JPWO2020171054A1 - 半導体基板の製造方法及び半導体基板製造用組成物 - Google Patents

半導体基板の製造方法及び半導体基板製造用組成物 Download PDF

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Abstract

埋め込み性、平坦性及び耐熱性に優れるケイ素含有膜を形成することができる半導体基板の製造方法及び組成物の提供を目的とする。本発明は、パターンが形成された基板の上記パターン側に、下記式(1)で表される第1構造単位を有する化合物及び溶媒を含有する組成物を直接塗工する工程を備える半導体基板の製造方法である。下記式(1)中、R1は、芳香族炭素環又は芳香族複素環を含む炭素数3〜20の2価の有機基である。X1及びY1は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。上記塗工工程後に、上記塗工工程により形成されたケイ素含有膜の少なくとも一部をエッチングする工程をさらに備えることが好ましい。

Description

本発明は、半導体基板の製造方法及び半導体基板製造用組成物に関する。
半導体基板の製造におけるパターン形成には、例えば、基板に有機下層膜、ケイ素含有膜等を介して積層されたレジスト膜を露光及び現像して得られたレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことでパターニングされた基板を形成する半導体リソグラフィープロセス等が用いられる(特開2004−310019号公報及び国際公開第2012/039337号参照)。
特開2004−310019号公報 国際公開第2012/039337号
最近では、トレンチ、ホール等のパターンが形成された基板が用いられることが多くなっており、ケイ素含有膜形成用組成物には、基板のパターンを十分に埋め込むことができることに加え、平坦性及び耐熱性に優れるケイ素含有膜を形成できることが要求される。しかし、従来のケイ素含有膜形成用組成物では、これらの要求を満たすことはできていない。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、埋め込み性、平坦性及び耐熱性に優れるケイ素含有膜を形成することができる半導体基板の製造方法及び半導体基板製造用組成物を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、パターンが形成された基板の上記パターン側に、下記式(1)で表される第1構造単位を有する化合物及び溶媒を含有する組成物を直接塗工する工程を備える半導体基板の製造方法である。
Figure 2020171054
(式(1)中、Rは、芳香族炭素環又は芳香族複素環を含む炭素数3〜20の2価の有機基である。X及びYは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。)
上記課題を解決するためになされた別の発明は、パターンが形成された基板の上記パターン側に、直接塗工される半導体基板製造用組成物であって、上記式(1)で表される構造単位を有する化合物と、溶媒とを含有する半導体基板製造用組成物である。
本発明の半導体基板の製造方法及び半導体基板製造用組成物によれば、埋め込み性、平坦性及び耐熱性に優れるケイ素含有膜を形成することができる。従って、当該半導体基板の製造方法及び半導体基板製造用組成物は、今後さらに半導体回路の微細化や構造の複雑化が進行すると予想される半導体デバイスの製造等に好適に用いることができる。
図1は、平坦性の評価方法を説明するための模式的断面図である。
以下、本発明の半導体基板の製造方法及び半導体基板製造用組成物について詳説する。
<半導体基板の製造方法>
当該半導体基板の製造方法は、パターンが形成された基板の上記パターン側に、後述する式(1)で表される第1構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有する化合物(以下、「[A]化合物」ともいう)及び溶媒(以下、「[B]溶媒」ともいう)を含有する組成物(以下、「組成物(I)」ともいう)を直接塗工する工程(以下、「塗工工程」ともいう)を備える。
当該半導体基板の製造方法によれば、上記工程を備え、組成物(I)が[A]化合物及び[B]溶媒を含有することで、埋め込み性、平坦性及び耐熱性に優れるケイ素含有膜を形成することができる。当該半導体基板の製造方法が、上記構成を備えることで上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。すなわち、[A]化合物は構造単位(I)を有し、骨格に芳香族炭素環又は芳香族複素環を有する剛直な構造であり、加熱により熱収縮し難いため、形成されるケイ素含有膜の埋め込み性及び平坦性が向上する。また、[A]化合物は熱安定性が向上し、ケイ素含有膜の耐熱性が向上する。
当該半導体基板の製造方法は、必要に応じてその他の工程(以下、単に「その他の工程」ともいう)を備えていてもよい。例えば、当該半導体基板の製造方法は、上記塗工工程後に、上記塗工工程により形成されたケイ素含有膜(以下、「ケイ素含有膜(I)」ともいう)の少なくとも一部をエッチングする工程(以下、「エッチング工程」ともいう)をさらに備えていてもよい。
また、当該半導体基板の製造方法は、上記塗工工程後に、上記塗工工程により形成されたケイ素含有膜(I)に直接又は間接にレジスト組成物を塗工する工程(以下、「レジスト組成物塗工工程」ともいう)と、上記レジスト組成物塗工工程により形成されたレジスト膜を放射線により露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)と、上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)とをさらに備えていてもよく、上記現像工程後に、上記現像工程により形成されたレジストパターンをマスクとして上記ケイ素含有膜(I)をエッチングする工程(以下、「ケイ素含有膜エッチング工程」ともいう)をさらに備えていてもよい。
さらに、当該半導体基板の製造方法は、上記ケイ素含有膜エッチング工程後に、ケイ素含有膜エッチング工程後のケイ素含有膜(I)をマスクとして、基板をエッチングする工程(以下、「基板エッチング工程」ともいう)をさらに備えていてもよく、上記ケイ素含有膜(I)を除去する工程(以下、「ケイ素含有膜除去工程」ともいう)をさらに備えていてもよい。
以下、当該半導体基板の製造方法が備える各工程について説明する。なお、当該半導体基板の製造方法が必要に応じて備えるその他の工程については後述する。
[塗工工程]
本工程では、パターンが形成された基板の上記パターン側に、組成物(I)を直接塗工する。組成物(I)については後述する。
上記パターンとしては、金属、半金属、金属化合物又は半金属化合物を含むパターン等が挙げられる。ここで、「金属」とは、例えば周期表第3族〜第15族の第3周期〜第7周期に属する金属等をいう。なお、金属には、ホウ素、ケイ素、ヒ素等の半金属は含まれない。金属化合物としては、例えば金属窒化物、金属酸化物等が挙げられ、より具体的には、例えばチタン酸化物、チタン窒化物、ジルコニウム酸化物、ジルコニウム窒化物等が挙げられる、半金属化合物としては、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物等が挙げられる。上記パターンとしては、金属、半金属、金属化合物又は半金属化合物を主成分とするパターンが好ましい。ここで「主成分」とは、最も含有割合の多い成分であり、例えば含有割合が50質量%以上の成分を指す。
