JP4766353B2 - 光ビーム走査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ビームの走査によりスキャンを行う光スキャナに関し、特に捻れ梁(トーションバー)に支持された微小なミラーを揺動させて光ビームを偏光させる構成の光走査装置に関するものであって、ミラーの動的変形を改善したものに関する。
近年におけるレーザ光等の光ビームを走査する光スキャナは、バーコードリーダ、レーザプリンタ、ヘッドマウントディスプレー等の光学機器、あるいは赤外線カメラ等入力デバイスの光取り入れ装置として用いられている。この種の光スキャナとして、シリコンマイクロマシニング技術を利用した微小ミラーを揺動させる構成のものが提案されている。
例えば、特許文献1(特開平11−52278号公報)には、図16に示されたシリコンマイクロミラーを有する光スキャナが開示されている(以下「従来技術1」という。)。この光スキャナはシリコンマイクロマシニング技術を用いて作製され全体サイズは数ミリ角に形成される。支持基板1は矩形の厚板で形成され、その中央部分には凹部1aが形成され、この凹部1a内にシリコン薄板で形成されたミラー2が内装支持されている。このミラー2には一体的に形成された2本のトーションバー3a、3bが両端方向に突出されており、これらトーションバー3a、3bの先端部は前記支持基板1に固定され、それぞれパッド4a、4bに接続されている。これにより、前記ミラー2は、トーションバー3a、3bの捻れにより、ミラーの平面方向と垂直な方向に揺動することが可能とされている。そして、前記ミラー2の少なくとも周辺領域あるいは表面には不純物イオンの打ち込みや拡散が行われ、あるいは、アルミニウムや銀あるいは導電性を有する有機薄膜などが被着されており、これらの領域が導電性を有する電極部5として構成されている。
一方、前記支持基板1は、前記凹部1aを挟む両側位置の表面上に、絶縁体6を介してそれぞれ固定電極7a、7bが配置されている。これらの固定電極7a、7bは半導体あるいは有機材料からなる導電性材料で形成されており、かつそれぞれの内側縁部は前記ミラー2の両側縁の電極部5に近接配置され、これら電極部5と前記各固定電極7a、7bとの間でコンデンサが形成されている。
そして、一方の固定電極7aのパッド8aと、トーションバー3a、3bのパッド4a、4bとの間に所定の電圧を印加すると、これらパッド4a、4bにつながるミラー電極部5に電圧が印加され、固定電極7aとミラー電極部5の表面にお互いに逆の極性の電荷が蓄積してコンデンサが構成され、固定電極7aとミラー電極部5との間に静電引力が働き、ミラー2は回転が開始される。次に、ミラー2が元の位置に復帰された後は、今度は反対側の固定電極7bとミラー電極部5との間に電圧を印加することにより、今度は、回転方向は逆であるがミラー2が回転される。このような動作を繰り返して行うことにより、ミラー2は反時計方向及び時計方向のそれぞれの最大回転位置にまで回転する動作を繰り返す揺動動作が行われることになる。
また、特許文献2(特開平10−197819号公報)には、シリコンマイクロマシニング技術を利用した微小ミラーを揺動させるための光スキャナが記載されている(以下「従来技術2」という。)。
この光スキャナは、図17に示すように、光を反射するための板状のマイクロミラー1と、一直線上に位置してマイクロミラー1の両側を支持する一対の回転支持体2と、一対の回転支持体2が接続され、ミラー1の周辺を囲う枠部3と、枠部3に並進運動を加える圧電素子4とを備え、かつ、一対の回転支持体2を結ぶ直線上以外の場所にミラー1の重心を位置させた構成となっている。
圧電素子4に電圧を加えると、圧電素子4は伸縮を行い、Z軸方向に振動し、この振動は枠部3に伝達される。マイクロミラー1は、駆動された枠部3に対して相対運動を起こし、Z軸方向の振動成分がマイクロミラー1に伝えられると、マイクロミラー1はX軸回転支持体2で成す軸線に対して左右非対称の質量成分を持つので、X軸回転支持体2を中心にマイクロミラー1に回転モーメントが生じる。このようにして、圧電素子4によって枠部3に加えられた並進運動は、マイクロミラー1のX軸回転支持体2を中心とした回転運動に変換される。
また、特許文献3(特開平10−104543号公報)には、図18に示すように、振動子1において可動部2の両側からはり部3、3が互いに反対方向にのび、固定部6の2つの腕部4、4につながっており、固定部6の腕部4、4にはそれぞれ圧電薄膜5、5が設けられ、これらの圧電薄膜5、5は高次振動周波数を含む同じ信号により駆動されるようにした光走査装置が(以下「従来技術3」という。)に記載されている。
しかしながら、上記した従来技術1の光スキャナでは、シリコンマイクロマシニング技術を用いて数ミリ角に作製されるものであり、ミラー2の少なくとも周辺領域あるいは表面に電極部5を形成するとともにトーションバー3a、3bにパッド4a、4bを設け、さらに、支持基板1の両側位置の表面上に絶縁体6を介してそれぞれ固定電極7a、7b及びパッド8a、8bを配置する必要があった。
