JP3689111B2 - インターロイキン15 - Google Patents

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Description

産業上の利用分野
本発明は概ね、哺乳動物上皮由来のT細胞因子(“ETF”)ポリペプチド−本明細書中ではインターロイキン15(“IL-15”)と呼ぶ−に関する。本発明は特に、IL-15の生物学的活性を持つポリペプチドをコードする単離されたcDNA配列、単離したIL-15ポリペプチドの配列及び誘導体、組み換えDNA技術を用いてIL-15ポリペプチドを作る方法、T細胞の増殖及び分化を誘導する方法、並びに抗がん及び抗感染症免疫を形成するIL-15を含む組成物に関する。
背景技術
種々のT細胞はTリンパ球とも言われ、免疫エフェクター細胞の1つのクラスである。その細胞表面のCD4及びCD8分子が相互に排他的に発現することに基づいて、末梢組織ではT細胞は2つの大きなグループに分けられる。典型的なCD8+T細胞は活性化すると細胞傷害性T細胞になり、抗原を表示する標的細胞に直接結合して破壊する。CD4+T細胞は一般的に正のシグナルを出す。例えばB細胞に対する“ヘルパー”(B細胞が分化して抗体産生細胞になるのを可能にする)の機能をすることから、ヘルパーT細胞と呼ばれる。
今までに6つのT細胞成長因子が同定されていた。この6つはそれぞれインターロイキン(IL)-2、4、7、9、12及び補因子のIL-10である。IL-2のオープンリーディングフレームは153アミノ酸からなる15kDaのポリペプチドをコードする。IL-2はある種のT細胞及び大顆粒リンパ球によって産生される。IL-2は元々、ヒトT細胞の長期に渡る成長を促進する因子として発見された。T細胞の成長に加え、その効果は細胞傷害性T細胞(CTL)以外に、ナチュラルキラー(NK)細胞やリンポカインに活性化されるキラー(LAK)細胞及びマクロファージを活性化し、B細胞の成長を促進することも含む。
IL-4は、活性化したT細胞、骨髄間質細胞及びマスト細胞によって産生される15から20kDaのタンパク質である。IL-4のオープンリーディングフレームは、マウスでは140アミノ酸のIL-4を、ヒトでは153アミノ酸のIL-4をコードする。IL-4は元々、B細胞の成長と分化を活性化する因子として同定されていた。その効果には、マクロファージの活性化とクラスII MHC分子の誘導、ある種のT細胞及びマスト細胞の成長、ヒト末梢血T細胞の増殖とCTLの産生、B細胞による免疫グロブリンの産生の増強、及び幹細胞からの造血細胞の成長における補因子の機能も含まれる。IL-4はIL-2によって誘導されたNK細胞及びLAK細胞の活性に対する負の調節において重要な役割を果たす。ヒトIL-4はマウスの細胞に対しては活性を持たない。
IL-7は、骨髄及び胸腺間質細胞によって産生される20から25kDaの177アミノ酸からなるポリペプチドである。IL-7は元々は前B細胞成長因子とされていたが、前B細胞のみならずB細胞前駆細胞の成長も促進する。また、ヒト末梢血T細胞の増殖とCTLの産生、IL-2受容体の発現、IL-2の産生、及びCD4+及びCD8+細胞の増殖を促進する。IL-7はさらに、IL-2を助けて胸腺でのT細胞の増殖を上昇させ、CD4-及びCD8-胸腺細胞の増殖を誘導する。
IL-9は、活性化したTリンパ球によって産生される、144アミノ酸、30から40kDaのポリペプチドである。IL-9は最初、ヘルパーT細胞成長因子として同定された。IL-9は赤血球の発達を促進し、IL-3によって誘導される骨髄由来マスト細胞の増殖を促進する。また、IL-4存在下でIgE及びIgGのB細胞による産生を調節する。マウスIL-9はヒト細胞に対して活性を持つが、ヒトIL-9はマウス細胞に作用しない。
ヒトIL-10は、マクロファージ及びTH2 Tヘルパー細胞によって産生される(TH1 Tヘルパー細胞では産生されない)、178アミノ酸、16から20kDaのポリペプチドである。IL-2、IL-4及びIL-7と同じく、IL-10はいくつかの異なった生物活性を持っている。IL-10は、活性化したT細胞によるサイトカインの産生を阻害する能力に基づいて発見された。ヒト及びマウスIL-10のどちらも胸腺細胞及びT細胞の成長促進補因子であり、IL-7と共同または、IL-2+IL-4と共同で働く。IL-10は、IL-4と共同または、IL-3+IL-4と共同で働いてマスト細胞の生存及び成長を促進する。また、IL-10はIgGの分泌及びB細胞上のMHCクラスII分子の発現を誘導し、培養液中のB細胞の生存能を上昇させる。
IL-12は、リンパ芽球腫細胞系列中で構成的に発現するか、ホルボールエステル及びカルシウムイオン透過担体によって誘導され、LPS刺激を受けたマクロファージによって産生される。IL-12の分子量は70kDaであり、ジスルフィド結合した2つの糖タンパク質からなる特異なヘテロ2量体構造をとる。2つの糖タンパク質サブユニットのうち大きい方は328アミノ酸、40kDaのポリペプチドである。小さい糖タンパク質サブユニットは253アミノ酸、35kDaのポリペプチドである。どちらの糖タンパク質サブユニットも生物活性に必要である。IL-12は、活性化したT細胞のうちCD4+とCD8+のどちらの増殖もIL-2とは独立に促進する。またIL-2はNK細胞を介した細胞傷害を活性化し、IL-2を助けてLAK細胞を生成する。IL-2及びIL-7とは異なり、IL-12は休止中の末梢血単核細胞の増殖はほとんど引き起こさない(これはIL-4と同様である)。
発明の概要
新規のT細胞成長因子を単離し精製した。以後本明細書中では、これをインターロイキン15(“IL-15”)と呼称する。サルIL-15ポリペプチドをコードするcDNA配列を単離した。この配列には、489bpのオープンリーディングフレームと、その上流の483bpの5'非コーディング領域、303bpの3'非コーディング領域が存在する。ヒトIL-15をコードするcDNA配列には、489bpのオープンリーディングフレームとその上流の316bpの5'非コーディング領域、397bpの3'非コーディング領域が存在する。サル及びヒトのオープンリーディングフレームの塩基配列と推定されるアミノ酸配列を配列番号1及び4に開示した。サル及びヒトのオープンリーディングフレームのどちらも、前駆体ポリペプチドをコードしている(配列番号2及び5)。それぞれの前駆体は、48アミノ酸のリーダー配列及び成熟サルまたはヒトIL-15ポリペプチドをコードする配列からなる。活性型サル及びヒトIL-15ポリペプチドを、それぞれ配列番号3及び6に開示した。
さらに本発明には、他のIL-15ポリペプチドが含まれる。これらのポリペプチドは、配列番号1または4の塩基145から489によって定義される複数のプローブと、またはこれらのプローブに相補的なDNA鎖またはRNA鎖と緩い条件から厳しい条件においてハイブリッド形成する塩基配列によってコードされ、発現に際してはTリンパ球の増殖及び分化を促進するポリペプチドをコードする塩基配列によってコードされるものである。さらに本発明には、遺伝コードの縮重のために、上に記載した塩基配列がコードするIL-15ポリペプチドをコードする塩基配列及びこれに相補的な配列も含まれる。
さらに本発明では、前述の塩基配列を含む、IL-15ポリペプチドを産生するのに有用な組み換えDNA分子−例えば発現ベクターまたはプラスミド及び形質転換した宿主細胞−並びにそのような分子を用いた組み換えIL-15ポリペプチドを産生する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
図1は、サルの活性型IL-15の塩基配列及び推定されるアミノ酸配列を示す。
図2は、ヒトの活性型IL-15の塩基配列及び推定されるアミノ酸配列を示す。
図3は、IL-15ポリペプチドを単離するのに有用な精製法及びタンパク質シークエンス決定法を示す。
図4は、ヒト及びサルのIL-15をコードする塩基配列間の相同性を示す。ヒトの配列をサルの上に示した。
図5は、ヒト及びサルのIL-15のアミノ酸配列間の相同性を示す。ヒトの配列をサルの上に示した。どちらの配列においても、リーダー配列(アミノ酸1から48)が前駆体から切断されると成熟したポリペプチド(49から162)が形成される。
図6は、CTLL-2細胞を用いた試験管内での(in vitro)組み換えIL-15、IL-2及びIL-4の生物活性を示す。試験管内でのCTLL-2細胞の増殖刺激応答は、組み換え体サイトカインの濃度の上昇(ng/mlで表す)で計測した。データは取り込まれた3H-チミジンのcpm(×10-3)で示した。
図7は、rIL-15及びIL-2によるCTLの細胞溶解活性の誘導を示す。抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を試験管内で確立した。IL-2またはヒトrIL-15を種々の濃度で含む培地中で、あるドナーからのヒト末梢血単核細胞(PBL)を、異型のドナーからの放射線照射したPBLで刺激した。この刺激細胞由来の51Cr標識した標的に対して、培養液の細胞溶解活性を検定した。特異的に遊離する51Crの最大値の50%を生成するのに必要であるそれぞれの培養液画分を逆数にしたもので、細胞溶解単位を表す。
図8は、rIL-15及びIL-2によるLAK細胞の細胞溶解活性の誘導を示す。リンホカインによって活性化されるキラー(LAK)細胞を試験管内で確立した。ヒトPBLを放射線照射した自己由来のPBLで刺激し、Daudiリンパ芽球腫細胞系列に対して細胞溶解活性を測定した。特異的に遊離する51Crの最大値の30%を生成するのに必要であるそれぞれの培養液画分を逆数にしたもので、細胞溶解単位を表す。
図9は、rIL-15及びIL-2によるNK細胞の細胞溶解活性の誘導を示す。常磁性マイクロスフェアに対する抗体親和性によって単離したヒト全PBLから、CD16に対する単クローン抗体を用いてナチュラルキラー(NK)細胞を単離した。精製したNK細胞を3日間培養し、K562赤白血病細胞系列に対して細胞溶解活性を測定した。
発明の詳細な説明
