JP2008258574A - 化学機械研磨パッドおよび化学機械研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上記化学機械研磨パッドの研磨面は、(i)研磨面の中心から周辺部へ向かう1本の仮想直線と交差する複数本の第一溝からなる第一溝群、この複数本の第一溝同士は互いに交差することがなく、前記第一溝のピッチP1および前記第一溝の幅W1が、(P1−W1)÷W1=1〜10の関係を満たす、および(ii)研磨面の中心から周辺部へ向かう1本の仮想直線と交差する複数本の第二溝からなる第二溝群、この複数本の第二溝同士は互いに交差することがなく、第二溝のそれぞれは前記第一溝群の第一溝と交差せず、前記第二溝のピッチP2および前記第二溝の幅W2が、(P2−W2)÷W2=4〜40の関係を満たす、からなる2つの溝群を有してなる。
【選択図】図3
Description
これらのうち特許文献3では、被研磨面の研磨均一性を向上するために、研磨パッドの研磨面の領域ごとに溝の幅、ピッチ、深さまたは形(円形溝および蛇行溝)を変化させる技術が提案されている。また特許文献5では、研磨面の溝の密度と研磨性能との関係について詳細な検討がなされている。同公報によると、同心円状の溝は、研磨時にパッドの中心に導入され遠心力でパッド縁部に移動する化学機械研磨用水系分散体をトラップする役割を果たすことが記載されている。
しかしこれらの公報では、前記のコンセプトから考えられる溝デザインのアイデアのいくつかを提示したにすぎず、現実の生産場面において実際にいかなる溝パターンが有用であるかについては、具体的な指針は明らかにされていない。
一方、半導体製品のコスト競争が益々激化する中、化学機械研磨の際に供給される化学機械研磨用水系分散体の使用量の減量は、コストダウンに最も効果のある方法の一つと考えられている。しかし、化学機械研磨用水系分散体の供給量を少量とした際にも、パッド研磨面の全面に効率的に水系分散体を供給し、高い研磨速度と被研磨面における高度な均一性を実現するという観点からの溝デザインの検討はほとんどなされていない。
研磨面およびそれの裏面である非研磨面を有する化学機械研磨パッドであって、
前記研磨面はそれぞれ複数本の溝からなる少なくとも2つの溝群を有してなり、前記2つの溝群は、
(i)研磨面の中心から周辺部へ向かう1本の仮想直線と交差する複数本の第一溝からなる第一溝群、この複数本の第一溝同士は互いに交差することがなく、下記数式(1)で表される値L1が1〜10である、
L1=(P1−W1)÷W1 (1)
(上記数式(1)中、P1は前記仮想直線と前記第一溝との交差点のうち隣接する2つの交差点間の距離であり、W1は前記第一溝の幅である。)
および
(ii)研磨面の中心から周辺部へ向かう1本の仮想直線と交差する複数本の第二溝からなる第二溝群、この複数本の第二溝同士は互いに交差することがなく、第二溝のそれぞれは前記第一溝群の第一溝と交差せず、下記数式(2)で表される値L2が4〜40である、
L2=(P2−W2)÷W2 (2)
(上記数式(2)中、P2は前記仮想直線と前記第二溝との交差点のうち隣接する2つの交差点間の距離であり、W2は前記第二溝の幅であり、W2<W1である。)
からなる化学機械研磨パッド(以下、「第一研磨パッド」ということがある。)によって達成される。
研磨面およびそれの裏面である非研磨面を有する化学機械研磨パッドであって、
前記研磨面は1本の第一溝および1本の第二溝を有してなり、これら第一溝および第二溝は、
(i)研磨面の中心から周辺部へ向かって次第に螺旋が拡大する1本の螺旋状の第一溝、この第一溝は下記数式(3)で表される値L3が1〜10である、
L3=(P3−W3)÷W3 (3)
(上記数式(3)中、P3は前記仮想直線と前記第一溝との交差点のうち隣接する2つの交差点間の距離であり、W3は前記第一溝の幅である。)
および
(ii)研磨面の中心から周辺部へ向かって次第に螺旋が拡大する1本の螺旋状の第二溝、この第二溝は下記数式(4)で表される値L4が4〜40である、
L4=(P4−W4)÷W4 (4)
(上記数式(4)中、P4は前記仮想直線と前記第二溝との交差点のうち隣接する2つの交差点間の距離であり、W4は前記第二溝の幅であり、W4<W3である。)
からなる化学機械研磨パッド(以下、「第二研磨パッド」ということがある。)によって達成される。
本発明の前記課題は、第三に、
前記いずれかの化学機械研磨パッドを用いて被研磨面を化学機械的に研磨する化学機械研磨方法によって達成される。
本発明の化学機械研磨パッドにおける研磨面および非研磨面の形状は特に限定されないが、例えば円形、多角形(好ましくは凸多角形、より好ましくは正多角形)等とすることができ、本発明の化学機械研磨パッドを装着して使用する研磨装置に応じて適宜選択することができる。研磨面の形状と非研磨面の形状は同じであることが好ましい。研磨面および非研磨面がともに円形であるとき研磨パッドは円盤状の形をとり、研磨面および非研磨面がともに多角形であるとき研磨パッドは多角柱状の形をとる。研磨面および非研磨面の形状としては、特に円形状が好ましく、従って、研磨パッドの形状は円盤状であることが好ましい。
