JP2005051234A - 化学機械研磨用パッドおよび化学機械研磨方法 - Google Patents

化学機械研磨用パッドおよび化学機械研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光学式終点検出装置を用いた化学機械研磨において、研磨性能を低下させることなく、終点検出用光を透過させる領域を有する化学機械研磨用パッドを提供すること。
【解決手段】 非水溶性マトリックスと、該非水溶性マトリックス材中に分散された水溶性粒子を含有してなりそして研磨面と研磨面の反対面の非研磨面を備える化学機械研磨用パッド。研磨面から非研磨面に光学的に通じる透光性領域を有しそして該透光性領域の非研磨面の表面粗さ(Ra)が10μ以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、化学機械研磨用パッドおよび化学機械研磨方法に関する。更に詳しくは、研磨性能を損なうことなく光の透過率を高めた領域を有する化学機械研磨用パッドおよびこれらを用いた化学機械研磨方法に関する。
半導体ウエハ等の化学機械研磨において、研磨の目的が達成され、その研磨を終了する研磨終点の決定は経験的に得られた時間を基準として行うことができる。しかし、被研磨面を構成する材質は様々であり、これらによって研磨時間は全て異なる。また、被研磨面を構成する材質は今後様々に変化することも考えられ、更に、研磨に使用するスラリーや研磨装置においても同様である。このため様々に異なる研磨において、各々について適切な研磨時間を予め得ようとすることは非常に効率が悪い。これに対して、近年、被研磨面の状態を直接測定できる光学的な方法を用いた光学式終点検出装置及び方法が提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。
このような光学式終点検出装置を適用するに際し、一般に、化学機械研磨用パッドの一部の領域に、終点検出用の光を投下するための窓を形成し、この窓のみを通して被研磨面を測定する方法が行われている。特許文献3には、終点検出用光透過のために、化学機械研磨用パッドの一部の領域に硬質で均一な樹脂からなる窓を形成する方法が提案されている。この技術によると、光学式検出装置を適用できる利点はあるが、化学機械研磨用パッド中の終点検出用光透過のための窓の領域が研磨能力を有さないため、研磨性能の低下が避けられず、また、窓の大きさ、形状、数、更にはその配置における自由度が制限される問題がある。
特開平9−7985号公報 特開2000−326220号公報 特表平11−512977号公報
本発明は上記問題を解決するものであり、光学式終点検出装置を用いた化学機械研磨において、研磨性能を低下させることなく、終点検出用光を透過させる領域を有する化学機械研磨用パッド及び化学機械研磨方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
本発明の上記目的および利点は、第一に、非水溶性マトリックスと、該非水溶性マトリックス材中に分散された水溶性粒子を含有してなりそして研磨面と研磨面の反対面の非研磨面を備える化学機械研磨用パッドであって、研磨面から非研磨面に光学的に通じる透光性領域を有しそして該透光性領域の非研磨面の表面粗さ(Ra)が10μm以下であることを特徴とする、化学機械研磨用パッドによって達成される。
本発明の上記目的および利点は第二に、本発明の上記化学機械研磨用パッドおよびその非研磨面上に積層された支持層からなりそして該支持層はその厚み方向に伸びる透光性領域を有し、該透光性領域は上記化学機械研磨用パッドの透光性領域と光学的に連通していることを特徴とする化学機械研磨用積層体パッドによって達成される。
更に本発明の上記目的および利点は第三に、上記化学機械研磨用パッド又は上記化学機械研磨用積層体パッドを用いる化学機械研磨方法であって、化学機械研磨の終点を光学式終点検出器によって行うことを特徴とする化学機械研磨方法によって達成される。
発明の好ましい実施の形態
以下、本発明の化学機械研磨用パッドについて詳述する。
本発明の化学機械研磨用パッド(以下、「研磨パッド」ということがある。)は、非水溶性マトリックスと、該非水溶性マトリックス材中に分散された水溶性粒子からなる。
上記非水溶性マトリックスを構成する材料としては、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー、生ゴム等を用いることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ビニルエステル樹脂(ポリアクリル樹脂を除く)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂等を挙げることができる。
ここで、ポリアクリル樹脂としては、例えば(メタ)アクリレート樹脂等を挙げることができる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン−ウレア樹脂、ウレア樹脂、ケイ素樹脂等を挙げることができる。
上記エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、熱可塑性エラストマー、その他のエラストマーを挙げることができる。
ここで、スチレン系エラストマーとして、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、その水素添加ブロック共重合体(SEBS)等を挙げることができる。熱可塑性エラストマーとして、例えばポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)、ポリアミドエラストマー(TPAE)、ジエン系エラストマー等を挙げることができる。その他のエラストマーとしては、例えばシリコーン樹脂系エラストマー、フッ素樹脂系エラストマー等を挙げることができる。