このように、ミラー2の少なくとも周辺領域あるいは表面に電極部5を、また、トーションバー3a、3bにパッド4a、4bを、さらに、支持基板1の両側位置の表面上に絶縁体6を介してそれぞれ固定電極7a、7b及びパッド8a、8bを、形成するため、構造が複雑になり、故障発生の要因が増加するだけでなく、製造に時間がかかり、コストアップにつながるという問題があった。
また、上記した従来技術2の光スキャナでは、圧電素子4によって枠部3に加えられる並進運動をマイクロミラー1のX軸回転支持体2を中心とした回転運動に変換する構造であるため、マイクロミラー1の重心位置を捻れ梁に対してずらす必要があった。
また、装置がX−Y軸方向だけでなくZ軸方向にも厚みが必要であり、薄型化が困難であった。
また、上記した従来技術3の光走査装置では、可動部2の振れ角が大きくとれないという欠点があった。
すなわち、フレーム部から出た2本の捻じれ梁を支持する2本の幅の細い片持ち梁部分に圧電膜を形成すると、この部分の剛性が増加し、圧電膜に誘起された振動が、効率よく捻り梁部に伝達されず、結果、ミラーの捻じれ振動が小さくなる。また、2つの片持ち梁部とその上に形成される圧電膜とで構成される振動源部分の振動特性を正確に一致させないと、ミラーの捻じれ振動の振動振幅が抑制されるのと同時に、捻じれ振動以外の振動モードが重畳し、正確なレーザビームの走査が実現できない。さらに、ミラーの駆動力を増加させるため圧電膜部分の面積を大きくするには、上記片持ち梁部の幅を大きくする必要が有り、このため同片持ち梁部に2次元的な不要の振動モードを発生させ、ミラーの捻じれ振動の振動振幅が抑制されるのと同時に、捻じれ振動以外の振動モードが重畳し、正確なレーザビームの走査が実現できないなどの問題がある。また、上記片持ち梁の幅が細く制限されるため、この部位に形成された圧電膜を駆動するための上部電極の形成は、幅が細いため容易でなく、量産時の歩留まりに大きく影響するなどの問題点があった。
図19は、従来技術3の場合と同様のもので、フレーム部から出た2本の捻じれ梁を支持する2本の幅の細い片持ち梁部分に圧電膜を形成する構成となっており、ミラー部走査角度の駆動効率をシミュレーション計算により調べたものである。y=0の面を対称面とし,半分のみモデル化した。
図20に、図19に示すフレーム部から出た2本の捻じれ梁を支持する2本の幅の細い片持ち梁部分に圧電膜を形成する構成のミラーの振れ角を示す。駆動電圧は1Vとし、圧電体の電気特性は、典型的なパラメータであるPZT−5Aの特性、スキャナフレーム本体の材質はSUS304の特性を用いた。ミラー部の振れ角は、0.63度であった。
そこで、上記従来技術1ないし3における問題点の改善策として、本件出願人は、先に、特許文献4(国際公開WO2008/044470号公報)に示された光走査装置(以下「従来技術4」という。)を提案している。この光走査装置は、ミラー部を支持する捻れ梁部を有する基板にエアロゾルデポジション法、スパッタリング法あるいはゾル−ゲル法等の薄膜形成技術を用いて圧電膜アクチュエータを形成し、基板の振動を利用してミラー部に捻れ振動を生じさせることにより、簡単な構造で効率的にミラー部に捻れ振動を発生することができるようにしたものであり、また、本発明はこの従来技術4を元に改良したものであって、ミラー部における捻れ振動の発生原理などの基本的事項については従来技術4と共通であるので、以下に、従来技術4の、ミラー部における捻れ振動の発生原理および装置の基本的事項について説明する。
[ミラー部における捻れ振動の発生原理]
従来技術4の基本構成は、図1に示すとおり、基板本体20と基板本体の両側部から突出した2つの片持ち梁部19、19からなる基板10と、片持ち梁部19、19間にミラー部13を両側から支持するように設けられた捻れ梁部12、12と、基板本体20に設けられた圧電膜等からなる駆動源11と、基板本体のミラー部13側と反対側の固定端部21を固定する支持部材16とからなっている。ミラー部13を支持する捻れ梁部12は、片持ち梁部19の軸方向に対し垂直方向(X軸方向)に設けられている。
図2に示すように、駆動源11である圧電膜に電圧を印加すると、圧電膜直下の基板本体20は圧電膜と一緒に曲げたわみを生じ、基板本体20に振動を発生する。すなわち、図2(a)に示すように圧電膜側にプラスの電圧を印加すると圧電膜は延び、逆に図2(b)に示すように圧電膜側にマイナスの電圧を印加すると圧電膜は縮み、基板10に振動を発生する。
この時、基板本体20上に発生された振動は、基板本体20から片持ち梁部19を伝搬し、図1に示す捻れ梁部12で支持された水平状態にあるミラー部13に回転モーメントを与える力を作用させることができ、捻れ振動を誘起する。
