JP2005513026A - 高コレステロール血症、異脂肪血症および他の代謝障害;癌、および他の疾患を治療するn−置換複素環 - Google Patents

高コレステロール血症、異脂肪血症および他の代謝障害;癌、および他の疾患を治療するn−置換複素環 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)の特定化合物に関し、これは、疾患(例えば、癌、代謝障害、2型糖尿病、異脂肪血症および/または高コレステロール血症)を治療する際に有用であり得る。本明細書中では、新規な置換複素環化合物が記述されており、これらは、II型糖尿病、異脂肪血症および高コレステロール血症を含めた特定の代謝障害を治療するのに有用である。本発明の化合物は、核内受容体であるRXR、PPARα、PPARγ、PPARδ、LXRおよび/またはFXRまたは他の標的(これらは、代謝障害に関与しているキナーゼおよび/またはホスファターゼのような重要なタンパク質であり得る)のリガンドであると考えられている。

Description

(関連出願)
本願は、2001年11月15日に出願された米国仮特許出願第60/334,794号に対して優先権を主張しており、その出願の開示内容は、その全体が本明細書中で参考として援用されている。本願は、2002年3月8日に出願された米国仮特許出願第60/362,702号に対して優先権を主張しており、その開示内容および記述内容は、全ての目的、特に、アミド基を組み込んだAr基に可能な構造および本発明のAr基の合成に使用する前駆体の方法を開示する目的について、その全体が本明細書で参考として援用されている。本願はまた、2002年3月8日に出願された米国仮特許出願第60/362,732号に対して優先権を主張している。米国仮特許出願第60/362,732号の開示内容は、全ての目的、特に、二環式複素環Ar基に可能な構造および本発明の二環式複素環Ar基の合成に使用する前駆体の方法を開示する目的について、その全体が本明細書で参考として援用されている。
(発明の背景)
高カロリーで高脂肪分の食事に加えていつも座っているライフスタイルが原因で、米国および他の先進国において、また、一部の発展途上国においてさえ、肥満、II型糖尿病、異脂肪血症および高コレステロール血症のような代謝障害が劇的に増加している。とりわけ、上記障害または疾患に罹った患者は、動脈硬化および心臓病(これらは、米国における2番目の死因である)を発症する危険がある。食事制限に加えて運動をすることが、上記代謝障害の予防、ある場合には、治療に有効であることが知られているが、これらは、社会全体で見ると、あまり有効ではないことが判明としている。従って、現在では、肥満、II型糖尿病、異脂肪血症および高コレステロール血症のような代謝障害を予防し治療し、それにより、特定の心臓血管病での重大な副作用の発症を防止するには、薬剤による治療が必要であると思われる。種々の代謝障害を治療するために、長年にわたって、多数の薬剤(が開発されているものの、これらの薬剤は、しばしば、副作用があるか、または限られた期間においてのみ有効であるか、または食事制限と組み合わせたときにのみ機能する。
糖尿病および関連した代謝障害を治療するのに活性がある化合物は、PCT公報WO01/16122およびWO01/16123(両方とも、2001年3月8日に公開された)で開示されている。WO01/16122およびWO01/16123の両方の開示内容は、全ての目的、特に、それらの化合物の構造およびそれらの生物学的活性および有用性の開示について、その全体が本明細書中で参考として援用されている。
さらに、固形腫瘍は、世界的に、癌に帰因する第一の死因である。癌を治療する従来の方法としては、外科的治療、化学療法薬の投与、および最近では、免疫ベースの治療(これらは、典型的には、抗体または抗体フラグメントの投与を包含する)が挙げられる。後者では、一部の有望な結果が報告されているものの、殆どの癌については、有効な延命治療または療法は、いまだに確立されていない。
(発明の要旨)
本明細書中にて具体化され広く記述されているように、本発明の目的に従って、本発明は、1局面では、ある種の新規化合物、これらの化合物を含有する組成物、および本発明の化合物および/または組成物を動物および/またはヒトに投与することによって、代謝を調節し癌を治療する方法に関する。
本明細書中では、新規な置換複素環化合物が記述されており、これらは、II型糖尿病、異脂肪血症および高コレステロール血症を含めた特定の代謝障害を治療するのに有用である。本発明の化合物は、核内受容体であるRXR、PPARα、PPARγ、PPARδ、LXRおよび/またはFXRまたは他の標的(これらは、代謝障害に関与しているキナーゼおよび/またはホスファターゼのような重要なタンパク質であり得る)のリガンドであると考えられている。本発明の化合物はまた、それらがAKTキナーゼを阻害する活性の点から見て、抗癌活性を有し得る。AKT(これはまた、PKBとも呼ばれている)は、ウイルス性発癌遺伝子であるv−AKTを形質転換する細胞類似物である。AKT活性の調節解除は、発癌遺伝子活性に関連し得、AKTは、特定の癌および/または細胞増殖を制御できない疾患(膵癌および卵巣癌を含めて)で、過剰発現される。従って、AKTを阻害する本発明の化合物は、抗癌活性を有し得る。要約すると、本明細書中で記述した化合物および/または組成物は、代謝障害および/または癌を治療するのに有用である。
本発明のさらに他の利点は、一部には、以下の記述で述べられており、また、一部には、その記述から明らかであるか、本発明を実施することにより、習得され得る。本発明の利点は、添付の特許請求の範囲で特に指摘された要素および組合せによって、実現され達成される。前述の一般的な記述および以下の詳細な記述の両方は、例示的で説明的であるにすぎず、特許請求した本発明を制限するものではないことが理解される。
(詳細な説明)
(定義)
本明細書および本明細書で記述した式では、以下の用語をここで定義する。
用語「アルキル」とは、1個〜8個の炭素を含有する飽和炭化水素ラジカルを意味する。アルキルは、非環式アルカンからの1つの水素原子の除去(従って、非水素基またはラジカルの置換)により改変した非環式アルカン化合物と構造的に類似している。アルキルラジカルは、分枝または非分枝であり得る。低級アルキルラジカルは、1個〜4個の炭素原子を有する。高級アルキルラジカルは、5個〜8個の炭素原子を有する。アルキル、低級アルキルラジカルおよび高級アルキルラジカルの例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、アミル、t−アミル、n−ペンチル、n−ヘキシル、i−オクチルなどのラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「アルケニル」とは、1個〜8個の炭素を含み、かつ少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する不飽和炭化水素ラジカルを意味する。この不飽和炭化水素ラジカルは、上で定義したアルキルラジカルと類似しているが、これはまた、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含有する。例には、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキサニル、2−へプテニル、3−へプテニル、4−へプテニル、5−へプテニル、6−へプテニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。「アルケニル」との用語は、直鎖および分枝鎖のジエンおよびトリエンを含む。
「アルキニル」との用語は、1個〜8個の炭素および少なくとも1個の三重結合を含有する炭化水素ラジカルを意味する。例には、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。「アルキニル」との用語は、ジ−およびトリ−インを含む。
「置換アルキル」との用語は、1個またはそれ以上の有機または無機置換基ラジカルを結合した、上で定義したアルキルラジカル(これは、1個〜8個の炭素原子を含有する)を意味する。ある実施形態では、1個または2個の有機または無機置換基が使用される。ある実施形態では、各有機置換基ラジカルは、1個と4個の間、または5個と8個の間の炭素原子を含有する。適切な有機および無機置換基には、ヒドロキシル、ハライド、シクロアルキル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アシルオキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキル、チオハロアルキル、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、ヘテロアリールスルホンアミド、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、アリール、置換アリール、複素環、置換複素環、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されない。この置換アルキルが1個より多い置換基ラジカルで結合しているとき、それらの置換基ラジカルは、同一または異なり得る。
「置換アルケニル」との用語は、1個またはそれ以上の有機または無機置換基ラジカルを結合した、上で定義したアルケニルラジカル(これは、1個〜8個の炭素原子を含有する)を意味する。ある実施形態では、1個または2個の有機または無機置換基が使用される。ある実施形態では、各有機置換基ラジカルは、1個と4個の間、または5個と8個の間の炭素原子を含有する。適切な有機および無機置換基には、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アシルオキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキル、チオハロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、複素環またはヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されない。この置換アルケニルが1個より多い置換基ラジカルで結合しているとき、それらの置換基ラジカルは、同一または異なり得る。
「置換アルキニル」との用語は、1個またはそれ以上の有機または無機置換基ラジカルを結合したアルキニルラジカル(これは、1個〜8個の炭素原子を含有する)を意味する。ある実施形態では、1個または2個の有機または無機置換基が使用される。ある実施形態では、各有機置換基ラジカルは、1個と4個の間、または5個と8個の間の炭素原子を含有する。適切な有機および無機置換基には、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アシルオキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキル、チオハロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシまたはハロアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。この置換アルキニルが1個より多い置換基ラジカルで結合しているとき、それらの置換基ラジカルは、同一または異なり得る。
「シクロアルキル」との用語は、3個〜8個の環炭素を含有する飽和炭化水素ラジカルを意味し、これは、環構造を有する化合物の一部または全部を含む。シクロアルキルラジカルは、環状アルカンから1個の水素原子の除去(従って、非水素基または残基の置換)により改変した環式アルケン化合物と構造的に類似している。例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキルラジカルは、他のラジカル(例えば、アリールラジカル)と結合または縮合し得、縮合シクロアルキルラジカルを形成し、これらは、この定義の範囲内であることが分かる。このような縮合シクロアルキルラジカルの一例は、以下の構造:
Figure 2005513026
を有する5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチルラジカルの5,6,7,8炭素により、表わされる。
この5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチルラジカルは、それ自体、アリールラジカルおよびシクロヘキサンラジカルを構成し、ここで、そのアリールラジカルの一部である非局在化した比較的に非反応性の二重結合は、本願の目的のために、シクロアルキルラジカルの一部とは見なされない。
「置換シクロアルキル」との用語は、1個またはそれ以上の追加有機または無機置換基ラジカルを結合した、上で定義したシクロアルキルを意味する。ある実施形態では、そのシクロアルキル残基は、1個、2個、3個または4個の置換基ラジカルを含有する。適切な有機および無機置換基ラジカルには、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アミノ、一置換アミノまたは二置換アミノが挙げられるが、これらに限定されない。このシクロアルキルが1個より多い置換基ラジカルで結合しているとき、それらの置換基ラジカルは、同一または異なり得る。
「シクロアルケニル」との用語は、3個〜8個の環炭素を含有するシクロアルキルラジカルの部分不飽和類似物であって、これは、さらに、その環に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含有する。例には、シクロプロペニル、1−シクロブテニル、2−シクロブテニル、1−シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3−シクロペンテニル、1−シクロヘキシル、2−シクロヘキシル、3−シクロヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。他のラジカル(例えば、アリールラジカル)と結合して縮合シクロアルケニルラジカルを形成するシクロアルケニルラジカルは、この定義の範囲内であることが分かる。
「置換シクロアルケニル」との用語は、1個またはそれ以上の有機または無機置換基またはラジカルを有するシクロアルケニルを意味する。ある実施形態では、そのシクロアルケニル残基は、1個、2個、3個または4個の置換基またはラジカルを含有する。適切な有機および無機置換基ラジカルには、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アミノ、一置換アミノまたは二置換アミノが挙げられるが、これらに限定されない。この置換シクロアルケニルが1個より多い置換基ラジカルで結合しているとき、それらの置換基ラジカルは、同一または異なり得る。
本明細書中で使用する「アルコキシ」との用語は、単一の末端エーテル結合を介して結合するアルキルラジカルを意味する;すなわち、「アルコキシ」基は、−ORとして定義でき、この場合、Rは、上で定義したアルキルである。例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、イソ−ブトキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「置換アルコキシ」との用語は、そのアルキルラジカルに、1個、2個またはそれ以上の追加有機または無機置換基を結合した、上で定義したアルコキシラジカルを意味する。適切な有機および無機置換基ラジカルには、ヒドロキシル、シクロアルキル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アシルオキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキル、チオハロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシまたはハロアルコキシが挙げられるが、これらに限定されない。このアルコキシのアルキルが1個より多い置換基ラジカルで結合しているとき、それらの置換基ラジカルは、同一または異なり得る。
「アミノ」との用語は、置換または非置換の三価窒素含有ラジカルまたは基であり、これは、アンモニア(NH)の1個またはそれ以上の水素原子を置換基ラジカルで置換することにより、アンモニアと構造的に関係している。
「一置換アミノ」との用語は、アルキル、置換アルキルまたはアリールアルキル(ここで、これらの用語は、本明細書中で見られる定義と同じ定義を有する)から選択される1個のラジカルで置換されたアミノを意味する。
「二置換アミノ」との用語は、アリール、置換アリール、アルキル、置換アルキルまたはアリールアルキル(ここで、これらの用語は、本明細書中で開示した定義と同じ定義を有する)から選択される同一または異なり得る2個のラジカルで置換されたアミノを意味する。例には、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノなどが挙げられるが、これらに限定されない。存在している2個の置換基ラジカルは、同一または異なり得る。
「ハロアルキル」との用語は、1個またはそれ以上のハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは、フッ素)で置換されたアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。例には、トリフルオロメチル、ペンタフルオロメチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「ハロアルコキシ」との用語は、酸素に直接結合してトリフルオロメトキシ、ペンタフルオロエトキシなどを形成するハロアルキル(これは、上で定義した)を意味する。
「アシル」との用語は、カルボニル(−C(O)−R基)を含むラジカルを意味し、ここで、そのR基は、水素であるか、または1個〜8個の炭素を有する。例には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、イソ−ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、ベンゾイルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「アシルオキシ」との用語は、カルボキシル(−O−C(O)−R)基を含むラジカルを意味し、ここで、そのR基は、水素であるか、または1個〜8個の炭素を有する。例には、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブタノイルオキシ、イソ−ブタノイルオキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「アリール」との用語は、ベンゼンの6員環と類似した少なくとも1個の不飽和の共役6員環を含むラジカルを意味する。このような不飽和の共役環を有するアリールラジカルはまた、「芳香族」ラジカルとして、当業者に知られている。好ましいアリールラジカルは、6個〜12個の炭素を有する。アリールラジカルには、フェニルおよびナフチル環ラジカルを含む芳香族ラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。
「置換アリール」との用語は、芳香環が1個またはそれ以上の追加有機または無機置換基ラジカルに結合した芳香族ラジカルを意味する。ある実施形態では、その置換アリール残基は、1個、2個、3個、4個または5個の追加置換基またはラジカルを含有する。適切な有機および無機置換基ラジカルには、ヒドロキシル、シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、複素環、置換複素環、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アシルオキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキル、アルコキシ、置換アルコキシまたはハロアルコキシラジカル(ここで、これらの用語は、本明細書中で定義した)が挙げられるが、これらに限定されない。特に明記しない限り、これらの有機置換基は、1個〜4個または5個〜8個の炭素原子を含有できる。この置換アリールラジカルが1個より多い置換基ラジカルで結合しているとき、これらの置換基ラジカルは、同一または異なり得る。
「ハロ」、「ハロゲン」または「ハライド」との用語は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードの原子またはイオンを意味する。
「アルキルスルホニル」との用語は、1個〜8個の炭素を含むスルホンラジカル(直鎖または分枝)を意味する。例には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニル(これらは、それぞれ、構造CHS(O)−、CHCHS(O)−、(CHCHS(O)−を有する)などが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキルスルフィニル」との用語は、1個〜8個の炭素を含むスルホキシドラジカル(直鎖または分枝)を意味する。例には、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル(これらは、それぞれ、構造CHS(O)−、CHCHS(O)−、(CHCHS(O)−を有する)などが挙げられるが、これらに限定されない。
「チオアルキル」との用語は、1個〜8個の炭素を含むスルフィドラジカル(直鎖または分枝)を意味する。1実施形態では、このチオアルキルは、C〜Cチオアルキルである。他の実施形態では、このチオアルキルは、C〜Cチオアルキルである。なお他の実施形態では、このチオアルキルは、C〜Cチオアルキルである。例には、メチルスルフィド、エチルスルフィド、イソプロピルスルフィド(これらは、それぞれ、構造CHS−、CHCHS−、(CHCHS−、CH(CHS−を有する)などが挙げられるが、これらに限定されない。
「チオハロアルキル」との用語は、そのアルキル部分を1個またはそれ以上のハロゲンで置換したチオアルキルラジカルを意味する。例には、トリフルオロメチルチオ、1,1−ジフルオロエチルチオ、2,2,2−トリフルオロエチルチオなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「カルボアルコキシ」との用語は、カルボン酸のアルキルエステルを意味し、ここで、アルキルは、上で見られる定義と同じ定義を有する。例には、カルボメトキシ、カルボエトキシ、カルボイソプロポキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキルカルボキサミド」との用語は、構造HN(R)−C(O)−または−C(O)−N(R)Hを有するラジカルを意味し、ここで、単一のアルキル基Rは、アミドの窒素原子に結合している。例には、N−メチルカルボキサミド、N−エチルカルボキサミド、N−(イソ−プロピル)カルボキサミドなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「置換アルキルカルボキサミド」との用語は、アルキルカルボキサミドラジカルの窒素原子に結合した「置換アルキル」基を有するラジカルを意味する。
「ジアルキルカルボキサミド」との用語は、カルボキサミド(−C(O)−N(R’)(R”))ラジカルの窒素原子に結合した同一または異なる2個のアルキルラジカルまたは基(すなわち、R’およびR”)基を意味する。例には、N,N−ジメチルカルボキサミド、N−メチル−N−エチルカルボキサミドなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「置換ジアルキルカルボキサミド」との用語は、そのジアルキルカルボキサミド残基の窒素に結合した2個のアルキルラジカルを有するジアルキルカルボキサミド残基を意味し、この場合、1個または両方の基は、上で定義したような「置換アルキル」である。これらの基は、同一または異なり得ることが分かる。例には、N,N−ジベンジルカルボキサミド、N−ベンジル−N−メチルカルボキサミドなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキレン」との用語は、1個〜9個の炭素を含む非環式または環式ヒドロカルビルラジカルを意味し、これは、2個の基(例えば、ArおよびAr)を架橋して、Ar−アルキレン−Arを生じる。アルキレンラジカルの例には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
Figure 2005513026
「置換アルキレン」との用語は、1個〜9個の炭素を含む上で定義したアルキレンラジカルであって、少なくとも1個の追加基で置換されたものを意味し、この追加基は、ヒドロキシル、シクロアルキル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アシルオキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキル、チオハロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロアルキルまたはハロアルコキシから選択されるが、これらに限定されない。この置換アルキレンが1個より多い置換基で結合されているとき、それらは、同一または異なり得る。
「複素環」との用語は、少なくとも4員環、5員環または6員環を含むラジカルであって、完全または部分的に飽和であり、1個、2個または3個の環ヘテロ原子(これは、窒素、酸素および/またはイオウから選択される)を含むものを意味する。複素環は、必須ではないが、しばしば、1個、2個、3個、4個または5個の炭素原子を含有する。例には、モルホリノ、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「置換複素環」との用語は、1個、2個、3個、4個、5個またはそれ以上の有機または無機置換基ラジカルに結合した複素環を意味する。適切な有機および無機置換基には、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、置換アルキル、ハロアルキル、フェニル、置換フェニル、ヘテロアリール、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アシルオキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキル、アルコキシ、置換アルコキシまたはハロアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。この置換複素環が1個より多い置換基で結合されているとき、それらの置換基は、同一または異なり得る。
「ヘテロアリール」との用語は、少なくとも5員または6員の不飽和共役芳香環を含むラジカルを意味し、これは、少なくとも2個の環炭素原子および1個〜4個の環ヘテロ原子(これは、窒素、酸素および/またはイオンから選択される)を含有する。このようなヘテロアリールラジカルは、しばしば、代替的に、当業者により、「ヘテロ芳香族」と呼ばれている。ある実施形態では、これらのヘテロアリールラジカルは、そのヘテロアリール環内にて、2個〜12個の炭素原子、または代替的には、4個〜5個の炭素原子を有する。例には、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、フラニル、テトラゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「置換ヘテロアリール」との用語は、ヘテロアリール環が1個またはそれ以上の有機または無機置換基ラジカルに結合したヘテロアリールラジカルを意味する。ある実施形態では、その置換アリール残基は、1個、2個、3個、4個または5個の追加置換基ラジカルを含有する。適切な有機および無機置換基ラジカルには、ヒドロキシル、シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、複素環、置換複素環、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アシルオキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキル、アルコキシ、置換アルコキシまたはハロアルコキシのラジカル(ここで、これらの用語は、本明細書中で定義した)が挙げられるが、これらに限定されない。特に明記しない限り、これらの有機置換基は、1個〜4個または5個〜9個の炭素原子を含有し得る。この置換ヘテロアリールが1個より多い置換基ラジカルで結合しているとき、これらの置換基ラジカルは、同一または異なり得る。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する「ラジカル」との用語は、その分子がいかにして調製されるかに関係なく、本明細書中で記述した分子の断片、基または下部構造を意味する。ラジカル中の炭素原子数は、本発明では重要ではないが、わずか0であり得る。炭素を含まないラジカルの例には、「無機ラジカル」があり、これらには、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、チオール、サルフェートなどの無機ラジカルが挙げられるがこれらに限定されない。「有機ラジカル」は、1個またはそれ以上の炭素原子を含有するが、それは、必要に応じて、1個またはそれ以上のヘテロ原子(例えば、O、S、N、P、ハロゲンなど)を含有し得る。適切な有機ラジカルには、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、一置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキル尿素、アリール尿素、カルバミン酸アルキル、カルバミン酸アリール、ヘテロアリール、ハロアルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキルまたはチオハロアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。有機ラジカルは、26個またはそれ以下の炭素原子、21個またはそれ以下の炭素原子、13個またはそれ以下の炭素原子、6個またはそれ以下の炭素原子を有し得る。低級有機ラジカルは、1個と4個の間の炭素原子を含有する。炭素含有ラジカルの一例には、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチルラジカル、すなわち、以下の構造を有するフラグメントがある:
