JP2011152238A - インプラント用ドリル - Google Patents
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Abstract
【課題】操作性が高く、患者の肉体的負担を軽減するようにした歯科用ドリルを提供する。
【解決手段】ハンドピース30に装着されて回転し、顎骨に孔をあけるインプラント用ドリル1において、ハンドピース30に挿入されるシャンク11と、シャンク11の先端に設けられたボディ12とを備え、その全長がレギュラーサイズのドリルの全長に対して、78〜84%である。
【選択図】図1
【解決手段】ハンドピース30に装着されて回転し、顎骨に孔をあけるインプラント用ドリル1において、ハンドピース30に挿入されるシャンク11と、シャンク11の先端に設けられたボディ12とを備え、その全長がレギュラーサイズのドリルの全長に対して、78〜84%である。
【選択図】図1
Description
本発明は、インプラント手術において、顎骨に孔をあけるためにハンドピースに装着して使用されるインプラント用ドリルに関する。
歯科において、入れ歯に代わる技術としてデジタルインプラント(以下単に「インプラント」という。)が知られている(例えば、特許文献1参照。)
インプラント治療においては、歯が喪失された部分の顎骨に孔をあけてフィクスチャーを埋入し、このフィクスチャーに土台となるアッバメントを接続し、さらに、このアッバメントに上部構造(人口歯冠)を装着して行われる。
ここで、顎骨に孔をあける際には、各種のインプラント用ドリルがハンドピースに装着されて使用される。これらのインプラント用ドリルには、一般に、それぞれ全長が異なる2種類、つまりレギュラーとこれよりも長さが長いエクステンションとがあり、適宜、使い分けられている。例えば、奥歯の抜けた後にインプラントを施術する場合には、患者が口を大きく開けたとしても、前歯に対応する部分ほどは大きく開けることができないので、一般に、レギュラーが使用される。
しかしながら、歯科技術は、欧米を中心に発達してきたため、治療や施術に使用される、歯科用ドリルをはじめとする歯科器具は、欧米人の標準的な体格(口の大きさ)に合わせてそのサイズが設計されているため、欧米人と比較して小柄な日本人とっては必ずしも好適なサイズであるとはいえない。特に、インプラント手術において奥歯が抜けた後の顎骨に穴をあける場合には、たとえ、レギュラーサイズのドリルを使用したとしても、一般的な日本人に対しては、長すぎて操作性が悪い場合が多いだけでなく、患者に長時間、大きく口を開けることを強要して患者の肉的負担となる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、操作性が高く、患者の肉体的負担を軽減するようにしたインプラント用ドリルを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、ハンドピースに装着されて回転し、顎骨に孔をあけるインプラント用ドリルにおいて、前記ハンドピースに装着されるシャンクと、前記シャンクの先端に設けられたボディとを備え、その全長がレギュラーサイズのドリルの全長に対して、78〜84%である、ことを特徴とする。
この構成によれば、例えば、ドリリングのための十分なスーペースを確保するのが困難な、奥歯が抜けた後の顎骨に孔をあける場合のドリル及びハンドピースの操作性を向上させるとともに、口の開口量を幾分少なくすることが可能なので、患者の肉体的な負担を軽減することができる。
上記構成において、前記シャンクと前記ボディとの境界に、前記シャンク及び前記ボディよりも大きな外径のフランジ部が一体的に設けられている、ようにしてもよい。
この構成によれば、ドリリングの際に、フランジ部が顎骨に当接することで、顎骨に所定の深さの孔をあけることができる。
上記構成において、前記ハンドピースに装着された際の、前記ハンドピースから前記フランジ部における前記ハンドピースと反対側の面までの長さをシャンクの突出長さとしたときに、前記突出長さが、4〜5mmである、ようにしてもよい。
この構成によれば、全長を短くして操作性を向上させることができ、しかも、フラップレスオペにおいてもドリリングの際に、ハンドピースの一部が歯肉に接触することを防止することができる。
上記構成において、前記シャンクの基端部に回り止めとしてのDカット部と、抜け止めとしての小径部とを有している、ようにしてもよい。
この構成によれば、Dカット部により、インプラント用ドリルに回転を付与し、抜け止めにより、インプラント用ドリルの脱落を防止することができる。
本発明によれば、操作性が高く、また、患者の肉体的負担を軽減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同じ構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
<実施形態1>
<実施形態1>