なお、上記ジエン系エラストマーとしては、例えば1,2−ポリブタジエン等を挙げることができる。
上記ポリオレフィンエラストマーとしては、ポリエチレン等を挙げることができる。
上記フッ素樹脂系エラストマーとしては、ポリフッ化ビニリデン等を挙げることができる。
上記生ゴムとしては、例えばブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、イソブチレン・イソプレンゴム、アクリルゴム、アクロルニトリル・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。
これらの非水溶性マトリックスを構成する材料はその一部が、例えば酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基等から選択される少なくとも1種を有していてもよい。このような基を有することにより、後述する水溶性粒子や、砥粒、水系媒体等との親和性等を調節することができる。
上記非水溶性マトリックスを構成する材料としては、光学式終点検出装置が発する終点検出用光の少なくとも一部が透過するものであることが好ましい。
また、これらの非水溶性マトリックスを構成する材料は1種のみ用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記非水溶性マトリックスを構成する材料は、架橋構造を有しなくても架橋構造を有していてもよいが、その少なくとも一部に架橋構造を有することが好ましい。「その少なくとも一部に架橋構造を有する」とは、例えば当該材料が一種類の材料からなり、その少なくとも一部に架橋構造を有する場合、当該材料が二種以上の材料からなり、その少なくとも一種の材料の少なくとも一部に架橋構造を有する場合とを挙げることができる。
非水溶性マトリックスを構成する材料の少なくとも一部に架橋構造を有することにより、非水溶性マトリックスに弾性回復力を付与することができる。従って、研磨時に研磨パッドにかかるずり応力による変位を小さく抑えることができ、研磨時及びコンディショニング時に非水溶性マトリックスが過度に引き延ばされ塑性変形によりポアが埋まることを防止できる。また、研磨パッド表面が過度に毛羽立つことも防止できる。このため、研磨時のスラリーの保持性が良く、コンディショニングによるスラリーの保持性の回復も容易であり、更には、被研磨面のスクラッチの発生も防止できる。
このような架橋構造を有する材料としては、上記した熱可塑性樹脂のうち、ポリアクリル樹脂、ビニルエステル樹脂(ポリアクリル樹脂を除く。)等;
上記熱硬化性樹脂のうち、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等;
上記エラストマーのうち、ジエン系エラストマー、フッ化樹脂系エラストマー等;
および上記ゴムのうち、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレンーイソプレンゴム等
を架橋反応させた材料を挙げることができる。架橋反応は、硫黄や過酸化物等の架橋剤を用いて行うことができるほか、紫外線、電子線等の照射によって行うことができる。その他、アイオノマー等を用いて、イオン結合による架橋反応を行うことも可能である。
架橋構造を有する材料を使用する場合には、予め架橋した材料を使用してもよく、また、後述する非水溶性マトリックス中に水溶性粒子を分散させる工程において架橋剤を併用して架橋反応を行わせることもできる。架橋反応をおこなう際には、架橋剤とともに分子内に二重結合を2以上有する化合物(共架橋性化合物)を共存させることもできる。
これらの架橋構造を有する材料の中でも、光学式終点検出装置が発する終点検出用光に対して十分な透光性を付与でき、多くの化学機械研磨用スラリーに含有される強酸又は強アルカリに対して安定であり、更には、吸水による軟化も少ないことから、少なくともその一部が架橋された1,2−ポリブタジエンを含有することが好ましい。少なくともその一部が架橋された1,2−ポリブタジエンは、単独で使用することができ、あるいは他の材料と混合して用いることができる。また、少なくともその一部が架橋された1,2−ポリブタジエンと混合して用いることができる他の材料としては、例えばブタジエンゴム、イソプレンゴム等を挙げることができる。
このような少なくとも一部に架橋構造を有するマトリックス材料の、破断残留伸びは0〜100%であることが好ましく、0〜10%であることが更に好ましく、とりわけ好ましくは0〜5%である。破断残留伸びが100%を超えて大きくなると、化学機械研磨時又はコンディショニング時に研磨パッド表面から掻き取られた又は引き延ばされた微細片がポアを塞ぎ易くなる傾向にある。
上記破断残留伸びとは、JIS K 6251「加硫ゴムの引張試験方法」に準じて、試験片形状ダンベル状3号形、引張速度500mm/分、試験温度80℃で引張試験において試験片を破断させた場合に、破断して分割された試験片の各々の標線から破断部までの合計距離から、試験前の標線間距離を差し引いた伸びである。
本発明の研磨パッドは、上記のような非水溶性マトリックス材中に分散された水溶性粒子を備える。
上記水溶性粒子は、非水溶性マトリックス材に分散され、化学機械研磨時に外部から供給される化学機械研磨用スラリーに含有される水系媒体との接触により、溶解又は膨潤して研磨パッドの表面から脱離し、この脱離した跡に、スラリーを保持できそして、研磨屑を一時的に滞留させることができるポアを形成する。