Figure 2005513026
5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチルラジカルそれ自体は、ベンゼンラジカルおよびシクロヘキサンラジカルを含有し、そして本明細書中のいずれかで開示されているように、1個またはそれ以上の他の有機置換基ラジカル(例えば、アルコキシラジカル、低級アルキルラジカルなど)で置換できる。ある実施形態では、この有機置換基ラジカルの炭素原子の1個は、ヘテロ原子または無機ラジカル(例えば、酸素、イオウ、窒素、リン、ホスフェートなど)を介して、末端様式で結合されており、そのヘテロ原子または無機ラジカルは、それ自体、1個、2個またはそれ以上の有機置換基ラジカル(例えば、トリフルオロメトキシラジカルまたはジメチルアミノラジカル)を有し得る。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する化学種の残基は、その部分が実際にその化学種から得られるかどうかに関係なく、特定の反応スキームまたは引き続いた処方または化学生成物において生じる化学種の生成物である部分を意味する。それゆえ、ポリエステル中のエチレングリコール残基は、エチレングリコールがそのポリエステルを調製するのに使用されるかどうかに関係なく、そのポリエステル中の1個またはそれ以上の−OCHCHO−繰り返し単位を意味する。
本明細書および添付の請求の範囲で使用する単数形「a」、「an」および「the」は、他に文脈で明らかに指示がなければ、複数の指示物を含むことに注目しなければならない。それゆえ、例えば、「an aromatic compound」の対象物は、芳香族化合物の混合物を含む。
しばしば、範囲は、本明細書中では、「約」で修飾した特定値から、および/または「約」で修飾した他の特定値で表わされる。このような範囲で表わされるとき、他の実施形態は、ある特定値からおよび/または他の特定値までを含む。同様に、値が、先行詞「約」を使用することにより、近似値として表わされるとき、その特定値は、他の実施形態をなすことが分かる。さらに、これらの範囲の各々の端点は、他の端点との関係だけでなく、他の端点とは無関係に、重要であることが分かる。
(化合物)
本発明は、式(I)の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩を包含する:
Figure 2005513026
ここで、nは、0または1である;
「−−−−」は、存在しているか、または存在していない;
Arは、置換または非置換アリールラジカルまたは置換または非置換ヘテロアリールラジカルである;
Arは、置換または非置換アリールラジカルまたは置換または非置換ヘテロアリールラジカルである;
Aは、置換または非置換架橋基またはラジカルであり、これは、1個〜12個のC、O、Sおよび/またはN原子を含有し、ここで、Nは、さらに、水素、または置換または非置換ラジカル(これは、1個〜12個の炭素原子を含有する)で置換できる;
は、水素、置換または非置換アミノラジカル、または置換または非置換有機ラジカルである;
は、置換または非置換有機ラジカルである;
Wは、−S−、−O−または−N−Rであり、ここで、Rは、水素、または置換または非置換ラジカル(これは、1個〜12個の炭素原子を含有する)である;そして
Xは、OまたはSである。
式(I)の化合物のRラジカルは、メチレンまたはメチン炭素原子(これは、Arラジカルおよび式(I)の化合物のN−置換複素環の炭素原子に架橋および/または連結する)に結合される。Rラジカルは、水素、または有機ラジカルであり得、この有機ラジカルは、非置換であり得るか、または1個またはそれ以上の有機または無機置換基ラジカルで置換できる。ある実施形態では、Rラジカルは、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキルであり得る。ある実施形態では、Rラジカルは、1個〜8個の炭素原子、または1個〜6個の炭素原子、または1個〜4個の炭素原子を有し得る。さらに他の実施形態では、Rは、水素である。
ラジカルに結合したメチレンまたはメチン炭素原子はまた、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を介して、このN−置換複素環に結合される。「−−−−」が存在していない式(I)の実施形態では、式(IIa)で示すように、単一の炭素−炭素結合が存在している。式(I)の「−−−−」が存在しているとき、式(IIb)で示すように、炭素−炭素二重結合が存在している。
Figure 2005513026
もし、式Iの二重結合が存在していないなら、このメチン炭素原子およびそこに結合したN−置換複素環の炭素原子は、それぞれ、式(IIa)に示すような追加置換基ラジカル(R1aおよびR1b)を有する。R1aおよびR1b置換基ラジカルは、同一または異なり得、しばしば、共に水素であるが、R1aおよびR1bはまた、無機ラジカル(例えば、ヒドロキシル、ハライド、アミノ、チオールなど)であり得るか、またはRラジカルと同一または異なり得る他の有機ラジカルであり得る。
この炭素−炭素二重結合が存在している実施形態では、化合物(IIb)の二重結合のE立体配置およびZ立体配置の両方が可能である。E立体配置、Z立体配置およびE立体配置とZ立体配置の両方が、本発明の範囲内である。一例として、式(Iおよび/またはIIb)の本発明の化合物は、以下の構造の1個または両方を有し得る:
Figure 2005513026
ラジカルは、式(I)の化合物の複素環の窒素原子について、N−置換ラジカルである。Rは、有機ラジカルであり、そして水素ではない。
は、置換または非置換有機ラジカルであり得る。多くの実施形態では、Rは、1個〜12個の炭素原子を含有する。Rラジカルは、アルキルであり得、または1個、2個またはそれ以上の置換基ラジカルで置換したアルキルであり得る。Rに適切な置換基ラジカルには、ヒドロキシル、シクロアルキル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アシルオキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、ヘテロアリールスルホンアミド、チオアルキル、チオハロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、Rラジカルのための置換基ラジカルには、ヒドロキシル、シクロアルキル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキル、チオハロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロアルコキシ、アリール、置換アリール、複素環、置換複素環、ヘテロアリールのラジカルおよび置換ヘテロアリールまたはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、各有機置換基ラジカルは、1個と4個の間、または5個と8個の間の炭素原子を含有する。ある実施形態では、Rラジカルは、アルキル、置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルのラジカルであり得る。ある実施形態では、Rラジカルは、アルキルまたは低級アルキルラジカルであり得る。ある実施形態では、Rラジカルは、1個、2個または3個のカルボキシまたはヘテロアリールラジカルで置換したアルキルラジカルであり得る。ある実施形態では、Rは、構造−CHCOHを有する。
多くの実施形態では、Rは、C〜C−アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、−SOCH、または−(CH−SGであり得、この場合、pは、0、1、2または3であり、そしてSGは、シアノ、−OR10
Figure 2005513026
テトラゾリル、−NR1213、−SH、C〜Cアルキルチオ、または
Figure 2005513026
であり、この場合、R10は、水素、C〜Cアルキルまたは
Figure 2005513026
であり、ここで、R11は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシまたはNHであり、そしてR12およびR13は、それぞれ別個に、水素、C〜C、C〜Cアルケニル、フェニル、C〜Cアルキルフェニル、(CHN(C〜Cアルキル)、または−(CH−S−(C〜Cアルキル)であり、この場合、qは、1〜6の整数(両方の数字を含めて)であるか、またはR12およびR13は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、モルホリニル、ピペリジニルまたはN−メチルピペラジニル環を形成する。しかしながら、Arが、C〜Cアルキルフェニル、フェニル、フェノキシ、C〜Cアルキルオキシフェニル、チオフェニルまたはC〜Cアルキルチオフェニルから別個に選択される1個〜3個の置換基で置換されたフェニルである本発明の実施形態では、この段落で列挙されたR置換基は、本発明の範囲内ではない場合がある。
本発明の特定の実施形態は、nが0または1である化合物に関する;すなわち、ArおよびArラジカルを架橋する「A」ラジカルは、以下で示す構造の化合物を与えるために、存在しているか、または存在していないか、いずれかであり得る:
Figure 2005513026
このAラジカルは、有機または無機ラジカルであり得、そして炭素、水素、および種々のヘテロ原子を含有できる。ある実施形態では、このAラジカルは、1個〜12個のC、O、Sおよび/またはN原子を含有し、ここで、Nは、さらに、水素で置換できる。このAラジカルはまた、1個〜12個の炭素原子を含有する置換または非置換有機ラジカルであり得る。このAラジカルは、純粋に無機の原子または架橋ラジカル(例えば、酸素またはイオウ原子、スルホキシド、スルホン、サルフェート、アミノなど)を含有できる。このAラジカルはまた、架橋有機ラジカル(例えば、カルボニル、カルボキシ、アルキレン、アミドなど)を含有できる。ある実施形態では、このAラジカルは、芳香族基またはヘテロ芳香族基ではない。
ある実施形態では、この架橋Aラジカルは、置換または非置換架橋ラジカルであり、これは、必要に応じて、原子が結合した鎖(これは、1個〜9個の炭素原子を含む)を含有し、必要に応じて、1個またはそれ以上のヘテロ原子(これは、O、SおよびN原子から選択される)を含有する。ある実施形態では、1個または2個のヘテロ原子が存在している。任意のN原子は、必要に応じて、さらに、水素、アルキルまたは置換アルキルラジカルで置換できる。この架橋Aラジカルは、追加有機または無機置換基ラジカルを含有でき、これには、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキル尿素、アリール尿素、カルバミン酸アルキル、カルバミン酸アリール、ヘテロアリール、ハロアルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキルまたはチオハロアルキルのラジカルを挙げることができるが、これらに限定されない。
ある実施形態では、この架橋Aラジカルは、アルキレンまたは置換アルキレンラジカルを含有でき、これは、必要に応じて、1個、2個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、このヘテロ原子は、O、SおよびN原子から選択される。これらのヘテロ原子は、アルキレンまたは置換アルキレンの炭素原子に置き換えることができる。N原子は、さらに、種々の置換基ラジカル(水素、アルキルまたは置換アルキルを含めて)で置換できる。
その中にヘテロ原子を有する架橋「A」ラジカルの例には、例えば、以下が挙げられる:
Figure 2005513026
ある実施形態では、この架橋Aラジカルは、O、S、SO、SOまたはNを含有でき、ここで、Nは、さらに、水素、アルキルまたは置換アルキル基で置換される。Aが酸素原子である実施形態では、Arは、非置換フェニル残基ではない。
式(I)の化合物のArラジカルは、アリールまたはヘテロアリールラジカルを含む。理論で束縛するつもりはないものの、このArラジカルは、このタンパク質および/または核レセプタ部位の特定の比較的に疎水性および/または非極性部分に結合すると考えられている。従って、多くの実施形態では、このArラジカルは、典型的には、比較的に非極性および/または比較的な疎水性の有機部分および/またはラジカル(例えば、特定のアリールまたはヘテロアリール炭化水素ラジカル)を含有する。
このArラジカルは、アリールまたはヘテロアリールのラジカルを包含し、これは、必要に応じて、1個またはそれ以上の無機または有機置換基ラジカルで置換できる。このArラジカルは、1個、2個、3個、4個または5個の置換基ラジカルを有し得る。適切な置換基ラジカルには、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキル尿素、アリール尿素、カルバミン酸アルキル、カルバミン酸アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキルまたはチオハロアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。
このArラジカル(および/または本明細書中で記述したA、Ar、RおよびRラジカル)の置換基ラジカルは、本明細書中の他の箇所での具体的な定義により示される任意数の炭素原子を有し得、このような各有機置換基ラジカルは、1個と4個の間、または5個と8個の間の炭素原子を有し得る。本発明の化合物を標的タンパク質および/または核レセプタの結合部位から物理的に排除することなく、これらのタンパク質および核レセプタの結合部位を満たすために、炭素原子数が限られた(例えば、1個と4個の間の炭素原子)比較的に小さい置換基ラジカルが好まれ得る。従って、ある実施形態では、このArラジカルおよびそこに結合する任意の置換基ラジカルは、合わせて、約40個以下の炭素原子、約35個以下の炭素原子、または約30個以下の炭素原子、約25個以下の炭素原子、約20個以下の炭素原子または約15個以下の炭素原子を含有する。
多くの実施形態では、このArラジカルは、置換アリールまたはヘテロアリールラジカルであり、ここで、その上の2個の置換基は、Arのアリールまたはヘテロアリール環と一緒になって、少なくとも1個の追加環ラジカルを形成する。代替的に記述すると、これらの実施形態では、このArラジカルは、少なくとも1個の追加環ラジカルと縮合したアリールまたはヘテロアリール残基を有し、さらに大きい縮合した二環式または多環式の環ラジカルを形成し、これは、完全に芳香族であり得るか、あり得ない。このような縮合アリールまたはヘテロアリールの構造を図示する概念的な図は、以下で示す。
Figure 2005513026
このArラジカルのアリールまたはヘテロアリールに縮合した追加環ラジカルは、3個と5個の間の追加炭素を含有でき、その結果、この追加環ラジカルは、5員、6員または7員環である。この追加環ラジカルは、多くの実施形態では、非芳香環ラジカルであるように、少なくとも部分的に飽和であり、そしてシクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニルラジカルを含有できる。この追加環ラジカルは、必要に応じて、1個または2個またはそれ以上のヘテロ原子または無機ラジカルを含有でき、これらには、例えば、O、S、SO、SOまたはNを挙げることができる。これらの実施形態では、このAr残基および/または追加環は、必要に応じて、さらに、上で定義したように、そのAr環に対して、1個、2個、3個、4個または5個の置換基ラジカルで置換できる。この追加環中のこのような任意のN原子は、さらに、水素、置換または非置換有機ラジカル(例えば、アルキルまたは置換アルキルを含めて)で置換できる。
1実施形態では、Arに結合した2個の置換基は、互いに対してオルトであり、それにより、Arと縮合環を形成し、その具体的な一例は、式(IIIa)で示される:
Figure 2005513026
ここで、RおよびRは、この芳香環と一緒になって、その芳香環に縮合したシクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル環を形成し、これらは、必要に応じて、1個、2個またはそれ以上のヘテロ原子またはヘテロ原子基を含有し、これには、O、S、SO、SOおよびNを挙げることができ、Nは、必要に応じて、水素、アルキルまたは置換アルキルを含む基またはラジカルでさらに置換される。RおよびRは、別個にまたは一緒に、1個またはそれ以上の水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキル尿素、アリール尿素、カルバミン酸アルキル、カルバミン酸アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキルまたはチオハロアルキルであり得る。ある実施形態では、Rは、低級アルキル、部分的にまたは完全にフッ化した低級アルキル、アルコキシ基(これは、低級アルキルまたは低級フッ化アルキルを含有する)、またはアミノ(これは、2個の低級アルキル基で二置換されている)である;そしてRは、水素である。
式(III)に関連した1実施形態では、RおよびRにより形成された追加環残基は、3個と5個の間の環原子を含有し、その結果、その追加環残基は、5員環、6員環または7員環である。この追加環残基は、炭素原子、または1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子、またはヘテロ原子ラジカルを含有でき、その追加環は、必要に応じて、上で開示したように、追加置換基残基でさらに置換できる。
式(IIIa)に関連した他の実施形態では、RおよびRは、そこに結合した芳香環と一緒になって、式(IIIb)のインダニルラジカルを形成する:
Figure 2005513026
さらに他の実施形態では、RおよびRは、そこに結合した芳香環と一緒になって、式(IIIc)のインダン−5−イルラジカルを形成する:
Figure 2005513026
式(IIIa)に関連した一実施形態では、RおよびRは、そこに結合した芳香環と一緒になって、式(IIId)の5,6,7,8−テトラヒドロナフチルラジカルを形成する:
Figure 2005513026
そして他の実施形態では、RおよびRは、そこに結合した芳香環と一緒になって、式(IIIe)の5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチルラジカルを形成する:
Figure 2005513026
式(IIIa)に関連した他の実施形態では、RおよびRは、そこに結合した芳香環と一緒になって、式(IIIf)の6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテニルラジカルを形成する:
Figure 2005513026
そして他の実施形態では、RおよびRは、そこに結合した芳香環と一緒になって、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−2−イルラジカルを形成する:
Figure 2005513026
式(IIIb)〜(IIIg)のラジカルのいずれかでは、その追加環は、必要に応じて、Arに適切であるとして本明細書中で開示された置換基またはラジカルのいずれかの1個またはそれ以上で置換でき、これらには、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキル尿素、アリール尿素、カルバミン酸アルキル、カルバミン酸アリール、ヘテロアリール、ハロアルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキルまたはチオハロアルキルが挙げられる。
式(III)に関連した他の実施形態では、RおよびRは、そこに結合した芳香環と一緒になって、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチルラジカルを形成し、これは、1個、2個、3個または4個の追加アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキル尿素、アリール尿素、カルバミン酸アルキル、カルバミン酸アリール、ヘテロアリール、ハロアルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキルまたはチオハロアルキル残基で置換されている。ある実施形態において、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチルラジカルの5位および8位での一置換または二置換が好ましい。
式(III)に関連した他の実施形態では、RおよびRは、そこに結合した芳香環と一緒になって、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル(例えば、多環式ラジカル)を形成する;ここで、Rは、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシまたはジメチルアミノである;そしてRは、水素である。それゆえ、ある代表的な実施形態では、この多環式ラジカルは、以下である:
1)3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル、
Figure 2005513026
2)3−エチル−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル、
Figure 2005513026
3)3−トリフルオロメチル−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル、
Figure 2005513026
4)3−メトキシ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル、または
Figure 2005513026
5)3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル、
Figure 2005513026
1実施形態では、RおよびRは、式(I)のArと一緒になって、置換シクロアルキルを形成し、5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチルラジカルが得られる:
Figure 2005513026
ある実施形態では、二環式または多環式Arの追加環は、1個、2個またはそれ以上の窒素ヘテロ原子を含有し、複素環が得られる。このような複素環Ar残基の一例には、1−イソプロピル−7−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−キノリニルラジカル:
Figure 2005513026
または1,4−ジイソプロピル−6−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−キノキサリニルラジカル:
Figure 2005513026
本発明のある実施形態では、このAr基のアリールまたはヘテロアリール環に縮合した追加環は、その追加環内に、アミド基を含有できる。これにより定義し本明細書中で使用する「アミド」との用語は、官能基または残基を意味し、これは、窒素原子に結合したカルボニル(CO)基、すなわち、次式を有する残基を含む:
Figure 2005513026
特に、このAr基は、以下で図示した式(205a〜b、d〜gおよびj〜k)で示す少なくとも1個のアミド基を含有する追加環を含み得る:
Figure 2005513026
ここで、R101、R102、R103、R104、R105、R106、R107、R108、R110、R111またはR112は、別個に、無機置換基から選択でき、これらには、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシルまたはアミノのような無機置換基が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、および/またはそれと同時に、R101、R102、R103、R104、R105、R106、R107、R108、R110、R111またはR112は、1個〜12個の炭素原子、または1個〜6個の炭素、または1個〜4個の炭素を有する有機残基を含有できる。適切な有機残基の例には、アルキル、置換アルキル、ハロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アシルオキシ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキル尿素、アリール尿素、カルバミン酸アルキル、カルバミン酸アリール、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロアルコキシ、チオアルキル、チオハロアルキル、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミドまたは置換ジアルキルカルボキサミド残基が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、好ましいR101、R102、R103、R104、R105、R106、R107、R108、R110、R111またはR112基は、アルキル、置換アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシまたはハロアルコキシ残基、特に、1個〜6個の炭素、または1個〜4個の炭素を含有するものである。
本発明のある実施形態は、式(206)のラクタム化合物を含有するAr基に関する:
Figure 2005513026
ここで、これらのR基は、上で定義したとおりである。式(206)のAr基を有する化合物のある実施形態では、R110およびR112は、水素であり、そしてR101、R103およびR104は、低級アルキル基である。
本発明のある実施形態は、式(207)の6員環ラクタム化合物に関する:
Figure 2005513026
式(207)のAr基を有する化合物のある実施形態では、R103、R104、R110およびR112は、水素であり、そしてR101、R105およびR106は、低級アルキル基である。
本発明のある実施形態は、式(208)のAr基を有する化合物に関する:
Figure 2005513026
式(208)のAr基を有する化合物のある実施形態では、R110およびR112は、水素であり、そしてR101およびR102は、低級アルキル基である。
ある実施形態では、R101は、水素、アルキルまたは置換アルキルである。ある例では、R101は、C〜C12の直鎖または分枝アルキルである。他の例では、R101は、C〜Cの直鎖または分枝アルキルである。さらに他の例では、R101は、C〜Cの直鎖または分枝アルキルである。他の例では、R101は、C〜Cの直鎖または分枝アルキルである。
従って、ある実施形態では、本発明の化合物は、式(305a〜k)を有する二環式の複素環Arラジカルを含有する:
Figure 2005513026
Figure 2005513026
ここで、