〔駆動源の配置〕
従来技術3において説明したように、駆動源11をミラー部13に近い捻れ梁部12及び片持ち梁部19に設けた場合、大きな捻れ角度でミラー部13を振動させることはできない。
これに対して、従来技術4では、振動源11である圧電膜を基板本体20に1つ形成することにより、2つの片持ち梁部19、19の剛性を下げ、効率よくミラー部13の捻じれ振動を誘起すると同時に、ミラー部13を駆動する駆動源11を1つにすることで、上記、駆動源11の不均等などに起因する不要な振動モードの誘起ならびに振幅低下の問題を解消する。また、このように駆動源11となる圧電膜形成部分と、ミラー部13ならびにミラー部13を支持する捻れ梁部12から構成されるミラー捻れ振動部を上記2つの片持ち梁部19、19で分離することにより、駆動源11の圧電膜の面積を片持ち梁部19の幅に関係なく自由に設定でき、ミラー捻れ振動部により効率的に大きな駆動力を投入することが可能となり、さらに、圧電膜駆動用の電極形成も容易になり、工業的生産における歩留まりを向上することが可能となる。
図3は、従来技術4に係る振動源11である圧電膜を基板本体20に1つ形成する構成の光走査装置を、y=0の面を対称面とし,半分のみモデル化した平面図である。光走査装置の基本構成となるミラー部13の寸法やねじれ梁12の寸法、捻れ梁12のミラー部13への取り付け位置(ミラー部の重心位置)、基板10の形状ならびにその支持方法、さらに圧電体の厚みや膜面積の合計値は、従来技術3と同じにしてある。違いは、駆動源11である圧電膜の形成位置だけである。
図4に、図3に示す装置のミラー部13の振れ角を示す。駆動電圧は1Vとし、圧電体の電気特性は、典型的なパラメータであるPZT−5Aの特性、スキャナフレーム本体の材質はSUS304の特性を用いた。基本的に、図18に示す従来技術3と図3に示す本発明の共振周波数はほぼ同じだが、ミラー部13の振れ角は、従来技術3のものでは0.63度であるのに対し、図3に示す従来技術4によるものでは2.69度(30V換算で80.7度)と、4.3倍程度大きく振れることが確認された。
尚、ミラーの走査振幅を大きくするために、基板に配置される振動源を複数設けることも可能であるが、この場合、振動源の特性や取り付け位置、接着、成膜による取り付け状態のバラツキのため、基板部にミラー部を支持する捻れ梁に垂直方向の対称軸に対し非対称な2次元振動が誘起され易くなり、ミラーの捻れ振動による光ビームの走査精度は低下する。これに対し本発明では、振動源が一つでも効率よくミラー部に捻れ振動を誘起し、光ビームの走査ジッタの低減と製品のバラツキを大幅に抑えることができる。
また、一定の駆動電圧下でミラー部13の捻れ角度の最大振幅を得るためには、ミラー部13に対する駆動源11の配置が重要である。ミラー部13を支持する捻れ梁部12と片持ち梁部19の接続位置から離れた位置、すなわち、基板本体20の一部、例えば基板本体20の中央部に駆動源11を配置すると大きな捻れ角度でミラー部13を振動させることができる。
さらに、ミラー部13を支持する捻れ梁部12と片持ち梁部19の接続位置から離れた位置に駆動源11を設けて振動を発生する場合、ミラー部13を支持している捻れ梁部12と片持ち梁部19の接続箇所の近傍において基板振動の最小振幅(振動の節)が得られる様に配置する。
また、片持ち梁部19と基板本体20の接続部が、駆動源11により基板本体20に励起される基板振動の最大振幅の近傍に位置するように設定するとより大きな捻れ角度でミラー部13を振動させることができる。
なお、ミラー部13を両側から支持する捻れ梁部12、12の振動モードを一致させるには、例えば、駆動源11を基板本体20の幅方向の中心(図1のY軸)に配置し、駆動源11から左右の捻れ梁部12、12までの距離を同じくするのも1つの手法である。
〔共振周波数〕
図1に示す従来技術4のようなミラー部13から離れた位置で発生させた振動エネルギーを効率よくミラー部13の捻り振動になるエネルギーとして伝達するには、主にミラー部13の重量と捻り梁12のバネ定数で決定されるミラー部13の共振周波数(fm)と基板10自体の分割振動モードも含めた共振周波数(fb)とを大きくずらす必要が有る。ミラー部13の捻れ振動の共振周波数(fm)に合うように光走査装置の駆動源11を駆動したとき、基板10にも共振モードが誘起されると、駆動源11で発生された振動エネルギーは、エネルギー保存則からミラー部13の捻れ振動と基板10の2次元分割振動に分配されることになる。従って、基板10の2次元分割振動に駆動源11からの振動エネルギーが消費された分だけ、ミラー部13の捻れ振動の振幅(捻れ角度)は小さくなり、効率よく光走査装置を駆動することができない。
