JP2005340795A - 化学機械研磨パッド、その製造方法及び半導体ウエハの化学機械研磨方法 - Google Patents

化学機械研磨パッド、その製造方法及び半導体ウエハの化学機械研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体ウエハの研磨面において、研磨性能を低下させることなく、終点検出用光を透過させることができる研磨パットおよびこの製造方法を提供すること。
【解決手段】研磨面を有する研磨基体13及び該研磨基体13に融着している透光性部12とを有し、かつ該透光性部材を研磨面に平行な面で切断した場合の断面形状が、長径を短径で除した値が1を超える値の楕円形状である化学機械研磨パッド1。
【選択図】図5

Description

本発明は、化学機械研磨パッド、その製造方法及び半導体ウエハの研磨方法に関する。
さらに詳しくは、研磨性能を低下させることなく、光を透過させることができる化学機械研磨パッドおよびその製造方法並びに半導体ウエハの研磨方法に関する。
本発明は、光学式終点検出装置を用いた半導体ウエハの研磨等に利用される。
半導体ウエハの研磨において、研磨の目的が達成され、その研磨を終了する研磨終点の決定は経験的に得られた時間を基準として行うことができる。しかし、被研磨面を構成する材質は様々であり、これらによって研磨時間は全て異なる。また、被研磨面を構成する材質は今後様々に変化することも考えられる。さらに、研磨に使用するスラリーや研磨装置においても同様である。このため様々に異なる研磨において各々からすべて経験的に研磨時間を得ることは非常に効率が悪い。これに対して、近年、被研磨面の状態を直接観測できる光学的な方法を用いた光学式終点検出装置および方法に関して研究が進められている(特許文献1および特許文献2参照)。
この光学式終点検出装置および方法では、一般に、終点検出用の光が透過できる硬質で均一な樹脂からなり、スラリー物質の吸収、輸送という本質的な能力を持たない窓を研磨パッドに形成し、この窓のみを通して被研磨面を観測している(特許文献3参照)。
しかし、上記の研磨パッドでは、窓を設けることにより研磨パッドの研磨性能の低下や不均一化を生ずることが危惧され、また、そのため窓を大きくしたり、窓の数を増やすことにより、光学式終点検出装置による終点検出を確実に行うことのできる窓が形成され、かつ研磨性能を損なわない研磨パッドを得ることは困難であった。
特開平9−7985号公報 特開2000−326220号公報 特表平11−512977号公報
本発明の目的は、上記問題を解決するものであり、半導体ウエハの研磨において、研磨性能を低下させることなく、終点検出用光を透過させることができる研磨パッドおよびこの製造方法、研磨パッド製造金型、複層研磨パッド並びに半導体ウエハの研磨方法を提供することにある。
本発明の他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
本発明によれば、本発明の上記目的は、第一に、研磨面を有する研磨基体及び該研磨基体に融着している透光性部材とを有し、かつ該透光性部材を研磨面に平行な面で切断した場合の断面形状が、長径を短径で除した値が1を超える値の楕円形状であることを特徴とする、化学機械研磨パッドにより達成される。
また、本発明の上記目的は、第二に、研磨基体と透光性部材との融着を、インサート成型用金型内で行うことを特徴とする、上記の化学機械用研磨パッドの製造方法によって達成される。
更に、本発明の上記目的は、第三に、半導体ウエハを化学機械研磨パッドで化学機械研磨する方法であって、上記の化学機械研磨パッドを用い、化学機械研磨の終点を、本発明の上記化学機械研磨パッドの透光性部材を通して光学式終点検出装置により検出することを特徴とする、半導体ウエハの化学機械研磨方法によって達成される。
以下、本発明を詳細に説明する。
化学機械研磨パッド
本発明の化学機械研磨パッドは、研磨基体及び該研磨基体に融着している透光性部材とを有する。また、該透光性部材を研磨面に平行な面で切断した場合の断面形状が、長径を短径で除した値(アスペクト比)が1を超える楕円形状である。
研磨基体
本発明の化学機械研磨パッドを構成する研磨基体の平面形状は特に限定されず、例えば、円盤状や多角柱状、例えば四角柱等とすることができる。また、その大きさはも特に限定されない。しかし、本発明の化学機械研磨パッドを装着して使用する化学機械研磨装置の定盤に適合するような形状及び大きさとすることが好ましい。厚みは、例えば0.1mmを超え且つ100mm以下、好ましくは特に1〜10mmとすることができる。
研磨基体を構成する材料としては、研磨パッドとしての機能を発揮できるものであればどのような素材から構成されていてもよい。研磨パッドとしての機能の中でも、特に、研磨時にスラリーを保持し、研磨屑を一時的に滞留させる等の機能を有するポアが研磨時までに形成されていることが好ましい。このため、水溶性粒子と水溶性粒子が分散された非水溶性マトリックスからなる素材か、または、空洞と空洞が分散された非水溶性マトリクス材からなる素材、例えば発泡体等からなることが好ましい。
このうち、前者の素材は、水溶性粒子が研磨時に水系媒体と固形分とを含有するスラリーの水系媒体と接触し、溶解または膨潤して脱離し、そして、脱離により形成されたポアにスラリーを保持できる。一方、後者の素材は、空洞として予め形成されているポアにスラリーを保持できる。
上記非水溶性マトリックスを構成する材料は特に限定されないが、所定の形状および性状への成形が容易であり、適度な硬度や、適度な弾性等を付与できることなどから、有機材料が好ましく用いられる。有機材料としては、例えば熱可塑性樹脂、エラストマー、ゴム、例えば架橋ゴムおよび硬化樹脂、例えば熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等、熱、光等により硬化された樹脂等を単独または組み合わせて用いることができる。
このうち、熱可塑性樹脂としては、例えば1,2−ポリブタジエン樹脂、ポリエチレンの如きポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂例えば(メタ)アクリレート系樹脂等、ビニルエステル樹脂(アクリル樹脂を除く)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデンの如きフッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂等を挙げることができる。
エラストマーとしては、例えば1,2−ポリブタジエンの如きジエンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー(TPO)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、その水素添加ブロック共重合体(SEBS)の如きスチレン系エラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)、ポリアミドエラストマー(TPAE)の如き熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂エラストマー、フッ素樹脂エラストマー等を挙げることができる。ゴムとしては、例えばブタジエンゴム、例えば高シスブタジエンゴム、低シスブタジエンゴム等、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴムの如き共役ジエンゴム、アクロルニトリル−ブタジエンゴムの如きニトリルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムの如きエチレン−α−オレフィンゴムおよびブチルゴムや、シリコーンゴム、フッ素ゴムの如きその他のゴムを挙げることができる。
