JP2005533068A - Hivプロテアーゼ阻害剤の疑似多形相 - Google Patents

Hivプロテアーゼ阻害剤の疑似多形相 Download PDF

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Abstract

(1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルの新規な疑似多形相およびそれらの製造方法を開示する。

Description

本発明は(1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルの新規な疑似多形相(pseudopolymorphic forms)、それらを生じさせる方法に加えてそれらを薬剤として用いることに関する。
ウイルスの蛋白質前駆体の処理にはウイルスがコードするプロテアーゼが必要であり、それはウイルスの複製に必須である。そのような蛋白質前駆体の処理を妨害すると感染性ウイルス粒子の生成が阻害される。従って、ウイルスのプロテアーゼの阻害剤を用いて慢性もしくは急性ウイルス感染を防止または治療することができる。(1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルはHIVプロテアーゼ阻害活性を示し、特にHIV−1およびHIV−2ウイルスの阻害で用いるに良好に適する。
(1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルの構造は下記:
Figure 2005533068
であることが分かっている。
式(X)で表される化合物およびこれの製造方法は特許文献1、2、3および非特許文献1(これらは全部引用することによって本明細書に組み入れられる)に開示されている。
商業的用途用薬剤配合物(pharmaceutical formulation)の調製で用いられる薬剤は特定の基準を満足させる必要があり、そのような基準には、GMP(Good Manufacturing Practices)およびICH(International Conference on Harmonization)ガイドラインが含まれる。そのような基準には、異質で幅広い範囲の物理的、化学的および薬学的パラメーターを包含する技術的要求が含まれている。それはそのように多様なパラメーターを考慮することにあり、そのことから、薬剤配合は複雑な技術的研究分野になっている。
例えば、一例として、薬剤配合物の調製で用いられる薬剤は受け入れられる純度を満たすべきである。化学合成で作られた新規な薬剤物質に入っている不純物、即ちそのような新規な薬剤物質を合成、精製そして貯蔵している間に生じる可能性が高い実際および潜在的不純物の範囲および品質を限定する確立されたガイドラインが存在する。そのような薬剤物質が劣化を起こすことで生じる生成物または薬剤物質が賦形剤および/または直接容器/密封装置と反応することで生じる生成物の許容量に関してガイドラインが制定されている。
薬剤配合物を作り出す時にまた安定性も考慮に入るパラメーターである。安定性が良好であると、その薬剤配合の貯蔵寿命(ある製品が予測または指定貯蔵条件下で貯蔵された時に品質特徴を維持し得る時間枠)の間に薬剤物質の所望の化学的一体性が保持されることが確保されるであろう。その期間の間に当該薬剤が投与されると潜在的に危険な劣化生成物の存在によって服用者の健康に不利益な結果がもたらされることも活性材料の含有量が低くなることで治療量未満(under−medication)になることも起こり得ないことから、危険性をほとんどまたは全く伴わない可能性がある。
安定性はいろいろな要因、例えば光放射、温度、酸素、湿度、溶液状態におけるpH感受性などの影響を受ける可能性があり、それによって貯蔵寿命および貯蔵条件が決定され得る。
生体内利用率もまた薬学的に受け入れられる配合物の薬物送達を考案する時に考慮に入るパラメーターである。生体内利用率は個々の薬剤の無傷な形態が薬剤投与後に全身循環する時に見られる量および速度に関係している。従って、ある薬剤が示す生体内利用率は、その薬剤が作用部位1つまたは2つ以上の所で治療有効濃度に到達するか否かを決定付ける時に重要である。
物理化学的要因および薬理−技術的配合は当該薬剤の生体内利用率の点で影響を与え得る。このように、生体内利用率を向上させようとする時には、当該薬剤が示すいくつかの特性、例えば解離定数、溶解速度、溶解度、多形相、粒子サイズなどを考慮に入れるべきである。それは、また、選択した薬剤配合が製造可能である、より適切には大規模に製造可能であることを確立することと関連している。
多種多様な技術的要求およびそれに影響を与えるパラメーターを考慮すると、どの薬剤配合が満足されるかを予見することは自明のことではない。式(X)で表される化合物の固体状態の特定の修飾形がそれの薬剤配合における適用性に断定的な影響を与えることを見いだしたことは、そのこと自体予想外であった。
EP 715618 WO 99/67417 米国特許第6,248,775号 Bioorganic and Chemistry Letters、8巻、687−690頁、1998、「Potent HIV protease inhibitors incorporating high−affinity P2−igans and (R)−(hydroxyethylamino)sulfonamide isostere」
(発明の要約)
本発明は薬剤配合物を製造するに適した式(X)で表される化合物の疑似多形相に関する。前記疑似多形相は安定性および生体利用率を向上させる点で薬剤配合物に貢献する。それらは、薬剤使用、より詳細には、哺乳動物におけるHIVプロテアーゼ活性を阻害する薬剤の製造で満足されるほど充分に高い純度で製造可能である。
本発明は、1番目の面として、(1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルの疑似多形体を提供する。提供する疑似多形体には、式(X)で表される化合物のアルコール溶媒和物、より詳細にはC−Cアルコール溶媒和物、水和物である溶媒和物、アルカン溶媒和物、より詳細にはC−Cクロロアルカン溶媒和物、ケトン溶媒和物、より詳細にはC−Cケトン溶媒和物、エーテル溶媒和物、より詳細にはC−Cエーテル溶媒和物、シクロエーテル溶媒和物、エステル溶媒和物、より詳細にはC−Cエステル溶媒和物、およびスルホン溶媒和物、より詳細にはC−Cスルホン溶媒和物が含まれる。好適な疑似多形体は、薬学的に受け入れられる溶媒和物、例えば水和物およびエタノラートである。特別な疑似多形体は式(X)で表される化合物の形態A(エタノラート)、形態B(水和物)、形態C(メタノラート)、形態D(アセトネート)、形態E(ジクロロメタネート)、形態F(エチルアセテート溶媒和物)、形態G(1−メトキシ−2−プロパノラート)、形態H(アニソラート)、形態I(テトラヒドロフラネート)、形態J(イソプロパノラート)である。別の特別な疑似多形体は式(X)で表される化合物の形態K(メシレート)である。
本発明は、2番目の面として、疑似多形体を生じさせる方法に関する。式(X)で表される化合物を有機溶媒、水、または水と水混和性有機溶媒の混合物と一緒にしそして結晶化を誘発する適切な何らかの技術を適用することで所望の疑似多形体を得ることで、式(X)で表される化合物の疑似多形体を生じさせる。
本発明は、3番目の面として、本疑似多形体を哺乳動物におけるHIVプロテアーゼ活性を阻害する薬剤配合物を製造する時に用いることに関する。そのような治療分野に関して、本発明の好適な態様は、HIVウイルス病の治療を必要としている哺乳動物におけるそれを治療する目的で式(X)で表される化合物の薬学的に受け入れられる疑似多形相を用いることに関し、この方法は、前記哺乳動物に式(X)で表される化合物の薬学的に受け入れられる疑似多形相を有効量で投与することを含んで成る。
本図に本発明に従う疑似多形体の特徴に関する追加的情報を示す。
(詳細な説明)