また、基板10に不要な2次元分割振動が誘起されると、その先端に位置するミラー部13にも捻れ梁12を回転軸とする純粋なねじれ振動以外の振動モードが重畳される場合もあり、直進走査性にすぐれた高精度の光走査を実現することができない。これに対して、従来技術4では、図5に示すようにミラー部に誘起される高次まで含む捻れ共振周波数a(fm(n):n=0,1,2,・・・・)がフレーム部に誘起される高次まで含む共振周波数b(fb(n):n=0,1,2,・・・・)と重ならないように設計される。
〔駆動源となる圧電膜等の膜体の厚み及び面積〕
ミラー部13を振動させる駆動源11となる圧電膜等の膜体の厚みと、大きさは、基板本体20の厚みと大きさに応じて最適なサイズを取る必要がある。
光走査装置の使用条件を考えると、駆動電圧(圧電膜印加電圧)一定のもとでは、膜体の厚さが薄くなればなるほど、大きな変位が得られることになる。実際には、特にAD法により形成された膜で金属基板上に形成した圧電膜の特性、膜厚に関して依存性があり、薄すぎると圧電特性の低下やリーク電流の増加などの膜特性が低下し、厚すぎると分極処理が困難になる。また、基板10の厚みに関しては、動作中のミラーの平坦性やプロジェクターデバイスなどへの応用で要求されるミラーサイズを考慮し、Si、ステンレス材の基板を想定すると、少なくとも10μm以上の厚みが要求される。以上のような点を考慮し、光走査装置の駆動に適した最適な圧電膜等の膜体の厚みは、基板本体20の厚さの6倍以下が適しており、膜体の厚さの下限は、おおよそ1μmで、このとき同一面積の膜厚に対し、最小の駆動電圧、消費電力で最大のミラー部走査角度を得ることができる。
また、駆動源11となる圧電膜等の面積については、上記、膜厚範囲に於いて、基板上での振動の伝搬方向に対して、膜体の長さが、おおよそ光走査装置を駆動する共振周波数と基板材料の音速で決まる振動の1/2波長より小さい範囲であれば効率的に駆動できる。さらにその範囲に於いて、消費電力も考慮すると、駆動源11の面積は、基板本体20と同じかあるいは、より小さいことが望まれる。より好ましくは基板本体20の面積の3/4以下である方がよい。
〔ミラー部の重心位置〕
光走査装置のミラー部13を支持する捻り梁12の取り付け位置であるが、捻れ梁部12の軸に対し垂直方向のミラー部13の重心位置からずれた場合、図6に示すように梁の軸(X軸)を中心とする捻れ共振モードとミラー部13の重心位置(Xm)を中心とする捻れ共振モードの2つの共振f1、f2が存在する。このときに二つの共振周波数f1、f2の差はわずかで、駆動周波数が低周波数側から共振周波数に近づくときと、高周波側から共振周波数に近づく場合で、共振周波数近傍でのミラーの捻れ振動の角度の振幅(光走査角度)は同一にならず、大きなヒステリシス(履歴)が発生する。このヒステリシスは実用上大きな問題になる。例えば、環境温度の変動などにより光スキャナの機械定数が変化し、これに応じて共振周波数が変化、光走査角度が変動する場合が考えられるが、この様な変動は、通常、圧電膜11に印加する駆動周波数を変化させ補償制御するが、上述のようなヒステリシスが存在すると、その非線形性のために非常に複雑な制御が必要となり、実用的でない。これに対して、ミラー部13の重心位置と、捻り梁の支持位置を一致させると、上述したようなヒステリシスは現れず、良好な共振特性を得ることができる。
〔捻れ梁部の断面〕
ミラー部13を支持する捻れ梁部12の断面は、理想的には軸対象な円形であることが好ましいが、実際の加工では板材から形成されるので、有限の幅を持ち、その断面は矩形状である。このため、梁の幅(W)が大きくなりすぎると、僅かな加工誤差などに於いて、梁の幅(W)内で共振時の捻れ梁部12の軸の位置が移動するなどの現象を起こし、先述したような共振周波数近傍での駆動周波数に対し、捻れ角度の振幅(光走査角度)にヒステリシス現象を生じ駆動制御を困難にする。この様な問題を解決するためには、捻れ梁部の幅についてもある幅以下にする必要がある。実験的には、捻れ梁部の長さ(T1)、基板厚み(T2)に対し、W/T1≦0.4または0.05≦T2/W≦2の範囲にあることが必要で、W/T1≦0.2または0.1≦T2/W≦0.5の範囲にあることが好ましい。
〔圧電膜の形成方法〕
圧電膜の形成方法については、エアロゾルデポジション法を用いて形成すれば、低温高速プロセスのため、容易に短時間で数ミクロン以上の厚膜を金属基板上などに直接形成できるが、これに限ったものでなく、例えば、Si基板など耐熱温度のある材料を利用すれば、スパッター法やCVD法、ゾル−ゲル法などの従来の薄膜技術を用いて、エピタキシャル成長した高性能の圧電薄膜を形成することも可能で、より微小の光走査装置を構成する場合などに有用である。
〔基板の支持〕
基板10は基板本体20のミラー部13側と反対側の固定端部21を支持部材16で片持ち状態で固定・支持した方がミラー部13の捻れ振幅を大きくすることができる。
その際、支持部材16で固定する固定端部21の幅は基板本体20の幅の1/20〜3/4の範囲が適している。より好ましくは基板本体20の幅の1/10〜1/2の範囲である方がよい。
