JPH10104543A - 光走査装置および方法 - Google Patents

光走査装置および方法

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JPH10104543A
JPH10104543A JP8276930A JP27693096A JPH10104543A JP H10104543 A JPH10104543 A JP H10104543A JP 8276930 A JP8276930 A JP 8276930A JP 27693096 A JP27693096 A JP 27693096A JP H10104543 A JPH10104543 A JP H10104543A
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JP
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vibrator
vibration
movable
optical scanning
fixed
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JP8276930A
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Hiroshi Goto
博史 後藤
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光走査の高速化を図る。 【構成】 振動子10は,一面に鏡面をもつ可動部11と,
振動が加えられる固定部12と,可動部11と固定部12とを
連結し,少なくとも一方向に弾性変形するはり部13とか
ら構成される。光源装置21からの投射光は可動部11で反
射する。振動子10の高次共振振動モードの周波数を含む
振動が固定部12に加えられる。これにより,可動部11は
高周波数で振動し,高速の光走査が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は光ビームを連続的に走査する走
査装置に関する。
【0002】
【従来技術】光走査装置は光源からの光を走査する機構
を備えている。光走査装置を光走査機構の観点からみる
と,多面体ミラーをモータで回転させるポリゴン・スキ
ャナ,ミラーを支持する回転軸を電磁アクチュエータで
回転させるガルバノ・スキャナ,ホログラム・ディスク
を用いるホログラム・スキャナ等がある。
【0003】これらのスキャナはいずれもモータや電磁
アクチュエータを用いているので,その構成要素の数が
多くかつ構成が複雑であり,小型化が難しい。高速の光
走査を行なおうとすると,ミラー等の可動部品を高速に
運動させるために大きな駆動エネルギーを必要とし,ア
クチュエータの小型化は一層困難となる。
【0004】光走査機構の小型化と高速化を図るため
に,シリコンのマイクロマシニング技術を用いたマイク
ロミラーが検討されているが,現在のところ,駆動電圧
が高い,走査角度が小さい等の課題があり,用途が限定
されている。
【0005】
【発明の開示】この発明は光走査装置の小型化,高速化
を図るものである。
【0006】この発明による光走査装置は,一面に鏡面
をもつ可動部と,振動が加えられる固定部と,上記可動
部を上記固定部に連結して支持し,少なくとも一方向に
弾性変形するはり部とを有する振動子,上記振動子の可
動部の鏡面に光を投射する光源,および上記振動子の固
定部に上記振動子の高次共振振動モードの周波数を含む
振動を加える加振装置を備えている。
【0007】この発明による光走査方法は,一面に鏡面
をもつ可動部と,振動が加えられる固定部と,上記可動
部と上記固定部と連結し,少なくとも一方向に弾性変形
するはり部とを有する振動子を用い,上記振動子の上記
可動部の鏡面に光を投射し,上記振動子の固定部に上記
振動子の高次共振振動モードの周波数を含む振動を加え
るものである。
【0008】振動子の可動部は高次振動モードで振動す
る。この可動部の鏡面に投射された光ビームはその反射
方向を高速で変えながら反射される。したがって,反射
光は少なくとも一次元的に高速で走査されることにな
る。
【0009】この発明による光走査装置は,可動部と,
振動が加えられる固定部と,上記可動部を上記固定部に
連結して支持し,少なくとも一方向に弾性変形するはり
部とを有する振動子,上記振動子の可動部に設けられ,
光ビームを出射する光源,および上記振動子の固定部に
上記振動子の高次共振振動モードの周波数を含む振動を
加える加振装置を備えている。
【0010】この発明による光走査方法は,光ビームを
投射する光源が設けられた可動部と,振動が加えられる
固定部と,上記可動部を上記固定部に連結し,少なくと