用語「多形」は、ある化学構造物がいろいろな形態で存在し得ることを指し、これは数多くの有機化合物(薬剤を包含)に存在することが知られている。このように、「多形相」または「多形体」には、非晶質形態、結晶形態、無水形態、いろいろな度合の水和物または溶媒和物、溶媒分子を捕捉した状態ばかりでなく結晶の硬さ、形状および大きさがいろいろな物質として見られる薬剤物質が含まれる。そのようないろいろな多形体は物性、例えば溶解性、崩壊、固体状態の安定性ばかりでなく錠剤製造(tabletting)中の粉末流れおよび圧縮固化の点から見た加工挙動がいろいろである。
三次元の長距離秩序が存在しない形態であるとして用語「非晶質形態」を定義する。非晶質形態の場合、分子の互いに関する位置は本質的に無作為である、即ち格子構造に関して分子が規則的に配置していない。
分子の互いに関する位置が三次元格子構造に従って組織化されている形態であるとして用語「結晶性」を定義する。
用語「無水形態」は水を本質的に含まない特別な形態を指す。「水和」は、特別な形態で存在する物質に水分子が付加する過程を指し、そして「水和物」は水分子が付加することで生じた物質である。「溶媒和」は、結晶形態で存在する物質にある溶媒の分子が取込まれる過程を指す。従って、溶媒を化学量論的または非化学量論的量のいずれかで含有する結晶形態であるとして用語「溶媒和物」を定義する。水は溶媒であることから、溶媒和物にはまた水和物も含まれる。用語「疑似多形体」は溶媒の分子が格子構造の中に取込まれている多形結晶形態に当てはまる。溶媒和物を表示する目的で用語「疑似多形」が頻繁に用いられる[Byrn、Pfeiffer、Stowell、(1999)Solid−state Chemistry of Drugs、第2版、SSCI,Inc出版]。
本発明は、(1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルの疑似多形体を提供するものである。
1つの態様における疑似多形体は、式(X)で表される化合物のアルコール溶媒和物、より詳細にはC−Cアルコール溶媒和物、水和物である溶媒和物、アルカン溶媒和物、より詳細にはC−Cクロロアルカン溶媒和物、ケトン溶媒和物、より詳細にはC−Cケトン溶媒和物、エーテル溶媒和物、より詳細にはC−Cエーテル溶媒和物、シクロエーテル溶媒和物、エステル溶媒和物、より詳細にはC−Cエステル溶媒和物、またはスルホン溶媒和物、より詳細にはC−Cスルホン溶媒和物である。用語「C−Cアルコール」は、少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されておりかつ場合によりアルキルオキシ基で置換されていてもよい炭素原子数が1から4の直鎖および/または分枝鎖飽和および不飽和炭化水素、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどを定義するものである。用語「C−Cクロロアルカン」は、少なくとも1個のクロロ原子で置換されている炭素原子数が1から4の直鎖および/または分枝鎖飽和および不飽和炭化水素、例えばジクロロメタンなどを定義するものである。用語「C−Cケトン」は、一般式R’−C(=O)−R[式中、RおよびR’は、同一もしくは異なってもよく、メチルまたはエチルである]で表される溶媒、例えばアセトンなどを定義するものである。用語「C−Cエーテル」は、一般式R’−O−R[式中、RおよびR’は、同一もしくは異なってもよく、フェニル基、メチルまたはエチルである]で表される溶媒、例えばアニソールなどを定義するものである。用語「シクロエーテル」は、環酸素原子を1または2個含有する4員から6員の単環状炭化水素、例えばテトラヒドロフランなどを定義するものである。用語「C−Cエステル」は、一般式R’−O−C(=O)−R[式中、RおよびR’は、同一もしくは異なってもよく、メチルまたはエチルである]で表される溶媒、例えば酢酸エチルなどを定義するものである。用語「C−Cスルホン溶媒」は、一般式R−SOH[式中、Rは、炭素原子数が1から4の直鎖もしくは分枝鎖飽和炭化水素であってもよい]で表される溶媒、例えばメシレート、エタンスルホネート、ブタンスルホネート、2−メチル−1−プロパンスルホネートなどを定義するものである。
薬学的に受け入れられる本発明の疑似多形体、例えば水和物、アルコール溶媒和物、例えばエタノラートなどが好適な形態である。
本出願ではいくつかの疑似多形体を例示するが、それらには式(X)で表される化合物の形態A(エタノラート)、形態B(水和物)、形態C(メタノラート)、形態D(アセトネート)、形態E(ジクロロメタネート)、形態F(エチルアセテート溶媒和物)、形態G(1−メトキシ−2−プロパノラート)、形態H(アニソラート)、形態I(テトラヒドロフラネート)、形態J(イソプロパノラート)または形態K(メシレート)が含まれる。
溶媒和物はいろいろな溶媒和比で存在し得る。そのような結晶の溶媒含有量は適用する条件に応じて比率が異なる点で多様であり得る。式(X)で表される化合物の溶媒和物結晶形態は、溶媒を式(X)で表される化合物1分子当たり5分子以下の数で含んで成る可能性があり、それらはいろいろな溶媒和状態で現れ、それには、とりわけ、半溶媒和物、一溶媒和物、二溶媒和物、三溶媒和物結晶、中間的溶媒和物結晶およびこれらの混合物が含まれる。式(X)で表される化合物と当該溶媒の比率を便利には(5:1)から(1:5)の範囲にしてもよい。この比率を特に式(X)で表される化合物1分子当たり約0.2から約3分子の溶媒の範囲にしてもよく、より特別には、その比率を式(X)で表される化合物1分子当たり約1から約2分子の溶媒の範囲にしてもよく、好適には、その比率を式(X)で表される化合物1分子当たり1分子の溶媒にする。
溶媒和物はまたいろいろなレベルの水和状態でも存在し得る。このように、式(X)で表される化合物の溶媒和物結晶形態は、特定の状況下では、追加的に水分子も含んで成る可能性があり、それらはある程度または完全に結晶構造の中に存在し得る。その結果として、本明細書では、溶媒を式(X)で表される化合物1分子当たり5分子以下の数で含んで成る式(X)で表される化合物のエタノラート形態、中間的溶媒和物結晶およびこれらの混合物、そして場合により結晶構造の中に一部または全部が位置する追加的水分子を含んで成っていてもよいそれらを指す目的で用語「形態A」を用いる。同じことが形態Bから形態Kにも当てはまる。特別な「形態A」を示す必要がある場合には、「形態A」の後に溶媒和比を従わせ、例えばエタノールが化合物(X)1分子当たり1分子の形態Aは形態A(1:1)として表す。
X線粉末回折は多形相[式(X)で表される化合物の疑似多形体を包含]を特徴付けかつ式(X)で表される化合物の溶媒和物結晶形態を他の結晶および非結晶形態から区別する技術である。このように、Phillips PW 1050/80粉末回折装置モデルBragg−Brentanoを用いてX線粉末回折スペクトルを集めた。0.5mmのガラス毛細管の中に形態A(1:1)の粉末の各サンプルを約200mg入れて、本技術分野で標準の方法に従って分析した。X線発生装置を45Kvおよび32mAで操作し、銅Kα線を放射源として用いた。カイ軸に沿ってサンプルを回転させないで、データを4から60゜2シータステップサイズの範囲で集めた。形態A(1:1)は、図1、2および3に示すように、
Figure 2005533068
の所にピークを有する特徴的な2シータ角位置を示す。
別の組の分析実験でX線単回折を形態A(1:1)に適用した結果、以下の表に挙げる下記の結晶形態がもたらされた。
Figure 2005533068
Figure 2005533068
結果として得た形態A(1:1)の三次元構造を図4に示す。
Figure 2005533068
Figure 2005533068
Figure 2005533068
Figure 2005533068
