JP2006002125A - カルボシラン系ポリマーを含んでなる被膜形成用組成物、および該組成物から得られた被膜 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、カルボシラン系ポリマーを含んでなる被膜形成用組成物、および該組成物から得られた被膜に関する。さらに詳しくは、本発明は、半導体の多層配線形成におけるエッチングストッパ層や層間絶縁層を形成するに好適に用いることのできる被膜形成用組成物、および該組成物から得られた被膜に関するものである。
周知のように、半導体集積回路における基本的配線構造は、半導体基板上に直接または間接的に形成された下層配線層と、この下層配線層上に層間絶縁層を介して形成された上層配線層とが、前記層間絶縁層を貫通するように形成されたビア配線によって接続されている構造である。この配線構造を複数化、多層化することによって、半導体集積回路の多層配線構造が形成される。
従来、この配線構造は、半導体基板上に積層する導体層や層間絶縁層などの各層の形成とそれらのエッチングによるパターン化の繰り返しによって、実現していた。このような積層とエッチングを繰り返して多層配線を形成する逐次形成方法は、ステップ数が多く、製造コストを低減することが困難であったため、現在では、ダマシン法と一般に呼称されている象眼法が採用されている。このダマシン法とは、ビア配線や上層配線層を形成するためのビアホールやトレンチと呼ばれる配線溝を層間絶縁層に形成しておき、その空間に導体材料を埋め込むという配線形成方法である。
このダマシン法において、ビア配線と上層配線層を同時に形成する場合は、特にデュアルダマシンプロセスと呼称されている。このダマシン法を採用することによって、従来は導体材料として用いることができなかった銅を用いることができるようになった。銅は、微細配線用の導体材料として、アルミニウムに比べてエレクトロマイグレーション耐性が優れているため好適な材料であり、また、このデュアルダマシンプロセスは、ビア配線とトレンチ配線を同時に形成でき、半導体装置の製造コストを低減できるため、一般に普及しつつある。
そして現在、半導体装置のさらなる微細化に向けて、配線材料のみならず、配線層を囲む層間絶縁層においても、より高い特性の材料の開発が進められている。前記層間絶縁層には、まず、低誘電率特性が必要であり、その他に耐熱性、耐クラック性、成膜性などの物理的諸特性が必要とされており、そのような諸特性に優れた材料の検討がなされている。例えば、層間絶縁層に要求される低誘電性、耐熱性、クラック耐性などの物理的特性を改善するための組成物が提案されている(特許文献1、2参照)。
ところで、前述の半導体配線形成においては、層間絶縁層以外にも様々な局面において被膜層が用いられており、その被膜層によって半導体の配線形成における効率化と、得られる配線の微細化、高品質化を図っている。このような被膜層としては、配線層であるトレンチ配線やビア配線を内部に形成させる前記層間絶縁層や、トレンチやビアなどの配線形成空間をエッチングにより形成する場合に下層の層間絶縁層とその上層の層間絶縁層との間に設けられるエッチングストッパ層や、形成された配線層を保護するためのカバー膜、さらにはパターン配線層などの非平坦層の上に形成することによって積層平面を平坦化する平坦化層などが挙げられる。
前記層間絶縁層を始めとする各被膜層には、各配線層との間を絶縁する役目が必要なことから誘電率が低いことが要求される。さらにエッチングストッパ層に用いる場合は、エッチング耐性が高くなければならない。さらに、配線層をパターニングするためには、各被膜層上に形成されるレジスト層を用いてパターニングされる。しかしながら、これら被膜層では、このレジスト層を露光する際に使用される露光光が反射し、レジスト層の良好なパターンを形成することができないという問題がある、したがって、これら被膜層は、露光光の反射を防止(吸収)する特性が求められることがある。特に最近の半導体素子の微細化に伴って、露光光の波長は短波長化されており、例えば、193nm程度の短波長光線の反射を防止することが重要であると考えられる。