この水溶性粒子の形状は特に限定されないが、球形に近いことが好ましく、更には球形であることが好ましい。また、各々の水溶性粒子はより形が揃っていることが好ましい。これにより形成されるポアの性状が揃い、良好な研磨を行うことができる。なお、ここでいう「球形」とは、真球状のみならず略球形のものをも含む概念である。
水溶性粒子の大きさは特に限定されないが、粒径は0.1〜500μmであることが好ましく、0.5〜100μmであることがより好ましく、更に好ましくは1〜80μmである。粒径が0.1μm未満であると、形成されるポアの大きさが、通常使用される化学機械研磨用スラリーに含有される砥粒より小さくなることがあり、ポアに十分に砥粒が保持できないことが生じる場合があり好ましくない。一方、この値が500μmを超えると、形成されるポアの大きさが過大となり研磨パッドの機械的強度及び研磨速度が低下する場合がある。
このような水溶性粒子を構成する材料としては特に限定されず、種々の材料を用いることができる。例えば、有機系水溶性粒子又は無機系水溶性粒子を用いることができる。
上記有機系水溶性粒子としては、例えばデキストリン、シクロデキストリン、マンニット、糖類、セルロース類、でんぷん、蛋白質、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキサイド、水溶性の感光性樹脂、スルフォン化ポリイソプレン、スルフォン化ポリイソプレン共重合体等から形成されたものを挙げることができる。
ここで、糖類としては例えば乳糖等を、セルロース類としては例えばヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等をそれぞれ挙げることができる。
上記無機系水溶性粒子としては、例えば酢酸カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、リン酸カリウム、硝酸マグネシウム等から形成されたものを挙げることができる。
これらの水溶性粒子は、上記各材料を単独で使用したものであってもよいし、又は2種以上を組み合わせて使用したものでもよい。更に、所定の材料からなる1種の水溶性粒子であってもよく、異なる材料からなる2種以上の水溶性粒子を組み合わせて使用してもよい。
本発明の研磨パッドに含有される水溶性粒子は、研磨パッドの表面近傍にポアを形成する機能以外にも、研磨パッド中において、研磨パッドの押し込み硬さを大きくする機能を有する。この押し込み硬さが大きいことにより研磨パッドにおいて被研磨面に負荷する圧力を大きくすることができ、研磨速度を向上させるばかりでなく、同時に高い研磨平坦性を得ることができる。従って、この水溶性粒子は、研磨パッド内において十分な押し込み硬さを確保できる中実体であることが好ましい。
水溶性粒子は、研磨パッドの表面に露出したもののみが水溶し、一方、表出することなく研磨パッド内部に存在するものは吸湿、膨潤しないことが好ましい。このような観点から、水溶性粒子の表面の少なくとも一部に吸湿を抑制する外郭を有していてもよい。このような外郭を形成する材料としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリシリケート等を挙げることができる。
本発明の研磨パッドに含有される水溶性粒子は、上記非水溶性マトリックスと水溶性粒子との合計を100体積%とした場合に、水溶性粒子の含有割合として30体積%以下であることが好ましく、0.1〜25体積%であることがより好ましく、0.5〜20体積%であることが更に好ましい。水溶性粒子の含有量が30体積%を超えると、光学式終点検出装置が発する終点検出用光に対する透明性が不十となることがあり、場合によっては終点検出が困難となることがある。
本発明の研磨パッドは上記のような非水溶性マトリックスと水溶性粒子からなるが、必要に応じてその他の配合剤を配合することができる。
本発明の研磨パッドに配合することのできるその他の配合剤としては、例えば相溶化剤、充填剤、界面活性剤、砥粒、軟化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤等を挙げることができる。
上記相溶化剤としては、例えば、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキサゾリン基、アミノ基等から選択される基を一分子中に2以上有する水溶性の高分子量体、その他のカップリング剤等を挙げることができる。
上記充填剤は研磨パッドの剛性を向上させるために配合することができ、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー等を挙げることができる。
上記界面活性剤としては、例えばカチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を挙げることができる。このうちカチオン系界面活性剤としては、例えば脂肪族アミン塩、脂肪族アンモニウム塩等が挙げられる。また、アニオン系界面活性剤としては、例えば脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩の如きカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩の如きスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩の如き硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩の如きリン酸エステル塩などが挙げられる。更に、ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル型ノニオン系界面活性剤、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテルの如きエーテルエステル型ノニオン系界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ソルビタンエステルの如きエステル型ノニオン系界面活性剤などが挙げられる。
