JP4872327B2 - 改質されたインターロイキン−11とその製造方法 - Google Patents

改質されたインターロイキン−11とその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4872327B2
JP4872327B2 JP2005341910A JP2005341910A JP4872327B2 JP 4872327 B2 JP4872327 B2 JP 4872327B2 JP 2005341910 A JP2005341910 A JP 2005341910A JP 2005341910 A JP2005341910 A JP 2005341910A JP 4872327 B2 JP4872327 B2 JP 4872327B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sugar chain
cells
interleukin
modified
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005341910A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006176504A (ja
Inventor
紀男 成瀬
恵海子 佐野
敦弘 城口
雅充 柏木
謹一郎 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2005341910A priority Critical patent/JP4872327B2/ja
Publication of JP2006176504A publication Critical patent/JP2006176504A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4872327B2 publication Critical patent/JP4872327B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

本発明は、造血幹細胞の増殖を誘導する機能等、様々な生理活性を有するインターロイキン-11(IL-11)およびその製造方法、さらにそれを含有する医薬組成物に関する。
IL-11は、アミノ酸178残基からなる糖鎖を持たない単純タンパク質で、マカクザルの骨髄間質細胞株PU34が産生する形質細胞腫増殖刺激因子として1990年に発見され(Paul, S. R., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82, 7512-7516, 1990〔非特許文献1〕)、また、前脂肪細胞から脂肪細胞への分化を抑制する脂肪細胞分化抑制因子(Kawasima, I., et al., FEBS Lett. 283, 199-202, 1991〔非特許文献2〕)として見出された。ヒトIL-11遺伝子は全長7kbにわたり、5つのエクソンと4つのイントロンより構成されている。mRNAサイズは、1.5kbおよび2.5kbであるが、これらはpoly(A)付加シグナルの認識の違いにより生じており、同一の蛋白質をコードしている。IL-11は、元来IL-6様活性をもとにクローニングされたにも拘わらず、DNAレベルあるいは蛋白質レベルのいずれにおいてもIL-6とのホモロジーが認められない。これに対して、IL-11レセプターは、IL-6、LIF、CNTF、OSMなどの共通のシグナルトランスジューサーであるgp130(Yin,T., et al., J. Immunol., 151, 2555-2561, 1993〔非特許文献3〕)およびIL-11レセプターα鎖から構成されている(Hilton, D. J., et al., EMBO J., 13, 4765-4775, 1994〔非特許文献4〕)。細胞内シグナル伝達はJAKチロシンキナーゼ(JAK1, JAK2およびTYK2)、STATおよびRasが関与することが知られている(Taga,T., Annu. Rev. Immunol., 15, 797-819, 1997〔非特許文献5〕)。
IL-11の生物学的作用としては、IL-3, -4, -7, -12, -13, SCF(stem cell factor), Flt3-ligand, GM-CSFと共同で造血幹細胞の増殖を誘導すること、IL-3, TPO(thrombopoietin)あるいはSCFとともに骨髄細胞に作用し、巨核球および血小板の産生を促進すること、単独あるいはIL-3, SCF, EPO(erythropoietin)と協調して赤血球造血を促進すること、骨髄前駆細胞の分化、成熟を促進すること、SCF, IL-4と協調してB細胞分化を促進すること、また、骨髄微小環境において、オートクラインあるいはパラクラインされる増殖因子として働くことが知られている(Du, X. X., and Williams, D. A., Blood, 89, 3897-3908, 1997〔非特許文献6〕)。また、肺胞および気管上皮は特に炎症に伴い多量のIL-11を分泌することから、IL-11の生物学的作用として、呼吸器での炎症反応との関係も示唆されている。そのほかに、肝癌細胞株で急性期タンパク質を誘導させる作用(Baumann, H and Schendel, P., Biol. Chem., 266, 20424-20427, 1991〔非特許文献7〕)や骨芽細胞がIL-11を分泌し、骨芽細胞/破骨細胞両者に働き骨代謝を調節しているとの報告もある。In vitroの生物活性の指標には、サルのPU34細胞株培養上清からIL-11の発見をもたらしたマウスプラズマサイトーマ細胞株(T1165、Nordan, R. P and Potter, M., Science, 233, 566-569, 1986 〔非特許文献8〕)に対する増殖活性がよく用いられている。T1165細胞はIL-6およびIL-11に対し、特異的増殖活性を示す。
このように、多くの生理活性を有するIL-11は、医薬への期待が高まり、近年、悪性腫瘍に対する化学療法で問題視されている血小板減少症に対し、血小板増殖因子としてあるいは炎症性腸疾患などを対象に米国、日本で開発が進められている。米国Genetics Institute社は、1997年に重度血小板減少症の危険が高い、非骨髄性腫瘍患者における骨髄抑制化学療法後の重度血小板減少症の予防と血小板輸血量の減量の適応で組み換えIL-11製剤の販売認可を獲得し、現在、小児を対象とした臨床試験が進行中である。また、Wyeth社では組み換えIL-11の経口製剤を炎症性腸疾患を対象に臨床試験を進めている。また、日本では、山之内製薬がGenetics Institute社から導入した組み換え(大腸菌)IL-11の血小板減少症に対する臨床試験に着手している。
このように医薬への期待が高まるIL-11であるが、IL-11は多くのサイトカインと異なり、システイン残基を欠き、N-グリコシレーションサイトが無いことが特徴的である。このことは、構造的不安定さを示唆しており、血中における安定性にも影響を及ぼすことが考えられている。これに対応して、血中における安定性を向上させるための研究が世界でスタートしている。米国のBolder BioTechnology社は、ポリエチレングリコール化技術を用いて数週間に一回の投与で済むIL-11誘導体の開発について米国国立衛生研究所から中小企業革新研究補助金を得て研究開発に着手している。しかしながら、血中安定性を増すための多くの研究が今後の課題として残されている。
生理活性蛋白質の多くは糖鎖を保有した糖蛋白質である。蛋白質に糖鎖が結合する様式には、Asn-X-Ser/ThrのAsnNH2基にC-N結合でGlcNAcを還元末端とする糖鎖がつくN-結合型糖鎖とSerまたはThrの水酸基にGalNAcがC-O結合でつくO-結合型糖鎖の2つがある。これら糖鎖の機能は大きく2つに分けて考えることができる。1つは安定性の付与、溶解性の調節、分解酵素からの保護などの作用である。これらは医薬の生体内安定性に好ましい特性に繋がるものである。もう一つは情報のキャリアーとしての機能である。細胞間の認識や細胞接着に重要な役割を演じたり、ウイルスや細菌が宿主に感染するときの認識の場になったり、細胞の分化を引き起こしたりすることが明らかにされている。バイオの医薬品であるエリスロポイエチンは、糖鎖の改変により比活性が向上し、糖鎖が生物活性に大きな影響を与えることが示された。