200、R201、R202、R203、R204、R205、R206、R207、R208、R209およびR210は、別個に、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、または有機置換基ラジカル(これは、1個〜12個の炭素原子、または1個〜6個の炭素、または1個〜4個の炭素を有する)から選択できる。R200、R201、R202、R203、R204、R205、R206、R207、R208、R209およびR210に適切な有機置換基ラジカルには、アルキル、置換アルキル、ハロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アシルオキシ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アルキルスルホンアミド、置換アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、ヘテロアリールスルホンアミド、アルキル尿素、アルキルチオ尿素、アリール尿素、アシル、置換アシル、カルバミン酸アルキル、カルバミン酸アリール、チオカルバミン酸アルキル、置換チオカルバミン酸アルキル、チオカルバミン酸アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロアルコキシ、チオアルキル、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、チオハロアルキル、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミドまたは置換ジアルキルカルボキサミドラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。式(305a〜k)のAr基のある実施形態では、R200は、1個〜12個の炭素原子を有する有機置換基ラジカルであり、そしてR201およびR202は、水素またはハロゲンである。
本発明のAr基のある実施形態は、式(306)のAr基を有する化合物に関する:
Figure 2005513026
ここで:
200は、水素、アルキル、置換アルキル、ハロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アシルオキシ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アルキルスルホンアミド、置換アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、ヘテロアリールスルホンアミド、アルキル尿素、アルキルチオ尿素、アリール尿素、アシル、置換アシル、カルバミン酸アルキル、カルバミン酸アリール、チオカルバミン酸アルキル、置換チオカルバミン酸アルキル、チオカルバミン酸アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロアルコキシ、チオアルキル、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、チオハロアルキル、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミドまたは置換ジアルキルカルボキサミドであり得る。ある実施形態では、R200は、1個〜12個の炭素原子を有する有機置換基ラジカルであり、R201およびR202は、水素またはハロゲンである;そしてR207およびR208は、別個にまたは共に、アルキルまたは置換アルキルである。
本発明のAr基の特定の類似実施形態は、式(307)および(308)を有する:
Figure 2005513026
ここで、R200、R201、R202、R207およびR208は、式(306)の化合物に関して上で記述したとおりである。
ある実施形態では、窒素は、この二環式Ar基のアリール環に存在しており、二環式ピリジン環系に由来の置換または非置換ヘテロアリールを形成する。このような二環式ピリジンの例には、式(305l〜m)が挙げられるが、これらに限定されない:
Figure 2005513026
ここで、R200、R201、R205、R206、R207およびR208は、この上で記述した意味と同じ意味を有する。あるいは、このヘテロアリール環は、2個の窒素原子を有する残基を含み得る。このような化合物の一例は、以下で示す。
Figure 2005513026
本発明のある実施形態では、Arは、上記実施形態のような縮合環ラジカルではなく、むしろ、1個だけのフェニルまたはピリジルラジカルを有し、これは、少なくとも1個、必要に応じて、少なくとも2個、3個、4個または5個の置換基ラジカルで置換されており、これらの置換基ラジカルは、このArラジカルについて上で教示した置換基ラジカルから選択される。1個だけの置換基ラジカルが存在しているこのような実施形態では、これらの置換基ラジカルは、5個またはそれ以上の炭素を有するアルキルラジカル(例えば、高級アルキル基)であるが、低級C〜C基を含まない。代替的に述べると、ある実施形態では、Arは、C〜Cアルキルフェニルではない。n=0である実施形態では、Arは、次式のラジカルではない:
Figure 2005513026
ここで、Qは、水素、C〜Cアルキル、アルコキシ、チオまたはC〜Cチオアルキルである。
式(I)の化合物のArラジカルは、置換または非置換アリールラジカルあるいは置換または非置換ヘテロアリールラジカルである。本発明のArラジカルのアリール環には、フェニル環およびナフチル環を挙げることができる。本発明を実施するのに適切なヘテロアリールラジカルのさらに別の例は、実施例11で開示されており、このAr環の「B」成分前駆体は、本明細書中で開示されている。
本発明の化合物のArラジカルは、しばしば、アリールまたはヘテロアリールラジカルを含有し、これは、必要に応じて、1個、2個またはそれ以上の無機または有機の置換基またはラジカルで置換されている。このAr環に適切な置換基またはラジカルには、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、ヒドロキシル、アシル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキル尿素、アリール尿素、カルバミン酸アルキル、カルバミン酸アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキルまたはチオハロアルキルラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、このArラジカルの置換基ラジカルは、4個未満の炭素原子を含有する。
本発明の他の実施形態では、Arは、次式の1つである:
Figure 2005513026
ここで、R15、R16およびR17は、別個にまたは共に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキル尿素、アリール尿素、カルバミン酸アルキル、カルバミン酸アリール、ヘテロアリール、ハロアルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキルまたはチオハロアルキルである。
式(Va)、(Vb)および(Vc)は、窒素を含有するArの異なるヘテロアリールラジカルを表わし、ここで、1個、2個またはそれ以上の環窒素が存在している(すなわち、xは、1、2、3、4または5であり得、そしてNは、任意の位置にあり得るが、多くの実施形態では、このN原子は、式1のArまたはメチレンまたはメチン残基には直接結合されない)。一例として、式(Vb)で1個の環窒素が存在しているとき、以下の構造は、本発明の範囲内である:
Figure 2005513026
同様に、式(Vb)で2個の環窒素が存在しているとき、以下の構造は、本発明の範囲内である:
Figure 2005513026
そしてR15およびR16は、上記と同じ定義である。
これらのArラジカルはまた、種々の他のヘテロアリール環ラジカルを含有でき、これらは、式1のArおよびメチレンまたはメチン残基と結合する任意の安定な環構造を有し得、そしてArラジカルについて上で教示した1個またはそれ以上の追加置換基または残基で置換されているか、または非置換であるか、いずれかであり得る。このようなヘテロアリール環残基の例には、実施例11の例が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で開示した式は、一般的な構造であり、適用できる場合、式(I)で存在している他のラジカルに関する1つより多い結合配向を表わし得、本明細書中で開示した他の実施形態(例えば、式(VIIa))は、式(VIIIa)または式(VIIIb)のいずれかを表わし得ることが分かる:
Figure 2005513026
ここで、Ar、A、n、R、R、R15、R16、WおよびXは、本明細書中で定義した意味と同じ意味を有する。
式(I)の化合物のN−置換複素環は、以下の構造を有する:
Figure 2005513026
ここで、Wは、−S−、−O−または−N−Rであり、そしてXは、OまたはSである;ここで、Rは、水素、または置換もしくは非置換ラジカル(これは、1個〜12個の炭素原子を含有する)である。
本発明のある実施形態は、式(I)に関し、ここで、Wは、−S−、−O−またはN−Rであり、ここで、Rは、本明細書中で定義したとおりであり、そしてXは、次式のN−置換複素環を生じるように、Oである:
Figure 2005513026
本発明のある実施形態は、式(I)に関し、ここで、Wは、−S−、−O−またはN−Rであり、ここで、Rは、本明細書中で定義したとおりであり、そしてXは、次式のN−置換複素環を生じるように、Sである:
Figure 2005513026
本発明のある実施形態は、式(I)に関し、ここで、Wは、−S−であり、ここで、そしてXは、次式のN−置換複素環を生じるように、Sである:
Figure 2005513026
本発明のある実施形態は、式(I)に関し、ここで、Wは、−S−であり、ここで、そしてXは、次式のN−置換複素環を生じるように、Oである:
Figure 2005513026
ある実施形態では、本発明は、次式の種類の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩を包含する:
Figure 2005513026
ここで、
Arは、アリールラジカルを含み、該アリールラジカルは、少なくとも1個の追加環ラジカルと縮合して、縮合二環式の環ラジカルを形成し、ここで、該追加環ラジカルは、少なくとも2個の置換基ラジカルを有し、該置換基ラジカルは、1個〜4個の炭素原子を有する;
Arは、置換または非置換のベンゼン、ナフタレンまたはピリジンラジカルである;
は、水素、低級アルキルラジカルである;
は、置換または非置換有機ラジカルであり、該有機ラジカルは、1個〜12個の炭素原子を有する;
Wは、−S−、−O−または−N−Rであり、ここで、Rは、水素、または置換もしくは非置換ラジカルであり、該ラジカルは、1個〜12個の炭素原子を含有する;そして
Xは、OまたはSである。
他の実施形態では、本発明は、次式の種類の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩を包含する:
Figure 2005513026
ここで、
「−−−−」は、存在しているか、または存在していない;
Arは、次式を有する:
Figure 2005513026
Arは、次式を有する:
Figure 2005513026
ここで、xは、1または2であり、そしてR15、R16およびR17は、別個に、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノまたは有機ラジカルから選択され、該有機ラジカルは、1個〜4個の炭素原子を含有し、アルキル、置換アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、一置換アミノ、二置換アミノから選択され、該二置換アミノは、1個〜4個の炭素原子を有する;
は、水素、またはアルキル基もしくは置換アルキル基であり、該アルキルまたは置換アルキル基は、1個〜4個の炭素原子を有する;
は、アルキルまたは置換アルキル基であり、該アルキルまたは置換アルキル基は、1個〜4個の炭素原子を有する;
Wは、−S−である;そして
Xは、OまたはSである。
本明細書中で開示した化合物の一部は、水または通例の有機溶媒と溶媒和物を形成できる。このような溶媒和物は、本発明の範囲内に包含される。
本発明は、特に、本明細書中の発明に従った化合物中に塩基性基または酸性基が存在している場合、その範囲内に、本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩を包含する。例えば、酸性置換基(例えば、カルボン酸(すなわち、−COOH))が存在しているとき、塩基性塩(例えば、アンモニウム、アミン(例えば、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ジエチルアミン、t−ブチルアミンなど)、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルカリ土類金属、および三価塩(例えば、アルミニウム塩など))が考慮され、本発明の範囲内である。塩基性基(例えば、アミノまたは塩基性ヘテロアリールラジカル(例えば、ピリジル))が存在しているとき、酸性塩(例えば、塩酸塩、臭化水素塩、酢酸塩、マレイン酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩など)が考慮され、本発明の範囲内である。この塩の選択に関する唯一の制約は、許容できないほどに毒性を高めてはいけないことである。
本発明は、実施例で示した特定の化合物だけでなく、以下で示したもの、またはそれらの薬学的に受容可能な塩を提供するが、これらに限定されない。このような特定の化合物の一例には、{5−[3−t−ブチル−4−メトキシフェニル)−6−エトキシ−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸であり、これはまた、本明細書中にて、化合物67と呼ぶ:
Figure 2005513026
(化合物の製造)
本明細書中で開示した化合物および中間体を生成するために、当業者により、種々の合成方法が使用できる。例えば、以下で示す前駆体カルボニル化合物を提供するために、有機化学の多くの公知方法が使用できる。
Figure 2005513026
ここで、Ar、Ar、Aおよび/またはRは、本明細書中の実施形態のいずれかで記述できる。これらの前駆体カルボニル化合物は、例えば、対応する芳香族化合物のアシル化または他の代替方法により、調製できる。これらの前駆体カルボニル化合物は、次いで、複素環またはそれらの複素環誘導体と縮合でき、本発明の所望化合物が提供され、代表的なセットの合成経路は、n=0のとき(すなわち、架橋A基が存在しない)、図4で示される。例えば、1方法は、式(X)(R14=H)のボロン酸を式(XXI)(例えば、R15=Br)のカルボニル含有アリールハライドとカップリングして、ビアリール(XXIV)(これは、カルボニル基(例えば、ホルミル基(すなわち、R=H))で置換されている)を得る工程を包含する。あるいは、ボロン酸(X)は、臭化アリール(XXV)(R15=Br)とカップリングでき、ビアリール(XXVI)が得られ、これは、引き続いて、当該技術分野で公知の技術(例えば、Vilsmeierまたはthe Vilsmeier−Haack反応、the Gatterman反応、the Duff反応、the Reimer−Tiemann反応または類似の反応)を使用して、ホルミル化される。ビアリール(XXIV)および(XXVI)の形成について記述した反応のようなカップリング反応はまた、ボロン酸エステルを使用して行うことができ、ここで、R14は、ホウ素と一緒になって、ピナコールホウ酸エステルを形成する(ピナコールエステルの形成:Ishiyama,T.,ら、J.Org Chem.1995,60,7508−7510,Ishiyama,T.,ら、Tetrahedron Letters 1997,38,3447−3450;coupling pinacol esters:Firooznia,F.ら、Tetrahedron Letters 1999,40,213−216,Manickam,G.ら、Synthesis 2000,442−446;これらの4つの引用例の全ての内容は、本明細書中で参考として援用されている)。それに加えて、R15はまた、I、Clまたはトリフレート(これは、フェノールから誘導される)であり得る。ビアリール(XXVI)はまた、例えば、フリーデル−クラフツアシル化反応などにより、アシル化できる。1実施形態では、ビアリール(XXVI)がホルミル化される。あるいは、2つの工程様式において、ビアリール(XXVI)は、まず、ハロゲン化(例えば、ブロモ化)工程を実行してビアリール(XXVII)を得るのに続いてアルキルリチウムを使用するハロゲン−金属交換反応およびDMFまたは当該技術分野で公知の等価物と反応させることにより、ホルミル化されて、ビアリール(XXIV)(ここで、Rは、Hである)が得られる。ビアリール(XXIV)のカルボニル基は、引き続いて、複素環またはそれらの複素環誘導体と縮合でき、ビアリール(XXVIII)が得られる。1実施形態では、カップリングした複素環は、次式のN−置換複素環である:
Figure 2005513026
ここで:W、XおよびRは、本明細書中で記述した意味と同じ意味を有する。
他の実施形態では、(XXIV)にカップリングした複素環は、最初は、N−置換されておらず、次式を有する:
Figure 2005513026
この「N」置換基は、次いで、公知手順(これには、例えば、ハロゲン化アルキルとのアルキル化が挙げられる)によって、この複素環の窒素原子と結合される。さらなる他の実施形態では、WおよびXがSであり、そしてRが−CHCOHであるとき、この複素環は、当該技術分野では、「ロダニン酢酸」または「ロダニン−3−酢酸」として、公知である。
代替様式では、このカップリングは、アリール(XXII)(例えば、R15=Br)とボロン酸(XXIII、R14=H)との間で起こり得、上記ビアリール(XXIV)が得られる。また、アリール(XXII)は、ボロン酸(XXXI)とカップリングでき、ビアリール(XXVI)が得られる。上記と同じ戦略を使用して、ビアリール(XXVI)は、ホルミル化またはアシル化でき、ビアリール(XXIV)が得られる。
アリール(X)は、Ar−ハライド(例えば、ブロマイド)をアルキルリチウムと反応させてAr−リチウムを得、これを、引き続いて、ホウ酸エステルと反応させ、そして加水分解して、アリール(X)(ここで、R14は、水素である)を得ることにより、容易に生成できる。他の方法では、アリール(X)は、パラジウム触媒の存在下にて、適切な配位子(例えば、dppf)を使って、Ar−トリフレートをピナコールジボロンと反応させて、対応するアリール(X)(ここで、2個のR14基は、そのホウ素と一緒になって、ピナコールエステルを形成する)を得ることにより、調製できる。他の実施形態では、アリール(XXIII)は、まず、当該技術分野で公知の方法を使用して、そのカルボニル基(例えば、アセタールまたはケタール)を保護することにより、次いで、そのハライド(例えば、ブロマイド)をアルキルリチウムと反応させてAr−リチウムを得、これを、引き続いて、ホウ酸エステルと反応させ、そして加水分解して、カルボン酸を脱保護し、アリール(XXIII)(ここで、R14は、水素である)を得ることにより、容易に得ることができる。他の方法では、アリール(XXIII)は、パラジウム触媒の存在下にて、適切な配位子(例えば、dppf)を使って、Ar−トリフレートをピナコールジボロンと反応させて、対応するアリール(XXIII)(ここで、2個のR14基は、そのホウ素と一緒になって、ピナコールエステルを形成する)を得ることにより、カルボン酸を脱保護することなしに調製できる。
本明細書中で開示した化合物の種々の前駆体を製造する際に、種々の合成方法が使用できる。Ar基(これは、式(205〜208)を有するアミド基を含有し、Arに続いて本発明の化合物とのカップリングに使用できる)の前駆体を製造する代表的なセットの合成経路は、図6で示されている。図6で示した1方法は、例えば、酸塩化物とカップリングしてアミド(232)を生じ得るアニリン(230)の使用を包含する。R103105106基は、適切な酸塩化物を選択することにより、本発明の化合物に導入できる。アミド(232)はまた、カルボン酸およびカップリング剤(例えば、カルボジイミド)を使用する当該技術分野で公知の方法により、調製できる。このアミド(232)は、ルイス酸環化により、2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン(234)に変換できる。この工程で使用できるルイス酸は、例えば、AlClである。鉱酸は、同じ環化を引き起こすことができる。この段階では、R101は、R−LG(ここで、LGは、脱離基(例えば、Cl、Br、I、OTfなど)である)を2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン(234)の窒素イオンと反応させることにより、2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン(236)に導入できる。2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン(234)のアニオンは、塩基(例えば、KOH/DMSO、NaHなど)を使用して、生成できる。
他の方法は、例えば、酸塩化物とカップリングしてアミド(238)を生じ得るアニリン(237)の使用を包含する。R103104基は、適切な酸塩化物を選択することにより、本発明の化合物に導入できる。アミド(238)はまた、カルボン酸およびカップリング剤(例えば、カルボジイミド)を使用する当該技術分野で公知の方法により、調製できる。この段階では、R101は、R101−LG(ここで、LGは、脱離基(例えば、Cl、Br、I、OTfなど)である)をアミド(238)の窒素アニオンと反応させることにより、アミド(240)を生じるように導入できる。2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(242)は、Pd−補助環化により、アミド(240)から調製できる。Pdとの種々の配位子(例えば、トリシクロヘキシルホスフィン)が使用できる。アミド(242)のメトキシは、当該技術分野で公知の種々の方法(例えば、BBr)を使用して、フェノール(244)に変換できる。得られたフェノール(244)は、無水トリフリック酸または類似の試薬(これは、Arとのカップリングに適切である)を使用して、トリフレート(246)などに変換できる。
他の方法は、例えば、塩化オキシリルを使用して濃縮し、キノキサリン−2,3−ジオン(250)を生じ得るフェニレンジアミン(248)の使用を包含する。R101は、R101−LG(ここで、LGは、脱離基(例えば、Cl、Br、I、OTfなど)である)をキノキサリン−2,3−ジオン(250)の窒素アニオンと反応させることにより、導入できる。R102は、R102−LG(ここで、LGは、脱離基(例えば、Cl、Br、I、OTfなど)である)をキノキサリン−2,3−ジオン(250)の窒素アニオンと反応させることにより、導入できる。R101およびR102は、同一または異なり得る。キノキサリン−2,3−ジオン(252)は、適切な溶媒(例えば、酢酸)中にて、当該技術分野で公知の方法(例えば、Brまたはその等価物)を使用して、臭素化されて、キノキサリン−2,3−ジオン(254)が生じ得る。臭素化はまた、R101およびR102の導入前に、実行され得る。
Ar基(これは、Arに続いて本発明の化合物とのカップリングに使用できる)の前駆体を製造するための代表的なセットの合成経路は、図7〜10で示されている。図7で示した1方法は、例えば、3−クロロ−2−メチル−プロパンでアルキル化してアニソール(331)を生じ得るアニソール(330)の使用を包含する。所望のクロロ−プロパンを選択することにより、R270208基は、本発明の化合物に導入できる。アニソール(231)は、引き続いて、ピリジン塩酸塩およびキノリンの存在下にて、加熱しつつ環化されて、ジヒドロ−ベンゾフラン(332)が生じる。ジヒドロ−ベンゾフラン(332)は、化合物(333)にヨウ素化されて、引き続いて、本明細書中で以下で記述する方法を使用してカップリングされて、ビアリール(334)が生じる得る。その合成のこの段階では、異なる基が導入できる。例えば、ビアリール(334)は、他のカップリング反応(例えば、スズキカップリング反応)および本明細書中で以下で記述した他の方法を受けて、ビアリール(335)が生じ得、ここで、異なるヘテロアリールまたはアリール基は、図7で示すようにして、導入できる。
他の方法は、例えば、図8で示されているが、α−ハロアセテートでアルキル化されてエステル(337)を生じ得るアリールチオール(336)の使用を包含する。このエステルは、当該技術分野で公知の方法(例えば、グリニヤール試薬による方法)により、3°アルコール(338)に変換できる。R207208基は、適切なグリニヤール試薬を選択することにより、本発明の化合物に導入できる。アルコール(338)は、例えば、ルイス酸(例えば、AlCl)を使用して環化され、ジヒドロベンゾチオフェン(339)が生じる。上記と類似の様式で、ジヒドロベンゾチオフェン(339)は、ビアリール(340)に変換され、引き続いて、ビアリール(342)に変性される。ビアリール(その分子内では、イオウが存在している)とのカップリング反応は、ある種の触媒では、困難であり得る。しかしながら、当該技術分野において、イオウ原子の存在下でこのようなカップリングを可能にする種々の手順が存在している(例えば、Cram,ら、J.Org.Chem.55:4622−4634(1990)およびSavarin,ら、Org.Letters 3:2149−2152(2001))。
他の方法は、例えば、図9で示されているが、Krausら、Tetrahedron Letters 40:2039−2040(1999)で記述された様式と類似の様式で環化してジヒドロ−インドール(344)を生じ得るアニリン(343)の使用を包含する。この段階では、R203は、R203−LG(ここで、LGは、脱離基(例えば、Cl、Br、I、OTfなど)である)をジヒドロ−インドール(344)の窒素アニオンと反応させることにより、ジヒドロ−インドール(345)を生じるように導入できる。ジヒドロ−インドール(345)は、ヨウ素化されて、ジヒドロ−インドール(346)が生じ得、本明細書中で記述した方法を使用して、ビアリール(347)に変換され、引き続いて、アリールまたはヘテロアリール変性ビアリール(348)に変換される。ビアリール(334)、(340)および(347)は、ホウ素誘導体(例えば、ホウ素エステルまたはボロン酸)に変換でき、引き続いて、ハロゲン化アリールまたはヘテロアリールでカップリングされて、それぞれ、対応するビアリール(335)、(342)および(348)が生じることが分かる。
他の方法は、例えば、図10で示されているが、臭化アリール(349)を使用して、種々のAr前駆体基を調製する。例えば、臭化アリール(349)は、アリールリチウム中間体およびDMFまたはそれらの等価物により、アルデヒド(350)に変換できる。アルデヒド(350)は、当該技術分野の方法(例えば、KMnOまたは類似の酸化剤)を使用して酸化でき、カルボン酸(351)が生じる。カルボン酸(351)は、種々のアミン(例えば、ジメチルアミン)とカップリングされてアミド(352)を生じ得るか、またはクルチウス転位を受けて、アニリン(356)を生じ得る。このような転位は、例えば、ジフェニルホスホリルアジドを使用して、達成できる。アニリン(356)は、種々の求電子試薬(例えば、塩化アセチル)と反応でき、アミド(357)が得られる。アルデヒド(350)はまた、還元剤(例えば、シアノホウ水素化ナトリウム)の存在下にて、アミンで還元アミノ化でき、アミン(359)が生じる。アルデヒド(350)はまた、ベンジルアルコール(360)に還元でき、引き続いて、塩基およびアルキル−LG(ここで、LGは、脱離基(例えば、本明細書中で上記のもの))を使用して、エーテル(361)に変換できる。臭化アリール(349)はまた、上記様式で、アリールリチウム中間体に変換でき、そしてアルデヒドまたはケトン(例えば、イソブチルアルデヒド)と反応されて、アルコール(353)が生じる。アルコール(353)は、ケトン(354)に酸化できるか、または例えば、TFA中のトリエチルシランを使用して、脱酸素化でき、アリールアルキル(355)が生じる。臭化アリール(349)はまた、当該技術分野で公知の方法(例えば、加熱しつつ、CuCNおよびキノリン)を使用して、ベンゾトリアゾール(358)に変換できる。ベンゾトリアゾールは、当該技術分野で公知の方法を使用して、種々の複素環に変換できる。
本発明のある実施形態は、式(XV)の化合物およびそれらの調製方法に関する:
Figure 2005513026
ここで、Ar、Ar、R、R、WおよびXは、この上で開示した構造のいずれかを有し得る:
該方法は、以下の工程を包含する:
1)ArラジカルをArラジカルとカップリングして、ビアリールカルボニル含有化合物を得る工程;ここで:該Arラジカルは、以下の構造を有する置換または非置換ラジカルである:
Figure 2005513026
該Arラジカルは、カルボニル基を有し、そして以下の構造を有する置換または非置換ラジカルを含む:
Figure 2005513026
ここで、該ビアリールカルボニル含有化合物は、以下の構造を有する置換または非置換ラジカルを含む:
Figure 2005513026
および
2)該ビアリールカルボニル含有化合物を以下の構造の複素環と縮合して、式(XV)の化合物を得る工程:
Figure 2005513026
本発明の他の実施形態は、Arラジカルが次式である方法に関する:
Figure 2005513026