本発明の研磨パッドは砥粒を含有することができ、その場合には、化学機械研磨用水系分散体の代わりに例えば水を供給することにより、化学機械研磨を実施することができる。本発明の研磨パッドが砥粒を含有する場合には、砥粒とともに酸化剤、スクラッチ防止剤、pH調整剤等のうちの少なくとも1種を含有することが好ましい。
上記砥粒としては、例えば、シリカ、アルミナ、セリア、ジルコニア、チタニア等からなる粒子を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を使用することができる。
上記酸化剤としては、例えば過酸化水素、過酢酸、過安息香酸、tert−ブチルハイドロパーオキサイドの如き有機過酸化物、過マンガン酸カリウムの如き過マンガン酸化合物、重クロム酸カリウムの如き重クロム酸化合物、ヨウ素酸カリウムの如きハロゲン酸化合物、硝酸及び硝酸鉄の如き硝酸化合物、過塩素酸の如き過ハロゲン酸化合物、過硫酸アンモニウムの如き過硫酸塩、並びにヘテロポリ酸等が挙げられる。これらの酸化剤のうちでは、分解生成物が無害である過酸化水素及び有機過酸化物の他、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩が特に好ましい。
上記スクラッチ防止剤としては、例えばビフェノール、ビピリジル、2−ビニルピリジン及び4−ビニルピリジン、サリチルアルドキシム、o−フェニレンジアミン及びm−フェニレンジアミン、カテコール、o−アミノフェノール、チオ尿素、N−アルキル基含有(メタ)アクリルアミド、N−アミノアルキル基含有(メタ)アクリルアミド、7−ヒドロキシ−5−メチル−1,3,4−トリアザインドリジン、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、フタラジン、メラミン及び3−アミノ−5,6−ジメチル−1,2,4−トリアジン等が挙げられる。
上記pH調整剤は、上記したその他の配合剤以外の成分であって、水と接触したときに酸性又はアルカリ性を示す成分である。このようなpH調整剤としては、例えば、上記した以外の酸、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物等を挙げることができる。アルカリ金属の水酸化物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等が挙げられる。
本発明の研磨パッドは、上記のような非水溶性マトリックス材及び水溶性粒子並びに必要に応じて配合されるその他の配合剤を混合し、成形することにより製造することができる。
上記混合工程は、非水溶性マトリックス中に水溶性粒子を分散させることができればどのような方法を用いて行ってもよいが、例えば、非水溶性マトリックス材及び水溶性粒子並びに必要に応じて配合されるその他の配合剤を混練して行うことができる。
水溶性粒子を非水溶性マトリックスに分散させる方法は特に限定されないが、例えば、非水溶性マトリックスを構成する材料及び水溶性粒子並びに任意的に配合されるその他の配合剤を混練することにより得ることができる。この混練において非水溶性マトリックスを構成する材料は加工し易いように加熱されて混練されることが好ましく、この時の温度において水溶性粒子は固体であることが好ましい。水溶性粒子が固体である温度において混練することにより、水溶性粒子と非水溶性マトリックスを構成する材料との相溶性の如何に関わらず、水溶性粒子を非水溶性マトリックス中に、前記の好ましい平均粒径を呈する状態で分散させ易くなる。従って、使用するマトリックス材の加工温度により、水溶性粒子の種類を選択することが好ましい。
このような混練は、例えば、ルーダー、ニーダー、バンバリーミキサー等により実施することができる。
水溶性粒子を非水溶性マトリックスに分散させたのち、プレス成形、インジェクション成形、注型等により、本発明の化学機械研磨用パッドを得ることができる。
本発明の研磨パッドの形状は特に限定されない。例えば、円盤状、多角柱状、ベルト状、ロール状等とすることができる。その大きさは特に限定されない。例えば円盤状の場合の直径、多角柱状の場合の最長の対角線の長さ、又はベルト状およびロール状の場合の幅として、100〜1,200mmとすることができる。
また、本発明の研磨パッドの厚さは、好ましくは0.1〜5mm、さらに好ましくは0.5〜3mmである。
本発明の研磨パッドのショアーD硬度は、好ましくは35〜100であり、さらに好ましくは50〜80である。
この範囲の硬度であることにより、研磨速度と被研磨面の平坦化性能のバランスのとれた研磨性能を得ることができる。
本発明の研磨パッドは、研磨面から非研磨面に光学的に通じる透光性領域を有し、そして該透光性領域の裏面(非研磨面)の表面粗さ(Ra)が10μm以下であり、好ましくは8μm以下であり、さらに好ましくは7μm以下である。この値が10μmを超えると、光学式終点検出器による研磨終点の検出の際に、検出が困難になる場合がある。
なお、上記表面粗さ(Ra)は、下記式(1)により定義される。
Ra=Σ|Z−Zav|/N ・・・(1)