“インターロイキン15”または“IL-15”とは、本明細書中で開示したポリペプチドと類似の構造を有する哺乳類のポリペプチドで、Tリンパ球の増殖及び分化を促進するものを指す。IL-15は、その構造及び細胞起源において、IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-10及びIL-12と区別される(表1)。霊長類におけるIL-15ポリペプチドは、162アミノ酸のIL-15ポリペプチド前駆体として先ず上皮細胞で産生される。この前駆体には48アミノ酸のリーダー配列が存在し、これが前駆体ポリペプチドから切り放されると成熟ポリペプチドができる。成熟IL-15ポリペプチドは、T細胞前駆細胞または成熟細胞の増殖及び/または分化のシグナルを出すことができる。即ち、このタンパク質を用いて、試験管内でTリンパ球及びT細胞系列を長期間培養することが容易になる。
Figure 0003689111
“sIL-15”とはサルのIL-15を指す。“hIL-15”とはヒトのIL-15を指す。“rIL-15”とは組み換え体のIL-15を指す。精製したsIL-15及びrIL-15のどちらもCTLL-2細胞の増殖を促進する(Gillis and Smith,Nature 268:154(1997);ATCC TIB214)。CTLL-2増殖検定では、組み換え体として発現させた前駆体及び成熟型sIL-15のフレームを合わせた融合体に感染させた細胞の上清は、CTLL-2細胞の増殖を誘導した。他の検定では、末梢血T細胞(“PBT”)及び末梢血白血球(“PBL”)をヒト末梢血から単離した。我々は、予めフィトヘマグルチニン(“PHA”)を加えて培養したPBT及びPBLの増殖をrIL-15が促進することを発見した。またrIL-15はPHAによって活性化されたCD4+及びCD8+細胞の増殖も活性化する。rIL-15は抗CD3(T細胞受容体)抗体の存在下で、休止中のヒトT細胞または休止中のマウスT細胞クローンの増殖を促進した。PHAによって活性化したPBTの実験において、IL-2またはIL-2受容体に対する抗体はIL-15を阻害しないことから、rIL-15はIL-2とは独立にその成長促進効果を及ぼすということが証明された。
IL-15、sIL-15またはhIL-15という用語には、ある特定の条件において図1及び2の核酸配列(塩基145から489、配列番号1及び4)に結合する核酸によってコードされる、Tリンパ球の増殖及び分化を誘導し、T細胞系列及び単離したPBTの増殖を促進する天然の哺乳類ポリペプチドの類似分子(analog)またはサブユニットが含まれる。
本明細書中で使用する“組み換えDNA技術”または“組み換え”とは、単離または合成したDNAを形質転換または感染させて、異種構造のポリペプチドを生合成するようになった微生物(例えば細菌、真菌、または酵母)または哺乳類細胞または個体(例えば遺伝子組み換え体)から、特定のポリペプチドを生成する技術及び方法を指す。天然のグリコシル化パターンは、哺乳類細胞発現系でのみ形成される。酵母では異なったグリコシル化パターンになる。原核細胞(例えば大腸菌)による発現では、一般的にゴリコシル化されないポリペプチドが生成する。
“生物活性を持つ”とは、特定のIL-15ポリペプチドがTリンパ球の増殖及び/または分化を促進することができるということである。sIL-15及びhIL-15の場合、この生物活性はマウスまたは霊長類(例えばヒト)のT細胞系列またはPBTの増殖促進にも当てはまる。
“塩基配列”とは、大きいDNA構築物の一部または独立の断片の形のポリヌクレオチドを指す。このヌクレオチドとは、少なくとも一度は実質的に精製された形で(例えば、細胞内物質が混在していない形で)、クローニングベクターのような基本的な生化学的方法(例えば、Sambrook et al,.Molecular Cloning:A Laboratory Manual第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY(1989)に概略されているような方法)によってその塩基配列を同定、操作、及び回収しうる量または濃度で単離したDNAに由来するものを指す。そのような配列は、真核細胞に一般的に存在する内在性の非翻訳領域(即ちイントロン)に分断されていない1つのオープンリーディングフレームの形で提供されることが望ましい。オープンリーディングフレームの5'または3'にある非翻訳領域はコーディング領域の操作または発現に支障ないので、そのまま存在していても良い。
“組み換え発現ベクター”とは、1つの転写単位からなるプラスミドを指す。この転写単位は、(1)遺伝子発現において制御的な役割をになう単数または複数の遺伝的要素(例えばプロモーターやエンハンサー)、(2)mRNAに転写されてIL-15の生物活性を持つポリペプチドに翻訳される構造またはコーディング配列、及び(3)適当な転写及び翻訳開始及び終結配列、の集合からなる。利用できる種々の調節因子については、後述する(組み換えDNA技術参照)。酵母発現系で利用される構造因子には、翻訳されたポリペプチドを酵母宿主細胞の外に分泌するためのリーダー配列が含まれていることが望ましい。一方細菌発現系においては、組み換えポリペプチドにはN端メチオニン残基を含んでもよい。このN端メチオニン残基は発現した組み換えポリペプチドから順次切断され、さらなる精製に適した産物ができる。
“組み換え微生物発現系”とは、染色体DNAに組み換え転写単位を安定に組み込むか、または組み換え転写単位を内在性のプラスミドという要素として保持している、適当な宿主微生物(例えば、大腸菌のような細菌、S.cerevisiaeのような酵母)の実質的に均質の単一培養物を指す。一般的に、組み換え微生物発現系を構成する宿主細胞は、形質転換された1つの親細胞の子孫である。組み換え微生物発現系は、発現すべき構造塩基配列につながった調節因子の誘導によって、異種構造のポリペプチドを発現する。
形質転換された宿主細胞とは、組み換え発現ベクターを形質転換または感染させた細胞を言う。発現された哺乳類IL-15は宿主細胞内に存在及び/または培養上清に分泌されるが、これは宿主細胞及び宿主細胞に導入された遺伝子構築物の性質による。
緩いハイブリッド形成の条件とは本明細書中で規定する通りであり、当業者には周知のことであり、例えばSambrook et al.,supra,Vol.2,pp.8.46-8.49及び9.47-9.55に記載された条件である。緩い条件とは、Sambrook et al.に規定された通り、例えば55℃、5×SSC、0.5%SDSでのハイブリッド形成反応一晩、ハイブリッド形成後の洗い等を含む。厳しい条件とは、より高い温度または低い塩濃度でのハイブリッド形成反応及びハイブリッド形成後の洗い等を含む。
IL-15ポリペプチド
我々はサルIL-15(sIL-15)を精製し、成熟sIL-15のN末端ペプチド配列を決定した。N末端アミノ酸配列及びPCRを用いてsIL-15をコードするcDNAを単離し、成熟cIL-15の塩基配列及び推定されるアミノ酸配列(図1)、並びにsIL-15ポリペプチドの前駆体の塩基配列及び推定されるアミノ酸配列を決定した(配列番号1及び配列番号2)。サルにおけるIL-15前駆体ポリペプチドの配列は、成熟した活性型タンパク質(配列番号3)及びその前にある48アミノ酸のリーダー配列からなる。このリーダー配列は、配列番号2のアミノ酸1から48である。霊長類IL-15はマウスT細胞系列(例えばCTLL-2)の増殖を促進し、ヒトPBT細胞の増殖及び分化を促進する。
また本発明には、IL-15生物活性を有し、配列番号5に規定するプローブと緩い条件から厳しい条件においてハイブリッド形成する塩基配列によってコードされる、他の哺乳類IL-15(ヒトIL-15を含む)が含まれる。特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に従って、1993年2月19日に、ヒトIL-15cDNAの組み換えクローンを含む1つのプラスミドをAmerican Type Culture Colle ction,12301 Parklawn Drive,Rockville,MD 20852 USA(“ATCC”)に寄託した。寄託番号はATCC69245である。この寄託物は“I41-hETF”と名付けられ、プラスミドhETF/pDC406を持つ大腸菌からなる。このプラスミドには、SalIアダプターが両端に付いた、316bpの5'非コーディング領域、続く489bpのオープンリーディングフレーム及び397bpの3'非コーディング領域が含まれる。これらは配列番号7及び8に示されている。寄託物の一般の利用に関する制限は、特許付与と同時に完全に撤去される。
本明細書中で開示するIL-15ポリペプチドのアミノ酸構造は、他の化学種(例えば糖質、脂質、リン酸、アセチル基等)との共有結合または会合による結合体を作ることによって、またはアミノ酸配列の突然変異によって、変化し得る。哺乳類IL-15の共有結合による誘導体は、哺乳類IL-15のアミノ酸側鎖またはN末端またはC末端に特定の官能基を結合させることによって生成する。本発明の範囲内にある哺乳類IL-15の他の誘導体には、哺乳類IL-15またはその断片と他のタンパク質またはポリペプチドとの、共有結合または会合による結合体(例えば組み換え培養によるN端またはC端融合体としての合成によるもの)が含まれる。この結合したポリペプチドには例えば、哺乳類IL-15ポリペプチドのN端領域のシグナル(またはリーダー)ポリペプチド配列で、IL-15の合成場所から細胞膜または壁の内または外に輸送させるためのもの(例えば酵母α因子のリーダー)がある。さらに、慣用された手法を用いて、付帯的なポリペプチド配列(例えばFcまたは他の免疫グロブリン配列、リンカー配列、またはIL-15ポリペプチドの精製及び同定を容易にする他の配列)を含む融合ポリペプチドとしてIL-15ポリペプチドを発現させることができる。さらにIL-15融合ポリペプチドには、新規の多機能体を提供する他のサイトカインとの融合体が含まれる。他のサイトカインには例えば、インターロイキン1から13、腫瘍壊死因子(TNF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、マスト細胞成長因子(MGF)、及び免疫細胞の成長、分化、機能に影響する他のサイトカインが含まれる。
さらに本発明には、グリコシル化の異なるIL-15ポリペプチドが含まれる。酵母または哺乳類発現系(例えばCOS-7細胞(ATCC CRL 1651))で発現したIL-15ポリペプチドは、天然のIL-15ポリペプチドに比べてその分子量及びグリコシル化パターンにおいて類似しているかまたは有意な差異がありうる。これを発現系の選択による。大腸菌のような細菌発現系でIL-15ポリペプチドを発現すると、グリコシル化の無い分子が得られる。
