JP7220130B2 - 研磨パッド及び研磨パッドの製造方法 - Google Patents

研磨パッド及び研磨パッドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、CMP(化学的機械的研磨)に用いられる研磨パッド、詳しくは、光学的終点検出のための透明樹脂ブロックを含む光透過部を有する研磨パッドに関する。
半導体製品の製造工程においては、導電体膜及び絶縁体膜が形成された半導体ウエハの表面をCMPにより研磨して平坦化する。CMPは、回転する研磨パッドの研磨面に、スラリーを供給しながら、研磨対象である被研磨物を圧接して回転させながらその表面を研磨する方法である。
半導体メモリに搭載される大規模集積回路(LSI)の集積化や微細化、半導体デバイスの積層数の増加等に伴い、それらの製造工程も複雑化している。製造工程が複雑化することにより、絶縁体膜や導電体膜等による半導体ウエハ表面のわずかなレベルの凹凸が断線や抵抗値のバラツキを引き起こす原因になる。そのために半導体ウエハ表面の平坦度のさらなる高精度化が求められている。
また、LSIを製造する際に、半導体ウエハの表面にマスクのパターンを形成する技術としてリソグラフィ(投光露光)が用いられる。半導体集積回路の微細化に伴いリソグラフィの露光波長が短くなり、露光の焦点深度が非常に浅くなっている。半導体ウエハの表面の平坦度が低い場合、マスクのパターンの解像度が低下する。マスクのパターンの解像度を高くするためにも半導体ウエハ表面の平坦度のさらなる高精度化が求められている。
CMPによる半導体ウエハ表面の平坦度の高精度化のために、半導体ウエハ表面を研磨しながら研磨の終点を決定する光学的終点検出が知られている。
例えば、下記特許文献1は、半導体平面化研磨プロセスの光学的な終了点検出方法に関し、半導体基板の表面に少なくとも70度の入射角でレーザービームを照射し、レーザ干渉計を利用した光検出器で表面の変化に伴う反射光の変化を検出する方法を開示する。
また、光学的終点検出方法として、例えば、下記特許文献2~特許文献5は、研磨パッドに透明窓材からなる光透過部を設け、半導体ウエハの表面を研磨パッドで研磨するに際し、研磨装置の定盤の裏側から、研磨中の半導体ウエハの表面に光透過部を通じてレーザ光を照射し、その反射光をモニターすることにより研磨終点を検出する技術を開示する。
特許文献2は、シリコンウエハの研磨装置に設置される研磨パッドとして、光を透過させない不透過樹脂に、スラリー粒子を吸収あるいはスラリー粒子を輸送するという本質的な能力を持たず、光学的方法でウエハの表面状態を検出するために使用される光透過プラグを埋め込んだ研磨パッドを開示する。そして、このような研磨パッドを製造する方法として、不透過樹脂がまだ液体である間に透過プラグと不透過の樹脂の間が完全に接触しているのを確かめながら、この成形物をモールド中の不透過樹脂に挿入し、不透過樹脂が硬化したのちモールドから取り出して、透過窓を有するパッド用シートをその成形物からスライスする方法を開示する。
また、特許文献3は、CMP装置のための研磨パッドに透明窓を形成する方法を開示し、開口部が形成された研磨面を含む研磨パッドの開口部に、実質的に透明なプラグを開口内に配置し、接着することを開示する。
また、特許文献4は、研磨作用面となる表面側に研磨スラリー保持用の溝を有し、かつ、レーザ光通過窓を備えるとともに、レーザ光通過窓に窓部材を埋設した研磨パッドであって、窓部材は、その表面に溝を備えて窓部材を研磨作用面の一部を構成可能とされている研磨パッドを開示する。そして、このような研磨パッドは、透明樹脂材料を注型あるいは押し出し成形し、所望形状にカットすることによって形成された透明窓材を研磨パッドの開口部に嵌合して接着することを開示する。
また、特許文献5は、ポリウレタン樹脂発泡体からなる研磨層及び研磨層に終点検出用の窓部を備えた研磨パッドの製造方法であって、研磨層形成工程、研磨層に歪み吸収用溝を形成する溝形成工程、研磨層に貫通孔を形成する研磨層貫通孔形成工程、及び研磨層貫通孔に窓材構成樹脂材料を注入し、硬化させて透明窓材とする窓材形成工程を有する窓部を備えた研磨パッドの製造方法を開示する。
また、特許文献6は、光学的透過性領域を含む研磨パッドであって、該研磨パッドが、(a)第一の領域及び第二の領域を含む研磨パッド本体であって、ここで該第一の領域が不透明であり、該第二の領域が光学的透過性であり、該第二の領域がそこに形成された少なくとも1つの凹部を有する、研磨パッド本体、及び、(b)該少なくとも1つの凹部に組み入れられた少なくとも1つの半透明のインサートを含み、該研磨パッド本体が第一の多孔質材料を含み、該少なくとも1つの半透明のインサートが該第一の多孔質材料とは異なる第二の多孔質材料を含む、研磨パッドを開示する。
米国特許第5413941号明細書 特表平11-512977号公報 米国特許第5893796号明細書 特開2006-21290号公報 特開2007-118106号公報 特表2013-542863号公報