上記基板としては、例えば金属、半金属、金属化合物又は半金属化合物を含むパターンが形成された基板等が挙げられる。上記パターンとして例示したものと同様に、金属、半金属、金属化合物又は半金属化合物を主成分とする基板が好ましい。
上記パターンの形状としては、例えばトレンチパターン、ライン・アンド・スペースパターン、ホールパターン、ピラーパターン等が挙げられる。トレンチパターン及びライン・アンド・スペースパターンとしては、例えば幅が5nm以上100nm以下の凹部を含むパターン、深さが5nm以上500nm以下の凹部を含むパターン等が挙げられる。ホールパターンとしては、例えば直径が5nm以上100nm以下のホールを含むパターン、深さが5nm以上500nm以下のホールを含むパターン等が挙げられる。ピラーパターンとしては、例えば幅が5nm以上100nm以下のピラーを含むパターン、高さが5nm以上500nm以下のピラーを含むパターン等が挙げられる。
組成物(I)の塗工方法は特に限定されないが、例えば回転塗工法等の公知の方法が挙げられる。
組成物(I)をパターンが形成された基板の上記パターン側に直接塗工して形成された塗膜を、通常、露光及び/又は加熱することにより硬化等させることによってケイ素含有膜(I)が形成される。
上記露光に用いられる放射線としては例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、極端紫外線、X線、γ線等の電磁波、電子線、分子線、イオンビーム等の粒子線などが挙げられる。
塗膜を加熱する際の温度の下限としては、90℃が好ましく、150℃がより好ましく、200℃がさらに好ましい。上記温度の上限としては、550℃が好ましく、450℃がより好ましく、300℃がさらに好ましい。形成されるケイ素含有膜(I)の平均厚みの下限としては、10nmが好ましく、20nmがより好ましく、30nmがさらに好ましい。上記平均厚みの上限としては、500nmが好ましく、300nmがより好ましく、200nmがさらに好ましい。
次に、組成物(I)について説明する。
<組成物(I)>
組成物(I)は、[A]化合物及び[B]溶媒を含有する。組成物(I)は、酸発生剤(以下、「[C]酸発生剤」ともいう)を含有することが好ましく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分を含有していてもよい。
以下、各成分について説明する。
[[A]化合物]
[A]化合物は、主鎖中にSi−C結合を有する重合体である。[A]化合物は、構造単位(I)を有する。[A]化合物は、構造単位(I)以外に、後述する式(2)で表される第2構造単位(以下、「構造単位(II)」ともいう)を有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の構造単位を有していてもよい。[A]化合物は、構造単位(I)を繰り返し単位として有する化合物であることが好ましい。
以下、各構造単位について説明する。
(構造単位(I))
構造単位(I)は、下記式(1)で表される構造単位である。
Figure 2020171054
上記式(1)中、Rは、芳香族炭素環又は芳香族複素環を含む炭素数3〜20の2価の有機基である。X及びYは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。
「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。Rで表される芳香族炭素環又は芳香族複素環を含む炭素数3〜20の2価の有機基としては、例えば芳香族炭素環を含む炭素数6〜20の2価の有機基、芳香族複素環を含む炭素数3〜20の2価の有機基等が挙げられる。
上記芳香族炭素環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フェナレン環、フルオレン環、アセナフチレン環、ピレン環、テトラセン環、インデン環、アズレン環等が挙げられる。これらの中で、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環又はフルオレン環が好ましい。
上記芳香族複素環としては、例えばフラン環、ピロール環、チオフェン環、ピラゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドール環、クロメン環、ベンゾチオフェン環、キノリン環、カルバゾール環、フェナントロリン環等が挙げられる。これらの中で、フラン環、チオフェン環又はピロール環が好ましい。
で表される芳香族炭素環を含む炭素数6〜20の2価の有機基としては、例えば、炭素数6〜20の置換又は非置換の2価の芳香族炭化水素基、2つの炭素数6〜10の置換又は非置換の2価の芳香族炭化水素基と−O−とを組み合わせた2価の基等が挙げられる。本明細書において「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香族炭素環構造を含む炭化水素基をいう。但し、芳香族炭素環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状炭化水素基や脂環式炭化水素基を含んでいてもよい。
非置換の炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基としては、例えばベンゼンジイル基、ビフェニルジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、フルオレンジイル基等のアレーンジイル基、ベンゼンジイルメタンジイル基、ベンゼンジイルエタンジイル基、ナフタレンジイルメタンジイル基、アントラセンジイルメタンジイル基等のアレーンジイルアルカンジイル基、メタンジイルベンゼンジイルメタンジイル基等のアルカンジイルアレーンジイルアルカンジイル基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基の置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基などが挙げられる。これらの中で、アルキル基又はアルコキシ基が好ましく、メチル基又はメトキシ基がより好ましい。
芳香族炭素環を含む炭素数6〜20の2価の有機基としては、炭素数6〜20の置換若しくは非置換の2価の芳香族炭化水素基又は2つの炭素数6〜10の置換若しくは非置換の芳香族炭化水素基と−O−とを組み合わせた2価の基が好ましく、炭素数6〜20の置換又は非置換の2価の芳香族炭化水素基がより好ましく、炭素数6〜20の置換又は非置換のアレーンジイル基がさらに好ましく、炭素数6〜20の非置換のアレーンジイル基又はアルキル基置換の炭素数6〜20のアレーンジイル基が特に好ましく、ベンゼンジイル基、トルエンジイル基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、ビフェニルジイル基又は9,9−ジメチルフルオレンジイル基がさらに特に好ましい。
芳香族複素環を含む炭素数3〜20の2価の有機基としては、例えば炭素数3〜20の置換又は非置換の2価の芳香族複素環基等が挙げられる。本明細書において「芳香族複素環基」とは、環構造として芳香族複素環構造を含む基をいう。但し、芳香族複素環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状炭化水素基や脂環式炭化水素基を含んでいてもよい。
非置換の炭素数3〜20の2価の芳香族複素環基としては、例えばフランジイル基、チオフェンジイル基、ピランジイル基、ピリジンジイル基、キノリンジイル基等のヘテロアレーンジイル基、フランジイルメタンジイル基、チオフェンジイルエタンジイル基等のヘテロアレーンジイルアルカンジイル基などが挙げられる。
芳香族複素環基の置換基としては、例えば上記芳香族炭化水素基の置換基として例示した基と同様の基等が挙げられる。
