JP2005345748A - ミラー駆動装置およびそれを備えた網膜走査型ディスプレイ - Google Patents

ミラー駆動装置およびそれを備えた網膜走査型ディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】ミラー部を隔てて互いに対向する一対のはり部の曲げ運動によってそのミラー部を駆動する技術において、はり部の曲げ運動によってミラー部が変形することを抑制する。
【解決手段】波面変調器22において入射光の波面曲率を変調するために、ミラー部92を隔てて互いに対向する一対のはり部150,150の曲げ運動によってそのミラー部を駆動するミラー駆動装置96に、(a)各はり部の片面に貼り付けられた駆動源170と、(b)一対のはり部のそれぞれの曲げ運動を、ミラー部の剛体運動であってミラー部の反射面に直角な方向における並進運動に変換するために、一対のはり部およびミラー部より低い変形剛性を有して、それら一対のはり部とミラー部とをそれぞれ互いに一体的に連結する一対の連結部190,190とを設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、ミラー部を隔てて互いに対向する一対のはり部の曲げ運動によってそのミラー部を駆動する技術に関するものであり、特に、はり部の曲げ運動によってミラー部が変形することを抑制する技術に関するものである。
はりの曲げ運動によってミラーを駆動するミラー駆動装置が既に知られている。この種のミラー駆動装置の一従来例が特許文献1に開示されている。この従来例においては、はりが、互いに平行に延びる一対のはり部として構成され、それら一対のはり部のそれぞれの両端部のうち同じ側に位置する一端部にミラーが片持ち状に連結されている。そのはりの曲げ運動が、そのはりとミラーとを互いに連結する連結部材により、ミラーの運動に変換される。そのミラーの運動は、そのミラーからの反射光を走査するために、はりの中心線に直角または平行な揺動軸線まわりの揺動運動として行われる。
特許第3246106号公報
本発明者らは、はりの曲げ運動によってミラーを駆動するミラー駆動装置として、次の対向はり型ミラー駆動装置を開発した。これは、(a)入射光を反射する反射面を有するミラー部と、(b)前記反射面に平行な基準線の方向においてミラー部を隔てて互いに対向する一対のはり部と、(c)それら一対のはり部にそれぞれ曲げ運動を与える駆動源とを含むように構成される。
この対向はり型ミラー駆動装置においては、はり部の曲げ運動によってミラー部が変位はするが変形はしないことが理想的である。すなわち、一対のはり部の曲げ運動がミラー部の剛体運動(外力の作用によって位置は変化するが形状は変化しない運動)に変換されることが理想的なのである。
そこで、本発明者らは、上述の対向はり型ミラー駆動装置につき、ミラー部の運動時にミラー部が変形するか否かの確認試験を行うため、その対向はり型ミラー駆動装置の試験品を製作した。その試験品においては、一対のはり部のそれぞれがミラー部に一体的に、かつ、それらはり部およびミラー部より変形し易い積極的なヒンジ部を介することなく直接に連結される。
本発明者らは、その試験品について試験を行った結果、この試験品においては、後にグラフを参照して詳述するように、はり部の曲げ運動によってミラー部に変形が発生する可能性があることに気が付いた。
以上説明した知見に基づき、本発明は、ミラー部を隔てて互いに対向する一対のはり部の曲げ運動によってそのミラー部を駆動する技術において、はり部の曲げ運動によってミラー部が変形することを抑制することを課題としてなされたものである。
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
(1) 入射光を反射する反射面を有するミラー部と、
前記反射面に平行な基準線の方向において前記ミラー部を隔てて互いに対向する一対のはり部と、
それら一対のはり部にそれぞれ曲げ運動を与える駆動源と、
前記一対のはり部のそれぞれの曲げ運動を、前記ミラー部の剛体運動であって前記基準線まわりの揺動運動を伴わないものに変換するために、前記一対のはり部および前記ミラー部より低い変形剛性を有して、それら一対のはり部とミラー部とをそれぞれ互いに一体的に連結する一対の連結部と
を含むミラー駆動装置。
一般に、ミラー部に一体的に、かつ、積極的なヒンジ部を介することなく直接に連結されたはり部に曲げ運動を与えると、はり部からミラー部には、ミラー部の法線方向に作用する力のみならず、曲げモーメントも伝達される。特に、ミラー部を隔てて互いに対向する一対のはり部の曲げ運動によってミラー部をそのミラー部の法線方向に並進運動させる場合には、各はり部からミラー部に伝達される曲げモーメントが互いに逆向きとなる。そのため、ミラー部に反りが発生し易くなるうえに、一対のはり部が曲げ変形し難くなる。このことは、並進運動中、ミラー部の反射面の形状保持性が低下するうえに、反射面の、光軸方向における変位量が減少することを意味する。
これに対し、本項に係るミラー駆動装置においては、一対のはり部およびミラー部より低い変形剛性を有する一対の連結部により、それら一対のはり部とミラー部とが互いに一体的に連結される。それら一対の連結部は、それら一対のはり部およびミラー部より変形し易い積極的なヒンジ部として機能するため、一対のはり部のそれぞれの曲げ運動が、ミラー部の剛体運動であって前記基準線まわりの揺動運動を伴わないものに変換される。したがって、このミラー駆動装置によれば、はり部の曲げ運動によってミラー部が変形する可能性が、一対のはり部がミラー部に直結される場合より軽減される。
本項における「各連結部」は、その周辺部より低い変形剛性を実現するために、対応するはり部とミラー部とを前記基準線の方向において最短の経路で互いに連結するのではなく、それより長い経路で互いに連結する態様を採用することが可能である。この態様においては、その長い経路として、直線的ではない経路(例えば、L字状に屈曲する経路、円弧状を成す経路)を採用することが可能である。また、「各連結部」は、その周辺部より低い変形剛性を実現するために、その周辺部より短い幅寸法を有する構造を採用したり、その周辺部より薄い板厚を有する構造を採用することが可能である。