上述した各特許文献に開示された、光透過プラグ,窓部材等と称される光透過部を備えた研磨パッドにおいては、光透過部とその周囲の部材である研磨層本体との接着性が不充分な場合には、研磨面に供給されたスラリーや水が接着面からその裏面に漏れる懸念があった。このような場合、光学的終点検出の精度が低下したり、研磨パッドを固定している両面テープの粘着力が低下して定盤から研磨パッドが剥がれたりする懸念があった。また、特許文献6に開示された半透明のインサートを用いた場合、とくに近紫外線など低波長光の透過率が低いために終点検知の精度が不充分であるという問題があった。
本発明は、透明樹脂ブロックを含む光透過部と研磨層本体との接着性を向上させた研磨層を備える研磨パッドを提供することを目的とする。
本発明の一局面は、被研磨物を研磨するための研磨面を有する研磨層を少なくとも備え、研磨層は、研磨面の側に開口し、研磨面に対する反対面である反研磨面の側に底壁を有する有底凹部が形成された、円形の周縁を有する研磨層本体シートと、有底凹部の内形に重なるように収容された透明樹脂ブロックと、を含み、透明樹脂ブロックは、上面と、底面と、上面と底面とに連接する側面と、を有し、上面が底面よりも大きく、上面から底面への垂直方向である厚み方向の断面形状に少なくとも1つの台形を含み、台形は、上面に対して30~80度の傾斜角を有し、上面が研磨面の一部を形成するように固定されている研磨パッドである。このような研磨パッドによれば、透明樹脂ブロックが、研磨面の側に開口し、研磨面に対する反対面である反研磨面の側に底壁を有する有底凹部に収容されていることにより、透明樹脂ブロックと研磨層本体シートとの界面から、研磨面に供給されたスラリーや蒸留水が反研磨面に漏れない。また、透明樹脂ブロックを含む光透過部と研磨層本体との間の界面の面積が傾斜面によって相対的に大きくなることによって接着性が向上する。
また、透明樹脂ブロックは、波長330nmの光に対する光透過率が厚さ1mm換算で10%以上である、第1の非発泡樹脂体からなることが、紫外領域の低波長光を用いた光学的終点検出の精度の向上を図ることができる点から好ましい。
また、研磨層本体シートは、第2の非発泡樹脂体からなることが高硬度の研磨層が得られる点から好ましい。
また、底壁の厚さは、研磨層本体シートの有底凹部を除いた領域の平均厚さの3分の1以下であることが光学的終点検出の精度の向上を図ることができる点から好ましい。また、底壁の厚さとしては、0.1~0.4mmであることが好ましい。
また、第2の非発泡樹脂体は、波長660nmの光に対する光透過率が厚さ1mm換算で20%以上であることが、光学的終点検出の精度の向上を図ることができる点から好ましい。
また、第2の非発泡樹脂体が、イソシアネート基由来の窒素原子の含有率が6.1~7.4質量%である熱可塑性ポリウレタンの非発泡樹脂体であることが平坦性と低スクラッチのバランスに優れる点から好ましい。
また、研磨面に形成された、螺旋状,同心円状,及び格子状からなる群から選ばれる少なくとも1つの溝を有することが好ましい。
また、本発明の他の一局面は、高分子シートを準備する工程と、高分子シートの一面から切削または研削加工することにより有底凹部を形成する工程と、有底凹部に透明樹脂ブロックを固定する工程と、を少なくとも備え、有底凹部は、開口面である上面と、底面と、上面と底面とに連接する側面と、を有し、上面が底面よりも大きく、上面から底面への垂直方向である深さ方向の断面形状に少なくとも1つの台形を含み、台形は、上面に対して30~80度の傾斜角を有する研磨パッドの製造方法である。
上記研磨パッドの製造方法においては、有底凹部の深さは、高分子シートの厚さの3分の2以上であることが、光学的終点検出の精度の向上を図ることができる点から好ましい。
また、有底凹部に透明樹脂ブロックを固定する工程の後に、開口面の側の面を平坦化する工程をさらに含むことが、研磨層の厚みを均一にできる点から好ましい。
また、有底凹部に透明樹脂ブロックを固定する工程の後に、有底凹部の底壁を平坦に切削または研削して透明樹脂ブロックを反研磨面に露出させる工程をさらに含むことが、光透過性が向上して光学的終点検出の精度の向上をさらに図ることができる点から好ましい。
また、有底凹部に透明樹脂ブロックを固定する工程が、有底凹部に未硬化の硬化性透明樹脂を充填した後、硬化させる工程であることが、製造が容易であり、また、研磨層と透明樹脂との接着性を高く維持できる点から好ましい。
また、有底凹部に透明樹脂ブロックを固定する工程が、有底凹部に透明樹脂ブロックを挿入して接着する工程であり、透明樹脂ブロックの外形が、有底凹部の形状に重なる形状であることが、製造が容易であり、また、研磨層と透明樹脂との接着性を高く維持できる点から好ましい。
本発明によれば、透明樹脂ブロックを含む光透過部と研磨層本体との接着性を向上させた研磨層を備える研磨パッドを提供することができる。
