JPH0774231B2 - 抗体の分離方法 - Google Patents

抗体の分離方法

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JPH0774231B2
JPH0774231B2 JP61293378A JP29337886A JPH0774231B2 JP H0774231 B2 JPH0774231 B2 JP H0774231B2 JP 61293378 A JP61293378 A JP 61293378A JP 29337886 A JP29337886 A JP 29337886A JP H0774231 B2 JPH0774231 B2 JP H0774231B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は抗体の分離方法に関する。さらに詳細に言う
と、この発明は抗体を含む液中の抗体を高い精度で分離
するための方法に関する。
[従来の技術] 従来より、抗体の分離は電気泳動やクロマトグラフィー
等により行なわれている。抗体の分離のために採用され
るクロマトグラフィーの1つとして充填剤として水酸ア
パタイトを用いたカラムクロマトグラフィーが行なわれ
ている。クロマトグラフィー充填剤として用いられる水
酸アパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)は、通常、リン酸水
素カルシウムを例えば200℃、15気圧で加水分解する高
温高圧水蒸気下での反応による水熱合成法によって製造
される水酸アパタイトの板状結晶を細かく砕くことによ
って製造されていた。
[従来技術の欠点] 従来の水酸アパタイトクロマトグラフィー充填剤は、粒
子の粒径が不均一でその平均粒径も大きいので、これを
用いて液体クロマトグラフィーを行なった場合にその分
離能が満足できるものではなかった。さらに結晶が板状
であるので、充填方法やクロマトグラフィーの操作方法
により分離能が変化し、測定の信頼性にも問題があっ
た。
[発明が解決しようとする問題点] この発明の目的は、水酸アパタイト粒子をカラム充填剤
として用いた、クロマトグラフィーによる、精度の高い
抗体の分離方法を提供することである。
[問題を解決するための手段] この発明は、ゲル状水酸アパタイトスラリーを噴霧乾燥
することにより得られ、粒径のメジアンが1μmないし
10μmであり、全体の90%以上の粒子が25μm以下の粒
径を有する、実質的に球状の水酸アパタイト粒子集合体
が充填されたカラムを用いて抗体含有液をクロマトグラ
フィーに架けることから成る抗体の分離方法を提供す
る。
[発明の効果] この発明によると、精度が高く、かつ再現性の高い抗体
の分離方法が提供される。
[発明の具体的説明] この発明の抗体分離方法に用いられるクロマトグラフィ
ーカラムに充填される水酸アパタイト粒子集合体は、そ
の粒径のメジアンが1μmないし10μmで、全体の90%
以上の粒子の粒径が25μmであり、その形状が実質的に
球状である。この発明の好ましい態様では、水酸アパタ
イト粒子集合体の粒子の粒径のメジアンが1μmないし
6μmであり、全粒子数の90%以上の数の粒子の粒径が
15μm以下である。この発明の方法のさらに好ましい態
様では、水酸アパタイト粒子集合体の粒子の粒径のメジ
アンが1μmないし3μmであり、全粒子数の90%以上
の数の粒子の粒径が7μm以下である。
この発明の水酸アパタイト粒子集合体は、特定濃度のゲ
ル状水酸アパタイトスラリーを特定温度の気流中に噴霧
するとによって製造することができる。ここで、ゲル状
水酸アパタイトとは、水に、又はカルシウム、リン酸等
のイオンを含有する水溶液に水酸アパタイトの針状の微
結晶体が共存している懸濁体状のものである。この発明
の製造方法に用いるゲル状水酸アパタイトスラリーの水
酸アパタイト濃度は0.1ないし20重量%、好ましくは1
ないし10重量%である。このようなゲル状水酸アパタイ
トスラリーは、従来の水酸アパタイトの製造方法である
下記のいずれの方法によっても調製することができる。
(1) 水溶性カルシウム塩とリン酸塩とを水溶液中で
