JP2005341550A - D級増幅器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 PWM回路3は演算器2の出力データをパルス幅変調信号に変換し、バッファアンプ4、ローパスフィルタ5を介して、負荷(スピーカ)6へ出力する。デジタルローパスフィルタ7はローパスフィルタ5と同一フィルタ特性を有する。誤差演算器8は入力データとフィルタ7の出力との誤差Δ(z)を演算し、演算器2へ出力する。フィルタ7の出力は、負荷6に加えられるアナログ信号と略同一波形のデジタル信号となり、しかも、このデジタル信号には歪みが含まれていない。したがって、誤差演算器8の出力データΔ(z)は、出力信号の歪に相当するデータとなり、演算器2において入力データからデータΔ(z)を減算し、その減算結果をPWM回路3へ加えることにより、歪みの低減を図ることができる。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、このような構成によれば、ADCが必要になることから、部品点数が増加し、また、価格も高くなる問題があった。
また、従来のPCM信号をPWM変換するD級増幅器は、ダイナミックレンジがPWM回路のクロック周波数によって決まってしまい、クロック周波数が300MHzであってもダイナミックレンジが60dBしかとれない問題があった。
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載のD級増幅器において、前記PWM回路の打切誤差を、該PWM回路に入力される入力信号のサンプリングロックの1周期遅延させて出力する第1の遅延手段と、前記第1の遅延手段の出力を前記サンプリングクロックの1周期遅延させて出力する第2の遅延手段と、前記第1、第2の遅延手段の出力のレベルをそれぞれ調整する第1、第2のレベル変換手段と、前記第1、第2のレベル変換手段の出力をD級増幅器の入力端の信号に加算する加算手段とを具備することを特徴とする。
PWM誤差予測回路10は、入力端子1の入力データの振幅変調によって得られる正しいインパルス応答と、PWM回路3によって得られると予測されるインパルス応答の差分による誤差Δ(z)を求め、演算器2へ出力する。具体的に説明すると、いま、アナログローパスフィルタ5をLCフィルタ(図13参照)とすると、アナログローパスフィルタ5および負荷6による回路のインピーダンスは、
Z(s)=R+sL+Zp(C、L)
但し、R:経路のシリーズ抵抗
Zp(C、L):コンデンサと負荷との並列回路のインピーダンス
となる。このインピーダンスのステップ応答は、
g(t)=L−1 {E/Z(z)・(1/s)}
=(1−ke(αt) sin(βt))
となり、誤差Δ(z)は、入力データの立ち上がりからの時間をtとすると、理想ステップ応答K1・tとLPF(z)のステップ応答g(t)との差分、
Δ(z)=K1・t−g(t)
但し、K1:理想ステップ応答である積分器を通したステップ応答のゲイン
として求められる。ここで、K1の値は、g(t)の立ち上がり部分のゲインに合うように決定される。図16は、理想ステップ応答の直線とLPF(z)のステップ応答の曲線およびそれらの差分 Δ(z)を図示している。この実施形態は帰還ループがないので、発振を起こさない利点がある。
図5は同実施形態によるD級増幅器の要部の構成を示すブロック図である。この図において、符号1は入力データが加えられる入力端子である。いま、入力データのビット数を15ビットとする。12はPWM回路であり、内部回路のビット数を10ビットとする。この場合、入力データの上位10ビットがPWM回路12に入力される。13はマスタークロックΦaが加えられる端子であり、このマスタークロックΦaはPWM回路12およびディレイタップ回路14へ加えられる。ディレイタップ回路14はマスタークロックΦaを0/32周期遅延させたクロックパルスΦb0、1/32周期遅延させたクロックパルスΦb1、2/32周期遅延させたクロックパルスΦb2、・・・、31/32周期遅延させたクロックパルスΦb31を生成する回路であり、これらのクロックパルスΦb0〜Φb31はセレクタ15へ出力される。セレクタ15は、入力データの下位5ビットに基づいてクロックパルスΦb0〜Φb31のいずれか1つを選択し、PWM回路12へ出力する。