本項における「駆動源」は、例えば、一対のはり部に直接に装着される形式としたり、それら一対のはり部を共通に支持する支持体に装着される形式とすることが可能である。さらに、「駆動源」は、一対のはり部に個別に装着される形式としたり、共通に装着される形式(例えば、上述の支持体に装着される形式が該当する。)とすることが可能である。
本項における「一対のはり部」は、例えば、各はり部が、板状をなし、かつ、ミラー部と同一平面上において、そのミラー部と一直線を形成するように構成することが可能である。
本項および下記の各項における「変形剛性」という用語は、一般に、連結部の変形(曲げまたはねじり)に対する変形抵抗の大きさ(例えば、連結部を変形させるためにその連結部に付加される力と、その結果その連結部に生ずる変位量との比)を意味するように定義され、例えば、曲げ剛性とねじり剛性とのうちの少なくとも一方を含むように定義される。
さらに、「変形剛性」は、はり部の中立線からの距離を考慮せずに連結部単体で定義される場合もあれば、連結部のうちの各部位の、はり部の中立線からの距離を考慮して(はり部と連結部とのジオメトリを考慮して)定義される場合もある。
(2) 前記剛体運動は、前記ミラー部の、前記反射面に直角な方向における並進運動と、前記ミラー部の、前記基準線に直角な揺動軸線まわりの揺動運動とのうちの少なくとも一方を含む(1)項に記載のミラー駆動装置。
本項における「並進運動」は、例えば、反射面上における光の反射角を変化させることなく、反射面上における反射位置をその反射面の光軸上において変化させるために用いることが可能である。また、「揺動運動」は、例えば、反射面上における反射位置をその反射面の光軸上において変化させることなく、反射面上における光の反射角を変化させるため、すなわち、光の偏向のために用いることが可能である。
(3) 入射光を反射する反射面を有するミラー部と、
前記反射面に平行な基準線の方向において前記ミラー部を隔てて互いに対向する一対のはり部と、
それら一対のはり部にそれぞれ曲げ運動を与える駆動源と、
前記一対のはり部および前記ミラー部より低い変形剛性を有して、それら一対のはり部とミラー部とをそれぞれ互いに一体的に連結する一対の連結部であって、各連結部の長さは、対応するはり部とミラー部との間の空間の、前記基準線の方向における最短距離より長いものと
を含むミラー駆動装置。
このミラー駆動装置においては、前記(1)項に係るミラー駆動装置と同様に、一対の連結部により、一対のはり部とミラー部とがそれぞれ互いに一体的に連結される。それら一対の連結部は、それら一対のはり部およびミラー部より低い変形剛性を有している。
さらに、このミラー駆動装置においては、各連結部の長さが、対応するはり部とミラー部との間の空間の、前記基準線の方向における最短距離より長いものとされている。したがって、このミラー駆動装置によれば、各連結部の長さが、その最短距離と等しい場合に比較し、各連結部の変形剛性をその周辺部より低下させることが容易となる。例えば、各連結部をその周辺部よりねじり易くし、それにより、はり部の曲げ運動がそのままミラー部に伝達されるのではなく、部分的にねじり運動に変換されるようにすることが容易となる。その結果、はり部の曲げ運動に起因したミラー部の変形(例えば、曲げ変形)を抑制することも容易となる。
本項における「一対の連結部」は、一対のはり部の曲げ運動を、ミラー部の、それの反射面に直角な方向における並進運動に変換するために使用したり、ミラー部の、前記基準線に直角な揺動軸線まわりの揺動運動に変換するために使用したり、ミラー部の、前記基準線まわりの揺動運動に変換するために使用することが可能である。
(4) 前記各連結部は、対応するはり部に近いはり部側はり部分と、前記ミラー部に近いミラー部側はり部分とが互いに一体的にかつ非直線的に連結されたはりとして構成されている(1)ないし(3)項のいずれかに記載のミラー駆動装置。
このミラー駆動装置によれば、各連結部が一体的なはりとして構成されるにもかかわらず、各連結部の変形特性(例えば、変形剛性)を、対応するはり部に近い部分とミラー部に近い部分とで互いに異ならせることが可能となる。
(5) 前記はり部側はり部分と前記ミラー部側はり部分とは、長さが互いに異なる(4)項に記載のミラー駆動装置。
このミラー駆動装置によれば、各連結部のうち、対応するはり部に近い部分の長さとミラー部に近い部分の長さとを互いに異ならせることにより、各連結部の変形特性(例えば、変形剛性)を、対応するはり部に近い部分とミラー部に近い部分とで互いに異ならせることが可能となる。
(6) 前記はり部側はり部分と前記ミラー部側はり部分とは、中心線の方向が互いに異なる(4)または(5)項に記載のミラー駆動装置。
このミラー駆動装置によれば、各連結部の中心線の方向を、対応するはり部に近い部分とミラー部に近い部分とで互いに異ならせることにより、各連結部の変形特性(例えば、変形剛性)を、対応するはり部に近い部分とミラー部に近い部分とで互いに異ならせることが可能となる。
(7) 前記はり部側はり部分は、対応するはり部から、前記基準線に直角な成分を主体的に有する方向に延びており、前記ミラー部側はり部分は、前記ミラー部から、前記基準線に平行な成分を主体的に有する方向に延びている(6)項に記載のミラー駆動装置。
このミラー駆動装置においては、連結部が、はり部からミラー部に向かって順に、(a)はり部から、前記基準線に直角な成分を主体的に有する方向(例えば、前記基準線に実質的に直角な方向)に延びるはり部側はり部分と、(b)ミラー部から、前記基準線に平行な成分を主体的に有する方向(例えば、前記基準線に実質的に平行な方向)に延びるミラー部側はり部分とが直列に並ぶように構成される。