ヒトまたは他の哺乳類IL-15の活性型変異体類似物(analog)は例えば、オリゴヌクレオチド合成及びライゲーション、または部位特異的突然変異導入によるN-グリコシル化部位の不活性化によって合成される。酵母発現系を用いて、低炭水化物型の均質のIL-15ポリペプチド誘導体を発現させることができる。真核生物のポリペプチドにおけるN-グリコシル化部位は、Asn-φ-Ωという三連アミノ酸の特徴を持つ。ここでφはPro以外のアミノ酸、ΩはSerまたはThrである。IL-15の変異型誘導体とは、本明細書中で示すように、天然の哺乳類IL-15の配列と実質的に同質であるが、欠失、挿入、または置換変異のために天然の哺乳類IL-15ポリペプチドとは異なったアミノ酸配列を持つポリペプチドである。
IL-15ポリペプチドと生物的に同等の変異型IL-15は、生物活性に必須でない、アミノ酸残基もしくは配列の種々の置換、あるいは末端または内部残基もしくは配列の欠失によって構築される。例えば、Cys残基を欠失または置換することによって、復元に際して誤った分子内ジスルフィド架橋を形成しないようにすることができる。他の突然変異導入の方法には、KEX2プロテアーゼ活性を持つ酵母系での発現を促進するために二塩基性アミノ酸残基を修飾することが含まれる。一般的に、天然のアミノ酸残基と類似の物理化学的性質を持つ残基で置換することによって、置換を保存的に行うことができる。
アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドとは、IL-15センスmRNAまたはIL-15アンチセンスcDNA配列に結合できる一本鎖核酸配列(RNAまたはDNA)を含む。本発明に関するアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドとは、図1または2のヌクレオチド配列、または図1または2のヌクレオチド配列の相補DNAまたはRNAのヌクレオチド配列の断片を含む。そのような断片は少なくとも14ヌクレオチドからなり、IL-15DNAに結合することができるものとする。IL-15のcDNA配列に基づいてアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドを制作する方法については、例えばStein and Cohen,Cancer Res.48:2659(1988)及びvan der Krol et al.,Biotechniques 6:958(1988)に記載されている。
非組み換え細胞系からIL-15を単離し同定するには、IL-15を産生する哺乳類細胞系列及び、IL-15刺激に応答して増殖する、応答細胞系列が必要である。哺乳類IL-15の生物学的検定では、リンパ球細胞の増殖を誘導する因子の検出用に、成長因子依存性T細胞系列を使用することができる。また、ヒトまたは他の哺乳類から得た血液試料から単離したT細胞を用いて、哺乳類IL-15ポリペプチドを検定できる。
IL-15依存性細胞系列は、マウスCTLL-2細胞から作製できる。この細胞系列は精製したヒト、マウス、及び組み換えIL-2及びマウスIL-4に応答するが、IL-1、IL-3、ヒトIL-4、またはその他の既知の成長因子には応答しない。
本明細書中で開示したサルまたはヒトIL-15cDNA配列を利用して、サルまたはヒトIL-15の他の哺乳類における相同物(homolog)を他種間ハイブリッド形成法によって得ることができる。簡潔に述べると、図1または配列番号1に記載するsIL-15、または図2または配列番号4に記載するhIL-15cDNAのタンパク質コーディング領域の塩基配列からプローブを作製する。このプローブは、Sambrook et al.前述にあるような一般的な方法によって作製できる。サルまたはヒトのプローブを用いて、緩い条件下で哺乳類cDNAライブラリーまたは染色体ライブラリーでのスクリーニングができる。哺乳類cDNAライブラリーは、例えばマウス末梢血リンパ球から単離したmRNAから作製できる。あるいは、他のcDNAライブラリー、または種々の組織もしくは細胞系列から単離したmRNAでノザンハイブリッド形成法によるスクリーニングを行い、哺乳類IL-15DNAまたはRNAの適当な材料を決定することができる。
CV-1/EBNA IL-15の精製
我々は非均質的なタンパク質溶液(例えばIL-15を発現している細胞から回収した馴化培地)から単離したポリペプチド試料を提供するために、IL-15を精製した。天然馴化培地試料中のIL-15活性は、現在利用できるIL-15生物検定法を用いては必ずしも検出できない。本明細書中に記載する生物検定を利用してIL-15生物活性を検出できるまでには、少なくとも1段階の精製が必要である。
組織培養液中のアフリカミドリザルの腎臓細胞CV-1/EBNA系列(C.J.McMahan et al.,EMBO J.,10(10):2821-2832(1991);ATCC CRL 10478)を培養して、非均質的なタンパク質溶液、例えば馴化培地を調製する。
培地は、高グルコースDulbecco's Modified Essential Medium(“DMEM”,Gibco)が望ましい。増殖培地及び生産培地を用いるのが最も望ましい。本明細書中に記載するようにsIL-15を単離するにあたって用いた増殖培地は、高グルコース(4500mg/L)DMEMに7.5%ウシ胎児血清、50μl/mlペニシリン、50μg/mlストレプトマイシン、3から4.0mM L-グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、0.1mM非必須アミノ酸及び10mM N-[2-ヒドロキシエチル]ピペラジン-N'-[2-エタンスルホン酸](“HEPES”)緩衝液を加えたものである。IL-15産生及び精製のため、DMEMに50μl/mlペニシリン、50μg/mlストレプトマイシン、3から4.0mM L-グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、0.1mM非必須アミノ酸及び10mM HEPESを加えた、フェノールレッドを抜いた血清を加えない生産培地を開発した。CV-1/EBNA細胞は付着依存性であり、プレート、フラスコ、ローラーボトル、または微小担体中で培養できる。
さらに詳しく言うと、制御した生物反応機中の微小担体上でCV-1/EBNA細胞を培養することによって、IL-15を産生した。細胞のストックをローラーボルトフラスコ中で維持した。産生サイクルの開始に当たって、細胞をトリプシン消化し、上述した増殖培地及び5g/1 Cytodex(登録商標)3微小担体(Pharmacia)を含むスピナーフラスコに植えた。最初の接種濃度は1.5から3.5×105細胞/mlである。細胞が微小担体に効率的に付着するように、細胞を2から24時間スピナーフラスコ中に置いた。スピナーフラスコ中の培養液を37℃に保温し、25から40RPMで振とうした。付着期間の後、培養液を制御した生物反応機中に移した。反応機の温度、pH、酸素濃度及び振とう設定値はそれぞれ37℃、7.0、20%飽和(対大気値)、及び75から85RPMである。細胞の増殖及び状態の通常の観察に際しては、試料を明視野顕微鏡で観察した。細胞増殖の測定は、100mMクエン酸及び0.1%クリスタルバイオレット溶液で処理した後遊離した核を数えることによって行った。
培養液のアンモニア値が5.0mMに達する都度、追加の増殖培地を加えた。これを、微小担体がコンフルエントになるまで繰り返した。次に培地を前に記載した無血清生産培地に交換した。この過程は、反応機の底に微小担体を沈降させ、増殖培地を扱い取り、生産培地を代わりに加えることで行った。これを、約3125倍希釈になるまで繰り返した。2回から6回の生産が期待できる。1回につき、細胞を4から7日間生産培地に置き、その後生産培地の80%を回収した。これを、細胞が微小担体から完全に分離するまで繰り返した。
sIL-15N端アミノ酸配列決定用のタンパク質を精製、提供するために、約64リットルのCV-1/EBNA馴化培地を用いた。図3に示すように、精製法には限外濾過、疎水性クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)、及びドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)が含まれる。タンパク質をSDSゲルからフッ化ポリビニリデン(“PVDF”)膜に吸着させ、PVDF膜から直接エドマン分解してN末端アミノ酸配列を決定することで、タンパク質の配列を決定した。N末端アミノ酸配列を決定することで、配列番号3に示す最初の33アミノ酸が明らかになった。続いて、CV-1/EBNA cDNAライブラリーから得たcDNAクローンの配列を決定して、配列番号2のポリペプチドをコードするDNA配列を得た。このクローンには、配列番号2の比較的短い48アミノ酸のリーダー配列及び配列番号3に示す成熟ポリペプチドが含まれている。
組み換えDNA技術
ヒト、サル及び他の哺乳類IL-15ポリペプチドは、好ましくは、組み換えDNA技術によって産生することができる。そのような技術は、ヒトまたは他の哺乳類IL-15ポリペプチドまたはその誘導体を発現ベクターに挿入することを含む。
IL-15ポリペプチドまたはその誘導体の組み換えによる発現には先ず、発現に際してIL-15ポリペプチドまたはその誘導体をコードするDNAクローン(即ちcDNA)が必要である。cDNAクローンは、哺乳類IL-15ポリペプチドを発現する親細胞または細胞系列から得られる。先ず細胞全mRNAを単離し、次に逆転写によってmRNAからcDNAライブラリーを作る。本明細書中で提供するDNA配列の情報を用いて、前に記載したように他種間ハイブリッド形成用プローブまたはPCRプライマーを設計し、あるcDNAクローンを単離し同定することができる。
単離したcDNAは、内在性の非翻訳配列(即ちイントロン)によって分断されないオープンリーディングフレームの形式であることが望ましい。また、哺乳類IL-15ポリペプチドの発現をコードする、関連した塩基配列を含むゲノムDNAを用いて、コーディング配列を構築するのに有用な遺伝情報が得られる。当該技術分野において周知の方法を用いて、単離したcDNAに突然変異を導入し、IL-15生物活性を示すIL-15誘導体または類似体を作製することができる。