図1は、実施形態の研磨パッド10を説明するための模式図である。 図2は、研磨パッド10に組み込まれた透明樹脂ブロック1の模式図であり、(a)は斜視模式図、(b)は(a)の上面の短手方向におけるII-II'断面の模式図、(c)は(a)の上面の長手方向におけるIII-III'断面の模式図である。 図3は、実施形態の研磨パッド20を説明するための模式図である。 図4Aは、実施形態の研磨パッドの製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。 図4Bは、実施形態の研磨パッドの製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。 図4Cは、実施形態の研磨パッドの製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。 図4Dは、実施形態の研磨パッドの製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。 図4Eは、実施形態の研磨パッドの製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。 図4Fは、実施形態の研磨パッドの製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。 図4Gは、実施形態の研磨パッドの製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。 図4Hは、実施形態の研磨パッドの製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。 図5Aは、実施形態の研磨パッドの製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。 図5Bは、実施形態の研磨パッドの製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。 図5Cは、実施形態の研磨パッドの製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。 図6は、実施形態の研磨パッドの製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。 図7は、実施形態の光学的終点検出手段を採用したCMPを説明する説明図である。
本実施形態の研磨パッド及びその製造方法について、図面を参照して詳しく説明する。
図1は、本実施形態の第1の例の研磨パッド10を説明するための模式図である。図1中、(a)は研磨パッド10を研磨層5の一面である研磨面Pの側から見たときの平面模式図、(b)は(a)の研磨面Pの部分拡大模式図、(c)は(b)のI-I'断面における模式断面図である。また、図2は、研磨パッド10に組み込まれた透明樹脂ブロック1の模式図であり、(a)は斜視模式図、(b)は(a)の上面1Uの短手方向におけるII-II'断面の模式図、(c)は(a)の上面1Uの長手方向におけるIII-III'断面の模式図である。
図1(a)~(c)を参照すれば、本実施形態の研磨パッド10は、被研磨物を研磨するための研磨面Pと、研磨面Pに対する反対面である反研磨面Rと、を有する研磨層5を備える円形状の研磨パッドである。また、研磨層5は、開口である貫通孔C1が形成された、円形の周縁を有する研磨層本体シート2と、研磨層本体シート2の貫通孔C1に収容されて接着された透明樹脂ブロック1と、を含む。透明樹脂ブロック1は、研磨層5に光学的終点検出用の光を透過させるための光透過部を形成する。また、研磨面Pには、研磨面Pにスラリーを把持させるための螺旋状の溝Gが形成されている。
研磨層本体シート2は研磨面Pの大部分の領域を形成し、透明樹脂ブロック1はその上面1Uが研磨面Pの一部を形成する。透明樹脂ブロック1は光学的終点検出機構を備えた研磨装置に用いられた場合に、光学的終点検出のための光をより透過させやすくする作用を有し、好ましくは、研磨層本体シート2よりも全光線透過率が高い領域であり、さらに好ましくは、研磨層本体シート2よりも短波長領域の光透過率が高い領域である。
透明樹脂ブロック1は、波長330nmの光透過率が研磨層本体シート2よりも高いことが好ましく、具体的には、波長330nmの光に対する光透過率が厚さ1mm換算で10%以上である非発泡樹脂体(第1の非発泡樹脂体)から形成されていることが好ましい。ここで、波長330nmの光に対する光透過率の厚さ1mm換算とは、光透過率の測定値からランベルト・ベールの法則により下式を用いて1mmの厚みにおける透過率に換算して算出された値である。
T1=((T/100)^(1/A))×100
(ただし、T1は厚さ1mm換算した光透過率(%)、Tは測定したサンプルの光透過率(%)、Aは測定したサンプルの厚み(mm))