芳香族複素環を含む炭素数3〜20の2価の有機基としては、炭素数3〜20の置換又は非置換の2価の芳香族複素環基が好ましく、炭素数3〜20の置換又は非置換のヘテロアレーンジイル基がより好ましく、炭素数3〜20の非置換のヘテロアレーンジイル基又はアルキル基置換の炭素数3〜20のヘテロアレーンジイル基がさらに好ましく、フランジイル基、チオフェンジイル基又はN−メチルピロールジイル基が特に好ましい。
としては、芳香族炭素環を含む炭素数6〜20の2価の有機基が好ましく、芳香族炭素環を含む炭素数6〜15の2価の有機基がより好ましい。Rを上記基とすることで、ケイ素含有膜(I)の耐熱性をより向上させることができる。
上記式(1)のX又はYで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間に2価のヘテロ原子含有基を有する1価の基(α)、上記炭化水素基及び基(α)が有する水素原子の一部又は全部を1価のヘテロ原子含有基で置換した1価の基(β)、上記炭化水素基、基(α)又は基(β)と2価のヘテロ原子含有基とを組み合わせた1価の基(γ)等が挙げられる。
炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、エテニル基、エチニル基等の炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基等の炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基等の炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
2価又は1価のヘテロ原子含有基を構成するヘテロ原子としては、例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
2価のヘテロ原子含有基としては、例えば−O−、−CO−、−S−、−CS−、−NR’−、これらのうちの2つ以上を組み合わせた基等が挙げられる。R’は、水素原子又は1価の炭化水素基である。
1価のヘテロ原子含有基としては、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アミノ基、スルファニル基等が挙げられる。
及びYで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、炭素数1〜20の1価の炭化水素基が好ましく、1価の鎖状炭化水素基又は1価の芳香族炭化水素基がより好ましく、アルキル基又はアリール基がさらに好ましい。X及びYで表される1価の有機基の炭素数としては、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましい。
及びYで表されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。このハロゲン原子としては、塩素原子又は臭素原子が好ましい。
及びYとしては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜20の1価の有機基が好ましく、ヒドロキシ基又はアルコキシ基がより好ましい。
構造単位(I)としては、例えば下記式(1−1)〜(1−12)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1)〜(I−12)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2020171054
上記式(1−1)〜(1−12)中、X及びYは、上記式(1)と同義である。
構造単位(I)としては、構造単位(I−1)〜(I−9)が好ましい。
構造単位(I)の含有割合の下限としては、[A]化合物を構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、5モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましく、30モル%が特に好ましく、70モル%がさらに特に好ましく、90モル%が最も好ましい。上記含有割合の上限は、100モル%であってもよい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、ケイ素含有膜(I)の平坦性及び耐熱性をより向上させることができる。なお、[A]化合物における各構造単位の含有割合(モル%)は、通常[A]化合物の合成に用いた各構造単位を与える単量体のモル比率と同等になる。
(構造単位(II))
構造単位(II)は、下記式(2)で表される構造単位である。
Figure 2020171054
上記式(2)中、Rは、置換又は非置換の炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基である。X及びYは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。
で表される非置換の炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば非置換の炭素数1〜20の2価の鎖状炭化水素基、非置換の炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
非置換の炭素数1〜20の2価の鎖状炭化水素基としては、例えばメタンジイル基、エタンジイル基等の鎖状飽和炭化水素基、エテンジイル基、プロペンジイル基等の鎖状不飽和炭化水素基などが挙げられる。
非置換の炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロブタンジイル基等の単環の脂環式飽和炭化水素基、シクロブテンジイル基等の単環の脂環式不飽和炭化水素基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジイル基等の多環の脂環式飽和炭化水素基、ビシクロ[2.2.1]ヘプテンジイル基等の多環の脂環式不飽和炭化水素基などが挙げられる。
としては、非置換の鎖状飽和炭化水素基が好ましく、メタンジイル基又はエタンジイル基がより好ましい。
上記式(2)のX及びYとしては、例えば上記式(1)のX及びYとして例示した基と同様の基等が挙げられる。X及びYとしては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜20の1価の有機基が好ましく、ヒドロキシ基又はアルコキシ基がより好ましい。
構造単位(II)としては、例えば下記式(2−1)〜(2−3)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−1)〜(II−3)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2020171054
上記式(2−1)〜(2−3)中、X及びYは、上記式(2)と同義である。
構造単位(II)としては、構造単位(II−1)又は(II−2)が好ましい。
[A]化合物が構造単位(II)を有する場合、構造単位(II)の含有割合の下限としては、[A]化合物を構成する全構造単位に対して、0.1モル%が好ましく、1モル%がより好ましく、5モル%がさらに好ましく、10モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、99モル%が好ましく、95モル%がより好ましく、90モル%がさらに好ましく、50モル%が特に好ましく、20モル%がさらに特に好ましい。
[A]化合物は、その他の構造単位として、例えば下記構造単位(III)、構造単位(IV)等を有していてもよい。
(構造単位(III))
構造単位(III)は、下記式(3)で表される構造単位である。