組み換え発現ベクターは、IL-15または生物活性を持つその誘導体をコードする合成またはcDNA由来のDNA断片を含む。IL-15またはその誘導体をコードするDNAを、適当な転写または翻訳調節配列または構造塩基配列(例えば哺乳類、微生物、ウィルスまたは昆虫遺伝子由来のもの)に機能可能なように(operably)つなぐことができる。調節配列の例としては、遺伝子発現において調節的な役割を持つ遺伝子配列(例えば転写プロモーターまたはエンハンサー)、転写を調節するための付帯的なオペレーター配列、適当なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、及び転写及び翻訳の開始及び終結を調節する適当な配列がある。調節配列が構造遺伝子と機能上の相関を持つ場合、塩基配列が機能可能なように結合しているという。あるシグナルペプチド(分泌リーダー)が哺乳類IL-15またはその誘導体の前駆体アミノ酸配列の一部として発現されその分泌に関わる場合、シグナルペプチドををコードするDNA配列を、哺乳類IL-15またはその誘導体をコードする構造遺伝子のDNA配列に機能可能なようにつなぐことができる。さらに、あるプロモーターの塩基配列が、つながれたコーディング配列の塩基配列の転写を調節する場合、プロモーターの塩基配列をコーディング配列(例えば構造遺伝子DNA)に機能可能なようにつなぐことができる。またさらに、構造遺伝子コーディング塩基配列(例えば哺乳類IL-15)につないだリボソーム結合部位が、翻訳を促進するようにベクター内に配置される場合、構造遺伝子コーディング塩基配列にリボソーム結合部位を機能可能なようにつなぐことができる。
哺乳類IL-15またはその誘導体の発現に適した細胞には、適当なプロモーターの制御下にある原核生物、酵母、または高等真核細胞がある。原核生物にはグラム陰性または陽性生物がある(例えば大腸菌またはバチルス)。形質転換に適した宿主原核細胞には、大腸菌、Bacillus subtilis、Salmonella typhimurium、及びPseudomonas、Streptomyces、Staphylococcus属内の他の様々な種が含まれる。また、より詳しく後述するよに、適した宿主細胞には、S.cerevisiaeのような酵母、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞のような哺乳類細胞系列、または昆虫細胞がある。また、本明細書中に開示するDNA構築物由来のRNAから、無細胞翻訳系を用いて哺乳類IL-15またはその誘導体を産生することができる。細菌、真菌、酵母、及び哺乳類宿主細胞において利用される適当なクローニング及び発現ベクターは、例えばPouwels et al. Cloning vectors:A Laboratory Manual,Elsevier,New York,1985に記載されている。
哺乳類IL-15またはその誘導体を酵母宿主細胞で発現させる場合、哺乳類IL-15またはその誘導体をコードする塩基配列(例えば構造遺伝子)は、リーダー配列を含ませることができる。このリーダー配列によって、翻訳されたポリペプチドは酵母宿主細胞によってより良く細胞外に分泌されるようになる。
哺乳類IL-15を酵母宿主細胞で発現させる場合、Saccharomyces属(例えばS.cerevisiae)の細胞が望ましい。また、PichiaまたはKluyveromycesのような酵母の他の属も使用できる。酵母ベクターには、2μ酵母プラスミド由来の複製開始配列、自己複製配列(ARS)、プロモーター領域、ポリアデニル化部位、及び転写終結配列が含まれることが多い。酵母ベクターは、複製開始配列及び選択マーカーを含むのが望ましい。酵母ベクターの適当なプロモーター配列には、メタロチオネイン、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ(Hitzeman et al.,J. Biol. Chem. 255:2073,1980)、または他の解糖系の酵素(Hess et al.,J. Adv. Enzyme Reg. 7:149,1968;及びHolland et al.,Biochem. 17:4900,1978)のプロモーターが含まれる。解糖系の酵素とは、例えば、エノラーゼ、グリセルアルデヒド三リン酸脱水酵素、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼなどである。酵母での発現に使用される他の好ましいベクター及びプロモーターについては、Hitzeman,EP-A-73,657にさらに詳しく記載されている。
酵母ベクターの構築に当たっては、例えば大腸菌での選択及び複製のために、pBR322由来のDNA配列(Ampr遺伝子及び複製開始点)を利用することができる。酵母用の発現構築物に含まれ得る他の酵母DNA配列には、グルコース抑制性ADH2プロモーター及びα因子分泌リーダー配列がある。ADH2プロモーターは、Russel et al.(J. Biol. Chem. 258:2674,1982)及びBeier et al.(Nature 300:724,1982)によって記載されている。酵母α因子リーダー配列は異種のポリペプチドの分泌を促進する。α因子リーダー配列は、プロモーター配列と構造遺伝子配列との間に挿入されることが多い(例えば、Kurjan et al.,Cell 30:933,1982;及びBitter et al.,Proc. Natl. Acsd. Sci. USA 81:5330,1984参照)。リーダー配列の3'端を改良して、1つ以上の制限酵素部位を加えることができる。これによって、リーダー配列と構造遺伝子との融合が容易になる。
酵母形質転換法は、当該業者には周知である。そのような方法の1つは、Hinnen et al.,Proc Natl. Acad. Sci. USA 75:1929,1978に記載されている。Hinnenらの方法は、0.67% yeast nitrogen base、0.5%カザミノ酸、2%グルコース、10mg/mlアデニン、及び20mg/mlウラシル選択培地でTrp+形質転換体を選択するものである。
ADH2プロモーター配列を持つベクターで形質転換した酵母宿主細胞の発現を誘導するために、栄養培地で培養する。栄養培地とは例えば、1% yeast extract、2%ペプトン、及び1%グルコースに80mg/mlのアデニン及び80mg/mlのウラシルを加えたものである。ADH2プロモーターの活性化は、培地中のグルコースが枯渇すると起こる。
一方大腸菌のような原核宿主細胞では、哺乳類IL-15またはその誘導体は、原核宿主細胞内での組み換えポリペプチドの発現を促進するN末端メチオニン残基を持っていてもよい。このN末端Metは、発現した組み換え哺乳類IL-15から切断される。
組み換え哺乳類IL-15またはその誘導体の構造遺伝子塩基配列を持つ組み換え発現ベクターは、適当な宿主微生物または哺乳類細胞系列に形質転換または感染させることができる。
原核宿主細胞に感染した発現ベクターは一般的に1つ以上の表現型選択マーカーを含む。表現型選択マーカーとは例えば抗生物質耐性を与えるタンパク質または栄養要求性を補うタンパク質をコードする遺伝子で、宿主内での増幅を確実にするための、宿主によって認識される複製開始点を含む。原核宿主細胞用のその他の有用な発現ベクターには、商業的に入手できるプラスミド由来の細菌起源の選択マーカーが含まれているものがある。この選択マーカーには、クローニングベクターpBR322(ATCC 37017)の遺伝要素からなるものがある。pBR322はアンピシリン及びテトラサイクリン耐性遺伝子を含むので、簡単な方法で形質転換した細胞を同定することができる。pBR322“骨格”部分を、適当なプロモーター及び哺乳類IL-15構造遺伝子配列と組み合せてある。他の商業的に入手できるベクターには例えば、pKK223-3(Phamacia Fine Chemicals,Uppsala,Sweden)やpGEM1(Promega Biotec,Madison,WI,USA)がある。
プロモーター配列は、組み換え原核宿主細胞発現ベクターでは一般的に使われている。一般的なプロモーター配列には、βラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター系(Chang et al.,Nature 275:615,1978;及びGoeddel et al.,Nature 281:544,1979)、トリプトファン(trp)プロモーター系(Geddel et al.,Nucl. Acids Res. 8:4057,1980;及びEPA 36776)及びtacプロモーター(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,(1989))がある。特に有用な原核宿主細胞発現系では、λファージPLプロモーター及びcI857ts熱不安定性抑制因子の配列が用いられている。American Type Culture Collectionから入手できるλPLプロモーター誘導体を組み込んだプラスミドベクターには、プラスミドpHUB2(大腸菌株JMB9(ATCC 37092)中に入っている)及びpPLc28(大腸菌株RR1(ATCC 53082)中に入っている)がある。
また、哺乳類または昆虫宿主細胞系を用いて組み換え哺乳類IL-15またはその誘導体を発現することができる。適当な哺乳類宿主細胞系列には、サル腎臓細胞のCOS-7細胞(Gluzman et al.,Cell 23:175(1981);ATCC CRL 1651)、L細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC CCL 163)、CHO細胞、Hela細胞(ATCC CCL 2)、及びBHK(ATCC CRL 10)細胞系列がある。適当な哺乳類発現ベクターに含まれる非転写要素には、複製開始点、プロモーター配列、構造遺伝子につながったエンハンサー、その他の5'または3'周辺非転写配列(例えばリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライシング供与及び受容部位、及び転写終結配列)がある。