ここで、RおよびRは、この芳香環と一緒になって、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル環を形成し、これらは、必要に応じて、1個、2個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、これには、O、S、SO、SOおよびNを挙げることができ、Nは、必要に応じて、水素、アルキルまたは置換アルキルを含む基またはラジカルでさらに置換され;そしてRおよびRは、別個にまたは一緒に、1個またはそれ以上の水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキル尿素、アリール尿素、カルバミン酸アルキル、カルバミン酸アリール、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキルまたはチオハロアルキルであり得る。
他の実施形態では、本発明は、その複素環が次式である方法に関する:
Figure 2005513026
ここで、W=Sである;X=OまたはSであり、そしてRは、置換アルキルである。
他の実施形態では、本発明は、さらに、式(XV)の化合物を還元して以下の構造を有する本発明の化合物を生じる工程を包含する方法に関する:
Figure 2005513026
本明細書中で使用する種々の有機基変換は、上記のもの以外の多数の手順により、実行できる。本明細書中で開示した化合物が生じる合成工程に利用できる他の合成手順の参考文献は、例えば、March,J.,Advanced Organic Chemistry,5版、Weiley−Interscience(2001);またはLarock,R.C.,Comprehensive Organic Transformations,A Guide to Functional Group Preparations,2nd Edition,VCH Publishers,Inc.(1999)で見られ、両方の内容は、本発明の化合物を製造するのに使用され得る公知反応および有機化学方法の開示について、本明細書中で参考として援用されている。
本発明の1実施形態は、式Iの化合物を製造する方法に関し、ここで、nは、0であり、該方法は、2個の芳香環をカップリングして、ビアリールを生じる工程を包含し、ここで、該アリール環の1個は、カルボニル部分を含有し、他の実施形態では、このカルボニル部分は、アルデヒドである。得られたビアリール生成物は、引き続いて、以下の構造の複素環と縮合して、式(I)の化合物を生じ得る:
Figure 2005513026
ここで、W、XおよびRは、本明細書中で記述したものと同じ定義を有する。
他の実施形態では、本発明(ここで、nは、0である)は、式(I)の化合物を製造する方法に関し、該方法は、2個の芳香環をカップリングして、ビアリール(例えば、Ar−Ar)を生じる工程を包含し、ここで、該アリール環の1個(例えば、Ar)は、式(I)の化合物を生じるオキシム部分を含有する。この実施形態では、このヒドロキシアミン誘導体との縮合は、2個の芳香環のカップリング前に起こる。
これらの2個のアリール環のカップリングは、アリールボロン酸またはエステルと、ハロゲン化(例えば、ヨード、ブロモまたはクロロ)アリール、トリフレートまたはジアゾニウムテトラフルオロボレートとを使用して、行うことができ、これらは、それぞれ、以下で記述されている:Suzuki,Pure & Applied Chem.,66:213−222(1994),Miyaura and Suzuki,Chem.Rev.95:2457−2483(1995),Watanabe,Miyaura and Suzuki,Synlett.207−210(1992),Littke and Fu,Angew.Chem.Int.Ed.,37:3387−3388(1998),Indoles,Tetrahedron Letters,38:3513−3516(1997),Firoozniaら、Tetrahedron Letters 40:213−216(1999),and Darsesら、Bull.Soc.Chim.Fr.133:1095−1102(1996);全ての内容は、本明細書中で参考として援用されている。このカップリング反応によれば、(X)および(XXI)のような前駆体が使用できるか、本発明の他の実施形態では、(XI)および(XXI)が使用できる:
Figure 2005513026
ここで、R14は、アルキルまたは水素のいずれかであり、そしてR15は、ハライド(例えば、ヨード、ブロモまたはクロロ)、トリフレートまたはジアゾニウムテトラフルオロボレートである。あるいは、これらのカップリング基は、逆にでき、例えば、(XXII)および(XXIII)を使用して、または他の実施形態では、(XII)および(XXIII)を使用して、同じカップリング生成物が得られることが理解される:
Figure 2005513026
ここで、R14およびR15は、上記と同じ意味を有する。上記前駆体の調製は、当業者に容易に利用できる方法により、調製できる。例えば、このボロン酸エステルは、対応するアリールリチウムに変換することにより、続いて、ホウ酸トリアルキルで処理することにより、ハロゲン化アリールから調製できる。好ましくは、このボロン酸エステルは、そのボロン酸に加水分解される。
2個の芳香環のカップリングは、化合物(XIIIa)および化合物(XX)または(XI)を使用する類似の様式で達成でき、式(I)の化合物(ここで、n=0である)が得られる。あるいは、化合物(XIIIb)および(XXII)または(XII)は、カップリングでき、式(I)の化合物(ここで、n=0である)が得られる。この方法では、この縮合は、2個の芳香環のカップリング前に起こる。
Figure 2005513026
このカップリング反応はまた、ハロゲン化アリール亜鉛とハロゲン化アリールまたはトリフレートとの間で、行うことができる。あるいは、このカップリング反応はまた、アリールトリアルキルスズ誘導体およびハロゲン化アリールまたはトリフレートを使用して、実行できる。これらのカップリング方法は、Stanforth,Tetrahedron 54:263−303(1998)で概説されており、その内容は、本明細書中で参考として援用されている。一般に、特定のカップリング手順の利用は、利用可能な前駆体、化学選択性、位置選択性および立体要件に関して、選択される。
これらのビアリールカルボニル含有誘導体(例えば、図4、化合物(XXIV))と適切な活性メチレン化合物(例えば、2,4−チアゾリジンジオン)との縮合は、当該技術分野で公知の方法を使用することにより、達成できる。例えば、このカップリング反応から得たビアリールカルボニル生成物は、Tietze and Beifuss,Comprehensive Organic Synthesis(Pergamon Press),2:341−394,(1991)(その内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記述されているように、活性メチレン化合物と縮合でき、式(I)(すなわち、「−−−−」は、結合である)のベンジリデン化合物が得られる。水酸基がそこに結合した中間体は、以下で示すように、ビアリールカルボニル含有誘導体と活性メチレン化合物との縮合中に形成できることが、当業者に分かる:
Figure 2005513026
および
Figure 2005513026
このような中間体の水酸基は、しばしば、この縮合反応中にて、(水として)脱離されて、所望のベンジリデン化合物を形成する。それにもかかわらず、その反応条件は、ヒドロキシル含有中間体の単離およびそれ以上の使用について変えることができ、このような実施形態は、本発明の範囲内である。上で示した反応は、化合物(XXIV)と活性メチレン化合物または複素環との間の反応のための縮合中間体の形成を描写しているものの、類似の中間体は、化合物(XLV)および(XLII)について、本発明の範囲内であることが分かる。この縮合に有効な触媒は、アンモニア、第一級、第二級および第三級アミン(遊離塩基として、または有機酸(例えば、酢酸)とのアミン塩として、いずれかとして)から選択できる。触媒の例には、ピロリジン、ピペリジン、ピリジン、ジエチルアミンおよびそれらの酢酸塩が挙げられる。この縮合には、無機触媒もまた、使用できる。無機触媒には、四塩化チタンおよび第三級塩基(例えば、ピリジン);および酸化マグネシウムまたは酸化亜鉛(不活性溶媒系中)が挙げられるが、これらに限定されない。この種の縮合は、非常に溶媒依存性であり得、特定の触媒に最適な溶媒を確認するために、慣用的な実験が必須であり得ることが理解され、溶媒には、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはトルエン;またはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
得られたベンジリデン(例えば、図4、化合物(XXVIII))は、当業者に公知の手順(例えば、適切な溶媒中のマグネシウム、触媒、水素化物(例えば、ホウ水素化リチウム)の存在下にて水素および類似の反応)で、式(I)の化合物(ここで、「−−−−」は、存在しない(例えば、図4、化合物(XXX)))に還元できる。
(組成物の使用)
(抗糖尿病化合物)
本明細書中で開示された化合物は、例えば、肥満抑制薬、抗糖尿病分子、脂質代謝および/または炭水化物代謝の変調剤として、機能できる。抗糖尿病活性を有する化合物は、例えば、種々の方法および/またはアッセイ(例えば、それらが3T3 L1細胞で脂肪細胞分化を誘発または阻害する能力を測定すること)により、確認できる。例えば、本明細書中の実施例で記述されているように、これらの機能の生体活性は、その化合物が10μMの濃度で適用したときのロジグリタゾンにより誘発される脂肪細胞の分化および/または脂質蓄積を阻害する能力を測定することにより、確認できる。ある実施形態では、本発明の化合物は、ロジグリタゾンを0.1μMの濃度で適用したとき、少なくとも約25%、または少なくとも約50%で、ロジグリタゾンにより誘発される脂肪細胞の分化および/または脂質蓄積を阻害する。
あるいは、これらの候補は、それらが核内受容体RXR、PPARα、PPARγ、PPARδ、LXRおよび/またはFXRを阻害または活性化する能力を測定することにより、確認できる。それらのインビボ活性は、2型糖尿病の動物モデル(例えば、Zuker脂肪ラットまたはKKAマウス)で立証できる。これらのモデルでは、化合物は、偽薬に比べてグルコースの血糖値を減らすかグルコース許容度を高める性能または公知活性化合物または対照の活性レベルに対して疾患状態を治療する性能を示すことができるなら、活性であると見なされる。本明細書中で開示された化合物は、例えば、代謝(例えば、脂質代謝および炭水化物代謝)を変調するのに有用であり得、また、2型糖尿病を治療するか肥満の拡大を低下または予防するのに使用できる。例えば、本発明の化合物は、血糖値を低下させることについて、公知のPPARγアゴニストロジグリタゾンと同等またはそれより強力であり得る。ある実施形態では、本発明の化合物を約10μMの濃度で適用するとき、グルコース濃度は、少なくとも約5%または少なくとも約10%で、低下できる。ある実施形態では、本発明の化合物は、約10μMの濃度で適用するとき、哺乳動物のトリグリセリドレベルを、少なくとも約5%または少なくとも約10%で、低下できる。
あるいは、これらの化合物は、上記インビボモデルまたはこのような試験で有用であることが公知のインビボモデルにおいて、糖尿病db/dbマウスまたはob/obマウスまたは他の任意のもので、少なくとも約5%または少なくとも約10%で、体重増加の予防または低下を立証することにより示され得るように、動物における体重増加を予防または低下するのに使用できる。
脂質代謝の変調には、また、細胞内または細胞外の脂質含量の低下を挙げることができる。例えば、本発明の化合物は、ロジグリタゾンにより誘発される脂肪細胞の分化および/または脂質蓄積を低下できる(実施例14および図11を参照)。脂質代謝の変調には、また、脂質含有粒子(例えば、高密度リポタンパク質(HDL))の1種の増加および/またはそれと同時に起こる低密度リポタンパク質(LDL)の減少を挙げることができる。このような活性をインビボで測定する適切な1動物モデルには、脂肪分が高いかコレステロールが高い餌を与えた若いSDラットがある。代謝の変調は、例えば、本明細書中で開示された化合物をその同族核レセプタ(これは、脂質代謝に関与している遺伝子の上方制御または下方制御により、脂質含量の増減に直接的に影響を与える)と結合することにより、直接的に起こり得る。変調は、例えば、脂質代謝の増加であり得、その結果、その脂質代謝は、対照のものより大きくなる。変調には、また、例えば、脂質代謝の増加が挙げられ、その結果、その脂質代謝は、対照のものに近くなる。同様に、脂質代謝の変調は、脂質代謝の低下であり得、その結果、その脂質代謝は、対照(例えば、偽薬で治療した動物)と比べて、低くなり減少する。炭水化物代謝もまた、上方制御または下方制御でき、対照での炭水化物代謝レベルに近づくか、対照での炭水化物代謝レベルから逸脱するか、いずれかである。炭水化物代謝の変化はまた、直接的または間接的に、脂質代謝の変化を生じ得、同様に、脂質代謝の変化は、炭水化物代謝の変化を引き起こし得る。一例には、2型糖尿病があり、この場合、患者における遊離脂肪酸の増加は、血糖(例えば、グルコース)の細胞取り込みおよび代謝の減少を引き起こす。好ましくは、本発明の化合物の投与は、少なくとも約5%または少なくとも約10%で、血糖値を低下させるのに有効である。
種々の脂質分子が変調できることが分かる。本明細書中で開示された化合物は、単一の種類の脂質分子(例えば、コレステロール)を変調できるか、または本明細書中で開示された化合物は、複数の種類の脂質分子(例えば、トリグリセリド)を変調できる。本明細書中で開示された化合物はまた、単一または種々の炭水化物分子を変調できる。本明細書中で開示された化合物は、代謝障害(例えば、異脂肪血症)を変調できる。代謝は、本明細書中で開示された化合物の投与により、例えば、異脂肪血症または高コレステロール血症に罹った哺乳動物が示す血清コレステロールおよび/またはトリグリセリドレベルの対照と比べて、血清コレステロールおよび/または血清トリグリセリドのレベルの減少により、変調できる。血清コレステロールおよび/またはトリグリセリドのレベルが少し減少することは、抗コレステロール血症に罹った哺乳動物に有益であり得ることが認められている。ある実施形態では、本発明の化合物を約10μMの濃度で患者に投与するとき、その血清コレステロールおよび/またはトリグリセリドレベルは、少なくとも約5%または少なくとも約10%で、低下できる。
これらの化合物は、それらの低い分子量および生理学的安定性により特徴付けられ得、従って、脂質および炭水化物の代謝障害(例えば、肥満、異脂肪血症、2型糖尿病、および2型糖尿病に関連した他の疾患)を予防し、軽減し、および/または治療するために実行できる種類に相当する。2型糖尿病の治療および予防には、脂質または炭水化物の代謝の変調(例えば、血清グルコースまたは血清トリグリセリドレベルの変調)が関与し得ることが分かる。
(抗癌化合物)
本明細書中で開示された特定の化合物は、例えば、抗癌分子として機能できる。これは、インビトロにおいて、通例の細胞培養アッセイおよび標的バリデーションを使用して、ヒト癌細胞系の成長に対するそれらの効果を決定することにより、測定できる。1つの活性には、AKT/PKB活性の阻害がある。タンパク質AKT/PKBは、ウイルス発癌遺伝子v−AKTを形質転換する細胞同族体であり、PKAおよびPKCと著しい相同性を有する。3つの哺乳動物AKTイソ型α、βおよびγがあり、これらの全ては、N−末端PHドメイン、中心キナーゼドメイン(これは、活性化ループを備えている)および保存調節セリンホスホリル化部位(C末端に近い)を含有する(Bellacosaら、Oncogene 1993,8,745−754;Testa & Bellacosa、PNAS 2001,98,10983−10985)。今までのところ、哺乳動物細胞において、少なくとも13種のAKT基質が同定されており、それらは、2つの主な種類に入る:
1)アポトーシスの調節因子
2)細胞成長(タンパク質合成、グリコーゲン代謝および細胞周期調節を含めて)。
AKT活性の調節解除は、発癌性であり、これは、それが細胞生存および細胞周期/細胞成長の両方に対して複数の効果を同時に誘発する能力を説明している。AKTは、膵癌および卵巣癌において、過剰発現される。AKTはまた、ニワトリの腫瘍ウイルスの形質転換効果を媒介する(Changら、Science 1997,276,1848−1850)。ATKの抗アポトーシス効果は、それが細胞死に関与している基質(これには、Forkhead転写因子、プロ−アポトーシスBcl−2属メンバーBad、環状AMP応答要素結合タンパク質(CREB)およびp21)をホスホリル化する能力により、媒介される(Blume−Jensen and Hunter,2001,Zhouら、Nature Cell Biol.2001,3,245−252)。それに加えて、多数のヒト悪性腫瘍(例えば、乳癌、グリア芽細胞種および生殖細胞腫瘍)は、腫瘍抑制遺伝子PTENの突然変異を不活性化することに関連しており、このことは、AKTの調節解除した機能亢進を引き起こす(Di Cristofanoら、Nature Genet.2001,27,222−224)。
本明細書中で開示された化合物は、増殖性障害(例えば、癌)を予防、緩和および/または治療するのに使用できる。本明細書中で開示される化合物は、代表的な動物モデル(例えば、ヒト腫瘍細胞系を接種した無胸腺ヌードマウス)で、評価できる。本明細書中で記述された化合物は、哺乳動物(ヒトを含めて)において、癌または前癌性疾患および/または抑制のない増殖の他の疾患状態を予防、緩和および/または治療するのに有効に使用できる。
本発明の化合物の生体活性はまた、異なるヒト腫瘍細胞系のパネルを使用して、測定できる。当該技術分野では、本明細書中で開示された化合物の抗腫瘍活性を試験するために、1個またはそれ以上の公知の腫瘍細胞が使用できることが周知であり、これらの腫瘍細胞系には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
白血病:CCRF−CEM、HL−60(TB)、K−562、MOLT−4、RPMI−8226およびSR。
肺癌:A549/ATCC、EKVX、HOP−62、HOP−92、NCI−H226、NCI−H23、NCI−H322M、NCI−H460およびNCI−H522。
結腸癌:COLO 205、HCC−2998、HCT−116、HCT−15、HT−29、KM−12およびSW−620。
CNS癌:SF−268、SF−295、SF−539、SNB−19、SNB−75およびU−251。
黒色腫:LOX−IMVI、MALME−3M、M−14、SK−MEL−2、SK−MEL−28、SK−MEL−5、UACC−257およびUACC−62。
卵巣癌:IGR−OVI、OVCAR−3、OVCAR−4、OVCAR−5、OVCAR−8およびSK−OV−3。
腎臓癌:786−0、A−498、ACHN、CAKI−1、RXF−393、RXF−631、SN12C、TK−10およびU0−31。
前立腺癌:PC−3およびDU−145。
乳癌:MCF 7、MCF7/ADR−RES、MDA−MB−231/ATCC、HS578T、MDA−MB−435、MDA−N、BT−549およびT−47D。
膵癌:Bx−PC 3。
この抗癌活性スクリーニングアッセイにより、個々の化合物の一般的な抗癌活性に関するデータが得られる。特に、本明細書中の実施例で記述されているように、活性抗癌化合物は、それらの化合物を、腫瘍細胞の細胞成長を阻止するために、10μMの濃度で、1種またはそれ以上のヒト腫瘍細胞培養物(例えば、白血病、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、乳癌または膵癌)に適用することにより、確認できる。ある実施形態では、本発明の化合物を、約10μMの濃度で、上記癌細胞系の培養物に適用するとき、癌細胞の成長が阻止され得るか、癌細胞は、約50%以上の程度まで殺される。
特に、この種のアッセイは、成長が速い腫瘍細胞(例えば、白血病腫瘍細胞系)と比べて、成長が遅い腫瘍に対して、高い細胞毒性活性を有する化合物を確認する際に、有用である。このような化合物の確認は、以前に確認された抗腫瘍剤が成長が遅い腫瘍に対して細胞毒性活性が低いので、有益である。
本発明の化合物の抗癌活性は、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(「MTT」)を使うミクロ培養アッセイを使用するインビトロアッセイ(当業者に周知の試験)で、試験した。このアッセイは、インビボアッセイが数ヶ月で結果が得られるのに比べて、1週間以内に結果が得られる点で、インビボアッセイよりも有利である。このアッセイは、96ウェルマイクロタイタープレートにて、実行できる。このMTTアッセイは、6日間薬剤に晒した後、生きている腫瘍細胞のミトロンドリアにおけるデヒドロゲナーゼによる紺青色のホルマザン生成物の産生に基づいている[M.C.Alley,D.A.Scudiero,A.Monks,M.L.Hursey,M.J.Czerwinski,D.L.Fine,B.J.Abbout,J.G.Mayo,R.H.Shoemaker and M.R.Boyd,Cancer Res.,48,589,1988]。それゆえ、生きている細胞だけが染色され、595nmで測定できる。抗癌活性は、対照/未処理腫瘍細胞と比べて、規定用量の化合物の存在下での腫瘍細胞の成長パーセントとして、報告できる。得られた結果の例は、図13で示す。
本発明の化合物は、インビトロおよびインビボの両方において、ヒトの疾患と相関しているかそれを代表する多数の生体アッセイにおいて、強力な化合物であることが発見された。
本明細書中で開示された化合物は、哺乳動物の疾患(特に、ヒトに関連した疾患)を治療するために、単数または複数のいずれかで、およびその薬学的組成物と共に使用できる。本明細書中で開示された化合物およびそれらの組成物は、種々の方法(例えば、経口的、静脈内的、経腸的、非経口的、局所的、鼻内的、膣的、眼内的または舌下的、または吸入を含めて)で投与できる。
本発明の1実施形態は、本明細書中で開示された化合物の使用に関する。本明細書中で開示された化合物およびその薬学的組成物は、哺乳動物の疾患(特に、ヒトに関連したもの)を治療するために、単数または複数のいずれかで使用できる。本明細書中で開示された化合物およびそれらの組成物は、脂質代謝に関連した疾患(例えば、異脂肪血症および高コレステロール血症)、炭水化物の代謝、に関連した疾患(例えば、多嚢胞性卵巣症候群、X症候群、2型糖尿病(2型糖尿病に関連した障害(例えば、糖尿病性網膜症、神経障害、マクロ血管病または脂肪細胞分化)を含めて))を治療するために、種々の方法(例えば、経口的、経腸的、非経口的、局所的、鼻内的、膣的、眼内的または舌下的、または吸入を含めて)で投与できる。当該技術分野で公知の投与経路および投薬量は、Comprehensive Medicinal Chemistry,Volume 5,Hansch,C.Pergamon Press,1990で見られ得る;その内容は、本明細書中で参考として援用されている。
本発明の他の実施形態は、本明細書中で開示された化合物の使用に関する。本明細書中で開示された化合物およびその薬学的組成物は、哺乳動物の疾患(特に、ヒトに関連したもの)を治療するために、単数または複数のいずれかで使用できる。本明細書中で開示された化合物およびそれらの組成物は、増殖性疾患(例えば、癌(卵巣癌および膵癌を含めるが、これらに限定されない))に関連した疾患を治療するために、種々の方法(例えば、経口的、経腸的、非経口的、局所的、鼻内的、膣的、眼内的または舌下的、または吸入を含めて)で投与できる。当該技術分野で公知の投与経路および投薬量は、Comprehensive Medicinal Chemistry,Volume 5,Hansch,C.Pergamon Press,1990で見られ得る;その内容は、本明細書中で参考として援用されている。
本明細書中で開示された化合物は、純粋な化学物質として投与できるものの、その活性成分は、薬学的組成物として存在しているのが好ましい。それゆえ、開示された化合物の他の実施形態は、その1種またはそれ以上の薬学的に受容可能なキャリア、および必要に応じて、他の治療成分および/または予防成分と共に、1種またはそれ以上の化合物および/またはその薬学的に受容可能な塩を含有する薬学的組成物の使用である。これらのキャリアは、その組成物の他の成分と適合性であり、それを受ける人に過度に有害ではないという意味で、「受容可能」でなければならない。これらの組成物は、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、所望の生体機能および/または医薬機能を果たすのに有効な量の選択化合物を含有し、それに加えて、他の医薬、調合薬、キャリア、補助剤、希釈剤などを含有できる。
薬学的組成物には、典型的には、経口、腸内、非経口(筋肉内、皮下および静脈内を含めて)、局所、鼻内、膣内、眼内(ophthalinical)、舌下または吸入投与に適切なものが挙げられる。これらの組成物は、適切な場合、好都合には、別個の単位剤形で与えられ得、薬学分野で周知の方法のいずれかにより、調製できる。このような方法は、その活性化合物を、液状キャリア、固形マトリックス、半固形キャリア、細かく分割した固形キャリアまたはそれらの組合せと会合させる工程、次いで、必要に応じて、その生成物を所望の送達系に成形する工程を包含する。
経口投与に適切な薬学的組成物は、別個の単位剤形(例えば、硬質または軟質ゼラチンカプセル剤、カシュ剤または錠剤(各々は、所定量の活性成分を含有する))として;粉末または顆粒として;溶液、懸濁液または乳濁液として、与えられ得る。この活性成分はまた、巨丸剤、舐剤またはペーストとして、与えられ得る。経口投与用の錠剤およびカプセル剤は、従来の賦形剤(例えば、結合剤、充填剤、滑沢剤、崩壊剤または湿潤剤)を含有し得る。これらの錠剤は、当該技術分野で周知の方法(例えば、腸溶性被覆)に従って被覆できる。
経口液状製剤は、例えば、水性または油性の懸濁液、溶液、乳濁液、シロップまたはエリキシル剤の形態であり得るか、使用前に水または他の適切なビヒクルと構成する乾燥製品として、与えられ得る。このような液状製剤は、従来の添加剤(例えば、懸濁剤、乳化剤、非水性ビヒクル(これは、食用油を含有できる)、または1種またはそれ以上の防腐剤)を含有できる。
これらの化合物はまた、非経口投与(例えば、注入(例えば、巨丸剤の注入または連続注入))用に処方でき、アンプル、予め満たした注射器、小さい巨丸剤注入容器、または防腐剤を加えた複数用量容器にて、単位用量形態で、与えられ得る。これらの組成物は、油性または水性ビヒクル中にて、懸濁液、溶液または乳濁液のような形態をとり得、処方剤(例えば、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤)を含有できる。あるいは、この活性成分は、粉末形態であり得、使用前に、適切なビヒクル(例えば、無菌の発熱物質なしの水)と構成するために、滅菌固形物の無菌単離または溶液からの凍結乾燥により、得ることができる。
表皮に局所投与するためには、これらの化合物は、軟膏、クリームまたはローションとして、または経皮パッチの活性成分として、処方できる。適切な経皮送達系は、例えば、Fisherら、(米国特許第4,788,063号;その内容は、本明細書中で参考として援用されている)またはBawaら、(米国特許第4,931,279号、第4,668,506号および第4,713,224号;全ての内容は、本明細書中で参考として援用されている)で開示されている。軟膏およびクリームは、例えば、適切な増粘剤および/またはゲル化剤を加えた水性または油性塩基で処方できる。ローションは、水性または油性塩基で処方され得、一般に、また、1種またはそれ以上の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤または着色剤を含有する。この活性成分はまた、例えば、米国特許第4,140,122号、第4,383,529号または第4,051,842号(これらの内容は、本明細書中で参考として援用されている)で開示されているように、イオン泳動によって、送達できる。
口での局所投与に適切な組成物は、単位剤形、例えば、薬用ドロップ(これは、風味を付けた基剤(通常、スクロースおよびアカシアゴムまたはトラガカント)内に活性成分を含む);香錠(これは、不活性基剤(例えば、ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアゴム)内に不活性成分を含む);粘膜付着ゲル、およびうがい薬(これは、適切な液状キャリア内に、活性成分を含む)を含有する。
望ましいとき、上記組成物は、例えば、それを特定の親水性重合体マトリックス(これは、例えば、天然ゲル、合成重合体ゲルまたはそれらの混合物を含む)と組み合わせることにより、使用する活性成分の持続的な放出を与えるように適合され得る。
本発明による薬学的組成物はまた、他の補助剤(例えば、香料、着色剤、抗菌剤または防腐剤)を含有できる。
治療で有効に使用するのに必要な化合物またはその活性塩もしくは誘導体の量は、選択される特定の化合物および/または塩だけでなく、その投与経路、治療する状態の性質および患者の年齢および健康状態と共に変わり、最終的には、担当医または臨床医の自由裁量である。本明細書中で提供した化合物の有効量は、実質的に非毒性であるが、その化合物が代謝または遺伝子発現の所望の変調をもたらすのに十分な量である。
