JP2005538686A - タンパク質の精製方法 - Google Patents

タンパク質の精製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005538686A
JP2005538686A JP2003560037A JP2003560037A JP2005538686A JP 2005538686 A JP2005538686 A JP 2005538686A JP 2003560037 A JP2003560037 A JP 2003560037A JP 2003560037 A JP2003560037 A JP 2003560037A JP 2005538686 A JP2005538686 A JP 2005538686A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
tnfr
chromatography
antibody
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003560037A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4363986B2 (ja
Inventor
ベダンサン,ガネッシュ
ブルックス,クレイトン・エイ,ザ・サード
リーダー,ジョアンヌ・エム
ゴッツェ,アンドリュー・エム
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Immunex Corp
Original Assignee
Immunex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=27407561&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2005538686(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Immunex Corp filed Critical Immunex Corp
Publication of JP2005538686A publication Critical patent/JP2005538686A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4363986B2 publication Critical patent/JP4363986B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/715Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for cytokines; for lymphokines; for interferons
    • C07K14/7151Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for cytokines; for lymphokines; for interferons for tumor necrosis factor [TNF], for lymphotoxin [LT]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/16Extraction; Separation; Purification by chromatography
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/16Extraction; Separation; Purification by chromatography
    • C07K1/22Affinity chromatography or related techniques based upon selective absorption processes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/70575NGF/TNF-superfamily, e.g. CD70, CD95L, CD153, CD154
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • C07K2319/30Non-immunoglobulin-derived peptide or protein having an immunoglobulin constant or Fc region, or a fragment thereof, attached thereto

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを用いて、あるタンパク質を1種類以上の他のタンパク質から分離する方法を提供する。その際、当該タンパク質はヒドロキシアパタイトに結合しないが、他のタンパク質は結合する。ある態様においては、当該タンパク質をアフィニティークロマトグラフィーにより精製するために、固体支持体に固定された第2タンパク質が予め使用され、少量の第2タンパク質がこのプロセスで試料に導入されている。精製されるタンパク質は、少なくとも1つの抗体免疫グロブリン定常ドメインを含むことができる。第2タンパク質は、そのドメインを含むタンパク質に結合できる。