光透過性の高い透明樹脂ブロックは、非発泡構造(非多孔性)を有する光透過性の透明樹脂によって形成することができる。光透過性の透明樹脂としては、無黄変ポリウレタン等のポリウレタン,エポキシ樹脂,アクリルエラストマー,ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。これらの中では、無黄変ポリウレタンが終点検知の精度がより高くなる点から好ましい。また、これらの樹脂は、光硬化性樹脂,湿気硬化性樹脂,熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂であっても、熱可塑性樹脂であってもよい。
このような透明樹脂ブロックの光透過性としては、波長330nmの光に対する光透過率が厚さ1mm換算で10%以上、さらには15%以上、とくには20%以上であることが好ましい。また、波長660nmの光透過率は研磨層本体シート2と同等以上であることが好ましく、具体的には、波長660nmの光に対する光透過率が厚さ1mm換算で20%以上、さらには25%以上、とくには30%以上であることが好ましい。
図2(a)を参照すれば、透明樹脂ブロック1は、上面1U及び底面1Dと上面1Uと底面1Dとに連接する側面1Sとを有する。上面1U及び底面1Dは何れも長方形である。上面1Uは底面1Dよりも大きい。そして、上面1Uが研磨面Pの一部を形成する。
また、図2(b)及び図2(c)を参照すれば、透明樹脂ブロック1は、上面1Uから底面1Dへの垂直方向である厚み方向において、上面1Uの、短手方向のII-II'断面及び長手方向のIII-III'断面の断面形状が台形であり、台形は、上面1Uに対してθ1,θ2,θ3及びθ4(度)の傾斜角を有する。そして、傾斜角θ1,θ2,θ3及びθ4の少なくとも1つ、好ましくは全てが、30~80度の範囲である。ここで断面形状が台形とは、上面から底面への垂直方向である厚み方向の断面形状に、少なくとも1つの台形または溝Gを除いた場合に台形になる形状を含むことを意味する。研磨パッド10においては、上面1Uの短手方向の断面及び上面1Uの長手方向の断面の両方が台形であるが、長手方向の断面のみが台形であっても、短手方向の断面のみが台形であってもよい。
傾斜角θ1,θ2,θ3及びθ4の少なくとも1つが30~80度である面を有することにより、研磨中に透明樹脂ブロックが被研磨物に圧接されても透明樹脂ブロックに掛かる圧力が傾斜した面で分散するために、光透過部と研磨層本体シートとの間の接着性を低下させにくくする。また、光透過部と研磨層本体シートとの間の界面の面積が相対的に大きくなることによって接着性が向上する。傾斜角は、35~75度、さらには40~70度であることが好ましい。
研磨パッド10においては、研磨面の側から見た透明樹脂ブロック1の形状である上面1Uは長方形である。本実施形態の研磨パッドにおいては、研磨面の側から見た透明樹脂ブロックの上面の形状は長方形に限られず、円形,楕円形,長円形,三角形,その他の四角形等、研磨装置に合わせて適宜選択することができる。また、このような透明樹脂ブロックにおいて、上面から底面への垂直方向である厚み方向に切断したときの断面形状において、角度を変えて切断した全ての断面のうち、少なくとも1つの台形を含む。また、透明樹脂ブロック1の上面及び底面の面積は、用いられる研磨装置に備えられた光学的終点検出手段の種類に応じて適宜調整される。
また、透明樹脂ブロックの底面の面積は、従来、光学的終点検出方法に用いられている光透過窓の大きさであれば特に限定されない。具体的には、例えば、100~1200mm2、さらには300~1000mm2、程度であることが好ましい。また、透明樹脂ブロックの上面の面積は、底面の面積に対して、110~150%、さらには115~140%程度であることが好ましい。
透明樹脂ブロックのD硬度は、特に限定されないが、スクラッチの発生を低減させやすい点から研磨層本体シートよりも低いこと、具体的には、D硬度で1~30、さらには、3~25、とくには、5~20、低いことが好ましい。透明樹脂ブロックのD硬度としては、40~85、さらには、45~80、とくには、50~75、であることが好ましい。
研磨面Pの大部分の領域を形成する研磨層本体シート2も、限定はされないが、終点検知精度を高める点から光透過性を有することが好ましい。具体的には、研磨層本体シートは、波長660nmの光に対する光透過率が厚さ1mm換算で20%以上である非発泡樹脂体(第2の非発泡樹脂体)から形成されていることが好ましい。また、非発泡樹脂体からなる研磨層は高い硬度を保持することができ、より優れた平坦化性を示す。また、非発泡樹脂体からなる研磨層は、その表面に気孔が露出せず、気孔中でスラリー中の砥粒が凝集や凝着しないために、スクラッチが発生しにくい。さらに、非発泡樹脂体からなる研磨層は、発泡樹脂体からなる研磨層に比べて、摩耗速度が低いために寿命が長い。
このような研磨層本体シートの光透過性としては、波長660nmの光に対する光透過率が厚さ1mm換算で20%以上、さらには25%以上、とくには30%以上であることが好ましい。また、波長330nmの光透過率が厚さ1mm換算で1%以上、さらには2%以上、とくには3%以上であることが好ましい。