一般に、当業者は、モデルとなる生物体(例えば、マウス、ラットなど)で得られたインビボデータを他の哺乳動物(例えば、ヒト)にいかにして推定するかを理解している。これらの推定は、単に、2種の生物体の重量に基づいているのではなく、代謝の差、薬理学的送達の差、および投与経路を組み込む。これらの種類の考察に基づいて、適切な用量は、代替実施形態では、典型的には、約0.5〜約100mg/kg/日、約1〜約75mg/体重1kg/日、約3〜約50mg/レシピエントの体重1kg/日の範囲、または6〜90mg/kg/日の範囲、または、典型的には、15〜60mg/kg/日の範囲であり得る。
この化合物は、好都合には、単位剤形で投与される;例えば、代替実施形態では、これは、単位剤形あたり、典型的には、0.5〜1000mg、5〜750mg、最も好都合には、10〜500mgの活性成分を含有する。
当業者は、これらの典型的な範囲の外側の投薬量および剤形が試験でき、適切な場合、本発明の方法で使用できることを認識する。
別の実施形態では、この活性成分は、典型的には、約0.5〜約75μM、約1〜50μM、または約2〜約30μMの活性化合物のピーク血漿濃度を達成するために、投与できる。これは、例えば、必要に応じて、生理食塩水中での活性成分の0.05〜5%溶液を静脈内注入することにより達成できるか、または約0.5〜500mgの活性成分を含有する巨丸剤として、経口投与できる。望ましい血液レベルは、連続注入で約0.01〜5.0mg/kg/時間を提供することにより、または約0.4〜15mg/kgの活性成分を含有する断続的注入により、維持できる。
所望の用量は、好都合には、単一用量または分割用量(これらは、適切な間隔で、例えば、1日あたり、2回、3回、4回またはそれ以上の副用量として、投与される)で、与えられ得る。この副用量それ自体は、さらに、例えば、多数の別個の大まかに間隔を開けた投与(例えば、注入器からの複数回の吸入または目への複数滴の適用)に分割できる。
本発明は、その特定の実施形態に関連して記述されているものの、それは、さらに改変でき、本願は、一般に、本発明の原理に従って、本発明の任意の変更、使用または適合を含むと解釈され、これらには、本発明が属する技術分野の範囲内の公知または通例の実施に入るような本発明の開示からの逸脱および先に述べた必須の特徴に適用できるような本発明の開示からの逸脱、ならびに添付の特許請求の範囲の範囲に従うような本発明の開示からの逸脱を含む。
以下の実施例は、本発明の例示するために示されており、いずれの様式でも、限定するものとは解釈されない。
実施例1:{5−[4−メトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸;これはまた、本明細書中にて、化合物1と呼ぶ:
Figure 2005513026
トルエン(10mL)中の4−メトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン(naphthylen)−2−イル)−ベンズアルデヒド(1.0g、3.0mmol)およびロダニン酢酸(0.570g、3.0mmol)の混合物に、ピペリジン(0.030mL)および酢酸(0.030mL)を加えた。得られた混合物を、一晩にわたって、加熱還流した。その溶液を室温まで冷却して、固形物を得た。この固形物を集め、そしてCHClおよびヘキサン(2回)から、そして、エタノールから再結晶して、乾燥後、0.50g(収率33%)の{5−[4−メトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸;純度:99.5%(254nm)および99.2%(340nm);融点242〜244℃。
Figure 2005513026
中間体4−メトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンズアルデヒドは、以下のようにして調製した:
a.(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)ボロン酸。
この(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)ボロン酸は、Dawsonら(J.Med.Chem.1995,38,3368−3383)により報告された様式と類似の様式で、調製した。
b.3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−4−メトキシ−ベンズアルデヒド。
1,2−ジメトキシエタン(500mL)および水(40mL)中の3−ブロモ−4−メトキシベンズアルデヒド(19.0g、88.4mmol)、(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)ボロン酸(23.8g、97.2mmol)および炭酸カリウム(48.8g、353.6mmol)の混合物を、アルゴンで、60分間脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5.0g、4.3mmol)を加え、この混合物を、アルゴン下にて、16時間還流加熱した。その溶液を室温まで冷却し、酢酸エチル(200mL)で希釈し、そして水(100mL)およびブライン(100mL)で連続的に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そしてエバポレートした。その残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/ヘキサン、1:9)にかけて、26.8gの3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−4−メトキシ−ベンズアルデヒド(90%)を得た。
Figure 2005513026
実施例2:{5−[4−トリフルオロメトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸;これはまた、本明細書中にて、化合物2と呼ぶ:
Figure 2005513026
4−トリフルオロメトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンズアルデヒドを使用して、実施例1で記述した様式と類似の様式で、{5−[4−トリフルオロメトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸を調製した;収率95%、純度:98.2%(254nm)および98.6%(340nm)、融点193〜194℃。
Figure 2005513026
中間体3−トリフルオロメトキシ−4−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)ベンズアルデヒドは、以下のようにして、調製した:
a.3−ブロモ−4−トリフルオロメトキシベンズアルデヒド。
TFA(300mL)、CHCl(300mL)およびHSO(150mL)の混合物中の4−トリフルオロメトキシベンズアルデヒド(215.0g、1.13mol)の溶液に、室温で、7時間にわたって、均等な部分で、N−ブロモスクシンイミド(402.0g、2.26mol)を加えた。その反応混合物を、室温で、4日間攪拌し、氷水に注ぎ、そしてCHClで抽出した。その有機層を水で洗浄し、引き続いて、飽和NaHCO(1.5L)で、2時間処理した。層分離し、その有機層を、さらに、水およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そしてエバポレートした。その残留物をヘキサンで粉砕し、そして濾過した。溶媒をエバポレートした後、その残留物を蒸留して、3−ブロモ−4−トリフルオロメトキシベンズアルデヒド(190.2g、81℃、1.0mm/Hg、62%)を得た。
b.3−トリフルオロメトキシ−4−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)ベンズアルデヒド。
トルエン(100mL)、エタノール(20mL)および水(15mL)の混合物中の3−ブロモ−4−トリフルオロメトキシベンズアルデヒド(10.0g、37.2mmol)、(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)ボロン酸(11.0g、44.68mmol、1.2当量)の溶液に、炭酸カリウム(10.28g、74.4mmol、2当量)を加えた。その混合物を、アルゴンで、40分間脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.86g、0.74mmol、0.02当量)を加え、この混合物を、アルゴン下にて、22時間加熱還流した。この混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、そして水およびブラインで連続的に洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そしてエバポレートした。その残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/ヘキサン、5:95)にかけて、3−トリフルオロメトキシ−4−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)ベンズアルデヒド(11.1g、76%)を得た。
Figure 2005513026
実施例3:{5−[6−メトキシ−5−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸;これはまた、本明細書中にて、化合物3と呼ぶ:
Figure 2005513026
2−メトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ピリジン−5−カルボキシアルデヒドを使用して、実施例1で記述した様式と類似の様式で、{5−[6−メトキシ−5−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸を調製した;融点253〜255℃。
Figure 2005513026
中間体2−メトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)ピリジン−5−カルボキシアルデヒドは、以下のようにして、調製した:
a.5−ブロモ−2−メトキシ−ピリジン
2−メトキシピリジン(10.00g、0.09mol)および酢酸ナトリウム(8.27g、0.10mmol)の氷酢酸30mL懸濁液に、その反応温度を50℃未満に維持しつつ、臭素の氷酢酸20mL溶液を加えた。3時間後、HO(100mL)を加え、得られた溶液を、冷2.5M NaOHで中和した。その懸濁液をエーテル(2×200mL)で抽出し、合わせた有機物をMgSOで乾燥し、濾過し、そしてエバポレートした。その粗製物質をシリカゲル(溶離液:ヘキサン〜ヘキサン:酢酸エチル97:3)で精製し、そして蒸留して(34〜36.5℃/0.05mmHg)、無色透明液体として、8.84g(51.3%)の5−ブロモ−2−メトキシ−ピリジンを得た。
b.2−メトキシ−ピリジン−5−カルボキシアルデヒド。
5−ブロモ−2−メトキシ−ピリジン(8.50g、45.2mmol)の無水エーテル100mL溶液に、アルゴン下にて、−64℃で、ヘキサン中の1.6M n−BuLiを加えた。得られた混合物を、−64℃で、40分間攪拌し、そして−35℃に温めた。得られた懸濁液に、10分間にわたって、無水DMF(7.0mL)を加えた。15分後、その混合物を0℃まで温め、そして5%NHCl(75mL)を加えた。得られた混合物を分離し、その水層をEtOAc(3×75mL)で抽出した。有機物を合わせ、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして減圧下にてエバポレートし、黄褐色がかった固形物(ヘキサンから再結晶した)として、2−メトキシ−ピリジン−5−カルボキシアルデヒドを得た(3.76g、60.6%);融点48.5〜50℃。
c.2−メトキシ−3−ブロモ−ピリジン−5−カルボキシアルデヒド。
2−メトキシ−ピリジン−5−カルボキシアルデヒド(3.50g、25.5mmol)および酢酸ナトリウム(2.30g、28.1mmol)の氷酢酸15mL懸濁液に、臭素(1.45mL、28.1mmol)の氷酢酸20mL溶液を加え、得られた混合物を、18時間にわたって、アルゴン下にて、100℃まで加熱した。この混合物を冷却し、水(50mL)で希釈し、そして2.0M NaOHで中和した。得られた混合物をエーテル(4×200mL)で抽出し、合わせた有機物を乾燥し(MgSO)、濾過し、そしてエバポレートした。その粗製物質をシリカゲル[勾配、ヘキサン:酢酸エチル(99:1)〜ヘキサン:酢酸エチル(92:8)]で精製して、白色固形物として、2−メトキシ−3−ブロモ−ピリジン−5−カルボキシアルデヒドを得た(0.97g、17.6%)。
Figure 2005513026
d.2−メトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)ピリジン−5−カルボキシアルデヒド。
無水1,2−ジメトキシエタン(30mL)中の2−メトキシ−3−ブロモ−ピリジン−5−カルボキシアルデヒド(319mg、1.48mmol)、(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)ボロン酸(545mg、2.22mmol)、炭酸カリウム(817mg、5.91mmol)および水(2mL)の混合物を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(342mg、0.30mmol)の添加前に、アルゴンで、15分間脱気した。その反応混合物を、15時間加熱還流し、室温まで冷却させ、そして酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。その有機抽出物を、水(100mL)、NHCl飽和水溶液(100mL)、ブライン(100mL)で連続的に洗浄し、MgSOで乾燥し、そして濾過した。減圧下にて溶媒を除去すると、オイルが得られ、これを、カラムクロマトグラフィー(Biotage 12Mカートリッジ;これは、5%酢酸エチル/95%ヘキサンで溶出する)で精製して、2−メトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)ピリジン−5−カルボキシアルデヒドを得た(収率100%)。
Figure 2005513026
実施例4:3−エチル−5−[4−トリフルオロメトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オン;これはまた、本明細書中にて、化合物4と呼ぶ:
Figure 2005513026
4−トリフルオロメトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)ベンズアルデヒドおよび3−エチルロダニンを使用して、実施例1で記述した様式と類似の様式で、3−エチル−{5−[4−トリフルオロメトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸を調製した;融点129〜130℃。
Figure 2005513026
実施例5:3−メチル−{5−[4−トリフルオロメトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オン;これはまた、本明細書中にて、化合物5と呼ぶ:
Figure 2005513026
4−トリフルオロメトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)ベンズアルデヒドおよび3−メチルロダニンを使用して、実施例1で記述した様式と類似の様式で、3−メチル−{5−[4−トリフルオロメトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸を調製した;融点168〜169℃。
Figure 2005513026
実施例6:5−[4−メトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−3−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−チアゾリジン−2,4−ジオン;これはまた、本明細書中にて、化合物6と呼ぶ:
Figure 2005513026
4−メトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)ベンズアルデヒドおよび3−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−チアゾリジン−2,4−ジオンを使用して、実施例1で記述した様式と類似の様式で、5−[4−メトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−3−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−チアゾリジン−2,4−ジオンを調製した;融点170〜171℃。
Figure 2005513026
中間体4−メトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)ベンズアルデヒドは、実施例1で記述した手順に従って調製し、そして3−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−チアゾリジン−2,4−ジオンは、以下で示すようにして、調製した:
a.3−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−チアゾリジン−2,4−ジオン。
DMF(100mL)中のトリフェニルホスフィン(7.61g、29.0mmol)、チアゾリジンジオン(3.40g、29.0mmol)、2−(2−ピリジル)−エタノール(3.57g、29.0mmol)の混合物に、0℃で、アルゴン下にて、10分間にわたって、DIAD(5.86g、29.0mmol、5.71mL)を滴下した。その混合物を、一晩にわたって、室温まで温めた。得られた混合物を水に注ぎ、そして酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機物を水、ブラインで洗浄し、そして乾燥した(MgSO)。この混合物を濾過し、エバポレートし、得られた物質をシリカゲル(溶離液:ヘキサン:酢酸エチル3:2〜1:1)で精製して、一部の不純物と共に、純粋生成物を得た。この不純物をEtOAcに溶解し、1N HClで洗浄し、その水層を中和し、引き続いて、EtOAc(3×)で抽出した。それらの有機物をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、そしてエバポレートし、純粋生成物を得た。この生成物を合わせて、灰白色固形物として、3.14g(49%)の3−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−チアゾリジン−2,4−ジオンを得た;
Figure 2005513026
実施例7:{5−[6−(3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ナフタレン−2−イル メチレン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸;これはまた、本明細書中にて、化合物7と呼ぶ:
Figure 2005513026
6−(3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−カルボキシアルデヒドおよびロダニン酢酸を使用して、実施例1で記述した様式と類似の様式で、{5−[6−(3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ナフタレン−2−イル メチレン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸を調製した;融点194〜196℃。
Figure 2005513026
中間体6−(3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−カルボキシアルデヒドは、以下のようにして、調製した:
a.6−ヒドロキシ−ナフタレン−2−カルボン酸エチルエステル。
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(75.9g、0.40mol)のエタノール(1.0L)および硫酸(5.0mL)溶液を、窒素雰囲気下にて、還流状態まで加熱した。16時間後、簡単な蒸留により、その容量をおよそ半分にし、得られた溶液を水で希釈した。得られた濁った混合物をEtOAc(4×)で抽出し、合わせた有機物を、NaHCO(0.25M、2回)、水、ブラインで連続的に洗浄し、そして乾燥した(MgSO)。その混合物を濾過し、そして蒸発させて、6−ヒドロキシ−ナフタレン−2−カルボン酸エチルエステルを得た(85.4g、98%)。
Figure 2005513026
b.6−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−カルボン酸エチルエステル。
CHCl(600mL)およびピリジン(93.3g、1.18mol、95mL)中の6−ヒドロキシ−ナフタレン−2−カルボン酸エチルエステル(85.00g、0.39mol)の混合物に、0℃近くで、アルゴン雰囲気下にて、無水トリフリック酸(144.2、0.51mol、86mL)を滴下した。その黒色溶液を、一晩にわたって、室温まで温めた。その混合物を氷に注ぎ、得られた層を分離した。その水層をCHClで洗浄し、合わせた有機物を、水、0.5N HCl(2×)、水およびブラインで洗浄した。この混合物を乾燥し(MgSO)、濾過し、そして蒸発させて、黄色がかった固形物として、6−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−カルボン酸エチルエステルを得た(136.97g、100%)。
Figure 2005513026
c.6−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル−メタノール。
6−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−カルボン酸エチルエステル(136.50g、0.392mol)のトルエン(1.0L)スラリーに、内部温度を−55℃未満に維持しつつ、−70℃で、DIBALの溶液(1.5M、5.75mL、0.862mol)を滴下した。得られた混合物を1時間攪拌し、引き続いて、室温まで温めつつ、酸で、pH5〜6までクエンチした。その混合物をエーテル(2×)で抽出した。有機物を合わせ、水(3×)、ブラインで洗浄し、そして乾燥した(MgSO)。濾過後、溶媒を蒸発させ、その粗製物質をシリカゲル(溶離液:ヘキサン:CHCl、1:1〜100%CHCl)で精製して、灰白色固形物として、86.0g(72%)の6−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル−メタノールを得た。
Figure 2005513026
d.6−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−カルボキシアルデヒド。
6−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル−メタノール(70.0g、0.228mol)のCHCl(600mL)機械攪拌溶液に、アルゴン雰囲気下にて、数分間にわたって、PCC(54.20g、0.25mol、添加前に粉砕した)を加えた。2時間後、得られた黒色懸濁液をシリカゲルカラムに注ぎ、CHClを使用してゆっくりと結晶化する黄色油状物を得、放置して、65.1g(94%)の6−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−カルボキシアルデヒドを得た。
Figure 2005513026
e.6−(3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−カルボキシアルデヒド。
トルエン(30mL)、EtOH(8mL)および水(5mL)の混合物中の6−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−カルボキシアルデヒド(3.0g、9.86mmol)、3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)ボロン酸(2.5g、9.08mmol)および炭酸カリウム(2.5g、18.1mmol)の混合物を、アルゴンで、60分間脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.230g、0.19mmol)を加え、この混合物を、還流状態で、アルゴン下にて、一晩加熱した。その溶液を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、そして水およびブラインで連続的に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。その残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、2.5gの6−(3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−カルボキシアルデヒド(71%)を得た。
Figure 2005513026
実施例8:{5−[5−フェニル−3−メトキシ−2−(3−メトキシ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸。
Figure 2005513026
5−フェニル−3−メトキシ−2−(3−メトキシ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)ベンズアルデヒドを使用して、実施例1で記述した様式と類似の様式で、{5−[5−フェニル−3−メトキシ−2−(3−メトキシ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸を調製した;融点320+℃。
Figure 2005513026
実施例9:{5−[3−メトキシ−2−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸。
Figure 2005513026
3−メトキシ−2−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)ベンズアルデヒドを使用して、実施例1で記述した様式と類似の様式で、{5−[3−メトキシ−2−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸を調製した;融点149℃。
Figure 2005513026
実施例10:{5−[4−ジメチルアミノ−3−(3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸(これはまた、本明細書中にて、化合物10と呼ぶ)
Figure 2005513026
4−ジメチルアミノ−3−(3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)ベンズアルデヒドを使用して、実施例1で記述した様式と類似の様式で、{5−[4−ジメチルアミノ−3−(3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸を調製した(収率69%、融点155℃(分解点))。
中間体4−ジメチルアミノ−3−(3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)ベンズアルデヒドは、以下のようにして、調製した:
a.2−ニトロ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン。
濃硝酸45mL(0.690mol、1.43当量)および濃硫酸74mL(1.39mol、2.86当量)の混合物を、機械攪拌機を備えた丸底フラスコに入れ、そして−10℃(氷/塩浴、3:1)まで冷却した。1,1,2,2−テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン(91g、0.483mol)を一度に加えた。この添加が完了した後、得られた反応混合物を1.5時間攪拌した。この混合物を水とジクロロメタンとの間で分配し、その水相をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相を1N NaOH、水、10%クエン酸、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、油状物を得、これは、一晩放置すると、結晶化した。濾過により結晶を集め、冷メタノールで洗浄し、そして乾燥して、80.23gの2−ニトロ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレンを得た(63%)。
Figure 2005513026
b.2−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン。