反応させる水溶液反応利用による湿式合成法 (2) リン酸カルシウムと炭酸カルシウムと水蒸気の
存在下において900ないし1400℃の温度で反応させる高
温固相反応利用による湿式合成法 (3) リン酸水素カルシウムを例えば200℃、15気圧
で加水分解する高温高圧水蒸気下での反応による水熱合
成法 また、ゲル状水酸アパタイトは、水酸アパタイトの微結
晶粉末を水に、又はカルシウム、リン酸等のイオンを含
有する水溶液に水酸アパタイトの針状の微結晶体を分散
混合しても得られることは言うまでもない。
次に上記ゲル状水酸アパタイトスラリーを、100℃ない
し200℃、好ましくは110℃ないし170℃の気流中に噴霧
する。この噴霧は通常の噴霧乾燥機によって行なうこと
ができる。噴霧された水酸アパタイト粒子は、サイクロ
ン等で捕集することができる。
上記操作によって、粒径が小さく均一な実質的に球状の
水酸アパタイト粒子集合体を得ることができる。このよ
うな水酸アパタイト粒子集合体はそのままクロマトグラ
フィー充填剤として用いることもできるが、後に詳述す
る、大きな格子定数の水酸アパタイトを得るために、80
℃ないし120℃の温度下で0.1時間ないし10時間乾燥し、
その後400℃ないし700℃の温度下で1ないし3時間焼成
することが好ましい。
この発明の抗体分離方法の好ましい態様では、用いられ
る水酸アパタイト粒子カラムのカラム充填率が50%以上
である。ここで、カラム充填率とはカラムの実働内容積
(カラム中の充填剤が充填される容積)から充填剤中の
空隙部分の体積を差し引いたものとカラムの実働内容積
との比を百分率で表わしたものである。この発明の方法
のさらに好ましい態様では、カラム充填率が55%以上、
さらに好ましい態様ではカラム充填剤が65%以上であ
り、さらに好ましい態様ではカラム充填率が75%以上で
ある。
このような高い充填率を有するカラムは以下の方法によ
り製造することができる。まず、カラムを準備し、この
カラムの下端部にフィルターを取り付ける。フィルター
は通常、フィルター付止金によってカラムに取り付けら
れる。フィルターは充填剤粒子を通過させずに媒体だけ
を通過させる大きさの孔を多数有するものであり、従来
の液体クロマトグラフィーカラムに用いられているいず
れのものをも用いることができる。
次に、このカラム上端部は例えばユニオンのような接続
部材によって、パッカーを接続する。パッカーは実質的
にカラム状をしており、その径は例えは充填剤を充填す
べきクロマトグラフィー用カラムと同じである。カラム
充填率を上げるためには、パッカーの長さは長い方が好
ましく、例えばクロマトグラフィー用カラムの5倍の長
さを有する。
一方、充填すべき充填剤粒子を媒体中に均一に分散させ
た充填剤粒子の分散液を準備する。媒体としては、液体
クロマトグラフィーを行なう際に用いられる溶離液が好
ましく、例えばリン酸緩衝液を挙げることができる。媒
体中の充填剤粒子の濃度は適宜選択することができる
が、例えば4ないし10w/v%である。充填剤粒子を媒体
中に均一に分散させる操作は、例えば充填剤を媒体中に
入れて静かにかきまぜた後、超音波水浴上で行なうこと
ができる。
次に、前記カラムとパッカーの連結体を実質的に垂直に
保持し、パッカーの上端部から前記充填剤粒子分散液を
カラム中に注入する。注入は速やかに、すなわち、カラ
ム中に分散液を落下させるような感じで行なうのが好ま
しい。注入をいつまで続けるかは、分散液中の充填剤粒
子の濃度及びカラムとパッカーの容積に依存するが、水
酸アパタイトの4ないし10w/v%分散液を用い、パッカ
ーの長さがカラムの長さの5倍である場合には、パッカ
ー上端部から分散液が溢れ出るまで注入を続けることが
好ましい。
次にパッカーの上端部にフィルターを取り付け、このフ
ィルターを介してパッカー内ひいてはカラム内に媒体を
ポンプで圧入する。この時の媒体も液体クロマトグラフ
ィーを実施する際に用いられる溶離液が好適であり、通
常、上記分散液の媒体と同じものが用いられる。圧入時
の圧力は、その最大時の圧力が50kg/cm2ないし500kg/cm
2であることが好ましい。この最大圧力の設定は上下限
圧力コントローラーによって行なうことができる。圧入
時の流速は、カラムの内径や容積、充填剤の種類に応じ