しかしながら、IL-11の機能改質を意図して、IL-11とN型糖鎖またはO型糖鎖を共有結合によって一体化した例は見つからない。また、一般に糖鎖を持たないサイトカインやケモカインに糖鎖を付加したとしても、本来的に有する生理活性を損なうことや、医薬品としての好ましい特性を付与できるか否かは全く不明である。
Paul, S. R., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82, 7512-7516, 1990 Kawasima, I., et al., FEBS Lett. 283, 199-202, 1991 Yin,T., et al., J. Immunol., 151, 2555-2561, 1993 Hilton, D. J., et al., EMBO J., 13, 4765-4775, 1994 Taga,T., Annu. Rev. Immunol., 15, 797-819, 1997 Du, X. X., and Williams, D. A., Blood, 89, 3897-3908, 1997 Baumann, H and Schendel, P., Biol. Chem., 266, 20424-20427, 1991 Nordan, P. N., and Potter, M, Science, 233, 566-569, 1986
そこで、本発明は、IL-11の機能改質を目指し、糖鎖を付加させたIL-11とその製造方法を確立し、これを含む医薬組成物を提供することを目的としている。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、糖鎖付加経路を保有する細胞に、N型糖鎖あるいはO型糖鎖、あるいはN型、O型の組み合わせの付加を受けることができるペプチドをコードするcDNAとIL-11のcDNAを連結した遺伝子を導入することにより、共有結合によって結合した上記糖鎖を分子内に有するIL-11を製造できることを見出し、さらに、これらの糖鎖が付加したIL-11の生物活性が向上していることを確認した。本発明はこのような知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、糖鎖を付加させることにより、機能改質されたIL-11を提供する。糖鎖はN型糖鎖、O型糖鎖及びN型O型の組み合わせからなる糖鎖から選択される。糖鎖を付加させるIL-11には、データベースに示されるシグナルペプチドが切断されたIL-11において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、付加若しくは修飾されたアミノ酸配列からなり、IL-11活性を有し、かつ、糖鎖の付加を受けることができる蛋白質も含まれる。
本発明のIL-11においては糖鎖付加によって高次構造が大きく変化しない部位か、N末あるいはC末近傍に糖鎖が結合しているのが好ましい。
また、本発明は、N型糖鎖、O型糖鎖及びN型O型の組み合わせからなる糖鎖を付加させることにより改質されたIL-11の製造方法で以下の工程を含むことを特徴とする。
(1)糖鎖の付加を受けることができるペプチドをコードするcDNAとIL-11をコードするcDNAを連結する工程
(2)当該連結cDNAを発現ベクターに組み込む工程
(3)当該発現ベクターを糖鎖付加経路を有する宿主細胞に導入する工程
(4)当該宿主細胞において、糖鎖付加を受けることができるペプチドを介して糖鎖を付加したIL-11を発現させる工程
(5)当該宿主細胞において発現された糖鎖を付加したIL-11を単離・精製する工程
また、本発明は、糖鎖を付加させることにより改質されたIL-11の製造方法であって、糖鎖を化学的結合法によりIL-11に結合させる工程を含むことを特徴とする。糖鎖はN型糖鎖、O型糖鎖及びN型O型の組み合わせからなる糖鎖が選択される。さらに、本発明は、糖鎖を付加させることにより改質された前記のIL-11を有効成分として含有する医薬組成物を提供する。また、本発明の技術的思想は、IL-11と同様に糖鎖を持たないIL-6ファミリーサイトカインであるCNTFなどにも適用される幅広い応用が可能である。
本発明によれば、IL-11が本来的に有している様々な生理活性が改質されたインターロイキン-11を提供することができる。また、本発明によれば、高機能化IL-11を有効成分として含み、従来のIL-11を有効成分として含有する医薬組成物と比較して優れた薬効を示す医薬組成物を提供することができる。
さらに、本発明によれば、IL-11が本来的に有している様々な生理活性が向上した改質されたインターロイキン-11の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る改質されたインターロイキン-11(以下、改質されたIL-11)は、IL-11の所定の領域に糖鎖が付加、好ましくは共有結合によって付加され、IL-11が本来有する生理活性が向上したものである。本発明において、改質されたとは、IL-11が本来的に有する生物活性が向上したことを意味する。また、改質されたとは、生体内における分解酵素からの保護作用と親水性の付与による生体安定性が増強されることも意味する。
本発明において、糖鎖の結合対象であるIL-11としては、IL-11として知られている蛋白質であれば何ら限定することなく適用することができる。IL-11の一例として、ヒト由来IL-11のアミノ酸配列を配列番号2、ヒト由来IL-11をコードするcDNAの塩基配列を配列番号1に挙げる。なお、本発明に係る高機能化IL-11は、配列番号2に記載されたアミノ酸配列からなる蛋白質に限定されず、糖鎖の付加を受けることができるペプチド及びシグナルペプチドを有する蛋白質であっても良い。なお、シグナルペプチドとは、所定の蛋白質のアミノ末端に存在する分泌のためのペプチド配列であって、当該蛋白質が細胞から分泌される際に機能する。本発明に係る改質されたIL-11は、初めからシグナルペプチドを欠損する形で製造してもその有用性には変化がない。糖鎖の付加を受けることができるペプチドについては後述する。
また、IL-11としては、配列番号2のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、付加若しくは修飾されたアミノ酸配列からなり、IL-11活性を有する蛋白質も含まれる。ここで、数個のアミノ酸とは、2〜10個のアミノ酸を意味する
さらに、IL-11のcDNAは、日本DNAデータバンク(DDBJ)など遺伝子バンクに登録された配列から適当なプライマーを設計し、当該動物の当該組織のmRNAよりRT-PCRを行うことにより取得できる。
ここで、糖鎖は、N型糖鎖、O型糖鎖及びN型O型の組み合わせからなる糖鎖のいずれであっても良い。N型糖鎖とは、蛋白質の一次構造に対するアスパラギン残基に結合したN-アセチルガラクトサミンを起点として伸長する多様な糖鎖構造を総称するものであり、例えば、Asn-X-Ser/ThrのAsnNH2基にC-N結合を介して結合したGlcNAcを還元末端とする糖鎖を挙げることができる。すなわち、N型糖鎖の付加を受けることが知られているペプチドの例として、Asn-X-Thr、Asn-X-Ser(配列中、Xはプロリン以外の任意のアミノ酸である。)が挙げられる。
また、O型糖鎖とは、蛋白質の一次構造に存在するセリン残基またはスレオニン残基に結合したN-アセチルガラクトサミンを起点として伸長する多様な糖鎖構造を総称するものであり、例えば、SerまたはThrの水酸基にGalNAcがC-O結合を介して結合した糖鎖を挙げることができる。すなわち、O型糖鎖の付加を受けることが知られているペプチドの例として、Ala-Thr-Pro-Ala-Proが挙げられる。
糖鎖を糖鎖の付加を受けることができるペプチド配列に結合した場合には、本発明に係る改質されたIL-11は、IL-11のアミノ酸配列に加えて当該ペプチド配列を有するものとなる。改質されたIL-11を製造するには、まず、糖鎖の付加を受けることができるペプチドをコードするcDNAとIL-11をコードするcDNAとを連結し、これを適切な発現ベクターに組み込み、当該発現ベクターを糖鎖付加経路を有する宿主細胞に導入して、糖鎖付加型IL-11蛋白質を発現させれば良い。より具体的に、N型糖鎖付加型の改質されたIL-11を製造するには、まず、IL-11のcDNAをN型糖鎖の付加を受けることが知られているペプチドをコードするcDNAと連結し、これを適切な宿主細胞発現ベクターに組み込む。さらに、当該ベクターを宿主細胞に導入し、N型糖鎖付加型の改質されたIL-11を発現させれば良い。O型糖鎖付加型IL-11蛋白質を製造するには、まず、IL-11のcDNAをO型糖鎖の付加を受けることが知られているペプチドをコードするcDNAと連結し、これを適切な宿主細胞発現ベクターに組み込む。さらに、当該ベクターを宿主細胞に導入し、O型糖鎖付加型IL-11蛋白質を発現させれば良い。