Description

本出願は、3つの仮出願、米国特許出願第60/343,363号(2001年12月21日出願)、米国特許出願第60/347,189号(2002年1月8日出願)、米国特許出願第60/364,272号(2002年3月12日出願)の優先権を主張し、それらの開示内容を本明細書に援用する。
発明の分野
本発明は、タンパク質の精製、特にヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを用いる精製に関する。
背景
プロテインAおよびGは、アフィニティークロマトグラフィーにより抗体を精製するためにしばしば用いられる。たとえばR.Vola et al.(1994),Cell Biophys.24−25:27−36;Aybay and Imir(2000),J.Immunol.Methods 233(1−2):77−81;Ford et al.(2001),J.Chromatogr.B 754:427−435参照。これらのタンパク質が有用であるのは、それらが多様な抗体の定常(Fc)部に結合するからである。IgG抗体のFc部を含む組換え融合タンパク質も、同様な方法で精製できる。
タンパク質を薬理学的用途のために製造する場合、有毒または免疫原性の混入物、たとえば他のタンパク質を除去することが重要である。特にプロテインAは免疫原性であり、大量では有毒となる可能性がある。固体支持体に固定したプロテインAを吸収剤として用いる場合、アフィニティークロマトグラフィーに際して若干のプロテインAが試料中へ浸出する可能性がある。たとえばBensinger et al.(1984),J.Biol.Response Modif.3:347−351;Ventura et al.(1987),Cancer Treat.Rep.71(4):411−413参照(両者の全体を本明細書に援用する)。
二重特異性モノクローナル抗体が、固体支持体に固定したプロテインAを吸収剤として用いるアフィニティークロマトグラフィーにより予備精製した後、ヒドロキシアパタイトに結合させてそれから溶離することにより、他の抗体から分離された。Tarditi et al.(1992),J.Chromatography 599:13−20;Ford et al.(2001),J.Chromatography B 754:427−435。モノクローナル抗体も、ヒドロキシアパタイトに結合させてそれから溶離された。Ahmad(1999),モノクローナル抗体精製のポリシング工程としてのセラミックヒドロキシアパタイト,the Recovery of Biological Products Meeting #9の抄録,ブリティッシュコロンビア州ホイスラー。
本発明は、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを抗体その他のタンパク質の精製に用いるための簡略化した広く利用できる方法を提供する。
発明の概要
アフィニティークロマトグラフィーは、抗体およびFc融合タンパク質などのタンパク質を精製するための有力な手段である。しかし、タンパク質を療法用として製造する場合は他のタンパク質の存在が問題であり、これにはアフィニティー吸収剤の一部として用いられ、アフィニティークロマトグラフィーに際して試料中へ浸出する可能性のあるタンパク質が含まれる。さらに、他のタンパク質混入物、たとえば精製されるタンパク質を産生する宿主細胞に由来するタンパク質が、試料中に存在する可能性もある。本発明は特に、最小限の操作を伴うフロースルー方式のヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーによりこれらの問題を解決する、高収率の方法を提供する。
したがって本発明は1態様において、あるタンパク質を第2タンパク質から分離する方法であって、当該タンパク質をヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー処理することを含む方法を提供する:その際(1)当該タンパク質は、固体支持体に固定された吸収剤としての第2タンパク質を用いるアフィニティークロマトグラフィーにより予め精製されており、(2)第2タンパク質は抗体免疫グロブリン定常ドメインに結合でき、(3)使用条件下で当該タンパク質はヒドロキシアパタイトに結合しないのに対し、第2タンパク質はヒドロキシアパタイトに結合する。当該タンパク質は抗体のFc部を含んでもよい。所望により、当該タンパク質はTNFR:Fcであってもよい。第2タンパク質はプロテインAまたはプロテインGであってもよい。
本発明はさらに、あるタンパク質および少なくとも1種類のタンパク質混入物を含む試料から当該タンパク質を精製するための方法であって、試料をヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー処理することを含み、当該タンパク質を少なくとも1種類のタンパク質混入物から、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを実施する溶液中でのヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーにより分離し、大部分の当該タンパク質分子はフロースルーおよび洗液中に回収され、当該タンパク質は、固体支持体に固定された吸収剤としての第2タンパク質を用いるアフィニティークロマトグラフィーにより予め精製されており、そしてここで第2タンパク質は抗体免疫グロブリン定常ドメインに結合するものである方法を提供する。第2タンパク質は検出可能な濃度で試料中に存在し、または検出可能な濃度では存在せず、当該タンパク質を第2タンパク質から、使用溶液中でのヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーにより分離できる。当該タンパク質および少なくとも1種類のタンパク質混入物は、培養動物細胞、たとえばCHO細胞により培地中へ分泌されたものであってもよい。当該タンパク質は抗体のFc部を含んでもよく、たとえばTNFR:Fcまたは抗体であってもよい。第2タンパク質はプロテインAおよびプロテインGであってもよい。ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを行う溶液は、約5〜約50mM濃度、所望により約15〜約35mM濃度のリン酸ナトリウム緩衝液を含むことができ、約6.0〜約8.6のpHをもつことができる。
さらに本発明は他の態様において、組換え融合タンパク質を第2タンパク質から分離する方法であって、組換え融合タンパク質をヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー処理することを含む方法を提供する:その際(1)組換え融合タンパク質は、固体支持体に固定された吸収剤としての第2タンパク質を用いるアフィニティークロマトグラフィーにより予め精製されており、かつ(2)組換え融合タンパク質は抗体のFc部および非抗体タンパク質の部分または全体を含む。1態様において、組換え融合タンパク質はTNFR:Fcであってもよい。
さらに他の態様において本発明は、組換え融合タンパク質を第2タンパク質から分離する方法であって、組換え融合タンパク質をヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー処理することを含む方法をさらに包含する:その際(1)使用条件下で、組換え融合タンパク質はヒドロキシアパタイトに結合せず、第2タンパク質はヒドロキシアパタイトに結合し、(2)組換え融合タンパク質は、固体支持体に固定された吸収剤としての第2タンパク質を用いるアフィニティークロマトグラフィーにより予め精製されており、かつ(3)組換え融合タンパク質は抗体のFc部を含む。
他の態様において本発明は、組換え融合タンパク質および少なくとも1種類のタンパク質混入物を含む試料から組換え融合タンパク質を精製する方法であって、試料をヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー処理することを含み、組換え融合タンパク質は抗体のFc部および非抗体タンパク質の部分または全体を含み、組換え融合タンパク質は固体支持体に固定された吸収剤としての第2タンパク質を用いるアフィニティークロマトグラフィーにより予め精製されている方法を提供する。大部分の組換え融合タンパク質分子を、フロースルーおよび洗液中に回収できる。組換え融合タンパク質はTNFR:Fcであってもよく、第2タンパク質はプロテインAまたはプロテインGであってもよい。ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーは、所望により約5〜約50mMまたは約15〜約35mMの濃度の、そして所望によりpH約6.0〜約8.6の、リン酸ナトリウム緩衝液を含む溶液中で実施できる。組換え融合タンパク質および/または少なくとも1種類のタンパク質混入物は、培養動物細胞、所望によりCHO細胞により培地中へ分泌されたものであってもよい。さらに他の態様において本発明は、TNFR:FcをプロテインAから分離する方法であって、固体支持体に固定された吸収剤としてのプロテインAを用いるアフィニティークロマトグラフィーにより精製した後、TNFR:Fcをヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー処理することを含む方法を提供する。
さらに他の態様において本発明は、TNFR:Fcを精製する方法であって、大部分のTNFR:Fc分子がフロースルーおよび洗液中に回収される条件下で、TNFR:Fcおよび少なくとも1種類のタンパク質混入物を含む試料をヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー処理することを含む方法を提供する。
他の態様は、TNFR:Fcを精製する方法であって、TNFR:Fcがヒドロキシアパタイトに結合しない条件下でTNFR:Fcをヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー処理し、これによりTNFR:Fcが少なくとも1種類のタンパク質混入物から分離されることを含む方法を提供する。
本発明はさらに他の態様において、組換え融合タンパク質を宿主細胞タンパク質から分離する方法であって、組換え融合タンパク質を含む試料をヒドロキシアパタイトに装填し、組換え融合タンパク質がヒドロキシアパタイトに結合しない条件下で組換え融合タンパク質をヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー処理し、組換え融合タンパク質を含む試料をフロースルーおよび洗液中に回収することを含む方法を提供する。
さらに他の態様においては、あるタンパク質を宿主細胞タンパク質から分離する方法であって、当該タンパク質および少なくとも1種類の宿主細胞タンパク質を含む試料をヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー処理することを含み、これにより当該タンパク質を少なくとも1種類の宿主細胞タンパク質から分離し、当該タンパク質は抗体免疫グロブリン定常ドメインを含み、大部分の当該タンパク質分子がフロースルーおよび洗液中に回収され、そして当該タンパク質および宿主細胞タンパク質が両方とも、培養動物細胞、たとえばCHO細胞により培地中へ分泌されたものである、前記方法を提供する。宿主細胞タンパク質の濃度は約100ppm未満であってよく、当該タンパク質はTNFR:Fcであってもよい。
本発明は、精製されたTNFR:Fc調製物であって、3ppm未満のプロテインAおよび100ppm未満の宿主動物細胞タンパク質、所望により2ppm未満のプロテインAおよび/または75ppm未満の宿主動物細胞タンパク質を含む調製物をも提供する。
発明の詳細な説明
定義
吸収剤:吸収剤は、固体支持体に固定した少なくとも1種類の分子、またはそれ自体が固体である少なくとも1種類の分子であって、クロマトグラフィーを実施するのに用いられるものである。
アフィニティークロマトグラフィー:アフィニティークロマトグラフィーは、クロマトグラフィー分離を行うために、分子の一般的な特性、たとえば等電点、疎水性またはサイズではなく、生体分子間の特異的な可逆的相互作用、たとえばプロテインAがIgG抗体のFc部に結合する能力、を利用するクロマトグラフィーである。実際には、アフィニティークロマトグラフィーは吸収剤、たとえば固体支持体に固定したプロテインAを用いて、より強くまたはより弱く吸収剤に結合する分子をクロマトグラフィー分離することを伴う。Ostrove(1990)Guide to Protein Purification,Methods in Enzymology 182:357−379参照;その全体を本明細書に援用する。
抗体:抗体はタンパク質またはタンパク質複合体であり、それぞれが少なくとも1つの抗体免疫グロブリン可変ドメインおよび少なくとも1つの抗体免疫グロブリン定常ドメインを含む。抗体は一本鎖抗体、二量体抗体、またはいずれかの高次タンパク質複合体であってよく、これにはヘテロ二量体抗体が含まれるが、これらに限定されない。
クロマトグラフィー:クロマトグラフィーは、異なる分子をより強くまたはより弱く吸収または保持する吸収剤に混合物を浸透させることにより、混合物中の化学的に異なる分子を互いに分離するものである。吸収剤によって最も弱く吸収または保持される分子は、より強く吸収または保持される分子が放出されない条件下で、吸収剤から放出される。
抗体免疫グロブリン定常ドメイン:抗体免疫グロブリン定常ドメインは、ヒトまたは動物由来のCL、CH1、CH2、CH3またはCH4ドメインと同一または実質的に類似する免疫グロブリンドメインである。たとえばCharles A Hasemann and J.Donald Capra,免疫グロブリン:構造と機能,William E.Paul編,Fundamental Immunology,第2版,209,210−218(1989)参照;その全体を本明細書に援用する。
混入物:混入物は、精製されるタンパク質の試料中に存在する、精製されるタンパク質以外の異質または不都合な分子、特に生体高分子、たとえばDNA、RNAまたはタンパク質である。混入物には、たとえば精製されるタンパク質を分泌する細胞に由来する他のタンパク質、またはアフィニティークロマトグラフィーに用いた吸収剤の一部であってアフィニティークロマトグラフィーに際して試料中へ浸出しうるプロテインAなどのタンパク質が含まれる。
抗体のFc部:抗体のFc部には、ヒトまたは動物の免疫グロブリンドメインCH2およびCH3またはこれらと実質的に類似する免疫グロブリンドメインが含まれる。本発明の目的に関して、実質的類似性を判定するための抗体Fc部の生物学的活性は、抗体の天然Fc部に結合する第2タンパク質、たとえばプロテインAまたはプロテインGによる結合能である。考察については、Hasemann and Capra,前掲,212−213参照。
宿主細胞タンパク質:宿主細胞タンパク質は、精製すべきタンパク質をコードするDNAを導入した宿主細胞の天然ゲノムによりコードされるタンパク質である。宿主細胞タンパク質は、精製すべきタンパク質の混入物となる可能性があり、そのレベルを精製により低下させることができる。宿主細胞タンパク質は、特にゲル電気泳動と染色および/またはELISAアッセイを含めた、いずれか適切な方法でアッセイできる。
ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー:ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーは、セラミックヒドロキシアパタイトを吸収剤として用いるクロマトグラフィーである。たとえばMarina J.Gorbunoff(1990),ヒドロキシアパタイトカラムによるタンパク質クロマトグラフィー,Guide to Protein Purification,Murray P.Deutscher編,Methods in Enzymology 182:329−339参照;その全体を本明細書に援用する。
IgG抗体:本発明の目的に関して、IgG抗体は少なくとも1つのγタイプ免疫グロブリン定常ドメインを含む抗体である。考察については、Hasemann and Capra,前掲,226参照。
ポリペプチド:本発明の目的に関して、”ポリペプチド”は”タンパク質”と互換性をもって用いられる。
タンパク質:タンパク質は、ペプチド結合により連結した少なくとも5個のアミノ酸の鎖である。
プロテインA:プロテインAは、最初にブドウ球菌(Staphylococcus)の細胞壁に発見されたタンパク質であって、IgG抗体のFc部に特異的に結合するものである。本発明の目的に関して、”プロテインA”はブドウ球菌プロテインAと同一または実質的に類似するいずれかのタンパク質であり、市販および/または組換え型のプロテインAも含まれる。本発明の目的に関して、実質的類似性を判定するためのプロテインAの生物学的活性は、IgG抗体のFc部への結合能である。
プロテインG:プロテインGは、最初に連鎖球菌(Streptococcus)の細胞壁に発見されたタンパク質であって、IgG抗体のFc部に特異的に結合するものである。本発明の目的に関して、”プロテインG”は連鎖球菌プロテインGと同一または実質的に類似するいずれかのタンパク質であり、市販および/または組換え型のプロテインGも含まれる。本発明の目的に関して、実質的類似性を判定するためのプロテインGの生物学的活性は、IgG抗体のFc部への結合能である。
プロテインLG:プロテインLGは、IgG抗体に結合する組換え融合タンパク質であって、プロテインG(前記の定義を参照)とプロテインLの両方の一部を含む。プロテインLは、最初にペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)の細胞壁から単離された。プロテインLGはプロテインLとGの両方に由来するIgG結合ドメインを含む。Vola et al.(1994),Cell Biophys.24−25:27−36参照;その全体を本明細書に援用する。本発明の目的に関して、”プロテインLG”はプロテインLGと同一または実質的に類似するいずれかのタンパク質であり、市販および/または組換え型のプロテインLGも含まれる。本発明の目的に関して、実質的類似性を判定するためのプロテインLGの生物学的活性は、IgG抗体のFc部への結合能である。
精製する:タンパク質を精製することは、タンパク質試料中に存在する可能性のある異質または不都合な要素、特にタンパク質またはDNAなどの生体高分子の量を減らすことを意味する。異質タンパク質の存在は、ゲル電気泳動と染色および/またはELISAアッセイを含めた、いずれか適切な方法でアッセイできる。DNAの存在は、ゲル電気泳動と染色および/またはポリメラーゼ連鎖反応を用いるアッセイを含めた、いずれか適切な方法でアッセイできる。
組換え融合タンパク質:組換え融合タンパク質は、それらの天然状態では融合していない2以上のタンパク質の部分または全体を含むいずれかのタンパク質である。そのようなタンパク質の例には、抗体のFc部に融合したNF−κBのヒト受容体アクチベーター(huRANK:Fc)、抗体のFc部に融合した内膜内皮細胞キナーゼ−δ(TEKδ:Fc)、および抗体のFc部に融合した腫瘍壊死因子受容体(TNFR:Fc)が含まれるが、これらに限定されない。
分離する:少なくとも大部分のタンパク質分子が少なくとも大部分の第2タンパク質分子を含む混合物部分から分離されるような操作を、両タンパク質を含む混合物に施した場合、当該タンパク質は混合物中の第2タンパク質から分離される。
実質的に類似:本発明の目的に関して、タンパク質のアミノ酸配列が互いに少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%同一であり、かつ変化していないタンパク質の生物学的活性を保持するか、または望ましい様式で活性が変化している場合、それらのタンパク質は実質的に類似する。タンパク質が実質的に類似するかを判定する目的について同一とみなされるアミノ酸に含まれるのは、生物学的活性に影響を与える可能性がない保存的置換であり、下記のものが含まれる:AlaがSerを、ValがIleを、AspがGluを、ThrがSerを、AlaがGlyを、AlaがThrを、SerがAsnを、AlaがValを、SerがGlyを、TyrがPheを、AlaがProを、LysがArgを、AspがAsnを、LeuがIleを、LeuがValを、AlaがGluを、AspがGlyを置換、およびこれらの逆の交換。たとえばNeurath et al.,The Proteins,Academic Press,ニューヨーク(1979)参照。2つのアミノ酸配列の同一性%は、視覚検査と数学的計算により判定できる。あるいは、より好ましくはコンピュータープログラム、たとえばGenetics Computer Group(GCG;ワイオミング州マディソン)ウィスコンシンパッケージ、バージョン10.0 プログラム’GAP’(Devereux et al.,1984,Nucl.Acids Res.12:387)またはこれに匹敵する他のコンピュータープログラムを用いて配列情報を比較することにより、比較を行う。’GAP’プログラムに好ましいデフォルトパラメーターには下記のものが含まれる:(1)Gribskov and Burgess((1986),Nucl.Acids Res.14:6745)の重み付きアミノ酸比較マトリックス:Schwarz and Dayhoff編,Atlas of Polypeptide Sequence and Struture,National Biomedical Research Foundation,pp.353−358(1979)により記載、または匹敵する他の比較マトリックス;(2)アミノ酸配列の各ギャップにつきペナルティ30、そして各ギャップ内の各記号につきさらにペナルティ1;(3)末端ギャップにはペナルティなし;(4)長いギャップについて最大ペナルティなし。配列比較の分野の専門家が用いる他のプログラムも利用できる。
TNFR:”TNFR”は、天然の哺乳動物の腫瘍壊死因子受容体(TNFR)の配列と同一または実質的に類似するアミノ酸配列を含むタンパク質を表わす。実質的類似性を判定するための生物学的活性とは、腫瘍壊死因子(TNF)を結合する、TNFの結合によりが開始する生物学的信号を細胞へ伝達する、または天然(すなわち非組換え)源由来TNFRに対して産生された抗−TNFR抗体と交差反応する能力を意味する。TNFRはいずれの哺乳動物TNFRであってもよく、ネズミまたはヒトTNFRがこれに含まれる。そのようなTNFRは、米国特許第5,395,760号(その全体を本明細書に援用する)および米国特許第5,610,279号(その全体を本明細書に援用する)に記載されている。特に好ましいTNFRは米国特許第5,395,760号に記載のものであり、グリコシル化型でSDS−PAGEによる見掛け分子量約80キロダルトンをもつ。
TNFR:Fc : TNFR:Fcは、抗体のFc領域に融合したTNFRの細胞外ドメインの全体または部分を含む組換え融合タンパク質である。そのような細胞外ドメインには、米国特許第5,395,760号の図2Aのアミノ酸配列1〜163、1〜185または1〜235に実質的に類似するアミノ酸配列が含まれるが、これらに限定されない。
抗体免疫グロブリン可変ドメイン:抗体免疫グロブリン可変ドメインは、ヒトまたは動物由来のVLまたはVHドメインと同一または実質的に類似する免疫グロブリンドメインである。本発明の目的に関して、実質的類似性を判定するための抗体免疫グロブリン可変ドメインの生物学的活性は、抗原結合性である。
方法の説明
タンパク質を精製する方法は、多数の工程を伴うことが多い。本発明は、精製されるタンパク質および第2タンパク質を含む混合物中の第2タンパク質の量を減らす方法であって、第2タンパク質は、第2タンパク質が吸収剤の一部であるアフィニティークロマトグラフィー工程で導入されたものである方法を包含する。そのような第2タンパク質の除去は、精製されるタンパク質の等電点と、第2タンパク質と精製されるタンパク質の複合体の等電点が近接する場合は、困難な可能性がある。イオン交換クロマトグラフィーはそのようなタンパク質の分離を行わないと思われるからである。ヒドロキシアパタイトを用いると、分離が可能かつ簡単になる。本発明方法は、他の不都合な物質を当該タンパク質から除去するという追加利点も備えている。さらに本発明には、当該タンパク質がフロースルーおよび洗液中に回収されかつ少なくとも1種類のタンパク質混入物がヒドロキシアパタイトに保持される条件下で、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを用いて抗体のFc領域を含むタンパク質を精製する方法が含まれる。
1態様において本発明方法は、精製されるタンパク質を含有する試料中へアフィニティークロマトグラフィーに際して導入された第2タンパク質および/または第2タンパク質と精製されるタンパク質の複合体の量を減らすことができる。この態様においては、精製されるタンパク質はヒドロキシアパタイトに結合しないが、第2タンパク質および/または第2タンパク質と精製されるタンパク質の複合体は結合する条件下で、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを実施する。
本発明方法は、ある態様において少なくとも2工程を伴うこともできる。まず、固体支持体に固定した吸収剤としての第2タンパク質を用いるアフィニティークロマトグラフィーの予備精製工程を、当該タンパク質に施す。次いで、当該タンパク質はヒドロキシアパタイトに結合しないが、第2タンパク質および/または第2タンパク質と精製されるタンパク質の複合体は結合する条件下で、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを実施する。当該タンパク質を精製する全プロセスは、これらの各工程の前および/または後に他の工程を含むことができる。
平衡化およびクロマトグラフィーの前に、選択した溶液、たとえば塩類溶液および/または緩衝液中で、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー媒体を予備平衡化してもよい。予備平衡化は、クロマトグラフィー媒体を再生および/または保存するのに用いた溶液を置換する機能をもつ。予備平衡化溶液の組成が保存溶液および後続のクロマトグラフィーに用いる溶液の組成に依存することは、当業者には自明であろう。従って適切な予備平衡化溶液は、クロマトグラフィーの実施に用いるものと同じ緩衝液または塩類を、所望により、クロマトグラフィーの実施に用いるものより高い濃度で含有することができる。クロマトグラフィーに使用できる緩衝液および塩類について以下に述べる。たとえば、クロマトグラフィーの実施に用いる溶液が特定濃度のリン酸ナトリウムを含む場合、予備平衡化はこれより高い濃度のリン酸ナトリウムを含む溶液中で行うことができる。これの一例として、クロマトグラフィーの実施に用いる溶液が約0.5〜約50mMのリン酸ナトリウムを含む場合、予備平衡化は約0.2〜約0.5M濃度のリン酸ナトリウム、より好ましくは約0.3〜約0.4M濃度のリン酸ナトリウムを含む溶液中で行うことができる。
試料をカラムに装填する前に、タンパク質のクロマトグラフィー処理に用いる予定の緩衝液または塩類中でヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー媒体を平衡化することができる。後記のように、クロマトグラフィー(および精製すべきタンパク質の装填)は多様な緩衝液または塩類中で行うことができ、これにはナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、塩化物、フッ化物、酢酸塩、リン酸塩および/またはクエン酸塩、ならびに/あるいはトリス緩衝液が含まれる。そのような緩衝液または塩類は、少なくとも約5.5のpHをもつ。ある態様では、トリス緩衝液またはリン酸ナトリウム緩衝液を含む溶液中で平衡化を行うことができる。所望により、リン酸ナトリウム緩衝液は約0.5〜約50mMの濃度、より好ましくは約15〜35mMの濃度である。好ましくは、少なくとも約5.5のpHで平衡化を行う。pH約6.0〜約8.6、好ましくはpH約6.5〜7.5で平衡化を行うことができる。最も好ましくは、溶液は約25mM濃度のリン酸ナトリウムを含み、pH約6.8である。
本発明のクロマトグラフィー工程のいずれかまたは全部をいずれかの機械的手段で実施できる。クロマトグラフィーをカラム中で実施してもよい。カラムを加圧し、または加圧せずに、上から下へ、または下から上へ流すことができる。カラム内の流体の流動方向をクロマトグラフィー処理中に逆転させてもよい。バッチ法でクロマトグラフィーを実施することもできる。この場合、装填に用いた液体から固体支持体を分離し、洗浄し、重力、遠心または濾過を含めたいずれか適切な手段で試料を溶離する。試料中のある分子を他の分子より強く吸収または保持するフィルターと試料を接触させることにより、クロマトグラフィーを実施することもできる。
当該タンパク質は、そのタンパク質を産生するように遺伝子工学的に処理した宿主生細胞により産生させることができる。当該タンパク質を産生するように細胞を遺伝子工学的に処理する方法は当技術分野で周知である。たとえばAusabel et al.編(1990),Current Protocols in Molecular Biology(Willey,ニューヨーク)参照。そのような方法は、そのタンパク質をコードする核酸を宿主生細胞に導入して発現させることが含まれる。これらの宿主細胞は、培養増殖させた細菌細胞、真菌細胞、または好ましくは動物細胞であってもよい。宿主細菌細胞には大腸菌(Escherichia coli)細胞が含まれるが、これに限定されない。適切な大腸菌株の例には、HB101、DH5α、GM2929、JM109、KW251、NM538、NM539、および外来DNAを開裂できないいずれかの大腸菌株が含まれる。使用できる宿主真菌細胞にはサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ピチア・パストリス(Pichia pastoris)およびアスペルギルス(Aspergillus)細胞が含まれるが、これらに限定されない。使用できる動物細胞系のうち数例は、CHO、VERO、BHK、HeLa、Cos、MDCK、293、3T3およびWI38である。当業者に周知の方法を用いて、新規な動物細胞系を樹立することができる(たとえば形質転換、ウイルス感染および/または選択による)。所望により、当該タンパク質は宿主細胞により培地中へ分泌されてもよい。
精製の任意の段階で試料のタンパク質濃度を適切な方法により測定できる。そのような方法は当技術分野で周知であり、下記のものがこれに含まれる:1)比色法、たとえばローリー(Lowry)アッセイ、ブラッドフォード(Bradford)アッセイ、スミスアッセイおよび金コロイドアッセイ;2)タンパク質のUV吸収特性を利用する方法;ならびに3)ゲル上の染色タンパク質バンドに基づき、同一ゲル上で既知量の標準タンパク質との比較に依存する視覚推定。たとえばStoschek(1990),タンパク質の定量,Guide to Protein Purification,Methods in Enzymol.182:50−68参照。