研磨層本体シートのD硬度は、50~90、さらには55~88、とくには60~85であることが平坦化性の向上とウエハ表面でのスクラッチ発生の抑制とのバランスに優れる点から好ましい。
研磨層の厚さは、0.6~4.0mm、さらには0.7~3.0mm、とくには0.8~2.0mmの範囲内であることが研磨性能のバランスに優れる点から好ましい。研磨層が薄すぎる場合には、研磨装置の定盤の硬さの影響や、下層にクッション層を積層した場合などにおいてそのクッション層の硬さの影響を受けることにより研磨層の摩耗に伴い研磨性能が安定しにくくなる傾向がある。また、研磨層が厚すぎる場合には、研磨パッドの曲げ剛性が大きくなり、下層にクッション層を積層しても研磨層が変形しにくくなることから、研磨均一性が低下する場合がある。
図1(c)を参照すれば、研磨パッド10は、研磨層本体シート2の反研磨面Rの側に接着層3を介してクッション層4が接着された層構成を有する。本実施形態の研磨パッドは、研磨パッド10のように、反研磨面の側にクッション層や支持体層などの他の層が積層された2層以上の積層構造を有していても、研磨層のみからなる単層構造であってもよい。研磨パッド10のように反研磨面Rの側にクッション層4を積層した積層構造を有する場合、被研磨面の面内での研磨均一性がより向上しやすい点からとくに好ましい。研磨パッドが積層構造を有する場合、研磨層の反研磨面に粘着剤や接着剤を介してクッション層や支持体層が積層される。この場合、研磨層の凹部を形成した領域に該当する部分のクッション層を開口させることが好ましい。
次に、本実施形態の第2の例の研磨パッド20を図3を参照して説明する。図3は、研磨パッド20を説明するための模式断面図である。第2の例の研磨パッド20は、図1(c)と図3を対比すれば、研磨パッド10の、貫通孔C1が形成された研磨層本体シート2の代わりに、研磨パッド20には、研磨面Pに対する反対面である反研磨面Rの側に厚さt1の底壁wを有する有底凹部C2が形成された研磨層本体シート12を採用した以外は、研磨パッド10と同様の構成を有する。
研磨パッド20においては、透明樹脂ブロック11を収容する有底凹部C2が底壁wを有するために、研磨の際に透明樹脂ブロック11が被研磨物に圧接されても、有底凹部C2が透明樹脂ブロック11を支持するためにその接着面の剥離が生じにくい。また、透明樹脂ブロック11と有底凹部C2との接着面が反研磨面に対して底壁wによって断絶されているために、透明樹脂ブロック11と研磨層本体シート12との界面から、研磨面Pに供給されたスラリーや蒸留水が反研磨面Rに漏れない。
研磨パッド20のように透明樹脂ブロック11を収容する開口が底壁wを有する有底凹部C2である場合、底壁wの厚さt1は0.1~0.4mm、さらには、0.2~0.3mmであることが、透明樹脂ブロック11が固定された領域の光透過性を充分に維持することができるために高い終点検知精度を実現でき、また、製造も容易である点から好ましい。
また、研磨パッド20のように透明樹脂ブロック11を収容する開口が底壁wを有する有底凹部C2である場合、底壁wの厚さt1は、研磨層本体シート12の有底凹部C2を除いた領域の平均厚さt2の3分の1以下、さらには4分の1以下、とくには5分の1以下であることが透明樹脂ブロック11が固定された領域の光透過性を充分に維持することができるために高い終点検知精度を実現でき、また、製造も容易である点から好ましい。
研磨パッドにおいて、光透過部である透明樹脂ブロックを埋め込んだ領域での波長330nmの光透過率は10%以上、さらには15%以上であることが、紫外光を用いた終点検知性能に優れている点から好ましい。
上述した本実施形態の研磨パッドをその製造方法の一例に沿ってさらに詳しく説明する。図4A~図4Hは研磨パッド10の製造工程の各工程を説明するための模式断面図である。
研磨パッド10の製造においては、はじめに、図4Aに示すように研磨層本体シートを形成する第2の非発泡樹脂体である高分子シート22を準備する。
第2の非発泡樹脂体の具体例としては、例えば、ポリウレタン,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブタジエン,エチレン-酢酸ビニル共重合体,ブチラール樹脂,ポリスチレン,ポリ塩化ビニル,アクリル樹脂,エポキシ樹脂,ポリエステル,ポリアミド等の非発泡樹脂体が挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中では、高分子ジオール、有機ジイソシアネート及び鎖伸長剤を含むポリウレタン原料を反応させることにより得られるポリウレタン、とくには、熱可塑性ポリウレタンが、光透過性を有し、高い研磨速度の達成とスクラッチの抑制とのバランスに優れる研磨層が得られる点から好ましい。なお、熱可塑性とは、押出成形,射出成形,カレンダー成形、3Dプリンタ成形等の加熱工程により溶融して成形可能な特性を意味する。