哺乳類宿主細胞発現ベクター中の転写及び翻訳調節配列は、ウィルス材料から得られる。例えば一般的に利用される哺乳類プロモーター配列及びエンハンサー配列は、ポリオーマ、アデノウィルス2、サルウィルス40(SV40)、及びヒトサイトメガロウィルス由来である。SV40ウィルスゲノム由来のDNA配列(例えばSV40複製開始点、初期及び後期プロモーター、エンハンサー、スプライシング部位、及びポリアデニル化部位)を用いて、哺乳類宿主細胞細胞で構造遺伝子を発現させるのに必要な他の遺伝因子も提供される。ウィルス初期及び後期プロモーターはウィルス複製開始点をも含む断片としてウィルスゲノムから容易に得られるので、特に有用である(Fiers et al.,Nature 273:113,1978)。SV40ウィルス複製開始点中に位置するHindIII部位からBglI部位の約250bpの配列が含まれていれば、小さいまたは大きいSV40断片のどちらも利用することができる。
典型的な哺乳類発現ベクターは、Okayama and Berg(Mol. Cell. Biol. 3:280,1983)によって開示された通りに作ることができる。その他の有用な発現ベクターは、1990年2月14日出願の米国特許出願第07/480,694号及び1990年6月5日出願の米国特許出願第07/543,193号に記述されている。
組み換え哺乳類IL-15の精製
IL-15ポリペプチドは、IL-15ポリペプチドまたはその誘導体を発現するのに必要な培養条件下で形質転換した宿主細胞を培養することによって調製できる。次に発現産物のポリペプチドを培地または細胞抽出液から精製する。哺乳類IL-15ポリペプチドまたはその誘導体は、商業的に利用できるタンパク質濃縮フィルター(例えばAmiconまたはMillipore Pellicon限外濾過キット)を用いて濃縮できる。濃縮工程の有無に関わらず、培養液を精製担体(例えば疎水性クロマトグラフィー担体)にかけることができる。フェニルセファロース(登録商標)CL-4B(Pharmacia)は、適した媒体である。一方、陰イオン交換樹脂(例えばペンデントなジエチルアミノエチル(DEAE)基を持つ担体または基質)を用いることもできる。担体はアクリルアミド、アガロース、デキストラン、セルロース、またはタンパク質精製に用いられる他種のものでも良い。または、ゲルろ過基質を用いることもできる。組み換えIL-15は酸性の水性緩衝液中では安定なので、陽イオン交換樹脂を用いることもできる。
最後に、疎水性RP-HPLC媒体(例えば、ペンデントなメチル基または他の脂肪族基を持つシリカゲル)を用いた逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)を1回または複数回行って、IL-15をさらに精製することができる。前述の精製工程の一部または全てを種々に組み合せて、実質的に均質の組み換えタンパク質を提供することができる。あるいは、以前に記載したサルIL-15の精製法に用いた過程の一部または全てを利用することもできる。
細菌培養液から産生した組み換えタンパク質を単離するには通常、先ず宿主細胞を破砕し、遠心し、不溶性のポリペプチドならば細胞塊から、可溶性のポリペプチドならば上清から抽出し、濃縮、塩析、イオン交換またはサイズ排除クロマトグラフィーを1回以上行う。微生物細胞は、凍結解凍サイクル、超音波破砕、機械的な破壊、または細胞溶解試薬の使用などの簡易法によって破砕できる。
形質転換した酵母宿主細胞は、IL-15を分泌タンパク質として発現する目的に好んで用いられる。これを用いると、精製が簡略化される。酵母から分泌された組み換えポリペプチドは、Urdal et al,(J. Chromatog. 296:171,1984)に開示された方法と類似の方法で精製できる。Urdalらは、予備的なHPLCカラムでRP-HPLCを2回連続して行って組み換えヒトIL-2を精製したと記載している。
哺乳類IL-15ポリペプチド及びその誘導体の投与
本発明は、有効量のIL-15を適当な希釈剤または担体中に入れたものを含む、治療用組成物の使用方法を提供する。治療目的のために、精製したIL-15またはその生物活性を持つ誘導体を、処置に際して兆候に適した方法で罹患者(ヒトであることが望ましい)に投与する。例えば、ある種の貧血症を抑制するために投与するIL-15組成物は、大丸薬の注入、連続的な注射、挿入体からの持続的な放出、または他の適当な方法によって与えられる。投与は、静脈注射、皮下注射、または非経口または腹膜内注射によって行うことができる。特に、IL-15治療剤は、生理的に受容可能な担体、補形薬、または希釈剤と精製したポリペプチドを組み合せた薬剤組成物の形式で投与することが考えられる。そのような担体は、使用する量と濃度においては患者に対して無害なものであろう。一般にそのような組成物の調製には、哺乳類IL-15ポリペプチドまたはその誘導体と以下のものとの組み合せが含まれる。即ち緩衝液、アスコルビン酸のような抗酸化剤、低分子量(約10残基以下)のポリペプチド、タンパク質、アミノ酸、炭水化物(例えばグルコース、スクロース、またはデキストランを含む)、EDTAのようなキレート剤、グルタチオン及びその他の安定化剤及び補形薬である。中性に緩衝した塩水または非特異的な血清アルブミンと混合した塩水は、典型的な適当な希釈剤の例である。
以下に示す実施例は具体例提示のためであって、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
実施例1
天然sIL-15の精製と配列決定
限外濾過
限外濾過はIL-15を精製するに際して絶対的に必要なものではない。しかし,その過程によって確かに、少量混入しているいくつかのタンパク質を除去し、そして体積を減少させることができ、よって精製機構の速度を上昇させることができる。限外濾過工程はYM10またはYM30らせん状カートリッジ、空洞状繊維カートリッジ、または様々な種類の限外濾過装置のディスク膜のいずれかを利用することによって行うことができる。しかし、Amicon限外濾過装置にYM30らせん状カートリッジを使用するのが好ましかった。この工程の前後にはバッファー交換の必要はなかった。
均質ではないタンパク質溶液、即ち馴化培地を、増殖しているCV-1/EBNA細胞を血清およびフェノールレッドを欠くDMEMにおいてバイオリアクターで5g/l Cytodex(登録商標)3マイクロキャリアーとともに培養することにより得た。8×8リットルのバイオリアクター(合計約64リットル)が収集され,細胞とマイクロキャリアーを除去するために遠心し,0.22ミクロンのセルロースアセテート膜フィルターを通して濾過し,YM30らせん状カートリッジを用いて最終量を約2リットルになるように濃縮した。YM30濃縮物は疎水性クロマトグラフィーにかける前に濾過しておくことが望ましい。この工程でバクテリアや他の微粒子を除去することによってコンタミネーションを最小限に抑えることができる。フィルターは小孔のサイズが0.1から0.45ミクロンでタンパク質を結合しないものであればあらゆるフィルターが使用できると思われるが,0.22ミクロンのセルロースアセテート膜フィルターが望ましい。
疎水性クロマトグラフィー
疎水性クロマトグラフィーはタンパク質を陰イオン交換カラムにのせられるような低塩濃度のバッファーに移すための迅速な方法であった。さらに,これによって精製の度合は3倍から6倍になった。そのうえ,この工程の前後にはバッファー交換は一切必要でなかった。様々な疎水性カラムが適している。フェニルセファロース(登録商標)CL-4Bカラム(Pharmacia)が望ましい。本明細書中に記載されている疎水性クロマトグラフィーの工程に代わるものとしては,ジアフィルトレーション(diafiltration)または透析の工程が使用できる。
好ましくは,限外濾過された濃縮物に最終濃度が約0.2Mになるように硫酸アンモニウムを加えた。限外濾過濃縮物を、pH約8.5のHEPES緩衝液で最終濃度が約20mMとなるように処理した。この濃縮物をフェニルセファロース(登録商標)CL-4Bカラムに注入し,結合していないタンパク質を除去するために0.2M硫酸アンモニウム10mM HEPES pH約8.5で洗浄した。結合タンパク質は10mM HEPES pH約8.5によって溶出された。溶出したタンパク質のピーク(IL-15を含む)を陰イオン交換カラムにかけた。
陰イオン交換クロマトグラフィー
陰イオン交換クロマトグラフィーによる精製によって,透析またはバッファー交換を必要とししない、さらなる精製を行うことができた。この工程においては,フェニルセファロース(登録商標)タンパク質プールを陰イオン交換媒体を含むカラムに2回通すことが好ましかった。通した後はいずれも結合タンパク質はNaClとともにHEPESに溶出された。種々の陰イオン交換媒体および緩衝液系はpHが約8から約9のものが適しているが,DEAE Sephacel(登録商標)(Pharmacia)および続くMono Qではバッファー交換または透析を経ずに次の陰イオン交換工程に進むことが可能であった。DEAE Sephacel(登録商標)によって,高解離度Mono Q高速液体クロマトグラフィー("FPLC," Pharmacia)にのせる前に多少の混入タンパク質を除去することができた。NaCl濃度は選んだ陰イオン交換体および緩衝液のpHに依存して使用された。タンパク質を陰イオン交換ゲルから溶出するためにはNaClの代替物として他の塩も使用できる。
最も好ましいのは,フェニルセファロースプールに最終伝導率が約1.2ミリシーメンス/センチメートル("mS/cm")(および0.1M以下のNaCl)となるようにNaClを加えること,およびpH約8.5の約10mM HEPES中の0.1M NaClによって平衡化されたDEAE Sephacel(登録商標)カラムに注入することであった。結合タンパク質は,pH約8.5の約10mM HEPESにおけるNaClが約0.1から約0.3Mの範囲で直線勾配で溶出された。溶出されたタンパク質活性画分(IL-15を含んでいる)を回収し、Mono Q陰イオン交換カラムにかけた。
活性DEAE Sephacel(登録商標)プールは約10mM HEPESで最終伝導率が1.6mS/cm以下(0.14M NaCl以下)になるように希釈した。希釈したプールを,pH約8.5の約10mM HEPES中の約0.14M NaClによって平衡化されたMono Q FPLC高速液体クロマトグラフィーカラムに注入した。結合タンパク質はpH約8.5の約10mM HEPES中の約0.14Mから約0.5MのNaClによって勾配的に溶出した。活性画分(IL-15を含む)を回収して逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)にかけた。
RP-HPLC