本発明の意図に従って精製しようとするタンパク質は、1以上の抗体免疫グロブリン定常ドメインを含む;1個または多数個の抗体免疫グロブリン可変ドメインを含むことができるが、その必要はない。それは天然タンパク質または組換え融合タンパク質であってもよい。それは抗体のFc部を含むことができる。それは非抗体タンパク質をも含むことができる。
本発明に使用するための若干のタンパク質の具体例には、1以上の抗体免疫グロブリン定常ドメイン、所望により抗体のFc部、および下記のタンパク質のいずれかと同一または実質的に類似するタンパク質を含む、組換え融合タンパク質が含まれる:flt3リガンド(国際特許出願WO94/28391に記載、その全体を本明細書に援用する)、CD40リガンド(米国特許第6,087,329号に記載、その全体を本明細書に援用する)、エリスロポエチン、トロンボポエチン、カルシトニン、Fasリガンド、NF−κBの受容体アクチベーターに対するリガンド(RANKL)、腫瘍壊死因子(TNF)関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL、国際特許出願WO97/01633に記載、その全体を本明細書に援用する)、胸腺ストローマ由来リンホポエチン、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF、オーストラリア特許No.588819に記載、その全体を本明細書に援用する)、マスト細胞増殖因子、幹細胞増殖因子、上皮増殖因子、RANTES、成長ホルモン、インスリン、インスリノトロピン、インスリン様増殖因子、副甲状腺ホルモン、インターフェロン、神経成長因子、グルカゴン、インターロイキン1〜18、コロニー刺激因子、リンホトキシン−β、腫瘍壊死因子(TNF)、白血病阻害因子、オンコスタチン−M、ならびに細胞表面分子ELKおよびHekに対する種々のリガンド(たとえばeph関連キナーゼまたはLERKSに対するリガンド)。本発明方法により精製できるタンパク質の記載は、たとえば下記にみられる:Human Cytokines:Handbook for Basic and Clinical Research,Vol.II(Aggarwal and Gutterman編,Blackwell Sciences,マサチュセッツ州ケンブリッジ,1998);Growth Factors:A Practical Approach(McKay and Leigh編,オックスフォード大学出版社,ニューヨーク,1993);およびThe Cytokine Handbook(A.W.Thompson編,Academic Press,カリフォルニア州サンディエゴ,1991)。
本発明により考慮されるタンパク質には、1以上の抗体免疫グロブリン定常ドメイン、所望により抗体のFc部、および前記タンパク質のいずれかに対する受容体またはそのような受容体と実質的に類似するタンパク質を含む、組換え融合タンパク質も含まれる。これらの受容体には下記のものが含まれる:両形態のTNFR(p55およびp75と呼ばれる)、I型およびII型インターロイキン−1受容体(EP特許No.0 460 846、米国特許第4,968,607号および米国特許第5,767,064号に記載、それらの全体を本明細書に援用する)、インターロイキン−2受容体、インターロイキン−4受容体(EP特許No.0 367 566および米国特許第5,856,296号に記載、それらの全体を本明細書に援用する)、インターロイキン−15受容体、インターロイキン−17受容体、インターロイキン−18受容体、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体、顆粒球コロニー刺激因子受容体、オンコスタチン−Mおよび白血病阻害因子に対する受容体、NF−κBの受容体アクチベーター(RANK、米国特許第6,271,349号に記載、それらの全体を本明細書に援用する)、TRAILに対する受容体(TRAIL受容体1、2、3および4を含む)、ならびにデスドメインを含む受容体、たとえばFasまたはアポトーシス誘導受容体(AIR)。
本発明方法を用いて精製できる他のタンパク質には、分化抗原(CDタンパク質と呼ばれる)もしくはそれらのリガンドまたはこれらのいずれかと実質的に類似するタンパク質が、少なくとも1つの抗体免疫グロブリン定常ドメイン、所望により抗体のFc部に融合したものが含まれる。そのような抗原はLeukocyte Typing VI(Proceedings of the VIth International Workshop and Conference,Kishimoto,Kikutani et al.編,日本,神戸,1996)に示されている。同様なCDタンパク質がその後のワークショップで示された。そのような抗原の例には、CD27、CD30、CD39、CD40、およびそれらに対するリガンド(CD27リガンド、CD30リガンド、など)が含まれる。幾つかのCD抗原はTNF受容体ファミリーのメンバーであり、これには41BBリガンドおよびOX40も含まれる。上記リガンドは、41BBリガンドおよびOX40リガンドと同様にTNFファミリーのメンバーである。したがって、TNFファミリーおよびTNFRファミリーのメンバーも本発明により精製できる。
酵素活性タンパク質またはそれらのリガンドも本発明により精製できる。その例には、少なくとも1つの抗体免疫グロブリン定常ドメイン、および下記のタンパク質のいずれかもしくはそれらのリガンドまたはこれらのいずれかと実質的に類似するタンパク質の全体または部分を含む、組換え融合タンパク質が含まれる:メタロプロテイナーゼ−ディスインテグリンファミリーのメンバー、種々のキナーゼ、グルコセレブロシダーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、組織プラスミノーゲンアクチベーター、VIII因子、IX因子、アポリポタンパク質E、アポリポタンパク質A−I、グロビン、IL−2アンタゴニスト、α−1アンチトリプシン、TNF−α変換酵素、前記酵素のいずれかに対するリガンド、ならびに他の多数の酵素およびそれらのリガンド。
本発明方法は、抗体またはその部分、およびキメラ抗体、たとえばヒト抗体免疫グロブリン定常ドメインが1以上のネズミ抗体免疫グロブリン可変ドメインに結合した抗体、またはそのフラグメントの精製にも使用できる。本発明方法は、抗体および細胞傷害性物質または発光物質を含む結合体の精製にも使用できる。そのような物質には下記のものが含まれる:メイタンシン(maytansine)誘導体(たとえばDM1);エンテロトキシン(たとえばブドウ球菌エンテロトキシン);ヨウ素同位体(たとえばI−125);テクニウム同位体(たとえばTc−99m);シアニン蛍光色素(たとえばCy5.5.18);およびリボソーム不活性化タンパク質(たとえばボーガニン(bouganin)、ゲロニン(gelonin)、またはサポリン−S6(saporin−S6))。本発明により考慮される抗体、または抗体/細胞毒素結合体、もしくは抗体/発光団結合体の例には、前記タンパク質および/または下記抗原のうちいずれか1種類またはその組合わせを認識するものが含まれる:CD2、CD3、CD4、CD8、CD11a、CD14、CD18、CD20、CD22、CD23、CD25、CD33、CD40、CD44、CD52、CD80(B7.1)、CD86(B7.2)、CD147、IL−1α、IL−1β、IL−4、IL−5、IL−8、IL−10、IL−2受容体、IL−4受容体、IL−6受容体、IL−13受容体、IL−18受容体サブユニット、PDGF−β、VEGF、TGF、TGF−β2、TGF−β1、EGF受容体、VEGF受容体、C5補体、IgE、腫瘍抗原CA125、腫瘍抗原MUCI、PEM抗原、LCG(肺癌に関連して発現する遺伝子産物)、HER−2、腫瘍関連糖タンパク質TAG−72、SK−1抗原、結腸癌および/または膵臓癌の患者血清中に高濃度で存在する腫瘍関連エピトープ、胸部、結腸、扁平上皮細胞、前立腺、膵臓、肺および/または腎臓癌細胞、および/または黒色腫、グリオーマもしくは神経芽細胞に発現する癌関連エピトープまたはタンパク質、腫瘍壊死コア、インテグリンα4β7、インテグリンVLA−4、B2インテグリン、TRAIL受容体1、2、3および4、RANK、RANKリガンド、TNF−α、接着分子VAP−1、上皮細胞接着分子(EpCAM)、細胞間接着分子−3(ICAM−3)、ロイコインテグリンアドヘシン、血小板糖タンパク質gpIIb/IIIa、心臓ミオシンH鎖、副甲状腺ホルモン、rNAPc2(VIIa因子−組織因子の阻害薬)、MHC I、癌胎児性抗原(CEA)、α−フェトプロテイン(AFP)、腫瘍壊死因子(TNF)、CTLA−4(細胞傷害性Tリンパ球関連抗原である)、Fc−γ−1受容体、HLA−DR 10β、HLA−DR抗原、L−セレクチン、IFN−γ、呼吸系発疹ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)および黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aures)。
本発明は、抗イディオタイプ抗体、または実質的に類似するタンパク質の精製にも使用でき、これには下記のものに対する抗イディオタイプ抗体が含まれるが、これらに限定されない:腫瘍抗原gp72をターゲットとする抗体;ガングリオシドGD3に対する抗体;またはガングリオシドGD2に対する抗体。
アフィニティークロマトグラフィーにおいて、吸収剤は第2タンパク質が固定された適切な固体支持体を含むことができる。精製すべきタンパク質を含むタンパク質試料をこの吸収剤に適用することができる。次いで、当該タンパク質の抗体免疫グロブリン定常ドメインに第2タンパク質が結合するのを妨害しない溶液中で、吸収剤を洗浄することができる。次いで、第2タンパク質による抗体免疫グロブリン定常ドメイン結合を妨害する溶液で、当該タンパク質を吸収剤から溶離することができる。
第2タンパク質は、抗体免疫グロブリン定常ドメインに結合するいずれかのタンパク質であり、組換え融合タンパク質であってもよいが、その必要はない。所望により、第2タンパク質はプロテインG、プロテインLGまたはプロテインAであってもよい。第2タンパク質は、アガロース、セファロース、シリカ、コロジオン木炭、砂、および他のいずれか適切な材料を含めたいずれか適切な固体支持体に固定することができる。そのような材料は当技術分野で周知である。第2タンパク質を固体支持体に固定するためには、任意の適切な方法を使用できる。タンパク質を適切な固体支持体に固定する方法は当技術分野で周知である。たとえばOstrove(1990)Guide to Protein Purification,Methods in Enzymology 182:357−371参照。さらに、既に第2タンパク質を固定した固体支持体が、バイオラッド、メルク、アマシャムファルマシアバイオテクおよびミリポアコーポレーションを含めたいくつかの製造業者から市販されている。
任意の工程で、精製すべきタンパク質と混入物を含むタンパク質試料を、緩衝液および/または塩類を含む溶液中において、固体支持体に固定された第2タンパク質を含む吸収剤に装填する。適切な緩衝液にはリン酸緩衝液、トリス緩衝液、酢酸緩衝液および/またはクエン酸緩衝液が含まれるが、これらに限定されない。適切な塩類には塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム、カルシウム塩および/またはマグネシウム塩が含まれるが、これらに限定されない。たとえば、この溶液はトリスを約5〜100mMの濃度で、塩化ナトリウムを約50〜250mMの濃度で含むことができる。しかし他の緩衝液および塩類も使用できる。装填後、吸収剤をさらに同溶液で洗浄してもよい。当該タンパク質は、抗体免疫グロブリン定常ドメインへの第2タンパク質の結合を妨害する溶液で溶離することができる。この溶液は、pHを上昇もしくは低下させる物質であるカオトロピック剤、たとえばグアニジニウム、および/または塩類を含むことができる。この溶液は、酢酸、グリシンまたはクエン酸を含むことができる。溶離はpHの低下により実施できる。たとえば、特にクエン酸塩または酢酸塩を含む溶液を用いてpHを約4.5以下、特に典型的には約3.3〜約4.0に低下させることができる。あるいは、pHを典型的には約8.5より高くしてもよい。そのような溶離を実施するのに適した溶液は、特にトリスまたは炭酸ナトリウムを含むことができる。他の溶離方法も採用できる。そのようなアフィニティークロマトグラフィーのプロトコルは当技術分野で周知である。たとえばMiller and Stone(1978),J.Immunol.Methods 24(1−2):111−125参照。結合および溶離の条件は当業者が容易に最適化できる。
本発明方法において、当該タンパク質はヒドロキシアパタイトに結合しないが第2タンパク質および/または第2タンパク質と当該タンパク質の複合体(これらはアフィニティークロマトグラフィー後に存在する可能性がある)は結合する条件下で、当該タンパク質をヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー処理する。試料をヒドロキシアパタイトに装填し、緩衝液および/または塩類を含む約5.5より高いpHの溶液中でクロマトグラフィーを実施する。好ましくは、クロマトグラフィー媒体に当該タンパク質を装填する際の溶液と同一または類似する溶液中でクロマトグラフィーを実施する。ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーは、当該タンパク質と第2タンパク質が互いに結合して複合体を形成する条件下で、または形成しない条件下で行うことができる。したがって、前者の場合、第2タンパク質からの当該タンパク質の分離には、第2タンパク質と当該タンパク質の複合体からの当該タンパク質の分離が必要となるであろう。後者の場合、第2タンパク質からの当該タンパク質の分離は、まさにそれを伴うであろう。クロマトグラフィーおよび装填は多様な緩衝液および/または塩類中で行うことができ、これにはナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、塩化物、フッ化物、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、および/またはトリス緩衝液が含まれる。そのような緩衝液および塩類の具体例は下記のものである:トリス、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムまたは酢酸アンモニウム。pH範囲は、クロマトグラフィー条件が最適となり、かつ当該タンパク質の目的特性が保持されるように選択される。大部分の当該タンパク質について、それは約6.0〜約8.6、好ましくは約6.5〜約7.5の間で変動しうる。しかし、あるタンパク質は極端なpHに耐えることが知られており、これより広い範囲も可能である。1態様において、装填/クロマトグラフィー溶液は約0.5〜約50mM濃度、より好ましくは約15〜35mM濃度のリン酸ナトリウム緩衝液を含む。所望により、この溶液は約25mM濃度およびpH約6.8のリン酸ナトリウム緩衝液を含む。他の態様において、装填溶液はpH約6.0〜約9.0、好ましくは約6.5〜約8.0のトリスを含む。