上記式において、Nは測定点数であり、Zは粗さ曲面の高さであり、Zavは粗さ曲面の平均高さである。
このような表面粗さの領域を有する研磨パッドを得るためには、例えばプレス成形の場合、研磨パッドの当該領域に該当する金型の表面を鏡面仕上げにしておく方法によることができ、また、成形後の研磨パッドの透光性を有することとすべき領域を例えば研磨紙、研磨布等により研磨することによってもよい。さらに、成形後の研磨パッドの透光性を有することとすべき領域に、上記のような表面粗さの透明フィルムを接着又はコートすることによっても本願発明の目的を達成することができる。
上記でいう「透光性を有する」とは、必ずしも光を完全に透過することを意味するものではなく、光学式終点検出器が終点検出のために発する光の一部を透過することができればよく、例えば波長100〜3,000nmの間のある波長(特に波長400〜800nmの間のある波長)における透過率が8%以上であることが好ましく、10%以上であることがさらに好ましく、12%以上であることが特に好ましい。
上記透光性は必要以上に高い必要はなく、70%以下であってよく、さらには65%以下、特に60%以下としても本願の目的を達成することができる。
例えば、波長633nmの光に対する透過率として、好ましくは8〜70%、更に好ましくは10〜65%、特に12〜60%であることが好ましい。
本発明の研磨パッドは、上記の要件を満たすものである限り、どのようなものであってもよいが、研磨パッドの一部を薄肉化して上記透光性領域とすることが好ましい。
例えば、本発明の研磨パッドは透光性領域の他に透光性領域の透光性よりも透光性が小さい弱透光性領域を有しそして透光性領域が弱透光性領域に囲まれており、その場合透光性領域が弱透光性領域中に非研磨面側で陥没していることにより、透光性領域の厚みが弱透光性領域の厚みよりも小さくなって上記の如く薄肉化している。
一般に透光性の物体に光を透過させた場合、その光の強度は透過する物体の距離の2乗に比例して減衰する。従って、透過する部分を薄肉化することで、飛躍的に透過率を向上させることができる。本発明の研磨パッドにおいて、上記のような厚さを有する場合には終点の検出に十分な強度の光が透過され難い場合であっても、薄肉部では終点検出に十分な光の強度を確保することが可能となる。
従って、薄肉部を有することが好ましい。この薄肉部とは、研磨パッドの最大厚さよりも薄く成形された部位である。添付図面の図1〜図4等の1が研磨用パッドであり、11が薄肉部である。この薄肉部の平面形状は特に限定されず、例えば、円形、扇形すなわち、円形又は環形を所定角度分切り取った形状、正方形、長方形及び台形の如き多角形及び環形等とすることができる。また、薄肉部の断面形状は、例えば、多角形(四角形、五角形等)、ドーム形もしくはその他の形状とすることができる(図1〜図4参照、尚、各図における上方が研磨面であるものとする)。
研磨パッドの備える薄肉部の数は特に限定されず、1ヶ所であっても、2ヶ所以上であってもよい。また、その配置も特に限定されない。例えば、1ヶ所の薄肉部を備える場合には図5及び図6のように配置することができる。更に、2つ以上の薄肉部を備える場合には同心円状(図7)等に形成することもできる。
この薄肉部における厚さは特に限定されない。通常、薄肉部中で最も薄い厚さは0.1〜3.0mmであることが好ましく、0.3〜3mmであることがより好ましい。薄肉部の厚さが0.1mm未満ではこの部分における機械的強度を十分に確保することが困難となる傾向にある。
薄肉部の大きさも特に限定されないが、例えば、円形である場合には直径5mm以上であることが好ましく、環状である場合にはその幅が5mm以上であることが好ましく、長方形である場合には縦10mm以上且つ横5mm以上であることが好ましい。
更に、薄肉部は、研磨パッドの表面側が凹欠されることにより形成されていてもよい(図2参照)が、裏面側が凹欠されて形成されることが好ましい(図1参照)。裏面側が凹欠されることにより、研磨性能に影響なく良好な透光性を得ることができる。
本発明において、前記「弱透光性領域」は、透光性領域の透光性よりも透光性が小さい領域である。弱透光性領域は、例えば波長100〜3,000nmの間の光を全く通さない領域であることができ、またそれに限らず、例えば透光性領域の透過率が8%であるときには、弱透光性領域は同じ波長における透過率が8%よりも小さければよく、10%であるときには10%よりも小さければよく、12%であれば12%よりも小さければよい。同様に、透光性領域の透光性が大きく例えば70%であればそれより小さい例えば60%であってもよい。
本発明の研磨パッドの非研磨面側には、上記薄肉部とは別に、パッドの中央部に凹部を有することができる。ここで、「中央部に位置する」とは、数学的に厳密な意味における中心に位置する場合にのみならず、研磨パッドの非研磨面側の中心が上記凹部の範囲内に位置していればよい。
このような凹部を有する研磨パッドは、研磨時に研磨ヘッドによる加圧による局所的な圧力上昇を分散させることができ、被研磨面の表面状態の向上に資する。
上記の凹部の形状は特に限定されない。円形又は多角形状であることが好ましく、円形が特に好ましい。凹部の形状が円形である場合、その直径の上限値は、非研磨物であるウエハの直径の好ましくは100%、さらに好ましくは75%、特に好ましくは50%である。凹部の形状が円形である場合、その直径の下限は、非研磨物であるウエハのサイズにかかわらず好ましくは1mm、さらに好ましくは5mmである。
例えば、非研磨物であるウエハの直径が300mmである場合、凹部が円形の場合の直径としては、1〜300mmが好ましく、更に1〜225mm、特に好ましくは5〜150mmである。また、非研磨物であるウエハの直径が200mmである場合、凹部が円形の場合の直径としては、1〜200mmが好ましく、更に好ましくは1〜150mm、特に好ましくは、1mm〜120mmである。
