JP3246106B2 - 光スキャナ - Google Patents

光スキャナ

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JP3246106B2
JP3246106B2 JP20950893A JP20950893A JP3246106B2 JP 3246106 B2 JP3246106 B2 JP 3246106B2 JP 20950893 A JP20950893 A JP 20950893A JP 20950893 A JP20950893 A JP 20950893A JP 3246106 B2 JP3246106 B2 JP 3246106B2
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英昭 西川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バーコードリーダ、レ
ーザレーダ等の光学読み取り装置などに適用される光ス
キャナに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
バーコードは、スーパーマーケット等のPOS分野、物
流分野などさまざまな分野で幅広く利用されている。ま
た、バーコードも小型のものから大型のものまでさまざ
まなものが使用されている。これらのバーコードを読み
取る装置では、従来よりポリゴンミラーやガルバノミラ
ーで走査した光ビームをバーコードに照射し、散乱され
た光を受光素子で電気信号に変換してバーコードを読み
取る構成が多く採用されている。
【0003】このような装置に対し、近年、装置の低価
格化、小型化が要求されている。しかし、ポリゴンミラ
ーやガルバノミラーはいずれもモータ等の駆動機構を必
要としており、装置の低価格化を狙った単純化や小型化
には限界があった。これに対し、単純化、小型化を目指
した光走査機構として、振動子を1個の積層型圧電素子
で共振させるものが提案されている(例えば、特開平4
−95916号公報)。しかし、この機構は不釣合い構
造に加速度を作用させることにより得られる慣性力を利
用して加振力を得るものであるため、加速度が外乱とし
て加わった場合に走査軌跡が変動してしまうという欠点
があり、手持ち型のバーコードリーダでの使用は困難と
考えられた。
【0004】また、他の機構としては、音叉の振動を利
用するものが提案されているが(例えば、特開昭63−
113517号公報)、音叉の振幅は非常に小さいこと
が考えられ、この機構ではビームの走査角が十分に得ら
れないと考えられた。これら以外の機構として、水晶の
ねじり振動子を電磁力で加振する機構が提案されている
が、振動子の外側に磁界を得るための磁石を必要とする
ため、小型化には限界があった。
【0005】一方、最近では、2次元バーコード等の読
み取りのため、2次元光走査の可能な装置も提案されて
いる。例えば、2個の振動モードを持つ振動子を1個の
積層圧電アクチュエータで共振させる機構(特開平4−
140706号公報)や、3個のバイモルフを共振さ
せ、それらの位相差を利用する機構(特公表平4−50
5969号公報)が提案されている。しかし、前者は不
釣合いを利用して2個の振動モードを得ているため、お
のおののモードで1次元光走査を行った場合に走査パタ
ーンの直線性が悪いという欠点を持っていた。また、後
者は1個のミラーをゴムのベアリングを利用して3個の
バイモルフに連結しているため構造的に弱く、かつ、バ
イモルフそのものの共振を利用しているため走査角を大
きくとるとバイモルフが脆性破壊してしまうため、大き
な走査角がとれないという問題点があった。
【0006】そこで、本発明は、走査パターンの直線性
を確保することができ、かつ大きな走査角で光走査を行
うことも可能で、小型化にも適する光スキャナを提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の光スキ
ャナは、請求項1に記載した様に、光源から照射される
光をミラー部で反射して被検出体に照射し、該ミラー部
を振動させることによって被検出体の所定方向に光を走
査する光スキャナにおいて、片持ち梁状に各一端を固定
端として併設された2個の曲げ運動を行う駆動源と、該
2個の駆動源の自由端側同士を連結する連結部材と、該
連結部材の中央部から延出されたねじり変形部材と、該
ねじり変形部材に設けられたミラー部とを備え、該ミラ
ー部の重心がねじり変形部材のねじり中心軸上に位置せ