硬化樹脂としては、例えばウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン−ウレア樹脂、ウレア樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂等を挙げることができる。
また、これらの有機材料は、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基等により変性されたものであってもよい。変性により、後述する水溶性粒子や、スラリーとの親和性を調節することができる。
これらの有機材料は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、これらの有機材料は、その一部または全部が架橋された架橋重合体でもよく、非架橋重合体でもよいが、架橋重合体のみからなるか、または架橋重合体と非架橋重合体との混合物からなることが好ましい。架橋重合体を含有することにより、非水溶性マトリックスに弾性回復力が付与され、研磨時に研磨パッドにかかるずり応力による変位を小さく抑えることができる。また、研磨時およびドレッシング時に非水溶性マトリックスが過度に引き延ばされ塑性変形してポアが埋まること、さらには、研磨パッド表面が過度に毛羽立つこと等を効果的に抑制できる。従って、ドレッシング時にもポアが効率よく形成され、研磨時のスラリーの保持性の低下が防止でき、さらには、毛羽立ちが少なく研磨平坦性を阻害しない。
上記架橋を行う方法は特に限定されず、例えば有機過酸化物、硫黄、硫黄化合物等を用いた化学架橋、電子線照射等による放射線架橋などにより行うことができる。
この架橋重合体としては、上記有機材料の中でも架橋ゴム、硬化樹脂、架橋された熱可塑性樹脂および架橋されたエラストマー等を用いることができる。さらに、これらの中でも、多くのスラリー中に含有される強酸や強アルカリに対して安定であり、且つ吸水による軟化が少ないことから架橋熱可塑性樹脂、架橋エラストマー及びポリウレタンから選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。また、架橋熱可塑性樹脂および架橋エラストマーのうちでも、有機過酸化物を用いて架橋されたものが特に好ましく、さらには、架橋1,2−ポリブタジエンがより好ましい。
これら架橋重合体の含有量は特に限定されないが、非水溶性マトリックス全体の、好ましくは30体積%以上、より好ましくは50体積%以上、さらに好ましくは70体積%以上であり100体積%であってもよい。非水溶性マトリックス中の架橋重合体の含有量が30体積%未満では十分に架橋重合体を含有する効果を発揮させることができない場合がある。
架橋重合体を含有する非水溶性マトリックスは、JIS K 6251に準じて非水溶性マトリックスからなる試験片を80℃において破断させた場合に、破断後に残留する伸び(以下、単に「破断残留伸び」という)を100%以下とすることができる。即ち、破断した後の標線間合計距離が破断前の標線間距離の2倍以下となる。この破断残留伸びは、好ましくは30%以下、さらに好ましくは10%以下、とりわけ好ましくは5%以下であり、通常0%以上であることがより好ましい。破断残留伸びが100%を超えると、研磨時および面更新時に研磨パッド表面から掻き取られたまたは引き延ばされた微細片がポアを塞ぎ易くなる傾向にあり好ましくない。この「破断残留伸び」とは、JIS K 6251「加硫ゴムの引張試験方法」に準じて、試験片形状ダンベル状3号形、引張速度500mm/分、試験温度80℃で引張試験において試験片を破断させた場合に、破断して分割された試験片の各々の標線から破断部までの合計距離から、試験前の標線間距離を差し引いた伸びである。また、実際の研磨においては摺動により発熱するため温度80℃における試験である。
上記「水溶性粒子」は、研磨パッド中において化学機械用水系分散体と接触することにより非水溶性材料から脱離する粒子である。この脱離は、水系分散体中に含有される水等との接触により溶解することで生じてもよく、この水等を含有して膨潤し、ゲル状となることで生じるものであってもよい。さらに、この溶解または膨潤は水によるものばかりでなく、メタノール等のアルコール系溶剤を含有する水系混合媒体との接触によるものであってもよい。
この水溶性粒子は、ポアを形成する効果以外にも、研磨パッド中においては、研磨パッドの押し込み硬さを大きくする効果を有する。例えば、水溶性粒子を含有することにより本発明の研磨パッドのショアD硬度を、好ましくは35以上、より好ましくは50〜90、さらに好ましくは60〜85そして通常100以下にすることができる。ショアD硬度が35を超えると、被研磨体に負荷できる圧力を大きくでき、これに伴い研磨速度を向上させることができる。さらに加えて、高い研磨平坦性が得られる。従って、この水溶性粒子は、研磨パッドにおいて十分な押し込み硬さを確保できる中実体であることが特に好ましい。
この水溶性粒子を構成する材料は特に限定されないが、例えば、有機水溶性粒子および無機水溶性粒子を挙げることができる。有機水溶性粒子の素材としては、例えば糖類、例えばでんぷん、デキストリンおよびシクロデキストリンの如き多糖類、乳糖、マンニット等、セルロース類、例えばヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等、蛋白質、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキサイド、水溶性の感光性樹脂、スルホン化ポリイソプレン、スルホン化ポリイソプレン共重合体等を挙げることができる。さらに、無機水溶性粒子の素材としては、例えば酢酸カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、リン酸カリウム、硝酸マグネシウム等を挙げることができる。これらの水溶性粒子は、上記各素材を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。さらに、所定の素材からなる1種の水溶性粒子であってもよく、異なる素材からなる2種以上の水溶性粒子であってもよい。
また、水溶性粒子の平均粒径は、好ましくは0.1〜500μm、より好ましくは0.5〜100μmである。ポアの大きさは、好ましくは0.1〜500μm、より好ましくは0.5〜100μmである。水溶性粒子の平均粒径が0.1μm未満であると、形成されるポアの大きさが使用する砥粒より小さくなるためスラリーを十分に保持できる研磨パッドが得難くなる傾向にある。一方、500μmを超えると、形成されるポアの大きさが過大となり得られる研磨パッドの機械的強度および研磨速度が低下する傾向にある。