したがって、このミラー駆動装置によれば、連結部がミラー部側はり部分は含むがはり部側はり部分は含まないように構成される場合に比し、はり部の曲げ運動の一部がはり部側はり部分のねじれ運動となり、その残りがそのまま曲げ運動としてミラー部に伝達される傾向が増すことになる。よって、はり部の曲げ運動に起因するミラー部の変形を抑制することが容易となる。
(8) 前記はり部側はり部分は、対応するはり部の両端部のうち、前記ミラー部に近いミラー部側端部から延びており、
前記ミラー部側はり部分は、前記ミラー部の、前記基準線の方向における両端部のうち、対応するはり部に近いはり部側端部から延びている(4)ないし(7)項のいずれかに記載のミラー駆動装置。
(9) 前記はり部側はり部分は、対応するはり部における前記ミラー部側端部の両側面にそれぞれ、前記対応するはり部の幅方向に平行な方向に離れて一対設けられ、前記ミラー部側はり部分は、前記ミラー部のうちの前記はり部側端部の先端面に、対応するはり部の幅方向に平行な方向に、前記対応するはり部の幅寸法より長い距離離れて一対設けられている(8)項に記載のミラー駆動装置。
このミラー駆動装置においては、各はり部とミラー部とを互いに連結する各連結部が、各はり部の幅方向に平行な方向に離れた一対のはり部側はり部分と、各はり部の幅方向に平行な方向に離れた一対のミラー部側はり部分とを含むように構成される。さらに、それら一対のミラー部側はり部分は、はり部の幅寸法より長い距離離れるように配置される。
したがって、このミラー駆動装置によれば、一対のミラー部側はり部分がはり部の幅寸法より短い距離しか離れないように配置される場合に比較し、ミラー部の運動中、ミラー部の法線方向がはり部に対して予定外の方向にぐらつくことが抑制される。その結果、ミラー部の運動を安定化させることが容易となる。
(10) 前記はり部は、前記ミラー部の幅寸法より小さい幅寸法を有する(1)ないし(9)項のいずれかに記載のミラー駆動装置。
(11) さらに、
前記反射面に平行で、かつ、前記基準線に直角な第2の基準線の方向において前記ミラー部を隔てて互いに対向する第2の一対のはり部と、
それら第2の一対のはり部にそれぞれ曲げ運動を与える第2の駆動源と、
前記第2の一対のはり部および前記ミラー部より低い変形剛性を有して、それら第2の一対のはり部とミラー部とを互いに一体的に連結する第2の一対の連結部と
を含む(1)ないし(10)項のいずれかに記載のミラー駆動装置。
このミラー駆動装置においては、第1の基準線の方向においてミラー部を隔てて互いに対向する第1のはり部対と、第1の基準線に直角な第2の基準線の方向においてミラー部を隔てて互いに対向する第2のはり部対、すなわち、互いに直交する2組のはり部対により、ミラー部が駆動される。
したがって、このミラー駆動装置によれば、ミラー部を1組のはり部対によって駆動する場合より、ミラー部の傾きを補正することが容易になる。また、ミラー部の並進運動を実現するために必要な、各基準線まわりの揺動運動の角度を、実現すべきミラー部の並進運動の量の割に小さくすることが容易となる。
(12) 前記一対の連結部は、前記一対のはり部の曲げ運動を、前記ミラー部の、前記反射面に直角な方向における並進運動に変換する(1)ないし(11)項のいずれかに記載のミラー駆動装置。
このミラー駆動装置によれば、はり部の曲げ運動により、ミラー部の反射面が、その反射面に直角な方向に平行移動させられ、この際、反射面の角度は維持される。
(13) 当該ミラー駆動装置は、レンズと共に使用され、前記駆動源の駆動により、前記一対のはり部を曲げて、前記レンズと前記ミラー部との距離を制御する制御手段を備え、それにより、前記ミラー部に入射した光の波面曲率を変調する(12)項に記載のミラー駆動装置。
このミラー駆動装置は、レンズを経てミラー部の反射面に入射した光をその反射面が反射する位置をその光の光軸上において変化させるために使用される。その反射面からの反射光は再度、そのレンズを通過するが、このとき、反射面の位置が光軸上において変化すれば、反射面からレンズへの入射光のみかけ上の焦点位置(みかけ上の発光点の位置)が変化する。その変化に伴い、そのレンズから外部への出射光の波面曲率が変調される。
(12) 前記一対の連結部は、前記一対のはり部の曲げ運動を、前記ミラー部の、前記基準線に直角な揺動軸線まわりの揺動運動に変換する(1)ないし(9)項のいずれかに記載のミラー駆動装置。
このミラー駆動装置によれば、ミラー部が、はり部の中心線に平行な揺動軸線まわりにではなく、はり部の中心線に直角な揺動軸線まわりに揺動させられる。
(13) 当該ミラー駆動装置は、前記ミラー部からの反射光の反射角を変化させることにより、その反射光を走査する(12)項に記載のミラー駆動装置。
(14) 光束を観察者の網膜上において2次元的に走査することにより、観察者の網膜上の画像を直接に投影する網膜走査型ディスプレイであって、
前記光束を出射する出射部と、
その出射部から出射した光束の波面曲率を変調する波面曲率変調部と、
その変調された光束を2次元的に走査する走査部と
を含み、それら波面曲率変調部と走査部との少なくとも一方が、(1)ないし(10)項のいずれかに記載のミラー駆動装置を含む網膜走査型ディスプレイ。
以下、本発明のさらに具体的な実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明の一実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ(以下、「RSD」と略称する。)が系統的に示されている。このRSDは、レーザビームを、それの光強度および波面を適宜変調しつつ、観察者の眼10の瞳孔12を経て網膜14の結像面上において2次元的に走査することにより、その網膜14上に画像を直接に投影する装置である。
このRSDは、光源ユニット20を備え、その光源ユニット20と観察者の眼10との間において波面変調器22と走査装置24とをそれらの順に並んで備えている。
光源ユニット20は、3原色(RGB)を有する3つのレーザビーム(を1つのレーザビームに集束して任意色のレーザビームを生成するために、赤色のレーザビームを発するRレーザ30と、緑色のレーザビームを発するGレーザ32と、青色のレーザビームを発するBレーザ34とを備えている。各レーザ30,32,34は、例えば、半導体レーザとして構成することが可能である。