2−ニトロ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン(79.0g、0.339mol)のジクロロメタン溶液に、10%炭素上パラジウム1gを加え、その混合物を、40〜50psiの水素で、20時間水素化した。この触媒を濾過により除去し、その有機層および水層を分離した。この水層を、1N NaOHを加えてアルカリ性にし、そしてジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、赤橙色固形物として、2−アミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレンを得、これを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
2−アミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン(70.10g、0.345mol)およびホルムアルデヒド(280mL、10当量)のアセトニトリル2L(これは、0℃まで冷却した)溶液に、その温度を10〜20℃の間で維持しつつ、シアノホウ水素化ナトリウム(65g、3当量)を少しずつ加えた。氷酢酸を加えて、そのpHを7に調節した。その反応物を、室温で、2時間攪拌し、得られた混合物を1N NaOHとEtOAcとの間で分配し、その有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 95:5)により、54.90g(70%、2工程)の2−アミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレンが得られた。
Figure 2005513026
c.2−ブロモ−3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン。
2−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン(55.0g、0.238mol)の氷酢酸350mL溶液に、20分間にわたって、臭素(12.3mL、1当量)の氷酢酸15mL溶液を滴下した。2時間攪拌した後、得られた混合物を蒸発させた。その残留物をEtOAcに溶解し、そして水、ジカルボン酸ナトリウム飽和水溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。この残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc、95:5)で精製して、66.63g(90%)の生成物2−ブロモ−3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレンを得た。
Figure 2005513026
d.(3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)ボロン酸。
2−ブロモ−3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン(67.08g、0.216mol)の無水THF(300mL、−78℃)溶液に、−78℃で、30分間にわたって、n−ブチルリチウム(1.6M、203mL、1.5当量)の1.6モル溶液を滴下した。その反応物を、−78℃で、10分間攪拌し、そして0.5時間にわたって、ホウ酸トリ(イソ−プロピル)(150ml、3当量)を滴下した。その混合物を、一晩にわたって、室温まで温めた。得られた濃厚混合物をTHFで希釈し、0℃まで冷却し、そして1N塩酸を加えた。この反応物を、室温で、0.5時間攪拌した。得られた層を分離し、その水層をEtOAcで洗浄した。この水層をpH7まで中和して、沈殿物を得、これを、ジクロロメタンで抽出した。この水相を塩化ナトリウムで飽和させ、そして抽出を継続した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、油状物を得、これは、放置すると、ゆっくりと結晶化した。その固形物を濾過により集め、ヘキサンで洗浄し、そして乾燥して、23.00gの(3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)ボロン酸を得た(39%)。
Figure 2005513026
e.3−ブロモ−4−(ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド
4−(ジメチルアミノ)−ベンズアルデヒド(10.0g、67.03mmol)のジクロロメタン(250mL)溶液に、ピリジニウムトリブロマイド(21.4g、67.03mmol)を加えた。その反応混合物を、室温で、一晩攪拌した。この溶液を、水およびブラインで連続的に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の15%EtOAc)にかけると、14.06gの3−ブロモ−4−(ジメチルアミノ)ベンズアルデヒドを得た(92%)。
f.3−(3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−4−ジメチルアミノベンズアルデヒド。
ジメチルエチレングリコール30mLおよび水2.3mL中の(3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)ボロン酸(260mg、0.945mmol)、3−ブロモ−4−(ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド(216mg、1当量)および炭酸カリウム(520mg、4当量)の脱気混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)55mg(0.05当量)を加え、その反応物を、24時間にわたって、還流状態まで加熱した。この混合物を水とEtOAcとの間で分配し、その有機相を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。その残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc 95:5)で精製して、187mgの生成物3−(3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−4−ジメチルアミノベンズアルデヒドを得た(52%)。
Figure 2005513026
実施例11:ロダニン−3−酢酸ライブラリ手順
上記実施例で列挙した化合物を、化合物の混合物としてではなく、伝統的な様式で合成した。化合物のライブラリを合成する際に使用した構築ブロックを、上記手順と類似の手順を使用して調製した。または関連した置換複素環化合物の類似のライブラリは、当業者に公知の化学反応工程または他の代替化学反応工程により、生成できる。本実施例では、ボロン酸およびベンズアルデヒド臭化物/ヨウ化物/塩化物またはトリフレートは、本発明の化合物の組合せライブラリの合成中に使用した各個のコードに沿って、以下で示す:
ボロン酸:
Figure 2005513026
ベンズアルデヒド:
臭化物/ヨウ化物/塩化物:
Figure 2005513026
Figure 2005513026
トリフレート:
Figure 2005513026
N−置換複素環:
Figure 2005513026
1)スズキカップリング工程
ボロン酸0.225mmol、アルデヒド(0.150mmol)およびKCO(62.2mg、0.450mmol)のトルエン1.0mLおよびエタノール−水(1.2:1)0.5mL溶液を、グローブバッグにて、3回にわたって、アルゴンで脱気し、次いで、室温で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)11.8mg(0.010mmol)のトルエン0.5mL溶液で処理した。次いで、その反応物を、激しく振盪または攪拌しつつ、85℃で、アルゴン雰囲気下にて、16時間加熱した。その反応物を室温まで冷却し、無水NaSOで乾燥し、そして短シリカゲルカラム(直径1cmおよび長さ3cm)で精製した。このカラムをトルエン2mLおよびヘキサン中の60%EtOAc(3mL)で連続的に溶出した。合わせた溶離液を減圧下にて濃縮して、比較的純粋な所望生成物を得、これを、次の工程で直接使用した。
2)クネベナーゲル縮合工程
このスズキ工程から得たカップリング生成物をトルエン1.5mLに溶解し、反応バイアルに、約0.5mLを加えた。この反応バイアルをロダミン−3−酢酸(C1)8.6mg(0.045mmol)で処理し、そして酢酸ピペリジニウム0.005mmolまたは酢酸アンモニウム0.15mmolで処理した。得られた反応混合物を、80℃で、3時間加熱し、そして室温まで冷却して、懸濁液を形成した。冷却すると沈殿した固形物は、典型的には、非常に純度が高い所望生成物であった。比較的に純度が低い油性生成物は、クロマトグラフィーにより、さらに精製できた。
3)ライブラリの品質管理
QCで使用した質量スペクトル分析条件:
フローインジェクション分析(FIA)質量スペクトル
期間:1分間
イオン化:含気性(N)に補助したエレクトロスプレー
極性:負
移動相:メタノール、HPLC等級
流速:300μL/分
注入容量:10μl
QCで使用したHPLC分析条件:
HPLCシステム:Shimazu VPシリーズ
カラム:C−18
移動相:HO/CHCN/ギ酸(15%〜100%のCHCN勾配)
検出器:ELSD
実行時間:3.5〜4.5分間
これらの化合物の捕捉で使用した品質管理データの例は、以下で示す:
Figure 2005513026
Figure 2005513026
スクリーニング:
本明細書中に記載される様式で調製された化合物は、脂質代謝についてスクリーニングされ得る(例えば、実施例12に示されるような高コレステロールアテローム発生性食餌で維持したSprague Dawleyラットにおける脂質代謝、またはインビトロアッセイ(例えば、実施例14に示されるPPARγアゴニストロシグリタゾン(BRL49653)により誘導される脂肪細胞の分化を阻害する化合物の能力、または実施例13に示されるような、脂質または炭水化物の取り込み、合成、もしくは代謝を調節する核レセプターを阻害する化合物の能力を測定するためのアッセイにおいて)か、または化合物は、上記の全てを用いてスクリーニングされ得る。化合物はまた、抗癌性(例えば、実施例16に示されるようなAKT活性の阻害、または実施例15に示されるような化合物の存在下で処理された癌細胞株における細胞増殖の阻害)についてスクリーニングされ得る。
(実施例12:高コレステロールアテローム発生性食餌で維持したSprague Dawleyラットにおける高コレステロール血症の処置における化合物7の経口投与)
(方法)
(動物および飼育)
6週齢の雄Sprague Dawleyラット(HSD,Harlan)を、12時間−12時間固定の明暗サイクル下で飼育し、そして無制限の高コレステロール、アテローム発生性の食餌(#C13002,Research Diets,NJ)で維持した。
動物を、研究過程を通してこの食餌で維持した。
(投薬群および処置)
高コレステロール食で6日間維持した後、これらの動物の尾静脈から採血し(100〜200μLの全血)、総コレステロールの血清レベルを二連で測定した(Infinity Cholesterol Kit;Sigma,St.Louis,MO)。これらの初期測定に基づいて、動物を、ほぼ同じ平均血清コレステロールレベルを有する群に分類した。分類した後、これらの動物を1ケージあたり3匹で収容し、そして無制限の高コレステロール食で維持した。
(実験I:(化合物7))
処置群(n=6/群):
1)高コレステロール食コントロール(ゴマ油)
2)化合物7(20mg/kg;一日一回)
化合物7をゴマ油に混合し、3mL/kg/投薬の容量で動物に投与した。化合物7を5日間連続で毎日、経口栄養補給により投与した。
(血清測定)
化合物7の効果をモニターするために、経口処置の開始5日後に、動物の尾静脈から採血した。血清コレステロールを二連で測定した。その血液を室温で維持して凝固させ、その後、血清を分離し、総コレステロール(図1を参照のこと)、高密度リポタンパク質コレステロール(図2を参照のこと)、および低密度リポタンパク質コレステロールレベル(図3を参照のこと)についてアッセイした。化合物7は、同じアテローム発生性食で維持したコントロール動物と比較して、総血清コレステロールを有意に減少させた(ANOVA、Fisherの最小有意差試験、p≦0.01)。同様に、化合物7は、コントロールと比較して、LDLコレステロールレベルを減少させた(ANOVA、Fisherの最小有意差試験、p≦0.01)。化合物7は、コントロールと比較して、HDLコレステロールレベルを増加させた(ANOVA、Fisherの最小有意差試験、p≦0.01)。
(実施例13:インビトロトランス活性化スクリーニング)
トランス活性化アッセイのようなインビトロスクリーニングは、脂質または炭水化物の取り込み、合成、または代謝を調節する核レセプターを阻害する化合物の能力を測定するために使用され得る。本明細書中に記載されるアッセイにおいて、以下の核レセプターの活性化を阻害し得る化合物が同定され得る:LXR、PPARα、PPARγ、およびFXR。この活性は、脂質障害(例えば、高コレステロール血症および肥満)を処置するのに有用であり得る。
細胞株:Kidney Green Monkey CV−1細胞
成長培養培地:10%ウシ胎仔血清(FCS)を補充したDulbecco’s modified Eagle’s medium(DMEM)
手順:CV−1細胞を、48ウェルプレート培養プレートに、10,000細胞/ウェルの密度で、トランスフェクションの24時間前にプレーティングした。トランスフェクションの1〜3時間前に、細胞に新鮮な培地を供給した。改良したリン酸カルシウム沈降手順を、一過的なトランスフェクションのために使用した(Pfahl,Mら,1990,Methods in Enzymology 189:256)。
代表的には、40ngのレセプタープラスミドおよび20ngの各レセプター発現ベクターを、10ngのβ−ガラクトシダーゼコントロールプラスミド(pCH110,Pharmacia,Piscataway,NJ)およびBluescriptプラスミドと共に混合し、1ウェルあたり合計400ngのDNAを得た。この混合物に、1μlの2.5M CaClおよび10μlのBBS緩衝液(pH6.95)をその後添加した。次いで、この反応混合物を室温にて20分間インキュベートし、微細な沈殿物を形成させた。20μlの各反応混合物を1ウェル毎に分配し、その後、37℃、3%COにて約20時間インキュベートした。次いで、その培地を、10%チャコール処理FCSを含有するDMEM(リガンドを含むものと含まないもの)と交換した。潜在的なアンタゴニズムについて試験するために、種々の濃度の推定アンタゴニストを、1μMの特異的レセプターアゴニスト(例えば、Gal−LXRについてはT0901317(Repa J.J.ら,2000 Science 289:1524)、およびGal−PPARγについてはロシグリタゾン(BRL49653))と共に添加した。インキュベーションを、37℃で24時間、一定の6% COで継続した。その後、細胞を、Dulbeccoリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、そして50μL/ウェルの溶解緩衝液(Dual−Light System(Applied Biosystems,Bedford,Massachusetts))に溶解した。得られた細胞抽出物を、Dual−Light Systemキットの説明書に従って、ルシフェラーゼおよびβ−ガラクトシダーゼ活性についてアッセイした。
プラスミド:
レポーター:TK−(MH100)−LUC(UAS−Luc)
レセプター:Gal4キメラを用いた。Gal4は、酵母Gal4 DNA結合ドメインのC末端に融合された種々のレセプターのリガンド結合ドメインを含んだ。
BBS緩衝液:50mM N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、250mM NaCl、1.5mM NaHPO、pH6.95
図12にプロットした結果は、T0901317誘導LXR活性化およびBRL49653誘導PPARγ活性化に対する化合物8および7の阻害活性を示す。図12に実証されるように、化合物8は、PPARγについてのBRL49653の活性化活性をアンタゴナイズのみする能力を有し、一方、化合物7は、LXRおよびPPARγの両方の活性化をアンタゴナイズする能力を有する。化合物8および化合物7は、用量依存的な様式でこれらのレセプターをアンタゴナイズし、10μMで阻害値約80〜90%に達した。
(実施例14:3T3−L1分化のインビトロスクリーニング(図11を参照のこと)
マウス前脂肪細胞株3T3−L1は、脂肪細胞の分化を研究するために、広く使用されている。分化剤を用いて刺激した場合、前脂肪細胞は、代表的に、1回の細胞周期増幅を受け、次いでこれらは、増殖停止し、そしてその形態を劇的に変えて、インビトロにおける脂肪生成を密接に反映する様式で、脂質を充填されたより丸い細胞になる。この周知の分化プロセスにおいて、ペルオキシソーム前駆体活性化レセプターγ(PPARγ)およびレチノイドXレセプター(RXR)が、重要な役割を果たす。PPARγは、RXRとの必須のヘテロダイマーとして、標的遺伝子のプロモーター領域における特異的応答性配列に結合する。PPARγ/RXRヘテロダイマーの特定の場合において、両方のレセプターは、その特異的リガンドを介して活性化され得る。このような活性化の結果として、脂肪細胞特異的遺伝子は、スイッチオンされ(turn on)(C/EBPmaP2、LPL、アジプシン(adipsin)など)、そして脂肪細胞の分化が起こる。脂質の蓄積は、脂肪細胞分化の終点であるので、目的の化合物を用いる処置の際に細胞中に蓄積された脂質の定量は、この化合物が脂肪細胞分化を引き起こす能力を示す。より重要なことに、この化合物の効力も同様に、蓄積された脂質の総量に基づいて見積もられ得る。試験される化合物の各々についてのアッセイの終わりに測定される脂質の量は、本明細書中で、0.1μMの化合物73の量(これは100%とみなされる)と比較される(図11Aを参照のこと)。
Figure 2005513026
いくつかの化合物の潜在的な拮抗活性を測定する特定の場合において、推定アンタゴニストが、アゴニスト(例えば、PPARγアゴニストのBRL49635)と組み合わされる。BRL49635に応答して蓄積された脂質の量(この場合、100%とみなされる)は、拮抗活性を有する化合物によって減少される(図11Bを参照のこと)。
これらの化合物は、例えば、抗糖尿病分子および脂質代謝の調節因子として機能し得、そして(3T3−L1細胞の分化を誘導することによって)脂質含有量を増加させる能力を有し、そして/または抗糖尿病/糖質および/もしくは脂質代謝調節因子として機能し得る。他の化合物(例えば、本明細書中に記載される特定の核レセプター活性を阻害する化合物)が、例えば、PPARγアンタゴニストロジグリタゾン(rosiglitazone)(BRL49653)の存在下で誘導される3T3 L1脂肪細胞分化を阻害するその能力を測定することによって、同定され得る。このようなアンタゴニストは、抗糖尿病薬および脂質低下薬として働きそして機能し得る。
材料および方法:American Type Culture Collection(ATCC)由来のマウス胚線維芽細胞3T3−L1細胞株を、脂肪細胞分化のモデルとして使用した。
培養条件:
増殖培地(GM):DMEダルベッコ改変イーグル培地(4500mg/Lグルコース:4mM L−グルタミン;10U/ml Pen−G;10μg/mlおよび100% ウシ血清(CS)を含有する)。
分化培地(DM):DMEダルベッコ改変イーグル培地(4500mg/Lグルコース:4mM L−グルタミン;10U/ml Pen−G;10μg/mlおよび100% ウシ胎仔血清(FCS)を含有する)。細胞を、常に、10% COで維持する。
(手順)
細胞を、増殖培地中の96ウェル組織培養プレートに、3,000細胞/ウェルで播種した。
コンフルエンスに達した2日後、細胞を、異なる目的の化合物で、DM中で処理した(0日目)。薬物を、DM中で、2〜3日おきに取り換えた。この細胞の脂質含有量を、トリグリセリド(INFINITY)試薬(Quantitative アッセイ)を使用して測定することによって、分化を処理の7日後に評価した。
コントロール:コントロール細胞(ビヒクル)を含む全ての細胞を、10%の最終溶媒濃度を決して超えない同じ容量のジメチルスルホキシド(DMSO)で処理した。分化のポジティブコントロールとして、細胞を、10μgインシュリン/mlおよび2.5μMのデキサメタゾン(Ins/Dex)で処理した。
図11は、化合物71および72と組み合わせて化合物1および2で、1e−10Mから1e−5Mの範囲の濃度で処理した3T3−L1細胞の脂質含量プロフィールを示し、ここで、化合物1および2は、本発明のN−アルキル化複素環であり、化合物71および72は、類似であるが、N−アルキル化されておらず、本発明の範囲外である。
Figure 2005513026
驚くべきことに、化合物71および72は、これらの細胞において脂質蓄積を誘導しTAGA、類似のN−アルキル化化合物1および2は、図11Bに示されるように、この能力を有さなかった。さらに、化合物1および2を、図11Bに示されるように、既知のPPARγアゴニストロジグリタゾン(BRL49653)と組み合わせて試験した場合、これらは、薬物依存性様式で、ロジグリタゾンによって誘導される脂肪細胞分化を予想外に強力に阻害した。同じ現象が、化合物7および8のような他のNアルキル化化合物を用いた場合に観察された。これらの化合物7および8もまた、3T3−L1を単独で分化する能力を欠いているが、ロジグリタゾンと組み合わせると、PPARγアゴニストロジグリタゾンによって誘導される脂質蓄積を強力に阻害した。これらの結果は、複素環のNアルキル化によって生じるこれらの化合物の構造の変化が、有用かつ予想外の生物学的活性を生じることを示している。
(実施例15:抗癌活性についての化合物のインビトロスクリーニング(図13を参照のこと)
材料および方法:
本発明の化合物を、以下のヒト癌細胞株についての抗癌薬候補としてスクリーニング下:
1種の肺癌細胞株(A549);
1種の乳癌細胞株(MDA−MB−468);
1種の前立腺癌細胞株(PC−3);
1種の膵臓癌細胞株(Bx−PC3)。
全ての細胞株を、American Type Culture Collection(ATCC)から購入した。
(培養条件)
A549細胞およびMDA−MB−468を、DMEダルベッコ改変イーグル培地(4500mg/Lグルコース:4mM L−グルタミン;10U/ml Pen−Gmcg/mlおよび100% ウシ胎仔血清(FCS)を含有する)中で増殖させた。
PC−3細胞およびBX−PC3細胞を、RPMI培地1640(2Mm L−グルタミン;10U/ml Pen−G;10mcg/mlストレプトマイシン;10%FCSを含有する)中で増殖させた。
細胞を、6% COおよび37℃で維持した。
細胞密度:A549細胞およびBx−PC3細胞を、1,500細胞/ウェルで播種した;PC−3細胞を、4,000細胞/ウェルで播種し、そしてMDA−MB−468細胞を、2,500細胞/ウェルで播種した。細胞を、初めの処理の前日に、上記の培地中で、96ウェルフォーマット細胞培養プレートに播種した。
処理:薬物処理を開始する前に、細胞に、0.5% FCSを含有する培地を再補充した。番号1、2、3および7〜10を有する本発明の化合物を、ビヒクルコントロールとしてDMOSを用いて、種々の濃度で試験し(図13を参照のこと)、これらの濃度は、0.1%の最終濃度を決して超えなかった。処理を、一日おきに、合計6日間繰り返した。終点において、生存細胞(生きている細胞)の量を、標準的な比色アッセイ(MTTベース)を使用して測定し、そしてビヒクル(DMSO)のみで処理した細胞の割合(%コントロール)として計算した。
MTTアッセイ:このアッセイは、活性ミトコンドリアにおけるデヒドロゲナーゼ活性による黄色のテトラゾリウム塩MTTから紫色のホルマザンへの切断に基づく。従って、この変換は、インタクト/機能的ミトコンドリアを有する生きた細胞においてのみ生じる。形成されるホルマザン結晶を可溶化し、そして得られた有色溶液を、走査型マルチウェル分光光度計を使用して定量する。
手順:10μlの5mg/ml MTT色素を、各ウェルに添加する。細胞を、6% COおよび37℃で、さらに4時間インキュベートする。次いで、100μl/ウェルの安定化溶液(10% ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)および10mM HClを含有する)を添加することによって、反応を止める。
化合物を、最初に、3つの濃度(10、1および10μM)で試験した(時折、わずか1つの濃度(0.5μM)のみを使用した)。研究中の化合物の効力を規定するために、次いで、第2の試験を実施し、ここで、いくつかの濃度(滴定)を使用した。代表的に、化合物は、10μM以下の濃度で、細胞増殖を50%以上阻害し得る場合、強力な抗癌活性とみなされる。重要なことに、異なる癌細胞株において試験された同じ化合物は、異なる効力および/選択性を示し得た。例えば、化合物7は、10μMで、MDA−MB−468乳癌細胞の約80%を殺傷したが、研究された他の癌細胞の約50%まで変化以下しか殺傷しない(図12を参照のこと)。別の例は化合物9であり、これは、PC−3前立腺細胞眼に対して非常に強力な抗癌効果を有するが、その効果は、他の細胞株に対しては目立たない。
(実施例16:AKT1/PKBαキナーゼ活性阻害についてのインビトロアッセイ)
このアッセイを、Standaert,Mary L.ら,Biol.Chem.1999,274,25308−25316;およびM.J.ら,J.Biol.Chem.1998,273,33922−33928に記載されるアプローチと類似のアプローチを使用して実施した。このアッセイを、精製組換えHisタグ化AKT1/PKBα酵素(Usptateカタログ番号14−276から購入)を使用して、製造者の指示書に従って実施した。このアッセイは、精製Hisタグ化AKT1/PKBαにおけるホスホトランスフェラーゼ活性を測定することである。この精製酵素を使用して、[γ−32P]−ATPのγホスフェートを特異的基質のAKT/GSKペプチド[RPRAATA](アップステートカタログ番号12−340)に転移させる。次いで、このホスホリル化基質を、P81ホスホセルロース紙を使用して、広範に洗浄しながら、残りの[γ−32P]ATPから分離し、続いてシンチレーションカウンターによって定量する。このアッセイは、30分までインキュベーション時間に対して線形であり、そして全ATPの20%までの取込みに対して線形である。この酵素アッセイは、迅速であり、簡便であり、かつAKT/PKBに対して特異的である。
AKTキナーゼ活性に対する化合物1の効果を試験するために、0.3μgのAKTを、1μlの異なる化合物2のストック濃度と共にプレインキュベートして、20μlの反応緩衝液の全容量中の特定の最終濃度を得た。コントロールとして、0.3μgのAKTを、1μlのビヒクルとインキュベートするか、または単独で、20μlの反応緩衝液の全容量中でインキュベートした。30℃で10分間のインキュベートの後、キナーゼ反応を、製造者の指示書に従って実施した。
図5に示されるように、ビヒクルと共にAKTをプレインキュベートすることは、キナーゼ活性に影響を与えなかった。なぜなら、そのホスホトランスフェラーゼ活性は、酵素が単独でアッセイされた場合、等しいからである。5μMの試験化合物(化合物2、3、10および67)とのAKTのプレインキュベートは、コントロールまたはビヒクルと比較して、AKT活性の阻害を示した(図5)
実施例17:本発明のラクタム化合物(例えば、以下で図示する3−メチル−5−[3−(1,4,4,6−テトラメチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンジリデン]−チアゾリジン−2,4−ジオンであって、ここで、Rは、メチル基である)は、以下で説明するようにして、調製できる。
Figure 2005513026
トルエン(80mL)、ピペリジン(380μL)、酢酸(380μL)、3−(1,4,4,6−テトラメチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアルデヒド(7.5g、19.16mmol)および3−アルキル−チアゾリジン−2,4−ジオン(例えば、3−メチル−チアゾリジン−2,4−ジオン)(19.16mmol)の混合物を、還流状態で、一晩加熱する。その反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、そして水およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥する。その残留物を再結晶して、3−メチル−5−[3−(1,4,4,6−テトラメチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−7−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンジリデン]−チアゾリジン−2,4−ジオンを得る。