Figure 2020171054
[A]化合物が構造単位(III)を有する場合、構造単位(III)の含有割合の下限としては、[A]化合物を構成する全構造単位に対して、0.1モル%が好ましく、1モル%がより好ましく、5モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、30モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましい。
(構造単位(IV))
構造単位(IV)は、下記式(4)で表される構造単位である。
Figure 2020171054
上記式(4)中、Rは、置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。mは、1又は2である。mが2の場合、2つのRは互いに同一又は異なる。
で表される非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば上記式(1)のX及びYとして例示した炭素数1〜20の1価の炭化水素基と同様の基等が挙げられる。また上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基の置換基としては、例えば上記式(1)のRの芳香族炭化水素基の置換基として例示した基と同様の基等が挙げられる。
としては、置換若しくは非置換の1価の鎖状炭化水素基又は置換若しくは非置換の1価の芳香族炭化水素基が好ましく、置換若しくは非置換のアルキル基、又は非置換のアリール基がより好ましく、メチル基、フェニル基又はアセトキシメチル基がさらに好ましい。
mとしては、1が好ましい。
[A]化合物が構造単位(IV)を有する場合、構造単位(IV)の含有割合の下限としては、[A]化合物を構成する全構造単位に対して、0.1モル%が好ましく、1モル%がより好ましく、5モル%がさらに好ましく、10モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、60モル%がより好ましく、40モル%がさらに好ましく、30モル%が特に好ましい。
また、[A]化合物は、上記構造単位(I)〜(IV)以外にも、上記式(1)においてX及び/又はYで表されるヒドロキシ基から脱水縮合等により形成されるSi−O−Siの構造を含む構造単位を含んでいてもよい。
[A]化合物のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の下限としては、500が好ましく、1,000がより好ましく、1,500がさらに好ましく、2,000が特に好ましい。上記Mwの上限としては、50,000が好ましく、10,000がより好ましく、7,000がさらに好ましく、4,000が特に好ましい。
本明細書において、[A]化合物のMwは、GPCカラム(東ソー(株)の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本)を使用し、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、試料濃度:1.0質量%、試料注入量:100μL、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(検出器:示差屈折計)により測定される値である。
[A]化合物の含有割合の下限としては、組成物(I)中の[B]溶媒以外の全成分に対して、70質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、90質量%がさらに好ましい。上記含有割合の上限は、例えば100質量%であり、99質量%が好ましい。
組成物(I)における[A]化合物の含有割合の下限としては、0.1質量%が好ましく、1質量%がより好ましく、3質量%がさらに好ましく、5質量%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、20質量%がさらに好ましく、15質量%が特に好ましい。
[[A]化合物の合成方法]
[A]化合物は、例えば以下の方法により合成することができる。まず、ジブロモ芳香族炭化水素、ジブロモ芳香族複素環化合物等の上記式(1)のRを与える化合物及び必要に応じてジブロモ脂肪族炭化水素等の上記式(2)のRを与える化合物と、テトラメトキシシラン、メチルトリクロロシラン等の加水分解性基を有するシラン化合物とを、マグネシウムの存在下、テトラヒドロフラン等の溶媒中で縮合重合反応させることにより、[A]化合物の前駆体である化合物(以下、「化合物(a)」ともいう)が得られる。
上記式(1)のRを与えるジブロモ芳香族炭化水素及びジブロモ芳香族複素環化合物としては、例えば下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2020171054
Figure 2020171054
Figure 2020171054
Figure 2020171054
Figure 2020171054
次に、上記得られた化合物(a)を、シュウ酸等の酸存在下、メチルイソブチルケトン等の溶媒中で加水分解縮合反応させた後、さらに、オルトギ酸エステル等の脱水剤で処理することにより、[A]化合物を溶液として得ることができる。
[[B]溶媒]
[B]溶媒としては、[A]化合物及び必要に応じて含有される他の成分を溶解又は分散できる限り用いることができる。[B]溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、含窒素系溶媒、水等が挙げられる。[B]溶媒は、1種又は2種以上を用いることができる。
アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール等のモノアルコール系溶媒、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒などが挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えばエチルエーテル、iso−プロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、酢酸n−ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等が挙げられる。
含窒素系溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
これらの中でも、エーテル系溶媒及び/又はエステル系溶媒が好ましく、成膜性に優れるため、グリコール構造を有するエーテル系溶媒及び/又はエステル系溶媒がより好ましい。
グリコール構造を有するエーテル系溶媒及びエステル系溶媒としては、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、特に、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
[B]溶媒中のグリコール構造を有するエーテル系溶媒及びエステル系溶媒の含有割合の下限としては、20質量%が好ましく、60質量%がより好ましく、90質量%がさらに好ましく、100質量%が特に好ましい。
組成物(I)における[B]溶媒の含有割合の下限としては、50質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、85質量%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、99質量%が好ましく、95質量%がより好ましい。
[[C]酸発生剤]
[C]酸発生剤は、露光又は加熱により酸を発生する成分である。組成物(I)が[C]酸発生剤を含有すると、比較的低温(常温を含む)においても[A]化合物の縮合反応を促進することができる。