この水溶性粒子の含有量は、非水溶性材料と水溶性粒子との合計を100体積%とした場合に、水溶性粒子は、好ましくは1〜60体積%、より好ましくは1〜40体積%、さらに好ましくは2〜30体積%である。この範囲の含有量とすることで、高い研磨速度と、硬度および機械的強度に優れた研磨パッドを得やすくなる利点がある。
また、水溶性粒子は、研磨パッド内において表層に露出した場合にのみ水に溶解し、研磨パッド内部では吸湿してさらには膨潤しないことが好ましい。このため水溶性粒子は最外部の少なくとも一部に吸湿を抑制する外殻を備えることができる。この外殻は水溶性粒子に物理的に吸着していても、水溶性粒子と化学結合していても、さらにはこの両方により水溶性粒子に接していてもよい。このような外殻を形成する材料としては、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリシリケート等を挙げることができる。なお、この外殻は水溶性粒子の一部のみに形成されていても十分に上記効果を得ることができる。
一方、後者の空洞が分散して形成された非水溶性マトリクス材、例えば発泡体等を備える研磨パッドを構成する非水溶性マトリックス材としては、例えば、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリビニルアセテート等を挙げることができる。
このような非水溶性マトリックス材中に分散する空洞の大きさは、平均値で、好ましくは0.1〜500μm、より好ましくは0.5〜100μmである。
上記水溶性粒子を製造時にマトリックス材中に分散させる方法は特に限定されない。例えばマトリックス材、水溶性粒子、必要に応じてその他の添加剤を混練りして分散体を得る。得られる分散体の形状は特に限定されない。例えば、ペレット、クラム、粉末等の形状で得られる。この混練りにおいては、マトリックス材が加工しやすいように、好ましくは加熱されて混練りされるが、このときの温度において、水溶性粒子は固体であることが好ましい。
これらが固体であることにより、水溶性粒子は前述した好ましい平均粒子径を呈する状態で分散されやすくなる。従って、使用するマトリックス材の加工温度により、水溶性粒子の種類を選択することが好ましい。
透光性部材
透光性部材は、研磨パッドの一部に、例えば研磨基体の研磨面と共通面を形成するように、設けられた透光性を有する部位を形成する部材をいう。
この透光性部材を研磨面に平行な面で切断した場合の断面形状は、その長径を短径で除した値(アスペクト比)が1を超える楕円形状である。ここで、「楕円形状」とは、例えば図1のような数学的な楕円形のほか、図2のような鶏卵型などの変形した略楕円形状を含む概念である。上記アスペクト比は、好ましくは1を超え20以下であり、より好ましくは1.5〜10であり、更に好ましくは1.5〜5である。化学機械研磨パッドの断面形状が円形である場合、透光性部材は、その長径方向が、研磨面の直径方向に平行に位置することが好ましい。
この透光性部材と上記した研磨基体とは、融着して一体化している。
ここで、「融着」とは、接着剤を使用せず、透光性部材若しくは研磨基体の両方または一方の少なくとも接合面を溶融または溶解させて接合した状態をいう。製造に際しては、接合面のみならず、透光性部材の全体を溶融して接合させてもよいし、研磨基体の全体を溶融して接合させてもよい。
具体的な融着方法は特に限定されない。例えば、(1)後述するように透光性部材または研磨基体の一方を金型に保持させ、他方の部材を仕込み融着させるインサート成形方法、(2)透光性部材および研磨基体を所定の形状に作製した後、嵌合させ、接触面を、赤外線溶接、高周波溶接、マイクロ波溶接および超音波溶接等により溶融させて接合させる方法、(3)透光性部材および研磨基体の接合しようとする表面に溶剤を使用して接合させる方法等が挙げられる。
本発明の研磨パッドは透光性部材と研磨基体が融着されているため、透光性部材と研磨基体との間に間隙を有さず、そのため、スラリーが研磨パッドの裏面側に漏れ出ることはない。
図3及び4に、本発明の研磨パッドを透光性部材を通り、かつ研磨面に垂直な面で切断した場合の断面図の一部を示した。上記透光性部材12は、図3に示されているように、研磨基体13と同じ厚さであってもよく、図4に示されているように、研磨基体13の厚さよりも薄くしてもよい。
この透光性部材の数は特に限定されず、1つであっても、2つ以上であってもよい。また、その配置も特に限定されないが、本発明の化学機械研磨パッドを装着して使用する化学機械研磨装置の終点検出用の光が通過する部分に、上記透光性部材を位置させることができるような研磨パッド上の位置に配置されるべきである。
研磨面の総面積に占める透光性部材の面積の割合は、好ましくは10%以下であり、より好ましくは0.005〜10%であり、更に好ましくは0.005〜5%であり、特に好ましくは0.01〜1%である。この範囲の面積とすることにより、確実な終点検出と、高い研磨性能を実現することができる。
図5及び6に、本発明の研磨パッドの透光性部材が研磨面上に占める位置の例を示した。
透光性部材が有する透光性は、通常、透光性部材の厚さを2mmとした場合に、波長100〜3,000nmの間のいずれかの波長における透過率が0.1%以上であるか、または波長100〜3,000nmの間の任意の波長域における積算透過率が0.1%以上であることが好ましい。この透過率または積算透過率は1%以上であることが好ましく、2%以上であることがより好ましく、3%以上がさらに好ましく、4%以上が特に好ましい。但し、この透過率または積算透過率は必要以上に高い必要はなく、例えば、50%以下であり、さらには30%以下であってもよく、特に20%以下であってもよい。
光学式終点検出装置を用いた研磨に用いる研磨パッドにおいては、特に終点検出用光としての使用頻度が高い領域である400〜800nmにおける透過率が高いことがさらに好ましい。このため波長400〜800nmの光に対する透過率が上記の要件を満たすことが好ましい。
この透過率は厚さ2mmの試験片に所定の波長における吸光度が測定できるUV吸光度計等の装置を用いて、各波長における透過率を測定した時の値である。積算透過率についても、同様に測定した所定の波長域における透過率を積算して求めることができる。
上記透光性部材は、非水溶性マトリックス材と、必要に応じて添加される水溶性粒子とから構成される。水溶性粒子を添加場合には、該水溶性粒子は、非水溶性マトリックス材中に分散されることが好ましい。
上記透光性部材を構成する非水溶性マトリックス材(以下、単に「マトリックス材」ともいう)としては、透光性を付与できる熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマーおよびゴム等を単独または組み合わせて用いることが好ましい。このマトリックス材は、透光性(可視光のみの透過を意味しない)を有すれば、それ自体が透明または半透明である必要はないが、透光性はより高いことが好ましく、さらには透明であることがより好ましい。
透光性を付与できる熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマーおよびゴム等は、前述した研磨基体で使用する非水溶性マトリックス材で説明したものと同じものを適用できる。これらのマトリックス材は2種以上を組み合わせて用いることができる。さらに、この非水溶性マトリックス材は、前記研磨基体で詳述したように、官能基を有する重合体と官能基を有さない重合体の混合物でもよい。