前記特許文献1,2を代表とする従来技術では、層間絶縁層に必要な低誘電率特性、耐熱性、熱伝導性、機械強度、低熱膨張性などの改善については考慮されているが、これら特性に加えて、耐エッチング性や、短波長光に対する反射防止能(短波長光の吸収能)などのパターニングを考慮した諸特性の改善はなされていない。前述のように、半導体配線形成には、層間絶縁層ばかりでなく、エッチングストッパ層や、平坦化層、カバー層など複数種の被膜層が必要であり、これらには、共通して、低誘電率特性、短波長光に対する反射防止能、エッチング耐性、平滑性が要求されているのが、現状である。しかしながら、従来技術では、これらの特性を同時に満足させる被膜形成材料は提供されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題は、半導体配線形成に用いられる被膜を形成するに好適な被膜形成用組成物と、該組成物を用いて得た被膜を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、低誘電率特性、耐熱性に優れ、かつ短波長光に対する反射防止能に優れる被膜形成用組成物ついて鋭意研究を進めたところ、下記一般式(1)に示す繰り返し単位を有する新規なカルボシラン系ポリマーを含む被膜形成用組成物が前記諸要求を満たすことを見出すに至った。
つまり、本発明に係る被膜形成用組成物は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するカルボシラン系ポリマー(A)と、溶剤(B)とを少なくとも含有してなる被膜形成用組成物である。
また、本発明に係る被膜は、前記被膜形成用組成物から形成された塗膜を硬化して得られた被膜である。
本発明にかかるカルボシラン系ポリマーを含む被膜形成用組成物は、被膜化した場合に、短波長光に対する反射防止能に優れており、誘電率が低く、エッチング耐性にも優れる。したがって、このカルボシラン系ポリマーと溶媒とを少なくとも含有して構成される組成物は、微細な半導体配線を形成する場合に好適に用いることができる。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
前述のように、本発明に係る被膜形成用組成物は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するカルボシラン系ポリマー(A)と、溶剤(B)とを含有してなる被膜形成用組成物である。
前述のように、本発明に係る被膜形成用組成物は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するカルボシラン系ポリマー(A)と、溶剤(B)とを含有してなる被膜形成用組成物である。
前記一般式(1)中のR1とR2とが互いに異なっていることが好ましい。それは、R1とR2とが互いに異なっていると、このポリマー(A)の溶剤(B)への溶解性をコントロールすることができるからである。R1とR2との好適な組み合わせは、R1とR2との炭素数の差が2以上となる組み合わせである。また、R1およびR2の少なくとも一方は、炭素数が10以下であることが好ましい。R1とR2との組み合わせは、例えば、メチル基とプロピル基との組み合わせ等が好ましい。
これらの組み合わせによって、ポリマー(A)の溶剤(B)への溶解性を、例えば1〜2wt%であるものを10〜40wt%程度にコントロールすることができる。ポリマー(A)の中でも、溶剤(B)への溶解性は、0.5wt%〜50wt%のものが好ましく、1wt%〜20wt%のものがより好ましい。
また、上記被膜形成用組成物から形成される被膜の膜厚は、従来の被膜と同様であり、用途によって一律に限定することはできないが、10nm以上〜1000nm以下、好ましくは100nm以上、500nm以下、より好ましくは300nm以下が好ましい。
また、上記のようにポリマー(A)の溶剤(B)への溶解性をコントロールすることにより、被膜形成用組成物におけるポリマー濃度の調整が可能となり、このポリマー濃度により、形成される被膜の膜厚を調整することが容易となる。
また、前記一般式(1)中のmは、大きすぎるとベンゼン環の数が少なくなるため、193nm付近における光の吸収量が減ってしまう。特に好ましいのは、m=0である。
本発明の組成物に用いられるカルボシラン系ポリマー(A)は、重量平均分子量が1000〜10000の範囲のものが好適である。それは、主に、成膜性、膜の平坦性を確保することが容易となるからであり、エッチングレート耐性にも優れるからである。特に分子量が低すぎると、カルボシラン系ポリマー(A)が揮発してしまい、成膜できない可能性がある。