研磨パッドの大きさも特に限定されないが、例えば円盤状の化学機械研磨パッドの場合、直径150〜1,200mm、特に500〜800mm、厚さ0.5〜5.0mm、特に厚さ1.0〜3.0mm、就中厚さ1.5〜3.0mmとすることが好ましい。
以下、本発明の第一研磨パッドおよび第二研磨パッドの有する溝の構成につき、順に説明する。
第一研磨パッドにおける「溝群」とは、幾何学的に相似形状を有する複数の溝の集合を意味する。
第一研磨パッドの第一溝群の第一溝の形状は特に限定されないが、例えば研磨面の中心部から周辺部へ向かって次第に拡大する2本以上の螺旋状溝または互いに交差することがなく且つ同心状または偏心状に配置された複数本の環状溝もしくは多角形状溝であることができる。環状溝状溝は例えば円形、楕円形等であることができ、多角形状溝は例えば四角形、五角形以上の多角形状溝であることができる。
溝の幅方向(溝の法線方向)における断面形状は特に限定されない。例えば矩形状、平坦な側面と底面により形成された三面以上の多面形状、U字形状等とすることができる。多角形としては、例えば四角形、五角形等を挙げることができる。
L1=(P1−W1)÷W1 (1)
(上記数式(1)中、P1は前記仮想直線と前記第一溝との交差点のうち隣接する2つの交差点間の距離(以下、「第一溝のピッチ(P1)」という。)であり、W1は前記第一溝の幅である。)
ここで、仮想直線と第一溝との交差点とは、微視的には前記仮想直線と前記第一溝の幅方向の中心との交点をいう。仮想直線と第二溝との交差点についてもこれと同様に理解されるべきである。また、「溝の幅」とは、溝の壁面と研磨面とがなす稜の間の最短の距離をいう。
この値L1は、好ましくは1〜8であり、より好ましくは2〜5である。
第一溝のピッチ(P1)は、2.0〜8.0mmであることが好ましく、より好ましくは3.0〜7.5mm、さらに好ましくは3.5〜7.0mmであり、特に好ましくは4.5〜6.5mmmであり、就中4.5〜6.0mmであり、格別に好ましくは5.0〜6.0mmである。前記第一溝のピッチ(P1)を上記の範囲とすることにより、本発明の効果が最も有効に発揮される。特に第一溝のピッチ(P1)が5.0mm以上であるときに、その効果の発現が著しい。
第一溝の深さは0.1mm以上とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜2.5mm、さらに好ましくは0.2〜2.0mmである。
前記第二溝群は、下記数式(2)で表される値L2が4〜40である。
L2=(P2−W2)÷W2 (2)
(上記数式(2)中、P2は前記仮想直線と前記第二溝との交差点のうち隣接する2つの交差点間の距離(以下、「第二溝のピッチ(P2)」という。)であり、W2は前記第二溝の幅であり、W2<W1である。)
この値L2は、好ましくは6〜20であり、上記の値L1よりも大きい値をとることが好ましい。
前記第二溝の幅(W2)は、第一溝の幅(W1)よりも小さい値をとり、0.2〜0.5mmであることが好ましく、より好ましくは0.25〜0.45mmであり、さらに好ましくは0.27〜0.4mmであり、特に好ましくは0.29mm〜0.35mmであることが好ましい。第二溝の幅(W2)を上記の範囲とすることにより、本発明の効果がより有効に発揮される。特に第二溝の幅(W2)を0.4mm以下、さらに0.35mm以下とすることにより、その効果が顕著に発現される。
第二溝のピッチ(P2)は、2.0〜8.0mmであることが好ましく、より好ましくは3.0〜7.5mm、さらに好ましくは3.5〜7.0mmであり、特に好ましくは4.5〜6.5mmmであり、就中4.5〜6.0mmであり、格別に好ましくは5.0〜6.0mmである。前記第二溝のピッチ(P2)を上記の範囲とすることにより、本発明の効果が最も有効に発揮される。特に第二溝のピッチ(P2)が4.0mm以上であるときに、その効果の発現が著しい。
第二溝の深さは0.1mm以上とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜2.5mm、さらに好ましくは0.2〜2.0mmである。
図1および図2は、それぞれ第一研磨パッドの一態様である研磨パッドにつき、上記仮想直線に沿って研磨面に垂直な面で切断した断面の部分拡大概略図である。
図1の断面においては、幅W1を有する第一溝とW1よりも小さい幅W2を有する第二溝とが交互に存在する。この態様においては、仮想直線上において、該仮想直線および前記第一溝の交差点(C1)と、該仮想直線および前記第二溝の交差点(C2)とが、C1、C2、C1、C2の順に交互に存在することとなる。図1の研磨パッドでは、仮想直線上で隣接する交差点間の距離がほぼ等しい(図1のD1とD2とを比較せよ。)。また、図1の研磨パッドでは、上記式(1)で計算される値L1が約4であり、上記式(2)で計算される値L2が約15である。さらに、第一溝のピッチ(P1)と第二溝のピッチ(P2)とはほぼ等しい。