中間体3−(1,4,4,6−テトラメチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアルデヒドを、以下のようにして、調製した:
a.3−(1,4,4,6−テトラメチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−7−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアルデヒド。
トルエン(35mL)、エタノール(11.8mL)および水(7.3mL)中の3−ホルミル−6−トリフルオロメトキシ−1−フェニルボロン酸(3.14g、13.42mmol)、7−ブロモ−1,4,4,6−テトラメチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン(3.15g、11.19mmol)および炭酸カリウム(3.1g、22.38mmol)の混合物を、15分間にわたって、アルゴンで脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.259g、0.02mmol)を加え、この混合物を、還流状態で、アルゴン下にて、一晩加熱した。その溶液を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、そして水およびブラインで連続的に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。その残留物をシリカゲル(ヘキサン中の20〜30%酢酸エチル)で精製して、2.34gの3−(1,4,4,6−テトラメチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−7−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアルデヒドを得た(54%)。
Figure 2005513026
b.3−ホルミル−6−トリフルオロメチル−1−フェニルボロン酸。
THF(70mL)(これは、アルゴン雰囲気下にて、−78℃まで冷却した)中の2−(3−ブロモ−4−トリフルオロメトキシ−1−フェニル)−1,3−ジオキソラン(7.20g、22.9mmol)の混合物に、n−BuLi(13.8mL、2.5M、34.4mmol)を滴下した。得られた懸濁液を5分間攪拌し、そしてシリンジを介して、ホウ酸トリイソプロピル(15.9mL、68.7mmol)を滴下した。この混合物を、−50℃で、2時間攪拌し、次いで、室温まで温め、そして室温で、一晩攪拌した。その反応混合物に、1.0N HCl(50mL)をゆっくりと加えた。3時間後、この混合物を酢酸エチルで希釈し、そして層分離し、その水層を酢酸エチルで1回抽出し、2層の有機層を合わせた。得られた有機層を、水、ブラインで洗浄し、そして乾燥した(MgSO)。この混合物を濾過し、蒸発させ、その残留物をヘキサン中で攪拌した。得られた白色懸濁液を濾過し、その白色固形物を高真空下で乾燥して、3.00gの3−ホルミル−6−トリフルオロメトキシ−1−フェニルボロン酸を得た(56%)。
Figure 2005513026
c.2−(3−ブロモ−4−トリフルオロメトキシ−1−フェニル)−1,3−ジオキソラン
3−ブロモ−4−トリフルオロメトキシベンズアルデヒド(20g、74.0mmol)のトルエン(200mL)溶液に、エチレングリコール(82.6mL、1.48mol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.84g、4.44mmol)を加えた。その反応混合物を、還流状態で、一晩加熱し、ディーン−スタークトラップを使用して、水を除去した。その溶液を室温まで冷却し、炭酸カリウム水溶液(10%)に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。その有機層を水、ブラインで洗浄し、そして乾燥した(MgSO)。その残留物をシリカゲル(溶離液:ヘキサン中の10%酢酸エチル)で精製して、15.4gの2−(3−ブロモ−4−トリフルオロメトキシ)−1,3−ジオキソランを得た(66%)。
Figure 2005513026
d.7−ブロモ−1,4,4,6−テトラメチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン
DMSO(150mL)のKOH(14.06g、0.250mol)の混合物を、0℃で、10分間攪拌した。7−ブロモ−4,4,6−トリメチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン(33.59g、0.125mol)を慎重に加え、続いて、直ちに、ヨウ化メチル(39mL、0.625mol)を加えた。その反応混合物を、0℃で、30分間保持し、次いで、ゆっくりと室温まで温め、そして室温で、一晩攪拌した。この反応混合物を水に注ぎ、そしてジクロロメタンで抽出し、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして蒸発させて、35.74gの7−ブロモ−1,4,4,6−テトラメチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン(99%)を得、さらに精製することなく、スズキカップリングで使用した(工程a)。
Figure 2005513026
e.7−ブロモ−4,4,6−トリメチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン
3−メチル−ブト−2−エノン酸(3−ブロモ−4−メチル−フェニル)−アミド(70.0g、261mmol)の溶液に、90℃で、アルゴン下にて、激しく攪拌しつつ、1.5時間にわたって、塩化アルミニウム(52.3g、391mmol)を少しずつ加えた。その反応混合物を、110〜120℃で、2時間攪拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、そして氷水を慎重に加えた。この溶液をジクロロメタンで抽出し、その有機物を2N HCl、NaHCO飽和水溶液、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。その残留物をジクロロメタン/ヘキサンから結晶化して、46gの7−ブロモ−4,4,6−トリメチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンを得た。その母液を、さらに、シリカゲル(ヘキサン中の20%酢酸エチル)でクロマトグラフィーにかけて、さらに6.2gの生成物(75%)を得た。
Figure 2005513026
f.3−メチル−ブト−2−エノン酸(3−ブロモ−4−メチル−フェニル)−アミド
3−ブロモ−4−メチルアニリン(50g、0.269mol)、10%NaOH(270mL)およびジクロロメタン(160mL)の二相混合物に、2時間にわたって、ジクロロメタン(95mL)中の3,3−ジメチルアクリロイルクロライド(36mL、0.322mol)を滴下した。その溶液を、室温で、48時間攪拌し、次いで、水(100mL)で希釈した。その水層を、さらに、ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、そして水およびブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。その白色固形物をヘキサンで倍散し、そして集めて、70g(97%)の3−メチル−ブト−2−エノン酸(3−ブロモ−4−メチル−フェニル)−アミドを得た。
Figure 2005513026
g.3−ブロモ−4−メチルアニリン
2−ブロモ−4−ニトロトルエン(50g、0.231mol)の酢酸エチル(330mL)およびエタノール(150mL)溶液に、塩化スズ(II)二水和物(208g、0.924mol)を少しずつ加えた。その反応混合物を、室温で、一晩攪拌した。この溶液を、次いで、pH=7になるまで炭酸カリウムで処理し、そしてセリットで濾過した。その濾液を水、NaHCO水溶液、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして蒸発させて、42.71g(100%)の3−ブロモ−4−メチルアニリンを得た。
Figure 2005513026
実施例18:
5−[3−(1−エチル−4,4,6−トリメチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−7−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンジリデン]−3−メチル−チアゾリジン−2,4−ジオンを、R2がメチルである場合に以下で示すように、特定のラクタム官能性を含むアルデヒド中間体として3−(1−エチル−4,4,6−トリメチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−7−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアルデヒドを使用して、実施例1と類似の様式で、調製できる。
Figure 2005513026
中間体3−(1−エチル−4,4,6−トリメチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−7−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアルデヒドは、以下のようにして、調製した:
a.3−(1−エチル−4,4,6−トリメチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−7−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアルデヒド
トルエン(80mL)、エタノール(16mL)および水(12mL)中の3−ホルミル−6−トリフルオロメトキシ−1−フェニルボロン酸(実施例1b)(8.2g、34.84mmol)、7−ブロモ−1−エチル−4,4,6−トリメチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン(8.6g、29.03mmol)および炭酸カリウム(8g、58.06mmol)の混合物に、30分間にわたって、アルゴンで脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.34g、0.04mmol)を加え、その混合物を、還流状態で、アルゴン下にて、48時間加熱した。その溶液を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、そして水およびブラインで連続的に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、そして蒸発させた。その残留物をシリカゲル(ヘキサン中の30%酢酸エチル)で精製して、6.66gの3−(1−エチル−4,4,6−トリメチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−7−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアルデヒドを得た(57%)。
Figure 2005513026
b.7−ブロモ−1−エチル−4,4,6−トリメチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン
DMSO(40mL)中の粉末化水酸化カリウム(3.35g、59.67mmol)の混合物を、0℃で、10分間攪拌した。7−ブロモ−4,4,6−トリメチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン(実施例1e)(8.0g、29.83mmol)を慎重に加え、続いて、直ちに、ヨウ化エチル(12mL、149.17mmol)を加えた。その反応混合物を、0℃で、30分間保持し、次いで、ゆっくりと室温まで温め、そして室温で、一晩攪拌した。この反応混合物を水に注ぎ、そしてジクロロメタンで抽出し、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして蒸発させて、8.8gの7−ブロモ−1,4,4,6−テトラメチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンを得、さらに精製することなく、スズキカップリング(工程a)で使用した。
Figure 2005513026
実施例19:以下で示すような6−[2−ジメチルアミノ−5−(3−アルキル−2,4−ジオキソ−チアゾリジン−5−イリデンメチル)−フェニル]−1,4,7−トリメチル−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオン(例えば、6−[2−ジメチルアミノ−5−(3−メチル−2,4−ジオキソ−チアゾリジン−5−イリデンメチル)−フェニル]−1,4,7−トリメチル−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオンであって、ここで、Rは、メチルである)は、中間体として、4−ジメチルアミノ−3−(1,4,7−トリメチル−2,3−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノキサリン−6−イル)−ベンズアルデヒドを使用して、実施例1と類似の様式で、調製できる。
Figure 2005513026
中間体4−ジメチルアミノ−3−(1,4,7−トリメチル−2,3−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノキサリン−6−イル)−ベンズアルデヒドは、6−ジメチルアミノ−3−ホルミル−1−フェニルボロン酸(実施例3b)および6−ブロモ−1,4,7−トリメチル−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオンを使用して、実施例3aと類似の様式で、調製した(18%)。
Figure 2005513026
a.6−ブロモ−1,4,7−トリメチル−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオン
1,4,6−トリメチル−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオン(0.66g、3.2mmol)の酢酸(40mL)溶液に、臭素(0.52g、3.2mmol)を加え、その溶液を、50℃で、一晩攪拌した。
その反応混合物を室温まで冷却し、そして水に注いだ。この溶液をNaOH水溶液でpH=7に中和し、ジクロロメタンで抽出し、そしてブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして蒸発させて、0.9gの6−ブロモ−1,4,7−トリメチル−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオンを得、これを、さらに精製することなく、スズキカップリング(工程a)で使用した。
Figure 2005513026
b.1,4,6−トリメチル−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオン
6−メチル−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオン(5.3g、30mmol)のTHF(150mL)溶液に、0℃で、アルゴン下にて、水素化ナトリウム(3.68g、鉱油中で80%、120mmol)を加え、続いて、ヨウ化メチル(7.5mL、120mmol)を加えた。その溶液を、0℃で、3時間攪拌し、そして室温で、一晩攪拌した。その反応混合物を0℃まで冷却し、そして1N HClで酸性化した。この溶液をジクロロメタンで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。その残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の10〜25%のアセトニトリル)にかけて、1.1gの1,4,6−トリメチル−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオンを得た(18%)。
Figure 2005513026
c.6−メチル−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオン
3,4−ジアミノトルエン(24.4g、0.2mmol)を2N HCl(300mL)に溶解し、シュウ酸二水和物(27.7g、0.22mmol)を加え、その混合物を、還流状態で、3.5時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、濾過し、水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして蒸発させて、34gの6−メチル−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオンを得た(96%)。
Figure 2005513026
実施例20:以下で示すような5−[3−(1−ベンジル−3,3,5−トリメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンジリデン]−3−アルキル−チアゾリジン−2,4−ジオン(例えば、5−[3−(1−ベンジル−3,3,5−トリメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンジリデン]−3−メチル−チアゾリジン−2,4−ジオンであって、ここで、Rは、メチルである)は、中間体として、3−(1−ベンジル−3,3,5−トリメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアルデヒドを使用して、実施例1と類似の様式で、調製できる。
Figure 2005513026
a.3−(1−ベンジル−3,3,5−トリメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアルデヒド
3−ホルミル−6−トリフルオロメトキシ−1−フェニルボロン酸(実施例1b)およびトリフルオロ−メタンスルホン酸1−ベンジル−3,3,5−トリメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イルエステルを使用して、実施例1aと類似の様式で、中間体3−(1−ベンジル−3,3,5−トリメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアルデヒドを調製した。収率27%。
Figure 2005513026
b.トリフルオロ−メタンスルホン酸1−ベンジル−3,3,5−トリメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イルエステル
1−ベンジル−6−ヒドロキシ−3,3,5−トリメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(1.85g、6.60mmol)の無水ジクロロメタン(30mL)溶液に、アルゴン下にて、0℃で、ピリジン(0.64mL、7.92mmol)をゆっくりと加え、続いて、無水トリフリック酸(1.33mL、7.92mmol)を加えた。その反応物を室温まで温め、そして一晩攪拌した。その混合物を、水、1N HCl、水、NaHCO飽和水溶液、水およびブラインで連続的に洗浄した。その有機抽出物をMgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、2.6gのトリフルオロ−メタンスルホン酸1−ベンジル−3,3,5−トリメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イルエステルを得た(収率95%)。
Figure 2005513026
c.1−ベンジル−6−ヒドロキシ−3,3,5−トリメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
1−ベンジル−6−メトキシ−3,3,5−トリメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(1.52g、5.15mmol)の無水ジクロロメタン(50mL)溶液に、アルゴン下にて、−78℃で、BBr(0.87mL、9.27mmol)をゆっくりと加えた。その反応物を−20℃まで温め、そして室温で、一晩攪拌した。水を加えて層分離した。その水層をNaHCOで中和し、そしてジクロロメタンで抽出した。合わせた有機抽出物を、NaHCO水溶液、水およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、1−ベンジル−6−ヒドロキシ−3,3,5−トリメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンを得た(収率93%)。
Figure 2005513026
d.1−ベンジル−6−メトキシ−3,3,5−トリメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
N−ベンジル−N−(2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル)−イソブチルアミド(4.35g、11.56mmol)の1,4−ジオキサン(115mL)溶液に、ナトリウム第三級ブトキシド(1.66g、17.34mmol)を加えた。その混合物を、アルゴン下にて、30分間脱気し、次いで、酢酸パラジウム(II)(130mg、0.58mmol)およびトリシクロヘキシルホスフィン(162mg、0.58mmol)を加え、この混合物を、一晩還流した。塩化アンモニア飽和水溶液を加え、その溶液を酢酸エチルで抽出した。その有機抽出物を、水およびブラインで連続的に洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。その残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%酢酸エチル)にかけて、1.94gの1−ベンジル−6−メトキシ−3,3,5−トリメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンを得た(収率57%)。
Figure 2005513026
e.N−ベンジル−N−(2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル)−イソブチルアミド
DMSO(25mL)中の粉末化KOH(1.3g、23.13mmol)の混合物を、0℃で、5分間攪拌した。N−(2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル)−イソブチルアミド(3.30g、11.56mmol)を慎重に加え、続いて、直ちに、臭化ベンジル(2.75mL、23.13mmol)を加え、その反応物を、室温で、48時間攪拌した。水を加え、その混合物を酢酸エチルで抽出した。その有機抽出物を、水およびブラインで連続的に洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。その残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%酢酸エチル)にかけて、4.3gのN−ベンジル−N−(2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル)−イソブチルアミドを得た(収率99%)。
Figure 2005513026
f.N−(2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル)−イソブチルアミド
2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−アニリン(5.6g、25.96mmol)、10%KOH(27mL)およびジクロロメタン(30mL)の二相混合物に、ジクロロメタン(10mL)中の塩化イソブチリル(3mL、28.55mmol)を滴下した。その反応混合物を、室温で、48時間攪拌した。層分離した。その水層を、さらに、ジクロロメタンで抽出し、合わせた有機物を、水およびブラインで連続的に洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、そして蒸発させて、7.38gのN−(2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル)−イソブチルアミドを得た(収率99%)。
Figure 2005513026
g.2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−アニリン
3−メトキシ−4−メチル−アニリン(8.19g、59.71mmol)のジクロロメタン(200mL)溶液に、三臭化テトラブチルアンモニウム(28.79g、59.71mmol)を加え、その反応混合物を、室温で、2.5時間攪拌した。NaHCO水溶液を加え、そして層分離した。その水層を、さらに、ジクロロメタンで抽出し、合わせた有機物を、水およびブラインで連続的に洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。その残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%酢酸エチル)にかけて、11.05gの2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−アニリンを得た(収率85%)。
Figure 2005513026
h.3−メトキシ−4−メチル−アニリン
酢酸エチル(200mL)およびエタノール(70mL)の混合物中の2−メチル−5−ニトロアニソール(11.56g、69.2mmol)の溶液に、塩化スズ(II)二水和物(109g、0.483mol)を少しずつ加え、その混合物を、室温で、一晩攪拌した。この反応混合物をKCO水溶液で塩基化し、そしてセリットで濾過した。層分離した。その水層を、さらに、酢酸エチルで抽出し、合わせた有機物を、水およびブラインで連続的に洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、8.02gの3−メトキシ−4−メチル−アニリンを得た(収率86%)。
Figure 2005513026
実施例21:5−[3−(5−イソブチル−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンジリデン]−3−置換−チアゾリジン−2,4−ジオン
Figure 2005513026
上で示した式の化合物(これは、そのチアゾリジン−2,4−ジオンラジカルの窒素原子で、R置換基を有する)は、以下のようにして、調製できる。
トルエン(35mL)、ピペリジン(145μL)、酢酸(145μL)、3−(5−イソブチル−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアルデヒド(5.7g、14.53mmol)および3−置換2,4−チアゾリジンジオン(14.53mmol)の混合物を、還流状態で、20時間加熱する。その反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させる。その残留物は、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜20%酢酸エチル)にかけるか、および/またはさらに再結晶できる。中間体3−(5−イソブチル−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアルデヒドは、以下のようにして調製した:
a.3−(5−イソブチル−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアルデヒド
トルエン(39mL)、エタノール(7.5mL)および水(2.5mL)中の3−ブロモ−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアルデヒド(4.24g、15.75mmol)、5−イソブチル−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−ボロン酸(4.3g、17.33mmol)および炭酸カリウム(4.35g、31.5mmol)の混合物を、15分間にわたって、アルゴンで脱気した。
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.728g、0.63mmol)を加え、その混合物を、還流状態で、アルゴン下にて、20時間加熱した。その溶液を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、そして水およびブラインで連続的に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。その残留物をシリカゲル(ヘキサン中の0〜5%酢酸エチル)で精製して、5.76gの3−(5−イソブチル−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンズアルデヒドを得た(93%)。