図1,図2を参照して、本発明を適用した実施形態1に係る歯科用ドリル1(以下単に「ドリル1」、又は、「ショートサイズのドリル1」という。)について説明する。
図1(A)はドリル1の正面図であり、(B)はドリル1の右側面図である。図2(A)はハンドピース30及びこれに装着された状態のドリル1の平面図(上面図)であり、(B)は(A)中のX−X線矢視図である。
図1(A)はドリル1の正面図であり、(B)はドリル1の右側面図である。図2(A)はハンドピース30及びこれに装着された状態のドリル1の平面図(上面図)であり、(B)は(A)中のX−X線矢視図である。
図1,図2に示すように、ドリル1は、シャンク11とボディ12とを備えている。なお、以下では、ドリル1が下向きに使用される状態、つまり、患者の口腔内の下の顎骨に対してドリル1で孔をあける場合を例に説明する。上の顎骨に対してドリル1を使用する際には、ドリル1やハンドピース30の上下が逆になる。
シャンク11は、テーパのない、いわゆるストレートシャンクであって、中心軸Cに沿って長く延びる円柱状の形態をしている。シャンク11の基端側(図中の上端)には、回り止めとなるDカット13aが形成されたDカット部13が設けてある。さらに、このDカット部13には、細い溝状の小径部14が形成されている。この小径部14は、後述するハンドピース30の係合板34が係合されて、抜け止めとして作用する。
ボディ12は、溝16、山17、切刃18等を有していて、その構造は、レギュラーサイズやエクステンションサイズのドリルと同様である。
シャンク11とボディ12との境界には、フランジ部20が一体的に設けられている。フランジ部20は、下面20aと上面20bとを有する円環状に形成されている。フランジ部20は、シャンク11及びボディ12よりも大きな外径に形成されていて、ドリリングに際し、その下面20aを下の顎骨に当接させることで、ドリリングで穿孔される孔の深さを制限するストッパとして作用する。
ドリル1は、例えば、上述のシャンク11とボディ12とフランジ部20とが、金属によって一体に構成されている。
なお、フランジ部20を一体に構成するに代えて、例えば、樹脂製の円筒状のものをボディ12の先端側、又はシャンク11の基端側から挿入するようにしてもよい。
本実施形態では、ドリル1の全長Lを、レギュラーサイズのドリルの全長(一般に、32mm)に対して、78〜84%とした。90%を超えると、レギュラーサイズのドリルとの差別化が薄れて、ショートドリルとしてのメリットが少ない。一方、75%未満の場合には、フラップレスオペにおいてドリリングの際にハンドピースの一部が歯肉に接触するという理由でドリリングに支承をきたすことになる。
上述構成のドリル1は、以下のようにして、ハンドピース30に装着される。
ここで、図2(A),(B)を参照して、ドリル1が装着可能な一般的なハンドピース30について説明する。
ハンドピース30は、ハンドピース本体31の先端側に配設された回転体32と、この回転体32を回転駆動する駆動軸33と、ドリル1の抜け止めとなる係止板34とを備えている。
回転体32は、上下方向を向いた軸心S(ドリル1の中心軸Cと一致)と同軸の略円筒状の形態をしていて、ハンドピース本体31によって回転自在に支持されている。回転体32の上部における内面には、上述のドリル1のシャンク11のDカット部13に嵌合される嵌合部32aが内側に向けて突設されている。ドリル1は、この回転体32に対して、シャンク11が下方から挿入され、そのDカット部13が嵌合部32aに嵌合される。この嵌合により、ドリル1は、回転体32に対する相対回転が禁止される。この嵌合状態において、シャンク11の小径部14は、回転体32の上端よりも上方に位置して、後述する係止板34によって係合される。回転体32の外周面における、軸心Sに沿った方向の略中央には、ベベルギヤ35が設けてある。
駆動軸33は、回転体32に対して直交するように、配置されていて、先端には、回転体32のべベルギヤ35に噛合するベベルギヤ36が設けてある。駆動軸33が回転すると、この回転は、ベベルギヤ36,35を介して90度向きを変えて回転体32に伝達され、回転体32が回転する。この回転体32の回転により、相対回転が禁止されているドリル1が回転するようになっている。
係止板34は、長方形状の形態をしていて、ハンドピース本体31の上面に、軸37を基軸にして揺動可能に配設されている。係止板34は、先端側にフック38が形成されていて、図2(A)に示すロック位置P1(実線及び点線で図示)では、そのフック38が小径部14に係合して、シャンク11の抜け止めとなる。一方、待機位置P2(二点鎖線で図示)では、小径部14に対する係合が解除されてシャンク11の挿脱が可能になる。