図1に示すように、各レーザ30,32,34には、対応する各レーザドライバ36,37,38が電気的に接続されている。Rレーザ30に対応するレーザドライバ36には、赤色のレーザビームの光強度を変調するための光強度信号であるR信号が信号処理装置39から供給される。Gレーザ32に対応するレーザドライバ37には、緑色のレーザビームの光強度を変調するための光強度信号であるG信号が信号処理装置39から供給される。Bレーザ34に対応するレーザドライバ38には、青色のレーザビームの光強度を変調するための光強度信号であるB信号が信号処理装置39から供給される。
各レーザドライバ36,37,38は、入力された各光強度信号に応じた各電圧(電気エネルギー)を各レーザ30,32,34に印加する。各レーザ30,32,34は、印加電圧に応じて、各レーザ30,32,34から出射するレーザビームの光強度を変調する。
図1に示すように、各レーザ30,32,34から出射したレーザビームは、各コリメート光学系40,42,44によって平行光化された後に各ダイクロイックミラー50,52,54に入射させられる。それらダイクロイックミラー50,52,54においては、波長に依存したレーザビームの選択的な透過・反射が行われ、それにより、3色のレーザビームが1つのレーザビームに結合される。
具体的には、Rレーザ30から出射した赤色レーザビームは、コリメート光学系40によって平行光化された後に、ダイクロイックミラー50に入射させられる。Gレーザ32から出射した緑色レーザビームは、コリメート光学系42を経てダイクロイックミラー52に入射させられる。Bレーザ34から出射した青色レーザビームは、コリメート光学系44を経てダイクロイックミラー54に入射させられる。
それら3つのダイクロイックミラー50,52,54にそれぞれ入射した3色のレーザビームは、それら3つのダイクロイックミラー50,52,54を代表する1つのダイクロイックミラー54に最終的に入射して集束され、その後、結合光学系58によって集光される。
以上説明した光源ユニット20は、結合光学系58においてレーザビームを出射させる。そこから出射したレーザビームは、光伝送媒体としての光ファイバ82により、コリメート光学系84に伝送される。そのコリメート光学系84は、光ファイバ82から入射したレーザビームを平行光化する。そのコリメート光学系84から出射したレーザビームは波面変調器22に入射する。
この波面変調器22は、光源ユニット20から出射したレーザビームの波面(波面曲率)を変調する光学系である。この波面変調器22は、波面曲率の変調を、網膜14上に投影すべき画像の各画素ごとに行う形式とすることが可能であるが、これは本発明を実施するために不可欠なことではなく、画像の1フレームごとに行う形式とすることが可能である。波面曲率が変調されると、表示画像のピント位置が変化する。
いずれにしても、この波面変調器22においては、信号処理装置39から入力された奥行き信号に基づき、波面変調器22に入射したレーザビームの波面を変調する。この波面変調器22においては、コリメート光学系84から平行光として入射したレーザビームが収束レンズ90によって収束光に変換され、その変換された収束光がミラー部92によって反射されて拡散光に変換される。その変換された拡散光は、目標の波面曲率を有するレーザビームとしてこの波面変調器22から出射する。
図2には、この波面変調器22が拡大して示されている。図2に示すように、この波面変調器22は、外部から入射したレーザビームを反射または透過させるビームスプリッタ94と、そのビームスプリッタ94を経て入射したレーザビームを収束する収束レンズ90と、その収束レンズ90により収束されたレーザビームを反射するミラー部92とを備えている。
以上のように構成された波面変調器22においては、コリメート光学系84から入射したレーザビームがビームスプリッタ94で反射して収束レンズ90を通過した後、ミラー部92で反射する。そして、再度、収束レンズ90を通過し、その後、ビームスプリッタ94を透過して走査装置24へ向かう。
この波面変調器22は、ミラー駆動装置96を用いて収束レンズ90とミラー部92との間隔dcを変更することによって、コリメート光学系84から入射して走査装置24へ向かうレーザビームの波面曲率を変更することができる。ミラー駆動装置96は、ミラー部92を収束レンズ90に接近するかまたは収束レンズ90から離れる向きに変位させることにより、間隔dcを変更する装置であり、その詳細は後述する。
図2(a)に示すように、間隔dcが予め定められた初期値dc0に一致する場合には、コリメート光学系84から入射したレーザビームは、ミラー部92の反射面で収束および反射する。この反射したレーザビームは、収束レンズ90を経て、コリメート光学系30から入射したときと同じ波面曲率を有する平行光L1として走査装置24へ向かう。
これに対し、図2(b)に示すように、間隔dcが初期値dc0より短い距離dc1に変化した場合には、コリメート光学系84から入射したレーザビームは、ミラー部92が収束レンズ90の焦点より収束レンズ90に近い位置に位置するため、レーザビームの収束前にミラー部92の反射面で反射する。その反射したレーザビームは、ミラー部92から距離(dc0−dc1)だけ進んだ位置で収束し、その後、コリメート光学系30から入射したときより拡散した、波面曲率の大きな拡散光、すなわち、曲率半径の小さな拡散光L2となり、収束レンズ90を経て走査装置24へ向かう。
以上要するに、曲率変調器22から走査装置24へ向かうレーザビームは、間隔dcが短くなるほど曲率半径が小さくなる。本実施形態においては、間隔dcの初期値dc0が4mmに設定されており、間隔dcをその初期値dc0から30μm狭めていく間に、レーザビームの曲率半径が最大値(例えば、10m)から最小値(例えば、20cm)まで変化するようにこのRSDが構成されている。