また、本発明に係る改質されたIL-11には、糖鎖の付加を受けることができるペプチド配列を蛋白質の高次構造が大きく変化しない部位あるいは一次構造の末端近傍に結合させたものが含まれるが、これらに限定されるものではない。なお、本発明に係る改質されたIL-11は、糖鎖の付加を受けることができるペプチドを複数の部位に導入したものであってもよい。
ここで、立体構造が大きく変化しない部位とは、IL-11を構成するアミノ酸配列において、114番目(アラニン)と115番目(グリシン)の間及び160番目(プロリン)と161番目(ロイシン)の間を挙げることができる。また、一次構造の末端近傍としては、N末端、特にIL-11を構成するアミノ酸配列において、22番目(プロリン)と23番目(グリシン)の間を挙げることができる。
本発明に係る糖鎖付加型の改質されたIL-11の製造方法の一例を以下に説明する。
まず、分泌シグナルおよび糖鎖の付加を受けることが知られているペプチドをコードするオリゴヌクレオチドを合成し、あるいはPCR反応によって増幅し、これをIL-11をコードするプラスミドの所望の位置(例えば5‘末端)に組み込む。分泌シグナルおよび糖鎖の付加を受けることが知られているペプチドとしては、典型的な分泌型糖蛋白質のアミノ末端を利用することができる。IL-11蛋白質をコードするプラスミドはIL-11蛋白質をコードするDNAを適当なプラスミドに組み込むことにより調製することができる。このIL-11蛋白質をコードするDNAを組み込むプラスミドとしては、宿主内で複製保持されるものであれば、いずれも使用することができるが、例えば大腸菌由来のpBR322, pUC18,およびこれらを基に構築されたpET-3cなどを挙げることができる。
IL-11蛋白質をコードするプラスミドに上記のオリゴヌクレオチドを組み込む方法としては、例えばT.Maniatisらにより紹介された方法(Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory, p239, 1982)がある。上記のようにして作製したプラスミドから、分泌シグナル、糖鎖の付加を受けることが知られているペプチドおよびIL-11蛋白質をコードする塩基配列を含む領域を切り出し、これを発現に適したベクター中のプロモーターの下流に連結することにより、発現型ベクターを得ることができる。
上記の糖鎖付加型IL-11蛋白質をコードする塩基配列を含む領域は5’末端に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また、3’末端には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有しても良い。さらに、該コーデイング領域にコードされている蛋白質を発現させるには、その上流にプロモーターを接続する必要がある。本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応した適切なプロモーターであればいかなるものでも用いることが出来る。形質転換する宿主が枯草菌である場合には、SP01, SP02, penPプロモーターなどがあり、酵母ではPH05, PGK, GAP, ADHプロモーターなどが挙げられる。また、動物細胞ではSV40由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモーターが挙げられる。
宿主細胞としては、糖鎖付加経路を有するものであれば、いかなるものでも良く、枯草菌(例えば、Bacillus subtilis DB105)、酵母(例えば、Pichia pasto ris、Saccharomyces cerevisiae)、動物細胞(例えば、COS、CHO、KB、293、BHK、NIH3T3、BALB/c3T3、臍帯静脈内皮細胞)、昆虫細胞(例えば、Sf9、Tn細胞)などが挙げられるが、本発明に係る改質されたIL-11を医薬組成物としてヒトに投与する目的で大量培養をおこなう場合、動物細胞を用いて製造することが好ましい。
上記の形質転換は、それぞれの宿主について一般的に行われている方法あるいは適応可能な方法であれば良い。例えば、宿主が酵母であれば、リチウム法などで作製したコンピテント細胞に組み換えDNAを含むたベクターを温度ショック法あるいはエレクトロポレーション法により導入する。宿主が動物細胞であれば、増殖期等の細胞に組み換えDNAを含むベクターをリン酸カルシウム法、リポフェクション法あるいはエレクトロポレーション法により導入する。
このようにして得られた形質転換体は、それぞれの宿主に一般的に用いられている培地、あるいは適用可能な培養液を用いて培養することにより、糖鎖付加型IL-11蛋白質を産生することができる。宿主が酵母であればYPD培地などを用い、動物細胞であればDulbecco’s MEMにウシ胎児血清を加えた培養液を用いる。培養は、それぞれの宿主について一般的に用いられている条件あるいは適用可能な条件であれば良い。例えば、宿主が酵母であれば、約25〜37℃で、約12時間〜2週間行い、必要により、通気や撹拌を加えることができる。動物細胞の場合は、37℃で、5%炭酸ガス、100%湿度の条件で約24時間〜2週間行い、必要により、気相の条件を変えたり撹拌を加えることが出来る。
細胞から得られた糖鎖付加型IL-11の生物活性は、IL-11およびIL-6により特異的な増殖を示すマウスプラズマサイトーマ細胞株T1165細胞あるいはマウスハイブリドーマ細胞株7TD細胞を用いてその増殖活性を調べることにより測定することが出来る。具体的には、24穴プレートや96穴プレートに接種したT1165や7TD1細胞に、糖鎖付加型IL-11標品などを処理し、3〜5日後の細胞数をコールターカウンターでそのまま測定するかMTT法をなどにより吸光度測定から細胞増殖活性を測定することができる。
糖鎖付加により改質されたIL-11を医薬に活用するには、ヒトに投与して抗原性を持たないことが重要であり、ヒト正常細胞に近い糖鎖付加機能を有した動物細胞を宿主に用いるのが好ましい。各種動物細胞の糖鎖付加経路はそれぞれに異なっており、細胞毎に付加される糖鎖が異なることが知られているが、CHO細胞が付加する糖鎖構造がヒト正常細胞が発現する糖鎖構造に最も類似していることから、有用糖蛋白質の生産にはCHO細胞の染色体に遺伝子を組み込み、構成的に生産させる方法が好ましく活用されている。
動物細胞を用いた糖鎖付加型IL-11の医薬のための商品化には、動物細胞の大量高密度培養が必須となる。動物細胞の高密度細胞培養方法には、マイクロキャリアー培養法、細胞固定用デイスクを用いたバイオリアクター、多段式培養装置やローラーボトルを用いる方法、中空糸モジュールを用いた培養システム、浮遊細胞のサスペンジョンカルチャー、マイクロカプセルに細胞を固定化培養する方法などがあるが、本発明の糖鎖付加型IL-11遺伝子を導入した細胞の大量培養には、接着依存性細胞の大量培養に最も適したマイクロキャリアー法を用いるのが望ましい。
マイクロキャリアー培養では、200mLスケールの培養瓶1本で内径100mmのシャーレの100枚分に相当する細胞数が得られ、しかも単位液量当たりの細胞数は約4倍の高密度培養を達成できる接着依存性細胞の大量培養化に理想的な方法である。マイクロキャリアーとしては、マトリックス素材はコラーゲン、ゼラチン、セルロース、架橋デキストラン、ポリスチレンのような合成樹脂からなり、荷電基としてジメチルアミノプロピル、ジメチルアミノエチル、トリメチルハイドロキシアミノプロピル、負電荷が付加されているものが好ましく用いられる。また、マトリックス素材をコラーゲンやゼラチンでコートしたものも使用される。市販品としては、架橋デキストランにジメチルアミノエチルを付加した“Cytodex-1、ファルマシア社”、”Cytodex-3、ファルマシア社”がある。
中空糸としては、修飾セルロースを使用したものがある(”Vitafiber”、アミコン社)。マイクロカプセルは水透過性のあるゲルを形成するコラーゲンやアルギン酸ソーダを用いて、内部に細胞を包埋して作製する方法が知られている(A.Klausner,Bio/Technol.,1,736, 1983)。