一方、図2の断面においては、幅W1を有する第一溝とW1よりも小さい幅W2を有する第二溝とが存在する点で図1と同様であるが、隣接する2つの第一溝の間にそれぞれ2本ずつの第二溝が存在する点において図1と異なる。この態様においては、仮想直線上において、該仮想直線および前記第一溝の交差点(C1)および該仮想直線および前記第二溝の交差点(C2)が、C1、C2、C2、C1、C2、C2、C1・・・の順で存在することとなる。図1の研磨パッドでは、上記式(1)で計算される値L1が約3.4であり、上記式(2)で計算される値L2が約8である。また、第一溝のピッチ(P1)は第二溝のピッチ(P2)よりも大きい値をとる。さらに、隣接する2本の第二溝の間に第一溝が存在してもしなくても、第二溝のピッチ(P2)は等しい(図2に示した二つの「P2」を比較せよ。)。しかしながら、図2の研磨パッドでは、仮想直線上で隣接する交差点間の距離は、相異なる(図2のD1と右側のP2とを比較せよ。)。
Ra=Σ|Z−Zav|/N (i)
(ただし、前記式(i)において、Nは測定点数であり、Zは粗さ曲面の高さであり、Zavは粗さ曲面の平均高さである。)
第一研磨パッドの第一溝および第二溝の構成としては、上記仮想直線上において、該仮想直線および前記第一溝の交差点と、該仮想直線および前記第二溝の交差点とが交互に存在する態様が好ましい。この場合、第一溝のピッチP1と第二溝のピッチP2とが等しいことが好ましく、上記仮想直線上で隣接する交差点間の距離が等しいことが好ましい。
前記仮想直線上における第一溝および第二溝との交差点の総数は、上記の第一溝および第二溝のピッチP1およびP2と研磨面の大きさとから計算される値とすることができるが、例えば研磨面の直径が500mmの研磨パッドの場合、交差点の総数は60〜250個とすることができ、より好ましくは80〜170個とすることができる。また、研磨面の直径が800mmの研磨パッドの場合、交差点の総数は100〜350個とすることができ、より好ましくは130〜270個とすることができる。
それぞれが螺旋状溝である第一溝および第二溝の巻回数は、それぞれ例えば20〜400であることができ、好ましくは20〜300であり、より好ましくは20〜200である。ここで、360°でのひと巻きが巻回数1に相当する。
第二研磨パッドの第一溝は、下記数式(3)で表される値L3が1〜10である。
L3=(P3−W3)÷W3 (3)
(上記数式(3)中、P3は前記仮想直線と前記第一溝との交差点のうち隣接する2つの交差点間の距離(以下、「第一溝のピッチ(P3)」という。)であり、W3は前記第一溝の幅である。)
また、第二研磨パッドの第二溝は、下記数式(4)で表される値L4が4〜40である。
L4=(P4−W4)÷W4 (4)
(上記数式(4)中、P4は前記仮想直線と前記第二溝との交差点のうち隣接する2つの交差点間の距離(以下、「第二溝のピッチ(P4)」という。)であり、W4は前記第二溝の幅であり、W4<W3である。)
第二研磨パッドの第一溝の幅W3、ピッチP3および深さならびに第二溝の幅W4、ピッチP4および深さについては、それぞれ前記第一研磨パッドの第一溝の幅W1、ピッチP1および深さならびに第二溝の幅W2、ピッチP2および深さについて上述したとことと同様である。また、第二研磨パッドの第一溝および第二溝の内面の表面粗さ(Ra)の好ましい範囲も、前記第一研磨パッドの第一溝および第二溝の内面の表面粗さ(Ra)の好ましい範囲と同様である。
第二研磨パッドについてここに特に記載のない事項は、第一研磨パッドについての記載事項がそのままあるいは当業者に自明の変更の下に、第二研磨パッドについても適用されると理解されるべきである。
ここで、「破線状の溝」とは、複数の線状の凹部が非凹部を介して仮想線上に縦方向に配列した溝を意味する。別のいい方をすれば、線状の凹部および該線状の凹部の延長線上にある非凹部、さらにその延長線上にある線状の凹部といった、線状凹部と非凹部との繰り返しにより一本の破線状の溝が構成される。
破線状の溝の個々の線状の凹部の長さは、好ましくは5〜200mmであり、より好ましくは20〜100mmである。また、二つの隣接する線状の凹部に挟まれた非凹部の長さは好ましくは5〜100mmであり、より好ましくは15〜60mmである。
第三溝群は、中心部の領域において他の第三溝と接している第三溝と、中心部の領域において他の第三群の溝と接していない第三溝とからなることが好ましい。この場合、中心部の領域において他の第三溝と接していない第三溝は、中心部の領域において他の溝と接している複数の第三溝の間に存在する。第三溝群に属する第三溝は、第三溝群に属する他の溝と接している場合であっても、互に交差することはない。
第三溝群のうち、中心部の領域において他の第三溝と接していない第三溝の本数は、中心部の領域において他の第三溝と接している第三溝の本数よりも多いことが好ましい。また、他の第三溝と接している第三溝の間には、他の第三溝と接していない第三溝がそれぞれ等しい本数ずつ存在することが好ましい。