一般に、レーザビームの波面の曲率半径は、波面曲率の逆数で表され、レーザビームに基づく虚像は、この曲率半径が小さいほど観察者に近い位置に観察者によって認識される。したがって、虚像は、間隔dcが短くされるほど観察者に近い位置に観察者によって認識されることとなる。
図1に示すように、以上説明した波面変調器22から出射したレーザビームは、走査装置24に入射する。この走査装置24は、水平走査系100と垂直走査系102とを備えている。
水平走査系100は、表示すべき画像の1フレームごとに、レーザビームを水平な複数の走査線に沿って水平にラスタ走査する水平走査を行う光学系である。これに対し、垂直走査系102は、表示すべき画像の1フレームごとに、レーザビームを最初の走査線から最後の走査線に向かって垂直に走査する垂直走査を行う光学系である。
具体的に説明するに、水平走査系100は、本実施形態においては、機械的偏向を行う一方向回転ミラーとしてポリゴンミラー104を備えている。このポリゴンミラー104は、それに入射したレーザビームの光軸と交差する回転軸線まわりに図示しないモータによって高速で回転させられる。このポリゴンミラー104の回転速度は、信号処理装置39から供給される水平走査同期信号に基づいて制御される。
ポリゴンミラー104は、回転軸線のまわりに並んだ複数の反射面106を備えており、入射レーザビームが1つの反射面106を通過するごとに1回偏向が行われる。その偏向されたレーザビームは、リレー光学系110によって垂直走査系102に伝送される。本実施形態においては、リレー光学系110が光路上において複数のレンズ系112,114を直列に備えている。
以上、水平走査系100を説明したが、垂直走査系102は、機械的偏向を行う揺動ミラーとしてのガルバノミラー130を備えている。ガルバノミラー130には、水平走査系100から出射したレーザビームがリレー光学系110によって集光されて入射するようになっている。このガルバノミラー130は、それに入射したレーザビームの光軸と交差する回転軸線まわりに揺動させられる。このガルバノミラー130の起動タイミングおよび回転速度は、信号処理装置39から供給される垂直走査同期信号に基づいて制御される。
以上説明した水平走査系100と垂直走査系102との共同により、レーザビームが2次元的に走査され、その走査されたレーザビームによって表現される画像が、リレー光学系140を経て観察者の眼10に照射される。本実施形態においては、リレー光学系140が光路上において複数のレンズ系142,144を直列に備えている。
ここで、前述のミラー駆動装置96を図3(a)および(b)を参照して詳細に説明する。図3(a)および(b)にはそれぞれ、ミラー駆動装置96が斜視図で示されている。このミラー駆動装置96においては、ミラー部92と複数個のはり部150とが、シリコンを材料として互いに一体的に成形された一体成形部152として構成されている。図3(a)には、その一体成形部152が斜視図で示されている。
図3(a)に示すように、本実施形態においては、4個の板状のはり部150が、板状のミラー部92と平面的に並んでいる。それら4個のはり部150は、ミラー部92を中心として四方に放射状に延びていて、ミラー部92を隔てて直線的に並んだ2個のはり部150を一組とする第1のはり部対160と、第2のはり部対162とを構成している。第1のはり部対160を通過する中心線が第1基準線164、第2のはり部対162を通過する中心線が第2基準線166である。それら第1基準線164と第2基準線166とは、一体成形部152を真上から見ると、ミラー部92の中心点において互いに直交している。各はり部150は、一端部においてはミラー部92に連結され、他端部においては図示しない支持体に片持ち状に支持されている。すなわち、各はり部150は、ミラー部92との連結端を自由端として考えれば、カンチレバーとして機能するといえるのである。
このミラー駆動装置96においては、一体成形部152における4個のはり部150に4個の板状の駆動源170がそれぞれ個別にかつ直接に装着されている。各駆動源170は、例えば、圧電体(例えば、PZT)によって構成することが可能である。図3(b)には、このミラー駆動装置96が、一体成形部152に駆動源170が組み付けられた状態で、斜視図で示されている。
各駆動源170は、対応するはり部150の片面に貼り付けられた圧電ユニモルフであり、電圧印加に応じて長さ方向に伸長することにより、対応するはり部150を、図3(b)に示す自然状態から屈曲状態(湾曲状態)に移行させる。図4には、自然状態にあるはり部150が実線で示される一方、屈曲状態にあるはり部150が二点鎖線で示されている。
図4に示すように、各はり部150の両端部のうち、前記支持体によって支持された端部は固定端部172であり、これに対し、ミラー部92に連結された端部は、駆動源170の作動によって変位させられる可動端部174である。図4に示すように、ミラー部92を隔てて互いに対向する一対のはり部150,150にそれぞれ装着された2個の駆動源170,170(以下、「一対の駆動源170,170」ともいう。)にはそれぞれ、電圧が一斉に同じ条件で印加される。
各駆動源170に電圧が印加されると、対応するはり部150の可動端部174が、図4において実線で示す非作用位置から、二点鎖線で示す作用位置に変位させられる。各駆動源170の可動端部174における変位は、一対の駆動源170,170の間で互いに同期させられるため、一対のはり部150,150によって両側から連結されたミラー部92は、それの反射面180に直角な方向に平行移動させられる。図4に示すように、ミラー部92は、一対の駆動源170,170に電圧が印加されると、図4において実線で示す初期位置から、印加電圧の高さに応じた変位位置まで、並進運動させられる。その初期位置が、図2(a)に示すミラー部92の位置に対応する一方、その変位位置が、同図(b)に示すミラー部92の位置に対応している。