本発明に用いる溶剤(B)としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等の多価アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのモノエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロアルキルケトン、メチルイソアミルケトン等のケトン類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル(PGDM)、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールの水酸基をすべてアルキルエーテル化した多価アルコールエーテル類などが挙げられる。これらの中でも、シクロアルキルケトンまたはアルキレングリコールジアルキルエーテルがより好適である。さらに、アルキレングリコールジメチルエーテルとしては、PGDM(プロピレングリコールジメチルエーテル)が好適である。これらの有機溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、70〜99質量%の範囲が適当である。
本発明の組成物には、前記カルボシラン系ポリマー(A)以外のポリマーとして、従来慣用のポリアリーレンエーテルなどの低誘電性ポリマーを混合して用いることができる。その場合の混合量は、混合後の組成物の短波長光に対する反射防止能が実用の範囲に納まる程度である必要がある。この従来の低誘電性ポリマーの混合割合により、エッチング速度を制御することができ、それによって、本発明の組成物は、耐エッチング性の高いエッチングストッパ層ばかりでなく、比較的エッチング速度が速い必要のある層間絶縁層としても使用が可能になる。また、アルコキシシランの加水分解および/または縮合物等のシロキサンポリマーを混合してもよい。
本発明の組成物は、溶媒により塗布液となっており、目的に応じて所定の層または基板の上に塗布し、その後加熱し、乾燥、焼成することによって被膜を形成する。塗布は、例えばスプレー法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法など、任意の方法を用いることができる。
本発明の被膜形成用組成物により、例えば、層間絶縁層、エッチングストッパ層などの各種被膜を形成することができる。膜形成における乾燥温度等の条件を適宜調整することによって、各種被膜に最適化する。
層間絶縁膜を形成する場合を例として挙げると、80〜300℃程度のホットプレート上で1〜6分程度加熱する。好ましくは3段階以上、段階的に昇温することが好ましい。具体的には、大気中または窒素などの不活性ガス雰囲気中、70〜120℃程度のホットプレート上で30秒〜2分程度第1回目の乾燥処理を行なった後、130〜220℃程度で30秒〜2分程度第2回目の乾燥処理を行い、さらに150〜300℃程度で30秒〜2分程度第3回目の乾燥処理を行なう。このようにして3段階以上、好ましくは3〜6段階程度の段階的な乾燥処理を行なうことによって、塗膜の表面を均一とすることができる。
前記乾燥処理された塗膜は、次に焼成処理が施される。焼成は、300〜400℃程度の温度で、窒素雰囲気中で行なわれる。この焼成温度が、300℃未満では、被膜がエッチングストッパ層である場合はエッチング耐性が不十分となるおそれがある。一方、400℃を超えるような焼成温度であると、低誘電率を維持する必要のある各種被膜の誘電率を低く保つことが困難となるおそれがある。
このような被膜を形成する方法によれば、誘電率が3.0以下の低誘電率特性を有し、エッチング特性にも優れ、さらに短波長光に対する反射防止能にも優れる各種被膜を形成することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
(実施例1)
本実施例では、下記化学式(2)の繰り返し単位を有するカルボシラン系ポリマー(A1)を用いた。
本実施例では、下記化学式(2)の繰り返し単位を有するカルボシラン系ポリマー(A1)を用いた。
このポリマー(A1)1.0gをシクロペンタノン99.0gに加え、超音波装置に2時間かけ溶解させた。これにより、濃度1質量%、固形分分子量3000〜8000の塗布液(被膜形成用組成物)を得た。