また、本発明の研磨パッドの研磨面にはスラリーの保持性の向上、使用済みスラリーの排出性を向上させる目的等で必要に応じてある幅、例えば、0.1〜2mm、深さ、間隔で溝を形成することや、ドットパターンを設けることができる。これらの溝及びドットパターンは任意の形状、例えば、同心円形状、格子形状、渦巻き形状、放射線状等で形成することができる。
本発明の化学機械研磨用積層体パッド(以下、単に「研磨積層体パッド」ともいう)は、本発明の化学機械研磨用パッドおよびその非研磨面上に積層された支持層からなりそして該支持層はその厚み方向に伸びる透光性領域を有し、該透光性領域は上記化学機械研磨用パッドの透光性領域と光学的に連通している。この支持層の平面形状は特に限定されず、例えば、円形、多角形(四角形等)などとすることができるが、好ましくは、研磨パッドと同じ平面形状であり、かつ薄板状である。また、この支持層の積層数は限定されず、1層であっても、2層以上であってもよい。更に、2層以上の支持層を積層する場合には各層は同じ種類のものであっても、異なる種類のものであってもよい。
この支持層の合計の厚さは特に限定されないが、研磨パッドの厚さの0.1〜2倍とすることが好ましい。また、この支持層の硬度も特に限定されないが、ショアーD硬度において10〜80であることが好ましく、20〜50であることがより好ましい。このような硬度の支持層を備えることにより、本発明の研磨複層体は十分な柔軟性を有し、被研磨面の凹凸に対する適切な追随性を備えることができる。
この支持層は、研磨パッドの透光性を損なわないために、支持層自体も少なくとも研磨パッドの透光性を有する領域の少なくとも一部において透光性を有することが好ましい。支持層が透光性を有する態様としては、支持層を構成する材料自体が光学式終点検出器が終点検出のために発する光を透過する材料であってもよく、また、支持層の一部を薄肉化したり、切り欠いたりすることにより、透光性を付与することもできる。、更には、この切り欠き部に透光性を有する部材を接合してもよい。
なお、ここでいう「透光性を有する」とは、前述の研磨パッドにおけるのと同義である。
本発明の研磨パッド及び研磨積層体パッドは、光学式終点検出器を備える化学機械研磨装置に好適に用いることができる。ここで光学式終点検出器とは、研磨パッドの裏面側から研磨面側へ光を透過させ、被研磨体表面で反射された光から被研磨面の研磨終点を検出することができる装置である。その他の測定原理については、特に限定されない。
本発明の化学機械研磨方法は、本発明の研磨パッド又は研磨積層体パッドを用いる化学機械研磨方法であって、該化学機械研磨の終点の検出を光学式終点検出器を用いて行うことを特徴とする。
上記「光学式終点検出器」については、前述におけると同義である。本発明の化学機械研磨方法によると、研磨終点を常時観測しながら十分な研磨速度で研磨することができ、最適な研磨終点において確実に研磨を終えることができるとともに、良好な被研磨面の表面状態を得ることができる。
本発明の化学機械研磨方法としては、例えば、図8に示すような研磨装置を用いることができる。即ち、回転可能な定盤2と、回転及び縦横への移動が可能な加圧ヘッド3と、スラリーを単位時間に一定量ずつ定盤上に滴下できるスラリー供給部5と、定盤の下方に設置された光学式終点検出器6とを備える装置である。
この研磨装置では、定盤上に本発明の研磨パッド又は研磨積層体パッド1を固定し、一方、加圧ヘッドの下端面に被研磨体例えば、半導体ウエハ4を固定して、この被研磨体を研磨パッドに所定の圧力で押圧しながら押しつけるように当接させる。そして、スラリー供給部からスラリー又は水を所定量ずつ定盤上に滴下しながら、定盤及び加圧ヘッドを回転させることで被研磨体と研磨パッドとを摺動させて研磨を行う。
この研磨に際しては、光学式終点検出器6から所定の波長又は波長域の終点検出用光R1を、定盤(定盤は自身が透光性を有するか、又は一部が切り欠かれることで終点検出用光が透過できるものである。)の下方から被研磨体の被研磨面に向けて照射する。そして、この終点検出用光が被研磨体の被研磨面で反射された反射光R2を光学式終点検出器で捉え、この反射光から被研磨面の状況を観測しながら研磨を行うことができる。
以下、実施例によって、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
後に架橋されて非水溶性マトリックスとなる1,2−ポリブタジエン(JSR株式会社製、商品名「JSR RB830」)98体積%と、水溶性粒子としてβ−シクロデキストリン((株)横浜国際バイオ研究所製、商品名「デキシーパール
β−100」)2体積%とを120℃に加熱されたニーダーにて混練した。その後、ジクミルパーオキサイド(日本油脂株式会社製、商品名「パークミルD」)を、1,2−ポリブタジエンとβ−シクロデキストリンとの合計を100質量部として計算した0.2質量部を添加してさらに混練した後、鏡面の凸部(21mm×59mm×0.6mm)を有するプレス金型内にて170℃で20分間架橋反応させ、成形し、直径79cm、厚さ2.5mmであり、裏面(非研磨面側)に21mm×59mm×0.6mmの凹部を有する研磨パッドを得た。この凹部が透光性領域に相当する。この凹部の表面粗さRaは4.9μmであった。
次いで、この研磨パッドの研磨面側に溝切削機を用いて、溝幅の平均値が0.5mm、溝深さの平均値が1.4mm、ピッチの平均値が1.75mmの環状の複数の溝を同心円状に形成した。