マトリックス材は架橋重合体であるかまたは非架橋重合体であるかは特に限定されない。マトリックス材の少なくとも一部は架橋重合体であることが好ましい。例えばマトリックス材が2種以上の材料の混合物からなり、その少なくとも1種の少なくとも1部が架橋重合体である場合、および、マトリックス材が1種の材料からなり、その少なくとも1部が架橋重合体である場合が挙げられる。
マトリックス材の少なくとも一部が架橋構造を有することによりマトリックス材に弾性回復力を付与することができる。従って、研磨時に研磨パッドにかかるずり応力による変位を小さく抑えることができ、また研磨時およびドレッシング時にマトリックス材が過度に引き延ばされ塑性変形により空孔が埋まることを防止できる。さらに、研磨パッド表面が過度に毛羽立つことも防止できる。このため、研磨時のスラリーの保持性が良く、ドレッシングによるスラリーの保持性の回復も容易であり、さらには、スクラッチの発生も防止できる。
これらの架橋重合体は、前記研磨基体の説明で既に詳述したものと同じものが適用できる。
これらの架橋重合体の中でも、十分な透光性を付与でき、多くのスラリーに含有される強酸や強アルカリに対して安定であり、さらには、吸水による軟化も少ないことから、架橋された1,2−ポリブタジエンやポリウレタンを用いることが特に好ましく、この架橋された1,2−ポリブタジエンをブタジエンゴムやイソプレンゴム等の他のゴムとブレンドして用いることができる。さらには、マトリックス材として1,2−ポリブタジエンを単独で使用することもできる。
このような少なくとも一部が架橋重合体であるマトリックス材では、JIS K 6251に準じ、マトリックス材からなる試験片を80℃において破断させた場合に、破断後に残留する伸び(以下、単に「破断残留伸び」という)を100%以下にできる。即ち、破断した後の試験片の標線間合計距離が破断前の標線間距離の2倍以下であるマトリックス材である。この破断残留伸びは30%以下さらに好ましくは10%以下、とりわけ好ましくは5%以下であることがより好ましい。破断残留伸びが100%を超えて大きくなるにつれ、研磨時および面更新時に研磨パッド表面から掻き取られたまたは引き延ばされた微細片が空孔を塞ぎ易くなる傾向にある。
ここで、破断残留伸びとは、JIS K 6251「加硫ゴムの引張試験方法」に準じて、試験片形状ダンベル状3号形、引張速度500mm/分、試験温度80℃で引張試験において試験片を破断させた場合に、破断して分割された試験片の各々の標線から破断部までの合計距離から、試験前の標線間距離を差し引いた伸びである。試験温度は、実際の研磨において摺動により達する温度が80℃程度であるため、80℃である。
上記水溶性粒子は、透光性部材中に分散されている。また、前述の様に研磨時に外部から供給される水系媒体との接触により空孔を形成することができる物質である。
この水溶性粒子の形状、大きさ、透光性部材中の含有量および材料は、前記研磨基体で詳述した水溶性粒子と同じものを適用できる。
水溶性粒子は、透光性部材の表面に露出したもののみが水に溶解または膨潤し、表出することなく透光性部材内に存在するものは吸湿および膨潤しないことが好ましい。このため、水溶性粒子には外表面の少なくとも一部上に吸湿を抑制するエポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミドおよびポリシリケート等から構成される外殻を形成することができる。
この水溶性粒子は、空孔を形成する機能以外にも、透光性部材の押し込み硬さを、研磨パッドの他部と整合させる機能を有する。研磨パッドは、研磨時に付加する圧力を大きくし、研磨速度を向上させ、高い平坦性を得るためにショアーD硬度を研磨パッドの全体において35〜100とすることが好ましい。しかし、所望のショアーD硬度をマトリックス材の材質からのみ得ることは困難であることも多く、このような場合は、水溶性粒子を含有させることで空孔を形成する以外にショアーD硬度を研磨パッドの他部と同程度に向上させることが可能となる。このような理由から水溶性粒子は、研磨パッド内において十分な押し込み硬さを確保できる中実体であることが好ましい。
前記水溶性粒子を製造時にマトリックス材中に分散させる方法は、前記研磨基体で述べた方法と同じ方法が適用できる。
本発明の研磨パッドには、研磨面とは反対面の裏面側に、研磨パッドを研磨時に研磨装置に固定するための固定用層を備えることができる。固定用層は、研磨パッド自身を固定できるものであればよく特に限定されない。
この固定用層としては、例えば、両面テープを用いて形成された層、例えば接着剤層とその外表面上に形成された剥離層とを備えた層、および、接着剤の塗布などにより形成された接着剤層等を挙げることができる。接着剤の塗布により形成された接着剤層の外表面上には剥離層を設けることができる。
これらの固定用層を構成する接着材料は特に限定されない。例えば熱可塑性型、熱硬化型、あるいは光硬化型のアクリル接着剤あるいは合成ゴム接着剤を使用することができる。市販されているものとしては、例えば3M社製#442、積水化学(株)社製#5511および積水化学(株)社製#5516等が挙げられる。
これら固定用層のうちでも、両面テープを用いて形成された層は、予め剥離層を有しているため好ましい。また、いずれの固定用層であっても剥離層を備えることで、使用時まで接着層を保護でき、使用時にはこの層を剥離することで研磨パッドを研磨装置に容易に固定できる。
また、固定用層は、固定用層を構成する材料自体の透光性は特に限定されない。固定用層を構成する材料が透光性を有さない場合や、透光性が低い場合には、透光性部材に対応する部位に貫通孔等を設けることができる。この貫通孔は、透光性部材の面積より大きくてもよく、小さくてもよく、さらには、同じ面積であってもよい。
固定用層に貫通孔を設けることにより、透過光の通過路には固定用層が形成されていない態様としてもよい。
さらに、両面テープから形成された固定用層を形成する場合は、予め両面テープの所定位置に貫通孔を設けておくことができる。この貫通孔を形成する方法は特に限定されず、例えば、レーザーカッターを用いる方法や、打ち抜き刃で打ち抜く方法等が挙げられる。レーザーカッターを用いる方法では、両面テープにより固定用層を設けた後に貫通孔を設けることも可能である。
化学機械用研磨パッドの製造方法
本発明の研磨パッドの製造方法は特に限定されないが主に以下のインサート成形金型を用いた製造方法により製造することが好ましい。
インサート成型用金型
本発明の研磨パッドの製造方法に用いることができるインサート成型用金型は、あらかじめ成形された透光性部材または研磨基体の位置決めをするための凸部および/または凹部を有する。
この透光性部材または研磨基体の位置決めをするための凸部および/または凹部の位置、形状、大きさおよび数等は透光性部材または研磨基体の位置決めができれば特に限定されない。
透光性部材を位置決めするための凸部としては、例えば、図7に示されているように、(1)ドット状、点状および長尺状等の突起721を透光性部材を囲むように複数例えば3つまたは4つ下部金型72に配置したもの、(2)透光性部材の底部中央に予め設けられた窪みに嵌合するように上記突起を配置したもの、または(3)底部円形状または四角状等の透光性部材に嵌合するようにリング状の突起、一部リング状の突起または四角状等の突起例えば長尺状の突起で全体として透光性部材を取り囲むように配置させ、これら全体でリング状または四角状となったものを配置したものが挙げられる。なお、71は上部金型である。