も一方向に弾性変形するはり部とを有する振動子を用
い,上記振動子の固定部に上記振動子の高次共振振動モ
ードの周波数を含む振動を加えるものである。
【0011】振動子の可動部は高次振動モードで振動す
る。可動部に設けられた光源からの出射光は少なくとも
一次元的に高速で走査されることになる。
【0012】このようにして,この発明によると光の高
速走査が達成される。固定部と可動部とこれらを連結す
るはり部とからなる振動子を用いているから,固定部を
共振周波数で加振すれば,はり部と可動部が共振振動す
る。したがって,少ない振動入力エネルギーで大きな振
動振幅が得られ,大きい走査角度が得られる。駆動電圧
も低くてすむ。
【0013】振動子は半導体製造工程の微細加工技術に
より製作できるので,微細な構造を容易に実現できる。
また,同じ構造のものを複数個,一基板上に製作できる
ので,量産性にすぐれ,製造コストの低減を図ることが
できる。
【0014】高速の光走査装置を小型でしかも安価に提
供できるので,この光走査装置を用いた小型または携帯
用の表示装置を実現することができる。上述のように駆
動電圧が低いので,消費電力も少なく,携帯機器に応用
した場合にバッテリー稼働時間を長くすることができ
る。
【0015】
【実施例】図1において,光走査装置は振動子,光源お
よび振動子の加振装置によって構成されている。
【0016】振動子10は可動部11と,固定部12と,可動
部11を固定部12に連結しかつ支持するはり部13とから構
成されている。これらの可動部11と固定部12とはり部13
は,たとえばシリコンにより,一体的に形成されてい
る。
【0017】可動部11の一面は鏡面(光学ミラー)とな
っている。たとえば,アルミニウムや金の薄膜を蒸着等
により可動部11の一面に形成することにより鏡面が実現
する。
【0018】固定部12は固定部材14に固定される。はり
部13は少なくとも一方向に弾性変形する。可動部11と固
定部12とこれらを連結するはり部13とからなる振動子10
は,まげ変形モードとねじれ変形モードの2つの弾性変
形モードをもつ。ここではまげ変形モードについてのみ
着目して説明する。ねじれ変形モードについては後述す
る。
【0019】光源は所定位置に固定された(固定部材は
図示略)光源装置21からなる。光源装置21は,たとえば
半導体レーザと,この半導体レーザの出射光を細く絞り
かつコリメートする光学素子とを含む。光源装置21の出
射光ビームは振動子10の可動部11の鏡面に斜めに投射さ
れる。
【0020】加振装置は固定部12上に形成された圧電薄
膜31を含む。この圧電薄膜31の上下両面には電極が形成
されている。
【0021】加振装置はまた発振器32と増幅器33とを含
む。発振器32は振動子10の高次共振振動モード(詳細は
後に述べる)の周波数の信号を発生する。この信号は増
幅器33で増幅されて圧電薄膜31の両面の電極に印加され
る。
【0022】圧電薄膜31に電圧が印加されると圧電歪み
を生じ,その両面で収縮,伸張する。圧電薄膜31は固定
部12に形成されているので,圧電薄膜31の歪みによって
固定部12に反りが生じる。圧電薄膜31に印加される電圧
は発振器32の発振周波数で繰返されるので,固定部12が
振動し,これにともなってはり部13および可動部11が共
振振動する。
【0023】はり部13がまげ変形モードで振動すること
により,可動部11に入射しその鏡面で反射する光ビーム
は一次元方向に走査されることになる。
【0024】振動装置としては,固定部12に圧電薄膜を
形成する構成のみならず,固定部12とは別個に設けても
よい。たとえば,図7に示すように積層型の圧電素子に
より振動装置34を形成し,この振動装置34に固定部12を
固定してもよい。
【0025】振動子1のように片持ちはり構造をもつ振
動子は固有の共振振動モードを持っている。この共振振
動モードの共振周波数は次式で与えられる。
【0026】 f1 = 0.356fo …(1) f2 = 2.232fo …(2) f3 = 6.252fo …(3) fo =(π2 /L2 )(EI/ρAM)1/2 …(4) ここで, L:はり部の長さ E:ヤング率 I:断面二次モーメント A:はり部の断面積 ρ:密度 M:可動部の等価質量
【0027】上式は,はり部13の先端に質量Mが付いて
いるというモデルを考えたものである。
【0028】式(1) は1次の固有振動モードの周波数
を,式(2) および式(3) は2次および3次の固有振動モ
ードの周波数をそれぞれ表わしている。2次,3次およ
びそれ以上の次数の振動モードを高次振動モードとい
う。
【0029】1次,2次および3次の振動モードの振動
の様子が図2に示されている。
【0030】式(4) から,振動周波数ははり部の長さ