天然の哺乳類IL-15ポリペプチドはpH約7から約9において,および約pH2.5の0.1%トリフルオロ酢酸("TFA")およびアセトニトリル("AcN")溶液において安定である。IL-15活性は酸性水溶液の緩衝液を使用すると回収されなかった。従って,多くのHPLC緩衝液系は除外され,精製スキームに含まれるべき陽イオン交換クロマトグラフィーは使用できなかった。C4 RP-HPLCカラム(Vydac(登録商標)0.46×25cm,5ミクロン)によって最高の精製が供給された。他の逆相カラム(C8またはC18)は機能しなかった。すなわち,タンパク質は高濃度のAcNでC4から溶出したが、C8またはC18からはまったく回収できなかった。我々が試した他の緩衝液系(すなわち,酢酸アンモニウム/メタノールpH7および酢酸ピリジン/プロパノール)も成功しなかった。
RP-HPLC精製では,Mono Q活性プールをVydac(商標)C4マトリックスに2回通すことが好ましい。最初に通すときは,Mono Q活性プールは約1ml/minでC4 HPLCカラムに注入し,0.1% TFA/H2Oから0.1% TFA/100% AcNへと次に示す勾配をかけて溶出した。その勾配は以下の通りであった:
0から45% AcN,1% AcN/分
45から60% AcN,0.5% AcN/分
60から100% AcN,2% AcN/分
ピークとなる活性画分(IL-15を含む)は約48%から約15%の間に溶出された。バイオアッセイによって決定された活性画分を回収し,0.1% TFA/H2Oで希釈してAcN濃度を低下させ,同じC4カラムにかけた。
C4 TFA/AcNから回収された活性プールを希釈したものをC4カラムに戻し,0.1% TFA/H2Oで洗浄し,0.1% TFA/H2O(緩衝液A)から0.1% TFA/60% n-プロパノール(緩衝液B)まで直線勾配によって約0.5ml/minで溶出した。勾配は0.5%B/minでかける。画分をバイオアッセイしてIL-15を含む画分を特定した。IL-15を含む画分を回収した。
SDS-PAGE
精製したIL-15は銀染色SDS-PAGEによって見ることができる。SDS-PAGEによって分離された、精製した哺乳類IL-15タンパク質のバンドを電気ブロットしてN末端アミノ酸配列の決定解析ができる。IL-15タンパク質バンドはバイオアッセイによって特定できる。
C4 TFA/n-プロパノールHPLCを通って精製されたIL-15タンパク質画分を高速吸引によって乾燥させ,還元SDS試料緩衝液に再懸濁してポリアクリルアミンSDSゲルにかけた。HPLC精製されたIL-15は2本の隣接したレーンでSDS-PAGE(Phastgel(登録商標)8-25%,Pharmacia)にかけるのが好ましい。固定および染色の前に,約1mmのゲルの薄片をPhastgel(登録商標)の1つのレーンから切り出し,直接バイオアッセイにかけた。残りのゲルは展開して銀染色したバンドをバイオアッセイにかけた薄片と対応させた。IL-15活性は15-17kDaに対応した。特異活性決定のために,精製したIL-15を還元SDS試料緩衝液に再懸濁し,14%ポリアクリルアミドSDSゲル(Novex)にかけて銀染色した。15-17kDaに対応するsIL-15ポリペプチドの純度は精製スキームの始めノCV-1/EBNA馴化培地におけるsIL-15ポリペプチドの純度の約222,000倍に上昇していた(表2)。純度およびタンパク質のデータに加えて,表2には精製過程の各工程の後に行ったCTLL-2バイオアッセイ(以下の実施例2に記載されている)における天然のsIL-15ポリペプチドの活性も示した。
Figure 0003689111
PVDF ブロット
14%ポリアクリルアミドSDSゲルを約60Vにセットした定常電流で約1時間,PVDF膜(Applied Biosystems社のProBlot(登録商標))にブロットした。タンパク質のバンドはPVDF膜をクマシーブルー(0.1%;10%酢酸,50%メタノール)で染色することによって視覚化することができる。タンパク質のバンドを浮き上がらせるために,クマシーブルーを含まない同溶液を用いて膜を脱染色してもよい。IL−15活性に対応するタンパク質のバンドを切り出し,PVDF膜から直接タンパク質のN末端の配列を決定した。
sIL−15ポリペプチド配列決定
前述のRP−HPLC工程によって得られたIL−15調製物を、SDS−PAGEによって解析した。ゲルを銀染色してタンパク質のバンドの存在を示した。視覚化されたバンドに対応する未染色ゲルの薄片をバイオアッセイすることによって,IL−15活性は15−17kDaの範囲に分子量を持つタンパク質に関連していることが示された。PVDF膜にブロットされたその15−17kDaポリペプチドのN末端をエドマン分解法によってApplied Biosystems社のタンパク質配列決定装置で配列決定した。結果は配列番号3に示した最初の33アミノ酸の同一性が示された。サルのライブラリーから得たcDNAクローンをそれに続いて配列決定したところ,配列番号2のポリペプチドをコードする配列が得られた。配列番号2のポリペプチドは比較的短い48アミノ酸のリーダー配列および配列番号3に表される成熟ポリペプチドを含む。
実施例2
バイオアッセイ
CTLL−2細胞はIL−15ポリペプチドの検出のための迅速および感度の良いバイオアッセイを供給する。IL−15に応答して増殖する,様々な感度を持つその他の細胞系列はCTLL−2.4(Valentine et al., Eur J. Immunol., 21(4):913(1991)),32D(Greenberger,Federation Proceedings 42:2762(1983)),BAF−BO3(Hatakeyama et al., Cell, 59:837(1989)),MO7e(Avanzi et al., Br. J. Haematol. 69:359(1988)),およびTF1(Kitamura et al., J. Cell. Physiol., 140:323(1989))である。
好ましくは,CTLL−2細胞を,30ng/ml IL−2、5%ウシ胎児血清(FBS)、5×10-5M 2−メルカプトエタノール、50μg/mlペニシリン、50μg/mlストレプトマイシン、および3−4.0mM L−グルタミンを補った高グルコースDMEMで37℃,10%CO2および湿度97%で成長させた。CTLL−2は成長にIL−2を必要とする因子依存性の細胞系列である。従って,アッセイを行うためには,IL−2を除去するためにCTLL−2細胞を,5%FBS、5×10-5M 2−メルカプトエタノール,50μg/mlペニシリン,50μg/mlストレプトマイシン,および3−4.0mM L−グルタミンを補った高グルコースDMEMで2回洗浄した。アッセイするIL−15サンプルは96穴平底マイクロタイタープレートの中でDMEM 5%FBSで滴定した。洗浄したCTLL−2細胞を加え(最終アッセイ体積は100μl,2000細胞/穴),プレートを約24時間,37℃および10% CO2でインキュベートした。プレートを3H−チミジン(25Ci/mモル)によって0.5μCi/穴で5時間パルスし,細胞を回収し(Inotech 96穴細胞回収器),CPMを測定した(Packard Matrix 96ガス比例計測システム)。ユニットは,1ユニットが50%最大刺激を与えるマイクロリットル数に等しいとしてCPMから計算する。
実施例3
sIL−15 cDNAクローンの調製
精製したsIL−15ポリペプチドのN末端31アミノ酸の配列(配列番号3のアミノ酸1−31)を,IL−15−特異的なDNA配列を増幅するPCRのための合成オリゴヌクレオチドプライマーを設計するために使用した。N末端の最初の6アミノ酸(Asn−Trp−Val−Asn−Val−Ile)から一つのプライマーを設計し,最初の6アミノ酸残基に考えられる全てのコドンをコードする混合の縮重混合物は以下の通りである
5’−AAYTGGGTNAAYGTNATH−3’
これは配列番号9に示されているが、YはTまたはC,HはA,TまたはC,およびNはA,C,G,またはTを指す。サルの成熟したN末端26−31のアミノ酸配列(Tyr−Thr−Glu−Ser−Asp−Val)を第2のプライマーの設計に使用し,26−31のアミノ酸残基に考えられる、Valの3個目を除く全てのコドンの相補体をコードする縮重混合物は以下の通りである
5’−ACRTCNGAYTCNGTRTA−3’ および
5’−ACRTCRCTYTCNGTRTA−3’
これはそれぞれ配列番号10および11に示されているが,YおよびNは上記のように定義され,RはAまたはGを指す。
10ng/mlのホルボール 12−ミリスチン酸13−酢酸(”PMA”)によって24時間,37時間,および72時間刺激を受けたCV−1/EBNA細胞から抽出したポリアデニル化されたRNAを第1鎖cDNA合成のための分離した鋳型鎖として用いた。商業的に入手可能である,オリゴヌクレオチドプライマーを含むPCR反応混合試薬に、第1鎖の反応の部分を加えた。この混合試薬は標準緩衝液による100μl反応スケールで濃度1μMのプライマーとともに31サイクルのPCR増幅を行った。サイクルは次のように設定した。すなわち,94℃0.5分間の変性,0.5分間のアニーリング工程,および72℃ 0.75分間の伸長工程である。55℃,53℃,および51℃のそれぞれにおける2サイクルのアニーリングに続き、49℃のアニーリング温度で25サイクル行った。
増幅に続いて,試料を精製してアガロースゲル電気泳動にかけた。これによってCV−1/EBNA細胞に関連した2つの別々の反応から,ゲルのレーンから切り出した92塩基対のDNA断片が生成された。92塩基対DNA断片はElutip−Dカラム(Schleicher & Schuell, Keene NH)を用いて精製し,pBluescript SK-(Stratagene,La Jolla, CA)にクローニングし,ジデオキシDNA配列決定に用いた。
ハイブリダイゼーションのプローブは,サブクローニングされた92塩基対のDNA断片をランダムプライミングによって標識して調製した。ハイブリダイゼーションのプローブは,CV−1/EBNAのポリアデニル化RNAから調製したcDNAを挿入したプラスミドのライブラリーの一部を検索することに用いた。この結果,C85.sIL-15クローンが単離された。オープンリーディングフレームをもつこのクローンは、配列番号1に示すヌクレオチド配列を含んでいる。