Figure 2005513026
b.5−イソブチル−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−ボロン酸
THF(50mL)(これは、アルゴン雰囲気下にて、−78℃まで冷却した)中の7−ブロモ−5−イソブチル−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン(9.9g、34.96mmol)の混合物に、n−BuLi(25.17mL、2.5M、62.93mmol)を滴下した。その反応混合物を5分間攪拌し、そしてホウ酸トリイソプロピル(24.2mL、104.87mmol)を滴下した。この混合物を、−50℃で、2時間攪拌し、次いで、室温まで温め、そして室温で、一晩攪拌した。その反応混合物に、1.0N HCl(100mL)をゆっくりと加えた。1時間後、この混合物を酢酸エチルで希釈し、そして層分離した。その有機層を、さらに、水、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜20%酢酸エチル)にかけて、4.3gの5−イソブチル−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−ボロン酸を得た(46%)。
Figure 2005513026
c.7−ブロモ−5−イソブチル−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン
5−イソブチル−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン(1.59g、7.78mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液に、三臭化ピリジン(2.49g、7.78mmol)を加え、その反応混合物を、室温で、一晩攪拌した。その溶液を、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。その残渣をシリカゲル(ヘキサン中の0%〜2%酢酸エチル)で精製して、1.51gの7−ブロモ−5−イソブチル−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフランを得た(68%)。
Figure 2005513026
d.5−イソブチル−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン
1−(3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール(1.97g、8.93mmol)の無水ジクロロメタン(40mL)冷溶液(0℃)に、トリメチルシラン(2.85mL、17.86mmol)を加えた。10分後、トリフルオロ酢酸を加え、その反応混合物を、0℃で、30分間攪拌した。この反応混合物に水を注ぎ、そして層分離した。その有機層を、さらに、水、NaHCO水溶液およびブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。その残渣をシリカゲル(ヘキサン中の0%〜5%酢酸エチル)で精製して、1.6gの5−イソブチル−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフランを得た(87%)。
Figure 2005513026
e.1−(3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール
5−ブロモ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン(2.03g、8.93mmol)の無水THF(10mL)溶液に、−78℃で、アルゴン下にて、n−BuLi(ヘキサン中で1.6M、13.4mmol、8.38mL)を滴下した。その混合物を5分間攪拌し、次いで、イソブチルアルデヒド(1.22mL、8.38mmol)を加え、この混合物を室温までゆっくりと温め、そして室温で、一晩攪拌した。塩化アンモニウム水溶液を加え、その溶液を酢酸エチルで抽出し、その有機抽出物を乾燥し(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。その残渣をシリカゲル(ヘキサン中の0%〜20%酢酸エチル)で精製して、1.97gの1−(3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル)−2−メチル−プロパン−1−オールを得た(100%)。
Figure 2005513026
f.5−ブロモ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン
4−ブロモ−2−(2−クロロ−1,1−ジメチル−エチル)−1−メトキシ−ベンゼン(65g、0.234mol)、ピリジン塩酸塩(121.8g、1.054mol)およびキノリン(110.67mL、0.936mol)の混合物を、164℃−167℃で、アルゴン下にて、5時間還流した。室温まで冷却した後、その反応混合物を氷冷6N HClで処理し、そしてエーテルで2回抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。その残渣をシリカゲル(ヘキサン中の10%酢酸エチル)で精製して、52gの5−ブロモ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフランを得た(98%)。
Figure 2005513026
g.4−ブロモ−(2−クロロ−1,1−ジメチル−エチル)−1−メトキシ−ベンゼン
4−ブロモアニソール(14.6mL、0.117mol)に、アルゴン下にて、硫酸(2mL、0.033mol)を滴下した。その混合物を40〜43℃(温水浴)まで温め、そして2時間にわたって、4個の均等部分で、3−クロロ−2−メチルプロペンを滴下した。40〜43℃で2時間後、その溶液をジクロロメタンで希釈し、そして水、NaHCO飽和水溶液、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。その残渣をヘキサンから結晶化して、14.1gの4−ブロモ−(2−クロロ−1,1−ジメチル−エチル)−1−メトキシ−ベンゼンを得た。その母液を、シリカゲル(ヘキサン中の10%酢酸エチル)でさらに精製して、4.8gの追加生成物を得た。収率58%。
Figure 2005513026
実施例22:3,3−ジメチル−7−[5−(3−置換−2,4−ジオキソ−チアゾリジン−5−イリデンメチル)−2−トリフルオロメトキシ−フェニル]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−カルボン酸ジメチルアミドは、中間体として7−[5−ホルミル−2−トリフルオロメトキシ−フェニル]−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−カルボン酸ジメチルアミドを使用して、実施例19と類似の様式で、調製できる。
Figure 2005513026
中間体7−[5−ホルミル−2−トリフルオロメトキシ−フェニル]−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−カルボン酸ジメチルアミドを、以下のようにして調製した:
a.7−[5−ホルミル−2−トリフルオロメトキシ−フェニル]−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−カルボン酸ジメチルアミド
7−ブロモ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−カルボン酸ジメチルアミド(437mg、1.46mmol)のジオキサン(4mL)溶液に、アルゴン下にて、トリエチルアミン(0.82mL、5.86mmol)、Pd(OAc)(16mg、0.07mmol)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ジフェニル(103mg、0.29mmol)およびピナコールボラン(0.64mL、4.40mmol)を滴下した。その混合物を、80℃で、アルゴン下にて、2時間加熱し、次いで、室温まで冷却した。水(0.5mL)を滴下し、次いで、Ba(OH)・8HO(1.38g、4.40mmol)に続いて、3−ブロモ−4−トリフルオロメトキシベンズアルデヒド(473mg、1.76mmol)(これは、ジオキサン(1.2mL)に溶解した)を滴下した。この混合物を4時間還流し、次いで、室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、そしてセライトで濾過した。その溶液を、さらに、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。その残渣をシリカゲル(ジクロロメタン中の5%メタノール)で精製して、264mgの7−[5−ホルミル−2−トリフルオロメトキシ−フェニル]−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−カルボン酸ジメチルアミド(これは、H NMRにより決定されるように、50%の3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−カルボン酸ジメチルアミドを含有する)を得、これを、次の工程で使用した。
b.7−ブロモ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−カルボン酸ジメチルアミド
7−ブロモ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−カルボン酸(実施例3b)およびジメチルアミン塩酸塩を使用して、実施例3aと類似の様式で、調製した。収率45%。
Figure 2005513026
本発明の範囲および精神を逸脱することなく、本発明において、種々の改良および変更を行うことができることは、当業者に明らかである。本発明の他の実施形態は、本明細書および本明細書中で開示された発明の実施の要件から、当業者に明らかとなる。本明細書および実施例は、代表的なものと見なされるにすぎず、本発明の真の範囲および精神は、上記請求の範囲で示されると解釈される。
図1は、化合物7で治療した後にアテローム生成的な食餌で維持したHSDラットの全コレステロールレベルを示す。 図2は、化合物7で治療した後にアテローム生成的な食餌で維持したHSDラットのHDLコレステロールレベルを示す。 図3は、化合物7で治療した後にアテローム生成的な食餌で維持したHSDラットのLDLコレステロールレベルを示す。 図4は、本明細書中で開示された化合物の合成方法の代表的な例を示す。 図5は、本発明の化合物で治療した後のAKT/PKBキナーゼ活性の阻害を示す。 図6は、本明細書中で開示された特定のアミド化合物の合成前駆体を合成する方法を示す。 図7は、本明細書中で開示された特定のエーテル化合物の合成前駆体を合成する方法を示す。 図8は、本明細書中で開示された特定のチオエーテル化合物の合成前駆体を合成する方法を示す。 図9は、本明細書中で開示された特定のアミン化合物の合成前駆体を合成する方法を示す。 図10は、本明細書中で開示された特定の置換芳香族化合物の合成前駆体を合成する方法を示す。 図11は、3T3−L1細胞を本発明の化合物単独またはロジグリタゾン(BRL49653)の存在下で治療したときに示される脂肪細胞分化のプロフィールを示す。 図12は、本発明の化合物のPPARγのLXRおよびBRL49653依存性活性化のT0901317依存性活性化の拮抗を示す。 図13は、乳癌(MDA−MB−468)、前立腺癌(PC−3)、膵癌(Bx−PC3)および非小細胞肺癌(A549)の細胞についてのヒト細胞培養物に関する本発明の化合物の活性の試験結果を示す。

Claims (50)

  1. 次式を有する化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩であって:
    Figure 2005513026
    ここで、
    a)「−−−−」は、存在しているか、または存在せず;
    b)Arは、6個〜25個の炭素原子を有し、そして次式を有し:
    Figure 2005513026
    ここで、RおよびRは、芳香環と一緒になって、5員、6員または7員の非芳香環を形成し、該非芳香環は、必要に応じて、1個または2個の環ヘテロ原子を含み得、該環ヘテロ原子は、独立して、O、S、NおよびNRから選択され、ここで、Rは、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノまたは有機基であり、該有機基は、1個〜12個の炭素原子を含み;ここで、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アミノ、一置換アミノ、または二置換アミノから選択され;
    c)Arは、4個〜20個の炭素原子およびアリール環またはヘテロアリール環を含み;そして
    d)Rは、水素、または置換または非置換有機基であって、該置換または非置換有機基は、1個〜4個の炭素原子を含み;
    e)Rは、置換または非置換有機基であって、該置換または非置換有機基は、1個〜12個の炭素原子を含み;
    f)Wは、−S−、−O−または−N−Rであり、ここで、Rは、水素、置換または非置換基であって、該置換または非置換基は、1個〜12個の炭素原子を含み;そして
    g)Xは、OまたはSである、
    化合物。
  2. が、アルキルまたは置換アルキル基である、請求項1に記載の化合物。
  3. が、−CHCOH基である、請求項1に記載の化合物。
  4. 「−−−−」が、存在している、請求項1に記載の化合物。
  5. が、水素である、請求項1に記載の化合物。
  6. が、水素である、請求項1に記載の化合物。
  7. が、水素である、請求項1に記載の化合物。
  8. Wが、−S−である、請求項1に記載の化合物。
  9. Xが、−O−または−S−である、請求項1に記載の化合物。
  10. Xが、−O−である、請求項1に記載の化合物。
  11. Wが、−S−であり、そしてXが、−O−である、請求項1に記載の化合物。
  12. Wが、−S−であり、そしてXが、−S−である、請求項1に記載の化合物。
  13. およびRが、該芳香環と一緒になって、シクロアルキル環または置換シクロアルキル環を形成し、該シクロアルキル環または置換シクロアルキル環が、1個〜4個の置換基を有し、該置換基が、独立して、無機基および有機基から選択され、該無機基が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノから選択され、そして該有機基が、1個〜4個の炭素原子を含有し、そして独立して、アルキル、置換アルキル、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、一置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミドまたはジアルキルカルボキサミド基から選択される、請求項1に記載の化合物。
  14. 前記シクロアルキル環または置換シクロアルキル環が、前記芳香環と一緒になって、以下の構造を有する縮合環を形成する、請求項13に記載の化合物:
    Figure 2005513026
  15. 前記シクロアルキル環または置換シクロアルキル環が、1個、2個または3個のヘテロ原子またはヘテロ原子基を含み、該ヘテロ原子またはヘテロ原子基が、O、S、SO、SOおよびNを包み得、ここで、Nが、必要に応じて、さらに、水素、アルキルまたは置換アルキル基で置換されており、該置換アルキル基が、1個〜10個の炭素原子を含む、請求項13に記載の化合物。
  16. Arが、以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物:
    Figure 2005513026
    Figure 2005513026
  17. およびRが、該芳香環と一緒になって、シクロアルケニル環または置換シクロアルケニル環を形成し、該シクロアルケニル環または置換シクロアルケニル環が、1個〜4個の置換基を有し、該置換基が、独立して、無機基および有機基から選択され、該無機基が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノから選択され、そして該有機基が、1個〜4個の炭素原子を含有し、そして独立して、アルキル、置換アルキル、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、一置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミドまたはジアルキルカルボキサミド基から選択される、請求項1に記載の化合物。
  18. Arが、アリール環であり、該アリール環が、必要に応じて、1個、2個または3個の置換基で置換されており、該置換基が、独立して、無機基および有機基から選択され、該無機基が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノから選択され、そして該有機基が、1個〜4個の炭素原子を含有し、そして独立して、アルキル、置換アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、一置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミドまたはジアルキルカルボキサミド基から選択される、請求項1に記載の化合物。
  19. Arが、以下の構造を有し、
    Figure 2005513026
    15、R16およびR17が、独立して、無機基および有機基から選択され、該無機基が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノから選択され、そして該有機基が、1個〜4個の炭素原子を含有し、そして独立して、アルキル、置換アルキル、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、一置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミドまたはジアルキルカルボキサミド基から選択される、請求項1に記載の化合物。
  20. Arが、以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物:
    Figure 2005513026
    Figure 2005513026
  21. Arが、以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物:
    Figure 2005513026
  22. Arが、ヘテロアリール環であり、該ヘテロアリール環が、必要に応じて、1個、2個または3個の置換基で置換されており、該置換基が、独立して、無機基および有機基から選択され、該無機基が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノから選択され、そして該有機基が、1個〜4個の炭素原子を含有し、そして独立して、アルキル、置換アルキル、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、一置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミドまたはジアルキルカルボキサミド基から選択される、請求項1に記載の化合物。
  23. Arが、以下の構造を有し、
    Figure 2005513026
    xが、1または2であり、そしてR15およびR16が、独立して、無機基および有機基から選択され、該無機基が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノから選択され、そして該有機基が、1個〜4個の炭素原子を含有し、そして独立して、アルキル、置換アルキル、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、一置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミドまたはジアルキルカルボキサミド基から選択される、請求項1に記載の化合物。
  24. Arが、以下の構造を有する、請求項23に記載の化合物:
    Figure 2005513026
  25. Arが、以下の構造を有するヘテロアリール環を含む、請求項23に記載の化合物:
    Figure 2005513026
  26. 白血病、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、乳癌または膵癌に対して、約10μMの濃度で、ヒト腫瘍細胞株培養物に適用する場合、該腫瘍細胞の細胞増殖を50%以上阻害するのに有効である、請求項1に記載の化合物。
  27. 約10μMの濃度で適用する場合、0.1μMの濃度で適用したロジグリタゾンにより誘発される脂肪細胞の分化を、少なくとも25%阻害するのに有効である、請求項1に記載の化合物。
  28. 次式を有する化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩であって:
    Figure 2005513026
    ここで、
    a)「−−−−」は、存在しているか、または存在せず;
    b)Arは、次式を有し:
    Figure 2005513026
    c)Arは、次式を有し:
    Figure 2005513026
    ここで、xは、1または2であり、そしてR15、R16およびR17は、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノまたは有機基から選択され、該有機基は、1個〜4個の炭素原子を含有し、アルキル、置換アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、一置換アミノ、二置換アミノから選択され、該二置換アミノは、1個〜4個の炭素原子を有する;
    d)Rは、水素、またはアルキルまたは置換アルキル基であり、該アルキルまたは置換アルキル基は、1個〜4個の炭素原子を有し;
    e)Rは、アルキルまたは置換アルキル基であり、該アルキルまたは置換アルキル基は、1個〜4個の炭素原子を有する;
    f)Wは、−S−である;そして
    g)Xは、OまたはSである、
    化合物。
  29. 「−−−−」が、存在している、請求項28に記載の化合物、
  30. が、水素である、請求項28に記載の化合物。
  31. Arが、次式を有する、請求項28に記載の化合物:
    Figure 2005513026
  32. 以下として存在している、化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩:
    {5−[4−メトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸;
    {5−[4−トリフルオロメトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸;
    {5−[6−メトキシ−5−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ピリジン−3−イルメチレン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸;
    3−エチル−5−[4−トリフルオロメトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オン;
    3−メチル−{5−[4−トリフルオロメトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オン;
    5−[4−メトキシ−3−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−3−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−チアゾリジン−2、4−ジオン;
    {5−[6−(3−ジメチルアミノ−5、5、8、8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ナフタレン−2−イル−メチレン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸;
    {5−[5−フェニル−3−メトキシ−2−(3−メトキシ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸;
    {5−[3−メトキシ−2−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸;
    {5−[4−ジメチルアミノ−3−(3−ジメチルアミノ−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸;または
    {5−[(3−t−ブチル−4−メトキシフェニル)−6−エトキシ−ベンジリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル}−酢酸。
  33. 哺乳動物に投与するための薬学的組成物であって、1種以上の薬学的に受容可能なキャリア、および肥満を処置し、脂質代謝、炭水化物代謝、脂質および炭水化物代謝、または脂肪細胞の分化を調節するのに有効な量の1種以上の請求項1に記載の化合物を含有する、薬学的組成物。
  34. 脂質代謝、炭水化物代謝、脂質および炭水化物代謝、または脂肪細胞の分化を調節する方法であって、このような調節を必要とすると診断された哺乳動物に、請求項33に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
  35. 高コレステロール血症を処置する方法であって、このような処置が必要と診断された哺乳動物に、請求項33に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
  36. 前記化合物が、血清コレステロールレベルを少なくとも約5%低下させるのに有効な量で、適用される、請求項35に記載の方法。
  37. 異脂肪血症を処置する方法であって、このような処置が必要と診断された哺乳動物に、トリグリセリドレベルを低下させるのに有効な量で、請求項33に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
  38. 前記化合物が、トリグリセリドレベルを少なくとも5%低下させるのに有効な量で、適用される、請求項37に記載の方法。
  39. 2型糖尿病を処置する方法であって、このような処置が必要と診断された哺乳動物に、該哺乳動物の血糖値を低下させるのに有効な量で、請求項33に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
  40. 前記化合物が、血糖値を少なくとも5%低下させるのに有効な量で、適用される、請求項39に記載の方法。
  41. 前記哺乳動物が、ヒトである、請求項34に記載の方法。
  42. 哺乳動物における非制御細胞増殖疾患を処置するための薬学的組成物であって、1種以上の薬学的に受容可能なキャリアおよび1種以上の請求項1に記載の化合物を含有する、薬学的組成物。
  43. 非制御細胞増殖疾患を処置する方法であって、非制御細胞増殖疾患に罹患していると診断された哺乳動物に、該非制御細胞増殖疾患を処置するのに有効な量で、請求項42に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
  44. 前記非制御細胞増殖疾患が、癌である、請求項43に記載の方法。
  45. 前記非制御細胞増殖疾患が、癌腫、リンパ腫、白血病または肉腫である、請求項43に記載の方法。
  46. 前記非制御細胞増殖疾患が、ホジキン病、ミエロイド白血病、多発性嚢胞腎、膀胱癌、脳腫瘍、頭部および頸部の癌、腎臓癌、肺癌、骨髄腫、神経芽細胞腫/グリア芽細胞腫、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、皮膚癌、肝臓癌、黒色腫、結腸癌、子宮頸癌、乳癌、上皮癌および白血病である、請求項43に記載の方法。
  47. 前記非制御細胞増殖疾患が、乳癌である、請求項43に記載の方法。
  48. 前記哺乳動物が、ヒトである、請求項43に記載の方法。
  49. 哺乳動物における肥満を処置する方法であって、該方法は、このような処置が必要と診断された哺乳動物に、請求項33に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含し、ここで、該薬学的組成物は、糖尿病性db/dbマウスまたはob/obマウスの体重増加を低下または阻止するのに有効な量で、投与される、
    方法。
  50. 前記化合物が、体重増加を阻止するか少なくとも約5%低下させるのに有効な量で、適用される、請求項49に記載の方法。
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