また、研磨基体を位置決めするための凸部としては、例えば、図8に示されているように、研磨基体の透光性部材装着用の穴に嵌合するように、下部金型72に円盤状、うすい四角柱上の突起物721を配置するもの、または研磨基体に予め設けられた窪みに嵌合するようなドット状、点状および長尺状等の突起等を配置するものが挙げられる。
また、この研磨基体を固定する凸部面は透光性部材の表層を形成する面となるため、透光性部材の透光性を向上させる目的で凸部表面は平滑性に優れている方が望ましい。特に鏡面仕上げが望ましい。
一方、透光性部材を位置決めするための凹部としては、例えば、図9に示されているように、透光性部材が嵌合するように、下部金型72に、円形状、四角形状の窪み722を設けたもの、または透光性部材に予め設けられたドット状、点状および長尺状等の複数の突起が嵌合するような窪みを配置するものが挙げられる。
さらに、研磨基体を位置決めするための凹部としては、例えば、研磨基体の低部に予め設けられたドット状、点状および長尺状等の複数の突起と嵌合するように窪み等を配置するものがあげられる。
研磨パッド製造方法
本発明の研磨パッド製造方法は、金型内に透光性部材または研磨基体を保持できキャビティ内に透光性部材または研磨基体の構成材料を仕込むことができるものであれば特に限定されない。本発明の研磨パッドを容易に製造するためには、前記したインサート成形金型を用いることが好ましい。
この製造方法には、例えば以下の(1)および(2)の方法が好ましい。
(1)透光性部材を構成するためのマトリックスと水溶性物質等を予め混練り等に付し分散体を得る。この得られた分散体を成形用キャビティを有する金型内で成形して透光性部材を作製する。
次いでこの透光性部材をキャビティを有する金型内にセットし、その後混練り等に付し得られた研磨基体を構成する分散体を仕込んで成形することにより研磨パッドを得る方法。
より具体的には、位置決めをできる凸部(図7参照。)を有するインサート成形金型の該凸部に、予め成形された透光性部材を保持する。その後、金型を締め、その後金型内の残余の空間に、混練り等により得られた研磨基体を構成する分散体を注入口から仕込む。その後、冷却、固化して、研磨パッドを成形することができる。また、上記金型を閉める前に、研磨基体を構成する分散体を直接仕込み、その後上記金型を締めて成形してもよい。
(2)予め透光性部材をインサートするための穴のあいた研磨基体を成形加工し、次いでこの研磨基体をキャビティを有する金型内にセットし、研磨基体の穴の中に、混練り等により得られた透光性部材を構成するための分散体を仕込み、金型内で成形して透光性部材を作製することにより研磨パッドを得る。上記穴は、底部のあるものおよび底部のない貫通孔のいずれであってもよいが、貫通孔を備える研磨基体を用いることが好ましい。
より具体的には、位置決めできる凸部(図8参照。)を有するインサート成形金型の該凸部に、あらかじめ所定の形状に成形された研磨基体を保持する。その後、金型を締め、その後混練り等により得られた透光性部材を構成する分散体を注入口から仕込んで成形することができる。また、上記金型を閉める前に、透光性部材を構成する分散体を直接仕込み、その後上記金型を締めて成形してもよい。
上記(1)および(2)の方法において、インサート用金型内の温度は、好ましくは30〜300℃であり、より好ましくは40〜250℃、さらに好ましくは50〜200℃である。
透光性部材の高さと研磨基体の厚みは基本的に同じである必要はない。さらには、成型後に研磨紙等を用いて研削することにより、研磨面の平坦性を向上させるとともに、パッドを所望の厚みに加工してもよい。
本発明の研磨パッドの研磨面には使用済みスラリーの排出性を向上させる目的等で必要に応じて溝およびドットパターンを所定の形状で形成することができる。このような溝およびドットパターンを必要とする場合は、上記の透光性部材の薄肉化により生じる研磨パッドからの凹みを表面側に形成することで得ることもできる。
研磨複層体
本発明の研磨パッドは、その裏面上に積層される支持層を備える研磨複層体として提供することもできる。
上記「支持層」は、研磨パッドの研磨面とは反対側の裏面上に積層された層である。支持層の透光性の有無は問わないが、透光性部材の透光性と同等かまたはそれを上回る透光性を有する材料からなる支持体を用いることで研磨複層体における透光性を確保することができる。この場合、支持体のうち、透光性部材に相当する場所に貫通孔を形成してもよいが、無くてもよい。
一方、透光性を有さない支持体を用いる場合には、透光性部材に相当する場所に貫通孔を形成することにより、研磨複層体の透光性を確保できる。
支持層の形状は特に限定されないが、その平面形状は、例えば、方形例えば四角形等や円形等とすることができる。さらに、薄板状とすることができる。この支持層は、研磨パッドと同じ平面形状とすることが好ましい。
支持層を構成する材料は特に限定されず、種々の材料を用いることができるが、所定の形状および性状への成形が容易であり、適度な弾力性を付与できること等から有機材料を用いることが好ましい。この有機材料としては、前述した透光性部材を構成するマトリックス材として適用される種々の材料と同じ材料を用いることができる。支持層を構成する材料と、透光性部材および/または研磨基体のマトリックス材を構成する材料とは同一であっても異なっていてもよい。
支持層の数は限定されず、1層であっても、2層以上であってもよい。さらに、2層以上の支持層を積層する場合には各層は同じものであっても、異なるものであってもよい。また、この支持層の硬度も特に限定されないが、研磨パッドよりも軟質であることが好ましい。これにより、研磨複層体全体として、十分な柔軟性を有し、被研磨面の凹凸に対する適切な追随性を備えることができる。
本発明の研磨パッドが研磨複層体である場合には、研磨パッドの場合と同様の固定用層を設けることができる。ここで、複層体における固定用層は、支持層の裏面上すなわち研磨面とは反対面上に形成されることが好ましい。この固定用層としては前記研磨パッドで説明したものと同じものを適用できる。
半導体ウエハの研磨方法
本発明の半導体ウエハの研磨方法は、本発明の研磨パッドを用いる半導体ウエハの研磨方法であって、該半導体ウエハの研磨終点の検出を光学式終点検出装置を用いて行うことを特徴とする。
上記光学式終点検出装置は、研磨パッドの裏面側から透光性部材を通して研磨面側へ光を透過させ、被研磨体表面で反射された光から被研磨面の研磨終点を検出することができる装置である。その他の測定原理については、特に限定されない。
本発明の半導体ウエハの研磨方法によると、研磨性能を低下させることなく終点検出を行うことができる。例えば、研磨パッドまたは研磨複層体が円盤状である場合にこの円盤の中心と同心円状に透光性部材を環状に設けることで研磨終点を常時観測しながら研磨することも可能となる。従って、最適な研磨終点において確実に研磨を終えることができる。