しめられていることを特徴とする。
【0008】この光スキャナによれば、2個の曲げ駆動
源を併設し、しかもミラー部は駆動源間を連結する連結
部材の中央部から延出されたねじり変形部材に設けら
れ、かつミラー部の重心がねじり変形部材のねじり中心
軸上に位置せしめられているので、振動系全体が構造的
にバランスしており、外乱の影響を受け難い。また、曲
げ駆動源が2個あるので、これらを逆位相で振動させれ
ばねじり変形部材にねじり変形を生じさせることがで
き、振動系全体が構造的にバランスしているにもかかわ
らず、ミラー部に大きな振動を発生させることも可能と
なっている。
【0009】また、請求項2に記載した様に、この請求
項1記載の光スキャナにおいて、前記ねじり変形部材の
延出された先端側が自由端とされ、ねじり変形部材が曲
げ変形部材としても機能するよう構成すれば、曲げ駆動
源を同位相に振動させることでミラー部を系全体の曲げ
方向に振動させることもできる。
【0010】さらに、請求項3に記載した様に、請求項
1記載の光スキャナにおいて、前記ねじり変形部材の延
出された先端側が固定端とすれば、ミラー部のねじり振
動の直線性が一層良好となる。これら振動子は、さらに
以下の様に構成することにより、走査角の大きくとれる
光スキャナとなる。
【0011】曲げ振動の走査角を大きくとるには、請求
項4に記載した様に、請求項2記載の光スキャナにおい
て、前記駆動源を振動させる励振手段として、ミラー部
を中心とした曲げ振動系の曲げ振動に対する共振周波数
に対応する振動数で前記2個の駆動源を同位相に励振す
るとよい。駆動源を同位相にだけ励振すると、振動系全
体は曲げ振動を起こす。そして、ミラー部を中心とした
曲げ振動系が曲げ振動に共振する結果、ミラー部を曲げ
方向に大きく振動させる。この結果、ミラー部の走査角
を大きくとることができる。
【0012】また、ねじり振動の走査角を大きくとるに
は、請求項5に記載した様に、請求項2または請求項3
記載の光スキャナにおいて、前記駆動源を振動させる励
振手段として、ミラー部を中心としたねじり振動系のね
じり振動に対する共振周波数に対応する振動数で前記2
個の駆動源を逆位相に励振するとよい。曲げ駆動源を逆
位相にだけ励振すると、振動系全体はねじり振動を起こ
す。そして、ミラー部を中心としたねじり振動系がねじ
り振動に共振する結果、ミラー部をねじり方向に大きく
振動させる。この結果、ミラー部の走査角を大きくとる
ことができる。
【0013】さらに、請求項6に記載した様に、請求項
2記載の光スキャナにおいて、前記駆動源を振動させる
励振手段として、ミラー部を中心とした曲げ振動系の曲
げ振動に対する共振周波数に対応する振動数で前記2個
の駆動源を同位相に励振するモードと、ミラー部を中心
としたねじり振動系のねじり振動に対する共振周波数に
対応する振動数で前記2個の駆動源を逆位相に励振する
モードとを重畳して作用させることとすれば、曲げ振動
とねじり振動とが重畳されて2次元光走査が可能とな
る。
【0014】なお、請求項7に記載した様に、これら請
求項1〜請求項6のいずれか記載の光スキャナにおい
て、弾性材料からなる板材から、幅広の固定端部と、該
固定端部から平行に伸ばされた駆動源形成部と、該駆動
源形成部間を連結する連結部と、該連結部の中央部から
延出されたねじれ変形部と、該ねじれ変形部の所定位置
に設けられたミラー接着部とからなる一体の基体を形成
し、該基体の駆動源形成部に駆動素子を接着することで
前記駆動源を構成し、ミラー接着部にミラーを接着する
ことで前記ミラー部を構成し、連結部にて前記連結部材
を構成し、ねじれ変形部にて前記ねじれ変形部材を構成
することにより、振動系の全体を一体構造とするなら
ば、構造的に強度があり、また、単純な構造なので全体
寸法を小さくすることが可能となる。
【0015】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例を説明する。第
1実施例としての光スキャナ1は、図1に示すように、
基体2に片持ち梁状に各一端を固定端として併設された
2個の圧電バイモルフ3,3と、この2個の圧電バイモ
ルフ3,3の自由端側同士を連結する連結部材4と、連
結部材4の中央部から上方に延出されたねじり変形部材
5と、ねじり変形部材5の先端に設けられたミラー部6
とを備えている。
【0016】光スキャナ1は、次のようにして製作され
る。まず、一枚の弾性材料(例えばベリリウム銅,リン
青銅など)に、機械加工またはエッチング等を施して、