図9はこの発明の第5の実施形態によるD級増幅器の構成を示すブロック図である。この図に示す実施形態が図1に示す実施形態と異なる点は、PWM回路3において発生する打切誤差ΔdをPWM回路3に入力される入力信号のサンプリングクロックの1周期遅延させて演算器2へ戻す1次遅延回路40(ノイズシェーパー)を設けた点である。演算器2は入力端子1の入力データから誤差演算器8の出力を減算し、その結果に1次遅延回路40の出力を加算して出力する。
ここで、打切誤差とは、入力データのビット数とPWM回路3のビット数の違いに基づく誤差であり、例えば、入力データが0.505であり、PWM回路3がその入力データに対し0.50のパルス幅の信号しか出力することができない場合、打切誤差Δd=0.005となり、この打切誤差Δdが1クロック遅延されて入力側へ戻される。
上述した1次遅延回路40は1次IRフィルタを構成し、その伝達関数は、
ところで、上述した図9、図10に示す回路は、フィードバックループが2重になり、安定したループ設計が難しい問題がある。この問題を解決した回路が図11に示す回路でり、この図に示す回路においては、PWM回路3と同一構成のPWM回路3aが演算器2の出力に接続され、デジタルローパスフィルタ7および誤差演算器8によるフィードバックループがPWM回路3aの出力に接続されている。これにより、デジタルローパスフィルタ7のフィードバックループと、打切誤差Δdのフィードバックループが別ループとなる。そして、演算器2の出力が新たに設けられた演算器2aへ加えられ、演算器2aにおいて遅延回路40の出力が加算され、この加算結果がPWM回路3へ入力される。
なお、アナログ/デジタル変換器64に代えて、図12と同様に、コンパレータを1ビットのアナログ/デジタル変換器として用いてもよい。また、積分器54はアナログで行わず、デジタル部の位相補償回路65で処理してもよい。
なお、この組み合わせ以外にも各種の組み合わせが可能あることは勿論である。
Claims (10)
- 入力される信号をパルス幅変調信号に変換するPWM回路と、
前記PWM回路の出力を増幅するバッファアンプと、
前記バッファアンプの出力の低周波成分を通過させて負荷へ供給するアナログローパスフィルタとを具備するD級増幅器において、
前記PWM回路の出力が入力端に加えられるデジタルフィルタであって、前記アナログローパスフィルタと同じフィルタ特性を有するデジタルフィルタと、
前記デジタルフィルタの出力とD級増幅器の入力端子の入力信号との差を演算する誤差演算手段と、
前記入力端子に加えられる入力信号から前記誤差演算手段の出力を減算し、減算結果を前記PWM回路の入力端へ加える減算手段と、
を具備することを特徴とするD級増幅器。 - 前記デジタルフィルタに代えて、前記PWM回路の出力に基づきパルス幅を読み取り、前記アナログローパスフィルタに前記パルス幅のパルス波形が加えられた時のステップ応答を演算によって求めるステップ応答演算手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のD級増幅器。
- 入力される信号をパルス幅変調信号に変換するPWM回路と、
前記PWM回路の出力を増幅するバッファアンプと、
前記バッファアンプの出力の低周波成分を通過させて負荷へ供給するアナログローパスフィルタとを具備するD級増幅器において、
D級増幅器の入力端子の入力信号を振幅変調することによって得られる正規のインパルス応答と、前記入力信号を前記PWM回路によってパルス幅変調することによって得られるインパルス応答との差分を演算する誤差予測手段と、
前記入力信号から前記誤差予測手段の出力を減算し、減算結果を前記PWM回路の入力端へ加える減算手段と、
を具備することを特徴とするD級増幅器。 - マスタークロックの立ち上がりまたは立ち下がりを1/n(n:2以上の整数)周期、2/n周期、・・・(n−1)/n周期遅延させた信号を出力する遅延回路と、
前記遅延回路の出力の1つをD級増幅器の入力端子へ加えられる入力信号の第1のビット情報に基づいて選択する選択回路と、
前記入力端子へ加えられる入力信号の第2のビット情報を前記マスタークロックに基づいてパルス幅変調信号に変換するPWM回路であって、前記入力信号の第2のビット情報が指定するタイミングで立ち上がりまたは立ち下がり、該第2のビット情報が指定する立ち下がりまたは、立ち上がりタイミングから前記選択回路の出力が指定する時間だけ遅延させたタイミングで立ち下がる、または、立ち上がるパルス幅変調信号を生成するPWM回路と、