本発明の半導体ウエハの研磨方法としては、例えば、図10に示すような研磨装置を用いることができる。回転可能な定盤2と、回転および縦横への移動が可能な加圧ヘッド3と、スラリーを単位時間に一定量ずつ定盤上に滴下できるスラリー供給部5と、定盤の下方に設置された光学式終点検出部6とを備える装置である。
この研磨装置では、定盤2上に本発明の研磨パッド(研磨複層体を含む)1を固定し、一方、加圧ヘッドの下端面に半導体ウエハ4を固定して、この半導体ウエハを研磨パッドに所定の圧力で押圧しながら押しつける。そして、スラリー供給部からスラリーを所定量ずつ定盤上に滴下しながら、定盤および加圧ヘッドを回転させることで半導体ウエハと研磨パッドとを摺動させて研磨を行う。
この研磨に際しては、光学式終点検出部6から所定の波長または波長域の終点検出用光Rを、定盤の下方から透光性部材12を透過させて半導体ウエハ4の被研磨面に向けて照射する。すなわち、定盤は自身が透光性を有するか、または一部が切り欠かれることで終点検出用光が透過できる。そして、この終点検出用光Rが半導体ウエハ4の被研磨面で反射された反射光Rを光学式終点検出部6で捉え、この反射光から被研磨面の状況を観測しながら研磨を行うことができる。
本発明の研磨方法に好適な被研磨材料としては、具体的には、図11に示すような構造を有する積層基板が挙げられる。例えば、シリコン等からなる基板に、シリコン酸化物等からなる第1絶縁膜、溝を有する第2絶縁膜(絶縁材料としては、TEOS系酸化膜、例えばテトラエトキシシランを原料とし、化学気相成長法で成膜した酸化ケイ素系絶縁膜、低誘電率の絶縁膜(例えば、シルセスキオキサン、フッ素添加SiO、ポリイミド系樹脂、ベンゾシクロブテン等)等)、バリアメタル膜、配線材料となる金属膜(純銅膜、純タングステン膜、純アルミニウム膜、合金膜等)が順次形成された積層基板等が挙げられる。
また、被研磨体としては、例えば、埋め込み材料を伴う被研磨体および埋め込み材料を伴わない被研磨体等が挙げられる。
埋め込み材料を伴う被研磨体は、例えば、少なくともその表面上に溝を備える半導体装置となる基板(通常、少なくともウエハとこのウエハの表面に形成された絶縁膜とを備える。さらには、絶縁膜表面に研磨時のストッパとなるストッパ層を備えることができる。)の少なくとも該溝内に、所望の材料が埋め込まれるように所望の材料をCVD等により堆積した積層体等である。この被研磨体の研磨に際しては、余剰に堆積等された埋め込み材料を本発明の研磨パッドを用いて研磨により除去し、その表面を平坦化する研磨を行うことができる。被研磨体が埋め込み材料の下層にストッパ層を備える場合にはストッパ層の研磨も研磨の後期には同時に行うことができる。
埋め込み材料は、例えば、(1)STI(微細素子分離)工程に用いられる絶縁材料、(2)ダマシン工程に用いられるAl、Cu等のうちの少なくとも1種からなる金属配線用材料、(3)ビアプラグ形成工程に用いられるW、Al、Cu等のうちの少なくとも1種からなるビアプラグ用材料、(4)層間絶縁膜形成工程に用いられる絶縁材料等が挙げられる。
上記ストッパ層を構成するストッパ材料としてはSi、TaNおよびTiN等の窒化物系材料、タンタル、チタン、タングステン等の金属系材料等が挙げられる。
上記絶縁材料としては、酸化シリコン(SiO)膜、SiO中に少量のホウ素およびリンを添加したホウ素リンシリケート膜(BPSG膜)、SiOにフッ素をドープしたFSG(Fluorine doped silicate glass)と呼ばれる絶縁膜、低誘電率の酸化シリコン系絶縁膜等が挙げられる。
酸化シリコン膜としては、例えば、熱酸化膜、PETEOS膜(Plasma Enhanced−TEOS膜)、HDP膜(High Density Plasma Enhanced−TEOS膜)、熱CVD法により得られる酸化シリコン膜等が挙げられる。
上記熱酸化膜は、高温にしたシリコンを酸化性雰囲気に晒し、シリコンと酸素あるいはシリコンと水分を化学反応させることにより形成することができる。
上記PETEOS膜は、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を原料として、促進条件としてプラズマを利用して化学気相成長で成膜することができる。
上記HDP膜はテトラエチルオルトシリケート(TEOS)を原料として、促進条件として高密度プラズマを利用して化学気相成長で成膜することができる。
上記熱CVD法により得られる酸化シリコン膜は、常圧CVD法(AP−CVD法)または減圧CVD法(LP−CVD法)により得ることができる。
上記ホウ素リンシリケート膜(BPSG膜)は、常圧CVD法(AP−CVD法)または減圧CVD法(LP−CVD法)により得ることができる。
また、上記FSGと呼ばれる絶縁膜は、促進条件として高密度プラズマを利用して化学気相成長で成膜することができる。
さらに、上記低誘電率の酸化シリコン系絶縁膜は、原料を回転塗布法等によって基体上に塗布した後、酸化性雰囲気下で加熱して得ることができ、例えば、トリエトキシシランを原料とするHSQ膜(Hydrogen Silsesquioxane膜)や、テトラエトキシシランに加え、メチルトリメトキシシランを原料の一部として含むMSQ膜(Methyl Silsesquioxane膜)等が挙げられる。
また、ポリアリーレン系ポリマー、ポリアリレンエーテル系ポリマー、ポリイミド系ポリマー、ベンゾシクロブテンポリマー等の有機ポリマーを原料とする低誘電率の絶縁膜等が挙げられる。
例えば、この埋め込み型積層体は図11に示される。即ち、積層基板9は、シリコン等からなる基板91と、このシリコン基板91の上に形成されたシリコン酸化物等からなる絶縁膜92と、この絶縁膜92の上に形成されたシリコン窒化物等からなる絶縁膜93と、この絶縁膜93の上に溝を設けるように形成されたPTEOS(テトラエトキシシランを原料としてCVD法で合成された材料)等からなる絶縁膜94と、この絶縁膜94および上記溝を覆うように形成されたタンタル等からなるバリアメタル膜95と、さらに、上記溝を充填し且つ上記バリアメタル膜95の上に形成された金属銅等の配線材料からなる膜96(表面には溝が形成されており、凹凸面となっている。)と、を備える。
一方、埋め込み材料を伴わない被研磨体としては、ポリシリコンおよびベアシリコン等が挙げられる。
実施例1
1.研磨パッドの製造
1−1.表面処理したβ−シクロデキストリンの製造
水溶性粒子であるβ−シクロデキストリン((株)横浜国際バイオ研究所製、品名「デキシパール β−100」、平均粒径20μm)100重量部を混合ミキサー(カワタ(株)製「スーパーミキサーSMZ−3SP」)中に入れ、400rpmで攪拌しながら、噴霧スプレーを用いγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカ(株)製、品名「A−1100」)0.5重量部を5分間に亘り噴霧しながら混合し、その後更に2分間400rpmで攪拌を続けた。その後、取り出した粒子を130℃に設定された真空乾燥機中で粒子の水分含有率が5000ppm以下になるまで加熱乾燥を行い、表面処理したβ−シクロデキストリンを得た。
1−2.楕円形状の穴を有する研磨基体の製造