この塗布液を用いて、下記の被膜形成方法により被膜を形成した。得られた被膜の膜厚は、35nmであった。続いて、この被膜のエッチング速度(Å/分)、誘電率、193nm波長光に対する吸光度、および表面平滑性を評価した。その結果を下記表1に示す。
[被膜形成方法]
被膜形成用塗布液をスピンコート法によってシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で大気中、80℃、1分間の加熱処理を行った。次いで150℃で1分間、さらに200℃で1分間の加熱処理を行った(乾燥処理)。
次いで、窒素雰囲気中、350℃で30分間の加熱処理(焼成処理)を行い、被膜を得た。
被膜形成用塗布液をスピンコート法によってシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で大気中、80℃、1分間の加熱処理を行った。次いで150℃で1分間、さらに200℃で1分間の加熱処理を行った(乾燥処理)。
次いで、窒素雰囲気中、350℃で30分間の加熱処理(焼成処理)を行い、被膜を得た。
[ドライエッチング速度測定方法]
得られた被膜に対してドライエッチング処理を行い、処理前後の膜厚変化を分光エリプソメータ「DHA−XA2」(溝尻工学工業所社製 測定波長:633nm)を用いて測定し、その膜厚変化をドライエッチング耐性評価とした。
得られた被膜に対してドライエッチング処理を行い、処理前後の膜厚変化を分光エリプソメータ「DHA−XA2」(溝尻工学工業所社製 測定波長:633nm)を用いて測定し、その膜厚変化をドライエッチング耐性評価とした。
前記ドライエッチング処理は以下の様にして行った。
下記(1)(2)(3)の組成:
(1)CF4/CHF3=20/30、He:100(cc/min)、
(2)CF4/CHF3=25/25、He:100(cc/min)、
(3)CF4/CHF3=30/20、He:100(cc/min)、
からなる酸化膜エッチャー(製品名「TCE7612−XX」;東京応化工業株式会社製)を用いて、出力400W、圧力300mTorr下の条件下において、30秒間のドライエッチング評価を行った。
下記(1)(2)(3)の組成:
(1)CF4/CHF3=20/30、He:100(cc/min)、
(2)CF4/CHF3=25/25、He:100(cc/min)、
(3)CF4/CHF3=30/20、He:100(cc/min)、
からなる酸化膜エッチャー(製品名「TCE7612−XX」;東京応化工業株式会社製)を用いて、出力400W、圧力300mTorr下の条件下において、30秒間のドライエッチング評価を行った。
[誘電率測定方法]
得られた被膜に対して誘電率測定装置SSM495(日本SSM社製)を用いて、被膜の膜厚方向の真空に対する比誘電率を測定した。
得られた被膜に対して誘電率測定装置SSM495(日本SSM社製)を用いて、被膜の膜厚方向の真空に対する比誘電率を測定した。
[193nm波長光の吸収率の測定方法]
分光エリプソメーター「VUV−VASE」(J.A.WOOLLAM製 測定波長:193nm)を用いて測定し、193nmでの吸収率を測定した。
分光エリプソメーター「VUV−VASE」(J.A.WOOLLAM製 測定波長:193nm)を用いて測定し、193nmでの吸収率を測定した。
[表面平滑性の測定方法]
分光エリプソメータ「DHA−XA2」(溝尻工学工業所社製 測定波長:633nm)を用いて面内9箇所について測定し、その膜厚の平均分布(±%)を表面平滑性とした。
分光エリプソメータ「DHA−XA2」(溝尻工学工業所社製 測定波長:633nm)を用いて面内9箇所について測定し、その膜厚の平均分布(±%)を表面平滑性とした。
(実施例2)
本実施例では、下記化学式(3)の繰り返し単位を有するカルボシラン系ポリマー(A2)を用いた。
本実施例では、下記化学式(3)の繰り返し単位を有するカルボシラン系ポリマー(A2)を用いた。
ポリマー(A2)1.0gをシクロペンタノン99.0gに加え、超音波装置に2時間かけて、溶解させた。これにより、濃度1質量%、固形分分子量3000〜8000の塗布液(被膜形成用組成物)を得た。