分子の構造、結晶度および多形を解明しようとする時にラマン分光法が幅広く用いられる。特に、結晶の中のいろいろな分子詰め込みを区別しようとする時には低周波ラマンモードが有用である。このように、光電子増倍管および光マルチチャネル検出器が備わっているBruker FT−Raman RFS100スペクトロメータを用いてラマンスペクトルを記録した。サンプルを石英毛細管に入れてアルゴンイオンレーザーで励起させた。サンプルの所のレーザー力を約100mWに調整しそしてスペクトル解像度は約2cm−1であった。形態A、B、D、E、FおよびH(1:1)および非晶質形態は図5、6および7に見られるラマンスペクトルを示すことを確認した。
加うるに、μATR(Micro−Attenuated Total Reflectance)アクセサリー(Si結晶を伴うHarrick Split−Pea)を用いて形態AおよびBの特徴付けを行った。Nicolet Magna 560 FTIR分光光度計、KBrビームスプリッター(beamsplitter)上のGeおよびKBrウィンドウズ検出器(windows detector)が備わっているDTGSを用いて赤外スペクトルを得た。スペクトルを1cm−1の解像度および4000から400cm−1の波数範囲内の各32スキャンでベースライン補正を適用して測定した。形態Aで得た波数を以下の表4に示す。
Figure 2005533068
図9に示したIRスペクトルは、結晶製品としての分子構造の振動様式を反映している。
形態Bで得た波数を以下の表5に示す。
Figure 2005533068
図10に示したIRスペクトルは、結晶製品としての形態Bが有する分子構造の振動様式を反映している。
同じ分析IR方法に従い、また形態Bおよび非晶質形態も特徴付けて、それらを図11から14に示すように形態Aと比較した。いろいろな物理的形態のIRスペクトルはスペクトルに顕著な差があることを示しており、最も関係しているスペクトルを表6に示す。
Figure 2005533068
物理的形態A、Bおよび非晶質形態を、各々の形態に特異的な吸収帯に焦点を当てたスペクトル解釈を行うことで識別した。これらの形態の間の特殊および特異的スペクトル差が下記の3スペクトル範囲の中に存在することが分かる:3750から2650cm−1(範囲1)、1760から1580cm−1(範囲2)および980から720cm−1(範囲3)。
範囲1(3750から2650cm−1
図11:形態Aは3454cm−1および3429cm−1の所に吸収最大値を伴う2つの帯を示す。形態Bは3615cm−1の所に単一の吸収帯を示し、そして非晶質形態は3362cm−1の所に単一の吸収帯を示す。
範囲2(1760から1580cm−1
図12:形態Aは1646cm−1の所に単一の吸収帯を示し、形態Bは1630cm−1の所に単一の吸収帯を示し、そして非晶質形態は1628cm−1の所に単一の吸収帯を示したが、強度は形態Bの帯に比較して明らかに高かった。加うるに、非晶質形態が1704cm−1の所に示した帯は形態AおよびBの両方が約1704cm−1の所に示した帯に比べて強くなくて幅広い。
範囲3(980から720cm−1
図13:形態Aは911、890、876、862および841cm−1の所に明瞭な組の5吸収帯を示す。形態Bも同様な組の帯を示したが、876cm−1の所には帯が存在しない。非晶質形態は約750cm−1の所に単一の幅広い帯を示し、形態AおよびBは両方ともが約768cm−1および743cm−1の所に2つの最大値を示す。
固体状態動力学を研究する時にサーモミクロスコピー(thermomicroscopy)が別の有用な技術である。溶体または溶融物から核が形成される過程の動力学を量化することができ、それには核形成速度の分析が含まれる。最も幅広く用いられていて最も簡単な方法は融点測定方法である。このように、加熱段階を伴うMettlerモデルFP 82制御装置をLeitz顕微鏡で用いた。ガラススライドの上に形態Aの粒子を数個置いて1分当たり10℃で加熱しながら観察した。形態A(1:1)の溶融範囲は90から110℃の範囲であることを確認した。
また、形態A(1:1)の溶解度も別の特徴付け手段を用いて検査を受けさせる事項である。それが約23℃のいろいろな溶媒の中で示す溶解度を測定した結果、下記の通りであった:
Figure 2005533068
溶解度のさらなる調査をpHの関数として実施した。このように、pHがいろいろな溶媒を用いて形態A(1:1)が示す水溶解度を測定した。溶質が過剰の場合には20℃で少なくとも24時間に渡って溶媒と平衡状態にした。溶解しなかった化合物を除去した後、紫外線分光測定を用いて溶液中の濃度を測定した。
Figure 2005533068
形態A(1:1)がHPβCD(ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン)の関数として示す溶解度を測定した。製品が過剰の場合には20℃で2日間に渡って溶媒と平衡状態にした。溶解しなかった化合物を除去した後、紫外線分光測定を用いて溶液中の濃度を測定した。
Figure 2005533068
本発明は、2番目の面において、疑似多形体を生じさせる方法に関する。式(X)で表される化合物を有機溶媒、または水、または水と水混和性有機溶媒の混合物と一緒にし、結晶化を誘発する適切な何らかの技術を適用しそして所望の疑似多形体を単離することで、式(X)で表される化合物の疑似多形体を製造する。
結晶化を誘発する技術は結晶を生じさせる方法であると理解されるべきであり、それには、とりわけ、式(X)で表される化合物を溶媒に溶解または分散させ、その式(X)で表される化合物と溶媒1種または2種以上の溶液もしくは分散液を所望濃度にし、前記溶液もしくは分散液を所望温度に持って行き、適切な圧力をいくらかかけ、いくらか存在する望まれない材料または不純物を除去および/または分離し、その生じた結晶を乾燥させることで、当該疑似多形体を固体状態(このような状態が望まれる場合)で得ることを包含する。
前記式(X)で表される化合物と溶媒の溶液もしくは分散液を所望濃度にすることは必ずしも式(X)で表される化合物の濃度を高くすることを意味するものではない。ある場合には、濃度を低くするか或は変えない方が好適であり得る。前記溶液もしくは分散液を所望温度に持って行くは加熱、冷却または周囲温度のままにする行為であると理解されるであろう。
所望濃度を得る目的で用いる技術は本技術分野で通常の技術であり、例えば大気圧蒸留、真空蒸留、分別蒸留、共沸蒸留、膜蒸発、本技術分野で良く知られている他の技術およびこれらの組み合わせなどを用いた蒸発である。所望濃度を得る任意方法は、同様に、式(X)で表される化合物と溶媒の溶液に例えば非溶媒を飽和点に到達するに充分な体積で添加することで前記溶液を飽和状態にすることを伴い得る。前記溶液を飽和状態にするに適した他の技術は、例として、式(X)で表される化合物を前記溶液に追加的に導入しそして/またはその溶媒の一部を前記溶液から蒸発させることを包含する。本明細書で示す如き飽和状態の溶液には、飽和点または飽和点を超える、即ち過飽和溶液が含まれる。
いくらか存在する望まれない材料または不純物の除去および/または分離は精製、濾過、洗浄、沈澱または同様な技術を用いて実施可能である。例えば、公知の固体−液体分離技術などを用いて分離を実施してもよい。本方法では本分野の技術者に公知の濾過手順も同様に使用可能である。濾過の実施ではとりわけ遠心分離またはブフナー型フィルター、Rosenmundフィルターもしくはプレートまたはフレームプレス(frame press)方法を用いてもよい。好適には、結果として得る疑似多形相の純度が高くなるように、この上に開示した方法にインライン濾過または安全濾過(safety filtration)を有利に介在させてもよい。加うるに、また、興味の持たれる結晶から不純物を分離する目的で濾過剤、例えばシリカゲル、Arbocel(商標)、ジカライト(dicalite)ケイソウ土などを用いることも可能である。
また、得た結晶を乾燥させることも可能であり、2つ以上の結晶経過(crystallization passages)を適用する時には場合によりいろいろな結晶過程でそのような乾燥工程を用いてもよい。乾燥手順には、本分野の技術者に公知の技術全部、例えば加熱すること、真空をかけること、空気または気体を循環させること、乾燥剤の添加、凍結乾燥、噴霧乾燥、蒸発など、またはこれらの任意組み合わせが含まれる。