マイクロキャリアーの小スケール培養は、500mL用スピナーフラスコに0.3w/v%のマイクロキャリアーを含む200mLのPBS(-)を入れ、高圧蒸気滅菌(121℃、20分)したあと、200mLの培養液(10%ウシ胎児血清添加)に培地交換し、細胞を約2×105個/mL接種して培養を開始する。二日毎に培地交換し、細胞をマイクロキャリアー上にコンフルエントに増殖させる。改質されたIL-11を構成的に産生するように染色体に遺伝子を組み込んだ組み換えCHO細胞では、細胞がコンフルエントに増殖後、無血清培地あるいは低血清培地に培地交換し、2〜3日毎に糖鎖付加型IL-11を含む培養上清を回収し、細胞がマイクロキャリアーから脱落するまで培養を継続する。一過性の発現を行うには、COS7、KB、CHO、293細胞などをマイクロキャリアー上に増殖させ、無血清条件下でリポフェクション試薬と混合したDNAを4時間程度処理し、無血清培地に培地交換して産生のための培養を開始する。培養液は2〜3日毎に回収し、2〜3回のハーベストが可能である。
改質されたIL-11蛋白質は、培養液中に放出されたものを、遠心分離後、上清を精製することにより、上記のような遺伝子導入細胞の培養液から単離することができる。精製には公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行うことができる。これらの方法としては、塩析、溶媒沈殿、透析、限外濾過、ゲル濾過、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニテイークロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、等電点電気泳動などがある。本発明に係る糖鎖付加型IL-11の精製初段には、操作が簡便で大量原液にも対応でき、回収率および精製純度も上げられる担体を用いるのが好ましく、ハイドロキシアパタイト担体、シリカ担体、ブルーセファロース担体などを用いることができるがこれらに限定されない。さらにこれら担体や陽イオン交換担体、ゲル濾過などを組み合わせることにより、改質された糖鎖付加型IL-11の精製標品を高純度に、かつ高収率で得ることができる。
このようにして得られた改質された化IL-11標品は、透析、凍結乾燥を行い、乾燥粉末にすることもできる。さらに、容器への吸着を防ぐ担体として、血清アルブミンなどを添加したり、標品の酸化を防止するために精製過程、保存過程に微量の還元剤(β―メルカプトエタノール、ジチオスレイトール、グルタチオンなど)を添加することも可能である。
本発明の改質されたIL-11は、生物学的方法または化学的合成法あるいはこれらの適宜組み合わせた方法により、製造することもできる。その際、糖鎖末端に適当な蛋白質結合用残基を導入しておくこともできる。例えば、完成された糖鎖の還元末端を還元あるいは部分酸化することによりアルデヒド基を形成し、これを蛋白質の中のアミノ基と結合させて糖鎖と蛋白質の結合を完成させることができる。また、単糖の還元末端、あるいは単糖に結合した適当な蛋白質結合用の残基を還元および部分酸化することによりアルデヒドを基を形成し、これを蛋白質中のアミノ基と結合させることもできる。この単糖の水酸基などの官能基にさらなる糖鎖や単糖を結合させることにより糖鎖を完成させることもできる。
糖鎖を付加させた改質されたIL-11蛋白質は医薬として利用可能である。IL-11には、他のサイトカイン(IL-3、-4、-7、-12、-13、SCF、Flt-3 ligand、GM-CSFなど)と協調して造血幹細胞の増殖を誘導する作用や、IL-3、TPO、SCFなどと共に骨髄細胞に作用し、巨核球および血小板の産生を促進する作用、赤芽球系前駆細胞に作用して赤血球造血を促進する作用、骨髄前駆細胞の分化、成熟を促進する作用、SCFやIL-4と協調してB細胞分化を促進する作用など造血系に多くの作用を有している。また、肺胞や気管の上皮系細胞の炎症反応に深い関わりがあることや骨代謝や神経系にも細胞増殖や代謝を調節していることが報告されている。これら作用はいずれも医薬への展開の可能性を示しており、改質されたIL-11は、より高機能化され、生体内安定性にも寄与することが考えられる。
上記のようにして得られた本発明に係る改質されたIL-11蛋白質は、医薬的に許容できる溶剤、賦形剤、担体、補助剤などを使用し、製剤化の常法に従って液剤、ローション剤、エアゾール剤、注射剤、散剤、顆粒剤、錠剤、座剤、腸溶剤およびカプセル剤などの医薬組成物としても良い。該医薬組成物は、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコなどの哺乳動物に対して非経口的あるいは経口的に安全に投与することができる。本医薬組成物の投与量は、剤形、投与ルート、症状などにより適宜変更しうる。
より具体的に、本発明に係る高機能化IL-11を有効成分として含有する医薬組成物は、癌疾患における化学療法剤投与後の骨髄抑制に伴う重度血小板減少症、放射線療法後や骨髄移植後の血小板回復、再生不良性貧血、あるいは骨形成促進薬などといった疾患の治療に効果的である。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
ヒトIL-11をコードする遺伝子断片をPCRにより増幅し、BstX1リンカーを付加した。これをBstX1制限酵素処理により切断したプラスミドベクターSRα BX3とライゲーションさせた。得られたプラスミドを用いてコンピテントセルJM109を形質転換し、アンピシリンによるスクリーニングを経てpSRα hIL-11を得た(図1)。なお、本例で使用したヒトIL-11をコードする遺伝子の塩基配列を配列番号1に、当該遺伝子によりコードされるヒトIL-11のアミノ酸配列を配列番号2に示す。
また、得られたpSRα hIL-11プラスミドのIL-11の5’末端から22番目のアミノ酸残基であるプロリンをコードするコドンの次に、N型糖鎖付加を受けることのできるペプチドをコードしたNAS配列(AACGCCTCC)をPCRにより挿入し、pSRα N(NAS)hIL-11を得た。NAS配列を導入した遺伝子の塩基配列を配列番号3に、当該遺伝子によりコードされるIL-11のアミノ酸配列を配列番号4に示す。
さらに、得られたpSRα hIL-11プラスミドのIL-11の3’末端にNAS配列(AACGCCTCC)をPCRにより挿入し、pSRα C(NAS)hIL-11を得た。NAS配列を導入した遺伝子の塩基配列を配列番号5に、当該遺伝子によりコードされるIL-11のアミノ酸配列を配列番号6に示す。
〔実施例2〕
実施例1で得られたプラスミドpSRαhIL-11、pSRαN(NAS)hIL-11およびpSRαC(NAS)hIL-11を用いてCOS7細胞を形質転換し、発現パターンを調べた。6穴プレートを用いてCOS7細胞をダルベッコーMEMにウシ胎児血清10%を含む培養液を用いて80%コンフルエントになるように細胞を接種し、翌日、無血清培地Opti-MEM-1(GIBCO)に培地交換し、対照プラスミド、pSRαhIL-11、pSRαN(NAS)hIL-11若しくはpSRαC(NAS)hIL-115μgを15μLのリポフェクション試薬(Lipofectoamine 2000, Invitrogen)と共に各ウエルに添加し、4時間後に2mLの無血清Opti MEM-1あるいは1%ウシ胎児血清を含むOpti MEM-1に培地交換した。2日毎に培地交換を繰り返し、培養液をハーベストしてELISAキット(R&D Systems)で発現量を測定した。結果を表1に示した。
Figure 0004872327
〔実施例3〕
実施例1で得られたプラスミドpSRαhIL-11、pSRαN(NAS)hIL-11およびpSRαC(NAS)hIL-11の各種動物細胞での各種IL-11蛋白質の発現を調べた。6穴プレートを用い、COS7、KB、293細胞はダルベッコーMEMを用いて、CHOdhfr(-)細胞は核酸物質を含有したαMEMを用いて、それぞれウシ胎児血清10%を添加して80%コンフルエントになるように接種した。翌日、これら細胞のウエルを2種類に分け、無血清培地Opti-MEM-1(GIBCO)(グルコース含量1g/L)とさらに3g/Lのグルコースを添加したOpti-MEM1に培地交換し、対照プラスミドおよびN末あるいはC末にN型糖鎖結合サイトを導入したプラスミドDNAのそれぞれ5μgを15μLのリポフェクション試薬(Lipofectoamine 2000, Invitrogen)と共に各ウエルに添加した。4時間後に2mLの無血清Opti MEM-1に培地交換し、3日めに培養上清をハーベストし、ELISAキット(R&D Systems)を用いて発現量を測定比較した。結果を表2に示した。
Figure 0004872327
〔実施例4〕