なお付言するに、本実施形態においては、ミラー部92を並進運動させるために、4個の駆動源170が電圧印加によって一斉に作動させられるようになっているが、それら4個の駆動源170を構成する2個の駆動源対のうち、第1の駆動源対についてはミラー部92を並進運動させるために電圧印加が行われるのに対し、第2の駆動源対についてはミラー部92の傾きを調整するために電圧制御または温度制御による剛性制御が行われるようにして本発明を実施することが可能である。ミラー部92の傾き調整のために、ミラー部92の反射面180の傾きを光センサによって検出することが望ましい。
図5には、各はり部150とミラー部92とを互いに一体的に連結する連結部190が拡大されて平面図で示されている。連結部190は、図3に示すように、各はり部150に2個ずつ設けられている。各はり部150ごとに、それの両側にそれぞれ、連結部190が1個ずつ配置されている。連結部190は、対応するはり部150の曲げ運動を、反射面180に直角な方向におけるミラー部92の並進運動に変換する可撓性を有するヒンジを実現するために設けられている。
連結部190の変形剛性は、その連結部190が装着されるはり部150の変形剛性より低く、また、ミラー部92の変形剛性より低くなるようにされている。本実施形態においては、「変形剛性」という用語が、曲げ剛性とねじり剛性との双方を含むことを意味するように定義されている。
各連結部190は、図5に示すように、2個の板状のはり部分192,194が平面的にかつ非直線的に互いに連結されたはりとして構成されている。各連結部190の全体長さは、それによって互いに連結されるべきはり部150とミラー部92との間の空間の、第1および第2基準線164,166のうち対応するもの(以下、「対応基準線」という。)の方向における最短距離より長く設定されている。
図5に示すように、それら2個のはり部分192,194は、はり部150の可動端部174(先端部)の両側面196,196の一方から、上記対応基準線に直角な方向(これが、前記(7)項における「基準線に直角な成分を主体的に有する方向」の一例である。)延びるはり部側はり部分192と、ミラー部92の4つの側面198のうちそのはり部150に対向する側面198から、上記対応基準線に平行な方向(これが、前記(7)項における「基準線に平行な成分を主体的に有する方向」の一例である。)に延びるミラー部側はり部分194とである。それらはり部側はり部分192とミラー部側はり部分194とは、図5に示すように、L字状に屈曲するように互いに一体的に連結されている。
図5に示すように、本実施形態においては、同じはり部150に属する2個のミラー部側はり部分194,194が、ミラー部92の4つの側面198のうちそのはり部150に対向する側面198上において最も隔たった2個の位置にそれぞれ配置されている。
本実施形態においては、はり部側はり部分192の幅寸法とミラー部側はり部分194の幅寸法とが互いに等しくされている。さらに、はり部側はり部分192の長さが、ミラー部側はり部分194の長さより短くされている。さらに、各はり部150の幅寸法が、ミラー部92の幅寸法より短くされている。さらに、ミラー部92の厚さが、各はり部150の厚さより厚くされている。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、並進運動中に平面に維持されるべき反射面180を有するミラー部92と、曲げ運動させられるはり部150とが、連結部190によって互いに一体的に連結される。その連結部190は、前述のように、それの周辺部の変形剛性より低い変形剛性を有しており、さらに、この連結部190は、L字状に屈曲するように互いに一体的に連結された2つのはり部分、すなわち、はり部側はり部分192およびミラー部側はり部分194によって構成されている。
その結果、概念的に説明すれば、はり部150の屈曲時には、図4において二点鎖線で示すように、連結部190のうち、はり部側はり部分192とミラー部側はり部分194との連結点が関節として機能する如く、連結部190が屈曲させられる。よって、この連結部190は、はり部150における可動端部174の近似的な直線変位からミラー部92の直線変位への変換が、はり部150の曲げモーメントのミラー部92への伝達より優先的に行われるように作用する。すなわち、この連結部190は、回転ジョイントを近似的に実現するように作用するのである。
さらに、本実施形態においては、はり部150の曲げ運動がそのままミラー部92に伝達されるのではなく、部分的にはり部側はり部分192のねじり運動に変換される。
したがって、本実施形態によれば、はり部150の曲げ運動を利用してミラー部92が並進運動させられるにもかかわらず、その並進運動中にミラー部92が曲げ変形させられることが抑制される。さらに、本実施形態によれば、はり部150の曲げ運動に起因するミラー部92の曲げモーメントが抑制される。
この曲げモーメントは、ミラー部92を隔てて互いに対向する一対のはり部150,150により、互いに逆向きにミラー部92に発生させられる可能性がある。この可能性により、それら一対のはり部150,150が相互に、相手のはり部150の曲げ運動を阻害するように干渉する可能性がある。一対のはり部150,150が相互に干渉すると、ミラー部92の変位量が減少し、それを補うために、例えば、駆動源170の曲げ能力を増加させることが必要である。しかし、駆動源170が例えば圧電体によって構成される場合には、駆動源170の曲げ能力を増加させると、消費電力が付随的に増加してしまう可能性がある。
しかしながら、本実施形態によれば、ミラー部92に曲げモーメントが一切発生しないか、または発生するにしても小さいため、一対のはり部150,150の相互干渉が原因でミラー部92の変位量が減少することを心配せずに済む。よって、本実施形態によれば、駆動源170の曲げ能力の割に大きな量でミラー部92を変位させることが容易になる。例えば、駆動源170を構成する圧電体に印加する電圧および消費電力の割に大きな変位量を達成することが容易となる。