て適宜選択することができ、例えば1.0ml/分ないし2.0m
l/分である。また、充填剤を均一に充填するために、ポ
ンプとしては無脈動ポンプを用いることが好ましい。ま
た、圧入は、パッカー上部から圧入された媒体と実質的
に同じ体積の媒体がカラムの下端から流出するまで続け
ることが好ましい。
次にカラムをパッカーから取りはずし、カラム上端部に
フィルターを取り付けることによって上記したカラム充
填率の高いクロマトグラフィー用カラムが得られる。
この発明の抗体分離方法のまた別の好ましい態様では、
カラム内に充填される水酸アパタイトが六方晶系に属
し、その単位格子定数はa軸が9.58±0.08Åであり、c
軸が7.00±0.05Åである。従来よりクロマトグラフィー
用充填剤として用いられている水酸アパタイトの単位格
子定数はa軸が9.432Åであり、c軸が6.881Åである。
単位格子定数は、常法に従い、X線回折法によって測定
することができる。
このような単位格子定数の大きな水酸アパタイト結晶
は、上記のようにして得られた微粒状の水酸アパタイト
粒子集合体を400℃から700℃、好ましくは500℃から600
℃で焼成することによって製造することができる。焼成
時間は特に限定はないが通常0.1ないし20時間であり、
好ましくは1ないし3時間である。焼成処理に際して
は、酸素又は空気の存在下において乾燥を行なうことが
好ましい。乾燥処理条件は、80℃から120℃の温度下で
0.1ないし10時間行なうことが好ましい。
この発明の方法のクロマトグラフィー操作自体は従来と
同様に行なうことができる。すなわち、抗体含有試料溶
液を上記カラムに架け、これを緩衝液のような適当な溶
離液で溶離することによって行なうことができる。試料
溶液中のタンパク質量は特に制限はないが例えば2ない
し5mg/mlである。また、従来と同様、カラムの劣化を防
止するために溶離液にカルシウムイオンを含ませること
もできる。
[発明の実施例] 水酸アパタイト粒子集合体の製造 1リットルの三口フラスコに水酸化カルシウムの懸濁液
(15.6gの(95%Ca(OH)2と400gの蒸留水とから成る)を
取り、窒素ガスを吹き込み、かつ強く攪拌しながらリン
酸水溶液(13.8gの85%H3PO4と400gの蒸留水とから成
る)をゆっくりとした速度で添加した。添加終了後、こ
れにリン酸水溶液をさらに加えてpHを8.2とし、オイル
バスにセットし、90℃で約18時間保持した。この結果、
白色の微結晶物を含有する生成物、すなわちゲル状水酸
アパタイトスラリーを得た。このようにして得られた約
5重量%のゲル状水酸アパタイトスラリーを140℃の気
流中にノズルから噴霧し、得られた固形物をサイクロン
で捕集した。これを100℃で約3時間乾燥した後、580℃
で3時間焼成した。
水酸アパタイト粒子集合体の粒度分布測定 得られた水酸アパタイト粒子集合体の粒度分布を測定し
た。粒度分布は、ストークスの沈降式及び吸光度と粒子
濃度との比例関係を組合せた測定法を採用し、水を分散
媒として掘場自動粒度分布測定装置CAPA-300型を用いて
行なった。測定時のパラメーターは以下のとおりであっ
た。
分散媒粘性係数 0.96センチポイズ 分散媒密度 1.00g/ml 試料密度 3.21g/ml 最大粒径 10.00μm 最小粒径 1.00μm 粒径間隔 1.00μm 測定時間 6分20秒5 回転数 500rpm 結果を第1表に示す。
水酸アパタイト粒子集合体の単位格子定数測定 X線回折法により単位格子定数を測定した。X線回折
は、理学電機製RAD-rDを使用し、次の測定条件を採用し
て行なった。
出力:40kV、30mA CuKα DS/RS/SS:1/6℃/0.15mm/1/6℃ プリセットタイム:0.1秒 ステップ幅:1/100 その結果、a軸の単位格子定数が9.58Å、c軸の単位格
子定数が7.01Åであった。
水酸アパタイト粒子集合体のカラムへの充填 内径8.5mm、長さ100cmのステンレス製カラムの下端に、
厚さ5μmのフィルターを有するフィルター付止金を取
り付けた。カラム上端にユニオンを介して内径8.5mm、
長さ50cmのカラム状のステンレス製パッカーを取り付け