図2に示すような形状の基体2を作成する。そして、こ
の基体2の一部として形成されたミラー接着部2aに、
高反射コーティング(Al蒸着,Au蒸着など)が施さ
れたミラーを接着してミラー部6を構成する。また、2
つの中位の帯板部2b,2bのそれぞれの両面に、圧電
素子を分極方向を考慮して接着することにより、圧電バ
イモルフ3,3を構成する。一方、連結部材4及びねじ
り変形部材5は、この基体2の上部の細い帯板部2c,
2dがそのままこれらを兼ねることによって構成され
る。なお、基体2の下端は幅広部2eとなっており、圧
電バイモルフ3,3を片持ち梁とみたときの固定端とし
て機能する。以下、幅広部2eのことを固定端2eとも
称する。
【0017】この様に、第1実施例の光スキャナ1は、
弾性材料から形成された基体2に、ミラーや圧電素子を
接着することににより全体を構成しているため、一体構
造といえる。従って、構造的に強度があり、また、単純
な構造なので、本構造を作成するための加工方法の限界
まで全体寸法を小さくすることが可能である。また、本
実施例では、基体2を導電性材料で製作することによ
り、固定端2eは、圧電バイモルフ3,3の共通電極と
しての機能も兼ねることができ、図3の様に配線をする
ことができる。
【0018】なお、ミラー部6は、ミラー接着部2aを
鏡面仕上げして高反射コーティングを施すことによって
も製作可能である。また、基体2についても、弾性材料
ならばよく、Si、水晶、樹脂などあらゆるものが利用
可能である。次に、第1実施例の光スキャナ1の作用に
ついて説明する。
【0019】第1実施例の光スキャナ1は、バネ−質量
系の振動体を構成している。そして、ねじり変形部材5
は、一端を自由端としているので、ねじり変形方向だけ
でなく曲げ方向にも変形が可能である。従って、第1実
施例の光スキャナ1においては、ミラー部6は図4の
(a),(b)の様な、曲げ及びねじりの2自由度の振
動が可能である。特に、光スキャナ1を固定端2eで支
持し、圧電バイモルフ3,3を曲げ振動させると、ミラ
ー部6には慣性力が作用し大きな角度で振動する。
【0020】このとき、圧電バイモルフ3,3に、図5
(a)に示す様に、同位相で、かつミラー部6の曲げ方
向の共振周波数に対応する周波数の正弦波信号をそれぞ
れ印加すると、2個の圧電バイモルフ3,3は同位相に
振動し、その結果、ミラー部6は曲げ方向に加振され、
図4(a)の様に、曲げ方向に共振する。また、圧電バ
イモルフ3,3に、図5(b)に示す様に、逆位相で、
ミラー部6のねじり方向の共振周波数に対応する周波数
の正弦波信号をそれぞれ印加すると、2個の圧電バイモ
ルフ3,3は逆位相に振動し、その結果、ミラー部6は
ねじり方向に加振され、図4(b)の様にねじり方向に
共振する。上記の図5(a),(b)の正弦波信号を加
算すると、図5(c)の様な信号が得られる。この信号
をそれぞれの圧電バイモルフ3,3に印加すると、ミラ
ー部6は曲げ方向の共振とねじり方向の共振が合成され
た運動をする。なお、曲げ方向及びねじり方向の振幅は
それぞれの駆動信号の電圧により制御することができ
る。
【0021】第1実施例の光スキャナ1は、そのミラー
部6にレーザ光を照射し、上記の振動をさせることによ
り、1次元及び2次元の光走査を行うことができる。圧
電バイモルフ3,3の一方に曲げ方向の共振周波数に対
応する駆動信号を印加し、もう一方にねじり方向の共振
周波数に対応する駆動信号を印加しても同様の動作を得
ることができる。
【0022】次に、実施例の光スキャナ1をバーコード
リーダ10に応用した応用例を図6に示す。バーコード
リーダ10は、レーザ駆動回路11により駆動されるレ
ーザダイオード12から発生したレーザ光を、光スキャ
ナ1のミラー部6に反射させて走査し、バーコード13
上に照射する。散乱された光を集光レンズ14で集光し
た後、受光素子15により電気信号に変換する。そし
て、得られた電気信号を2値化回路16に入力して2値
信号に変換し、デコード回路17により信号処理を行う
ことにより、バーコードの読み取りを行う。
【0023】光スキャナ1は、駆動回路21,22、位
相反転回路23、増幅回路24,25により駆動され
る。駆動回路21は、光スキャナ1のミラー部6を中心
としたねじり振動系のねじり振動の共振周波数に等しい
周波数の正弦波信号を発生する。その信号は、2分さ
れ、一方が位相反転回路23に入力されて位相を反転さ
れる。そして、それぞれを、増幅回路24,25で増幅
した後、圧電バイモルフ3,3に印加する。すると、2