一方、第三溝群が、中心部から発し周辺部へ向う直線状溝の複数本と、中心部と周辺部との途中から発し周辺部へ向う直線状溝の複数本とからなる場合には、中心部と周辺部との途中から発する溝は、パッドの中心と外周を結ぶ仮想直線上の点であって、パッドの中心から外周へ向かって20〜80%の位置にあたる点から発していることが好ましく、40〜60%の位置にあたる点から発していることがより好ましい。この場合においても、中心部から発し周辺部へ向う直線状溝の複数本は、中心部の領域において他の第三溝と接していない第三溝と、中心部の領域において他の第三溝と接している第三溝とからなり、これらの中心部から発する第三溝の好ましい構成は、第三溝群の第三溝がいずれも中心部から発して周辺部へ伸びる溝である場合と同様である。
これら第三溝群の複数本の第三溝は、化学機械研磨パッド面上で、できるだけ均等に配置されることが好ましい。
なお、以下図3および4において、第一溝、第二溝の数はいずれも5本程度であるが、これらの図は概略図であり、第一溝、第二溝の数としては、パッド研磨面の直径と、前記したピッチとから算出される本数が好ましいと理解されるべきである。また、図3および4はいずれも第一研磨パッドを例としているが、図示された第一研磨パッドの第一溝群、第二溝群を2本の螺旋状溝に置き換えた第二研磨パッドも同様に開示されていると理解されるべきである。
図3において、パッド1は、直径の異なる5本の同心円溝2からなる第一溝群と、直径の異なる4本の同心円溝3からなる第二溝群とを有する。図3のパッドは、前記仮想直線上において、該仮想直線および第一溝の交差点と、該仮想直線および第二溝の交差点とが交互に現れる。
図4のパッド1は、直径の異なる5本の同心円溝2からなる第一溝群と、直径の異なる4本の同心円溝3からなる第二溝群とを有し、第二溝群は第一溝群と研磨面の中心部から周辺部へ向かう1本の前記仮想直線と交互に交差するように配置されている。さらに、16本の直線溝4からなる第三溝群を有している。16本の直線溝のうち90°の角度ごとに存在する4本は中心から発し互いに接しているのに対し、他の12本の直線溝は中心から幾分周辺部へ後退した部分(この部分が中心部であることは、第一溝群のうち最も小さな円溝にこの直線溝が接していることから判定できる。)から発し他の第三溝とは接してない。図4のパッドの16本の直線溝はすべてパッドの外周端に達している。
これらの非研磨面の溝もしくは溝群またはその他の凹部は、そのいずれもが外周端に到達しないものであることが好ましい。
また、円および当該円に囲繞された内部からなる形状または多角形状溝および当該多角形状溝に囲繞された内部からなる形状を有する凹部を、非研磨面の中央部に有することが好ましい。ここで「中央部に有する」とは、これらの凹部の重心が数学的に厳密な意味において非研磨面の重心と一致する場合のほか、パッドの非研磨面の重心が前記凹部の範囲内に位置している場合も含む概念である。
透光性領域の形成方法は問わないが、例えば透光性を有することとすべきパッドの領域を透光性部材で構成する方法によることができ、またはパッドがある程度の透光性を有する材料からなる場合には、パッド非研磨面のうち、透光性を有することとすべきパッドの領域に相当する部分に凹部を形成し、当該領域を薄くすることにより研磨終点検出に要する透光性を確保する方法によってもよい。後者の方法による場合には、該透光性領域は、前記した被研磨面の表面状態をより向上するための凹部の役割をも兼ねることができる。
このうち、前者の素材は、水溶性粒子が研磨時に化学機械研磨用水系分散体に含有される水系媒体と接触することにより溶解または膨潤して脱離し、脱離により形成されたポアにスラリーを保持することができる。一方、後者の素材は、空孔として予め形成されているポアにスラリーを保持することができる。
前者の素材において、非水溶性部分を構成する材料は特に限定されないが、所定の形状への成形が容易であり、適度な硬度や適度な弾性等の所望の性状を容易に付与できることなどから、有機材料が好ましく用いられる。有機材料としては、例えば熱可塑性樹脂、エラストマー、ゴム、硬化樹脂(熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等を熱、光等によって硬化した樹脂)等を単独でまたは組み合わせて用いることができる。
エラストマーとしては、例えばジエンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー(TPO)、スチレン系エラストマー、熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂エラストマー、フッ素樹脂エラストマー等を挙げることができる。前記ジエンエラストマーとしては、例えば1,2−ポリブタジエン等を挙げることができる。前記スチレン系エラストマーとしては、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、その水素添加ブロック共重合体(SEBS)等を挙げることができる。前記熱可塑性エラストマーとしては、例えば熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)、ポリアミドエラストマー(TPAE)等を挙げることができる。