精製されるタンパク質を含むフロースルー液を採集する。選択した濃度の選択した緩衝液および/または塩類により、第2タンパク質はヒドロキシアパタイトに結合するが、精製されるタンパク質は結合しない。精製される特定のタンパク質に適切な緩衝液または塩類を決定する際には、当業者は当技術分野で既知の知識を指針とすることができる。たとえばGorbunoff(1990),ヒドロキシアパタイトカラムによるタンパク質クロマトグラフィー,Guide to Protein Purification,Methods in Enzymology 182:329−339;Scopes,Protein Purification:Principles and Practice,第3版,pp.173−75,Springer,1994参照(それらの全体を本明細書に援用する)。さらに、たとえば精製すべきタンパク質および第2タンパク質を含む試料を適用したヒドロキシアパタイトカラムに、濃度勾配をもつ選択した緩衝液または塩類を流すことにより、選択した緩衝液または塩類の最適使用濃度を当業者は容易に決定できるであろう。カラム溶出液画分を採集および分析して、当該タンパク質および第2タンパク質が溶出する緩衝液または塩類の濃度を判定できる。適切な分析法には、たとえば導電率計による導電率の測定(試料の塩類濃度を測定)とゲル電気泳動、またはELISAアッセイ法(試料中のタンパク質の同一性を判定)が含まれる。所望により、タンパク質試料を装填したのと同じ溶液でヒドロキシアパタイトをさらに洗浄することができる。この洗液を採集してフロースルー液と混和してもよい。
精製されるタンパク質を含むフロースルー液および所望により洗液を採集した後、クロマトグラフィーに用いた緩衝液または塩類をより高い濃度で含む溶液を用いてクロマトグラフィー媒体をストリッピングすることにより、ヒドロキシアパタイトに結合したままの可能性があるタンパク質を放出させてもよい。次いで、大部分または全部のタンパク質をクロマトグラフィー媒体から放出させかつクロマトグラフィー媒体中に存在する可能性のある微生物の混入を減少または排除する効力をもつ溶液を用いて、カラムを再生することができる。1態様において、そのような溶液は水酸化ナトリウムを含むことができる。他の試薬も使用できる。次いでカラムをすすぎ、微生物増殖を阻止しうる溶液中に保存することができる。そのような溶液は水酸化ナトリウムを含むことができるが、他の試薬も適切であろう。
第2タンパク質、当該タンパク質と第2タンパク質の複合体、および/または精製されるタンパク質試料中に存在する可能性のある他のタンパク質を、いずれかの適切な手段でモニターできる。好ましくは、その手法は約2ppm(精製されるタンパク質ミリグラム当たりのナノグラムとして計算)〜約500ppmの混入物を検出するのに十分な感度をもつべきである。たとえば、当技術分野で周知の方法である酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を用いて当該タンパク質への第2タンパク質の混入を検出できる。たとえばReen(1994),酵素結合免疫吸着検定法(ELISA),Basic Protein and Peptide Protocols,Metods Mol.Biol.32:461−466参照;その全体を本明細書に援用する。1態様において、特にヒドロキシアパタイトに装填する物質が検出可能レベルに近いかまたはそれより低い第2タンパク質レベルをもつ場合、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーは第2タンパク質による混入を検出可能なほど低下させなくてもよい。あるいは、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーは第2タンパク質による混入を少なくとも約2倍、好ましくは少なくとも約3倍、より好ましくは少なくとも約5倍、より好ましくは少なくとも約10倍、より好ましくは少なくとも約15倍、最も好ましくは少なくとも約20倍、低下させることができる。好ましくは、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー後の当該タンパク質への第2タンパク質の混入は約400ppmを超えず、より好ましくは約360ppmを超えず、より好ましくは約320ppmを超えず、より好ましくは約280ppmを超えず、より好ましくは約240ppmを超えず、より好ましくは約200ppmを超えず、より好ましくは約160ppmを超えず、より好ましくは約140ppmを超えず、より好ましくは約120ppmを超えず、より好ましくは約100ppmを超えず、より好ましくは約80ppmを超えず、より好ましくは約60ppmを超えず、より好ましくは約40ppmを超えず、より好ましくは約20ppmを超えず、より好ましくは約10ppmを超えず、より好ましくは約5ppmを超えず、より好ましくは約1ppmを超えず、最も好ましくは約0.5ppmを超えない。そのような第2タンパク質による混入は、検出不可能レベルから約5ppmまで、または約5〜約400ppmであってよい。薬理学的用途のためにタンパク質を精製しようとする場合、患者が週当たり特定量より多量のタンパク質混入物を摂取しないために、第2タンパク質の好ましいレベルは患者当たりの当該タンパク質の週間投与量に依存する可能性があることは当業者に自明であろう。したがって、当該タンパク質の必要な週間投与量が少なくなるほど、第2タンパク質による混入レベルは高くなってもよいであろう。
同様に、精製されるタンパク質試料中に存在する可能性のある他のタンパク質(宿主細胞タンパク質を含む)による混入物も、ELISAアッセイを含めた適宜な手段でモニターできる。1態様において、そのような他のタンパク質による当該タンパク質への混入をヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー後に、好ましくは少なくとも約2倍、より好ましくは少なくとも約3倍、より好ましくは少なくとも約5倍、より好ましくは少なくとも約10倍、より好ましくは少なくとも約20倍、最も好ましくは少なくとも約30倍、より好ましくは少なくとも約40倍、より好ましくは少なくとも約50倍、より好ましくは少なくとも約60倍、より好ましくは少なくとも約70倍、より好ましくは少なくとも約80倍、より好ましくは少なくとも約90倍、最も好ましくは少なくとも約100倍、低下させることができる。他の態様において、そのような他のタンパク質による当該タンパク質への混入は、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー後に約10,000ppmを超えず、より好ましくは約2500ppmを超えず、より好ましくは約400ppmを超えず、より好ましくは約360ppmを超えず、より好ましくは約320ppmを超えず、より好ましくは約280ppmを超えず、より好ましくは約240ppmを超えず、より好ましくは約200ppmを超えず、より好ましくは約160ppmを超えず、より好ましくは約140ppmを超えず、より好ましくは約120ppmを超えず、より好ましくは約100ppmを超えず、より好ましくは約80ppmを超えず、より好ましくは約60ppmを超えず、より好ましくは約40ppmを超えず、より好ましくは約30ppmを超えず、より好ましくは約20ppmを超えず、より好ましくは約10ppmを超えず、最も好ましくは約5ppmを超えない。そのような混入は、検出不可能レベルから約10ppmまで、または約10〜約10,000ppmであってよい。薬理学的用途のためにタンパク質を精製しようとする場合、前記のように他のタンパク質混入物の許容できるレベルは患者当たりの当該タンパク質の週間投与量に依存することは当業者に自明であろう。
精製されるタンパク質試料中に存在する可能性のあるDNAの量は、いずれか適切な手段で測定できる。たとえばポリメラーゼ連鎖反応を用いるアッセイ法を使用できる。所望により、その手法は10pg/タンパク質mg以上のDNA混入を検出できる。DNAレベルを、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーにより所望により約2倍、好ましくは約5倍、より好ましくは約10倍、より好ましくは約15倍、最も好ましくは約20倍、低下させることができる。所望により、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー後のDNAレベルは20pg/タンパク質mg未満、より好ましくは15pg/タンパク質mg未満、より好ましくは10pg/タンパク質mg未満、最も好ましくは5pg/タンパク質mg未満である。
以下の実施例は説明のために提示するものであって、限定のためのものではない。
実施例1
ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを用いた、TNFR:Fcを含む試料中のプロテインAレベルの低下
この実験は、TNFR:Fcを含み、特定量のプロテインA(TNFR:Fcと複合体を形成している可能性がある)を含有するタンパク質試料の残留プロテインAレベルを、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーにより低下させうることを証明する。
高さ18cm、内径1.6cmのセラミックヒドロキシアパタイト(タイプII、バイオラッド、80μ)カラムを、2カラム容量の0.4Mリン酸ナトリウム(pH6.8)で予備平衡化し、導電率2.8ミリシーメンス(mS)の25mMリン酸ナトリウム(pH6.8)4カラム容量で平衡化した。25mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)668ml中のタンパク質試料(5.11mg/ml)[TNFR:FcおよびプロテインA(209ppm)を含有]を、カラムに装填した。試料中のプロテインAの量はELISAアッセイにより測定された。TNFR:Fcを含有するフロースルー液を採集した。カラムを3カラム容量の25mMリン酸ナトリウム(pH6.8)で洗浄し、洗液を採集し、フロースルーと合わせた。フロースルーと洗液中に採集されたタンパク質を濾過により滅菌し、次の精製工程を実施するまで2〜8℃に保存した。装填したTNFR:Fcの大部分(97%)がフロースルー液と洗液中に回収された。フロースルー液と洗液中のプロテインAの量は、11ppmと測定された。次いでカラムを3カラム容量の0.4Mリン酸ナトリウム(pH6.8)でストリッピングし、2カラム容量の1M水酸化ナトリウムで再生し、3カラム容量の0.1M水酸化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウムですすぎ、同溶液中に保存した。この状態で再使用可能である。
実施例2
ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを用いた、TNFR:Fcを含む試料中の宿主細胞タンパク質レベルの低下
以下の実験は、TNFR:Fcを含む試料の宿主細胞タンパク質レベルを、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーにより低下させうることを証明する。
高さ10cm、内径1.1cmのセラミックヒドロキシアパタイト(タイプII、バイオラッド、80μ)カラムを、2カラム容量の0.3Mリン酸ナトリウム(pH6.8)で予備平衡化し、導電率2.8mSの25mMリン酸ナトリウム(pH6.8)3カラム容量で平衡化した。25mMリン酸ナトリウム(pH6.8)382ml容量中約1.9gのタンパク質を、カラムに装填した。この試料は、試料の大部分を占めるTNFR:Fc、および宿主細胞タンパク質(545ppm)を含有していた。試料中の宿主細胞タンパク質の量はELISAアッセイにより測定された。TNFR:Fcを含有するフロースルー液を採集した。カラムを3カラム容量の25mMリン酸ナトリウム(pH6.8)で洗浄し、洗液を採集し、フロースルーと合わせた。装填したTNFR:Fcの大部分(92%)がフロースルー液と洗液中に回収された。採集したタンパク質を濾過により滅菌した。宿主細胞タンパク質の量は、ヒドロキシアパタイトカラムに装填した材料と比較して少なくとも約70倍減少した(545ppmから7ppmに)。次いでカラムを3カラム容量の0.3Mリン酸ナトリウム(pH6.8)でストリッピングし、半カラム容量の25mMリン酸ナトリウム(pH6.8)ですすぎ、2カラム容量の1M水酸化ナトリウムで再生し、3カラム容量の0.1M水酸化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウムですすぎ、同溶液中に保存した。この状態で再使用可能である。
図1は、このカラムの吸光度および導電率のプロフィールを示す。試料中の大部分のタンパク質は、55〜59カラム容量において0.3Mリン酸ナトリウム添加により起きる導電率増大(約20mSになる)の前に、カラムを流れ抜ける。その後の大きな導電率増大(約200mSになる)は、前記に説明したカラム再生のための1.0M水酸化ナトリウム添加に対応する。TNFR:Fcはカラムに装填したタンパク質試料の大部分の種を構成するので、このプロフィールはTNFR:Fcが25mMリン酸ナトリウム(pH6.8)中においてヒドロキシアパタイトカラムを流れ抜けることを示す。
実施例3
セラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーによる、TNFR:Fc試料中の残留プロテインAおよび他のタンパク質の減少
以下の実験は、プロテインAと他のタンパク質混入物のレベルを同時に、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーにより低下させうることを証明する。
高さ18cm、内径1.6cmのセラミックヒドロキシアパタイト(タイプII、バイオラッド、80μ)カラムを、2カラム容量の0.4Mリン酸ナトリウム(pH6.8)で予備平衡化し、3カラム容量の25mMリン酸ナトリウム(pH6.8)で平衡化した。25mMリン酸ナトリウム緩衝液中約5mg/mlのタンパク質約3.2g[TNFR:Fc、この条件下でTNFR:Fcと複合体を形成しているプロテインA(約97〜約106ppm)、および他のプロセス関連不純物(PRI;約59〜約67ppm)を含む]を、カラムに装填した。試料中のプロテインAおよびPRIの量はELISAアッセイにより測定された。TNFR:Fcを含有するフロースルー液を採集した。カラムを3カラム容量の25mMリン酸ナトリウム(pH6.8)で洗浄し、洗液を採集した。装填したTNFR:Fcのほぼすべて(99〜100%)がフロースルー液と洗液中に回収された。試料中のプロテインAおよびPRIの量は、ヒドロキシアパタイトカラムに装填した材料と比較して、それぞれ5.3〜5.4倍、および2.8〜3.7倍減少した。次いでカラムを5カラム容量の0.4Mリン酸ナトリウム(pH6.8)でストリッピングし、2カラム容量の1M水酸化ナトリウムで再生し、3カラム容量の10mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1M水酸化ナトリウム中ですすぎ、同溶液中に保存した。この状態で再使用可能である。
本発明の範囲は本明細書に記載した具体的態様により限定されない。それらは単に本発明の各態様を説明するためのものであり、機能的に均等な方法および成分は本発明の範囲に含まれる。実際に、以上の記載および添付の図面から、本明細書に記載したもののほか多様な本発明の改変が当業者に自明であろう。そのような改変も特許請求の範囲に含まれるものとする。
図1は、25mMリン酸ナトリウム(pH6.8)中で操作し、大部分の種としてTNFR:Fcを含む試料を装填した、ヒドロキシアパタイトカラムの溶離プロフィールを示す(実施例2に記載)。