熱可塑性ポリウレタンは、高分子ジオール,有機ジイソシアネート及び鎖伸長剤を含むポリウレタン原料を用い、プレポリマー法やワンショット法などの公知のポリウレタンの製造方法を用いて製造される。とくには、実質的に溶媒の不存在下でポリウレタン原料を溶融混練して溶融重合する方法、さらには、多軸スクリュー型押出機を使用して連続溶融重合する方法が生産性に優れる点から好ましい。
ポリウレタン原料である高分子ジオール,有機ジイソシアネート,鎖伸長剤としては、例えば、次のような化合物が挙げられる。
高分子ジオールの具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール,ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルジオール;ポリ(ノナメチレンアジペート)ジオール,ポリ(2-メチル-1,8-オクタメチレンアジペート)ジオール,ポリ(3-メチル-1,5-ペンタメチレンアジペート)ジオール,ポリカプロラクトンジオール等のポリエステルジオール;ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール,ポリ(3-メチル-1,5-ペンタメチレンカーボネート)ジオール等のポリカーボネートジオールなどが挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、高分子ジオールの数平均分子量は500~1500、さらには550~1200、とくには600~1000であることが光透過性と高硬度とのバランスに優れた研磨層が得られる点から好ましい。高分子ジオールの数平均分子量が高すぎる場合には研磨層の光透過性が低下する傾向がある。また、高分子ジオールの数平均分子量が低すぎる場合には硬度が高い研磨層が得られる一方、スクラッチが発生しやすくなる傾向がある。
有機ジイソシアネートの具体例としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネート,4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート,1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどの脂肪族または脂環式ジイソシアネート;4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート,2,4-トリレンジイソシアネート,2,6-トリレンジイソシアネート,1,5-ナフチレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートを挙げることができる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートが得られる研磨層の耐摩耗性に優れる等の点から好ましい。
また、鎖伸長剤としては、ポリウレタンの製造に従来使用されている鎖伸長剤が特に限定なく用いられる。本実施形態で好ましい光透過性の研磨層を製造するためには、アミノ基を有さず水酸基を2個有する分子量350以下の低分子化合物がとくに好ましい。このような鎖伸長剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール,ジエチレングリコール,1,3-プロパンジオール,1,2-ブタンジオール,1,3-ブタンジオール,1,4-ブタンジオール,1,5-ペンタンジオール,ネオペンチルグリコール,1,6-ヘキサンジオール,3-メチル-1,5-ペンタンジオール,1,4-ビス(β-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン,1,9-ノナンジオール,スピログリコール等のジオール類が挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、1,4-ブタンジオールがとくに好ましい。
ポリウレタン原料の各成分の配合割合は研磨層に付与すべき特性などを考慮して適宜調整されるが、例えば、高分子ジオール及び鎖伸長剤に含まれる活性水素原子1モルに対して、有機ジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が0.95~1.3モル、さらには0.96~1.1モル、とくには0.97~1.05モルとなる割合で各成分を配合することが好ましい。有機ジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が少なすぎる場合には、得られるポリウレタンの機械的強度及び耐摩耗性が低下する傾向がある。また、有機ジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が多すぎる場合には、ポリウレタンの生産性やポリウレタン原料の保存安定性が低下する傾向がある。