個の圧電バイモルフ3,3は逆位相で振動する。この振
動は、光スキャナ1のミラー部6をねじり振動させる方
向に加振力として作用し、その結果、ミラー部6はねじ
り共振する。
【0024】駆動回路22は、光スキャナ1のミラー部
6を中心とした曲げ振動系の曲げ振動の共振周波数に等
しい周波数の正弦波信号を発生する。この信号は、2分
され、それぞれ増幅回路24,25で増幅した後、圧電
バイモルフ3,3に印加される。この結果、2個の圧電
バイモルフ3,3は同位相で振動する。この振動は、光
スキャナ1のミラー部6を曲げ振動させる方向に加振力
として作用し、その結果、ミラー部6は曲げ共振する。
【0025】従って、ミラー部6は、駆動回路21を作
動させることによりねじり共振をし、駆動回路22を作
動させることにより曲げ共振をする。このときの光走査
は、それぞれ1次元走査となる。駆動回路21,22を
同時に作動させることにより、ミラー部6はねじり共振
と曲げ共振が合成された運動をし、この時の光走査は2
次元走査となる。
【0026】ねじり振動と曲げ振動の共振周波数を、そ
れぞれωt ,ωb とする。このωt,ωb の比が1対2
以上となるように光スキャナ1を設計すると、光スキャ
ナ1による光走査軌跡は、図7に示すようになる。ωt
,ωb の周波数比を大きくすることにより、曲げ振動
の1周期の間のねじり振動の回数が多くなる。このた
め、走査軌跡はラスタ走査となり、走査範囲内の2次元
的な画像情報が得られる。これは、絵・文字の読み取
り、2次元バーコードの読み取り等に利用できる。
【0027】ωt ,ωb の比が1対2以下となるように
光スキャナ1を設計すると、光スキャナ1は図8に示す
ような走査軌跡を描く。このとき、周波数比を1に近づ
けることにより、1周期ごとに少しずつずれた軌道を描
くマルチ走査となり、バーコードの全方向読み取りが可
能となる。
【0028】次に、第2実施例について説明する。第2
実施例は、1次元光走査用の光スキャナ31である。こ
の光スキャナ31は、図9に示すように、固定端32に
片持ち梁状に各一端を固定端として併設された2個の圧
電バイモルフ33,33と、この2個の圧電バイモルフ
33,33の自由端側同士を連結する連結部材34と、
連結部材34の中央部から下方に延出されると共に固定
端32に固定されたねじり変形部材35と、ねじり変形
部材35の中程に設けられたミラー部36とを備えてい
る。
【0029】光スキャナ31も、第1実施例と同様に、
一枚の弾性材料から図10の様に切り出された基体37
を基に、ミラーや圧電素子を接着することにより製作さ
れる。ミラー部36はミラー接着部37aの両面にミラ
ー接着することで構成し、圧電バイモルフ33,33も
分極方向を考慮して帯板部37b,37bの両面に圧電
素子を接着することで構成する。ここで、圧電素子の分
極方向は、同一信号を各々のバイモルフに印加した場合
に、各々が逆の位相で曲げ振動するように構成する。固
定端32は幅広部37eを樹脂等で固めることで構成す
る。なお、ミラーを両面に接着するのは、表裏の重量バ
ランスをとるためである。
【0030】この光スキャナ31も、連続した基体37
の上にミラー、圧電素子等を接着して全体を構成してい
るので強度があり、また、単純な構造なので加工、組立
等が容易であり、小型な光スキャナを提供することがで
きる。また、ねじり変形部材35のねじり中心軸とミラ
ーの重心位置を一致させているので、中心軸に対する偏
心がなく、加速度が外乱として加わった場合にも、ねじ
り運動は励起されない。また圧電バイモルフ33,33
は非常に大きいバネ定数を持っており、曲げ方向の運動
も励起されにくい。即ち、第2実施例の光スキャナ31
は外乱を受けにくい構造となっている。
【0031】さらに、ミラー部36とねじり変形部材3
5は、機械的Q値の高い振動子を構成しており、圧電バ
イモルフ33,33の振動の振幅を大きく拡大すること
ができる。また、連結部材34は、図9,10に示すよ
うな形状をし、圧電バイモルフ33,33と連結する部
分34a,34aが幅広となっており、変位する部分3
5bを中心に近づけることで圧電バイモルフ33,33
の変位をできるだけ大きいねじり変位に変換する様な構
造となっている。さらに、連結部材34は、角リング部
34c,34cを有するバネ構造となっているので、圧
電バイモルフ33,33が変位した場合に伸びることが
でき、圧電バイモルフの曲げ方向の変位を効率よくミラ
ー部36のねじり方向の変位に変換することができる。
その結果としてミラー部36の静的変位量を大きくする