硬化樹脂としては、例えばウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン−ウレア樹脂、ウレア樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂等を挙げることができる。 これらの有機材料は、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基等により変性されたものであってもよい。変性により、後述する水溶性粒子や、スラリーとの親和性を調節することができる。
これらの有機材料は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記架橋を行う方法は特に限定されず、例えば有機過酸化物、硫黄、硫黄化合物等を用いた化学架橋、電子線照射等による放射線架橋などにより行うことができる。
これら架橋重合体の含有量は特に限定されないが、非水溶性部分全体の、好ましくは30体積%以上、より好ましくは50体積%以上、さらに好ましくは70体積%以上であり100体積%であってもよい。非水溶性部分中の架橋重合体の含有量を30体積%以上とすることにより、非水溶性部分に架橋重合体を含有する効果を十分に発揮することができる。
前記非水溶性部材は、水溶性粒子との親和性並びに非水溶性部材中における水溶性粒子の分散性を制御するため、前記非水溶性部材とは異なる相溶化剤を含有することができる。相溶化剤としては、例えば酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキサゾリン基、アミノ基等により変性された重合体、ブロック共重合体またはランダム共重合体等のほか、種々のノニオン系界面活性剤、カップリング剤等を挙げることができる。
水溶性粒子を構成する材料は特に限定されないが、例えば、有機水溶性粒子および無機水溶性粒子を挙げることができる。有機水溶性粒子の素材としては、例えば糖類(でんぷん、デキストリンおよびシクロデキストリンの如き多糖類;乳糖;マンニット等)、セルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等)、蛋白質、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキサイド、水溶性の感光性樹脂、スルホン化ポリイソプレン、スルホン化イソプレン共重合体等を挙げることができる。さらに、無機水溶性粒子の素材としては、例えば酢酸カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、リン酸カリウム、硝酸マグネシウム等を挙げることができる。これらの水溶性粒子は、前記各素材を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。さらに、所定の素材からなる1種の水溶性粒子であってもよく、異なる素材からなる2種以上の水溶性粒子であってもよい。
水溶性粒子の平均粒径は、好ましくは0.1〜500μm、より好ましくは0.5〜100μmである。水溶性粒子が脱離することにより形成されるポアの大きさは、好ましくは0.1〜500μm、より好ましくは0.5〜100μmである。水溶性粒子の平均粒径を前記の範囲とすることにより、高い研磨速度を示し、かつ機械的強度に優れた化学機械研磨パッドとすることができる。
非水溶性部分と水溶性粒子との合計を100体積%とした場合の水溶性粒子の含有量は、好ましくは1〜90体積%、より好ましくは1〜60体積%、さらに好ましくは1〜40体積%である。水溶性粒子の含有量をこの範囲とすることにより、高い研磨速度を示し、かつ適正な硬度および機械的強度を持つ化学機械研磨パッドとすることができる。
また、水溶性粒子は、研磨パッド内において表層に露出した場合にのみ水等に溶解または膨潤し、研磨パッド内部では吸湿してさらには膨潤しないことが好ましい。このため水溶性粒子は最外部の少なくとも一部に吸湿を抑制する外殻を備えることができる。この外殻は水溶性粒子に物理的に吸着していても、水溶性粒子と化学結合していても、あるいはこの両方により水溶性粒子に接していてもよい。このような外殻を形成する材料としては、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリシリケート、シランカップリング剤等を挙げることができる。この場合、水溶性粒子は、外殻を有する水溶性粒子と外殻を有さない水溶性粒子とからなっていてもよく、外殻を有する水溶性粒子はその表面のすべてが外殻に被覆されていなくても十分に前記効果を得ることができる。
このような非水溶性部分中に分散する空孔の大きさは、平均値で、好ましくは0.1〜500μm、より好ましくは0.5〜100μmである。
本発明の化学機械研磨パッドは、前記した材料の他、砥粒、酸化剤、アルカリ金属の水酸化物、酸、pH調節剤、界面活性剤等を任意的に含有することができる。ただし、これらのうち、砥粒および酸化剤は含有しないことが好ましい。
本発明の化学機械研磨パッドがその非研磨面に溝もしくは溝群またはその他の凹部を有するものである場合、これらの溝もしくは溝群またはその他の凹部は、前記と同様にして形成することができる。