式(X)で表される化合物の疑似多形体を結晶化させる方法には、複数の技術およびこれらの変法の組み合わせが含まれる。このように、例として、式(X)で表される化合物を適切な温度の溶媒に溶解または分散させそして前記溶媒の一部を蒸発させて前記溶液または分散液に入っている前記式(X)で表される化合物の濃度を高くし、そのような混合物を冷却しそしてその結果として生じた式(X)で表される化合物の溶媒和物結晶を場合により洗浄そして/または濾過そして乾燥させることで、式(X)で表される化合物の疑似多形体の結晶化を行ってもよい。場合により、式(X)で表される化合物を溶媒に溶解または分散させ、前記溶液または分散液を冷却した後、その得た疑似多形体を濾過そして乾燥させることで、式(X)で表される化合物の疑似多形体を調製することも可能である。式(X)で表される化合物の溶媒和物を調製する別の例は、式(X)で表される化合物を溶媒に入れて飽和状態にしそして得た結晶を場合により濾過し、洗浄しそして乾燥させることによる例であり得る。
結晶の生成にも同様に2つ以上の結晶化工程を伴わせてもよい。ある場合には、いろいろな理由、例えば結果として得る溶媒和物の品質を向上させる理由などで、結晶化段階を有利には1回、2回またはそれ以上実施してもよい。例えば、また、式(X)で表される化合物の初期出発基礎材料に溶媒を添加し、その溶液を固定温度で前記物質が完全に溶解するまで撹拌し、その溶液の濃縮を真空蒸留で行いそして冷却することを通して、本発明の疑似多形体の調製を行うことも可能である。1回目の結晶化が起こった後、その生じた結晶を新たに溶媒で洗浄した後、式(X)で表される化合物を前記溶媒と一緒にして溶解させることを通して、所望の疑似多形体を生じさせてもよい。その反応混合物の再結晶化が起こった後、還流から冷却する段階を設ける。その生じた疑似多形体を場合により濾過した後、乾燥させてもよい。
式(X)で表される化合物を有機溶媒、水または水と水混和性有機溶媒の混合物に溶解または分散させることによって、いろいろな度合の分散を得ることができ、例えば懸濁液、乳液、スラリーまたは混合物、または好適には均一な一相溶液を得ることができる。
場合により、前記溶媒に結晶分散液の調製で通常用いられる種類の添加剤、例えば1種以上の分散剤、界面活性剤または他の添加剤、またはこれらの混合物を含有させてもよく、それらは文献に充分に示されている。有利には、許容度(leniency)を大きくしかつ表面積を小さくして結晶の形状を改善しようとする時にそのような添加剤を用いることができる。
前記溶媒を含有させた溶液を場合により特定期間撹拌するか或は例えば高せん断混合装置またはホモジェナイザーまたはこれらの組み合わせなどを用いて激しく撹拌することで、そのような有機化合物に所望の液滴サイズを生じさせることも可能である。
本発明で用いるに有用な有機溶媒の例には、C−Cアルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなど、C−Cクロロアルカン、例えばジクロロメタンなど、C−Cケトン、例えばアセトンなど、C−Cエーテル、例えばアニソールなど、シクロエーテル、例えばテトラヒドロフランなど、C−Cエステル、例えば酢酸エチルなど、C−Cスルホネート、例えばメシレート、エタンスルホネート、ブタンスルホネート、2−メチル−1−プロパンスルホネートなどが含まれる。
水と水混和性有機溶媒の混合物の例には、水とこの上に挙げた有機溶媒全部の混合物が含まれるが、但しそれらが水に混和することを条件とし、例えばエタノール/水、例えば比率が50/50のエタノール/水などが含まれる。
好適な溶媒は薬学的に受け入れられる溶媒である。しかしながら、また、薬学的に受け入れられない溶媒であっても、薬学的に受け入れられる疑似多形体を製造する時にそれらを使用することができる。
好適な方法における溶媒は薬学的に受け入れられる溶媒である、と言うのは、それを用いると結果として薬学的に受け入れられる疑似多形体がもたらされるからである。より好適な方法における溶媒はエタノールである。
特別な態様では、式(X)で表される化合物の疑似多形相(これは必ずしも薬学的に受け入れられる必要はないであろう)から出発して、式(X)で表される化合物の薬学的に受け入れられる疑似多形体を生じさせることができる。例えば、形態Jから出発して形態Aを生じさせてもよい。また、非晶質形態から出発して疑似多形体を生じさせることも可能である。
水と水混和性有機溶媒の混合物の場合の水の量は約5体積パーセントから約95体積パーセント、好適には約25体積パーセントから75体積パーセント、より好適には約40体積パーセントから約60体積パーセントに及んで多様であり得る。
また、選択した有機溶媒の品質(無水、変性など)が結果として生じる疑似多形体の品質に影響を与えることも注目すべきである。
追加的に沈澱化温度の制御および種晶添加を結晶化過程の再現性、製品の粒子サイズ分布および形態を改善する目的で用いることも可能である。このように、式(X)で表される化合物の結晶を用いた種晶を添加しないで結晶化を起こさせてもよいか、或は好適には、式(X)で表される化合物の結晶を種晶として溶液に導入することで結晶化を前記結晶の存在下で起こさせてもよい。種晶添加をまたいろいろな温度で数回に渡って実施することも可能である。種晶材料の量は当該溶液の量に依存するが、本分野の技術者はそれを容易に決定し得るであろう。
各結晶化段階における結晶化時間は適用する条件、用いる技術および/または使用する溶媒に依存するであろう。
所望の均一な粒子サイズを得ようとする時には、追加的に、結晶変換後に大きな粒子または粒子凝集物の粉砕を実施してもよい。従って、場合により、変換を起こさせた後に式(X)で表される化合物の溶媒和物結晶形態の製粉を行ってもよい。製粉または粉砕は、粉末の粒子サイズを小さくすることが本技術分野で良く知られている方法および装置を用いて大きな粒子または粒子凝集物を物理的に破壊することを指す。結果として得る粒子サイズはミリメートルからナノメートルの範囲であってもよい、即ちナノ結晶(nanocrystals)、ミクロ結晶(microcrystals)がもたらされるようにしてもよい。
式(X)で表される化合物の疑似多形体を生じさせる方法の収率は10%以上、より好適な収率は40%から100%に及んで多様であり得る。興味の持たれることに、その収率は70%から100%の範囲で多様である。
本発明の疑似多形体の純度は適切に90パーセントを超える。より適切には、本疑似多形体の純度は95パーセントを超える。更により適切には、本疑似多形体の純度は99パーセントを超える。
本発明は、3番目の面として、薬剤配合物に関し、これは、治療有効量の式(X)で表される化合物の疑似多形体とそれの薬学的に受け入れられる担体もしくは希釈剤を含んで成る。
本発明は、1つの態様において、式(X)で表される化合物の薬学的に受け入れられる疑似多形相、好適には形態Aをレトロウイルス、例えばHIV感染などによって引き起こされる病気、例えば後天性免疫不全症候群(エイズ)およびエイズ関連症候群(ARC)などを治療する薬剤を製造する時に用いることに関する。
本発明は、別の態様において、哺乳動物、例えばヒトなどにおけるレトロウイルス感染、例えばHIV感染などを治療する方法を提供し、この方法は、それを必要としている哺乳動物に式(X)で表される化合物の薬学的に受け入れられる疑似多形相、好適には形態Aを有効抗レトロウイルス量で投与することを含んで成る。
本発明は、また、HIVウイルス感染を処置する方法にも関し、この方法は、HIV負荷(load)を軽減することを含んで成る。本発明は、また、前記HIVウイルス感染の処置がCD4+細胞カウント数を増加させることを含んで成る方法にも関する。本発明は、同様に、前記HIVウイルス感染の処置が哺乳動物におけるHIVプロテアーゼ活性を阻害することを含んで成る方法にも関する。
式(X)で表される化合物の薬学的に受け入れられる疑似多形相、好適には形態A(本明細書ではまた活性薬剤とも呼ぶ)は処置すべき状態に適した如何なる経路で投与されてもよく、好適には経口で投与されてもよい。しかしながら、好適な経路は例えば受益者の状態などに伴って変わる可能性があることは理解されるであろう。