露光により酸を発生する酸発生剤(以下、「光酸発生剤」ともいう)としては、例えば特開2004−168748号公報における段落[0077]〜[0081]に記載の酸発生剤等が挙げられる。
また、加熱により酸を発生する酸発生剤(以下、「熱酸発生剤」ともいう)としては、上記特許文献において光酸発生剤として例示されているオニウム塩系酸発生剤、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2−ニトロベンジルトシレート、アルキルスルホネート類等が挙げられる。
組成物(I)が[C]酸発生剤を含有する場合、[C]酸発生剤の含有量の下限としては、[A]化合物100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、20質量部が好ましく、10質量部がより好ましい。
[その他の成分]
組成物(I)は、その他の成分として、例えば塩基性化合物(塩基発生剤を含む)、ラジカル発生剤、界面活性剤、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー等を含有してもよい。組成物(I)は、上記その他の成分をそれぞれ1種又は2種以上含有することができる。
(塩基性化合物)
塩基性化合物は、組成物(I)における硬化反応を促進し、その結果、形成されるケイ素含有膜(I)の強度等を向上する。上記塩基性化合物としては、例えば塩基性アミノ基を有する化合物や、酸の作用又は熱の作用により塩基性アミノ基を有する化合物を発生する塩基発生剤等が挙げられる。上記塩基性アミノ基を有する化合物としては、例えばアミン化合物等が挙げられる。上記塩基発生剤としては、例えばアミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。上記アミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物及び含窒素複素環化合物の具体例としては、例えば特開2016−27370号公報の段落[0079]〜[0082]に記載されている化合物等が挙げられる。
組成物(I)が塩基性化合物を含有する場合、塩基性化合物の含有量の上限としては、[A]化合物100質量部に対して、50質量部が好ましい。上記含有量の下限としては、1質量部が好ましい。
組成物(I)が界面活性剤、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ及び/又は有機ポリマーを含有する場合、これらの成分の1種類毎の含有量の上限としては、[A]化合物100質量部に対して、2質量部が好ましく、1質量部がより好ましい。
[組成物の調製方法]
組成物(I)は、例えば[A]化合物の溶液、[B]溶媒、及び必要に応じて[C]酸発生剤等を所定の割合で混合し、好ましくは得られた混合溶液を孔径0.2μm以下のフィルター等でろ過することにより調製することができる。
以下、当該半導体基板の製造方法が必要に応じて備えるその他の工程について説明する。
[エッチング工程]
本工程では、上記塗工工程により形成されたケイ素含有膜(I)の少なくとも一部をエッチングする。これにより、ケイ素含有膜(I)をパターニングすることができる。
上記エッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよいが、ドライエッチングが好ましい。
ドライエッチングは、例えば公知のドライエッチング装置を用いて行うことができる。ドライエッチングに使用するエッチングガスとしては、エッチングされるケイ素含有膜の元素組成等により、適宜選択することができ、例えばCHF、CF、C、C、SF等のフッ素系ガス、Cl、BCl等の塩素系ガス、O、O、HO等の酸素系ガス、H、NH、CO、CH、C、C、C、C、C、C、HF、HI、HBr、HCl、NO、NH、BCl等の還元性ガス、He、N、Ar等の不活性ガスなどが用いられる。これらのガスは混合して用いることもできる。ケイ素含有膜のドライエッチングには、通常フッ素系ガスが用いられ、これに酸素系ガスと不活性ガスとを混合したものが好適に用いられる。
[レジスト組成物塗工工程]
本工程では、上記塗工工程により形成されたケイ素含有膜(I)に直接又は間接にレジスト組成物を塗工する。本工程により、上記塗工工程で形成されたケイ素含有膜(I)に直接又は他の層を介してレジスト膜が形成される。
レジスト組成物としては、例えば酸解離性基を有する重合体及び感放射線性酸発生剤を含有する感放射線性樹脂組成物(化学増幅型レジスト組成物)、アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド系感光剤とからなるポジ型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂と架橋剤とを含有するネガ型レジスト組成物等が挙げられる。これらの中で、感放射線性樹脂組成物が好ましい。感放射線性樹脂組成物を用いた場合、アルカリ現像液で現像することでポジ型パターンを形成することができ、有機溶媒現像液で現像することでネガ型パターンを形成することができる。レジストパターンの形成には、微細パターンを形成する手法であるダブルパターニング法、ダブルエクスポージャー法等を適宜用いてもよい。
感放射線性樹脂組成物に含有される重合体は、酸解離性基を含む構造単位以外にも、例えばラクトン構造、環状カーボネート構造及び/又はスルトン構造を含む構造単位、アルコール性水酸基を含む構造単位、フェノール性水酸基を含む構造単位、フッ素原子を含む構造単位等を有していてもよい。上記重合体が、フェノール性水酸基を含む構造単位及び/又はフッ素原子を含む構造単位を有すると、露光における放射線として極端紫外線又は電子線を用いる場合の感度を向上させることができる。
[露光工程]
本工程では、上記レジスト組成物塗工工程により形成されたレジスト膜を放射線により露光する。この露光は、例えばフォトマスクにより選択的に放射線を照射して行う。放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、極端紫外線、X線、γ線等の電磁波、電子線、α線等の荷電粒子線などが挙げられる。これらの中で、遠紫外線、極端紫外線又は電子線が好ましく、極端紫外線又は電子線がより好ましい。
[現像工程]
本工程では、上記露光されたレジスト膜を現像する。本工程により、ケイ素含有膜(I)にレジストパターンが形成される。上記現像方法としては、アルカリ現像液を用いたアルカリ現像法でも有機溶媒現像液を用いた有機溶媒現像法でもよい。本工程では、各種現像液で現像を行った後、好ましくは洗浄及び乾燥させることによって、露光工程で使用したフォトマスクに対応した所定のレジストパターンが形成される。
[ケイ素含有膜エッチング工程]
本工程では、上記現像工程により形成されたレジストパターンをマスクとして、ケイ素含有膜(I)をエッチングする。より具体的には、上記現像工程により形成されたレジストパターンをマスクとした1又は複数回のエッチングによって、ケイ素含有膜(I)がパターニングされる。
上記エッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよいが、ドライエッチングが好ましい。ドライエッチングの方法としては、例えば上記エッチング工程におけるドライエッチングの方法と同様である。
[基板エッチング工程]
本工程では、上記ケイ素含有膜エッチング工程後のケイ素含有膜(I)をマスクとして、基板をエッチングする。より具体的には、上記ケイ素含有膜エッチング工程で得られたケイ素含有膜(I)に形成されたパターンをマスクとした1又は複数回のエッチングを行って、パターニングされた基板を得る。