後に架橋されてマトリックス材となる1,2−ポリブタジエン(JSR(株)製、品名「JSR RB830」)66.5体積%及びポリスチレン((株)PSジャパン製、品名「HF−55」)28.5体積%、並びに水溶性物質として上記で製造した表面処理したβ−シクロデキストリン5体積%を、160℃に加熱されたルーダーにて混練した。その後、パークミルD40(商品名、日本油脂(株)製。ジクミルパーオキシドを40質量%含有する。)を、1,2−ポリブタジエンとポリスチレンとの合計を100質量部として換算した0.4質量部(ジクミルパーオキシドの純品に換算して0.16質量部に相当する。)を添加してさらに混練した後、プレス金型内にて160℃で7分間架橋反応させ、直径790mm、厚さ3.2mmの円盤状の成形体を得た。次いで(株)加藤機械製エンドミルを用いてプレ研磨基体の中心から195mmのところを中心として、長径方向が研磨基体の直径方向となるように、長径58mm、短径22mmの楕円形状の穴(アスペクト比2.64)を形成し、楕円形状の穴を有する研磨基体を製造した。
1−3.透光性部材組成物の製造
後に架橋されて透光性部材となる1,2−ポリブタジエン(品名「JSR RB830」)98体積%及び水溶性物質として上記1−1で製造した表面処理したβ−シクロデキストリン2体積%とを、160℃に加熱されたルーダーにて混練した。その後、パークミルD40を、1,2−ポリブタジエンを100質量部として換算した0.4質量部(ジクミルパーオキシドの純品に換算して0.16質量部に相当する。)を添加して、さらに混練することにより、透光性部材組成物を製造した。
1−4.研磨パッドの製造
次いで、上記で製造した研磨基体をプレス金型内に再びセットし、形成した楕円形の穴部に、上記透光性部材組成物を充填して180℃で8分間架橋反応させて成形し、直径790mm、厚さ3.2mmの円盤形状の成形体を得た。この成形体を、ワイドベルトサンダー機器((株)名南製作所製)の挿入口にセットし、ローラーを500rpmで回転させながら、成形体の表面及び裏面を粒度メッシュ#120、#150、#220、#320のサンドペーパー(ノバテック社製)順次用いて、成形体を0.1m/秒の速さで動かしながら、各メッシュあたり0.08mmずつ研削した(総研削量0.32mm)。次いで、裏面のみ更に#600のサンドペーパー(ノバテック社製)を用いて上記と同様のローラー回転数及び成形体移動速度にて0.06mm研削した。さらに、(株)加藤機械製の溝加工機を用いて、研磨面側に溝幅0.5mm、ピッチ2mm、溝深さ1mmの同心円状の溝(溝の断面形状は矩形である。)を、パッド研磨面の中心から20mm離れたところより外側の部分に形成することにより、研磨パッドを製造した。
得られたパッドの厚みは2.5mmであった。なお、レーザーテック社製1LM21Pを用いて透光性部材の裏面の算術表面粗さを測定したところ2.2μm、溝内部の算術表面粗さは6.2μmであった。また、石英セルの中に、上記と同様にして製造した研磨パッドの透光性部材の一部を、水と一緒にセットし、UV吸光度計((株)日立製作所製、形式「U−2010」)を用いて650nmにおける透過率を測定した結果、5回の平均積算透過率は25%であった。
2.研磨性能の試験
2−1.パターン付きウエハの研磨試験
上記で製造した研磨パッドの裏面に、3M社製両面テープ「#422」をラミネートした後、アプライドマテリアル社製化学機械研磨装置「Applied Reflexion」に装着し、12インチパターン付きウエハ(品名「SEMATECH−754」)を被研磨体として、以下の条件にて化学機械研磨を行った。
定盤回転数:120rpm
研磨ヘッド回転数:36rpm
研磨圧力:
リテーナーリング圧:7.5psi
Zone 1圧:6.0psi
Zone 2圧:3.0psi
Zone 3圧:3.5psi
研磨機械研磨用水系分散体:CMS7401、CMS7452(以上、ともに商品名、JSR(株)製)および水を1:1:2(質量比)で混合したもの。
化学機械研磨用水系分散体供給量:300mL/分
上記の研磨においては、問題なく終点検出ができた。また、研磨後の被研磨体の被研磨面につき、ケーエルエー・テンコール社製、サーフスキャンSP1を使用してスクラッチ数を測定したところウエハ全面あたり0個であった。
2−2.銅膜付きパターンなしウエハの研磨試験
上記「1.化学機械研磨パッドの製造」と同様にして製造した研磨パッドを用いて、直径12インチの銅膜付きパターンなしウエハを被研磨体として、研磨時間を1分とした他は上記「2−1.パターン付きウエハの研磨試験」と同様にして化学機械研磨を行った。
被研磨体につき、直径方向に、両端からそれぞれ5mmの範囲を除いて均等にとった33点について研磨前後の銅膜の厚さを測定し、この測定結果から、下記式により、研磨速度及び面内均一性を計算した。
研磨量 = 研磨前の銅膜の厚さ−研磨後の銅膜の厚さ
研磨速度 = 膜厚量の平均値÷研磨時間
面内均一性 =(研磨量の標準偏差÷研磨量の平均値)×100(%)
その結果、研磨速度は8550Å/分であり、面内均一性は3.0%であった。なお、面内均一性の値が5%以下のとき、面内均一性は良好であるといえる。
実施例2
研磨パッドの製造
後に架橋されてマトリックス材となる1,2−ポリブタジエン(JSR(株)製、品名「JSR RB830」)64体積%及びスチレン−ブタジエンエラストマー(JSR(株)製、品名「JSR TR2827」)16体積%、並びに水溶性物質として実施例1の「1−1.」で製造した表面処理したβ−シクロデキストリン20体積%を、160℃に加熱されたルーダーにて混練した。その後、パークミルD40(商品名、日本油脂(株)製。ジクミルパーオキシドを40質量%含有する。)を、1,2−ポリブタジエンとスチレン−ブタジエンエラストマーとの合計を100質量部として換算した0.4質量部(ジクミルパーオキシドの純品に換算して0.16質量部に相当する。)を添加してさらに混練した後、プレス金型内にて160℃で7分間架橋反応させ、直径790mm、厚さ3.2mmの円盤状の成形体を得た。次いで(株)加藤機械製エンドミルを用いてプレ研磨基体の中心から195mmのところを中心として、長径方向が研磨基体の直径方向となるように、長径50mm、短径48mmの楕円柱状の穴(アスペクト比1.04)を形成し、楕円形状の穴を有する研磨基体を製造した。
楕円形状の穴を有する研磨基体として、上記で製造したものを使用した他は実施例1と同様にして、研磨パッドを製造した。
研磨性能の試験
上記で製造した研磨パッドを使用した他は、実施例1の「2.研磨性能の試験」と同様にして、研磨試験を行った。結果を表1に示す。
実施例3
研磨パッドの製造
後に架橋されてマトリックス材となる1,2−ポリブタジエン(JSR(株)製、品名「JSR RB830」)を80体積%および水溶性物質として実施例1の「1−1.」で製造した表面処理したβ−シクロデキストリン20体積%を、160℃に加温されたルーダーにて混練りした。その後、パークミルD40を、1,2−ポリブタジエンを100質量部として換算した0.8質量部(ジクミルパーオキシドの純品に換算して0.32質量部に相当する。)を添加して更に混練りした後、プレス金型内にて160℃で7分間架橋反応させ、直径790mm、厚さ3.2mmの円盤状の成形体を得た。次いで(株)加藤機械製エンドミルを用いてプレ研磨基体の中心から195mmのところを中心として、長径方向が研磨基体の直径方向となるように、長径70mm、短径7mmの楕円柱状の穴(アスペクト比10)を形成し、楕円形状の穴を有する研磨基体を製造した。
楕円形状の穴を有する研磨基体として、上記で製造したものを使用した他は実施例1と同様にして、研磨パッドを製造した。