ことができ、ねじり共振時における大走査角の実現に寄
与することができる。
【0032】この光スキャナ31は、固定端32を固定
することで1自由度の振動系を構成している。圧電バイ
モルフ33,33に、ミラー部36を中心としたねじり
振動系の共振周波数に対応する正弦波信号を印加し、互
いに逆の位相で曲げ振動させると、この振動は連結部材
34を経由してねじり変形部材35とミラー部36のね
じり振動に変換され、ミラー部36はねじり共振する。
この振動を利用し、ミラー部36にレーザ光を照射する
ことで1次元光走査ができる。
【0033】この第2実施例の光スキャナ31をバーコ
ードリーダ40に応用した例を図11に示す。バーコー
ドリーダ40は、レーザ駆動回路41により駆動される
レーザダイオード42から発生したレーザ光を、光スキ
ャナ31のミラー部36に反射させて走査し、バーコー
ド43上に照射する。散乱された光を集光レンズ44で
集光した後、受光素子45により電気信号に変換する。
そして、得られた電気信号を2値化回路46に入力して
2値信号に変換し、デコード回路47により信号処理を
行うことにより、バーコードの読み取りを行う。
【0034】光スキャナ31は、駆動回路51、増幅回
路52により駆動される。駆動回路51は、光スキャナ
31における振動子部分のねじり振動の共振周波数に等
しい周波数の正弦波信号を発生する。この信号を増幅回
路52で増幅した後、圧電バイモルフ33,33に印加
する。2個の圧電バイモルフ33,33は、既述の通
り、同一信号を印加した場合に各々が逆の位相で曲げ振
動するように構成されている。従って、駆動回路51及
び増幅回路52により正弦波信号が与えられると、2個
の圧電バイモルフ33,33が逆位相で振動する。この
振動は、ミラー部36をねじり振動させる方向に加振力
として作用し、その結果、ミラー部36はねじり共振す
る。この振動を利用することで、大きな走査角にて1次
元光走査を行うことができる。
【0035】なお、この第2実施例の光スキャナ31
は、図12に示すように、振動子全体を囲う上枠39を
固定端32から連続的に形成し、ねじり変形部材35の
上端側を延出してこの上枠39に固定することにより両
端を固定として、加速度が外乱として加わった場合の安
定性をさらに向上させることも可能である。
【0036】以上本発明の実施例を説明したが、本発明
はこれらに限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内の
種々なる態様を採用することができる。例えば、上記各
実施例においては、駆動源として圧電バイモルフを利用
したが、その他、圧電ユニモルフ、圧電モノモルフ、磁
歪素子、電磁ソレノイド、静電気力等が利用可能であ
る。
【0037】
【発明の効果】本発明の光スキャナによれば、小型化が
可能であり、かつ、外乱の影響を受け難く、走査パター
ンの直線性を確保することもできる。特に、請求項2記
載の装置では、2次元光走査も可能な上、1次元光スキ
ャナとして使用した場合のそれぞれの走査方向への直線
性を確保できる。また、請求項3記載の装置では、1次
元光走査用ではあるが、その直線性確保の機能がより強
く発揮される。また、請求項4〜請求項6記載の装置に
よれば、さらに走査角をきわめて大きくとることができ
る。そして、本発明の光スキャナは、請求項7記載の様
に構成することで、一体構造となり、強度も十分なもの
となり、単純構造ゆえに一層の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の光スキャナの概略斜視図であ
る。
【図2】 第1実施例の光スキャナの基体の平面図であ
る。
【図3】 第1実施例の光スキャナにおける電極構造の
説明図である。
【図4】 第1実施例の光スキャナにおける2自由度の
振動モードの説明図である。
【図5】 第1実施例の光スキャナに対する駆動信号の
説明図である。
【図6】 第1実施例の光スキャナを応用したバーコー
ドリーダの概略構成図である。
【図7】 第1実施例の応用に係るバーコードリーダに
よる走査軌跡を例示した説明図である。
【図8】 同じく、このバーコードリーダによる走査軌
跡を例示した説明図である。
【図9】 第2実施例の光スキャナの概略斜視図であ
る。
【図10】 第2実施例の光スキャナの基体の平面図で
ある。
【図11】 第2実施例の光スキャナを応用したバーコ
ードリーダの概略構成図である。
【図12】 第2実施例の光スキャナの変形例の正面図
である。