上記エッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよいが、ドライエッチングが好ましい。ドライエッチングの方法としては、例えば上記エッチング工程におけるドライエッチングの方法と同様である。
[ケイ素含有膜除去工程]
本工程では、上記ケイ素含有膜(I)を除去する。本工程が基板エッチング工程後に行われる場合、基板に残存するケイ素含有膜(I)が除去される。また、本工程は、上記基板エッチング工程前のエッチングされたケイ素含有膜(I)又はエッチングされていないケイ素含有膜(I)に対して行うこともできる。
上記ケイ素含有膜を除去する方法としては、例えば上記ケイ素含有膜(I)をドライエッチングする方法等が挙げられる。上記ドライエッチングは、公知のドライエッチング装置を用いて行うことができる。また、ドライエッチング時のソースガスとしては、例えばCHF、CF、C、C、SF等のフッ素系ガス、Cl、BCl等の塩素系ガス等が用いられ、これらのガスは混合して用いることができる。
<半導体基板製造用組成物>
当該半導体基板製造用組成物は、パターンが形成された基板の上記パターン側に、直接塗工される組成物として用いられる。より詳細には、当該半導体基板製造用組成物は、上述の当該半導体基板の製造方法の塗工工程における組成物として用いられる。当該半導体基板製造用組成物を用いることにより、上述のケイ素含有膜(I)が形成される。当該半導体基板製造用組成物によれば、埋め込み性、平坦性及び耐熱性に優れるケイ素含有膜を形成することができる。
当該半導体基板製造用組成物は、上述の当該半導体基板の製造方法の塗工工程において用いる組成物(I)として説明している。
以下、実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
本実施例における[A]化合物の重量平均分子量(Mw)、[A]化合物の溶液中の濃度、及びケイ素含有膜の平均厚みの測定は下記の方法により行った。
[重量平均分子量(Mw)]
[A]化合物の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、東ソー(株)のGPCカラム(「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本)を使用し以下の条件により測定した。
溶離液:テトラヒドロフラン(富士フィルム和光純薬(株))
流量:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
[[A]化合物の溶液中の濃度]
[A]化合物の溶液0.5gを250℃で30分間焼成して得られた残渣の質量を測定し、この残渣の質量を[A]化合物の溶液の質量で除することにより、[A]化合物の溶液中の濃度(質量%)を算出した。
[膜の平均厚み]
膜の平均厚みは、分光エリプソメータ(J.A.WOOLLAM社の「M2000D」)を用いて測定した。
<[A]化合物の合成>
[A]化合物の合成に使用した単量体を以下に示す。
Figure 2020171054
Figure 2020171054
以下の合成例において、モル%は、使用した化合物(a)及び単量体におけるSi原子の合計モル数を100モル%とした場合の値を意味する。
[化合物(a)の合成]
[A]化合物の前駆体である化合物(a)を以下の手順により合成した。
[合成例1−1](化合物(a−1)の合成)
窒素置換した反応容器に、マグネシウム5.83g及びテトラヒドロフラン11.12gを加え、20℃で撹拌した。次に、上記式(H−1)で表される化合物23.59g及び上記式(S−1)で表される化合物15.22g(モル比率:50/50(モル%))をテトラヒドロフラン111.15gに溶解させ、単量体溶液を調製した。反応容器内を20℃とし、撹拌しながら上記単量体溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了時を反応の開始時間とし、40℃で1時間、その後60℃で3時間反応させた後、10℃以下に冷却し、重合反応液を得た。次いで、撹拌しながら、メタノール9.61gを10分かけて滴下した。滴下終了時を反応の開始時間とし、20℃で1時間反応させた後、反応液をメチルイソブチルケトン176.52g中に投入し、析出した塩をろ別した。次に、ろ液にメチルイソブチルケトンを添加することで529.57gの化合物(a−1)のメチルイソブチルケトン溶液を得た。化合物(a−1)のMwは1,000であった。
[合成例1−2](化合物(a−2)の合成)
窒素置換した反応容器に、マグネシウム5.83g及びテトラヒドロフラン11.12gを加え、20℃で撹拌した。次に、上記式(H−1)で表される化合物23.59g及び上記式(S−2)で表される化合物14.95g(モル比率:50/50(モル%))をテトラヒドロフラン111.15gに溶解させ、単量体溶液を調製した。反応容器内を20℃とし、撹拌しながら上記単量体溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了時を反応の開始時間とし、40℃で1時間、その後60℃で3時間反応させた後、10℃以下に冷却し、重合反応液を得た。次いで、この重合反応液にトリエチルアミン30.36gを加えた後、撹拌しながら、メタノール9.61gを10分かけて滴下した。滴下終了時を反応の開始時間とし、20℃で1時間反応させた後、反応液をメチルイソブチルケトン206.61g中に投入し、析出した塩をろ別した。次に、ろ液にメチルイソブチルケトンを添加することで619.82gの化合物(a−2)のメチルイソブチルケトン溶液を得た。化合物(a−2)のMwは900であった。
[合成例1−3〜1−17](化合物(a−3)〜(a−17)の合成)
下記表1に示す種類及び使用割合の各単量体を使用した以外は、合成例1−2と同様にして、化合物(a−3)〜(a−17)のメチルイソブチルケトン溶液を得た。表1中の「−」は、該当する単量体を使用しなかったことを示す。得られた化合物(a)のMwを表1に合わせて示す。
[比較合成例1−1](化合物(ax−1)の合成)
窒素置換した反応容器に、マグネシウム18.61g及びテトラヒドロフラン35gを加え、20℃で撹拌した。次に、上記式(h−1)で表される化合物55.45g、上記式(S−2)で表される化合物14.30g及び上記式(S−3)で表される化合物30.24g(モル比率:50/15/35(モル%))をテトラヒドロフラン355gに溶解させ、単量体溶液を調製した。反応容器内を20℃とし、撹拌しながら上記単量体溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了時を反応の開始時間とし、40℃で1時間、その後60℃で3時間反応させた後、テトラヒドロフラン213gを添加し、10℃以下に冷却し、重合反応液を得た。次いで、この重合反応液にトリエチルアミン96.84gを加えた後、撹拌しながら、メタノール30.66gを10分かけて滴下した。滴下終了時を反応の開始時間とし、20℃で1時間反応させた後、反応液をジイソプロピルエーテル700g中に投入し、析出した塩をろ別した。次に、エバポレーターを用いて、ろ液中のテトラヒドロフラン、余剰のトリエチルアミン及び余剰のメタノールを除去した。得られた残渣をジイソプロピルエーテル180g中に投入し、析出した塩をろ別し、ろ液にジイソプロピルエーテルを添加することで223gの化合物(ax−1)のジイソプロピルエーテル溶液を得た。化合物(ax−1)のMwは700であった。
Figure 2020171054
[[A]化合物の合成]
[合成例2−1](化合物(A−1)の合成)