この上に示した使用および指示の各々に関して、本活性材料の必要量は数多くの要因に依存し、そのような要因には処置を受けさせるべき状態のひどさおよび受益者の同定が含まれ、最終的には付き添い医または獣医の判断である。所望用量を好適にはその日全体に渡って適切な間隔で投与する1、2、3または4以上のサブドース(subdoses)として提供してもよい。
経口投与形態の場合、本発明の疑似多形体を適切な添加剤、例えば賦形剤、安定剤または不活性希釈剤などと混合した後、通常方法を用いて適切な投与形態、例えば錠剤、被覆錠剤、硬質カプセル、水溶液、アルコール溶液または油溶液などにする。適切な不活性担体の例はアラビアゴム、マグネシア、炭酸マグネシウム、燐酸カリウム、ラクトース、グルコースまたは澱粉、特にコーンスターチなどである。その場合、調製を乾燥した顆粒および湿った顆粒の両方として実施してもよい。適切な油状賦形剤または溶媒は植物油または動物油、例えばヒマワリ油またはタラの肝油などである。水溶液またはアルコール溶液用の適切な溶媒は水、エタノール、糖溶液またはこれらの混合物である。また、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールも他の投与形態用のさらなる助剤として用いるに有用である。
皮下または静脈内投与の場合、式(X)で表される化合物の疑似多形体を、望まれるならばそれ用の通常の物質、例えば可溶化剤、乳化剤またはさらなる助剤などと一緒に、溶液、懸濁液または乳液にする。また、式(X)で表される化合物の疑似多形体に凍結乾燥を受けさせ、そしてその得た凍結乾燥品を例えば注射または注入用配合物などの製造で用いることも可能である。適切な溶媒は、例えば水、生理食塩溶液またはアルコール、例えばエタノール、プロパノール、グリセロールなどに加えてまた糖溶液、例えばグルコースまたはマンニトール溶液など、または別法として、その挙げたいろいろな溶媒の混合物などである。
エーロゾルまたはスプレーの形態の投与に適した薬剤配合物は、例えば式(X)で表される化合物の疑似多形体を薬学的に受け入れられる溶媒、例えばエタノールまたは水または前記溶媒の混合物などに入れることで生じさせた溶液、懸濁液または乳液などである。必要ならば、そのような配合物に追加的に他の薬学的助剤、例えば界面活性剤、乳化剤および安定剤などばかりでなく噴射剤などを含有させることも可能である。そのような配合物の活性化合物含有量を通常は約0.1から50重量%、特に約0.3から3重量%の濃度にする。
本発明の疑似多形体を、また、式(X)で表される化合物の疑似多形体のミクロメートル、ナノメートルまたはピコメートルの大きさの粒子を含んで成る配合物の状態で提供することも可能であり、そのような配合物に他の薬剤を含有させてもよくかつ場合により固体形態に変化させてもよい。
本疑似多形体をナノ粒子の形態で調製するのが便利であり得るが、それの表面に表面修飾剤(surface modifier)を有効平均粒子サイズが1000nm未満に維持されるほどの量で吸着させておいてもよい。有用な表面修飾剤には本抗レトロウイルス薬の表面に物理的に接着するが本レトロウイルス薬に化学的には結合しない表面修飾剤が含まれると考えている。
更に、式(X)で表される化合物の疑似多形体を包装用材料(これは機械的、環境的、生物学的または化学的障害または劣化に対して保護する)の中に貯蔵しておくのも便利であり得る。薬剤物質の条件付けは、水分を透過しない包装用材料を用いることで達成可能であり、例えば密封型蒸気ロックバッグ(sealed vapour lock bags)などを用いることで達成可能である。薬剤製品、例えば錠剤、カプセルなどの条件付けは、例えばアルミニウム製ブリスター(blisters)などを用いることで達成可能である。
特に、この上に挙げた材料に加えて、当該配合物の種類に関して本技術分野で通常の他の作用剤を本発明の配合物に含有させてもよいと理解されるべきであり、例えば経口投与に適した作用剤には風味剤または味を隠す作用剤などが含まれ得る。
以下に示す実施例は単に説明を意図するものであり、決して本発明の範囲を限定することを意図するものでない。
形態A(1:1)の産業規模合成を下記の段階を用いて実施した。最初にイソプロパノールと(1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルを用いて溶液を生じさせた。この溶液に真空蒸留による濃縮を200−500ミリバールの圧力下70℃で受けさせた後、温度>35℃の温度から15−20℃の範囲の温度になるまで約10時間かけて冷却した。生じた結晶を新たに13リットルのイソプロパノールで洗浄した後、濾過した。次に、エタノール/水(90リットル/90リットル)を用いた再結晶化を実施した。それに続いて新たに溶解させる段階を実施したが、代わりにエタノールを60リットル用いた。前記反応混合物の再結晶化をエタノールを用いて起こさせた後、還流から約−15℃に至る冷却段階を10時間かけて実施した。生じたエタノラートを濾過した後、約7ミリバール下約50℃で乾燥させた。この工程の収率は少なくとも75%であった。
別の実施例として、形態Dと形態Bの混合物を生じさせた。この結晶化工程でアセトンを溶媒として用いることで形態Dを生じさせた。その上、この結晶化工程に初期出発化合物(10g)を70mlのアセトンに入れて撹拌する段階を含めた。次に、その溶液を前記化合物が完全に溶解するまで還流させた。水を40ml加えた後の溶液を室温になるまでゆっくり冷却しそして一晩撹拌した。生じた結晶を濾過した後、真空オーブンに入れて50℃で乾燥させた。この結晶化で生成物を7.6g得た、即ちこの工程の収率は約75%であった。
別の実施例として、形態Jの結晶を生じさせた。この結晶化工程でイソプロパノールを溶媒として用いることで形態Jを生じさせた。その上、この結晶化工程に初期の出発材料を熱溶媒の中に溶解させる段階を含めた。次に、その溶液を室温になるまで冷却した。生じた結晶を濾過した後、真空オーブンに入れて50℃で乾燥させた。その結晶はイソプロパノールを約50モル%含有していた。
この実施例では、いろいろな疑似多形体が熱重量(TG)実験で示した質量損失を計算した。熱重量測定は、あるサンプルを加熱するか、冷却するか或は一定の温度に保持した時にそれが示す質量の変化を測定する技術である。天秤皿にサンプルを約2から5mg入れて、TG炉、即ちBruker FTIR Spectrometerベクター22に連結しているモデルNetzsch Thermo−Microbalance TG 209の中に挿入した。前記サンプルを窒素雰囲気下で10℃/分の加熱速度で最終温度である250℃になるまで加熱した。狭い温度範囲(数℃)に渡る個別段階的溶媒損失(distinct stepwise solvent loss)の残存溶媒検出限界は0.1%の桁であった。
下記のTGデータを得た:
形態A:25−138℃の温度範囲の時に4.2%の重量損失(エタノール+若干の水)および25−200℃の温度範囲の時に6.9%の重量損失(エタノール+CO)が起こることを観察した。エタノール損失速度は120℃の時が最大であった。CO損失は化学的劣化によるものであり、これは約190℃の時に見られた。
形態B:25−78℃の温度範囲の時に3.4%の重量損失(水)および25−110℃の温度範囲の時に5.1%の重量損失[エタノール+水(温度>78℃の時)]が起こることを観察した。110−200℃で更に1.1重量%の損失が起こった(エタノール)。
形態C:25−83℃の温度範囲の時に2.1%の重量損失(水+メタノール)および25−105℃の温度範囲の時に4.2%の重量損失[温度>83℃の時にメタノール、個別段階]が起こることを観察した。105−200℃で更に2.1重量%の損失が起こった(メタノール)。エタノールは気相中に全く観察されなかった。