さらに、水溶性粒子を含有する化学機械研磨パッドを得るための水溶性粒子を含有する化学機械研磨パッド用組成物は、例えば、非水溶性部分および水溶性粒子ならびにその他の任意添加剤を混練して得ることができる。好ましくは混練時には加工し易いように加熱して混練される。混練時の温度において水溶性粒子は固体であることが好ましい。予め前述の好ましい平均粒径範囲に分級した水溶性粒子を用い、水溶性粒子が固体である条件下で混練することにより、水溶性粒子と非水溶性部分との相溶性の程度にかかわらず、水溶性粒子を前記の好ましい平均粒径で分散することができる。
したがって、使用する非水溶性部分の加工温度により、水溶性粒子の種類を選択することが好ましい。
前記支持層は、化学機械研磨パッドを研磨面の裏面側で支える層である。この支持層の特性は特に限定されないが、パッド本体に比べてより軟質であることが好ましい。より軟質な支持層を備えることにより、パッド本体の厚さが薄い場合であっても、研磨時にパッド本体が浮き上がることや、研磨層の表面が湾曲すること等を防止でき、安定して研磨を行うことができる。この支持層の硬度は、ショアD硬度としてパッド本体のショアD硬度の90%以下が好ましく、さらに好ましくは50〜90%であり、特に好ましくは50〜80%であり、就中50〜70%が特に好ましい。
支持層は、多孔質体(発泡体)であっても、非多孔質体であってもよい。さらに、その平面形状は、例えば円形、多角形状溝等とすることができるが、研磨パッドの平面形状と同じ平面形状であり、かつ同じ大きさであることが好ましい。その厚さも特に限定されないが、0.1〜5mmであることが好ましく、さらに0.5〜2mmとすることが好ましい。
支持層を構成する材料も特に限定されないが、所定の形状および性状への成形が容易であり、適度な弾性等を付与できることなどから有機材料を用いることが好ましい。有機材料としては、本発明の化学機械研磨パッドの非水溶性部分を構成する材料として例示した有機材料を使用することができる。
被研磨面を構成する材料としては、配線材料たる金属、バリアメタルおよび絶縁体ならびにこれらの組み合わせからなる材料を挙げることができる。前記配線材料たる金属としては、例えばタングクテン、アルミニウム、銅およびこれらのうちの少なくとも一種を含有する合金等を挙げることができる。前記バリアメタルとしては、タンタル、窒化タンタル、ニオブ、窒化ニオブ等を挙げることができる。前記絶縁体としては、例えばSiO2、SiO2に少量のホウ素およびリンを添加したホウ素リンシリケート(BPSG)、SiO2にフッ素をドープしたFSG(Fluorine−Doped Silicate Glass)と呼ばれる絶縁体、および低誘電率の酸化シリコン系絶縁体等を挙げることができる。SiO2としては、例えば熱酸化膜、PETEOS(Plasma Enhanced−TEOS)、HDP(High Density Plasma Enhanced−TEOS)、熱CVD法により得られるSiO2等を挙げることができる。
本発明の化学機械研磨パッドおよび化学機械研磨方法は、以下に示す実施例から明らかなように、化学機械研磨用水系分散体の流量を少量としたときでも研磨速度に優れ、かつ被研磨面における研磨量の面内均一性に優れるものである。このような優れた性能が発現する機構についてはいまだ明らかではないが、前記したような特定の溝デザインを採用することにより、化学機械研磨に際して、研磨面と被研磨面の界面への水系分散体の効率的な供給と、研磨面と被研磨面の接触面積の確保が両立したことによるものと推察される。
(1)化学機械研磨パッドの製造
(1−1)パッド概形の製造
1,2−ポリブタジエン(JSR(株)製、商品名「JSR RB810」)70体積部およびβ−シクロデキストリン(塩水港精糖(株)製、商品名「デキシパールβ−100」、平均粒径20μm)30体積部を160℃に調温されたルーダーにより混練した。その後パークミルD40(商品名、日本油脂(株)製、ジクミルパーオキシドを40重量%含有する。)を1,2−ポリブタジエン100重量部に対して0.32重量部(純ジクミルパーオキシドに換算して0.128重量部に相当する。)配合して、さらに120℃にて混練した後ペレットとした。このペレットを金型内において180℃で10分加熱し、架橋して直径840mm、厚さ3.0mmの成形体を得た。その後成形体の両面をサンドペーパーにより0.1mmずつ研削して厚さを2.8mmに調整し、パッド概形を得た。
(1−2)溝の形成
このパッド概形を市販の切削加工機のテーブルに装着し、成形体の片面(研磨面)に、第一溝群として溝幅1.5mm、溝ピッチ3.0mm(L1=1.0)、溝深さ1.4mmの断面形状が矩形の同心円溝、第二溝群として溝幅0.5mm、溝ピッチ3.0mm(L2=5.0)、溝深さ1.4mmの断面形状が矩形の同心円溝を、前記第一溝群の第一溝と前記第二溝群の第二溝が研磨面の中心部から周辺部へ向かう1本の仮想直線と交互に交差する配置で形成し、化学機械研磨パッドを製造した。ここで形成した第一溝群の溝のうち、最小の円形状溝の半径は10mm、最大の円形状溝の半径は505mmであり、第二溝群の溝のうち、最小の円形状溝の半径は12mm、最大の円形状溝の半径は507mmであった。