上記合成例1−1で得た化合物(a−1)のメチルイソブチルケトン溶液529.57gを40℃とした。次いで、撹拌しながら2.5質量%シュウ酸テトラヒドロフラン溶液794.35g及び水16.62gの混合溶液を20分間かけて滴下した。滴下終了時を反応の開始時間とし、60℃で2時間反応させた後、反応容器内を30℃以下に冷却した。析出した塩をろ別し、ろ液に水529.57gを加え、分液抽出を行った。分液抽出操作を3回繰り返し後、得られた有機層に酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル529.57gを加え、エバポレーターを用いて、水、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、反応により生成したアルコール類及び余剰の酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルを除去した。得られた溶液に脱水剤としてのオルトギ酸トリメチル26.48gを加え、40℃で1時間反応させた後、反応容器内を30℃以下に冷却した。次いで、エバポレーターを用いて、反応により生成したアルコール類、エステル類、オルトギ酸トリメチル及び余剰の酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルを除去し、化合物(A−1)の酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を得た。化合物(A−1)のMwは2,800であった。化合物(A−1)の酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液中の濃度は12質量%であった。
[合成例2−2及び2−17](化合物(A−2)〜(A−17)の合成)
下記表2に示す種類及び使用割合の化合物(a)を使用した以外は、合成例2−1と同様にして、化合物(A−2)〜(A−17)の酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を得た。下記表2中の「−」は、該当する単量体を使用しなかったことを示す。得られた[A]化合物の溶液中の濃度(質量%)及び[A]化合物のMwを表2に合わせて示す。
[合成例2−18](化合物(A−18)の合成)
反応容器に、上記合成例1−1で得た化合物(a−1)のメチルイソブチルケトン溶液529.57gのうちの423.66g及び上記式(M−1)で表される化合物2.72g(化合物(a−1)80モル%に対し20モル%)を投入し、メチルイソブチルケトンを添加することで619.82gのメチルイソブチルケトン溶液を得た。反応容器内を40℃とした後、撹拌しながら2.5質量%シュウ酸テトラヒドロフラン溶液794.35g及び水16.62gの混合溶液を20分間かけて滴下した。滴下終了時を反応の開始時間とし、60℃で2時間反応させた後、反応容器内を30℃以下に冷却した。析出した塩をろ別し、ろ液に水529.57gを加え、分液抽出を行った。分液抽出操作を3回繰り返し後、得られた有機層に酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル529.57gを加え、エバポレーターを用いて、水、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、反応により生成したアルコール類及び余剰の酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルを除去した。得られた溶液に脱水剤としてのオルトギ酸トリメチル26.48gを加え、40℃で1時間反応させた後、反応容器内を30℃以下に冷却した。次いで、エバポレーターを用いて、反応により生成したアルコール類、エステル類、オルトギ酸トリメチル及び余剰の酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルを除去し、化合物(A−18)の酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を得た。化合物(A−18)のMwは2,600であった。化合物(A−1)の酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液中の濃度は12質量%であった。
[合成例2−19及び2−20](化合物(A−19)及び(A−20)の合成)
下記表2に示す種類及び使用量の化合物(a)及び各単量体((M−2)及び(M−3))を使用した以外は、合成例2−18と同様にして、化合物(A−19)及び(A−20)の酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を得た。得られた[A]化合物の溶液中の濃度(質量%)及び[A]化合物のMwを表2に合わせて示す。
[比較合成例2−1](化合物(AX−1)の合成)
反応容器に、上記比較合成例1−1で得た化合物(ax−1)のジイソプロピルエーテル溶液223gのうちの100g及びメタノール90gを加えた。上記反応容器内を30℃とし、撹拌しながら3.2質量%シュウ酸水溶液8gを20分間かけて滴下した。滴下終了時を反応の開始時間とし、40℃で4時間反応させた後、反応容器内を30℃以下に冷却した。次に、この反応容器に、ジイソプロピルエーテル99g及び水198gを加え、分液抽出を行った後、得られた有機層にシュウ酸二水和物0.26g及び酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル396gを加え、エバポレーターを用いて、水、ジイソプロピルエーテル、反応により生成したアルコール類及び余剰の酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルを除去した。次いで、得られた溶液に脱水剤としてのオルトギ酸トリメチル19.82gを加え、40℃で1時間反応させた後、反応容器内を30℃以下に冷却した。この反応容器に、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル99gを加えた後、エバポレーターを用いて、反応により生成したアルコール類、エステル類、オルトギ酸トリメチル及び余剰の酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルを除去し、化合物(AX−1)の酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を得た。化合物(AX−1)のMwは2,500であった。化合物(AX−1)の酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液中の濃度は12質量%であった。
Figure 2020171054
<組成物(I)の調製>
組成物(I)の調製に用いた[B]溶媒及び[C]酸発生剤について以下に示す。
[[B]溶媒]
B−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
[[C]酸発生剤]
C−1:トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート(下記式(C−1)で表される化合物)
Figure 2020171054
[調製例1]
[A]化合物としての(A−1)10.0質量部(但し、溶媒を除く)、[B]溶媒としての(B−1)89.7質量部([A]化合物の溶液に含まれる溶媒としての(B−1)も含む)及び[C]酸発生剤としての(C−1)0.3質量部を混合し、得られた溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して、組成物(J−1)を調製した。
[調製例2〜21及び比較調製例1]