ポリウレタン中の、有機ポリイソシアネートのイソシアネート基に由来する窒素原子の割合は、5.2~7.5質量%、さらには6.1~7.4質量%、とくには6.2~7.3質量%であることが、平坦化性や低スクラッチ性にとくに優れる研磨層が得られる点から好ましい。イソシアネート基に由来する窒素原子の割合が低すぎる場合には、研磨層が柔らかくなって被研磨面の平坦化性や研磨効率が低下する傾向がある。また、イソシアネート基に由来する窒素原子の割合が高すぎる場合には、研磨層が硬くなりすぎて、被研磨物にスクラッチが発生しやすくなる傾向がある。
高分子シートの製造方法は特に限定されないが、例えば、上述した高分子材料に、必要に応じて添加剤等を配合した高分子材料を、公知のシート化法を用いて、シート化する。具体的には、例えば、高分子材料をT-ダイを装着した単軸押出機や二軸押出機等の押出機により溶融押出してシート化する方法が挙げられる。また、シートは、高分子材料をブロック状に成形し、ブロック状の成形体をスライスして製造してもよい。得られたシートは、裁断、打ち抜き、切削等により所望の寸法、形状に加工したり、研削等により所望の厚さに加工したりして高分子シートに仕上げられる。
次に、図4Bに示すように、研磨層になる高分子シート22の一面から切削または研削加工することにより有底凹部Cを形成する。有底凹部Cの形成方法に特に制限はないが、切削により行うことが、有底凹部Cの形状や大きさの加工精度が優れることから好ましい。有底凹部Cは貫通孔ではなく、底壁を有する。このように、有底凹部Cを形成することにより、液状の樹脂を収容させて硬化させる方法を容易に採用できるとともに、切削加工により貫通孔を作製する場合でも加工装置の定盤を傷つけない。
図4Bに示すように、有底凹部Cは、開口面である上面Uと、底面Bと、上面Uと底面Bとに連接する側面Sと、を有し、上面Uから底面Bへの方向である深さ方向Dの断面形状が台形であり、上面Uが底面Bよりも大きく、台形は、上面に対して30~80度の傾斜角θを有するように形成される。
研磨層に形成される有底凹部を研磨層表面に対して垂直に厚み方向に切断した断面形状は、角度を変えて切断した断面の少なくとも一つにおいて開口の上面が底面よりも大きく、台形である。これにより、研磨層と透明樹脂の接着性が向上し、研磨時に剥離が起こりにくくなる。研磨層表面と垂直に厚み方向に切断した断面形状が、研磨層の研磨面のあらゆる角度で切断した断面の全てで開口の上面が底面よりも大きいことが好ましい。開口の上面の長さが底面より1~5mm長いことが好ましく、2~4mm長いことがより好ましい。
有底凹部の深さは、研磨層に組み込まれる透明樹脂ブロックの光透過性や有底凹部の底壁を除去するかしないかを考慮して選択されるが、上述した研磨パッド20のように透明樹脂ブロック11を収容する開口が底壁を除去しない有底凹部である場合、底壁の厚さが0.1~0.4mm、さらには、0.2~0.3mmになるように選択することが、透明樹脂ブロックを配置した領域の光透過性を充分に維持させることができるために高い終点検知精度を実現でき、また、製造も容易である点から好ましい。
また、有底凹部Cの深さは、上述した研磨パッド20のように透明樹脂ブロック11を収容する開口が有底凹部である場合、有底凹部の深さは、研磨層本体シート12の有底凹部を除いた領域の平均厚さt2の3分の2以上、さらには4分の3以上、とくには5分の4以上であることが透明樹脂ブロックに領域の光透過性を充分に維持させることができるために高い終点検知精度を実現でき、また、製造も容易である点から好ましい。
次に、有底凹部に透明樹脂ブロックを固定する。有底凹部に透明樹脂ブロックを固定する工程としては、図4Cに示すように、有底凹部Cに未硬化の硬化性透明樹脂21を充填した後、未硬化の硬化性透明樹脂21を硬化させることにより図4Dに示すように透明樹脂ブロック31を形成する方法が挙げられる。また別の方法としては、図5A~図5Cに示すように、外形が、有底凹部Cの内形に重なる形状である樹脂プラグ41を有底凹部C挿入し、接着剤15で接着したり、または、超音波融着等の溶着手段を用いて接着したりする方法が挙げられる。これらの方法は何れも製造が容易であり、また、研磨層と透明樹脂ブロックの剥がれを防止できる点から好ましく採用される。
未硬化の硬化性透明樹脂としては、ポリウレタンやエポキシ樹脂,光硬化性樹脂,湿気硬化性樹脂,熱硬化性樹脂などが挙げられる。また、樹脂プラグとしては、無黄変ポリウレタン,アクリルエラストマー,ポリビニルアルコール樹脂などの成形体が挙げられる。これらの中でも、透明性や研磨層との接着性に優れることから、未硬化の硬化性透明樹脂のポリウレタンを有底凹部に注入した後に硬化させる方法が好ましい。また、終点検知の精度をより高めるために、非発泡樹脂体を形成する無黄変ポリウレタンであることがとくに好ましい。
次に、図4Eに示すように、有底凹部Cの開口の側の面を切削または研削して平坦化する。このような平坦化によれば、研磨層の厚みを均一にすることができる。
そして、有底凹部の底壁を除去する場合には、図4Fに示すように、有底凹部の底壁を平坦に切削または研削して透明樹脂ブロック31を露出させる。透明樹脂が埋め込まれた領域では、近紫外線の透過率が向上し、終点検知の精度が高まる。