研磨性能の試験
上記で製造した研磨パッドを使用した他は、実施例1の「2.研磨性能の試験」と同様にして、研磨試験を行った。結果を表1に示す。
実施例4
研磨パッドの製造
(1)透光性部材の製造
プレポリマー(ユニロイヤルケミカル社製、品名「バイブラセンB670」100重量部を容器中に仕込み80℃で攪拌しながら、実施例1の「1−1.」で製造した表面処理したβ−シクロデキストリンの3重量部を加え、更にトリメチロールプロパン10.8重量部を加えて3分間攪拌した。180mm×180mm×3mmの矩形空洞を有する金型内に上記混合物を注入し、110℃、30分間保持して反応を行った後、脱型して成形体を得た。この成形体につき、楕円形状の打ち抜き機を用いて打ち抜きを行い、長径120mm、短径6mmの楕円形状(アスペクト比20)であり、厚さ3mmの透光性部材を得た。
(2)研磨基体用組成物の準備
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製、品名「スミジュール44S」)58重量部を反応容器中に仕込み、60℃で攪拌しながら分子の両末端に2個の水酸基を有する数平均分子量650のポリテトラメチレングリコール(三菱化学(株)製、品名「PTMG650」)5.1重量部と数平均分子量250のポリテトラメチレングリコール(三菱化学(株)製、品名「PTMG250」)17.3重量部を加え、攪拌しながら90℃で2時間保温して反応させ、その後冷却して末端イソシアネートプレポリマーを得た。なお、この末端イソシアネートプレポリマーには21重量%の未反応の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含んでおり、残りの79重量%が両末端イソシアネートプレポリマーである混合物であった。
上記で得られた末端イソシアネートプレポリマー80.4重量部を攪拌容器に入れて90℃に保温し、200rpmで攪拌しながら、これに上記で得られた表面シランカップリング処理した水溶性粒子14.5重量部を加え、1時間混合分散させたのちに減圧脱泡して、水溶性粒子が分散された末端イソシアネートプレポリマーを得た。
末端に2個の水酸基を有する1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(三井化学ファイン(株)製、品名「BHEB」)12.6重量部を攪拌容器中120℃で2時間加温し融解させたのち、3個の水酸基を有するトリメチロールプロパン(BASFジャパン(株)製、品名「TMP」)7重量部を攪拌させながら加え、10分間混合溶解させ、鎖延長剤の混合物を得た。
上記で得られた水溶性粒子が分散された末端イソシアネートプレポリマー94.9重量部をアジター混合機中で90℃に加温および攪拌しながら、120℃に加温した上記で得られた鎖延長剤混合物19.6重量部を加え、1分間混合し、研磨基体用組成物を得た。
(3)研磨パッドの製造
直径600mm、厚さ3mmの円盤型空洞を有する金型内に、円盤の中心から100mmの位置を中心として、楕円形状の長径方向が円盤の直径方向になるように、上記(2)で得た透光性部材を配置した。その後、上記(3)で製造した研磨基体用組成物を、金型内の残余の空洞を満たす量を注入し、110℃で30分間保持してポリウレタン化反応を行い、その後脱型した。更にギヤーオーブン中110℃で16時間ポストキュアを行い、楕円形状の窓部を有し、水溶性粒子の分散した直径600mm、厚さ3mmのポリウレタンシートを得た。
その後、実施例1の「1−4.研磨パッドの製造」の記載と同様にして、サンドペーパーによる研削および同心円状の溝の形成を行い、研磨パッドを製造した。なお、得られたパッドの厚みは2.3mmであった。
研磨性能の試験
上記で製造した研磨パッドを使用した他は、実施例1の「2.研磨性能の試験」と同様にして、研磨試験を行った。結果を表1に示す。
実施例5
実施例1において、「1−4.研磨パッドの製造」において、研磨基体の楕円形状の穴部に相当する部分に、平面形状及び大きさが穴と同じであり、高さが0.78mmの凸部を有する金型を使用した以外は実施例1と同様にして実施し、研磨パッドを製造した。この研磨パッドは、透光性領域の裏面が、研磨基体の裏面よりも0.7mm凹んだ凹部となっていた。
この研磨パッドを用いて、実施例1の「2.研磨性能の試験」と同様にして研磨試験を実施した。結果を表1に示す。
比較例1
研磨パッドの製造
実施例1の「1−2.楕円形状の穴を有する研磨基体の製造」と同様にして、楕円形状の穴を有する研磨基体を製造した。
これとは別に、実施例1の「1−3.透光性部材組成物の製造」と同様にして製造した透光性部材組成物を180℃で10分間加熱して成形し、これを上記楕円形状の穴と同じ形状であり、かつ穴のサイズよりもわずかに小さくなるようにカットし、透光性部を製造した。なお、この透光性部につき、実施例1と同様にして透過率を測定した結果、5回の平均積算透過率は25%であった。
上記研磨基体の裏面の全面に、3M社製両面テープ「#422」をラミネートした後、研磨基体の穴部に上記で製造した透光性部を挿入し、研磨パッドを製造した。
研磨性能の試験
上記で製造した研磨パッドを使用した他は、実施例1の「2.研磨性能の試験」と同様にして、研磨試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2005340795
透光性部材の平面形状の一例を示す模式図である。 透光性部材の平面形状の一例を示す模式図である。 本発明の研磨パッドの断面形状の一例を示す一部模式図である。 本発明の研磨パッドの断面形状の一例を示す一部模式図である。 本発明の研磨パッドの一例を示す平面模式図である。 本発明の研磨パッドの一例を示す平面模式図である。 研磨パッド成型用金型の一例を示す一部模式断面図である。 研磨パッド成型用金型の一例を示す一部模式断面図である。 研磨パッド成型用金型の一例を示す一部模式断面図である。 本発明の研磨パッドを用いる研磨方法を解説する模式図である。 被研磨材料の一例の模式的断面図である。

Claims (6)

  1. 研磨面を有する研磨基体及び該研磨基体に融着している透光性部材とを有し、かつ該透光性部材を研磨面に平行な面で切断した場合の断面形状が、長径を短径で除した値が1を超える値の楕円形状であることを特徴とする、化学機械研磨パッド。
  2. 透光性部材が、非水溶性材料と、該非水溶性材料中に分散されている水溶性粒子からなる請求項1に記載の化学機械研磨パッド。
  3. 上記非水溶性材料の少なくとも一部が架橋重合体である請求項2に記載の化学機械研磨パッド。
  4. 上記架橋重合体が1,2−ポリブタジエンである、請求項3に記載の化学機械研磨パッド。
  5. 研磨基体と透光性部材との融着を、インサート成型用金型内で行うことを特徴とする、請求項1に記載の化学機械用研磨パッドの製造方法。
  6. 半導体ウエハを化学機械研磨パッドで化学機械研磨する方法であって、請求項1の化学機械研磨パッドを用い、化学機械研磨の終点を、請求項1に記載の化学機械研磨パッドの透光性部材を通して光学式終点検出装置により検出することを特徴とする、半導体ウエハの化学機械研磨方法。
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