このようにして形成した研磨パッドにつき、UV吸光度計((株)日立製作所製、
形式「U−2010」)を用いて透光性領域の波長633nmにおける光透過率を測定したところ、20%であった。
この研磨パッドの研磨性能を以下のようにして評価した。
(1)研磨速度及びスクラッチの評価
研磨パッドを研磨装置(SFT社製、型式「ラップマスター LM−15」)の定盤上に装着し、定盤の回転数を50rpmとし、3倍に希釈した化学機械研磨用スラリー(JSR株式会社製、商品名「CMS 1101」)を流量100mL/分の条件で用いて、SiO2膜ウエハ(Advantec社製、商品名「PE−TEOS」)を2分間研磨し、研磨速度及びスクラッチの有無を評価した。研磨速度は光学式膜厚計により研磨前後の膜厚を測定し、この膜厚差を研磨時間で除して算出した。また、スクラッチは研磨後のSiO2膜ウエハの研磨面を電子顕微鏡により観察して確認した。その結果、研磨速度は350nm/分であり、スクラッチはほとんど認められなかった。
(2)ディッシングの評価
パターン付き半導体ウエハ(SKW社製、商品名「SKW−7」)を下記の条件により研磨したところ、透光性領域を通して光学的終点検出ができた。その後、微細形状測定装置(KLA-Tencor社製、型式「P−10」)を用いて、線幅100μm(100μmピッチ)におけるディッシングを測定した。その結果、ディッシングは30nmであり、被研磨面は平坦性に優れていた。
スラリー;CMS1101(JSR株式会社製)
化学機械研磨装置;MIRRA(アプライドマテリアルズ社製)
スラリー供給量;200mL/分
Retainer Ring 圧;5psi
Membrane圧;4.5psi
Inner Tube圧;4.5psi
定盤回転数;70rpm
ヘッド回転数;65rpm
実施例2
実施例1において、1,2−ポリブタジエンの使用量を85体積%とし、β−シクロデキストリンの使用量を15体積%とした他は実施例1と同様にして、直径79cm、厚さ2.5mmであり、裏面(非研磨面側)に21mm×59mm×0.6mmの凹部を有する研磨パッドを得た。この凹部が透光性領域に相当する。この凹部の表面粗さRaは5.3μmであった。
次いで、この研磨パッドの研磨面側に溝切削機を用いて、溝幅の平均値が1.0mm、溝深さの平均値が1.4mm、ピッチの平均値が2.00mmの環状の複数の溝を同心円状に形成した。
このようにして形成した研磨パッドにつき、実施例1と同様にして透光性領域の波長633nmにおける光透過率を測定したところ、12%であった。
(1)研磨速度及びスクラッチの有無
実施例1におけると同様の条件で、SiO2膜ウエハ(Advantec社製、商品名「PE−TEOS」)を研磨し、研磨速度及びスクラッチの有無を評価したところ、研磨速度は300nm/分であり、スクラッチはほとんど認められなかった。
(2)ディッシングの評価
実施例1と同様の条件で、半導体ウエハ(SKW社製、商品名「SKW−7」)を研磨したところ、透光性領域を通して光学的終点検出ができた。
また、ディッシングは35nmであり、被研磨面は平坦性に優れていた。
比較例1
実施例1において、1,2−ポリブタジエンの使用量を85体積%とし、β−シクロデキストリンの使用量を15体積%とした他は実施例1と同様にして、直径79cm、厚さ2.5mmであり、裏面(非研磨面側)に21mm×59mm×0.6mmの凹部を有する研磨パッドを得た。この凹部が透光性領域に相当する。この凹部の表面粗さRaは12.5μmであった。
次いで、この研磨パッドの研磨面側に溝切削機を用いて、溝幅の平均値が0.5mm、溝深さの平均値が1.4mm、ピッチの平均値が1.75mmの環状の複数の溝を同心円状に形成した。
このようにして形成した研磨パッドにつき、実施例1と同様にして透光性領域の波長633nmにおける光透過率を測定したところ、1%であった。
(1)研磨速度及びスクラッチの有無
実施例1におけると同様の条件で、SiO2膜ウエハ(Advantec社製、商品名「PE−TEOS」)を研磨し、研磨速度及びスクラッチの有無を評価したところ、研磨速度は400nm/分であり、スクラッチはほとんど認められなかった。
(2)ディッシングの評価
実施例1と同様の条件で、半導体ウエハ(SKW社製、商品名「SKW−7」)を研磨したところ、透光性領域を通して光学的終点検出ができなかった。
比較例2
実施例2において、凸部の表面が鏡面加工されていない金型を用いた他は実施例2と同様にして、直径79cm、厚さ2.5mmであり、裏面(非研磨面側)に21mm×59mm×0.6mmの凹部を有する研磨パッドを得た。この凹部が透光性領域に相当する。この凹部の表面粗さRaは1.5μmであった。
次いで、この研磨パッドの研磨面側に溝切削機を用いて、溝幅の平均値が1.0mm、溝深さの平均値が1.4mm、ピッチの平均値が2.00mmの環状の複数の溝を同心円状に形成した。
このようにして形成した研磨パッドにつき、実施例1と同様にして透光性領域の波長633nmにおける光透過率を測定したところ、1.5%であった。
(1)研磨速度及びスクラッチの有無
実施例1におけると同様の条件で、SiO2膜ウエハ(Advantec社製、商品名「PE−TEOS」)を研磨し、研磨速度及びスクラッチの有無を評価したところ、研磨速度は300nm/分であり、スクラッチはほとんど認められなかった。
(2)ディッシングの評価
実施例1と同様の条件で、半導体ウエハ(SKW社製、商品名「SKW−7」)を研磨したところ、透光性領域を通して光学的終点検出ができなかった。
実施例3
実施例1においてβ−シクロデキストリンを無水炭酸カリウム(和光純薬工業(株)製)を5体積%としたほかは実施例1と同様にして、直径79cm、厚さ2.