本例では、実施例3で調製した各種細胞で発現したIL-11および糖鎖付加型IL-11を検出した。先ず、各種細胞の培養上清をタンパク質サンプルとし、SDS-PAGEにかけたのちウエスタンブロッティングを行い、ゲルからPVDFメンブレンに転写した。メンブレンを1μg/mLの一次抗体(SIGMA Anti-IL-11 cat.#I5270)、0.2μg/mLの二次抗体(VECTOR PEROXIDASE ANTI-GOAT IgG(H+L) cat.#PI-9500)によりIL-11標識し、ECL plus Western Blotting Detection Reagents(Amersham Biosciences cat.#RPN2132)を用いて化学発色させた。Tyhoon9400(Amersham Biosciences)によって解析を行なった。
サンプルは各種細胞でIL-11のみを発現させたものを(W)で示し、NAS配列をN末側(アミノ酸配列22と23番目の間)に導入したものをN-NAS、C末側に導入したものをC-NASとした。また、培養上清は培地のグルコース含量が1g/Lのものを(G1)で示し、4g/Lのものを(G4)で示した(図2)。図2において、(A)はCOS7細胞を用いた系の結果を示し、(B)は293細胞を用いた系の結果を示し、(C)はKB細胞を用いた系の結果を示し、(D)はCHOdhfr(-)細胞を用いた系の結果を示している。
図2に示した結果より、NAS配列をN末側に導入したIL-11においては、糖鎖が付加されたIL-11が発現していることが明らかとなった。
〔実施例5〕
COS7細胞で発現されたIL-11および糖鎖付加型IL-11をタンパク質サンプルとし、これをSDS-PAGEにかけたのちウエスタンブロッティングを行い、ゲルからPVDFメンブレンに転写した。メンブレンを、ECL glycoprotein detection system(Amersham Biociences cat.#RPN2190)により糖タンパク質標識し、ECL plus Western Blotting Detection Reagents(Amersham Biosciences cat.#RPN2132)を用いて化学発色させた。Tyhoon9400 (Amersham Biosciences)によって解析を行なった。
サンプルはIL-11のみを発現させたものを(W)、NAS配列をN末側に導入したものをN-NASとした(図3)。図3に示した結果より、NAS配列をN末側に導入したIL-11においては、糖鎖が付加されていることが明らかとなった。
〔実施例6〕
本実施例では、pSRαhIL-11、pSRαN(NAS)hIL-11を導入した各種細胞由来IL-11蛋白質のマウスプラズマサイトーマ(T1165)に対する増殖活性を24穴プレートを用いて調べた。マウスプラズマサイトーマ細胞株T1165は、IL-11およびIL-6特異的に増殖することが知られている細胞である。
RPMI1640培地にウシ胎児血清10%と10ng/mLの精製hIL-11を添加した培養液で培養したT1165細胞を、IL-11不含の培養液で洗浄後、ウエル当たり約1万個接種した。COS7、293、KB、CHOdhfr(-)細胞から得られた各種IL-11蛋白質を0.001から100 ng/mLの濃度で細胞に処理し、4日目の細胞数をコールターカウンター(コールター社)で測定した。1濃度につき4ウエルの実験を行い平均値および標準誤差をグラフに示した(図4)。
図4に示した結果より、IL-11のN末端に糖鎖を付加した場合には、野生型のIL-11と比較して、より優れた細胞増殖効果を発揮することが明らかとなった。この結果より、N末端に糖鎖を付加したIL-11は、野生型のIL-11と比較して高機能化していることが実証された。
〔実施例7〕
本実施例では、pSRαhIL-11、pSRαN(NAS)hIL-11をCOS7細胞に導入し、得られたIL-11蛋白質のマウスプラズマサイトーマ細胞(T1165)に対する増殖促進活性のタイムコースを調べた。RPMI1640培地にウシ胎児血清10%と10ng/mLの精製hIL-11を添加した培養液で培養したT1165細胞を、IL-11不含の培養液で洗浄後、ウエル当たり約1万個接種した。各種IL-11の10ng/mLを細胞に処理し5日間の増殖パターンを比較した。細胞数はコールターカウンター(コールター社)を用い、それぞれ日数ごとに4ウエルをカウントし、平均値および標準誤差を求めた(図5)。
図5に示した結果より、IL-11のN末端に糖鎖を付加した場合には、野生型のIL-11と比較して、より優れた細胞増殖効果を発揮することが明らかとなった。この結果より、N末端に糖鎖を付加したIL-11は、野生型のIL-11と比較して高機能化していることが実証された。
〔実施例8〕
実施例1で構築したベクターpSRα-hIL-11およびV5-Histidine 配列を有したベクターpcDNA6/V5-His-B-hIL-11を改変し、新たにN型糖鎖付加配列としてNASの3アミノ酸、あるいはO型糖鎖付加配列としてAAATPAPGの8アミノ酸をIL-11の配列の各所に融合させた融合蛋白質を設計し、表3に示したような発現ベクターを構築した。
Figure 0004872327
〔実施例9〕
実施例8で構築された改変ベクターを実施例2に示した方法に従ってCOS-7およびCHOdhfr-細胞に導入し一過性発現させ、これらの細胞から各ベクター由来のIL-11の改変体16種を得た。改変ベクターとそれら由来の蛋白質の名称を表4に示した。得られた蛋白質の確認のために、実施例4に示された方法に従って改変体のウエスタンブロッテイング解析を行った結果を図6に示した。
Figure 0004872327
図6に示した結果より、N型およびO型糖鎖付加アミノ酸配列をコードする配列をIL-11の配列の各所に結合させた改変ベクターを細胞に導入することにより、発現した蛋白質にはいずれも糖鎖が付加することが判明した。糖鎖付加はIL-11アミノ酸配列の22-23、114-115、160-161番目に糖鎖付加アミノ酸配列が融合した蛋白質に顕著に観察された。
〔実施例10〕
実施例9で得られたIL-11改変体の細胞増殖促進活性をマウスプラズマサイトーマ(T1165)を用いて野生型(W)蛋白質と比較検討した。24穴プレートにウエル当たり1万個の細胞を接種し、実施例6に示した方法に従って細胞を培養した。4日後の細胞数をコールターカウンターで測定し、図7に結果を示した。
図7に示した結果より、糖鎖が付加したIL-11改変体の細胞増殖促進活性は、野生型IL-11と比較してより優れていることが実証された。また、実施例9で示したウエスタンブロッテイングのバンドのパターンに相関して、IL-11のアミノ酸配列の22-23、114-115、160-161番目の間に糖鎖付加ペプチドを融合した改変体は、C末端に糖鎖付加ペプチドを融合させた改変体より強い増殖活性を持つことが明らかにされた。
〔実施例11〕
本実施例では、pcDNA6/V5-His-B-IL-11、pcDNA6/V5-His-B-N-NAS-hIL-11、pcDNA6/V5-His-B-N-2NAS-hIL-11、pcDNA6/V5-His-N-3NAS-hIL-11の各種プラスミドをCOS7細胞に導入し、得られたN末に1-3個のN型糖鎖を導入したIL-11蛋白質の細胞増殖促進活性をマウスプラズマサイトーマ細胞(T1165)を用いて比較検討した。これらプラスミドを実施例3に示した方法で細胞に導入し、Histidineタグが付加された各種IL-11を得た。Histidineタグの付加による生物活性の低下はないことが確認されている。T1165細胞をIL-11不含の培養液で洗浄し、24穴プレートにウエル当たり1万個の細胞を接種した。各ウエルに0.001-10 ng/mLの濃度の各種IL-11を加え、4日間培養を行った。増殖した細胞数をコールターカウンター(コールター社)を用い、各濃度毎に4ウエルをカウントし、平均値と標準誤差を求め、図8のグラフに示した。また、これらIL-11による細胞増殖活性のED50値を求め、表5に示した。各種IL-11添加細胞数からIL-11不含の細胞数を引き、IL-11不含の細胞数を0%、細胞数の最大値を100%にして50%の増殖を示すIL-11の濃度をED50値として示した。
Figure 0004872327
図8及び表5に示した結果より、IL-11のN末端にN型糖鎖を複数付加する事により細胞増殖活性が増強することが判明した。
〔実施例12〕
本実施例では、改質されたIL-11を構成的に産生するCHO細胞株を樹立し、マイクロキャリアー培養法を用いて培養し、精製用原液の大量調製を行った結果を示した。