Claims (30)

  1. あるタンパク質および少なくとも1種類のタンパク質混入物を含む試料から当該タンパク質を精製するための方法であって、試料をヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー処理することを含み、
    当該タンパク質を少なくとも1種類のタンパク質混入物から、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを実施する溶液中でのヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーにより分離し、
    大部分の当該タンパク質分子がフロースルーおよび洗液中に回収され、
    当該タンパク質は、固体支持体に固定された吸収剤としての第2タンパク質を用いるアフィニティークロマトグラフィーにより予め精製されており、
    第2タンパク質は抗体免疫グロブリン定常ドメインに結合するものである、
    前記方法。
  2. 第2タンパク質が検出可能な濃度で試料中に存在し、当該タンパク質を第2タンパク質から溶液中でのヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーにより分離する、請求項1に記載の方法。
  3. 当該タンパク質が培養動物細胞により培地中へ分泌されたものである、請求項1に記載の方法。
  4. 動物細胞がCHO細胞である、請求項3に記載の方法。
  5. 少なくとも1種類のタンパク質混入物が培養動物細胞により培地中へ分泌されたものである、請求項3に記載の方法。
  6. 当該タンパク質が抗体のFc部を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 当該タンパク質がTNFR:Fcである、請求項6に記載の方法。
  8. 当該タンパク質が抗体である、請求項6に記載の方法。
  9. 第2タンパク質がプロテインAおよびプロテインGよりなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  10. 溶液が約5〜約50mM濃度のリン酸ナトリウム緩衝液を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 溶液が約6.0〜約8.6のpHを有する、請求項1に記載の方法。
  12. 当該タンパク質がTNFR:Fcであり;
    第2タンパク質がプロテインAまたはプロテインGであり;そして、
    溶液が約15〜約35mM濃度のリン酸ナトリウム緩衝液を含み、約6.5〜約7.5のpHを有する、
    請求項1に記載の方法。
  13. 組換え融合タンパク質および少なくとも1種類のタンパク質混入物を含む試料から組換え融合タンパク質を精製する方法であって、試料をヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー処理することを含み、
    組換え融合タンパク質は抗体のFc部および非抗体タンパク質の部分または全体を含み、
    組換え融合タンパク質は、固体支持体に固定された吸収剤としての第2タンパク質を用いるアフィニティークロマトグラフィーにより予め精製されている、
    前記方法。
  14. 大部分の組換え融合タンパク質分子がフロースルーおよび洗液中に回収される、請求項13に記載の方法。
  15. 組換え融合タンパク質がTNFR:Fcである、請求項13に記載の方法。
  16. 第2タンパク質がプロテインAおよびプロテインGよりなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  17. ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーがリン酸ナトリウム緩衝液を含む溶液中で実施される、請求項13に記載の方法。
  18. リン酸ナトリウム緩衝液が溶液中に約5〜約50mMの濃度で存在する、請求項17に記載の方法。
  19. ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーが約6.0〜約8.6のpHで実施される、請求項13に記載の方法。
  20. 組換え融合タンパク質が培養動物細胞により培地中へ分泌されたものである、請求項13に記載の方法。
  21. 動物細胞がCHO細胞である、請求項20に記載の方法。
  22. 少なくとも1種類のタンパク質混入物が培養動物細胞により培地中へ分泌されたものである、請求項20に記載の方法。
  23. 組換え融合タンパク質がTNFR:Fcであり;
    第2タンパク質がプロテインAまたはプロテインGであり;そして、
    約15〜約35mM濃度のリン酸ナトリウム緩衝液を含む、pH約6.5〜約7.5の溶液中で、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを実施する、
    請求項13に記載の方法。
  24. TNFR:Fcを精製する方法であって、大部分のTNFR:Fc分子がフロースルーおよび洗液中に回収され、少なくとも1種類のタンパク質混入物がTNFR:Fcから分離される条件下で、TNFR:Fcおよび少なくとも1種類のタンパク質混入物を含む試料をヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー処理することを含む方法。
  25. あるタンパク質を宿主細胞タンパク質から分離する方法であって、当該タンパク質および少なくとも1種類の宿主細胞タンパク質を含む試料をヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー処理することを含み、
    これにより当該タンパク質から少なくとも1種類の宿主細胞タンパク質を分離し、
    当該タンパク質は抗体免疫グロブリン定常ドメインを含み、
    大部分の当該タンパク質分子がフロースルーおよび洗液中に回収され、
    当該タンパク質および宿主細胞タンパク質が両方とも、培養動物細胞により培地中へ分泌されたものである、
    前記方法。
  26. フロースルーおよび洗液中の当該タンパク質に対する宿主細胞タンパク質の濃度が約100ppm未満である、請求項25に記載の方法。
  27. 当該タンパク質がTNFR:Fcである、請求項25に記載の方法。
  28. 精製されたTNFR:Fc調製物であって、3ppm未満のプロテインAを含む調製物。
  29. TNFR:Fcが培養宿主動物細胞により培地中へ分泌されたものであり、調製物が100ppm未満の宿主動物細胞タンパク質を含む、請求項28に記載の調製物。
  30. 調製物が2ppm未満のプロテインAを含む、請求項28に記載の調製物。
JP2003560037A 2001-12-21 2002-12-20 タンパク質の精製方法 Expired - Lifetime JP4363986B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US34336301P 2001-12-21 2001-12-21
US34718902P 2002-01-08 2002-01-08
US36427202P 2002-03-12 2002-03-12
PCT/US2002/041159 WO2003059935A2 (en) 2001-12-21 2002-12-20 Methods for purifying protein