本実施形態では、ドリル1は、ハンドピース30に装着された状態において、ハンドピース30(の先端側下部30a)からフランジ部20における下面20a(ハンドピースと反対側の面)までの長さをシャンクの突出長さtとしたときに、この突出長さtが、4〜5mmとなるように構成されている。突出長さtが6mmを超えると、レギュラーサイズのドリルとの差別化が薄れて、ショートドリルとしてのメリットが少ない。一方、3mm未満の場合には、フラップレスオペにおいてドリリングの際に、ドリル1のフランジ部20における下面20aが顎骨に当接する前に、ハンドピース30の先端側下部30a近傍が、歯肉に接触するおそれがある。このような事情に鑑み、突出長さtを4〜5mmに設定した。
以上説明したように、本実施形態によれば、例えば、ドリリングのための十分なスーペースを確保するのが困難な、奥歯が抜けた後の顎骨に孔をあける場合のドリル1及びハンドピース30の操作性を向上させるとともに、患者の口の開口量を少なくすることが可能なので、患者の肉体的な負担を軽減することができる。
また、シャンク11とボディ12との境界に、シャンク11及びボディ12よりも大きな外径のフランジ部20を一体的に設ければ、ドリリングの際に、フランジ部20が顎骨に当接することで、顎骨に開ける孔の深さを適宜な深さとすることができる。
1 ドリル(インプラント用ドリル)
11 シャンク
11a ガイド孔
12 ボディ
13 Dカット部
13a Dカット
14 小径部
20 フランジ部
30 ハンドピース
C 中心軸
S 軸心
L ドリルの全長
t シャンクの突出長さ
11 シャンク
11a ガイド孔
12 ボディ
13 Dカット部
13a Dカット
14 小径部
20 フランジ部
30 ハンドピース
C 中心軸
S 軸心
L ドリルの全長
t シャンクの突出長さ
Claims (4)
- ハンドピースに装着されて回転し、顎骨に孔をあけるインプラント用ドリルにおいて、
前記ハンドピースに挿入されるシャンクと、前記シャンクの先端に設けられたボディとを備え、その全長がレギュラーサイズのドリルの全長に対して、78〜84%である、
ことを特徴とするインプラント用ドリル。 - 前記シャンクと前記ボディとの境界に、前記シャンク及び前記ボディよりも大きな外径のフランジ部が一体的に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のインプラント用ドリル。 - 前記ハンドピースに装着された際の、前記ハンドピースから前記フランジ部における前記ハンドピースと反対側の面までの長さをシャンクの突出長さとしたときに、前記突出長さが、4〜5mmである、
ことを特徴とする請求項2に記載のインプラント用ドリル。 - 前記シャンクの基端部に回り止めとしてのDカット部と、抜け止めとしての小径部とを有している、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインプラント用ドリル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010014851A JP2011152238A (ja) | 2010-01-26 | 2010-01-26 | インプラント用ドリル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010014851A JP2011152238A (ja) | 2010-01-26 | 2010-01-26 | インプラント用ドリル |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014001153U Continuation JP3191948U (ja) | 2014-03-06 | 2014-03-06 | インプラント用ドリル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011152238A true JP2011152238A (ja) | 2011-08-11 |
Family
ID=44538639
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010014851A Pending JP2011152238A (ja) | 2010-01-26 | 2010-01-26 | インプラント用ドリル |
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JP (1) | JP2011152238A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005518834A (ja) * | 2002-02-28 | 2005-06-30 | マテリアライズ・ナムローゼ・フエンノートシャップ | 歯科インプラントを配置するための方法および装置 |
-
2010
- 2010-01-26 JP JP2010014851A patent/JP2011152238A/ja active Pending
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