実施例1で得られたプラスミドpSRα-hIL-11およびpSRαN-NAS-hIL-11をマウスdhfr遺伝子が挿入されたプラスミドpAdD26SV(A)-3と共に、Scahillらの方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80, 4654-4658, 1983)に従ってCHOdhfr-細胞に遺伝子導入した。10%FCSを添加した核酸不含のα-MEMで細胞のスクリーニングを行い、0.01〜1μMのメソトレキセートで遺伝子の増幅を行い、野生型IL-11 (W) およびN末にN型糖鎖が導入されたN-NAS- IL-11を構成的に産生するCHO細胞株を得た。これら細胞をすでに我々が確立したマイクロキャリアー培養法(E. Sano et al., Cell StrucT. Funct. 13, 143-159, 1988)を用いて培養し、それぞれ無血清精製用粗原液10リットルを得た。マイクロキャリアー培養は、0.3 w/v %の濃度にPBS(-)でマイクロキャリアー担体、Cytodex-3(ファルマシア)200 mLを500 mL用スピナーフラスコに調製し、平面培養で増殖させた4 x 107個の細胞を接種し、回転数100-150 rpmで撹拌培養した。増殖用培養液はα-MEMにFCS10% およびMTX 1 μMを加えたものを用い、コンフルエントに増殖した時の細胞数は1.5-2.0 x 108 個/フラスコであった。細胞がコンフルエントに増殖後、グルコースを1 g/Lの割合で添加した無血清培地(α-MEM)に培地交換し、2〜3日毎に培地交換を繰り返し培養上清をハーベストした。図9にマイクロキャリアー培養における細胞の増殖とIL-11の産生量を示した。図9における(a)は細胞増殖を示す特性図であり、図9における(b)はIL-11の産生量を示す特性図である。
〔実施例13〕
本実施例では、糖鎖付加型IL-11改変体 (N-NAS)の精製を行うにあたり、操作性、回収率の優れた初段クロマトグラフィーに用いる担体をスクリーニングした結果を示した。担体として陽イオン交換担体(HiTrap SP HP, Amersham Bioscience), ハイドロキシアパタイト担体(Bio-Gel HTP Hydroxyapatite, Bio-Rad)、シリカ担体(Micro Bead Silica Gel 5D 100-200 mesh, Fuji-Davison Chemical)、ブルーセファロース担体(Blue Sepharose 6 Fast Flow, Amersham)、ヘパリン担体(Heparin Sepharose CL-6B, Pharmacia)、金属キレート担体などの検討を行った。表6に陽イオン交換体、シリカ担体、ブルーセファロース担体、ハイドロキシアパタイト担体についての結果をまとめた。
Figure 0004872327
IL-11改変体量はELISAキット(Quantikine Human IL-11 Immunoassay, R&D)を用いて測定した。蛋白質量の測定はDC Protein Assayキット(Bio-Rad)を用いた。
表6に示した結果より、初段クロマトグラフィー担体には、ハイドロキシアパタイトが最も回収率が高く精製に適したものであることが明らかになった。
〔実施例14〕
本実施例では、糖鎖付加型IL-11の精製法として確立したハイドロキシアパタイト担体およびシリカ担体あるいはブルーセファロース担体を用いた精製法について示した。実施例12に示した方法に従い精製用原液を調製した。精製原液をハイドロキシアパタイトカラム(Bio-Gel HTP Hydroxyapatite, Bio-Rad)にアプライし、フロースルーを集め、2段目のシリカ担体(Micro Bead Silica Gel 5D, Fuji Davison Chemical)あるいはブルーセファロース担体(Blue Sepharose 6 Fast Flow, Amersham)にアプライし、それぞれ20mMPB, PBS(-)で洗浄後、15mMHCl-50%EG, 20mMPB-1MnaCl-50%EGで溶出した。表7および表8にハイドロキシアパタイト/シリカ、ハイドロキシアパタイト/ブルーセファロースによる精製の結果をまとめた。また、各精製画分についてSDS-PAGE電気泳動を行い、銀染色およびウエスタンブロッテイングを行った結果を図10及び11に示した。図10および図11の結果から、上記いずれの精製フローによっても銀染色で糖鎖付きIL-11が単一バンドに精製されることが判明した。
Figure 0004872327
Figure 0004872327
〔実施例15〕
本実施例では、野生型IL-11の精製法として確立したイオン交換クロマトグラフィーおよびゲル濾過を用いた精製法について示した。実施例11に示した方法に従いCHOdhfr-細胞にIL-11(wild)発現ベクターおよびdhfr発現ベクターを導入し、構成的に野生型IL-11を産生する細胞株を得た。マイクロキャリアー培養法を用いて精製用培養上清を集めた。培養上清400 mLをNMWL 10,000の限外濾過フィルターを用いて25 mlに濃縮し、リン酸バッファ(30 mM, pH 7.2)で10倍希釈した(バッファ置換)。
バッファ置換後の培養上清を陽イオン交換カラム(Amersham Biosciences HiTrap SP HPカラム)に通じ、NaClの濃度勾配を用いて5mlずつ分画した(図12)。なお、図12における(A)はウエスタンブロッテイングによりPVDF膜に転写された蛋白質をCBBで染色した結果を示す写真であり、図12における(B)は抗IL-11抗体で染色した結果を示す写真である。
SPカラム画分4(図12(A)及び(B)におけるレーン8)をゲル濾過カラム(Amersham Biosciences HiLoad 26/60 Superdex 75)を用いて5 mlずつ分画した。各画分について、ドットブロッティングによってIL-11の存在を調べた(図省略)。
IL-11を含むと考えられる画分についてSDS-PAGEを行い、銀染色およびウエスタンブロッテイングによってIL-11の存在を確認した(図13)。なお、図13における(A)は銀染色の結果を示す写真であり、図13における(B)は抗IL-11抗体で染色した結果を示す写真である。図13に示す結果より、IL-11が銀染色レベルで単一バンドとなる程度に精製されたことが判った。
また、培養上清およびバッファ置換後の培養上清、ゲル濾過カラム画分20+21混合液(図13におけるレーン4及び5)についてELISAによってIL-11の濃度を測定し、回収率を求めた(表9)。
Figure 0004872327
哺乳類細胞発現用pSRαhIL-11プラスミドのマップ示す。 pSRαhIL-11、pSRαN(NAS)hIL-11、pSRαC(NAS)hIL-11を導入した各種動物細胞から得られた各種IL-11蛋白質のウエスタンブロッティングによる解析パターンを示す。 pSRαhIL-11、pSRαN(NAS)hIL-11を導入したCOS7細胞から得られたIL-11蛋白質の糖鎖の検出結果を示す。 pSRαhIL-11、pSRαN(NAS)hIL-11を各種動物細胞に導入し、得られたIL-11蛋白質のマウスプラズマサイトーマ細胞(T1165)に対する増殖活性(濃度依存性)を調べた結果を示す。 pSRαhIL-11、pSRαN(NAS)hIL-11をCOS7細胞に導入し、得られたIL-11蛋白質のマウスプラズマサイトーマ細胞(T1165)に対する増殖促進活性のタイムコースを調べた結果を示す。 実施例9得られたIL-11改変体のウエスタンブロッテイング解析を行った結果を示す。 実施例9で得られたIL-11改変体の細胞増殖促進活性をマウスプラズマサイトーマ(T1165)を用いて野生型(W)蛋白質と比較検討した結果を示す。 N末端に1〜3個のN型糖鎖を導入したIL-11蛋白質の細胞増殖促進活性をマウスプラズマサイトーマ細胞(T1165)を用いて比較検討した結果を示す。 (a)改質されたIL-11を構成的に産生するCHO細胞株の細胞増殖を示し、(b)当該細胞株におけるIL-11の産生量を示す。 初段にハイドロキシアパタイト担体を用い、2段にシリカ担体を用いて精製を行った後、各精製画分についてSDS-PAGE電気泳動を行った結果を示す。 初段にハイドロキシアパタイト担体を用い、2段にブルーセファロース担体を用いて精製を行った後、各精製画分についてSDS-PAGE電気泳動を行った結果を示す。 バッファ置換後の培養上清を陽イオン交換カラムで分画した後、(A)CBBで染色した結果を示し、(B)抗IL-11抗体で染色した結果を示す。 IL-11を含むと考えられる画分についてSDS-PAGEを行った後、(A)銀染色の結果を示し。(B)抗IL-11抗体で染色した結果を示す。