【符号の説明】
1,31・・・光スキャナ、2,37・・・基体、2
e,32・・・固定端、3,33・・・圧電バイモル
フ、4,34・・・連結部材、5,35・・・ねじり変
形部材、6,36・・・ミラー部、10,40・・・バ
ーコードリーダ、11,41・・・レーザ駆動回路、1
2,42・・・レーザダイオード、13,43・・・バ
ーコード、14,44・・・集光レンズ、15,45・
・・受光素子、16,46・・・2値化回路、17,4
7・・・デコード回路、21,22,51・・・駆動回
路、23・・・位相反転回路、24,25,52・・・
増幅回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−140706(JP,A) 実開 平2−148117(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06K 7/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から照射される光をミラー部で反射
    して被検出体に照射し、該ミラー部を振動させることに
    よって被検出体の所定方向に光を走査する光スキャナに
    おいて、 片持ち梁状に各一端を固定端として併設された2個の曲
    げ運動を行う駆動源と、 該2個の駆動源の自由端側同士を連結する連結部材と、 該連結部材の中央部から延出されたねじり変形部材と、 該ねじり変形部材に設けられたミラー部とを備え、 該ミラー部の重心がねじり変形部材のねじり中心軸上に
    位置せしめられていることを特徴とする光スキャナ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光スキャナにおいて、前
    記ねじり変形部材の延出された先端側が自由端とされ、
    ねじり変形部材が曲げ変形部材としても機能するよう構
    成されたことを特徴とする光スキャナ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光スキャナにおいて、前
    記ねじり変形部材の延出された先端側が固定端とされて
    いることを特徴とする光スキャナ。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の光スキャナにおいて、前
    記駆動源を振動させる励振手段として、ミラー部を中心
    とした曲げ振動系の曲げ振動に対する共振周波数に対応
    する振動数で前記2個の駆動源を同位相に励振すること
    を特徴とする光スキャナ。
  5. 【請求項5】 請求項2または請求項3記載の光スキャ
    ナにおいて、前記駆動源を振動させる励振手段として、
    ミラー部を中心としたねじり振動系のねじり振動に対す
    る共振周波数に対応する振動数で前記2個の駆動源を逆
    位相に励振することを特徴とする光スキャナ。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の光スキャナにおいて、前
    記駆動源を振動させる励振手段として、ミラー部を中心
    とした曲げ振動系の曲げ振動に対する共振周波数に対応
    する振動数で前記2個の駆動源を同位相に励振するモー
    ドと、ミラー部を中心としたねじり振動系のねじり振動
    に対する共振周波数に対応する振動数で前記2個の駆動
    源を逆位相に励振するモードとを重畳して作用させるこ
    とを特徴とする光スキャナ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれか記載の光
    スキャナにおいて、 弾性材料からなる板材から、幅広の固定端部と、該固定
    端部から平行に伸ばされた駆動源形成部と、該駆動源形
    成部間を連結する連結部と、該連結部の中央部から延出
    されたねじれ変形部と、該ねじれ変形部の所定位置に設
    けられたミラー接着部とからなる一体の基体を形成し、 該基体の駆動源形成部に駆動素子を接着することで前記
    駆動源を構成し、ミラー接着部にミラーを接着すること
    で前記ミラー部を構成し、連結部にて前記連結部材を構
    成し、ねじれ変形部にて前記ねじれ変形部材を構成する
    ことにより、振動系の全体を一体構造としたことを特徴
    とする光スキャナ。
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