sIL−15のコード領域のポリペプチドのヌクレオチド配列は配列番号1に示してある。この配列はC85.sIL-15挿入配列に由来している。SalIリンカーが付加されたC85.sIL-15を発現ベクターpDC406のSalI部位に挿入した(C.J. McMahan et al., EMBO J., 10(10):2821-2832(1991))。ポリアデニル化mRNAはCV−1/EBNA細胞系列から調製し,cDNAは標準的な技術を用いて調製した。CV−1/EBNA細胞系列はsIL−15の生産者である。cDNA末端にはSalIアダプターを付加した(Haymerle et al., Nucleic Acid Res, 14:8615-24(1986))。すなわち,
5’−TCGACTGGAACGAGACGACCTGCT−3’
3’−GACCTTGCTCTGCTGGACGA−5’
(それぞれ配列番号7および8),そしてベクターpDC406に挿入した。プラスミドをもつ約500個の独立な単離体をプレートに広げ,DNAプローブ断片とハイブリダイゼーションすることによってスクリーニングを行った。DNAプローブ断片はCV−1/EBNA細胞系列のcDNAのsIL−15の配列をPCRによって調製した。
実施例4
ヒトIL−15のクローニング
sIL−15プローブは単離,調製,および放射性標識されたSalI断片を含む(約1.37kb)sIL−15のcDNAからランダムプライミング標識によって調製された。プローブの特異活性は約1×106cpm/ngであった。ノーザンブロット解析では,プローブは,IMTLH細胞系列を含む様々な部分からのヒトのRNAとハイブリダイズした。IMTLH細胞系列はヒト骨髄ストローマ細胞をpSV3Neoで安定に形質転換したものに由来する。このプローブは,ヒトRNAと約40%ホルムアミド中、約42℃,18時間でハイブリダイズした。ハイブリダイゼーションに続いて,6xSSCで約10分間洗浄し,続いて2xSSCで42℃,約30分間洗浄した。放射線写真によってIMTLHのレーンに正のシグナルが確認された。
ヒトIL−15 cDNAを含むプールを同定するために,IMTLH cDNAライブラリーをSalI消化した産物についてサザンブロット法によりプローブ探査をおこなった。前述のCV−1/EBNAライブラリーの際に使用したHaymerle et al., Nucleic Acid Res, 14:8615-24(1986)の方法によってIMLTHライブラリーを発現ベクターpDC406に構成した。約1000の異なるcDNAクローンからなるプールであるプール“I41”が陽性として同定された。“I41”の約4000コロニーをプレートに広げ,ヒトIL−15 cDNAを含むコロニーを同定するために,慣用されたコロニーハイブリダイゼーション法によってプローブ探査した。唯一のクローン,I41.hETFのみがヒトIL−15をコードすることが示された。ヒトとサルのIL−15オープンリーディングフレーム配列の間には約96%のヌクレオチド配列の同一性,および約96%のアミノ酸配列の同一性が確認された(図4および5)。
実施例5
rIL−15によるCTLL−2増殖の刺激
IL−15の成熟型をコードするcDNA(ヌクレオチド145から489,配列番号1および4に含まれている)を異種哺乳類分泌シグナルの下流に挿入し,sIL−15およびhIL−15のためのrIL−15発現プラスミドを作製した。分泌シグナルは大部分がアミノ酸の疎水性領域(通常はポリペプチドのN末端)であり,分泌およびシグナルペプチドのC末端と成熟な分泌タンパク質のN末端との間の切断を調節している(von Heijne, Eur. J. Biochem., 116:419(1981))。ここで使用した分泌シグナルはネズミのIL−7シグナル配列である。生成したプラスミドをCOS−7細胞に感染させた。トランスフェクションさせた細胞培養液の上清はCTLL−2の増殖を刺激した。さらに,hIL−15の前駆体型のコード領域(配列番号3)をpDC406に挿入し,CV−1/EBNA細胞にトランスフェクションさせた。pDC406:hIL−15(即ち,hETF/pDC406)をトランスフェクションさせた細胞の上清はCTLL−2細胞の増殖を刺激したが,空のベクターをトランスフェクションさせたものは増殖を刺激しなかった。
実施例6
rIL−15によるCTLL−2増殖の誘導
サルIL−15の組換え体(サルrIL−15)は実施例1に記載した精製法から限外濾過およびイオン交換の工程を省略した方法で,sIL−15 cDNAを発現させた酵母の上清から精製した。精製したサルrIL−15と,精製した組換えIL−2およびIL−4との生物活性を比較した。3つのタンパク質のそれぞれの純度はアミノ酸解析によって確認された。3つの組換えタンパク質のそれぞれの生物活性をCTLL−2細胞を用いて試験管内でアッセイした。CTLL−2培養液は100μlの補充した培地の中に培養液あたり2000細胞とともに示したようなサイトカインを含んでいた。CTLL−2培養液は24時間の培養時間の最後の4時間に,培養液当たり0.5μCiの[3H]チミジンでパルスし,ガラス繊維フィルターの上に回収し,流れ落ちる気体のイオン化によって放射活性を決定した。試験管内におけるCTLL−2細胞の増殖応答は組換えサイトカインの濃度の上昇によって測定した(ng/mlで表される)。データは図6に取込まれた3H−チミジンのcpm(x10-3)として表されている。
実施例7
rIL−15によるCTL,LAK,およびNK溶解活性の誘導
抗原特異的な細胞障害性Tリンパ球(CTL)を試験管内で生成した。一人の提供者に由来するヒト末梢血液単一核細胞(PBL)(5x105個/培養液)を,同種異系の提供者に由来する,様々な濃度のIL−2またはヒトrIL−15を持つか,あるいはサイトカインを持たない非照射PBL培養細胞(5x105個/培養液)によって刺激した。培養はM.B. Widmer et al., J. Exp. Med., 166:1447(1987)に記載されている方法に従っておこない,7日後に回収し,元来の刺激性のドナーに由来する51Cr標識された標的に対する細胞の溶解活性をアッセイした。溶解アッセイは1000個の標識された標的とともに200μlの培地でV型孔で培養された様々な数の応答性PBLを含んでおり,4時間のインキュベーションの後に上清を回収した。溶解単位は特異的51Cr放出の最大値の50%を生成するために必要な応答性培養液に対応する画分の逆数として計算される。サイトカイン処理したCTLに関するデータは図7にまとめてある。
リンホカインにより活性化されたキラー(LAK)細胞は上記のCTLと同一の培養条件下で産生したが,ヒトPBLは同種異系の提供者に由来するPBLによって刺激されない点は除く。そのかわりに,自己由来の非照射PBLで置き換え,溶解活性はDaudiリンパ芽球様細胞系列に対する活性を測定した。LAKアッセイにおいては,溶解単位は,特異的51Cr放出の最大値の30%を産生するために必要な培養液に対応する画分の逆数として計算される。サイトカイン処理したLAK細胞に関するデータは図8にまとめてある。
ナチュラルキラー(NK)細胞はヒトPBL全体からMACS(Miltenyi Biotec, Sunnyvale CA)とともに常磁性ミクロスフェアに対する抗体の親和性によって,抗CD16モノクローナル抗体を使用して単離された。精製されたNK細胞を3日間培養し,K652赤芽性白血病細胞系列に対する細胞溶解活性を測定した。NKアッセイにおいては溶解単位は、特異的51Cr放出の最大値の30%を産生するために必要な培養液に対応する画分の逆数として計算される。サイトカイン処理したNK細胞に関するデータは図9にまとめてある。
本明細書中の実施例6および7におけるIL−2およびIL−15の活性の類似性により,当該技術分野において通常の知識を有する者の中には,IL−15がCTL,LAK,およびNK細胞の活性を刺激し,腫瘍細胞およびウイルス感染細胞を破壊するT細胞の数が増加することを期待する者もあろう。IL−15ポリペプチドの投与の項で既に記載されているように,適当な希釈液または担体に含ませたIL−15の効果量を以下の患者に投与することが可能である。すなわち、癌腫、黒色腫、肉腫、白血病又はリンパ腫の患者、あるいはサイトメガロウイルス属を含むヘルペスウイルス科のウイルス、ポリオーマウイルス(Polyomaviridae)、HIVを含むレトロウイルス科のウイルス、インフルエンザウイルス、ヘパドナウイルス科のウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、デルタ型肝炎ウイルス又はD型肝炎ウイルスに感染している患者である。
配列表
(2)配列情報 SEQ ID NO:1:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ: 489塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直線状
(ii)配列の種類: cDNA
(iii)ハイポセティカル: NO
(iv)アンチセンス: NO
(ix)特徴:
(A)NAME/KEY: CDS
(B)存在位置: 1..489
(xi)配列: SEQ ID NO:1:
Figure 0003689111
Figure 0003689111
(2)配列情報 SEQ ID NO:2:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ: 162アミノ酸
(B)型: アミノ酸
(D)トポロジー: 直線状
(ii)配列の種類: タンパク質
(xi)配列: SEQ ID NO:2:
Figure 0003689111
(2)配列情報 SEQ ID NO:3:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ: 114アミノ酸
(B)型: アミノ酸
(D)トポロジー: 直線状
(ii)配列の種類: タンパク質
(iii)ハイポセティカル: NO
(xi)配列: SEQ ID NO:3:
Figure 0003689111
(2)配列情報 SEQ ID NO:4:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ: 489塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直線状
(ii)配列の種類: cDNA
(ix)特徴:
(A)NAME/KEY: CDS
(B)存在位置: 1..489
(xi)配列: SEQ ID NO:4:
Figure 0003689111
Figure 0003689111