た。カラム及びパッカーをクランプで垂直に保持した。
一方、粒径のメジアンが約2μmの水酸アパタイト粒子
を35mlの媒体に10w/v%の濃度になるように加え静かに
かきまぜ、超音波水浴上に5秒間載せて粒子を均一に分
散させた。用いた媒体は、53.7gのNa2HPO4・12H2Oと、2
3.4gのNaH2PO4・2H2Oと、0.0015gのCaCl2・2H2Oと、0.5
gのNaN3とを蒸留水に溶かして全量を100mlとしたものの
pHを0.5N NaOH又は0.5N HClで6.8に調整したものであっ
た。分散液を超音波水浴から取り出し、パッカーの上端
からすばやくパッカー及びカラム内に注入した。パッカ
ーの上端から分散液が溢れ出した後注入をやめ、パッカ
ーの上端に厚さ5μmのフィルターを有するフィルター
付止金をすばやく取り付けた。次に無脈動ポンプを用
い、パッカーの上部に取付けられたフィルターを介して
パッカー及びカラム内に上記媒体を1.5ml/分の流速で圧
入した。この際、上下限圧力コントローラーを用いて、
最大時の圧力が50kg/cm2になるように調整した。カラム
の下端から約40mlの媒体が流出したところで圧入を止
め、カラムをパッカーから取り外してその上端部に上記
フィルター付止金を取付け、この発明のカラムを得た。
次にこのようにして得たカラムのカラム充填材中の空隙
部の体積を測定したところ2.52mlであった。従って、こ
のカラムのカラム充填率は以下のようにして求めること
ができる。
充填剤中の空隙部の体積=2.52ml カラムの実働内容積=10cm×8.5mm=5.67ml [抗体の分離] 試料の調製 第2表に示す種々のマウス単一クローン抗体を製造し
た。単一クローン抗体はKohlerとMilsteinの方法により
常法に従って製造した。用いたマウスはBALB/Cマウスで
あった。単一クローン抗体は腹水を硫酸アンモニウムで
沈殿させることによって部分的に精製した。50%飽和の
硫安で形成された沈殿を0.15M NaClと0.1%のアジ化ナ
トリウムとを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.2)に溶解し
た。この際、タンパク濃度は約2ないし5mg/mlとなるよ
うにした。クロマトグラフィーに架ける際には、この溶
液を10mMのリン酸パッファー(NaClを含まない)で10倍
に希釈して用いた。一方、単一クローン抗体を含まない
マウスの腹水及びマウス血清免疫グロブリンも試験し
た。腹水はマウス腹腔に腫瘍細胞(SP2/0)を注射する
ことによって得た。タンパク質は上述と同様に硫酸アン
モニウムで塩析することによって精製した。
文献 *1 エリアス・ジェイ・エム、チバ・ジェイ、シェバ
ク・イー・エム及びゴドフレイ・ヘイチ・ピー(1985)
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びサトウ・ワイ(1984)Infect.Immunity,46 422-428 *3 フルタ・ティー、ニシザワ・ティー、チバ・ジェ
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5 *4 チバ・ジェイ、カジイ・エイチ、カワムラ・エ
ム、オオイ・ケイ、モロオカ・エヌ及びウエノ・ワイ
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ーソン・ダブリュ・エム、ツウェイグ・エス・イー及び
シェバク・イー・エム(1983)J.Immunol.Methods,63,2
47-261- a 未発表 溶離液の調製 一方、溶離液は以下のように製造した。まず、リン酸二
水素ナトリウム(分析グレード、和光純薬工業株式会社
製)溶液をリン酸一水素ナトリウム(分析グレード、和
光純薬工業株式会社製)溶液で滴定してリン酸緩衝液
(0.01M及び0.3M、pH7.2)をつくった。これらの緩衝液
1リットルに1.0mlの1M塩化カルシウムと1グラムのア
ジ化ナトリウムとを徐々に加えた。塩化カルシウムを加
えた後、これらの緩衝液を少なくとも24時間放置した。
形成された沈殿は0.3μmのミリポアメンブレンフィル
ター(タイプPH)でろ過して除去した。これらのリン酸