基板本体20のミラー部13側と反対側にある固定端部21の幅が基板本体20の幅より狭くして支持部材16により片持ち状態で固定・支持した方が駆動源11によって基板本体20に振動をより効率的に発生させることができ、ミラー部13の捻れ振幅を大きくすることができる。
ミラー部13の捻れ角度は,固定端部21の幅が狭いほど大きくなる傾向が確認されている。その際、支持部材16で固定する固定端部21の幅は基板本体20の幅の1/20〜3/4の範囲が適している。基板本体20の幅の1/20以下になると、実用的な面で狭くしすぎであり、固定が不安定になり実用的でない。
図7は、種々の基板形状を示したものである。
例えば、図7(a)は固定端部21が基板本体20の幅と同じ場合であり、この場合、ミラー部13の捻れ角度は35°である。一方、図の(b)(c)(d)に示すような固定端部21の全体の幅が基板本体20の幅より狭い場合は、同じ駆動電圧で、ミラー部13の捻れ角度が40°以上の高いものを得ることができた。
また、固定端部21の全体の幅だけではなく、この形状も重要であることも分かった。
例えば、図7(b)に示す基板本体20の固定端部21近傍に左右から矩形の切り込みを入れて固定端部21の幅を小さくした場合(「エ型形状」という。)、捻れ角度は46°であった。図7(c)に示す基板本体20の固定端部21近傍に左右から三角形の切り込みを入れて固定端部21の幅を小さくした場合(「Y型形状」という)、捻れ角度は54°であり、駆動源11によって基板本体20の振動をより効率的に発生させ、ミラー部13の捻れ振幅を大きくできることができる。その際、固定端部21の全体の幅を基板本体20の幅の1/8〜1/2とするのがよい。
また、固定端部21の一部を基板本体20の中央部に配置することが、大きな捻れ角度でミラー部13を振動させることができる。例えば、図7(e)に示す固定端部21の一部の位置が基板本体20の中央に位置しない場合、ミラー部13の捻れ角度が43°であった。しかし、図7(d)に示す固定端部21の一部が基板本体20の中央の位置にもある場合(「眼鏡フレーム形状」という。)、ミラー部13の捻れ角度は54°であった。
一方、固定端部21が基板本体20の幅と同一である場合でも、基板本体20の固定端部21を固定する支持部材16による支持形態を変えることで、光走査装置の固定安定性をより高めるためことができる。
図8は、3つの支持形態の例を示したものである。
図8(a)は、基板本体20の一側全面を支持部材16により支持した例であり、この場合、ミラー部13の捻れ角度が45°であった。
図8(b)は、基板本体20の一側全面及びそれに続く両側も支持部材16により支持した例であり、この場合、ミラー部の捻れ角度が43°であった。駆動源11によって基板本体20に発生される振動は、基板本体20のミラー部13側と反対側においてその両側部分ではあまり大きくないので(図12参照)、固定端部21の両側部分を支持部材16で固定してもミラー部13の捻れ振幅にはほとんど影響がない。図8(b)の場合、基板10を固定する長さが長くなるので、実用的に光走査装置の固定安定性をより高めるためことができる。その際、平面内で、支持部材16の開口する三角形の角度θを30°〜300°の範囲にするのがよい。
また、基板10を支持部16に固定する手段として基板本体20を上下で挟み込むと安定した固定が可能となるが、この挟み込み部が平面の場合は、基板本体の固定端部に均等な接触圧がかからず、不要な共鳴が発生し十分な固定ができない場合がある。そこで、挟み込み部の断面形状を図8(c)に示すように曲面状にしておくと、基板本体部20の固定端部近傍にわずかに曲げ張力が作用することで、基板本体部20と支持部16との接触面に均一の圧力が加わり押さえられることで、より安定した固定が可能となる。実験では、挟み込み部が平面の場合は、ミラー部13の捻れ角度が30°であったものが、図8(c)の曲面形状をとった場合、共振周波数は安定化し、ミラー部13の捻れ角度も54°まで増加させることができた。
なお、挟み込み部の断面形状は、上記の曲線形状だけでなく、基板本体部をわずかに折り曲げるような三角形状でもよい。
従来技術4による光走査装置は、基本構造として、図1に示す基板本体20がミラー部13と反対側で、支持部材16に片持ち支持された構造になっており、このため光走査装置の全体に上下の外乱振動が加わると、光走査装置全体が振動し、ミラー部13で反射、走査される光ビームは、この振動の影響を受け不安定に振動し、正確な光走査が保証できない問題点があった。従って、携帯機器などでの実用的な応用を想定すると、この光走査装置全体が片持ち構造で不安定なことを改善する必要が有る。
そこで、従来技術4では、図9に示すように、片持ち支持されている光走査装置全体を囲むように配置された剛性の高い基板固定フレーム22に、幅の細い基板接続用梁23で、光走査装置を固定端部21から離れた位置でも固定する。