を具備することを特徴とするD級増幅器。 - 前記遅延回路は、
複数の遅延量可変インバータをリング状に接続してなるリングオシレータと、
前記マスタークロックと前記リングオシレータの出力の位相差を検出する位相比較器と、
前記各インバータの遅延量を制御する遅延量制御手段と、
前記位相比較器の出力の低周波成分を抽出し前記遅延量制御手段の入力端へ出力するローパスフィルタと、
を具備することを特徴とする請求項4に記載のD級増幅器。 - 入力される信号をパルス幅変調信号に変換するPWM回路と、
前記PWM回路の出力を増幅するバッファアンプと、
前記バッファアンプの出力の低周波成分を通過させて負荷へ供給するアナログローパスフィルタとを具備するD級増幅器において、
前記バッファアンプの出力レベルを調整するレベル調整手段と、
前記PWM回路の出力と前記レベル調整手段の出力との差を増幅する増幅器と、
前記増幅器の出力を積分する積分器と、
D級増幅器の入力端子に加えられる入力信号から前記積分器の出力を減算し、減算結果を前記PWM回路の入力端へ加える減算手段と、
を具備することを特徴とするD級増幅器。 - 入力される信号をパルス幅変調信号に変換するPWM回路と、
前記PWM回路の出力を増幅するバッファアンプと、
前記バッファアンプの出力の低周波成分を通過させて負荷へ供給するアナログローパスフィルタとを具備するD級増幅器において、
前記アナログローパスフィルタの出力レベルを調整するレベル調整手段と、
前記PWM回路の出力の低周波成分を抽出するフィルタ手段であって、前記バッファアンプおよび前記負荷による回路と同等の特性を有するフィルタ手段と、
前記フィルタ手段の出力と前記レベル調整手段の出力との差を増幅する増幅器と、
前記増幅器の出力を積分する積分器と、
前記積分器の出力をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換器と、
前記アナログ/デジタル変換器の出力の位相を調整する位相補償手段と、
D級増幅器の入力端子に加えられる入力信号から前記位相補償手段の出力を減算し、減算結果を前記PWM回路の入力端へ加える減算手段と、
を具備することを特徴とするD級増幅器。 - 前記PWM回路の打切誤差を、該PWM回路に入力される入力信号のサンプリングロックの1周期遅延させて出力する遅延手段と、
前記遅延手段の出力を前記D級増幅器の入力端の信号に加算する加算手段と、
を具備することを特徴とする請求項1、請求項4、請求項6のいずれかの項に記載のD級増幅器。 - 前記PWM回路の打切誤差を、該PWM回路に入力される入力信号のサンプリングロックの1周期遅延させて出力する第1の遅延手段と、
前記第1の遅延手段の出力を前記サンプリングクロックの1周期遅延させて出力する第2の遅延手段と、
前記第1、第2の遅延手段の出力のレベルをそれぞれ調整する第1、第2のレベル変換手段と、
前記第1、第2のレベル変換手段の出力をD級増幅器の入力端の信号に加算する加算手段と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載のD級増幅器。 - 入力される信号をパルス幅変調信号に変換する第1のPWM回路と、
前記第1のPWM回路の出力を増幅するバッファアンプと、
前記バッファアンプの出力の低周波成分を通過させて負荷へ供給するアナログローパスフィルタとを具備するD級増幅器において、
前記第1のPWM回路の打切誤差を、該第1のPWM回路のマスタークロックの1周期遅延させて出力する遅延手段と、
前記第1のPWM回路と同一特性の第2のPWM回路と、
前記第2のPWM回路の出力が入力端に加えられるデジタルフィルタであって、前記アナログローパスフィルタと同じフィルタ特性を有するデジタルフィルタと、
前記デジタルフィルタの出力とD級増幅器の入力端子の入力信号との差を演算する誤差演算手段と、
前記入力端子に加えられる入力信号から前記誤差演算手段の出力を減算し、その減算結果を前記第2のPWM回路の入力端へ加える減算手段と、
前記減算手段の出力と前記遅延手段の出力とを加算して前記第1のPWM回路へ加える加算手段と、
を具備することを特徴とするD級増幅器。
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