5mmであり、裏面(非研磨面側)に21mm×59mm×0.6mmの凹部を有する研磨パッドを得た。この凹部が透光性領域に相当する。この凹部の表面粗さRaは4.5μmであった。
次いで、この研磨パッドの研磨面側に溝切削機を用いて、溝幅の平均値が1.0mm、溝深さの平均値が1.4mm、ピッチの平均値が2.00mm環状の複数の溝を同心円状に形成した。
このようにして形成した研磨パッドにつき、実施例1と同様にして透過性領域の波長633nmにおける光透過率を測定したところ、13%であった。
(1)研磨速度及びスクラッチの有無
実施例1におけると同様の条件で、SiO2膜ウエハ(Advantec社製、商品名「PE−TEOS」)を研磨し、研磨速度及びスクラッチの有無を評価したところ、研磨速度は290nm/分であり、スクラッチはほとんど認められなかった。
(2)ディッシングの評価
実施例1と同様の条件で、半導体ウエハ(SKW社製、商品名「SKW−7」)を研磨したところ、透光性領域を通して光学的終点検出ができた。
また、ディッシングは40nmであり、被研磨面は平坦性に優れていた。
実施例4
分子の両末端に2個の水酸基を有する数平均分子量650のポリテトラメチレングリコール(三菱化学(株)製、商品名「PTMG650」)28.2質量部と4
,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(住化バイエルウレタン社製、商品名「スミジュール44S」)21.7質量部を反応容器に仕込み、攪拌しながら90℃で3時間保温して反応させ、その後冷却して、両末端イソシアネートプレポリマーを得た。
架橋剤として3個の水酸基を有する数平均分子量330のポリプロピレングリコール(日本油脂(株)製、商品名「ユニオールTG330」、グリセリンとプロピ
レンオキサイドの付加反応生成物)21.6質量部とポリテトラメチレングリコール「PTMG650」6.9質量部を用い、これにβ−シクロデキストリン5質量部を攪拌して分散させ、更に反応促進剤として2−メチルトリエチレンジアミン(三共エアープロダクツ(株)製、商品名「Me−DABCO」)0.1質量部を攪拌して溶解させた。この混合物を上記両末端イソシアネートプレポリマーの反応容器に添加した。
更に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(住化バイエルウレタン社製、商品名「スミジュール44S」)21.6質量部を上記両末端イソシアネートプレポリマーの反応容器に添加して、室温にて2分間200回転で攪拌し、更に減圧脱泡して原料混合物を得た。
この原料混合物を鏡面の凸部(21mm×59mm×0.6mm)を有する直径60cm、厚さ3mmの金型に注入し、80℃で20分間保持してポリウレタンの重合を行い、更に110℃で5時間加熱し、直径60cm、厚さ3mmの裏面(非研磨面側)に21mm×59mm×0.6mの凹部を有する研磨パッドを得た。この凹部の表面粗さRaは4.7μmであった。
次いで、この研磨パッドの研磨面側に溝切削機を用いて、溝幅の平均値が10m、溝深さの平均値が1.4mm、ピッチの平均値が2.00mmの環状の複数の溝を同心円状に形成した。
このようにして形成した研磨パッドにつき、実施例1と同様にして透光性領域の波長633nmにおける光透過率を測定したところ、12%であった。
(1)研磨速度及びスクラッチの有無
実施例1におけると同様の条件で、SiO2膜ウエハ(Advantec社製、商品名「PE−TEOS」)を研磨し、研磨速度及びスクラッチの有無を評価したところ、研磨速度は310nm/分であり、スクラッチはほとんど認められなかった。
(2)ディッシングの評価
実施例1と同様の条件で、半導体ウエハ(SKW社製、商品名「SKW−7」)を研磨したところ、透光性領域を通して光学的終点検出ができた。
また、ディッシングは40nmであり、被研磨面は平坦性に優れていた。
以上のとおり、本発明の化学機械研磨用パッドおよび化学機械研磨用積層体パッドは、上記光学式終点検出装置を用いた化学機械研磨に好適に使用することができる。本発明の化学機会研磨方法は、研磨終点を常時観測しながら十分な研磨速度で研磨することができ、最適な研磨終点において確実に研磨を終えることができるとともに、良好な被研磨面の表面状態を得ることができる。
本発明の研磨パッドの薄肉部における断面の一例を表す模式図である。 本発明の研磨パッドの薄肉部における断面の一例を表す模式図である。 本発明の研磨パッドの薄肉部における断面の一例を表す模式図である。 本発明の研磨パッドの薄肉部における断面の一例を表す模式図である。 本発明の薄肉部の平面形状の一例を表す裏面方向から見た模式図である。 本発明の薄肉部の平面形状の一例を表す裏面方向から見た模式図である。 本発明の薄肉部の平面形状の一例を表す裏面方向から見た模式図である。 本発明の研磨パッド又は研磨積層体を用いる研磨装置を解説する模式図である。

Claims (8)

  1. 非水溶性マトリックスと、該非水溶性マトリックス材中に分散された水溶性粒子を含有してなりそして研磨面と研磨面の反対面の非研磨面を備える化学機械研磨用パッドであって、研磨面から非研磨面に光学的に通じる透光性領域を有しそして該透光性領域の非研磨面の表面粗さ(Ra)が10μm以下であることを特徴とする、化学機械研磨用パッド。
  2. 透光性領域の他に、透光性領域の透光性よりも透光性の小さい弱透光性領域を有し、そして透光性領域は弱透光性領域に囲まれている請求項1のパッド。
  3. 透光性領域が弱透光性領域中に非研磨面側で陥没していることにより、透光性領域の厚みが弱透光性領域の厚みよりも小さい請求項2のパッド。
  4. 請求項1の化学機械研磨用パッドおよびその非研磨面上に積層された支持層からなりそして該支持層はその厚み方向に伸びる透光性領域を有し、該透光性領域は上記化学機械研磨用パッドの透光性領域と光学的に連通していることを特徴とする化学機械研磨用積層体パッド。
  5. 光学式終点検出器を備える化学機械研磨装置に使用するための、請求項1に記載の化学機械研磨用パッド。
  6. 光学式終点検出器を備える化学機械研磨装置に使用するための、請求項4に記載の化学機械研磨用積層体パッド。
  7. 請求項1に記載の化学機械研磨用パッドを用いる化学機械研磨方法であって、化学機械研磨の終点を光学式終点検出器によって行うことを特徴とする、化学機械研磨方法。
  8. 請求項4に記載の化学機械研磨用積層体パッドを用いる化学機械研磨方法であって、化学機械研磨の終点を光学式終点検出器によって行うことを特徴とする、化学機械研磨方法。

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