L,はり部のばね剛性(EIで表わされる)および可動
部の質量(等価質量M)に依存している。振動周波数を
高める為には,はり部の長さLを短くする,ばね剛性を
高める,または可動部の質量を小さくすることが有効で
あることが式(4) から分る。
【0031】しかしながら,はり部の長さLを短くする
と振幅が小さくなり光の走査範囲が狭くなる。
【0032】ばね剛性を高めることはばねが変形しにく
くなることを意味する。大きな走査角を得ようとして加
振力を強めると,はり部に大きな応力が作用する。応力
がはり部の破壊応力を上廻るとはり部が破壊する。した
がって,ばね剛性を高めることには限界がある。
【0033】可動部を小さくしてその質量を軽くしよう
としても,その鏡面に入射する光ビームの径(たとえば
数mm)より小さくすることはできず,ここにも限界があ
る。
【0034】式(2) および式(3) を式(1) と比較して分
るように,高次の振動モードの振動周波数は1次振動モ
ードの周波数よりもはるかに高い。
【0035】式(1) ,(2) ,(3) から次の関係が得られ
る。 f2 =( 2.232/0.356 )f1 =6.27f1 …(5) f3 =( 6.252/0.356 )f1 =17.6f1 …(6)
【0036】したがって,振動子10を高次の振動モード
で振動させることにより,振動子10はより高い振動周波
数で振動する。図2に示すように,高次の振動モードで
振動させたときにも可動部11は静止状態に対して傾いた
姿勢をとるので,光源装置21からの投射光をその姿勢に
応じて異なる方向に反射させる。すなわち,光の走査が
可能である。
【0037】このようにして,はり部13を極端に短くす
ることなく,可動部11(鏡面)を極端に小さくすること
なく,はり部13の剛性を極端に高くすることなく,光の
高速走査が可能となる。2次振動モードでは1次振動モ
ードの約6倍,3次振動モードでは約17倍の光の走査の
高速化が図られる。
【0038】上述のように加振装置に含まれる発振器32
の発振周波数を2次または3次の振動モード周波数f2
またはf3 に設定することにより,振動子10に高次モー
ドの振動を起すことができる。
【0039】振動子1は好ましくは単結晶シリコン素材
を用いて半導体プロセスによるマイクロマシニング技術
で製作することができる。シリコンウエハ上にスパッタ
法等により圧電薄膜,電極等を形成する。シリコンウエ
ハに振動子の形状にパターニングし(マスクを形成す
る),シリコンウエハをエッチングし,振動子の形状を
つくる。可動部に相当する箇所にアルミニウム等の反射
率の高い薄膜を蒸着により形成する。一つのウエハ上に
多数の振動子をつくり,最後にダイシングにより切断
し,チップ化する。
【0040】図3は振動子の他の実施例を示している。
この振動子10Aにおいては可動部12の両側からはり部13
A,13Bが互いに反対方向にのび,固定部11の2つの腕
部につながっている。固定部11の腕部には圧電薄膜31
A,31Bが設けられ,これらの圧電薄膜31A,31Bは,
高次振動周波数を含む同じ信号により駆動される。可動
部12は2つのはり部によって支持されていることにな
る。
【0041】図4はさらに他の例を示している。この振
動子10Bにおいては,そのはり部13にピエゾ抵抗素子15
が設けられている。ピエゾ抵抗素子15によってはり部13
の変形(歪み)を検出する。これにより可動部11の位置
の検出が可能となる。可動部11の位置は走査される光ビ
ームの位置を表わすから,センサ,表示装置への応用に
おいて有用である。
【0042】ピエゾ抵抗素子15は振動子を半導体プロセ
スにより製作するときに,はり部にボロン等の不純物を
埋め込む工程を追加するだけで形成することができ,量
産性に適している。
【0043】図5はさらに他の実施例を示している。振
動子10Cの可動部11上に光源装置22が固定されている。
可動部11には鏡面を設ける必要はない。可動部11が振動
することにより,光源装置22からの投射光が直接に走査
される。光源装置22には小型の発光素子等が用いられ
る。
【0044】図6はさらに他の実施例を示している。こ
の光走査装置は中央の振動子基板40を他の基板50および
60で挟んだ構造をもつ。
【0045】振動子基板40はたとえばシリコン基板によ
り形成され,固定部42に枠部44が一体的に設けられてい
る。枠部44内に可動部41が配置され,可動部41ははり部
43により固定部42に結合している。可動部41は枠部44に
接していない。可動部41の一面には鏡面が形成されてい
る。固定部42に圧電薄膜31が形成されている。
【0046】他の2つの基板50,60には,振動子基板40
の可動部41,はり部43,圧電薄膜31の振動を妨げないよ