前記第一溝群と第二溝群の溝の内面の表面粗さをレーザーテック(株)製の「1LM21P」により測定したところ、双方とも約7.0μmであった。
(2−1)パターンなしPETEOS膜の化学機械研磨試験
上記で製造した化学機械研磨パッドを研磨装置「Mirra/Mesa」(商品名、Applied Materials社製)の定盤上に装着し、以下の条件でパターンなしPETEOS膜(8インチシリコンウェハ上に膜厚10,000ÅのPETEOS膜(テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を原料として、促進条件としてプラズマを利用して化学気相成長で成膜したSiO2膜)が設けられたもの。)を有するウェハを研磨した。
定盤回転数:90rpm
研磨ヘッド回転数:85rpm
研磨圧力:2psi
研磨機械研磨用水系分散体:JSR(株)製「CMS8401」、「CMS8452」およびイオン交換水を質量比1:2:3で混合したもの
研磨機械研磨用水系分散体供給速度:100mL/分
研磨時間:1分
なお、本実施例で採用した化学機械研磨用水系分散体の流量は、使用した研磨装置における標準的な流量の約半量である。
前記研磨の被研磨材である8インチPETEOS膜付きウェハにつき、外周3mmを除いて直径方向に均等に49点を特定点として決定し、これら特定点について、研磨前後のPETEOS膜の厚さの差と研磨時間から各点における研磨速度を算出した。
これら49点における研磨速度の平均値を研磨速度として評価したところ、47.3nm/分であった。
なお、各点におけるPETEOS膜の厚さは、光学式膜厚計によって測定した。
(2−3)パターンなしPETEOS膜の研磨量の面内均一性の評価
前記49点における研磨前後のPETEOS膜の厚さの差(この値を「研磨量」とする。)を用いて下記の計算式により研磨量の面内均一性を算出した。
研磨量の面内均一性(%)=(研磨量の標準偏差÷研磨量の平均値)×100
研磨量の面内均一性は9.8%であった。
化学機械研磨後のPETEOS膜につき、欠陥検査装置(KLA−TENCOR社製、「KLA2351」)を用いて欠陥検査を行った。まず、研磨後のウェハ表面の全範囲について、ピクセルサイズ0.62μm、しきい値(threshold)30の条件において欠陥検査装置が欠陥としてカウントした数を計測した。次いで、これらの欠陥からランダムに100個を抽出して装置のディスプレイ上に順次に表示して観察し、欠陥がスクラッチであるか、あるいは付着した異物(例えば化学機械研磨用水系分散体中に含まれる砥粒等)であるかを見極め、欠陥100個中に占める長径0.20μm以上のスクラッチの割合を算出し、これを欠陥検査装置が欠陥としてカウントした総数に乗ずることにより、ウェハ全面あたりのスクラッチ数を算出した。その結果、スクラッチ数は245個/面であった。
上記実施例1におけるのと同様にして、パッド概形をそれぞれ製造した。
これらパッド概形を市販の切削加工機のテーブルに装着し、成形体の片面(研磨面)に、それぞれ表1に示した構成の第一溝群および第二溝群を形成することにより、各化学機械研磨パッドを製造した。なお、実施例7においては、第一溝群および第二溝群のほかに、表1に記載した溝深さおよび溝幅を有する放射状の8本の直線溝(その断面形状は矩形である。)からなる第三の溝群を、市販の切削加工機によりさらに形成した。この放射状の溝群のうち隣接する2つの溝のなす角度は45°であり、90°の角度ごとに存在する4本の溝は研磨面の中心で互いに接しており、残りの4本の溝は研磨面の中心から15mm外周よりに後退した位置から発するようにした。また、比較例2および3においては、第一溝群のみを形成した。
これらの化学機械研磨パッドを用いて、実施例1と同様にしてそれぞれパターンなしPETEOS膜の化学機械研磨を行い、評価した。結果は表1に示した。
(1)化学機械研磨パッドの製造
(1−1)パッド概形の製造
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製、商品名「スミジュール44S」)58質量部を反応容器中に仕込み、60℃で攪拌しながら分子の両末端に2個の水酸基を有する数平均分子量650のポリテトラメチレングリコール(三菱化学(株)製、品名「PTMG650」)5.1質量部と数平均分子量250のポリテトラメチレングリコール(三菱化学(株)製、品名「PTMG250」)17.3質量部を加え、攪拌しながら90℃で2時間保温して反応させ、その後冷却して末端イソシアネートプレポリマーを得た。この末端イソシアネートプレポリマーには21質量%の未反応の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含んでおり、残りの79質量%が両末端イソシアネートプレポリマーである混合物であった。