Claims (15)

  1. 配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるヒトインターロイキン-11における22番目(プロリン)、114番目(アラニン)及び160番目(ロイシン)からなる群から選ばれる少なくとも1つのアミノ酸残基のC末端側に糖鎖の付加を受けることができるペプチドが導入され、当該ペプチドに糖鎖を付加させることにより改質されたインターロイキン-11。
  2. 上記糖鎖が1ないし複数個である請求項1記載の改質されたインターロイキン-11。
  3. 上記糖鎖が複数個である請求項1記載の改質されたインターロイキン-11。
  4. 上記糖鎖がN型糖鎖である請求項1記載の改質されたインターロイキン-11。
  5. 上記糖鎖がO型糖鎖である請求項1記載の改質されたインターロイキン-11。
  6. 上記糖鎖がNおよびO型糖鎖の組み合わせよりなる請求項1記載の改質されたインターロイキン-11。
  7. 糖鎖の付加を受けることができるペプチドをコードする遺伝子を、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるヒトインターロイキン-11をコードする遺伝子における22番目(プロリン)、114番目(アラニン)及び160番目(ロイシン)からなる群から選ばれる少なくとも1つのアミノ酸残基をコードするコドンの下流に組み込んだプラスミドを細胞に導入し、当該細胞が産生する、糖鎖が付加されたインターロイキン-11を単離することを特徴とする改質されたインターロイキン-11の製造方法。
  8. 上記細胞が枯草菌、酵母、動物細胞、昆虫細胞である請求項7記載の改質されたインターロイキン-11の製造方法。
  9. 上記細胞が糖鎖生合成系酵素をコードする遺伝子を組み込んだベクターを含むことを特徴とする請求項7又は8記載の改質されたインターロイキン-11の製造方法。
  10. 上記糖鎖生合成酵素がヒト型である請求項9記載の改質されたインターロイキン-11の製造方法。
  11. 上記動物細胞が哺乳類細胞である請求項8記載の改質されたインターロイキン-11の製造方法。
  12. 上記哺乳類細胞がヒト細胞である請求項11記載の改質されたインターロイキン-11の製造方法。
  13. 細胞が産生する糖鎖が付加されたインターロイキン-11を単離するためにハイドロキシアパタイトを用いたクロマトグラフィーにより精製することを特徴とする請求項7記載の改質されたインターロイキン-11の製造方法。
  14. シリカ担体、ブルーセファロース担体、陽イオン交換担体、ゲル濾過担体を用いるクロマトグラフィーを組み合わせて精製する事を特徴とする請求項7〜13のいずれか1項記載の改質されたインターロイキン-11の製造方法。
  15. 請求項1〜のいずれか1項記載の改質されたインターロイキン-11を有効成分として含有する医薬組成物。
JP2005341910A 2004-11-26 2005-11-28 改質されたインターロイキン−11とその製造方法 Expired - Fee Related JP4872327B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005341910A JP4872327B2 (ja) 2004-11-26 2005-11-28 改質されたインターロイキン−11とその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004342929 2004-11-26
JP2004342929 2004-11-26
JP2005341910A JP4872327B2 (ja) 2004-11-26 2005-11-28 改質されたインターロイキン−11とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006176504A JP2006176504A (ja) 2006-07-06
JP4872327B2 true JP4872327B2 (ja) 2012-02-08