下記表3に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は、調製例1と同様に操作して、組成物(J−2)〜(J−21)及び(j−1)を調製した。表3中の「−」は、該当する成分を使用しなかったことを示す。
Figure 2020171054
<ケイ素含有膜の形成>
[実施例1〜21及び比較例1]
下記表4に示す組成物(I)を用いて、下記方法によりケイ素含有膜を形成した。形成されたケイ素含有膜について、耐熱性、埋め込み性及び平坦性を以下の方法により評価した。評価結果を下記表4に合わせて示す。
[耐熱性]
上記調製した組成物(I)を8インチシリコンウェハ上にスピンコーター(東京エレクトロン(株)の「CLEAN TRACK ACT8」)による回転塗工法により塗工した後、大気雰囲気下にて、250℃で60秒間加熱し、23℃で60秒間冷却することにより、平均厚み200nmのケイ素含有膜を形成して、ケイ素含有膜付き基板を得た。
上記ケイ素含有膜付き基板のケイ素含有膜を削ることにより粉体を回収し、ケイ素含有膜の粉体をTG−DTA装置(NETZSCH社の「TG−DTA2000SR」)による測定で使用する容器に入れ、加熱前の質量を測定した。次に、上記TG−DTA装置を用いて、窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度にて400℃まで加熱し、400℃における粉体の質量を測定した。下記式により質量減少率(%)を測定し、この質量減少率を耐熱性の尺度とした。
={(m1−m2)/m1}×100
上記式中、Mは、質量減少率(%)であり、m1は、加熱前の質量(mg)であり、m2は、400℃における質量(mg)である。
耐熱性は、試料となる粉体の質量減少率が小さいほど、ケイ素含有膜の加熱時に発生する昇華物やケイ素含有膜の分解物が少なく、良好である。すなわち、質量減少率が小さいほど、高い耐熱性であることを示す。耐熱性は、質量減少率が5%未満の場合は「A」(極めて良好)と、5%以上10%未満の場合は「B」(良好)と、10%以上の場合は「C」(不良)と評価した。
[埋め込み性]
上記調製した組成物(I)を、深さ300nm、幅30nmのトレンチパターンが形成された窒化ケイ素基板上に、スピンコーター(東京エレクトロン(株)の「CLEAN TRACK ACT8」)による回転塗工法により塗工した。スピンコートの回転速度は、上記[耐熱性]の評価において、シリコンウェハ上に平均厚み200nmのケイ素含有膜を形成する場合と同じとした。次いで、大気雰囲気下にて250℃で60秒間加熱した後、23℃で30秒間冷却することにより、ケイ素含有膜が形成された基板を得た。得られた基板の断面について、電界放出形走査電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズの「S−4800」)を用い、埋め込み不良(ボイド)の有無を確認した。埋め込み性は、埋め込み不良が見られなかった場合は「A」(良好)と、埋め込み不良が見られた場合は「B」(不良)と評価した。
[平坦性]
上記調製した組成物(I)を、図1に示すように、深さ100nm、幅10μmのトレンチパターンが形成されたシリコン基板1上に、スピンコーター(東京エレクトロン(株)の「CLEAN TRACK ACT8」)による回転塗工法により塗工した。スピンコートの回転速度は、上記[耐熱性]の評価において、シリコンウェハ上に平均厚み200nmのケイ素含有膜を形成する場合と同じとした。次いで、大気雰囲気下にて250℃で60秒間加熱した後、23℃で30秒間冷却することにより、非トレンチパターンの部分における平均厚み200nmのケイ素含有膜2を形成し、ケイ素含有膜付きシリコン基板を得た。上記得られたケイ素含有膜付きシリコン基板の断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズの「S−4800」)を用いて観察し、このケイ素含有膜2の上記トレンチパターンの中央部分bにおける高さと、上記トレンチパターンの端から5μmの場所の非トレンチパターンの部分aにおける高さとの差(ΔFT)を平坦性の指標とした。平坦性は、このΔFTが40nm未満の場合は「A」(良好)と、40nm以上60nm未満の場合は「B」(やや良好)と、60nm以上の場合は「C」(不良)と評価した。なお、図1で示す高さの差は、実際よりも誇張して記載している。
Figure 2020171054
上記表4の結果から分かるように、実施例の組成物により形成されたケイ素含有膜は埋め込み性、平坦性及び耐熱性に優れていた。これに対し、比較例の組成物により形成されたケイ素含有膜の平坦性及び耐熱性は不良であった。
本発明の半導体基板の製造方法及び半導体基板製造用組成物によれば、埋め込み性、平坦性及び耐熱性に優れるケイ素含有膜を形成することができる。従って、当該半導体基板の製造方法及び半導体基板製造用組成物は、今後さらに半導体回路の微細化や構造の複雑化が進行すると予想される半導体デバイスの製造等に好適に用いることができる。
1 シリコン基板
2 ケイ素含有膜

Claims (9)

  1. パターンが形成された基板の上記パターン側に、下記式(1)で表される第1構造単位を有する化合物及び溶媒を含有する組成物を直接塗工する工程
    を備える半導体基板の製造方法。
    Figure 2020171054
    (式(1)中、Rは、芳香族炭素環又は芳香族複素環を含む炭素数3〜20の2価の有機基である。X及びYは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。)
  2. 上記塗工工程後に、
    上記塗工工程により形成されたケイ素含有膜の少なくとも一部をエッチングする工程
    をさらに備える請求項1に記載の半導体基板の製造方法。
  3. 上記式(1)のRが芳香族炭素環を含む炭素数6〜20の2価の有機基である請求項1又は請求項2に記載の半導体基板の製造方法。
  4. 上記有機基が炭素数6〜20の置換又は非置換の2価の芳香族炭化水素基である請求項3に記載の半導体基板の製造方法。
  5. 上記芳香族炭化水素基が炭素数6〜20の置換又は非置換のアレーンジイル基である請求項4に記載の半導体基板の製造方法。
  6. 上記化合物が下記式(2)で表される第2構造単位をさらに有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の半導体基板の製造方法。
    Figure 2020171054
    (式(2)中、Rは、置換又は非置換の炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基である。X及びYは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。)
  7. 上記パターンが、金属、半金属、金属化合物又は半金属化合物を含む請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の半導体基板の製造方法。
  8. パターンが形成された基板の上記パターン側に、直接塗工される半導体基板製造用組成物であって、
    下記式(1)で表される構造単位を有する化合物と、
    溶媒と
    を含有する半導体基板製造用組成物。
    Figure 2020171054
    (式(1)中、Rは、芳香族炭素環又は芳香族複素環を含む炭素数3〜20の2価の有機基である。X及びYは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。)
  9. 上記式(1)のRが芳香族炭素環を含む炭素数6〜20の2価の有機基である請求項8に記載の組成物。
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