緩衝液中のカルシウムイオンの量は約10ないし30μMで
あると見積もられる。カルシウムイオンはカラムの劣化
を防止する。
クロマトグラフィー操作 試料は200μlの10mMリン酸緩衝液中に20ないし100μg
のタンパク質が含まれるように調製した。カラムは塩化
カルシウムを含む10mMのリン酸緩衝液(pH7.2)で予め
平衡させた。試料溶液に濁りがある場合には、試料溶液
をクロマトグラフィーに架ける前に0.45μmのミリポア
メンブレン(SJHV004NS)でろ過して濁りを除いた。カ
ラムの展開は、上記CaCl2を含む溶離液(0.01M及び0.3
M)を用い、30分間の直線勾配を採用して室温で行なっ
た。溶離液の流速は1分間当たり0.5mlであった。それ
ぞれの展開の後、カラムを0.3Mのリン酸緩衝液で10分間
洗い、次の展開のために10mMのリン酸緩衝液で再び平衡
させた。最初に緩衝液で0.5ml/分で溶離した時のカラム
圧力は20kg/cm2であったが、最後には30kg/cm2まで上昇
した。
結果 第1図(a)ないし(e)は、腹水から硫酸アンモニウ
ムで沈殿させることによって部分滴に精製した単一クロ
ーン抗体の典型的な溶離曲線を示す。(a)は5CD2、
(b)は2G3、(C)は8BE6、(d)は4CC6、(e)は7
BE8についての結果を示す。全てのクロマトグラムは本
質的に互いに類似している。試料注入23分後のタンパク
質ピークは主成分としてアルブミンを含むものであり、
これは全ての製剤にとって共通であった。この共通のア
ルブミンピークが溶離した後、鋭い対称的なピークとし
て単一クローン抗体が異なる滞留時間で溶離された。タ
ンパク質の回収率は、クロマトグラフィーの前後におけ
る280nmの紫外線吸光度を比較することにより85-100%
であると見積もられる。ちなみに、単一クローン抗体を
含まない腹水についてクロマトグラフィーを行なったと
ころ、共通のアルブミンピークの後は有意のタンパク質
ピークが見られなかった(第1図(f))。アルブミン
の後に幅広に溶離されるタンパク質は主として腹水中に
分泌されるポリクローナル血清免疫グロブリンを含む。
上記5種類の単一クローン抗体を含む溶液を等量づつ混
合し、クロマトグラフィーを行なった。結果を第2図に
示す。第2図には、それぞれの単一クローン抗体の滞留
時間の差が現れており、用いたクロマトグラフィーカラ
ムの分離能の高さを示している。
第2表に示す他の単一クローン抗体についても同様にク
ロマトグラフィーを行なったところ、同様な溶離曲線が
得られた。単一クローン抗体は、共通のアルブミンピー
ク(23分後)の後に鋭い対称ピークとして溶離された。
各単一クローン抗体の滞留時間は第2表に示されてい
る。第2表より、それぞれ単一クローン抗体は同じサブ
クラスに属するものであってもそれぞれ異なる滞留時間
を有することが明らかであり、免疫グロブリンの型(ク
ラス及びサブクラス)と滞留時間との関係は見られなか
った。
免疫グロブリンMの還元後の再クロマトグラフィー ペンタマーの免疫グロブリンM(分子量900,000)は中
性のpH下で緩慢な還元を受けると結合Jタンパク質(分
子量15000)を放出してモノマー(分子量180000)に解
離することがよく知られている。第1図(e)に示す先
に精製したIgMを37℃で30分間10mMのジチオスレイトー
ルで処理した後クロマトグラフィーに架けた。得られた
クロマトグラムを第3図(a)及び第3図(b)に示
す。予想されるように、IgMのペンタマー型は第3図
(a)に示すように30分の滞留時間後に溶離された。一
方、還元型のIgMは第3図(b)に示すように24分の滞
留時間後に溶離された。少量の未解離のペンタマーもカ
ラムから溶離されたがその量は無視できる程度に少なか
った。第3図(b)の大きな吸収ピークは還元剤ジチオ
スレイトールの溶離に起因する。結合Jペプチドは検出
されなかったが、これは大きなジチオスレイトールの吸
収ピークの陰に隠されたためであると考えられる。ま
た、同じくIgM抗体である2F11Bについても同様に試験し
たところ、全く同様な結果が得られた。上記結果より、
水酸アパタイト上のクロマトグラフィーにより、還元に