Family

ID=36730942

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005341910A Expired - Fee Related JP4872327B2 (ja) 2004-11-26 2005-11-28 改質されたインターロイキン−11とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4872327B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018135860A1 (ko) 2017-01-17 2018-07-26 포항공과대학교 산학협력단 식물 세포에서의 목적 단백질 발현을 위한 재조합 벡터

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5153310A (en) * 1989-02-28 1992-10-06 Du Pont Merck Pharmaceutical Company Il-2 analogs containing n-linked glycosylation sites
JPH0586099A (ja) * 1990-07-31 1993-04-06 Toray Ind Inc インターロイキン−6修飾体およびそれを有効成分とする血小板減少症治療剤
JPH06256399A (ja) * 1993-03-10 1994-09-13 Toray Ind Inc ヒト・インターロイキン11の精製法
AU706304B2 (en) * 1994-11-01 1999-06-10 Kirin Pharma Kabushiki Kaisha Peptide sequence that forms mucin sugar chain and technique for modifying protein to be linked with mucin sugar chain
ATE425989T1 (de) * 2001-12-21 2009-04-15 Immunex Corp Proteinreinigungsverfahren

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006176504A (ja) 2006-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5634272B2 (ja) ヒト細胞発現系を用いる真正ヒトタンパク質の組換え生産
KR100320106B1 (ko) 트롬보포이에틴폴리펩티드분비방법
KR100467751B1 (ko) 생체내 에리스로포이에틴 활성이 증진된 융합단백질
KR101229995B1 (ko) 생체내 에리스로포이에틴 활성이 증진된 융합단백질
RO117110B1 (ro) POLIPEPTIDA LIGAND mpl, ACID NUCLEIC, CARE O CODIFICA, VECTOR DE EXPRESIE, PROCEDEU PENTRU PRODUCEREA POLIPEPTIDEI LIGAND, SI COMPOZITIE FARMACEUTICA CU ACEASTA
CZ288890B6 (cs) MGDF polypeptid pro stimulaci růstu a diferenciaci megakaryocytů
EP1841787A2 (en) Conjugates of biologically active proteins having a modified in vivo half-life
JP4024366B2 (ja) ポリペプチド
JPH10500579A (ja) 増血刺激作用を有する式gm−csf−l−epoまたはepo−l−gm−csfのハイブリッド分子
US6187564B1 (en) DNA encoding erythropoietin multimers having modified 5′ and 3′ sequences and its use to prepare EPO therapeutics
EP0550769B1 (en) Use of hepatocyte growth factors for the manufacture of a hemopoietic stem cell augmenting agent
US6046035A (en) Polynucleotides encoding a cardiotrophin-like cytokine
JP5012926B2 (ja) Il−6レセプター・il−6直結融合蛋白質
JP4872327B2 (ja) 改質されたインターロイキン−11とその製造方法
FI117054B (fi) Interleukiini-15:n valmistusmenetelmä ja sitä koodaava DNA-sekvenssi
JP5664623B2 (ja) 改質されたインターロイキン−11とその製造方法
JP2007314447A (ja) 改質されたインターロイキン−11とその製造方法
JPH05255106A (ja) 血小板減少症治療剤
CA2332126C (en) A novel human thrombopoietin mutein
WO2011053281A1 (en) Recombinant production of authentic human proteins using human cell expression systems
KR20000029998A (ko) 발현벡터,세포,그리고혈소판조혈인자를제조하는방법
JP3689111B2 (ja) インターロイキン15
KR0139095B1 (ko) 신규 사이토카인
WO1995023861A1 (fr) MEGACARYOPOIETINE HUMAINE ET ISOLEMENT DE CELLE-CI, CLONAGE D'ADNc, ET PREPARATION DE LA PROTEINE RECOMBINEE
KR101174494B1 (ko) 인간 과립구 콜로니 자극인자의 생물학적 활성 증가 변이체

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081118

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20090713

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111025

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111107

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141202

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4872327

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141202

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees