JP2005518834A - 歯科インプラントを配置するための方法および装置 - Google Patents

Abstract

この発明は、患者の顎骨（７）の断層写真による断面図から形成される外科用テンプレート（１１）を用いてインプラント（１）を配置するための方法および装置に関する。この発明に従い、各種インプラント（１）に対して単一の標準径を有する多段ドリル（４）および較正ドリル（５）が、テンプレート（１１）の穴部（１５）内に挿入されるドリルブシュ（１８）を介して誘導されて、インプラント計画に対応するどのようなドリル穿孔結果をも生じる。ドリル（４，５）の貫通深さは、穴部（１５）の高さまたはドリルリング（２１）によって制御される。上述のテンプレート（１１）の穴部（１５）は、適合されたインプラント支持体（３）により、インプラント（１）を正確に配置するためのガイドとして働く。さらに、座金（２３）がインプラント支持体（３）の周囲に装着されて、該インプラントが配置されている間（２０）に、インプラント（１）に対する加圧を制限する。上述の特性は、必要な数のドリル（４，５）を制限し、かつ、インプラント支持体（３）を最長のモデルにのみ制限するように働く。この発明の方法および装置は、特に、コンピュータ支援のインプラント歯科学システムに適する。

Description

発明の技術分野
この発明は、歯科インプラントを配置するための方法および装置に関する。

発明の背景
審美上の配慮または治療上の指示により、極めて劣化した患者の義歯の欠損歯の代わりにインプラントがしばしば用いられるようになった。最も一般的な補綴装置は、依然として歯牙負担または粘膜負担（tissue borne）の補綴装置であるが、骨組織にドリル穿孔した穴部にねじ込んだ１つ以上のインプラントによる、患者の下顎または上顎に固定された補綴装置の配置が開発されている。

ロボット工学に繋がる現代の医療用画像化技術により、何らかの介入措置を行なう前に、三次元のインプラント配置をコンピュータ上でシミュレートすることと、手術中に外科歯科医を誘導するドリル穿孔テンプレートを作成することとが可能になった。これらの技術を用いることにより、審美上の成功率が非常に高まり、術後の合併症のリスクが低下した。

インプラントの理想的な配置を決定するための、インプラントを正確に配置するために考案されたこのような方法および装置は、ポンパ（Pompa）博士の名義において１９９４年６月１４日付で発行された米国特許第５，３２０，５２９号に記載されている。

断層撮影による断面図から、顎骨の光造形法の（stereolithographic）モデルが形成され、医師は、このモデル上で補綴装置の配置をシミュレートできるようになった。取付け台が装着された、定位置にあるインプラントの骨モデルおよび放射線不透過性モデルを成形することにより、外科用テンプレートが得られる。その後、取付け台の押し型上に、異なるサイズのドリルに対応する内径を有するドリル穿孔チューブが配置される。

この方法によって精密な外科用テンプレートを得ることが出来るが、この方法は、コンピュータによるシミュレーションの可能性および利点を完全には活用していない。なぜなら、仮想モデルではなく実際の骨モデルからの成形によってインプラントのシミュレーションを再現することにより、このテンプレートが得られるためである。

Ｍ．クレイン（M. Klein）他の名義において１９９９年６月３日付で発行された国際特許出願第ＷＯ ９９／２６５４０号に記載されたドリル穿孔テンプレートは、単一の直径のボアチューブ内に挿入される、異なる直径のドリル穿孔チューブを使用するという上述の原理に基づいているが、異なる点は、走査データに基づいた数値制御下においてドリル穿孔機によってスキャノグラフィ・ガイドに直接ドリル穿孔されたボアチューブに配置されたシリンダに、ドリル穿孔チューブが挿入されることである。

したがって、この態様における処置により、追加の成形ステップの必要がなくなる。

しかしながら、出願第ＷＯ ９９／２６５４０号に記載された方法および装置は、歯牙負担テンプレートにのみ適用可能であり、骨負担（bone borne）または粘膜負担テンプレートには適用不可能であるように思われる。さらに、ドリル穿孔チューブがフランジおよびクランプねじによってシリンダ内の定位置に維持されていることが、大きな不便を意味する。患者の口腔内でこのような多数の要素を配置および制御することと、これらの要素
の固定が不安定であることとの両方に関連する取扱いの難しさに加え、ねじによって保持されるさまざまな直径のドリル穿孔チューブからなるシステムにより、介入措置の安全性が損なわれる。なぜなら、断片の１つが飲み込まれる可能性が残るためである。

出願第ＷＯ ９９／２６５４０号の方法および装置の主題によって得られた結果の刊行物（「実践手法＆審美歯科学（Practical Procedure & Aesthetic Dentistery）」第１３巻、第２号、２００１年３月、１６５〜９頁、Ｍ．クレイン他）を示す図面は、シリンダのフランジが極端に嵩高いことと、半径方向位置にある六角穴を備えた把持部がなければ、ねじにアクセスすることが難しいこととを明らかに示している。

１９９６年４月２日付で発行されたベルギー特許第ＢＥ−１，００８，３７２号においてベルギーのマテリアライズ（Materialise）社によって発表されて、コンピュータ援用インプラント歯科学に特に適用される、デジタル画像に基づいて人体の部分モデルを作成するための方法は、光造形法、すなわち形成術で周知の高速原型試作技術により、必要とされるどのようなインプラント計画にも対応する下顎、上顎、および外科用テンプレートのモデルの作成を可能にすることによって、さらなる単純化をもたらす。

スキャナデータの収集、下顎または上顎のコンピュータによるシミュレーション、インプラントおよびテンプレートの設計の映像化に加え、原型試作機の誘導のための、特許されたこの方法から得られるソフトウェアは、SurgiCase（登録商標）の名で市販されており、広く適用可能な解決策を医師に提供する。

スキャナデータから、インプラント医はソフトウェアを用いて仮想インプラント計画を準備し、その結果をサービスセンターに送信する。サービスセンターは、これらのデータを実際のドリル穿孔テンプレートに変換する責任を負う。手術中に、テンプレートは歯槽突起上に位置付けられる。顎および歯の形状が複雑であるため、テンプレートの位置は独自のものであって安定性を有する。テンプレートは、インプラントされ得るステンレス鋼のシリンダを保持し、このシリンダは、外科手術中のドリルに物理的誘導を生じ、最適な態様でのドリル穿孔軸の制御を可能にする。異なる直径のシリンダを有するいくつかのテンプレートが作成され、これにより、各インプラントのための固有のドリル穿孔結果を考慮することができ、個々の場合に適宜適合することができる。据付けが完了すると、通常の方法で取付け台を用いてインプラントが挿入される。

しかしながら、複数のテンプレートを使用する必要があることから、マテリアライズ社の方法を活用することによって得られる単純化の利点が幾分減少する。

したがって、最先端技術において歯科インプラントを配置するための異なる方法および装置が公知であるものの、これらの方法および装置が医師の必要性を完全には満たしておらず、医師がインプラントを使用する際に、依然として非常に多くの制約により制限を受けていることが、上述の文書から明らかである。

発明の一般的な説明
この発明は、歯科インプラントを配置するための方法および装置に関し、この発明は、先行技術の方法およびシステムの使用に関する制約をなくすことを目的とする。

より具体的に、この発明の目的は、以下のステップ、すなわち、
ａ）患者の口腔内にスキャノグラフィ・ガイドを配置するステップと、
ｂ）コンピュータにより、ガイドに加え、患者の下顎または上顎のスキャナデータを収集するステップと、
ｃ）スキャナデータから、コンピュータ上で下顎または上顎のシミュレーションを行なうステップと、
ｄ）コンピュータにより、医師の制御下において、このシミュレーションに基づいてインプラント計画パラメータを生成するステップと、
ｅ）コンピュータにより、計画パラメータに基づいて、予め定められた傾斜および位置を有するボアチューブを特徴とするテンプレートを作製するための装置を制御するステップと、
ｆ）これらのボアチューブ内に、インプラントの種類に応じて予め定められた単一の標準寸法の誘導シリンダを固定するステップと、
ｇ）誘導シリンダ内に、ドリルの挿入の深さおよび方向を制御するように構成されたチューブを挿入するステップと、
ｈ）ドリル穿孔チューブを介して、連続して使用されるドリルにより、下顎または上顎に内にインプラントを受けることが意図される穴部をドリル穿孔するステップと、
ｉ）取付け台により、誘導シリンダを介して、穴部内にインプラントを配置するステップとを含む種類の方法である。

この発明に従った、歯科インプラントを配置するための方法は、
−インプラントの種類に応じて予め定められた単一の標準内径を有するドリル穿孔チューブを予め作成するステップと、
−その標準最大径がドリル穿孔チューブの内径に対応する多段ドリルを含む、第１の組のドリルを予め作成するステップと、
−その標準呼び径がチューブの内径に対応する較正ドリルを含む、第２の組のドリルを予め作成するステップとを含み、
直径が次第に大きくなる複数のドリルおよびチューブを後に使用する必要なく、各穴部に対して最初に多段ドリルの１つ、次に較正ドリルの１つを用いながら、各インプラントに固有のドリル穿孔処置を確保する。

また、この発明の方法は、テンプレートのシリンダ内に滑らかに移動する固有の取付け台によってインプラントの配置が誘導されるため、関心が持たれている。

インプラント計画パラメータが、追加手段を用いずに患者の下顎または上顎のボアの貫通深さを制御するために、コンピュータによって計算されたか、または医師によって算出されたボアチューブの高さを含むことから、この発明の歯科インプラントを配置するための方法は、やはり注目すべきものである。

代替的にまたは同時に、この発明に従った歯科インプラントを配置するための方法の変形例に従い、ボアの直径に対応する内径を有する１組のリングが予め作成される。次に、この方法の、第１の介在するステップは、患者の下顎または上顎内への貫通深さを制御するために、ボア上に少なくとも１つのリングを必要性に応じて配置するか、または配置しないステップを含む。

得られるべき骨切断術の深さに関係なく、インプラントの種類に応じて予め定められた単一の標準長さを有する多段ドリルおよび較正ドリルのみが使用される場合、ドリル穿孔の動作は、この方法の特定の特性の、上述の２つの利点を引出す。

また、この発明に従った方法は、取付け台の直径に対応する内径を有する１組の座金が予め作成され得るという利点も有する。必要な場合、介在する第２のステージ中に、これらの座金の１つ以上を取付け台上に配置することにより、インプラントの貫通深さを制御
することができる。

この上述の場合、インプラント処置は、配置されるべきインプラントの高さに関係なく、インプラントの種類に応じた単一の標準長さを有する取付け台を用いて行なわれることが好ましい。

この発明の、さらに別の１つの特性は、誘導シリンダ内へのチューブの挿入が、好ましくはねじ締めによって行なわれることである。さらに、テンプレート内におけるシリンダの固定は、好ましくは糊着によって行なわれる。

この発明に従った歯科インプラントを配置するための方法は、好ましくは、
ａ）患者の口腔内に配置されるためのスキャノグラフィ・ガイドと、
ｂ）ガイドおよび患者の下顎または上顎の走査データの、コンピュータ実施による第１の収集システムと、
ｃ）操作データに基づいた、下顎または上顎の、コンピュータ化された第２のデータシミュレーションシステムと、
ｄ）このシミュレーションに基づいて歯科用計画パラメータを生成するためのコンピュータ化された第３のシステムと、
ｅ）コンピュータによって制御が可能な、ドリル穿孔テンプレートを形成するための第４のシステムと、
ｆ）計画パラメータに基づいた、この第４のシステムをコンピュータ制御するための第５のシステムと、
ｇ）予め定められた角度および位置でテンプレートにあって、かつ、インプラントの種類に応じて予め定められた標準サイズの誘導シリンダが装着されたボアチューブと、
ｈ）誘導シリンダの上部内に同軸的に配置されたドリル穿孔ボアと、
ｉ）その直径がチューブの内径に対応するドリルと、
ｊ）取付け台と、
を備える種類の装置によって行なわれる。

この発明に従った装置の本質的な特性は、ドリル穿孔チューブのすべてが、インプラントの種類に応じて予め定められた単一の標準内径を有していることであり、さらに、ドリルが第１の組の多段ドリルおよび第２の組の較正ドリルを意味することであり、それぞれの標準最大径および標準呼び径が、これらのチューブの内径に対応することである。

有利にも、これらの多段ドリルの各々は、その軸に沿って連続的に、尖った先端から他端に向けて、
−インプラントの種類に応じて予め定められた単一の標準径を有する部分を有する、ドリルの第１の長さと、
−該インプラントの種類に応じて予め定められて、第１のドリル部の直径よりも大きな単一の標準径を有し、第１の長さに隣接する、ドリルの第２の長さと、
−インプラントの種類に応じて予め定められて、ドリル穿孔チューブの内径に対応する単一の標準径を有する滑らかな部分と、
−フランジと、
−ハンドピース用の標準的なブロック手段とを備える。

同様に有利な態様において、較正ドリルの各々は、好ましくは、その軸に沿って連続的に、尖った先端から他端に向けて、
−インプラントの種類に応じて予め定められて、ドリル穿孔チューブの標準内径に対応する単一の標準径を有する第１の切断部と、
−第１の切断部の直径よりも明らかに小さな直径を有する第２の切断部と、
−インプラントの種類に応じて予め定められて、ドリル穿孔チューブの独自の内径に対応する単一の直径を有する滑らかな領域と、
−フランジと、
−ハンドピース用の標準的なブロック手段とを提示する。

この発明の取付け台は、それらの各々が一方において、その軸に沿って連続的に、
−ハンドピース接続部に相補的な部分、
−フランジ、
−インプラントの種類に応じて予め定められて、誘導シリンダの標準内径に対応する単一の標準外径を有する滑らかな部分、および
−インプラントの標準的な頭部に相補的な部分を備えるマンドレルと、他方において、マンドレルを通ってインプラントの頭部にねじ込まれるねじとを備える場合、さらに有利となる。

この発明に従った歯科インプラントを配置するための装置のさらに別の特徴は、テンプレートのボアチューブが可変高さを有して、どのような追加手段も必要とせずに、手術中に患者の下顎または上顎におけるドリルの挿入深さを制限することである。

代替的にまたは同時に、この発明に従った歯科インプラントを配置するための装置は、さらに、ドリルの直径に対応する内径を有する１組のリングを備え、該リングは、貫通深さを制御するために、各ドリルの滑らかなドリル部または滑らかなドリル領域上を摺動することが意図される。

これらの上述の２つの実施例において、この発明に従った歯科インプラントを配置するための装置の多段ドリルおよび較正ドリルのすべては、形成されるべき穴部の深さに関係なく、インプラントの種類に応じて予め定められた、予め定められた標準長さを有し、したがって「汎用」ドリルを意味する。

有利にも、この発明に従った歯科インプラントを配置するための装置は、さらに、取付け台の直径に対応する内径を有する１組の座金を備え、この座金は、インプラントの貫通深さを制御するために、各取付け台の滑らかな部分上で摺動することが意図される。

インプラントの種類に応じて予め定められた単一の標準長さを有し、したがって「汎用」取付け台として機能する取付け台は、この上述の特性の利点を有する。

好ましくは、この発明に従った装置のシリンダおよびドリル穿孔チューブはそれぞれ、互いに９０°の角度にある４つのらせんを特徴とする内ねじ山および外ねじ山を有する。

最も有利には、この装置のチューブの各々は、タンジェンシャルスロットを有するリングを特徴とする。

代替的にまたは同時に、このリングは、互いに９０°にある半径方向の４つの止まり穴を含む。

この出願の主題である、歯科インプラントを配置するための装置のさらに別の特徴に従い、ドリルまたは取付け台の周囲にそれぞれ配置されることが意図されるリングおよび座金は、生体親和性のプラスチック材料、好ましくはポリオキシメタクリル酸エステル（ＰＯＭ）で形成される。

テンプレート内の誘導シリンダに関し、これらは、好ましくはチタン合金で形成され、
最も好ましくはＴＡ６Ｖで形成され、これは取付け台のマンドレルも同様である。一方で、チューブは鋼であり、好ましくはステンレス鋼ＩＮＯＸ ３１６Ｌである。

これらのいくつかの本質的な特性により、先行技術のものに比べてこの発明に従った歯科インプラントを配置するための方法および装置が、どのような利点を有するかが当業者に明らかになるであろう。

この発明の詳細な特性、より具体的には、この発明の寸法特性の有利な選択肢を示す例が、添付の図面を伴った以下の説明に提示される。これらの図面は、説明の本文の例示に過ぎず、この発明の範囲の限定を示すものと考えられるべきではないことに注意されたい。

発明の好ましい実施例の説明
図１は、患者の口腔内に歯科インプラント１を配置することになる、公知の連続したステップの概略図である。

予備のステップ２において、その自由裁量でコンピュータ援用のインプラント歯科学システムを有する医師は、患者と共に、インプラント１の配置についての決定を行なう。このシステムは、達成されるべき目標に応じて最適化される、複雑な１組の方法および装置である。その結果、このシステムの各要素の特性は高い相互依存性を有し、事実上の規格に行き着く。この規格は、最も信頼の厚い医療用機器製造業者が市販する、独自の或るシステムを一般化することから生じる。したがって、インプラント医は、その裁量において正に当初から、材料（インプラント１、取付け台３、ドリル４および５等）を、自分が使用しようとするシステムの他の部分に適合させるべきである。当然ながら、使用されるシステムができる限り単純であってかつ信頼可能なものであることが、患者および医師の双方に重要である。

患者の口腔内にスキャノグラフィ・ガイドが配置され（ステップ６）、その後、患者は通常の方法でスキャナ走査を受ける。このようなスキャノグラフィ・ガイドは、放射線不透過性マーカを含み、このマーカにより、公知の方法により、このステップ８においてコンピュータによって得られる放射線画像の基準マーカを、後に実際の補綴装置のマーカの点と一致させることができる。

この検査の終了時に、患者の顎７およびガイドのスキャナデータがサービスセンターに送られ、サービスセンターは、これらの生データを変換してそれらを調整し、その後インプラント医に転送する。

医師の自由裁量下にあるソフトウェアは、調整されたスキャナデータから、患者の下顎７または上顎の仮想的な再構成が確実に行なわれるようにする。このコンピュータによって駆動されるシミュレーション９により、今後のインプラント１の位置を映像化することによってインプラント計画１０を作成することができる。計画１０のパラメータは、ドリル穿孔テンプレート１１の作成１２のために、サービスセンターに再び送られる。

当該技術で公知の方法により、サービスセンターは、この作成のステップにおいて、受取ったデータを活用して光造形法装置を制御する。この光造形法装置は、閉鎖した空隙を有する物体を作成することのできるデジタルフライス盤に勝る利点を有する。

サービスセンターは、テンプレート１１のボアチューブの内側に誘導シリンダ１４を貼付し（ステップ１３）、テンプレートに加え、顎７の実際のモデルをインプラント医に送
る。シリンダ１４は、配置されるインプラント１の種類に応じて選択された標準サイズを有する。

次のステップ１６の間に、すなわち、インプラント１自体を配置する外科的処置の間に、医師はテンプレート１１を用いて、計画１０で決定した望ましい位置および正しい方向の各々に、インプラント１を受けることが意図される穴部１７をドリル穿孔する。

骨組織７が加熱されることを制限するために、小さな直径の穴部を最初にドリル穿孔してから、大きな直径に切換えて、呼び径を得る。従来の方法では、５つのドリルを用いてインプラント部位を準備する。テンプレート１１の誘導シリンダ１４が所定の直径を有すると仮定すると、シリンダ１４内に挿入された一連の適合チューブ１８を使用しない限り、ドリル穿孔の結果を得るためには、通常いくつかのテンプレート１１が必要である。

この上述の操作方法は、この発明の方法でもそのまま使用されているが、先行技術と異なる点は、このステップ１６において、適合チューブ１８が１種類のみであり、その内径がインプラント１の種類に応じて予め定められていることである。したがって、ドリル穿孔の度にいくつかのドリル穿孔チューブ１８を扱わなくてよい。すなわち、同一の標準的なチューブ１８が、ドリル穿孔の全期間に亘ってシリンダ１４内にねじ込まれている。

このことは、ドリル穿孔のステップ１９の間に、特定の種類の２つのドリル４および５、すなわち、「多段ドリル」４と呼ばれる第１のドリルおよび「較正ドリル」５と呼ばれる第２のドリルのみを用いることによって可能となる。これらの要素はすべて、図２、図３、図４、図６および図７に関連して詳細に説明される。

インプラント１を配置するための方法は、事前に得られた骨切断術１７内の取付け台３によってインプラントを導入することにより完了する。この最終ステージ２０の間に、インプラント１は、この発明の方法に特徴的な特定の種類の取付け台３によって正しく方向付けられる。取付け台３は、テンプレート１１のシリンダ１４内への滑動動作によって誘導される。

使用されるドリル穿孔テンプレート１１は、医師が使用するインプラント１の種類（「標準」、「幅広」、または「頬骨」）に応じて医師の要求により予め定められた同じ高さのチューブ１７を通常特徴とする。あらゆる種類のインプラント１が異なる長さで存在する。したがって、対応する深さの穴部１７をドリル穿孔するために、ドリル４および５を取り替えなければならない。

この発明に従った方法は、最も長いドリル４および５（考えられるインプラント１の種類に対する「汎用」ドリル）のみをそのまま使用することと、既知の厚さのリング２１を用いることにより、それらの長さに適合することとを示唆する。これらのリングは、ドリル４および５のすべての上に見受けられる軸方向の留め２２と、骨稜上に配置されたテンプレート１１の上部との間の空間を多少の差はあっても充填することにより、骨７内へのドリル４および５の貫通深さを制限する。

同じ原理が取付け台３にも適用される。すなわち、心棒２４の周囲に挿入される座金２３を用いて、インプラント１のねじ締めの深さを制限する。このようにして、取付け台３の長さの変化は、取付け台３の種類が「骨性」または「粘膜性」であるということと、インプラント１の種類との組合せに対してのみ制限される。

この方法の変形例に従い、リング２１を使用しないために、医師は、作製時にテンプレート１１のボアチューブ１５の高さを特定する。したがって、この方法では、変化するの
はステレオグラフィ・チューブ１７の高さであって、ドリル４および５ではない。同じ誘導シリンダ１４およびドリル穿孔チューブ１８を使用している間に、ステレオグラフィ・チューブが深くなるほどドリル穿孔の深さが短くなる。この方法は３つの利点を有する。すなわち、第１に、すべての深さに対して１つの長さのドリル４および５を使用するのみであり、第２に、テンプレート１１によって深さが予め定められているため、ドリル穿孔する度に深さを制御する必要がなく、最後に、粘膜負担テンプレート１１の場合、この方法により、どのような計算または適合をも行なう必要なく、異なるインプラント領域において不均一な粘膜の厚さを考慮することができる。

上で詳細に説明した方法を実施するために適合された、コンピュータ援用のインプラント歯科学システムの全要素についてここでは詳細に繰返さない。この発明に固有の装置の部分のみを以下に説明する。

図２は、下顎７の骨稜に固定されたドリル穿孔テンプレート１１を明示しており、誘導シリンダ１４がボアチューブ１５内の定位置に存在する。この状態は、医師がシリンダ１４内にドリル穿孔チューブ１８を既にねじ込んで（この図面では、明示するために、チューブ１８がシリンダ１４の上部に描かれている）、ドリル穿孔１９の手術のステップを開始する、ステップ１６の時点に相当する。

ボアチューブ１５の高さが、インプラント１のサイズに対応する深さに対する挿入を十分に制限しない場合、「汎用」多段ドリル４にリング２１が設けられる。図２の全要素の詳細な特性を図３〜図７に示す。

図３ａでは断面で、図３ｂでは上から見た誘導シリンダ１４は、その長さの半分に亘って延びる、ねじの切られた上部２５を含む。このねじ山は、９０°間隔の空いた、窪んだ４つのらせんを示し、これにより、ねじを締めることおよび緩めることが容易になる。

シリンダ１４は、高さが４ｍｍである。このシリンダは、ねじの切られていない部分において、寸法公差Ｈ７を備えた４．２０ｍｍの内径を有する。その外径は、５．２０ｍｍである。これらの寸法は、９７％の場合に当てはまる、３．７５ｍｍまたは４．００ｍｍの外径を有する「標準」タイプのインプラント１に適切である。４．７５ｍｍ、５ｍｍ、または６ｍｍの直径を有する「幅広」タイプのインプラントに対して、異なるサイズのシリンダ１４が存在する。

シリンダ１４は、移植可能な材料、好ましくはチタン合金ＴＡＶ６で形成される。

図４ａでは正面から、図４ｂでは上から見たドリル穿孔チューブ１８は、上部付近に存在してかつ、シリンダ１４のねじを切った部分２５に相補的な外部ピッチ２６を有する。ずらした４つの凸パターンのらせんにより、チューブ１８は、そのシリンダ内に１／４回転させるだけで固定され得る。

器具を用いてドリル穿孔チューブ１８を取扱い、固定し／取外すことは、その上端部を取り巻いて半径方向の４つの止まり穴２８を特徴とするリング２７によって容易に行なわれる。円柱状のタンジェンシャルスロット２９により、パラシュートとして働く絹糸を通すことが可能になる。

ドリル穿孔チューブ１８は高さが５ｍｍであり、ねじ山以外において、寸法公差ｇ６を有して４．２０ｍｍの外径を有し、したがってシリンダ１４の内径に対応しており、最も一般的な場合に適合するように調節される。リング２７の外径は５．２ｍｍであり、その高さは０．５ｍｍである。チューブ１８の内径は、直径が３．１５ｍｍのドリル４および
５を誘導するために、３．２０ｍｍである。

ドリル穿孔チューブ１８は鋼で、好ましくはステンレス鋼ＩＮＯＸ ３１６Ｌで作成される。

図５ａおよび図５ｂに示すリングは、このシステムに適合される寸法以外に特定の特徴を有さない。その外径は、その間にリングが配置される、ドリル穿孔チューブ１８のリング２７と、ドリル４および５のフランジ２２との一般的な寸法に対応するため、５．２ｍｍである。その内径３．１０ｍｍは、リングがドリル４および５に固定されるように、ドリル４および５の直径３．１５ｍｍよりも僅かに小さい。

これらのリング２１は、ポリオキシメタクリル酸エステル（ＰＯＭ）で作成される。０．５ｍｍの厚さを有するリング２１は、好ましくは白色の未加工のＰＯＭであり、１．５ｍｍの厚さを有するリング２１は、好ましくは黒色であり、互いがより簡単に識別できるようにする。

図６に示される多段ドリル４により、ボールドリル、２ｍｍのドリル、およびパイロットドリルの代わりに１つのドリルの使用が可能になる。

標準的なインプラント１を用いる際にシステムに典型的な、１０ｍｍの長さのインプラント１に対する多段ドリル４は、
−直径が２ｍｍで長さが４ｍｍの第１のドリル部３０が後に続く、刃先角１２０°を有する円錐部分と、
−第１のドリル部３０との、刃先角１２０°を有する円錐形の接続部を含む、直径が３ｍｍで長さが６ｍｍの第２のドリル部３１と、
−第２のドリル部３１との、半角１０°を有する円錐形の接続部を含む、直径が３．１５ｍｍで長さが５ｍｍの滑らかな部分３２と、
−直径が５．２ｍｍで厚さが０．５ｍｍのフランジ２２と、
−ハンドピース３３に対する、全長が１４ｍｍの標準的なブロック手段とを一般に特徴とする。

１３ｍｍ、１５ｍｍ、または１８ｍｍのインプラントの長さ用の多段ドリル４もまた存在するが、説明したように、ＰＯＭ製のリング２１と併用する場合、または、さまざまな高さのボアチューブ１５を特徴とするテンプレート１１と併用する場合、これらのシリーズのうち最も長いドリル４を「汎用」ドリルとして用いることができる。

図７に示す較正ドリル５は、多段ドリル４のものと同一の上部２２および３３を含む。

長さが１０ｍｍの標準的なインプラント１の場合、このドリル５の下部は、
−直径が３．１５ｍｍで長さが４ｍｍの第１のドリル部３４が後に続く、刃先角１２０°を有する円錐部分と、
−直径が３．００ｍｍで長さが６ｍｍの第２のドリル部３５と、
−第２のドリル部３５への、半角が１０°の円錐形の接続部を含む、直径が３．１５ｍｍで長さが５ｍｍの滑らかな部分３６とを一般に特徴とする。

多段ドリル４に加え較正ドリル５は、ステンレス鋼、好ましくはタイプＺ３３Ｃ１３で形成される。

図８は、ドリル穿孔のステップ１９に続く、インプラント１を配置するステップ２０の間における、インプラント１、取付け台３、およびテンプレート１１を示す（この図面で
は、明示するためにこれらの要素が分解されている）。インプラント計画１０で予測された正確な位置で骨組織７内にドリル穿孔された空隙１７は、インプラント１を受ける。そこからドリル穿孔チューブ１８のねじ締めが解かれるテンプレート１１の誘導シリンダ１４により、特定の取付け台３によってインプラント１の正確な誘導が可能になる。

この発明に従ったこれらの取付け台３の各々は、一方においてマンドレル３７を形成する複合形状と、他方においてインプラント１の固定ねじ３８とを含む。これらの２つの要素を、それぞれ図９および図１０に示す。

マンドレル３７は、器具保持機に相補的な部分を形成する六角形の断面の上部３９を含む。この部分３９は、軸方向のボア４０を特徴とし、ドリル４および５のものと同一のフランジ２２によって滑らかなスリーブ２４に連結される。マンドレル３７の基部は、インプラント１の六角形の頭部４２に相補的な六角形の断面の空隙４１を含み、空隙４１にはねじを切った止まり穴が設けられている。マンドレル３７を通るねじ３８は、そのねじを切られた端部４３により、六角形の頭部４２内にねじ込まれて、インプラント１と取付け台３とを互いに不可分な態様で嵌合する。このことを行なうために、取付け台３のねじ３８の頭部は有利にも、六角穴４４を有する種類のものである。

マンドレル３７のスリーブ２４の外径は、誘導シリンダ１４の内径に対応する。このようにして、インプラント１は、テンプレート１１のシリンダ１４内にスリーブ２４を滑らかに移動させることによって定位置に配置される際に、誘導される。シリンダ１４の上部で中実となるフランジ２２は、外科医によって所望されるレベルに挿入を制限する。したがって、上で明示したように、ＰＯＭ製の座金２３により、この貫通深さの正確な制御が可能になる。

取付け台３は、その長さに基づいた２つの主な種類、すなわち、骨性の短い取付け台と、経粘膜性の配置に適合される長い取付け台とに分けることができる。

標準的なインプラント１の場合、取付け台３のスリーブ２４の外径は４．１５ｍｍであり、これにより、内径が４．２０ｍｍのシリンダ１４内への滑らかな移動が確保される。スリーブ２４の高さ（フランジ下の取付け台の高さ）は、骨性の取付け台の場合に４．５ｍｍであり、粘膜性の取付け台の場合に１０．５ｍｍである。取付け台３のねじ３８の全長は、それぞれ１３．５ｍｍおよび１９．５ｍｍである。「汎用」の骨性取付け台および「汎用」の粘膜性取付け台の場合、スリーブ２４はそれぞれ、高さが１０．０ｍｍおよび１５．０ｍｍであり、ねじ３８はそれぞれ、長さが１９．０ｍｍおよび２４．０ｍｍである。マンドレル２４の基部の六角穴４１およびねじ３８のねじ山Ｍ２ ４３は、市販されているインプラント１の殆どに適合し得る。

取付け台３の座金２３は、ドリル４および５のリング２１と同じ、生体親和性のプラスチック材料である。

標準的なインプラントの場合、その外径はフランジ２２のものと同じであり、その内径は４．１０ｍｍであり、これは、スリーブ２４の外径よりも僅かに小さい。それらの厚さは０．５ｍｍまたは１．５ｍｍのいずれかである。好ましくは、薄い方が白色であり、厚い方が黒色であり、互いに混同されないようにする。

この発明に従った歯科インプラントを配置するための方法および装置に対して、これらの特性の全体が、先行技術に勝る顕著ないくつかの利点を提供する。すなわち、
−異なる長さおよび異なる直径を有するいくつかのドリルの代わりに、（あらゆる種類のインプラントに対し）２つのドリルのみが使用される。

−適切な深さの計算およびそれに対する調節をせずに、特定のテンプレートによってドリル穿孔が可能になる。

徐々に内径が大きくなる一連のチューブの代わりに、単一のモデルのドリル穿孔チューブが（あらゆる種類のインプラントに対して）必要とされる。

−チューブの扱いがより容易になる。なぜなら、その固有の機械的設計により、単に１／４回転ねじ締めすることにより、誘導シリンダ内でチューブを係合させることができるためである。

−「パラシュート」を有するチューブにより、安全性が増大する。

−インプラントを配置する間に、取付け台が正確に誘導される。

場合によっては、上述の方法および装置を単純化して、ドリル穿孔の深さ、歯肉の厚さ、または適用されるインプラントがどれぐらいの深さであるかに関係なく、ドリル４および５の貫通深さおよび取付け台３の深さにそれぞれ適合するためにリング２１および／または座金２３を使用しないようにすることができる。

最も頻繁に使用されるドリルは、長さが１０ｍｍ、１３ｍｍ、１５ｍｍ、１８ｍｍ、および２０ｍｍであることが公知である。

さらに、最も頻繁に使用されるインプラントの長さは、８．５ｍｍ、１０ｍｍ、１１．５ｍｍ、１３ｍｍ、１５ｍｍ、１８ｍｍ、および２０ｍｍである。

Ｘが、使用されるかまたは使用され得るドリルの長さから、配置されるべきインプラントの長さを引いたものに等しいことが分かっている場合、取付け台の長さとしてＸ＋４を選択することにより、Ｘは、リングまたは座金を用いずに、利用可能な取付け台の使用を可能にしなければならない。

このことが可能になるいずれの場合も、Ｘの値は、特定の長さのドリルと、同様に特定の長さの取付け台とが使用されている間に、上で述べた２つの必要条件に従うことができるように選択される。

したがって、この値Ｘは、骨稜に関し、骨内のインプラントの挿入深さおよびその位置と無関係であるだけでなく、用いられる手術法（骨性の誘導または粘膜性の誘導）とも無関係であり、歯肉の厚さの値とも無関係であり、骨稜の表面の算出値とも無関係である。

したがって、殆どの場合、リング２１も座金２３も用いる必要なく、ドリル穿孔してインプラントを配置することができ、または、リングを用いて座金を用いずに、もしくは座金を用いてリングを用いずに、インプラントを配置することができる。

４ｍｍ、５ｍｍ、６ｍｍ、７ｍｍ、９ｍｍ、１０ｍｍ、１１ｍｍ、１２ｍｍ、１３ｍｍ、１４ｍｍ、および１７ｍｍの取付け台の長さは、実際に、上述の値の想定し得るすべての場合に対応することができ、すなわち、リングの使用および／または座金を使用する必要をなくす。

当然ながら、この発明が、上述の好ましい実施例にのみ限定されないことが理解される。それとは反対に、この発明は、前掲の請求項に規定されたこの発明の概念に従った、考
え得るあらゆるさまざまな実施例を包含する。

この発明が関わる、最先端の技術で公知の歯科インプラントを配置するための方法を構成する、異なるステップの概観を示す図である。 ドリル穿孔するステップ中における、この発明に従った装置、より具体的には、ドリル穿孔テンプレート、ガイド、多段ドリル、およびそのリングを特徴とする装置の部分分解組立図である。 テンプレートの誘導シリンダの（Ａ−Ａに沿った）断面図である。 テンプレートの誘導シリンダの上面図である。 テンプレートのドリル穿孔チューブの正面図である。 テンプレートのドリル穿孔チューブの上面図である。 貫通深さを制限するために使用されるドリル穿孔リングの（Ｂ−Ｂに沿った）断面図である。 貫通深さを制限するために使用されるドリル穿孔リングの上面図である。 多段ドリルの正面図である。 較正ドリルの正面図である。 インプラントを配置するステップの間における、この発明に従った装置、より具体的には、ドリル穿孔テンプレート、インプラント、座金、取付け台、およびそのねじを特徴とする装置の部分分解組立図である。 この発明に従った取付け台の正面図である。 この発明に従った取付け台の上面図である。 取付け台に対応するねじの正面図である。

Claims (34)

1. 歯科インプラント（１）を配置するための方法であって、以下のステップ、すなわち、
   ａ）患者の口腔内にスキャノグラフィ・ガイドを配置するステップ（６）と、
   ｂ）コンピュータにより、前記ガイドに加え、前記患者の下顎または上顎（７）の走査データを収集するステップ（８）と、
   ｃ）前記データから、コンピュータ上で前記下顎または前記上顎（７）のシミュレーションを行なうステップ（９）と、
   ｄ）コンピュータにより、医師の制御下において、シミュレーションを行なう前記ステップ（９）に基づいてインプラント計画パラメータを生成するステップ（１０）と、
   ｅ）コンピュータにより、計画パラメータに基づいて、予め定められた傾斜および位置を有するボアチューブを特徴とするテンプレート（１１）を作成するための装置を制御するステップ（１２）と、
   ｆ）前記ボアチューブ（１５）内に、前記インプラント（１）の種類に応じて予め定められた単一の標準寸法の誘導シリンダ（１４）を固定するステップ（１３）と、
   ｇ）前記シリンダ（１４）内に、ドリル（４，５）の挿入の深さおよび方向を制御するように構成されたドリル穿孔チューブ（１８）を挿入するステップ（１６）と、
   ｈ）前記チューブ（１８）を介して、連続して使用される前記ドリル（４，５）によって前記下顎または前記上顎（７）内に、インプラント（１）を受けることが意図される穴部（１７）をドリル穿孔するステップ（１９）と、
   ｉ）前記シリンダ（１４）を介して、取付け台（３）により、前記穴部（１７）内にインプラント（１）を配置するステップ（２０）とを含む種類の方法であって、
   −前記インプラント（１）の種類に応じて予め定められた単一の標準内径を有するチューブ（１８）が予め作成されること（２）と、
   −その標準最大径が前記チューブ（１８）の内径に対応する多段ドリル（４）を含む、第１の組の前記ドリル（４，５）が予め作成されること（２）と、
   −その標準呼び径がチューブ（１８）の内径に対応する較正ドリル（５）を含む、第２の組の前記ドリル（４，５）が予め作成されること（２）と、
   −穿孔のステップ（１９）が、各穴部（１７）に対して最初に多段ドリル（４）の１つ、次に較正ドリル（５）の１つを用いるステップを含むこととを特徴とする、方法。
2. 配置する前記ステップ（２０）が、前記シリンダ（１４）内に滑らかに移動する取付け台（３）によって誘導されることを特徴とする、請求項１に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための方法。
3. 前記パラメータが、追加手段を用いずに下顎または上顎（７）におけるドリル（４，５）の挿入深さを制御するために、前記ボアチューブ（１５）の高さを含むことを特徴とする、請求項１または請求項２に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための方法。
4. 前記ドリル（４，５）の直径に対応する内径を有する１組のリング（２１）が事前に作製されること（２）と、前記方法が、貫通深さを制御するために、前記ドリル（４，５）上に前記リング（２１）の少なくとも１つを固定するステップを含む第１の介在するステップを含むこと、とを特徴とする、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための方法。
5. ドリル穿孔するステップ（１９）が、得られるべき穴部（１７）の深さに関係なく、前記インプラント（１）の種類に応じて予め定められた単一の標準長さを有する多段ドリル（４）および較正ドリル（５）を用いるステップを含むことを特徴とする、請求項３または請求項４に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための方法。
6. 取付け台（３）の直径に対応する内径を有する１組の座金（２３）が事前に作成されること（２）と、前記方法が、貫通深さを制御するために、前記取付け台（３）上に前記座金（２３）の少なくとも１つを固定するステップを含む第２の介在するステップを含むこととを特徴とする、請求項１から請求項５のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための方法。
7. 配置するステップ（２０）が、配置されるべき前記インプラント（１）の高さに関係なく、インプラント（１）の種類に応じて予め定められた単一の標準長さを有する取付け台（３）を用いるステップを含むことを特徴とする、請求項６に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための方法。
8. 挿入するステップ（１６）が、ねじ締めによって確実に行なわれることを特徴とする、請求項１から請求項７のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための方法。
9. 固定するステップ（１３）が、糊着によって確実に行なわれることを特徴とする、請求項１から請求項８のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための方法。
10. 請求項１から請求項９のいずれか１項に記載の方法を適用するために適合された、歯科インプラントを配置するための装置であって、
    ａ）患者の口腔内に配置されることが意図される走査ガイドと、
    ｂ）前記ガイドと、前記患者の下顎または上顎（７）とからのデータをコンピュータ上で収集するための第１のシステムと、
    ｃ）前記データから、前記下顎または前記上顎（７）のシミュレーションをコンピュータ上で行なうための第２のシステムと、
    ｄ）前記データに基づいて、コンピュータにより、インプラント計画パラメータを生成するための第３のシステムと、
    ｅ）コンピュータによって制御が可能な、ドリル穿孔テンプレート（１１）を形成するための第４のシステムと、
    ｆ）前記パラメータから、コンピュータにより、前記第４のシステムを制御するための第５のシステムと、
    ｇ）前記インプラント（１）の種類に応じて予め定められた標準寸法を有する誘導シリンダ（１４）に適合する、前記ドリル穿孔テンプレート（１１）内において予め定められた傾斜および位置を有するボアチューブ（１５）と、
    ｈ）前記シリンダ（１４）の上部（１５）内に同軸的に配置されたドリル穿孔チューブ（１８）と、
    ｉ）前記ドリル穿孔チューブ（１８）の内径に対応する直径を有するドリル（４，５）と、
    ｊ）取付け台（３）とを備える種類の装置であって、
    前記ドリル穿孔チューブ（１８）のすべてが、前記インプラント（１）に応じて予め定められた単一の標準内径を提示することと、前記ドリル（４，５）が、第１の組の多段ドリル（４）および第２の組の較正ドリル（５）を含み、当該ドリルのそれぞれの標準最大径および標準呼び径が、前記ドリル穿孔チューブ（１８）の内径に対応することとを特徴とする、装置。
11. 多段ドリル（４）の各々が、その軸に沿って連続的に、尖った先端から他端に向けて、
    −前記インプラント（１）の種類によって予め定められた単一の標準径を有する第１のドリル部（３０）と、
    −前記インプラント（１）によって予め定められて前記第１のドリル部（３０）の直径
    よりも大きな単一の標準径を有し、前記第１のドリル部（３０）に隣接する、第２のドリル部（３１）と、
    −前記インプラント（１）の種類に応じて予め定められて前記多段ドリル（１８）の標準内径に対応する単一の標準径を有する滑らかな部分（３２）と、
    −フランジ（２２）と、
    −ハンドピース（３３）用の標準的なブロック手段とを提示することを特徴とする、請求項１０に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
12. 較正ドリル（５）の各々は、その軸に沿って、尖った先端から他端に向けて、
    −前記インプラント（１）の種類によって予め定められて前記ドリル穿孔チューブ（１８）の標準内径に対応する単一の標準径を有する第１の切断部（３４）と、
    −前記第１の切断部（３４）の直径よりも明らかに小さな直径を有する第２の切断部（３５）と、
    −前記インプラント（１）の種類によって予め定められて前記ドリル穿孔チューブ（１８）の独自の内径に対応する単一の標準径を有する滑らかなドリル領域（３６）と、
    −フランジ（２２）と、
    −ハンドピース（３３）用の標準的なブロック手段とを提示することを特徴とする、請求項１０または請求項１１に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
13. 取付け台（３）の各々が、一方において、その軸に沿って連続する、
    −ハンドピース接続部に相補的な部分（３９）、
    −フランジ（２２）、
    −インプラント（１）の種類に応じて予め定められて前記シリンダ（１４）の標準内径に対応する単一の標準外径を有する滑らかな部分（２４）、および
    −前記インプラント（１）の標準的な頭部（４２）に相補的な部分（４１）を特徴とするマンドレル（３７）と、他方において、マンドレル（３８）を通って前記頭部（４２）にねじ込まれるねじ（３８）とを含むことを特徴とする、請求項１０から請求項１２のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
14. ボアチューブ（１５）の長さが、下顎または上顎（７）におけるドリル（４，５）の貫通深さを追加手段を用いずに制限するために可変であることを特徴とする、請求項１０から請求項１３のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
15. ドリル（４，５）の直径に対応する内径を有する１組のリング（２１）をさらに備え、前記リング（２１）が、貫通深さを制御するために、ドリル（４，５）の各々の滑らかなドリル領域（３６）または滑らかなドリル部（３２）上を摺動することが意図されることを特徴とする、請求項１１または請求項１２に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
16. 多段ドリル（４）および較正ドリル（５）のすべてが、得られるべき穴部（１７）の深さに関係なく、前記インプラント（１）の種類に応じて予め定められた同じ長さを有し、したがって汎用ドリルを意味することを特徴とする、請求項１４または請求項１５に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
17. 取付け台（３）の直径に対応する内径を有する１組の座金（２３）をさらに備え、前記座金（２３）が、貫通深さを制御するために、前記取付け台（３）の各々の滑らかな部分（２４）上を摺動することが意図されることを特徴とする、請求項１３に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
18. 取付け台（３）はすべて、配置されるべき前記インプラント（１）の種類に応じて予め
    定められた同じ長さを有し、したがって汎用取付け台を意味することを特徴とする、請求項１７に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
19. シリンダ（１４）およびチューブ（１８）がそれぞれ、互いに９０°の角度にある４つのらせんを特徴とする内ねじ山（２５）および外ねじ山（２６）を含むことを特徴とする、請求項１０から請求項１８のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
20. チューブ（１８）の各々が、タンジェンシャルスロット（２９）を含むリング（２７）を特徴とすることを特徴とする、請求項１０から請求項１９のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
21. チューブ（１８）の各々が、互いに９０°にある半径方向の４つの止まり穴（２８）を含むリング（２７）を特徴とすることを特徴とする、請求項１０から請求項２０のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
22. リング（２１）および座金（２３）が、生体親和性のプラスチック材料、好ましくはポリオキシメタクリル酸エステル（ＰＯＭ）で形成されることを特徴とする、請求項１５から請求項１７のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
23. シリンダ（１４）が、チタン合金、好ましくはＴＡ６Ｖで形成されることを特徴とする、請求項１０から請求項２２のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
24. チューブ（１８）が、鋼、好ましくはＩＮＯＸ ３１６Ｌで形成されることを特徴とする、請求項１０から請求項２３のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
25. マンドレル（３７）が、チタン合金、好ましくはＴＡ６Ｖで形成されることを特徴とする、請求項１３か、または請求項１３に従属する請求項１４から請求項２４のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
26. チューブ（１８）の標準内径が、好ましくは３．２０ｍｍであり、多段ドリル（４）の対応する標準最大直径および較正ドリル（５）の対応する標準呼び径が、好ましくは３．１５ｍｍであることを特徴とする、請求項１０から請求項２５のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
27. シリンダ（１４）の標準内径が、好ましくは４．２０ｍｍであり、スリーブ（２４）の対応する標準外径が、好ましくは４．１５ｍｍであることを特徴とする、請求項１３か、または請求項１３に従属する請求項１４から請求項２６のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
28. ドリル部（３０，３１）または切断部（３４，３５）が、汎用ドリルの場合、好ましくは１０ｍｍ、１３ｍｍ、１５ｍｍ、または１８ｍｍに亘って延びることを特徴とする、請求項１１または請求項１２、および請求項１１または請求項１２に従属する請求項１３から請求項２７のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
29. −第１のドリル部（３０）が好ましくは２ｍｍの直径を有して４ｍｍに亘って延び、
    −第２のドリル部（３１）が好ましくは３ｍｍの直径を有して６ｍｍに亘って延び、
    −滑らかな部分（３２）が好ましくは３．１５ｍｍの直径を有して５ｍｍに亘って延び
    ることを特徴とする、請求項１１、および請求項１１に従属する請求項１２から請求項２８のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
30. −前記第１の切断部（３４）が好ましくは３．１５ｍｍの直径を有して４ｍｍに亘って延び、
    −第２の切断部（３５）が好ましくは３ｍｍの直径を有して６ｍｍに亘って延び、
    −滑らかな領域（３６）が好ましくは、３．１５ｍｍの直径を有して５ｍｍに亘って延びることを特徴とする、請求項１２、および請求項１２に従属する請求項１３から請求項２９のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
31. スリーブ（２４）の長さおよびねじ（３８）の長さが、好ましくはそれぞれ、骨性の取付け台の場合に、４．５ｍｍおよび１３．５ｍｍであり、粘膜性の取付け台の場合に、１０．５ｍｍおよび１９．５ｍｍであり、前記「汎用」の骨性の取付け台の１つの場合に、１０．０ｍｍおよび１９．０ｍｍであり、前記「汎用」の粘膜性の取付け台の１つの場合に、１５．０ｍｍおよび２４．０ｍｍであることを特徴とする、請求項１３、および請求項１３に従属する請求項１４から請求項３０のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
32. フランジ（２２）が、好ましくは０．５ｍｍの厚さと５．２ｍｍの外径とを有することを特徴とする、請求項１１、請求項１２、または請求項１３、および請求項１１、請求項１２、または請求項１３に従属する請求項１４から請求項３１のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
33. リング（２１）の内径が好ましくは３．１０ｍｍであり、外径が好ましくは５．２ｍｍであり、その厚さが好ましくは０．５ｍｍまたは１．５ｍｍであることを特徴とする、請求項１５、および請求項１５に従属する請求項１６から請求項３２のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。
34. 座金（２３）の内径が好ましくは４．１０ｍｍであり、外径が好ましくは５．２ｍｍであり、その厚さが好ましくは０．５ｍｍまたは１．５ｍｍであることを特徴とする、請求項１７、および請求項１７に従属する請求項１８から請求項３３のいずれか１項に記載の、歯科インプラント（１）を配置するための装置。

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