うに凹部51,61が形成されている。基板40の両面に基板
50,60がその周囲(枠部44に対応する箇所)で密着し,
凹部51と61とにより形成される内部空間は気密に形成さ
れ,かつほぼ真空に保たれる。
【0047】可動部41の鏡面に対向する基板(たとえば
基板60)は透明な材料,たとえばガラスによりつくられ
る。他方の基板50はガラスまたはシリコン基板により形
成される。
【0048】光源装置からの投射光は透明基板60を通し
て可動部41の鏡面で反射し,再び透明基板60を通って外
部に出射する。可動部41が内蔵される内部は真空または
減圧された状態に保持されているので,可動部41が振動
しても,空気の粘性抵抗による影響が無い,または軽減
される。これにより,可動子41を非常に高速で振動させ
てもその振動振幅の低下(走査角度の低下)を防止する
ことができる。
【0049】図7は光走査装置のさらに他の実施例を示
している。
【0050】振動子10の固定部12が振動装置34に固定さ
れている。振動子10の持つ曲げ変形モードに加えてねじ
れ変形モードの振動を利用するために2つの発振器32
A,32Bが設けられている。発振器32Aは曲げ変形モー
ドの高次の固有振動周波数をもつ信号を発振する。発振
器32Bはねじれ変形モードの1次の振動周波数(高次の
振動周波数でもよい)をもつ信号を発振する。これらの
発振器32Aと32Bの発振信号は混合(加算)されて増幅
器33に与えられる。増幅器33の出力により振動装置34が
駆動される。
【0051】可動部11ははり部13の曲げ方向およびねじ
れ方向に振動するので,光源装置21からの投射光は2次
元的に走査される。
【0052】曲げ変形モードの高次の振動周波数とねじ
れ変形モードの1次の振動周波数との比を 400:1のよ
うに極端に大きくとることにより,図8に示すように,
表示装置の副走査,主走査に適した光走査を実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の光走査装置の構成を示すも
のである。
【図2】はり部の1次,2次および3次の振動モードを
示す。
【図3】振動子の他の例を示す斜視図である。
【図4】振動子のさらに他の例を示す斜視図である。
【図5】振動子のさらに他の例を示す斜視図である。
【図6】光走査装置のさらに他の例を示す組立斜視図で
ある。
【図7】光走査装置の他の実施例を示す。
【図8】2次元走査の例を示す。
【符号の説明】
10 振動子 11,41 可動部 12,42 固定部 13,43 はり部 15 ピエゾ抵抗素子 21,22 光源装置 31 圧電薄膜 32,32A,32B 発振器 33 増幅器 34 振動装置 40 振動子基板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一面に鏡面をもつ可動部と,振動が加え
    られる固定部と,上記可動部を上記固定部に連結して支
    持し,少なくとも一方向に弾性変形するはり部とを有す
    る振動子,上記振動子の可動部の鏡面に光を投射する光
    源,および上記振動子の固定部に上記振動子の高次共振
    振動モードの周波数を含む振動を加える加振装置を備え
    た光走査装置。
  2. 【請求項2】 可動部と,振動が加えられる固定部と,
    上記可動部を上記固定部に連結して支持し,少なくとも
    一方向に弾性変形するはり部とを有する振動子,上記振
    動子の可動部に設けられ,光ビームを出射する光源,お
    よび上記振動子の固定部に上記振動子の高次共振振動モ
    ードの周波数を含む振動を加える加振装置を備えた光走
    査装置。
  3. 【請求項3】 上記可動部から互いに反対方向にのびる
    2つのはり部によって上記可動部が支持されている請求
    項1または2に記載の光走査装置。
  4. 【請求項4】 一面に鏡面をもつ可動部と,振動が加え
    られる固定部と,上記可動部と上記固定部と連結し,少
    なくとも一方向に弾性変形するはり部とを有する振動子
    を用い,上記振動子の上記可動部の鏡面に光を投射し,
    上記振動子の固定部に上記振動子の高次共振振動モード
    の周波数を含む振動を加える,光走査方法。
  5. 【請求項5】 光ビームを投射する光源が設けられた可
    動部と,振動が加えられる固定部と,上記可動部を上記
    固定部に連結し,少なくとも一方向に弾性変形するはり
    部とを有する振動子を用い,上記振動子の固定部に上記
    振動子の高次共振振動モードの周波数を含む振動を加え
    る,光走査方法。
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