(2)配列情報 SEQ ID NO:5:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ: 162アミノ酸
(B)型: アミノ酸
(D)トポロジー: 直線状
(ii)配列の種類: タンパク質
(xi)配列: SEQ ID NO:5:
Figure 0003689111
(2)配列情報 SEQ ID NO:6:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ: 114アミノ酸
(B)型: アミノ酸
(D)トポロジー: 直線状
(ii)配列の種類: タンパク質
(iii)ハイポセティカル: NO
(xi)配列: SEQ ID NO:6:
Figure 0003689111
(2)配列情報 SEQ ID NO:7:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ: 24塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直線状
(ii)配列の種類: cDNA
(iii)ハイポセティカル: NO
(iv)アンチセンス: NO
(xi)配列: SEQ ID NO:7:
Figure 0003689111
(2)配列情報 SEQ ID NO:8:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ: 20塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直線状
(ii)配列の種類: cDNA
(iii)ハイポセティカル: NO
(iv)アンチセンス: NO
(xi)配列: SEQ ID NO:8:
Figure 0003689111
(2)配列情報 SEQ ID NO:9:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ: 18塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直線状
(ii)配列の種類: cDNA
(iii)ハイポセティカル: NO
(iv)アンチセンス: NO
(xi)配列: SEQ ID NO:9:
Figure 0003689111
(2)配列情報 SEQ ID NO:10:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ: 17塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直線状
(ii)配列の種類: cDNA
(iii)ハイポセティカル: NO
(iv)アンチセンス: YES
(xi)配列: SEQ ID NO:10:
Figure 0003689111
(2)配列情報 SEQ ID NO:11:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ: 17塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直線状
(ii)配列の種類: cDNA
(iii)ハイポセティカル: NO
(iv)アンチセンス: YES
(xi)配列: SEQ ID NO:11:
Figure 0003689111
(2)配列情報 SEQ ID NO:12:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ: 114アミノ酸
(B)型: アミノ酸
(D)トポロジー: 直線状
(ii)配列の種類: タンパク質
(iii)ハイポセティカル: NO
(xi)配列: SEQ ID NO:12:
Figure 0003689111

Claims (19)

  1. 哺乳動物のIL−15の生物学的活性を示すポリペプチドをコードしている単離されたDNAであって、以下のもの:
    (a)以下の配列
    Figure 0003689111
    [配列中、52番目のアミノ酸はLeuまたはHis、57番目のアミノ酸はAlaまたはThr、58番目のアミノ酸はSerまたはAsp、73番目のアミノ酸はSerまたはIle、および80番目のアミノ酸はValまたはIleである]
    を含む哺乳動物のIL−15のポリペプチドをコードしているDNA;および
    (b)(a)のDNA、またはその相補鎖にストリンジェントな条件下で検出可能な程度にハイブリダイズし、哺乳動物のIL−15の生物学的活性をもつポリペプチドを発現するようにコードしているDNA
    からなるグループから選択される、前記DNA。
  2. 哺乳動物のIL−15の活性を示すポリペプチドをコードしている上述のDNAが、以下のもの
    (a)配列番号1のDNA配列のヌクレオチド145から489からなるDNA;
    (b)配列番号4のDNA配列のヌクレオチド145から489からなるDNA;
    (c)(a)または(b)のDNA、またはその相補鎖にストリンジェントな条件下で検出可能な程度にハイブリダイズし、哺乳動物のIL−15の生物学的活性をもつポリペプチドを発現するようにコードしているDNA;および
    (d)遺伝暗号の縮重によって前述のDNAのいずれかにコードされるポリペプチドをコードするDNA
    からなるグループから選択されるDNAを含む、請求項1に記載の単離されたDNA。
  3. 請求項1又は2の哺乳動物のIL−15の生物学的活性をもつポリペプチドをコードしているDNAを含む組換え発現ベクター。
  4. 哺乳動物のIL−15の活性を示すポリペプチドをコードしている上述のDNAが、以下のもの
    (a)配列番号1のDNA配列のヌクレオチド145から489からなるDNA;
    (b)配列番号4のDNA配列のヌクレオチド145から489からなるDNA;
    (c)(a)または(b)のDNA、またはその相補鎖にストリンジェントな条件下で検出可能な程度にハイブリダイズし、哺乳動物のIL−15の生物学的活性をもつポリペプチドを発現するようにコードしているDNA;および
    (d)遺伝暗号の縮重によって前述のDNAのいずれかにコードされるポリペプチドをコードするDNA
    からなるグループから選択される、請求項3に記載の組換え発現ベクター。
  5. 請求項3又は4の発現ベクターで形質転換またはトランスフェクションされた宿主細胞。
  6. 宿主細胞がE.coli、Pseudomonas、Bacillus、Streptomyces、酵母、菌類、昆虫細胞、および哺乳動物細胞よりなるグループから選択される、請求項5の宿主細胞。
  7. 宿主細胞がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、請求項6の宿主細胞。
  8. 発現を促進するような条件下で請求項5ないし7のいずれか1項に記載の宿主細胞を培養し、そして培養液中からIL−15の生物学的活性を示すポリペプチドを回収することを含む、IL−15ポリペプチドを調製する方法。
  9. 請求項8に記載の方法によって調製されたIL−15ポリペプチド。
  10. 請求項1又は2の単離されたDNAによってコードされるアミノ酸配列を含む、単離された生物学的に活性なIL−15ポリペプチド。
  11. 配列番号2、配列番号3、配列番号5又は配列番号6によって定義されるポリペプチドを含む、請求項10に記載の単離された生物学的に活性なIL−15ポリペプチド。
  12. 配列番号3又は配列番号6によって定義されるポリペプチドを含む、請求項11に記載の単離された生物学的に活性なIL−15ポリペプチド。
  13. 請求項9−12のいずれか1項に記載の単離されたIL−15ポリペプチドを含む、癌腫、黒色腫、肉腫、白血病又はリンパ腫の患者、あるいはサイトメガロウイルス属を含むヘルペスウイルス科のウイルス、ポリオーマウイルス(Polyomaviridae)、HIVを含むレトロウイルス科のウイルス、インフルエンザウイルス、ヘパドナウイルス科のウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、デルタ型肝炎ウイルス又はD型肝炎ウイルスに感染した患者を治療するための薬剤組成物。
  14. 請求項13に記載の、単離されたIL−15ポリペプチドを含む薬剤組成物であって、単離されたIL−15ポリペプチドは以下のもの:
    配列番号3によって定義されるポリペプチド;および
    配列番号6によって定義されるポリペプチド
    からなるグループから選択される、前記薬剤組成物。
  15. 生物学的に活性なIL−15ポリペプチドの前駆体ポリペプチドをコードする単離されたDNAであって、前記DNAは以下のもの:
    配列番号2によって定義されるポリペプチドを発現するようにコードしているDNA;および
    配列番号5によって定義されるポリペプチドを発現するようにコードしているDNA
    からなるグループから選択される、前記DNA。
  16. 生物学的に活性なIL−15ポリペプチドの前駆体ポリペプチドをコードする上述のDNAが、以下のもの:
    配列番号1によって定義されるDNA;および
    配列番号4によって定義されるDNA
    からなるグループから選択されるDNAを含む、請求項15に記載の単離されたDNA。
  17. 請求項1若しくはまたは2に記載のIL−15 DNA、またはそれに対応するmRNAに結合することが可能な、少なくとも17ヌクレオチドを含むアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチド。
  18. 請求項9ないし12のいずれか1項に記載のポリペプチドの、抗腫瘍又は抗感染症免疫を提供するための医薬の製造のための使用方法。
  19. 請求項9ないし12のいずれか1項に記載のポリペプチドの、癌腫、黒色腫、肉腫、白血病又はリンパ腫の患者、あるいはサイトメガロウイルス属を含むヘルペスウイルス科のウイルス、ポリオーマウイルス(Polyomaviridae)、HIVを含むレトロウイルス科のウイルス、インフルエンザウイルス、ヘパドナウイルス科のウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、デルタ型肝炎ウイルス又はD型肝炎ウイルスに感染した患者の治療に使用するための医薬の製造のための使用方法。
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