形態D:25−50℃の温度範囲の時に0.1%の重量損失を観察し、25−108℃の温度範囲の時に4.2%の重量損失[アセトン+エタノール(温度>50℃の時)]を観察し、25−157℃の温度範囲の時に8.2%の重量損失[アセトン+エタノール(温度>108℃の時)]を観察しそして25−240℃の温度範囲の時に10.5%の重量損失[アセトン+エタノール(温度>157℃の時)]を観察した。
形態E:25−75℃の温度範囲の時に0.2%の重量損失(水)を観察し、25−108℃の温度範囲の時に1.8%の重量損失[ジクロロメタン+エタノール(温度>75℃の時)]を観察し、25−157℃の温度範囲の時に6.8%の重量損失[ジクロロメタン+エタノール(温度>108℃の時)]を観察しそして25−240℃の温度範囲の時に8.8%の重量損失[ジクロロメタン+エタノール(温度>157℃の時)]を観察した。
形態F:25−50℃の温度範囲の時に0.1%の重量損失(恐らくは水)を観察し、25−108℃の温度範囲の時に1.7%の重量損失[酢酸エチル+エタノール(温度>50℃の時)]を観察し、25−157℃の温度範囲の時に6.6%の重量損失[酢酸エチル+エタノール(温度>108℃の時)]を観察しそして25−240℃の温度範囲の時に9%の重量損失[酢酸エチル+エタノール(温度>157℃の時)]を観察した。
形態G:25−50℃の温度範囲の時に観察した重量損失は0.0%であり、25−108℃の温度範囲の時に3.7%の重量損失[1−メトキシ−2−プロパノール+エタノール(温度>50℃の時)、個別段階]を観察し、25−157℃の温度範囲の時に8%の重量損失[1−メトキシ−2−プロパノール+エタノール(温度>108℃の時)]を観察しそして25−240℃の温度範囲の時に12.5%の重量損失[1−メトキシ−2−プロパノール+エタノール(温度>157℃の時)]を観察した。
形態H:25−100℃の温度範囲の時に0.8%の重量損失(アニソール+若干のエタノール)を観察し、そして25−200℃の温度範囲の時に8.8%の重量損失[アニソール+エタノール(温度>100℃の時)]を観察した。
形態I:25−89℃の温度範囲の時に0.3%の重量損失(水)を観察し、そして25−200℃の温度範囲の時に11.0%の重量損失[テトラヒドロフラン(温度>89℃の時)]を観察した。エタノールは気相中に全く観察されなかった。
Figure 2005533068
別の組の熱重量分析方法では、形態A、吸着/脱離後の形態A、そして吸着/脱離水和試験後の形態Aの全部をアルミニウム製サンプル皿の中に移した。TA Instrument Hi−Res TGA 2950熱重量分析装置を下記の条件下で用いてTG曲線を記録した:
・ 初期温度:室温
・ 加熱速度:20℃/分
・ 分析係数:4
・ 最終条件:300℃または<80[(重量/重量)%]
前記サンプルが示したTG曲線を図16に示す。
Figure 2005533068
温度が80℃までの重量損失は主にサンプルに存在していた溶媒(水)の蒸発によるものである。温度が80℃以上の時に起こる重量損失は主にサンプルに存在していた溶媒(エタノラート)の蒸発によるものである。
図17に、形態Aが乾燥窒素雰囲気下25℃で示したTG曲線を時間の関数として示す。25℃で10時間後の重量損失は約0.6%であった。これは溶媒が蒸発したことによるものである。
別の実施例として、また、示差走査熱量法(DSC)の測定も実施した。前記目的でPerkin Elmer DSC 204熱分析装置を用いた。DSC皿に形態Aのサンプルを正確に2から5mg計り取って入れた。開放天秤皿を用いて実験を実施した。前記サンプルを約30℃になるように平衡状態にした後、1分当たり10℃の加熱速度で最終温度である200℃になるまで加熱した。本技術分野の標準的方法に従ってDSCデータを得た。形態Aを示差走査熱量法(DSC)で特徴付け、これは80−119℃の範囲の所に鋭角な吸熱を示し、それが示したピークは約105.6℃の所に位置し、開始データH=−98.33J/gであった。従って、式(X)で表される化合物のエタノール溶媒和物結晶形態A(1:1)が示したサーモグラフパターンは図8に見られる通りであった。
別の組のDSC測定では、形態A、吸着/脱離後の形態Aおよび吸着/脱離水和試験後の形態Aを検査した。30μlの穴開きアルミニウム製Perkin Elmerサンプル皿の中にサンプルを約3mg移した。前記サンプル皿を適切なカバーで封じた後、Perkin Elmer Pyris DSCを下記の条件下で用いてDSC曲線を記録した:
・ 初期温度:25℃
・ 加熱速度:10℃/分
・ 最終温度:150℃
・ 窒素流量:30ml/分
形態Aは約104.6℃の所に吸熱シグナルを示し、そしてエタノラートの蒸発および製品の溶融によって起こる融解熱は95.8J/gであった。ADS/DES後の形態Aはエタノラート形態Aと水和形態Bの混合物に由来する幅広い吸熱シグナルを示した。ADS/DES水和試験後の形態Aは約73.5℃の所に吸熱シグナルを示し、そして水の蒸発および製品の溶融によって起こる融解熱は126J/gであった。サーモグラフ曲線を図15に示す。
別の実施例として、形態Aに安定性に関する試験を異なる3条件下で受けさせた。それに25℃で60%RH、40℃で75%RHおよび50℃の条件を含めた。このような試験の結果として、25℃で60%RHの時の安定性は長期に渡る、即ちエタノールと水の量が安定であることが分かった。
表12に、形態Aに関して行った安定性試験を示す。褐色のガラスびんをサンプル容器として用いた25℃/60%RH(相対湿度)における長期安定性。
Figure 2005533068
吸着−脱離試験
VTI蒸気収着分析装置モデルSGA100に形態Aを約23mg移して、大気湿度に関係した重量変化を下記の条件下で記録した:
・ 乾燥温度:40℃
・ 平衡状態:5分または60分で≦0.05%
・ データ間隔:0.05%または2分
・ 温度:25℃
・ 1番目のサイクル
RH(%)吸着:5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95
RH(%)脱離:95、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5
・ 2番目のサイクル
RH(%)吸着:5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95
RH(%)脱離:95、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5
乾燥段階時に約0.6重量%の損失を記録した。得た乾燥製品は吸湿性ではなく、それが高い相対湿度下で吸着した水の量は0.7%以下であった。脱離サイクル中に記録した重量損失は1.4%であり、このことは、その製品がエタノラートを失ったことを示していた。ADS/DES後に得た製品はエタノラート形態と水和形態の混合物であった。
そのADS/DES曲線を図18に示す。
吸着−脱離水和試験
VTI蒸気収着分析装置モデルSGA100に形態Aを約23mg移して、大気湿度に関係した重量変化を下記の条件下で記録した:
・ 平衡状態:5分または90分で≦0.0005%
・ データ間隔:0.05%または2分
・ 温度:25℃
・ サイクル RH(%)吸着/脱離:5.95
このサイクルを11回繰り返す
この試験が終了した時点で記録した重量損失は5.2%であった。これはTG結果に匹敵していた(80℃以下でTG5.4%)。エタノラート形態が水和形態に移行した。そのADS/DES水和試験曲線を図19に示す。
内側カバーが単一のLD−PE(ひも封じ)で作られておりかつ外側カバーが熱で密封されたPETP/Alu/PE(Moplast)で作られているサンプル容器の中に当該化合物を貯蔵することで、形態Aが示す安定性を試験した。25℃/60%RHにおける長期安定性試験および40℃/75%RHにおける加速安定性試験を6カ月間実施し、そしてサンプルに分析をいろいろな時点で受けさせたが、それは下記の表に示す通りであった。
Figure 2005533068
Figure 2005533068
形態Aは、表13および14に記述した条件下で化学的および結晶学的安定性を示した。