このとき、基板接続用梁23の固定位置によって光走査装置自体の共振状態が変化し、ミラー部13の走査角度や共振周波数が影響を受ける。
図10、図11は、この様子を調べたもので、図10(a)に示すように、ミラー部13が捻り共振している時に振動の腹に近い振動振幅が大きい片持ち梁部12の付け根で、基板接続用梁23により光走査装置を固定すると、ミラー部13の走査振幅は、固定されていない場合の約53°の走査振幅に対し、約17°と大幅に低下する。これは、光走査装置の外縁部で振動振幅の大きな箇所を固定し、その振動を抑制すると、光走査装置基板10全体の振動モードを変化させ、結果、ミラー部13の捻れ振動に効率よくエネルギーを伝えられなくなるためである。
これに対して、図11で示す基板接続用梁23で接続されていない状況で、ミラー部13が捻り共振している時に、光走査装置基板10の縁部分(図11の符号24で示された箇所)のZ軸方向の振動振幅が最小となる節25近傍の箇所で、図10(d)に示すように基板接続用梁23で接続固定した場合は、ミラー部13の走査振幅は、約55°と基板固定フレーム22に固定しない場合よりもむしろ若干大きな走査振幅となる。この場合は、光走査装置基板10全体の振動モードを変化させないので、固定していない場合とほぼ等価な共振状態を維持でき、基板接続用梁23による光走査装置基板10固定のミラー部13の走査振幅への影響は、最小となる。
従って、光走査装置の外縁部で、ミラー共振時に振動の節あるいは、振動振幅が最も小さく、かつなるべく光走査装置支持部材16から遠い箇所で、基板接続用梁23により光走査装置を固定すると、ミラー部13の走査振幅を減衰させることなく、光走査装置を外乱振動に対し安定に支持することができる。
以上の従来技術4による光走査装置の光ビームの走査ジッタと走査ウォブル(ビーム走査速度の安定性)を、エーエルティー株式会社製:MEMSスキャナ計測システム[ALT−9A44]で評価したところ、従来のシリコン製MEMS光スキャナ(日本信号製)が走査ジッタが、Jp-p:0.2〜0.3%であるのに対し、本発明の光走査装置は、金属材料で構成されているにもかかわらず、走査共振周波数6kHz、16kHz、24kHzに対し、Jp-p:0.06%以下と一桁小さく、従来ポリゴンミラー方式に相当する高精度な光ビーム走査を実現できている。また、従来ポリゴンミラー方式では、走査ウォブルが、Wp-p:30〜40秒程度有り、f−Θレンズなどで補正をかけ、値を1桁下げる必要が有るが、従来技術4による光走査装置では、走査ウォブルが、Wp-p:5秒以下と、一桁低い値となっており、補正レンズ系なしで高安定なビーム走査速度を実現できており、小型、低コスト化を容易に可能とする。以上の測定結果から、本発明による光走査装置は、レーザプリンタなどに使用できる高い光ビーム走査精度が得られていることが明らかである。
特開平11−52278号公報 特開平10−197819号公報 特開平10−104543号公報 国際公開WO2008/044470号公報
本出願人が先に提案した従来技術4によって、簡単な構成で小型化、低コストが図れたが、従来技術4においても、図12に示すような、ミラー部の研磨後のソリ、及び、ミラー部の動的変形が問題となる。
図12の左側の図は、説明のために、ミラー部及び捻れ梁部を取り出して示した図であって、図に示すように、捻れ梁部の長手方向中心軸をX軸とし、X軸とミラー部中央で直交しミラー部面内をとおる軸をY軸とする。金属材をミラーとして用いるにはミラーとして用いる部分の表面粗さが数十ナノメートルのレベルが必要となる。例えば、ミラー部、捻れ梁部、及び、基板本体と片持ち梁部とからなる基板を、金属板材料から作成する場合には、金属板材料は、Si材料と比べ、3次元構造のエッチングと特定の部分(ミラー部の部分)だけの部分的な研磨が難しく、金属板全体を研磨する必要である。そうすると、表面研磨後板のソリが発生し、結果として、ミラー部には、Y軸に沿った断面でみて図12の右上で破線で示したソリが発生し、ミラー部及び光走査デバイス全体の平坦度が悪くなるという問題が生じ、デバイスの水平度を得るためには水平補正が必要になる。また、このソリを押さえるために両面研磨を施すことも考えられるが、両面研磨で完全に平坦な板作製は容易ではなく、コスト高の原因ともなる。
また、薄い板状のミラー部は、高速の捻り振動時、振れ角とともに変形が大きくなり、図12の右下で実線で示したような動的変形を生じ、このようなミラー部の動的変形は、光走査時にミラー部に反射した光ビームの形状を変形し、精度良く走査するうえで問題となる。
そこで、本発明は上記問題点を解決することを目的とし、無研磨の金属板を使用して研磨後のソリを無くし、かつ、ミラー部の動的変形を押さえた光走査デバイスを提供しようとするものである。