よるIgMの構造の変化が明確に示されていることがわか
る。ちなみに、IgGも同様にジチオスレイトールで還元
してクロマトグラフィーに架けたが、その滞留時間に変
化はなかった。
血清免疫グロブリンのクロマトグラフィー ヒト免疫グロブリン(IgG、コーンの分画II)は、米国
セントルイスのシグマ・ケミカル・カンパニーから購入
した。ウサギ免疫グロブリン(コーンの分画II)はイス
ラエル国レホボットのマイルズ・エル・ティー・ディー
から購入した。ウサギ免疫グロブリン(IgG)は硫酸ア
ンモニウムによる塩析及びDEAEセルロースクロマトグラ
フィーによって精製した。
これらの免疫グロブリンを前記と同様の条件でクロマト
グラフィーに架けた。結果を第4図(a)ないし第4図
(c)に示す。(a)がマウス血清IgG(コーンの分画I
I)、(b)がヒト血清IgG(コーンの分画II)、(c)
がウサギ血清IgG(DEAE−セファッデックスで精製)に
ついての結果を示す。マウス血清免疫グロブリンと同様
に、ヒト免疫グロブリンもまた、幅広の不規則なピーク
を伴ってカラムから溶離された。両方の血清免疫グロビ
リンとも、同じ程度のリン酸イオン濃度で溶離された。
ウサギの免疫グロブリンは、、これら2つの免疫グロブ
リンよりも鋭いピークで溶離された。このことはウサギ
免疫グロブリンの多型性はマウスやヒトよりも小さいこ
とを示している。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は、この発明の方法によって分離し
た抗体のクロマトグラムを示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 30/48 C 33/531 A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゲル状水酸アパタイトスラリーを噴霧乾燥
    することにより得られ、粒径のメジアンが1μmないし
    10μmであり、全体の90%以上の粒子が25μm以下の粒
    径を有する、実質的に球状の水酸アパタイト粒子集合体
    が充填されたカラムを用いて抗体含有液をクロマトグラ
    フィーに架けることから成る抗体の分離方法。
  2. 【請求項2】前記水酸アパタイト粒子集合体は、その粒
    径のメジアンが1μmないし6μmであり、全体の90%
    以上の粒子が15μm以下の粒径を有する特許請求の範囲
    第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】前記水酸アパタイト粒子集合体は、その粒
    径のメジアンが1μmないし3μmであり、全体の90%
    以上の粒子が7μm以下の粒径を有する特許請求の範囲
    第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】前記カラム中の前記水酸アパタイト粒子集
    合体のカラム充填率が50%以上である特許請求の範囲第
    1項ないし第3項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記充填率が55%以上である特許請求の範
    囲第4項記載の方法。
  6. 【請求項6】前記充填率が65%以上である特許請求の範
    囲第5項記載の方法。
  7. 【請求項7】前記充填率が75%以上である特許請求の範
    囲第6項記載の方法。
  8. 【請求項8】前記水酸アパタイトは六方晶系に属し、そ
    の単位格子定数はa軸が9.58±0.08Åであり、c軸が7.
    00±0.05Åである特許請求の範囲第1項ないし第7項の
    いずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記ゲル状水酸アパタイトスラリー中の水
    酸アパタイト濃度は0.1ないし20重量%であり、該スラ
    リーは100℃ないし200℃の気流中に噴霧される特許請求
    の範囲第1項ないし第8項のいずれか1項に記載の方
    法。
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