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005538686A true JP2005538686A (ja) 2005-12-22
JP4363986B2 JP4363986B2 (ja) 2009-11-11

Family

ID=27407561

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003560037A Expired - Lifetime JP4363986B2 (ja) 2001-12-21 2002-12-20 タンパク質の精製方法

Country Status (11)

Country Link
US (2) US7122641B2 (ja)
EP (1) EP1463942B2 (ja)
JP (1) JP4363986B2 (ja)
AT (1) ATE425989T1 (ja)
AU (1) AU2002359816B2 (ja)
CA (1) CA2469815C (ja)
DE (1) DE60231651D1 (ja)
ES (1) ES2322945T5 (ja)
MX (1) MXPA04006053A (ja)
PL (1) PL374311A1 (ja)
WO (1) WO2003059935A2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009532474A (ja) * 2006-04-05 2009-09-10 アボツト・バイオテクノロジー・リミテツド 抗体精製
JP2010501622A (ja) * 2006-08-28 2010-01-21 アレス トレーディング ソシエテ アノニム Fc−融合タンパク質の精製法
JP2011510303A (ja) * 2008-01-18 2011-03-31 バイオ−ラッド ラボラトリーズ インコーポレーティッド アパタイトクロマトグラフィーによるリン酸化生体分子および非リン酸化生体分子の向上した精製法
JP2012502939A (ja) * 2008-09-23 2012-02-02 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー エリスロポエチンの精製
JP2013500711A (ja) * 2009-07-31 2013-01-10 バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム 組換えadamts13および他のタンパク質を精製する方法ならびにそれらの組成物
JP2014507368A (ja) * 2011-02-02 2014-03-27 バイオ−ラッド ラボラトリーズ インコーポレーティッド アルカリ溶液でのアパタイトの表面中和方法
JP2014520814A (ja) * 2011-07-08 2014-08-25 メルク・シャープ・アンド・ドーム・コーポレーション Fc融合タンパク質の精製方法
JP2014523405A (ja) * 2011-04-28 2014-09-11 バイオ−ラッド ラボラトリーズ インコーポレーティッド 標的分子精製におけるdna除去法
JP2016513643A (ja) * 2013-03-14 2016-05-16 アムジエン・インコーポレーテツド 漏出したアフィニティ精製リガンドの除去

Families Citing this family (64)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7329388B2 (en) 1999-11-08 2008-02-12 Princeton Biochemicals, Inc. Electrophoresis apparatus having staggered passage configuration
US6406604B1 (en) 1999-11-08 2002-06-18 Norberto A. Guzman Multi-dimensional electrophoresis apparatus
AU2002359816B2 (en) * 2001-12-21 2006-07-13 Immunex Corporation Methods for purifying protein
DK2261230T3 (en) 2002-09-11 2017-06-12 Chugai Pharmaceutical Co Ltd Method of Protein Purification.
GB0304576D0 (en) * 2003-02-28 2003-04-02 Lonza Biologics Plc Protein a chromatography
PL2520654T3 (pl) 2003-08-26 2017-08-31 The Regents Of The University Of Colorado, A Body Corporate Inhibitory aktywności proteazy serynowej i ich zastosowanie w sposobach i kompozycjach do leczenia zakażeń bakteryjnych
CA2543193C (en) 2003-10-27 2015-08-11 Wyeth Removal of high molecular weight aggregates using hydroxyapatite chromatography
US8007725B2 (en) 2003-11-07 2011-08-30 Princeton Biochemicals, Inc. Electrophoresis apparatus having valve system
JP2007510935A (ja) 2003-11-07 2007-04-26 プリンストン・バイオケミカルズ・インコーポレーテッド 多次元電気泳動装置
WO2005071410A1 (en) * 2004-01-13 2005-08-04 Tanox, Inc. Detecting and quantifying host cell proteins in recombinant protein products
JP4872327B2 (ja) * 2004-11-26 2012-02-08 東レ株式会社 改質されたインターロイキン−11とその製造方法
MX2007011129A (es) 2005-03-11 2007-11-06 Wyeth Corp Un metodo de cromatografia de particion debil.
US20060240564A1 (en) * 2005-04-20 2006-10-26 Chia-Hui Shieh pH gradient ion exchange LC-MS and mass compatible buffers
BRPI0611901A2 (pt) 2005-06-14 2012-08-28 Amgen, Inc composição, liofilizado, kit, e, processo para preparar uma composição
US7375188B2 (en) * 2005-07-29 2008-05-20 Mallinckrodt Baker, Inc. Vegetarian protein a preparation and methods thereof
MY185597A (en) * 2005-09-20 2021-05-24 Avantor Performance Mat Inc Vegetarian protein a preparation and methods thereof
EP1816201A1 (en) 2006-02-06 2007-08-08 CSL Behring GmbH Modified coagulation factor VIIa with extended half-life
US20100234577A1 (en) * 2006-06-14 2010-09-16 Smithkline Beecham Corporation Methods for purifying antibodies using ceramic hydroxyapatite
EP1867660A1 (en) 2006-06-14 2007-12-19 CSL Behring GmbH Proteolytically cleavable fusion protein comprising a blood coagulation factor
US7939632B2 (en) 2006-06-14 2011-05-10 Csl Behring Gmbh Proteolytically cleavable fusion proteins with high molar specific activity
ES2889920T3 (es) 2006-06-14 2022-01-14 Csl Behring Gmbh Proteínas de fusión escindibles proteolíticamente con alta actividad específica molar
JP2010501623A (ja) 2006-08-28 2010-01-21 アレス トレーディング ソシエテ アノニム Fc含有タンパク質の精製法
EA017733B1 (ru) * 2006-08-28 2013-02-28 Арес Трейдинг С.А. СПОСОБ ОЧИСТКИ Fc-СЛИТЫХ БЕЛКОВ
MY161866A (en) 2006-09-13 2017-05-15 Abbvie Inc Cell culture improvements
US8911964B2 (en) 2006-09-13 2014-12-16 Abbvie Inc. Fed-batch method of making human anti-TNF-alpha antibody
US7488807B2 (en) * 2006-11-22 2009-02-10 3M Innovative Properties Company Antibody with protein A selectivity
US20100047252A1 (en) * 2006-11-22 2010-02-25 3M Innovative Properties Company Antibody with protein a selectivity
JP5448839B2 (ja) 2006-12-22 2014-03-19 ツェー・エス・エル・ベーリング・ゲー・エム・ベー・ハー インビボで長い半減期を有する修飾された凝固因子
US20100058173A1 (en) * 2008-08-28 2010-03-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Display processing apparatus, display processing method, and computer program product
SG10201702922VA (en) * 2008-10-20 2017-06-29 Abbvie Inc Isolation and purification of antibodies using protein a affinity chromatography
CN104974251A (zh) 2008-10-20 2015-10-14 Abbvie公司 在抗体纯化过程中的病毒灭活
EP2350130B1 (en) 2008-10-31 2018-10-03 Wyeth LLC Purification of acidic proteins using ceramic hydroxyapatite chromatography
BR112012013330A2 (pt) * 2009-12-02 2017-03-28 Acceleron Pharma Inc composições e métodos para aumentar meia vida do soro de proteínas de fusão fc
US8951807B2 (en) 2010-01-15 2015-02-10 Bio-Rad Laboratories, Inc. Surface neutralization of apatite
KR20130086540A (ko) * 2010-05-18 2013-08-02 아비에 인코포레이티드 단백질 정제 장치 및 방법
US8895707B2 (en) 2010-08-18 2014-11-25 Bio-Rad Laboratories, Inc. Elution of proteins from hydroxyapatite resins without resin deterioration
WO2012149197A2 (en) 2011-04-27 2012-11-01 Abbott Laboratories Methods for controlling the galactosylation profile of recombinantly-expressed proteins
US8883982B2 (en) 2011-06-08 2014-11-11 Acceleron Pharma, Inc. Compositions and methods for increasing serum half-life
CA2839917A1 (en) 2011-06-24 2012-12-27 The Regents Of The University Of Colorado, A Body Corporate Compositions, methods and uses for alpha-1 antitrypsin fusion molecules
KR20140137347A (ko) 2012-01-10 2014-12-02 더 리젠츠 오브 더 유니버시티 오브 콜로라도, 어 바디 코포레이트 알파-1 안티트립신 융합 분자용 조성물, 방법 및 용도
US9181572B2 (en) 2012-04-20 2015-11-10 Abbvie, Inc. Methods to modulate lysine variant distribution
US9150645B2 (en) 2012-04-20 2015-10-06 Abbvie, Inc. Cell culture methods to reduce acidic species
US9067990B2 (en) 2013-03-14 2015-06-30 Abbvie, Inc. Protein purification using displacement chromatography
WO2013176754A1 (en) 2012-05-24 2013-11-28 Abbvie Inc. Novel purification of antibodies using hydrophobic interaction chromatography
EP2855501B1 (en) 2012-05-30 2018-04-25 Bio-Rad Laboratories, Inc. In situ restoration of apatite-based chromatography resins
US9512214B2 (en) 2012-09-02 2016-12-06 Abbvie, Inc. Methods to control protein heterogeneity
US9206390B2 (en) 2012-09-02 2015-12-08 Abbvie, Inc. Methods to control protein heterogeneity
BR112015005389B1 (pt) 2012-09-13 2022-10-18 Indiana University Research And Technology Corporation Molécula de ácido nucleico recombinante, proteína de substrato modificada de uma protease específica de patógeno de planta expressa através do patógeno de planta, vetor, e método para proteger uma planta da infecção por um patógeno de planta que secreta pelo menos uma protease específica
WO2014143205A1 (en) 2013-03-12 2014-09-18 Abbvie Inc. Human antibodies that bind human tnf-alpha and methods of preparing the same
US10023608B1 (en) 2013-03-13 2018-07-17 Amgen Inc. Protein purification methods to remove impurities
US9017687B1 (en) 2013-10-18 2015-04-28 Abbvie, Inc. Low acidic species compositions and methods for producing and using the same using displacement chromatography
WO2014159579A1 (en) 2013-03-14 2014-10-02 Abbvie Inc. MUTATED ANTI-TNFα ANTIBODIES AND METHODS OF THEIR USE
WO2014151878A2 (en) 2013-03-14 2014-09-25 Abbvie Inc. Methods for modulating protein glycosylation profiles of recombinant protein therapeutics using monosaccharides and oligosacharides
EP3052640A2 (en) 2013-10-04 2016-08-10 AbbVie Inc. Use of metal ions for modulation of protein glycosylation profiles of recombinant proteins
US9181337B2 (en) 2013-10-18 2015-11-10 Abbvie, Inc. Modulated lysine variant species compositions and methods for producing and using the same
US8946395B1 (en) 2013-10-18 2015-02-03 Abbvie Inc. Purification of proteins using hydrophobic interaction chromatography
US9085618B2 (en) 2013-10-18 2015-07-21 Abbvie, Inc. Low acidic species compositions and methods for producing and using the same
WO2015073884A2 (en) 2013-11-15 2015-05-21 Abbvie, Inc. Glycoengineered binding protein compositions
EP3157551B1 (en) 2014-06-23 2023-02-15 Bio-Rad Laboratories, Inc. Apatite in-situ restoration
CN105392569B (zh) 2014-06-23 2019-08-20 生物辐射实验室股份有限公司 磷灰石预处理
GB2528301A (en) * 2014-07-17 2016-01-20 Univ Newcastle Biomolecule separation using apatite
EP3519070A4 (en) * 2016-09-29 2020-05-06 Bio-Rad Laboratories, Inc. AGAROSE-FILLED CERAMIC APATITE
AU2017345490B2 (en) 2016-10-21 2022-07-07 Amgen Inc. Pharmaceutical formulations and methods of making the same
WO2022140389A1 (en) 2020-12-22 2022-06-30 Amgen Inc. Cell culture method