本発明の特徴は、ミラー部及び捻れ梁部には基板と一体の無研磨金属板を使用し、無研磨金属板のミラー部にSiミラーを貼り付けることにより、研磨によるソリの無いミラーとし、かつ、金属板のミラー部の厚みとSiミラーの厚みとを合わせた厚いミラーにより動的変形の少ないミラーとしたものである。
本発明の光走査装置は、基板本体及び該基板本体の一側の両側部から突出する2つの片持ち梁部からなる基板と、前記2つの片持ち梁部間に捻れ梁部により両側を支持されるミラー部と、基板本体の一部に設けられ基板を振動させる駆動源と、ミラー部に光を投射する光源とを備え、基板本体のミラー部側と反対側の固定端部を支持部材に固定し、ミラー部は駆動源によって基板に加えられる振動に応じて共振振動し光源からミラー部に投射される光の反射光の方向がミラー部の振動に応じて変化する光走査装置において、基板、捻り梁部、及び、ミラー部を一体の板材から形成し、ミラー部にSiミラーを貼り付け固定したことを特徴とする。
また、本発明の光走査装置は、基板本体及び該基板本体の一側の両側部から突出する2つの片持ち梁部からなる基板と、前記2つの片持ち梁部間に捻れ梁部により両側を支持されるミラー部と、基板本体の一部に設けられ基板を振動させる駆動源と、ミラー部に光を投射する光源とを備え、基板本体のミラー部側と反対側の固定端部を支持部材に固定し、ミラー部は駆動源によって基板に加えられる振動に応じて共振振動し光源からミラー部に投射される光の反射光の方向がミラー部の振動に応じて変化する光走査装置において、基板、捻り梁部、及び、ミラー部を一体の板材から形成し、小面積のミラー部に中間層を介して大面積のSiミラーを貼り付け固定したことを特徴とする。
また、本発明の光走査装置は、基板本体及び該基板本体の一側の両側部から突出する2つの片持ち梁部からなる基板と、前記2つの片持ち梁部間に捻れ梁部により両側を支持されるミラー部と、基板本体の一部に設けられ基板を振動させる駆動源と、ミラー部に光を投射する光源とを備え、基板本体のミラー部側と反対側の固定端部を支持部材に固定し、ミラー部は駆動源によって基板に加えられる振動に応じて共振振動し光源からミラー部に投射される光の反射光の方向がミラー部の振動に応じて変化する光走査装置において、基板、捻り梁部、及び、ミラー部を一体の板材から形成し、ミラー部のSiミラー貼り付け位置に凹部を形成し、該凹部にSiミラーを貼り付け固定したことを特徴とする。
また、本発明の光走査装置は、さらに、上記Siミラーは、ミラー部の片面又は両面に貼り付け固定したことを特徴とする。
本発明は、以下のような優れた効果を奏する。
本発明は、ミラー部及び捻れ梁部には基板と一体の無研磨金属板を用いるので、研磨によるソリが発生せず、かつ、ミラー部にSiミラーを貼り付けるので、ミラー部分の厚みが厚くなり動的変形が抑制される。
また、小面積の金属板ミラー部に中間層を介して大面積のSiミラーを貼り付けると、小型で同じ捻れ梁部の長さを確保することができる。
また、金属板ミラー部を枠構造とすることにより、Siミラー貼り付けの位置決めが正確に行うことができる。
光走査装置の基本的事項を説明する概念図である。 光走査装置の振動発生原理を説明するための概念図である。 光走査装置の圧電膜を基板本体に1つ形成する構成の光走査装置を、y=0の面を対称面とし,半分のみモデル化した平面図である。 図3に示す装置のミラー部の振れ角を示す図である。 光走査装置の基板及びミラー部の共振周波数を示す図である。 捻れ梁部の軸に対し垂直方向にミラー部の重心位置がずれた場合に、駆動周波数が低周波数側から共振周波数に近づくときと、高周波側から共振周波数に近づく場合で、大きなヒステリシス(履歴)が発生する状況を説明した図である。 種々の基板形状を示したものである。 基板支持形態の3つの例を示したものである。 光走査装置の基板本体及び片持ち梁部を囲むように基板固定フレームを配置した装置の平面図である。 基板と基板固定フレームとを接続する基板接続用梁の位置を変化させた場合のミラー振角を説明する図である。 基板と基板固定フレームとが基板接続用梁で接続されていない状況で、ミラー部が捻り共振している時の基板の縁部分の振動振幅の状態を説明する説明図である。 ミラー部と捻れ梁部の部分を拡大した図であって、ミラー部の研磨後のソリ及びミラー部の動的変形を説明した図である。 本発明の一実施例を示した図であって、動的変形の抑制を説明した図である。 本発明の他の実施例を示した図である。 本発明のさらに他の実施例を示した図である。 従来技術1を示すもので、上側が平面図、下側が正面断面図である。 従来技術2を示す斜視図である。 従来技術3を示す平面図である。 従来技術3の場合と同様のものであって、y=0の面を対称面とし、半分のみモデル化した図である。 図19に示す構成の装置のミラー部の振れ角を示したものである。
本発明の特徴は、ミラー部及び捻れ梁部には基板と一体の無研磨金属板を使用し、無研磨金属板のミラー部にSiミラーを貼り付ける構成とすることにより、ミラー部分の研磨後のソリを無くし、ミラー部分の動的変形を抑制したものである。
