JPH05230044A - ピレタニドの新規な結晶多形 - Google Patents

ピレタニドの新規な結晶多形

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JPH05230044A
JPH05230044A JP4070068A JP7006892A JPH05230044A JP H05230044 A JPH05230044 A JP H05230044A JP 4070068 A JP4070068 A JP 4070068A JP 7006892 A JP7006892 A JP 7006892A JP H05230044 A JPH05230044 A JP H05230044A
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JP
Japan
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piretanide
peak
powder
room temperature
polymorph
Prior art date
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Pending
Application number
JP4070068A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihisa Matsuda
芳久 松田
Makoto Otsuka
誠 大塚
Yuji Chikaraishi
祐次 力石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanofi Aventis KK
Original Assignee
Hoechst Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ピレタニドを低級脂肪族アルコールまたは環
状エーテルから結晶させて得られる溶媒和結晶を加熱し
て得られる新規なピレタニド結晶多形。このものは、示
差熱曲線、粉末X線回折及び赤外吸収スペクトルにおい
て、従来公知のピレタニド結晶とは異なった特長あるピ
ークを示す。 【効果】 従来公知のピレタニド結晶に比較して水に対
する溶解性が優れており、生物学的利用率が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はピレタニドの新規な結晶
多形に関する。ピレタニドは利尿薬として有用な化合物
であり、本発明のピレタニド結晶多形は高い溶解性を有
するので、生物学的利用率が高い。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】ピレタニド(化学名
4−フェノキシ−3−(1−ピロリジニル)−5−スル
ファモイル安息香酸)は、通常メタノール水溶液からの
再結晶によって得られるが、このものの水における溶解
度は7.9mg/100mlと低い。特に酸性領域ではさらに難溶
性である(pH1:7.5mg/100ml、pH3:4.2mg/100ml)
ので、生物学的利用率をより高めることが望ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は水に
高い溶解性を有するピレタニド結晶を提供することを目
的とするものである。
【課題を解決するための手段】本発明は下記の特性を有
するピレタニド結晶多形からなる。
【0004】示差熱曲線 吸熱ピーク:約213℃ 発熱ピーク:約216℃ 融解ピーク:約227℃ 粉末X線回折(2θの回折ピーク) 20.1、21.3、23.1 および 24.3゜ 赤外吸収スペクトル 1690および3250〜3400cm-1 本発明はさらに、ピレタニドを低級脂肪族アルコールま
たは環状エーテルから結晶させて得られる溶媒和結晶を
加熱して上記のピレタニド結晶多形を製造する方法から
なる。
【0005】本発明のピレタニド結晶多形は、示差熱曲
線、粉末X線回折および赤外吸収スペクトルにおいて、
従来公知のピレタニドの結晶とは異なった上記の特徴あ
るピークを示す。
【0006】このピレタニド結晶多形は、ピレタニドを
低級脂肪族アルコールまたは環状エーテルから結晶させ
て得られる溶媒和結晶を加熱することによって得られ
る。
【0007】溶媒として用いる低級脂肪族アルコールの
例としてはメタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、第三ブタノー
ル、n−ペンタノール、n−ヘキサノールなどの炭素数
が1〜6の直鎖状又は分岐状の低級脂肪族アルコールが
あげられる。環状エーテルの例としてはジオキサン、テ
トラヒドロフランなどがあげられる。溶媒は沸点が200
℃以下であることが好ましい。ピレタニドをこれらの溶
媒に加え、室温から溶媒の沸点までの温度で加温してピ
レタニドを溶解する。溶解液を−20℃から各溶媒の沸点
までの温度、好ましくは−5℃から室温で放置し、瞬時
あるいは長時間かけて結晶を析出させる。結晶をろ取し
た後、減圧下、室温で12時間以上乾燥を行い、結晶を得
る。
【0008】この製造法により得た結晶、例えば、第三
ブタノールから再結晶した結晶は熱重量曲線と示差熱曲
線において、それぞれ112〜130℃に第三ブタノールの脱
離による重量減少と吸熱ピークを示したことよりピレタ
ニドの溶媒和結晶であることが明らかである。このピレ
タニドの溶媒和結晶は核磁気共鳴スペクトル及び元素分
析からピレタニドと溶媒の組成割合が再結晶に使用した
溶媒により異なり、ピレタニド1に対して使用した溶媒
を1〜4含んでいる。
【0009】ピレタニド溶媒和結晶は既存のピレタニド
(メタノール水溶液から再結晶したもの)とは異なっ
て、示差熱曲線で溶媒の脱離による吸熱ピーク及び約21
3℃、約216℃に吸熱、発熱の連続ピークを示した後、約
227℃に融解ピークを示すこと、粉末X線回折では、新
たに回折ピークが出現することを特徴とする。
【0010】ピレタニド溶媒和結晶は、室温から使用し
た溶媒の沸点付近の温度、好ましくは示差熱曲線上で溶
媒が離脱する温度で、減圧下あるいは常圧下1時間以上
加熱することにより、本発明の結晶多形となる。
【0011】以下に本発明のピレタニド結晶多形と既存
のピレタニドの特性の相違について説明する。
【0012】本発明のピレタニド結晶多形の示差熱曲線
(図1)と既存のピレタニドのそれ(図2)を比較する
と、本発明のものは、約213℃と約216℃に吸熱と発熱ピ
ークを示した後、227℃で融解ピークを示す特徴を有す
る。また、本発明品の粉末X線回折(図3)を既存ピレ
タニドのそれ(図4)と比較すると、既存のピレタニド
の特徴的な回折ピーク(2θ=8.3、10.3、13.2、20.7、
21.7゜)の一部が消失し、20.1、21.3、23.1及び24.3°
に新たな回折ピークが出現する。赤外吸収スペクトルで
は1690cm-1付近及び3250〜3400cm-1に特徴ある吸収スペ
クトルを有している。本発明品の赤外吸収スペクトルと
既存のピレタニドのそれを図5及び図6に示す。
【0013】更に、新規ピレタニド結晶多形は、pH1及
びpH3の緩衝液100ml中でそれぞれ12.4mg、6.4mgの溶解
を示し、溶解度が既存のピレタニドの1.5〜1.7倍であ
る。
【0014】また、新規ピレタニド結晶多形は、40℃、
相対湿度90%で6箇月間安定であり、既存のピレタニド
と同等の安定性を有する。
【0015】
【実施例】次に実施例を示して本発明をさらに具体的に
説明する。
【0016】実施例 1 ピレタニド0.50gに第三ブタノール10mlを加えて70℃で
溶解し、5℃に冷却後、室温で1時間放置した。析出し
たピレタニドの結晶をろ取して、減圧下、室温で12時間
乾燥を行った。この溶媒和結晶(0.40g)を減圧下、14
0℃で1時間加熱して脱溶媒し、結晶多形0.33gを得
た。
【0017】実施例 2 ピレタニド0.50gに第三ブタノール10mlを加えて70℃で
溶解し、室温で12時間放置した。析出したピレタニドの
結晶をろ取して、減圧下、室温で12時間乾燥を行った。
この溶媒和結晶(0.35g)を減圧下、140℃で1時間加
熱して脱溶媒し、結晶多形0.29gを得た。
【0018】実施例 3 ピレタニド0.50gにイソプロパノール10mlを加えて室温
で溶解し、−5℃で12時間放置した。析出したピレタニ
ドの結晶をろ取して、減圧下、室温で12時間乾燥を行っ
た。この溶媒和結晶(0.30g)を常圧下、130℃で1時
間加熱して脱溶媒し、結晶多形0.25gを得た。
【0019】実施例 4 ピレタニド0.50gにn−プロパノール10mlを加えて50℃
で溶解し、5℃で1時間放置した。析出したピレタニド
の結晶をろ取して、減圧下、室温で12時間乾燥を行っ
た。この溶媒和結晶(0.42g)を常圧下、110℃で1時
間加熱して脱溶媒し、結晶多形0.33gを得た。
【0020】実施例 5 ピレタニド0.50gにジオキサン3mlを加えて80℃で溶解
し、室温で12時間放置した。析出したピレタニドの結晶
をろ取して、減圧下、室温で12時間乾燥を行った。この
溶媒和結晶(0.48g)を常圧下、180℃で1時間加熱し
て脱溶媒し、結晶多形0.25gを得た。
【0021】実施例 6 実施例1により得られたピレタニド結晶多形を、従来の
ピレタニドを対照にして、示差熱曲線、粉末X線回折及
び赤外吸収スペクトルにより分析した(図1〜6)。実
施例2〜5により得られたピレタニド結晶多形も同様の
分析パターンを示した。
【0022】
【発明の効果】本発明のピレタニドの新規な結晶多形
は、高温高湿下で安定であり、従来のピレタニドより溶
解度に優れることから生物学的利用率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピレタニド結晶多形の熱量測定によるチャート
である。
【図2】結晶多形でない従来のピレタニドの熱量測定に
よるチャートである。
【図3】ピレタニド結晶多形のX線回折図である。
【図4】結晶多形でない従来のピレタニドのX線回折図
である。
【図5】ピレタニド結晶多形の赤外吸収スペクトル図で
ある。
【図6】結晶多形でない従来のピレタニドの赤外吸収ス
ペクトル図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】示差熱曲線において 吸熱ピーク:約213℃ 発熱ピーク:約216℃ 融解ピーク:約227℃を有し、 粉末X線回折において2θの回折ピーク
0.1、21.3、23.1および24.3゜に示し、
赤外吸収スペクトルにおいて1690cm −1付近お
び3250〜3400cm −1に特徴ある吸収を有す
る。本発明はさらに、ピレタニドを低級脂肪族アルコー
ルまたは環状エーテルから結晶させて得られる溶媒和結
晶を加熱して上記のピレタニド結晶多形を製造する方法
からなる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の特性を有するピレタニド結晶多
    形。 示差熱曲線 吸熱ピーク:約213℃ 発熱ピーク:約216℃ 融解ピーク:約227℃ 粉末X線回折(2θの回折ピーク) 20.1、21.3、23.1 および 24.3゜ 赤外吸収スペクトル 1690および3250〜3400cm-1
  2. 【請求項2】 ピレタニドを低級脂肪族アルコールまた
    は環状エーテルから結晶させて得られる溶媒和結晶を加
    熱することを特徴とする請求項1記載のピレタニド結晶
    多形の製造方法。
JP4070068A 1992-02-21 1992-02-21 ピレタニドの新規な結晶多形 Pending JPH05230044A (ja)

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Cited By (3)

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