上記で得られた末端イソシアネートプレポリマー80.4質量部を攪拌容器に入れて90℃に保温し、200rpmで攪拌しながら、β−シクロデキストリン(塩水港精糖(株)製、商品名「デキシーパールβ−100」)14.5質量部を加え、1時間混合分散させた後に減圧脱泡することにより、水溶性粒子が分散された末端イソシアネートプレポリマーを得た。
上記とは別に、末端に2個の水酸基を有する1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(三井化学ファイン(株)製、商品名「BHEB」)12.6質量部を攪拌容器中120℃で2時間加温し融解したのち、3個の水酸基を有するトリメチロールプロパン(BASFジャパン(株)製、商品名「TMP」)7質量部を攪拌しながら加え、10分間混合溶解することにより鎖延長剤の混合物を得た。
上記で得られた水溶性粒子が分散した末端イソシアネートプレポリマー94.9質量部をアジター(AJITER、登録商標)混合機中で90℃に加温および攪拌しながら、120℃に加温した上記で得られた鎖延長剤混合物19.6質量部を加え、1分間混合し、原料混合物を得た。
直径508mm、厚さ2.8mmの円盤型空洞を有する金型を用いて、この空洞を満たす量の上記原料混合物を注入し、110℃で30分間保持してポリウレタン化反応を行い、脱型した。さらにギヤーオーブン中110℃で16時間ポストキュアを行い、直径508mm、厚さ2.8mmの水溶性粒子の分散したポリウレタンシートを得た。シート全体に対する水溶性粒子の体積分率すなわちポリウレタンマトリックスと水溶性粒子との合計体積に対する水溶性粒子の体積分率は10%であった。
上記で製造したパッド概形を市販の切削加工機のテーブルに装着し、成形体の片面(研磨面)に、研磨面中心部の30mmを除いた研磨面の全体に表1に示した構成の第一溝群および第二溝群を形成することにより、化学機械研磨パッドを製造した。
(2)化学機械研磨パッドの評価
上記で製造した化学機械研磨パッドを用いて、実施例1と同様にしてパターンなしPETEOS膜の化学機械研磨を行い、評価した。結果は表1に示した。
Claims (6)
- 研磨面およびそれの裏面である非研磨面を有する化学機械研磨パッドであって、
前記研磨面はそれぞれ複数本の溝からなる少なくとも2つの溝群を有してなり、前記2つの溝群は、
(i)研磨面の中心から周辺部へ向かう1本の仮想直線と交差する複数本の第一溝からなる第一溝群、この複数本の第一溝同士は互いに交差することがなく、下記数式(1)で表される値L1が1〜10である、
L1=(P1−W1)÷W1 (1)
(上記数式(1)中、P1は前記仮想直線と前記第一溝との交差点のうち隣接する2つの交差点間の距離であり、W1は前記第一溝の幅である。)
および
(ii)研磨面の中心から周辺部へ向かう1本の仮想直線と交差する複数本の第二溝からなる第二溝群、この複数本の第二溝同士は互いに交差することがなく、第二溝のそれぞれは前記第一溝群の第一溝と交差せず、下記数式(2)で表される値L2が4〜40である、
L2=(P2−W2)÷W2 (2)
(上記数式(2)中、P2は前記仮想直線と前記第二溝との交差点のうち隣接する2つの交差点間の距離であり、W2は前記第二溝の幅であり、W2<W1である。)
からなることを特徴とする、化学機械研磨パッド。 - 研磨面の中心から周辺部へ向かう前記1本の仮想直線上において、該仮想直線および前記第一溝の交差点と、該仮想直線および前記第二溝の交差点とが、交互に存在する、請求項1に記載の化学機械研磨パッド。
- 前記距離P1と前記距離P2とが等しい、請求項1または2に記載の化学機械研磨パッド。
- 前記第一溝の幅W1が0.5〜2.0mmであり、前記第二溝の幅W2が0.2〜0.5mmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化学機械研磨パッド。
- 研磨面およびそれの裏面である非研磨面を有する化学機械研磨パッドであって、
前記研磨面は1本の第一溝および1本の第二溝を有してなり、これら第一溝および第二溝は、
(i)研磨面の中心から周辺部へ向かって次第に螺旋が拡大する1本の螺旋状の第一溝、この第一溝は下記数式(3)で表される値L3が1〜10である、
L3=(P3−W3)÷W3 (3)
(上記数式(3)中、P3は前記仮想直線と前記第一溝との交差点のうち隣接する2つの交差点間の距離であり、W3は前記第一溝の幅である。)
および
(ii)研磨面の中心から周辺部へ向かって次第に螺旋が拡大する1本の螺旋状の第二溝、この第二溝は下記数式(4)で表される値L4が4〜40である、
L4=(P4−W4)÷W4 (4)
(上記数式(4)中、P4は前記仮想直線と前記第二溝との交差点のうち隣接する2つの交差点間の距離であり、W4は前記第二溝の幅であり、W4<W3である。)
からなることを特徴とする、化学機械研磨パッド。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の、化学機械研磨パッドを用いて被研磨面を化学機械的に研磨することを特徴とする、化学機械研磨方法。
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