図6(a)には、連結部190の一変形例として連結部210が示されている。この連結部210においては、直線的なはり部側はり部分212と直線的なミラー部側はり部分214とが、曲線部(例えば、円弧に沿って延びる部分)216によって互いに一体的に連結されている。図6(b)には、別の変形例として連結部230が示されている。この連結部230においては、曲線的なはり部側はり部分232と、曲線的なミラー部側はり部分234とが、互いに一体的に連結されている。この連結部230においては、それらはり部側はり部分232とミラー部側はり部分234とが互いに共同して一円弧を形成している。
図7には、本実施形態におけるミラー駆動装置の一比較例が図3(b)と同様に組付け状態で斜視図で示されている。この比較例は、板状のミラー部92に4枚の板状のはり部150が平面的に、かつ、ミラー部92から四方に放射状に延びる姿勢で配置されている点で、本実施形態と共通する。しかし、この比較例においては、本実施形態とは異なり、同一断面で真直ぐに延びる板状の各はり部150とミラー部92とが、ヒンジを介在させることなく直接に、互いに一体的に連結されている。
図8のグラフには、変位状態にある第1のはり部対160およびミラー部92の、自然状態からの変位量が第1基準線164に沿ってプロットされている。グラフの縦軸には変位量D、横軸には第1基準線164上における位置Pがそれぞれとられている。さらに、このグラフには、位置Pの変域のうちミラー部92に対応する領域がMで示されている。このグラフから明らかなように、上述の比較例においては、ミラー部92の変位状態において、ミラー部92に曲がり(歪み)が発生する。
これに対し、図9には、本実施形態におけるミラー駆動装置96につき、図8と同様なグラフが示されている。図9のグラフは、図8のグラフとは異なり、領域Mの両端部において、変位量Dがプロットされていない領域が存在する。これは、図3に示すように、第1基準線164上においてはミラー部92とはり部150との間に隙間が存在し、変位という現象が発生し得ない領域が存在するからである。
図9のグラフから明らかなように、本実施形態によれば、ミラー部92の変位状態において、ミラー部92に曲がりが発生しない。よって、変位状態にあるか否かを問わず、ミラー部92の反射面180が平面に維持される。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、第1および第2のはり部対160,162の一方が前記(1)項における「一対のはり部」の一例を構成し、他方が前記(11)項における「第2の一対のはり部」の一例を構成しているのである。さらに、第1基準線164と第2基準線166との一方が前記(1)項における「基準線」の一例を構成し、他方が前記(11)項における「第2の基準線」の一例を構成しているのである。
さらに、本実施形態においては、第1および第2のはり部対160,162の一方とミラー部92とを互いに連結する4個の連結部190(各はり部150ごとに2個ずつの連結部190)が互いに共同して前記(1)項における「一対の連結部」の一例を構成し、第1および第2のはり部対160,162の他方とミラー部92とを互いに連結する4個の連結部190(各はり部150ごとに2個ずつの連結部190)が互いに共同して前記(11)項における「第2の一対の連結部」の一例を構成しているのである。
さらに、本実施形態においては、第1および第2のはり部対160,162の一方に装着された2個の駆動源170,170が互いに共同して前記(1)項における「駆動源」の一例を構成し、第1および第2のはり部対160,162の他方に装着された2個の駆動源170,170が互いに共同して前記(11)項における「第2の駆動源」の一例を構成しているのである。
さらに、本実施形態においては、信号処理装置39のうち、各駆動源170に奥行き信号(駆動信号)を供給して各駆動源170の曲がり量を制御する部分が前記(13)項における「制御手段」の一例を構成しているのである。
さらに、本実施形態においては、レーザ30,32,34がそれぞれ前記(16)項における「出射部」の一例を構成し、波面変調器22が同項における「波面曲率変調部」の一例を構成し、走査装置24が同項における「走査部」の一例を構成しているのである。さらに、本実施形態においては、波面変調器22が、前記(1)ないし(13)項のいずれかに係る「ミラー駆動装置」の一例であるミラー駆動装置96を含むように構成されている。
なお付言するに、本実施形態においては、ミラー部92を隔てて互いに対向する一対のはり部150,150が互いに同じ向きに曲げ変形させられることにより、ミラー部92が、波面曲率変調のために、剛体運動の一例である並進運動を行わせられるようになっている。
これに対し、図3(b)に示すミラー駆動装置96における2個のはり部対160,162のうちの一方を省略することにより、一対のはり部150,150のみをミラー部92を隔てて互いに対向する姿勢で配置したうえで、それら一対のはり部150,150を互いに逆向きに曲げ変形させることにより、ミラー部92に、剛体運動の一例である揺動運動を行わせる態様で本発明を実施することが可能である。この態様においては、ミラー部92が、それら一対のはり部150,150に共通の中心線に直角であり、かつ、自然状態にあるミラー部92の反射面180に平行である揺動軸線まわりに揺動させられる。この態様は、その反射面180からの反射光を走査するために採用することが可能である。
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の開示]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
