.05Ni0.863Zr0.0075Co0.08Mn0.05で表されるものであった。
(比較例1)
実施例1と同様にしてZrを含まないLi1.05Ni0.88Co0.095Al0.025の組成のリチウムニッケル複合酸化物前駆体を製造した。
この前駆体100gを容量50mlのAl磁製さや(「SSA−H」)に入れて、3Nl/minの空気気流化 電気マッフル炉(「KDF S−70」)を用いて、100℃/hの昇温速度で室温より775℃まで昇温した後、775℃で2時間焼成を行なってリチウム遷移金属複合酸化物を得た。焼成物のハードグローブ指数を測定したところ、56であった。得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、乳鉢で軽く解砕して53μmの篩で分級したところ、篩上に残るものは85重量%であった。篩下に分級された製品を電池評価に用いた。ICPによる組成分析によって正極粒子の平均組成を確認したところ、組成式Li1.05Ni0.88Co0.095Al0.025で表されるものであった。
上記各実施例および比較例で得られた各正極材を用い、前記、放電容量の項に記した方法により、正極および負極を形成し、作製したコイン型リチウム二次電池を用いて放電容量およびサイクル特性を測定した。結果を、上記実施例および比較例に記した正極材および前駆体の性状とともにまとめて以下の表1に記す。
Figure 2006012616
上記表1に示される通り、適量のZrを含み、前駆体スラリーの高温噴霧乾燥および焼成を経て得られた実施例1〜10の正極材前駆体は、いずれも100以上のハードグローブ粉砕性指数を有し、解砕により高い粉砕収率で、正極材に適した53μmのふるい下の粒度と150mAh/g以上の放電容量のLiNiO系リチウム二次電池用正極材が得られている。特にZrに加えてMnを含む実施例7〜10の正極材は粉砕収率、放電容量ともに一層向上した特性を示している。これに対し、Zrを含めることなく得られた比較例1の正極材前駆体は、ハードグローブ粉砕性指数が56と低く、これに伴い粉砕収率が低い。また、実施例7および9に示すように、Zrに加えてMnを加えることにより、特に高い放電容量と、サイクル試験による容量保持率の高い正極材が得られていることがわかる。
上述したところ、および上記表1に示す実施例および比較例の対比から理解される通り、本発明によれば、LiNiO系のリチウム二次電池用複合酸化物正極材にZrを含有させ、前駆体スラリーを高温噴霧乾燥した後、焼成(予備焼成および本焼成)することにより高容量で粒状(球状)性のよいLiNiO系正極材を高い粉砕収率で得ることができる。

Claims (9)

  1. 概ねLiNiZr1−x−y(0.5<x≦0.99;0<y<0.10;MはCo,Mn,Al,B,Ga,In,Fe,Cr,V,Ti,Si,Ca,およびMgからなる群より選ばれた少なくとも一種の補助金属)の組成を有し、且つハードグローブ粉砕性指数が90〜240であることを特徴とするリチウム二次電池正極活物質用リチウム遷移金属複合酸化物。
  2. 金属元素中のZrのモル濃度が0.025〜2.5%(y/2=0.00025〜0.025)である請求項1に記載の複合酸化物。
  3. 水酸化物相と硝酸塩相との2相を有する粒状体であり、少なくとも水酸化物相中にZrを含む請求項1に記載のリチウム二次電池正極活物質用リチウム遷移金属複合酸化物の前駆体。
  4. 平均粒子径が1〜100μmである請求項3に記載の複合酸化物前駆体。
  5. 硝酸ニッケル、硝酸酸化ジルコニウム(硝酸ジルコニル)および必要に応じて更にCo,Mn,Al,B,Ga,In,Fe,Cr,V,Ti,Si,CaおよびMgからなる群より選ばれた補助金属の硝酸塩の水溶液と、水酸化リチウム水溶液とを混合することにより、水酸化物を主要成分とする粒子と、硝酸塩を主要成分とする水溶液相とからなるスラリーを形成し、該スラリーを150〜500℃の高温で噴霧乾燥することにより粒状体を得ることを特徴とする請求項3または4に記載のリチウム遷移金属複合酸化物前駆体の製造方法。
  6. 請求項3または4に記載の遷移金属複合酸化物前駆体を酸素含有雰囲気中で焼成することを特徴とする、請求項1または2に記載のリチウム二次電池正極活物質用リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法。
  7. 焼成工程が200〜600℃での予備焼成工程と、600〜950℃での本焼成工程とを含む請求項6に記載の製造方法。
  8. 請求項1または2に記載のリチウム遷移金属複合酸化物を解砕してなるリチウム二次電池用粉末正極材。
  9. 請求項8に記載の粉末正極剤を用いたリチウム二次電池。
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