内側カバーが単一のLD−PE(ひも封じ)で作られておりかつ外側カバーが熱で密封された蒸気ロックバッグ(vapor lock bag)(LPS)で作られているサンプル容器の中に当該化合物を貯蔵することで、形態Aが示す安定性を試験した。25℃/60%RHにおける長期安定性試験および40℃/75%RHにおける加速安定性試験を6カ月間実施し、そしてサンプルに分析をいろいろな時点で受けさせたが、それは下記の表に示す通りであった。
Figure 2005533068
Figure 2005533068
形態Aは、表15および16に記述した条件下で化学的および結晶学的安定性を示した。
化学的安定性を試験する目的で、形態Aをいろいろな条件下で1、4および8週間貯蔵した。その条件は40℃/75%RH、50℃、RT/<5%RH、RT/56%RH、RT/75%RHおよび0.3da ICH光であった。当該化合物を貯蔵した後にHPLCおよび目による検査で分析した。この研究で用いたHPLC方法はHPLC方法909であった。その試験結果を下記の表に報告する。
Figure 2005533068
形態Aは調査したあらゆる条件下で貯蔵した時に化学的に安定であると結論付けた。
形態Bのいろいろな部分を熱重量測定(TG)、示差走査熱量測定(DSC)および赤外分光測定(IR)で特徴付けた。その試験結果を下記の表に報告する。
Figure 2005533068
形態Bを38mg用いて、いろいろな相対湿度条件下における水の吸着および脱離を25℃で調査した。重量変化を相対湿度の関数として記録した。その結果を図20に示す。形態Bの乾燥段階後に記録した重量損失は約5.6%であった。得た乾燥製品は吸湿性であり、それが高い相対湿度下で吸着した水の量は6.8%以下であった。脱離サイクル後のサンプルに残存していた水の量は約1.2%であった。ADS/DES後に得た製品は水和物と非晶質生成物の混合物であった。
形態BがいろいろなpHの溶媒中で示す水溶解度を測定した。溶質が過剰の時にはそれを溶媒と20℃で少なくとも24時間平衡状態にした。溶解しなかった化合物を除去した後、紫外分光測定を用いて溶液中の濃度を測定した。
Figure 2005533068
当該化合物を<5%、56%および75%相対湿度(RH)下室温(RT)、50℃および40℃/75%RHで2週間貯蔵することで、形態Bの結晶構造物が示す安定性を試験した。このサンプルを熱重量分析(TG)、示差走査熱量測定(DSC)、赤外分光測定(IR)およびX線回折(XRD)で分析した。その試験結果を下記の表に報告する。
Figure 2005533068
化学安定性試験プログラムを用いて、形態Bをいろいろな条件下で1、4、および9週間貯蔵した。その条件は40℃/75%RH、50℃、RT/<5%RH、RT/56%RH、RT/75%RHおよび0.3da ICH光であった。当該化合物を貯蔵した後にHPLCおよび目による検査で分析した。この研究で用いたHPLC方法はHPLC方法909であった。その試験結果を下記の表に報告し、その結果から形態Bは化学的に安定であると結論付けた。
Figure 2005533068
形態AをTHFに入れることで生じさせた室温の溶液に混ぜ物なしのメタンスルホン酸を添加することを通して、形態Kの調製を行った。その後、形態Kをアルカリハライドと混合し、プレス加工してペレット(Ph.Eur.)にした後、赤外分光(IR)分析を下記の条件下で行った:
・ 装置:Nicolet Magna 560 FTIR分光光度計
・ 走査数:32
・ 解像度:1cm−1
・ 波数範囲:4000から400cm−1
・ ベースライン補正:有り
・ 検出器:KBrウィンドウ付きDTGS
・ ビームスプリッター:KBr上のGe
・ アルカリハライド:KBr(臭化カリウム)
形態Kが示したIRスペクトルは、図21に示すように、結晶製品としてのメシレート溶媒和物が有する分子構造の振動様式を反映している。
Figure 2005533068
形態Kをガラス毛細管セルに移してラマン分光分析を下記の条件下で実施した:
・ ラマンモード:非分散ラマン
・ 装置:Nicolet FT−Ramanモジュール
・ 走査数:64
・ 解像度:4cm−1
・ 波数範囲:3700から100cm−1
・ レーザー:Nd:YV04
・ レーザー周波数:1064cm−1
・ 検出器:InGaAs
・ ビームスプリッター:CaF
・ サンプル幾何:180゜反射
・ 偏光:無し
形態Kが示したラマンスペクトルは、図22に示すように、結晶製品としてのメシレートが有する分子構造の振動様式を反映している。
Figure 2005533068
標準的アルミニウム製TA−Instrumentサンプル皿に形態Kを約3mg移した。そのサンプル皿を適切なカバーで封じた後、RCS冷却装置が備わっているTA−Instruments Q1000 MTDSCを下記の条件下で用いてDSC曲線を記録した:
・ 初期温度:25℃
・ 加熱速度:10℃/分
・ 最終温度:200℃
・ 窒素流量:50ml/分
そのDSC曲線は、図23に示すように、結晶製品が分解を伴って溶融することを示している。形態Kの溶融は158.4℃で起こる。分解が起こったことから、その製品が示す結晶特性を示す目的で使用可能なのは融解熱の計算のみであった。
形態Kをアルミニウム製サンプル皿に移した。TA−Instruments Hi−Res TGA 2950熱重量分析装置を下記の条件下で用いてTG曲線を記録した:
・ 初期温度:室温
・ 加熱速度:20℃/分
・ 分析係数:4
・ 最終条件:300℃または<80[(重量/重量)%]
そのTG曲線を図24に示す。60℃までに約0.2%の重量損失が溶媒の蒸発が原因で起こった。140℃を超える温度で起こった重量損失は製品が蒸発および分解を起こしたことによるものであった。
吸着−脱離試験
VTI蒸気収着分析装置モデルSGA100に形態Kを約21mg移して、大気湿度に関係した重量変化を下記の条件下で記録した:
乾燥温度:40℃
平衡状態:5分または60分で≦0.05%
データ間隔:0.05%または2.0分
温度:25℃
1番目のサイクル
RH(%)吸着:5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95
RH(%)脱離:95、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5
2番目のサイクル
RH(%)吸着:5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95
RH(%)脱離:95、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5
吸着−脱離等温線を図25に示す。形態Kは吸湿性である。初期乾燥段階時に記録した重量損失は0.3%であり、これはTG結果に匹敵していた。形態Kが高い相対湿度下で吸着した水の量は1.5%以下であった。その製品は脱離サイクル中に完全に乾燥した。
メシレート溶媒和物を約18mgの量で用いて、形態Kが25℃においていろいろな相対湿度条件下で示す水の吸着および脱離に関するいろいろな研究を調査した。重量変化を相対湿度の関数として記録した。その結果を図26に示す。
形態Kが乾燥段階時に起こす重量損失は約0.6%であると記録された。その得た乾燥製品は若干吸湿性であり、それが高い相対湿度下で吸着した水の量は1.7%以下であった。その製品は脱離サイクル中に完全に乾燥した。
形態KがいろいろなpHの溶媒中で示す水溶解度を測定した。溶質が過剰の時にはそれを溶媒と20℃で少なくとも48時間平衡状態にした。溶解しなかった化合物を除去した後、紫外分光測定を用いて溶液中の濃度を測定した。
Figure 2005533068
当該化合物を75%相対湿度(RH)下室温(RT)、50℃および40℃/75%RHで4週間貯蔵することで、形態Kのバッチ1の結晶構造物が示す安定性を試験した。当該化合物を<5%、56%および75%相対湿度(RH)下室温(RT)、50℃および40℃/75%RHで4週間貯蔵することで、形態Kのバッチ2の結晶構造物が示す安定性を試験した。このサンプルを熱重量分析(TG)、示差走査熱量測定(DSC)および赤外分光測定(IR)で分析した。その試験結果を下記の表に報告する。