この塗布液を用いて、上記被膜形成方法により被膜を形成した。続いて、前記実施例1と同様に、得られた被膜のエッチング速度(Å/分)、誘電率、193nm波長光に対する吸収特性、クラック耐性、および表面平滑性を評価した。その結果を下記表1に示す。
この塗布液を用いて、上記被膜形成方法により被膜を形成した。続いて、前記実施例1と同様に、得られた被膜のエッチング速度(Å/分)、誘電率、193nm波長光に対する吸収特性、クラック耐性、および表面平滑性を評価した。その結果を下記表1に示す。
(比較例1)
メチルシルセスキオキサンを主成分ポリマーとして用いた被膜形成用組成物(東京応化工業社製、製品名:OCD T−11)を塗布液として用い、被膜を形成した。
この塗布液を用いて、上記被膜形成方法により被膜を形成した。
前記実施例1と同様に、得られた被膜のエッチング速度(Å/分)、誘電率、193nm波長光に対する吸光度、クラック耐性、および表面平滑性を評価した。その結果を下記表1に示す。
メチルシルセスキオキサンを主成分ポリマーとして用いた被膜形成用組成物(東京応化工業社製、製品名:OCD T−11)を塗布液として用い、被膜を形成した。
この塗布液を用いて、上記被膜形成方法により被膜を形成した。
前記実施例1と同様に、得られた被膜のエッチング速度(Å/分)、誘電率、193nm波長光に対する吸光度、クラック耐性、および表面平滑性を評価した。その結果を下記表1に示す。
(比較例2)
ヒドロキシシルセスキオキサンを主成分ポリマーとして用いた被膜形成用組成物(東京応化工業社製、製品名:OCD T−12)を塗布液として用い、この塗布液を用いて、上記被膜形成方法により被膜を形成した。
前記実施例1と同様に、得られた被膜のエッチング速度(Å/分)、誘電率、193nm波長光に対する吸光度、クラック耐性、および表面平滑性を評価した。その結果を下記表1に示す。
ヒドロキシシルセスキオキサンを主成分ポリマーとして用いた被膜形成用組成物(東京応化工業社製、製品名:OCD T−12)を塗布液として用い、この塗布液を用いて、上記被膜形成方法により被膜を形成した。
前記実施例1と同様に、得られた被膜のエッチング速度(Å/分)、誘電率、193nm波長光に対する吸光度、クラック耐性、および表面平滑性を評価した。その結果を下記表1に示す。
実施例1および実施例2より、本発明に係る被膜形成用組成物から形成された膜は、誘電率が低く平滑性がよいため、層間絶縁膜として十分使用することができることがわかる。また、エッチング速度よりエッチング耐性が高く、エッチングストッパ層として使用することができることがわかる。さらに、193nmにおいて吸収があり、この短波長光線の反射を防止する効果を有することがわかる。
以上、説明したように、本発明に係るこのカルボシラン系ポリマーと溶媒とを少なくとも含有して構成される組成物は、短波長光に対する反射防止能に優れており、被膜化した場合は、誘電率が低く、エッチング耐性が高い。よって微細な半導体配線を形成する場合に好適に用いることができる。
Claims (8)
- 前記一般式(1)中のR1とR2とが互いに異なっていることを特徴とする請求項1に記載の被膜形成用組成物。
- 前記一般式(1)中のR1とR2とにおける炭素原子の数の差が2以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の被膜形成用組成物。
- 前記カルボシラン系ポリマー(A)の重量平均分子量が1000〜10000であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の被膜形成用組成物。
- 前記溶剤(B)が、シクロアルキルケトンまたはアルキレングリコールジアルキルエーテルを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の被膜形成用組成物。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載の被膜形成用組成物から形成された塗膜を硬化して得られた被膜。
- 半導体配線形成工程において層間絶縁層の間に設けられるエッチングストッパ層であることを特徴とする請求項6に記載の被膜。
- 半導体配線形成工程において内部に配線層が形成される層間絶縁層であることを特徴とする請求項6に記載の被膜。
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