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4745183A (en) * 1984-02-21 1988-05-17 Bio-Rad Laboratories, Inc. Use of hydroxylapatite for the analysis and preparation of purified monoclonal antibodies
DE3738541A1 (de) * 1987-11-13 1989-05-24 Hoechst Ag Verfahren zur isolierung und reinigung von hirudin
JPH0774231B2 (ja) 1986-12-11 1995-08-09 東燃株式会社 抗体の分離方法
US4933286A (en) 1987-03-30 1990-06-12 Plant Cell Research Institute, Inc. Purification of apase-11 and retrieval of the nematode resistance gene
US5115101A (en) * 1988-06-08 1992-05-19 Miles Inc. Removal of protein A from antibody preparations
JPH022937A (ja) 1988-06-17 1990-01-08 Toray Ind Inc 酵素標識抗体の分離精製方法
JPH03139292A (ja) 1989-05-22 1991-06-13 Toray Ind Inc ヒトインタ―ロイキン―6に対するモノクロ―ナル抗体
US5395760A (en) * 1989-09-05 1995-03-07 Immunex Corporation DNA encoding tumor necrosis factor-α and -β receptors
EP1132471A3 (de) * 1989-09-12 2001-11-28 F. Hoffmann-La Roche Ag TNF-bindende Proteine
JPH03291300A (ja) 1989-12-28 1991-12-20 Mitsui Toatsu Chem Inc ポリクローナル抗体の分離方法
GB9007657D0 (en) * 1990-04-04 1990-05-30 Connaught Lab Purification of a pertussis outer membrane protein(omp69)
JPH04368399A (ja) 1991-06-12 1992-12-21 Toagosei Chem Ind Co Ltd 抗体の分離方法
JP2961986B2 (ja) 1991-08-22 1999-10-12 東亞合成株式会社 ポリクローナル抗体の分離精製方法
DE4205938A1 (de) * 1992-02-27 1993-09-02 Medac Klinische Spezialpraep Immunotoxine
JP3178080B2 (ja) 1992-04-28 2001-06-18 チッソ株式会社 抗体の分離精製方法
US5278284A (en) * 1992-05-14 1994-01-11 Miller Brewing Company Protein purification method
US6099830A (en) * 1994-08-09 2000-08-08 Zymogenetics, Inc. Methods for stimulating erythropoiesis using hematopoietic proteins
US5641655A (en) * 1994-11-30 1997-06-24 Zymogenetics, Inc. Methods for producing thrombopoietin polypeptides using a mammalian tissue plasminogen activator secretory peptide
JPH08188599A (ja) 1995-01-09 1996-07-23 Toagosei Co Ltd IgY抗体の分離精製方法
US5744587A (en) * 1995-06-07 1998-04-28 Zymogenetics, Inc. Method for purifying thrombopoietin
PT1864999E (pt) * 1996-11-27 2009-06-25 Genentech Inc Purificação por afinidade de um polipéptido numa matriz de proteína a
DK0998486T4 (da) * 1997-06-13 2012-05-14 Genentech Inc Proteinoprensning ved kromatografi efterfulgt af filtrering på en ladet fase
AU2002359816B2 (en) * 2001-12-21 2006-07-13 Immunex Corporation Methods for purifying protein
WO2003059936A2 (en) * 2002-01-10 2003-07-24 Syngenta Participations Ag Phytophthora Infestans CDC 14 Phosphatase Gene, Protein and Methods of Use

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009532474A (ja) * 2006-04-05 2009-09-10 アボツト・バイオテクノロジー・リミテツド 抗体精製
JP2010501622A (ja) * 2006-08-28 2010-01-21 アレス トレーディング ソシエテ アノニム Fc−融合タンパク質の精製法
JP2011510303A (ja) * 2008-01-18 2011-03-31 バイオ−ラッド ラボラトリーズ インコーポレーティッド アパタイトクロマトグラフィーによるリン酸化生体分子および非リン酸化生体分子の向上した精製法
JP2014210796A (ja) * 2008-09-23 2014-11-13 エフ.ホフマン−ラ ロシュアーゲーF.Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft エリスロポエチンの精製
JP2012502939A (ja) * 2008-09-23 2012-02-02 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー エリスロポエチンの精製
JP2016053077A (ja) * 2008-09-23 2016-04-14 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft エリスロポエチンの精製
JP2013500711A (ja) * 2009-07-31 2013-01-10 バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム 組換えadamts13および他のタンパク質を精製する方法ならびにそれらの組成物
US8945895B2 (en) 2009-07-31 2015-02-03 Baxter International Inc. Methods of purifying recombinant ADAMTS13 and other proteins and compositions thereof
JP2015147815A (ja) * 2009-07-31 2015-08-20 バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニムBaxter Healthcare SA 組換えadamts13および他のタンパク質を精製する方法ならびにそれらの組成物
US11661593B2 (en) 2009-07-31 2023-05-30 Takeda Pharmaceutical Company Limited Methods of purifying recombinant ADAMTS13 and other proteins and compositions thereof
JP2014507368A (ja) * 2011-02-02 2014-03-27 バイオ−ラッド ラボラトリーズ インコーポレーティッド アルカリ溶液でのアパタイトの表面中和方法
JP2014523405A (ja) * 2011-04-28 2014-09-11 バイオ−ラッド ラボラトリーズ インコーポレーティッド 標的分子精製におけるdna除去法
JP2014520814A (ja) * 2011-07-08 2014-08-25 メルク・シャープ・アンド・ドーム・コーポレーション Fc融合タンパク質の精製方法
JP2016513643A (ja) * 2013-03-14 2016-05-16 アムジエン・インコーポレーテツド 漏出したアフィニティ精製リガンドの除去
US11192919B2 (en) 2013-03-14 2021-12-07 Amgen Inc. Removal of leaked affinity purification ligand
US11492372B2 (en) 2013-03-14 2022-11-08 Amgen Inc. Removal of leaked affinity purification ligand

Also Published As

Publication number Publication date
ES2322945T5 (es) 2012-10-17
AU2002359816A1 (en) 2003-07-30
WO2003059935A3 (en) 2003-10-16
ES2322945T3 (es) 2009-07-02
EP1463942B1 (en) 2009-03-18
US7122641B2 (en) 2006-10-17
US20030166869A1 (en) 2003-09-04
EP1463942A2 (en) 2004-10-06
CA2469815A1 (en) 2003-07-24
DE60231651D1 (de) 2009-04-30
MXPA04006053A (es) 2005-03-31
AU2002359816B2 (en) 2006-07-13
CA2469815C (en) 2011-05-03
ATE425989T1 (de) 2009-04-15
JP4363986B2 (ja) 2009-11-11
EP1463942A4 (en) 2005-01-19
US7476722B2 (en) 2009-01-13
PL374311A1 (en) 2005-10-03
US20070010661A1 (en) 2007-01-11
EP1463942B2 (en) 2012-06-20
WO2003059935A2 (en) 2003-07-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4363986B2 (ja) タンパク質の精製方法
EP1687328B1 (en) Process for purifying proteins in a hydrophobic interaction chromatography flow-through fraction
JP6223338B2 (ja) 活性型TNFR−Fc融合タンパク質を製造する方法
US8273707B2 (en) Process for purifying proteins
JP6457479B2 (ja) 漏出したアフィニティ精製リガンドの除去
JP2013234154A (ja) 精製方法
JP2013184919A (ja) 精製方法
JP2013227254A (ja) 精製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071221

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080319

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20080327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080620

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090708

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090804

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090818

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120828

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4363986

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130828

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term