本発明の一実施形態に従う網膜走査型ディスプレイを信号処理装置39と共に示す系統図である。 図1における波面変調器22の作動態様を説明するための側面図である。 図2におけるミラー駆動装置96を示す斜視図である。 図3に示すミラー駆動装置96を示す側面断面図である。 図3に示すミラー駆動装置96における連結部190を拡大して示す平面図である。 図5に示す連結部190のいくつかの変形例を示す平面図である。 図3に示すミラー駆動装置96の一比較例を示す斜視図である。 図7に示す比較例においてミラー部92の変位時にミラー部92に変形が発生することを示すグラフである。 図3に示すミラー駆動装置96においてミラー部92の変位時にミラー部92に変形が発生しないことを示すグラフである。
符号の説明
22 波面変調器
24 走査装置
90 収束レンズ
92 ミラー部
96 ミラー駆動装置
150 はり部
164 第1基準線
166 第2基準線
170 駆動源
180 反射面
190,210,230 連結部
192,212,232 はり部側はり部分
194,214,234 ミラー部側はり部分

Claims (16)

  1. 入射光を反射する反射面を有するミラー部と、
    前記反射面に平行な基準線の方向において前記ミラー部を隔てて互いに対向する一対のはり部と、
    それら一対のはり部にそれぞれ曲げ運動を与える駆動源と、
    前記一対のはり部のそれぞれの曲げ運動を、前記ミラー部の剛体運動であって前記基準線まわりの揺動運動を伴わないものに変換するために、前記一対のはり部および前記ミラー部より低い変形剛性を有して、それら一対のはり部とミラー部とをそれぞれ互いに一体的に連結する一対の連結部と
    を含むミラー駆動装置。
  2. 前記剛体運動は、前記ミラー部の、前記反射面に直角な方向における並進運動と、前記ミラー部の、前記基準線に直角な揺動軸線まわりの揺動運動とのうちの少なくとも一方を含む請求項1に記載のミラー駆動装置。
  3. 入射光を反射する反射面を有するミラー部と、
    前記反射面に平行な基準線の方向において前記ミラー部を隔てて互いに対向する一対のはり部と、
    それら一対のはり部にそれぞれ曲げ運動を与える駆動源と、
    前記一対のはり部および前記ミラー部より低い変形剛性を有して、それら一対のはり部とミラー部とをそれぞれ互いに一体的に連結する一対の連結部であって、各連結部の長さは、対応するはり部とミラー部との間の空間の、前記基準線の方向における最短距離より長いものと
    を含むミラー駆動装置。
  4. 前記各連結部は、対応するはり部に近いはり部側はり部分と、前記ミラー部に近いミラー部側はり部分とが互いに一体的にかつ非直線的に連結されたはりとして構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載のミラー駆動装置。
  5. 前記はり部側はり部分と前記ミラー部側はり部分とは、長さが互いに異なる請求項4に記載のミラー駆動装置。
  6. 前記はり部側はり部分と前記ミラー部側はり部分とは、中心線の方向が互いに異なる請求項4または5に記載のミラー駆動装置。
  7. 前記はり部側はり部分は、対応するはり部から、前記基準線に直角な成分を主体的に有する方向に延びており、前記ミラー部側はり部分は、前記ミラー部から、前記基準線に平行な成分を主体的に有する方向に延びている請求項6に記載のミラー駆動装置。
  8. 前記はり部側はり部分は、対応するはり部の両端部のうち、前記ミラー部に近いミラー部側端部から延びており、
    前記ミラー部側はり部分は、前記ミラー部の、前記基準線の方向における両端部のうち、対応するはり部に近いはり部側端部から延びている請求項4ないし7のいずれかに記載のミラー駆動装置。
  9. 前記はり部側はり部分は、対応するはり部における前記ミラー部側端部の両側面にそれぞれ、前記対応するはり部の幅方向に平行な方向に離れて一対設けられ、前記ミラー部側はり部分は、前記ミラー部のうちの前記はり部側端部の先端面に、対応するはり部の幅方向に平行な方向に、前記対応するはり部の幅寸法より長い距離離れて一対設けられている請求項8に記載のミラー駆動装置。
  10. 前記はり部は、前記ミラー部の幅寸法より小さい幅寸法を有する請求項1ないし9のいずれかに記載のミラー駆動装置。
  11. さらに、
    前記反射面に平行で、かつ、前記基準線に直角な第2の基準線の方向において前記ミラー部を隔てて互いに対向する第2の一対のはり部と、
    それら第2の一対のはり部にそれぞれ曲げ運動を与える第2の駆動源と、
    前記第2の一対のはり部および前記ミラー部より低い変形剛性を有して、それら第2の一対のはり部とミラー部とを互いに一体的に連結する第2の一対の連結部と
    を含む請求項1ないし10のいずれかに記載のミラー駆動装置。
  12. 前記一対の連結部は、前記一対のはり部の曲げ運動を、前記ミラー部の、前記反射面に直角な方向における並進運動に変換する請求項1ないし11のいずれかに記載のミラー駆動装置。
  13. 当該ミラー駆動装置は、レンズと共に使用され、前記駆動源の駆動により、前記一対のはり部を曲げて、前記レンズと前記ミラー部との距離を制御する制御手段を備え、それにより、前記レンズを経て前記ミラー部に入射した光の波面曲率を変調する請求項12に記載のミラー駆動装置。
  14. 前記一対の連結部は、前記一対のはり部の曲げ運動を、前記ミラー部の、前記基準線に直角な揺動軸線まわりの揺動運動に変換する請求項1ないし11のいずれかに記載のミラー駆動装置。
  15. 当該ミラー駆動装置は、前記ミラー部からの反射光の反射角を変化させることにより、その反射光を走査する請求項14に記載のミラー駆動装置。
  16. 光束を観察者の網膜上において2次元的に走査することにより、観察者の網膜上の画像を直接に投影する網膜走査型ディスプレイであって、
    前記光束を出射する出射部と、
    その出射部から出射した光束の波面曲率を変調する波面曲率変調部と、
    その変調された光束を2次元的に走査する走査部と
    を含み、それら波面曲率変調部と走査部との少なくとも一方が、請求項1ないし15のいずれかに記載のミラー駆動装置を含む網膜走査型ディスプレイ。
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