以下、本発明に係る光走査装置を、図面を参照して説明する。
(実施例1)
図13は、ミラー部と捻れ梁部の部分を拡大して、本発明の一実施例を示した図である。図13の左側の図において、ミラー部は、捻れ梁部及び基板と一体の無研磨金属板からなり、金属板のミラー部にはSiミラーが貼り付け固定されている。このように張り付け構造にすることにより無研磨金属板を用いることができ、金属板研磨後のソリの影響を無くすことができる。また、Siミラーを貼り付け固定するので、ミラー部分の厚みが厚くなるから、図13の右側の図に示すように、動的変形が抑制できる。図13の右側の図において、破線がSiミラーを貼り付けた場合のミラー部分の動的変形を表し、実線がSiミラーを貼り付けない金属板のミラー部のみの場合の
動的変形を表しており、Siミラーを貼り付けた場合に動的変形が抑制されていることがわかる。
なお、図13は、片面にSiミラーを貼り付けた例を示したが、両面にSiミラーを貼り付け固定してもよい。
また、金属板のミラー部の捻れ梁部の付け根の両側部にスリットを形成すれば、捻れ梁部の長さを実質的に伸ばすことができ全体の小型化が図れる。
(実施例2)
図14は、本発明の他の実施例であって、上の図13で示した例と異なるところは、小面積の金属板ミラー部に中間層を介して大面積のSiミラーを貼り付けた点が異なる。図14の左側の図には、上側は図13の例のように同面積のSiミラーを貼り付けた場合を示し、下側がこの実施例2の小面積の金属板ミラー部に中間層を介して大面積のSiミラーを貼り付けた場合を示している。右側の図は、小面積の金属板ミラー部に中間層を介して大面積のSiミラーを貼り付けた場合の断面図である。
この様な構造にすると、小型で、同じ捻り梁部の長さを確保することができる。また、大きなSiミラーを採用することができるし、厚みの厚いSiミラーを用いれば動的変形も改善できる。
なお、この実施例においても、両面にSiミラーを貼り付け固定することができる。
(実施例3)
図15は、さらに他の実施例であって、図13の実施例と異なるところは、金属板ミラー部のSiミラー貼り付け位置にハーフエッチングを施して凹部を設けた点である。この様な構造にするとSiミラー貼り付けの際の位置決めが容易にかつ正確に行え、厚みの厚いSiミラーを用いれば動的変形も改善できる。また、ハーフエッチングを施すことによりミラー部全体の重さを小さくすることができ、共振周波数の設計の幅が広がる。
なお、この実施例においても、両面に凹部を設けて両面にSiミラーを貼り付け固定することができる。
本発明は、光ビームを走査する光走査装置の振動するミラー部分をSiミラー貼り付け構造としたものであるが、光ビームを走査する振動ミラー部であれば、適用可能である。
10 基板
11 圧電膜
12 捻れ梁部
13 ミラー部
14 上部電極
15 電源
16 支持部材
17 レーザビーム
18 レーザ光
19 片持ち梁部
20 基板本体
21 固定端部
22 基板固定フレーム
23 基板接続用梁
24 基板の縁部分

Claims (3)

  1. 基板本体及び該基板本体の一側の両側部から突出する2つの片持ち梁部からなる基板と、前記2つの片持ち梁部間に捻れ梁部により両側を支持されるミラー部と、基板本体の一部に設けられ基板を振動させる駆動源と、ミラー部に光を投射する光源とを備え、基板本体のミラー部側と反対側の固定端部を支持部材に固定し、ミラー部は駆動源によって基板に加えられる振動に応じて共振振動し光源からミラー部に投射される光の反射光の方向がミラー部の振動に応じて変化する光走査装置において、基板、捻り梁部、及び、ミラー部を一体の板材から形成し、小面積のミラー部に中間層を介して大面積のSiミラーを貼り付け固定したことを特徴とする光走査装置。
  2. 基板本体及び該基板本体の一側の両側部から突出する2つの片持ち梁部からなる基板と、前記2つの片持ち梁部間に捻れ梁部により両側を支持されるミラー部と、基板本体の一部に設けられ基板を振動させる駆動源と、ミラー部に光を投射する光源とを備え、基板本体のミラー部側と反対側の固定端部を支持部材に固定し、ミラー部は駆動源によって基板に加えられる振動に応じて共振振動し光源からミラー部に投射される光の反射光の方向がミラー部の振動に応じて変化する光走査装置において、基板、捻り梁部、及び、ミラー部を一体の板材から形成し、ミラー部のSiミラー貼り付け位置に凹部を形成し、該凹部にSiミラーを貼り付け固定したことを特徴とする光走査装置。
  3. 前記Siミラーは、ミラー部の片面又は両面に貼り付け固定したことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の光走査装置。
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