Figure 2005533068
化学安定性試験プログラムを用いて、形態Kのバッチ1をいろいろな条件下で1および4週間貯蔵した。その条件は40℃/75%RH、50℃、RT/75%RHおよび0.3da ICH光であった。形態Kのバッチ2もまたいろいろな条件下で1および4週間貯蔵した。その条件は40℃/75%RH、50℃、RT/<5%RH、RT/56%RH、RT/75%RHおよび0.3da ICH光であった。当該化合物を貯蔵した後にHPLCおよび目による検査で分析した。この研究で用いたHPLC方法はHPLC方法909であった。その試験結果を下記の表に報告する。
Figure 2005533068
形態Aを健康な被験体に経口で日に2回または3回投与した時の安全性、許容性および薬物動態を検査する目的で、無作為プラセボ比較二重盲検複数回投与段階的増加試験を実施した。1パネル(panel)が9人の健康な被験体から成る4パネルの状態で形態Aを4種類の投薬量(400mg b.i.d.、800mg b.i.d.、800mg t.i.d.および1200mg t.i.d.)で検査した。13日間に渡って各パネル内の6被験体に形態Aによる処置を受けさせかつ3被験体にプラセボによる処置を受けさせることに加えて14日目の朝に1回摂取を受けさせた(b.i.d.=日に2回、t.i.d.=日に3回)。
形態Aは容易に吸収され、かつ形態Aを繰り返し投与した後の濃度−時間特徴は投与量に依存していた。一般に3日以内に定常状態の血漿濃度に到達したが、C0h(投与時の濃度)およびAUC24h(de曲線下の面積または生体利用率)はあらゆる投与濃度で経時的に若干低下した。AUC24hおよびCss,av(平均定常状態の時の濃度)は400mg b.i.d.、800mg t.i.d.および1200mg t.i.d.の時には用量(1日当たりの用量)に比例していたが、800mg b.i.d.の時の方が用量により比例していた。Cmax(最大濃度)は摂取当たりの用量に関して用量に比例していた。あらゆる投与濃度において、尿の中に排泄された変化しなかった形態Aは2%未満であった。
図1、図2および図3は、形態A(1:1)が示した粉末X線回折パターンである。 図4に、形態A(1:1)を原子の同定を伴わせて三次元で示す。 図5は、形態A、B、D、E、F、H(1:1)および非晶質形態が1800−100cm−1のカルボニル伸縮領域および3300−2000cm−1の領域に示したラマンスペクトルの比較である。 図6は、形態A、B、D、E、F、H(1:1)および非晶質形態が600−0cm−1のカルボニル伸縮領域に示した拡張ラマンスペクトルの比較である。 図7は、形態A、B、D、E、F、H(1:1)および非晶質形態が1400−800cm−1のカルボニル伸縮領域に示した拡張ラマンスペクトルの比較である。図5、6および7の中のP1は形態Aに相当し、P18は形態Bに相当し、P19は非晶質形態に相当し、P25は形態Eに相当し、P27は形態Fに相当し、P50は形態Dに相当し、P68は形態Hに相当し、P69は形態Cに相当し、P72は形態Iに相当し、そしてP81は形態Gに相当する。 図8は、形態A(1:1)が示した示差走査熱量測定(DSC)サーモグラフである。 図9は、結晶製品としての形態Aが有する分子構造の振動様式を反映している赤外(IR)スペクトルである。 図10は、結晶製品としての形態Bが有する分子構造の振動様式を反映しているIRスペクトルである。 図11:形態A、Bおよび非晶質形態が4000から400cm−1のスペクトル範囲に示したIRスペクトル。 図12:形態A、Bおよび非晶質形態が3750から2650cm−1のスペクトル範囲に示したIRスペクトル。 図13:形態A、Bおよび非晶質形態が1760から1580cm−1のスペクトル範囲に示したIRスペクトル。 図14:形態A、Bおよび非晶質形態が980から720cm−1のスペクトル範囲に示したIRスペクトル。図11、12、13および14の中の曲線Aは形態Aに相当し、曲線Bは形態Bに相当し、そして曲線Cは非晶質形態に相当する。 図15:形態A(曲線D)、吸着/脱離(ADS/DES)後の形態A(曲線E)、およびADS/DES水和試験後の形態A(曲線F)が示したDSCサーモグラフ曲線。 図16:形態A(曲線D)、ADS/DES後の形態A(曲線E)、およびADS/DES水和試験後の形態A(曲線F)が示した熱重量測定(TG)曲線。 図17:形態Aが乾燥窒素雰囲気下25℃で時間の関数として示したTG曲線。 図18:形態Aが示したADS/DES曲線。 図19:形態Aが水和試験で示したADS/DES曲線。 図20:形態Bが示したADS/DES曲線。 図21:形態Kが示したIRスペクトル。 図22:形態Kが示したラマンスペクトル。 図23:形態Kが示したDSC曲線。 図24:形態Kが示したTG曲線。 図25:形態Kのバッチ1が示したADS/DES等温線。 図26:形態Kのバッチ2が示したADS/DES等温線。

Claims (14)

  1. (1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルの疑似多形体。
  2. 疑似多形体が水和物である溶媒和物、アルコール溶媒和物、アルカン溶媒和物、ケトン溶媒和物、エーテル溶媒和物、シクロエーテル溶媒和物、エステル溶媒和物、スルホン溶媒和物である請求項1記載の疑似多形体。
  3. 疑似多形体が水和物である溶媒和物、C−Cアルコール溶媒和物、C−Cクロロアルカン溶媒和物、C−Cケトン溶媒和物、C−Cエーテル溶媒和物、シクロエーテル溶媒和物、C−Cエステル溶媒和物、C−Cスルホン溶媒和物である請求項1から2のいずれか1項記載の疑似多形体。
  4. 疑似多形体が水和物である溶媒和物、アルコール溶媒和物、アルカン溶媒和物、ケトン溶媒和物、エーテル溶媒和物、シクロエーテル溶媒和物、エステル溶媒和物である請求項1記載の疑似多形体。
  5. 薬学的に受け入れられる請求項1から4のいずれか1項記載の疑似多形体。
  6. 疑似多形体が形態A(エタノラート)、形態B(水和物)、形態C(メタノラート)、形態D(アセトネート)、形態E(ジクロロメタネート)、形態F(エチルアセテート溶媒和物)、形態G(1−エトキシ−2−プロパノラート)、形態H(アニソラート)、形態I(テトラヒドロフラネート)、形態J(イソプロパノラート)、形態K(メシレート)から選択される請求項1記載の疑似多形体。
  7. 疑似多形体が形態A(エタノラート)、形態B(水和物)、形態C(メタノラート)、形態D(アセトネート)、形態E(ジクロロメタネート)、形態F(エチルアセテート溶媒和物)、形態G(1−エトキシ−2−プロパノラート)、形態H(アニソラート)、形態I(テトラヒドロフラネート)、形態J(イソプロパノラート)から選択される請求項1記載の疑似多形体。
  8. 疑似多形体が形態A(エタノラート)、形態B(水和物)である請求項1記載の疑似多形体。
  9. 前記化合物と溶媒の比率が(5:1)から(1:5)の範囲である請求項1から8のいずれか1項記載の疑似多形体。
  10. 前記化合物と溶媒の比率が約1:1である請求項9記載の疑似多形体。
  11. 追加的に水分子も含んで成る請求項1から10のいずれか1項記載の疑似多形体。
  12. 請求項1から11のいずれか1項記載の疑似多形体を生じさせる方法であって、(1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルを有機溶媒、水または水と水混和性有機溶媒の混合物と一緒にしそして結晶化を誘発する段階を含んで成る方法。
  13. 請求項1から11のいずれか1項記載の疑似多形体と薬学的に受け入れられる担体および/または希釈剤を含んで成る薬剤組成物。
  14. 哺乳動物においてHIVプロテアーゼ活性を阻害する薬剤の製造に用いる請求項1から11のいずれか1項記載の疑似多形体の使用。
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