なお、図3に示した、研磨面Pに対する反対面である反研磨面Rの側に厚さt1の底壁wを有する有底凹部C2が形成された研磨層本体シート12を採用した研磨パッド20を製造する場合、図4Fを示して説明した有底凹部の底壁を平坦に切削または研削する工程において、透明樹脂ブロック31を露出させない。具体的には、図6を参照すれば、底壁wを残すようにして平坦化する。
そして、図4Gに示すように、スラリーを保持するための溝Gまたは穴を形成する。図1を参照すれば、研磨層の研磨面となる側に、螺旋状等の溝Gを形成する。溝の形状は特に限定されないが、同心円状,螺旋状,格子状,または放射状の溝などが、研磨速度などの研磨特性に優れる点から好ましい。また、穴は研磨層の厚みより浅く底壁があるものでも、貫通した孔であってもよい。なお、溝または穴は研磨層の開口に埋め込まれた透明樹脂ブロックの表面に存在してもよい。このようにして研磨層5が形成される。
そして、図4Hに示すように、研磨層5の反研磨面Rに接着層3を介してクッション層4を接着する。この場合、研磨パッド10の光透過部の光透過性を確保するために、クッション層4は、研磨層5の透明樹脂ブロック1を固定した領域に対応する部分を開口させておくことが望ましい。研磨パッド10のように反研磨面Rの側にクッション層4を積層した積層構造を有する場合、被研磨面の面内での研磨均一性がより向上しやすい点からとくに好ましい。
研磨層とクッション層との積層は、公知の粘着剤あるいは接着剤を用いて行うことができる。クッション層の素材はとくに限定されないが、例えば、不織布に樹脂を含浸させたシートや、非発泡構造または発泡構造のエラストマーのシート等が挙げられる。具体的には、不織布にポリウレタンを含浸させた複合体;天然ゴム,ニトリルゴム,ポリブタジエンゴム,シリコーンゴム等のゴム;ポリエステル系熱可塑性エラストマー,ポリアミド系熱可塑性エラストマー,フッ素系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー;発泡プラスチック;ポリウレタン等のシートが挙げられる。これらの中では、好ましい柔軟性が得られやすい点から、発泡構造を有するポリウレタンのシートがとくに好ましい。
また、クッション層の厚さは、平坦化性と均一性とを両立させる観点から、0.4~3mm、さらには0.5~2mmmとくには0.6~1.5mmであることが好ましい。また、クッション層のC硬度は20~70であることが好ましい。
なお、本実施形態の研磨パッドは、研磨パッド10のように、反研磨面の側にクッション層や支持体層などの他の層が積層された2層以上の積層構造を有していても、研磨層のみからなる単層構造であってもよい。研磨パッドが積層構造を有する場合、研磨層の反研磨面に粘着剤や接着剤を介してクッション層や支持体層が積層される。
このようにして研磨パッド10または研磨パッド20のような研磨パッドが形成される。
以上説明した本実施形態の研磨パッドは光学的終点検出手段を採用したCMPに好ましく用いられる。次に、本実施形態の研磨パッド10を用いた光学的終点検出手段を採用したCMPの一例について説明する。
CMPにおいては、例えば、図7に示すような円形の回転定盤101と、スラリー供給ノズル102と、研磨ヘッド103と、図略のパッドコンディショナーとを備えたCMP装置100が用いられる。そして、CMP装置100はさらに、光学式センサ110、コンピュータ120、制御装置130と、を備える。
研磨パッド10は、回転定盤101の表面に、両面粘着シート等により貼付けられる。また、研磨ヘッド103は被研磨物50を支持する。
CMP装置100においては、回転定盤101は、図略のモータにより、例えば、矢印に示す方向に回転する。また、研磨ヘッド103は、被研磨物50の被研磨面を研磨パッド10の研磨面に圧接しながら、図略のモータにより例えば矢印に示す方向に回転する。図略のパッドコンディショナーは、回転定盤101の面内を万遍なく揺動しながら、研磨パッドの研磨面を目立てしてスラリーの保持力を向上させる。パッドコンディショナーとしては、例えば、ダイヤモンド粒子をニッケル電着等により担体表面に固定したパッドコンディショナーが用いられる。
パッドコンディショナーによって表面を目立てした後、被研磨物50の被研磨面の研磨を開始する。研磨においては、回転する研磨パッド10の表面にスラリー供給ノズル102からスラリー60を供給する。スラリーは、例えば、水やオイル等の液状媒体;シリカ,アルミナ,酸化セリウム,酸化ジルコニウム,炭化ケイ素等の研磨剤;塩基,酸,界面活性剤,過酸化水素等の酸化剤,還元剤,グリシン、EDTA等のキレート剤、塩基、酸等のpH調整剤、水溶性ポリマー等の分散剤等を含有している。またCMPを行うに際し、必要に応じ、スラリーと共に、潤滑油、冷却剤などを併用してもよい。そして、研磨面にスラリーが満遍なく行き渡った研磨パッドに、研磨ヘッド103に固定されて回転する被研磨物50を押し当てる。そして、所定の平坦度または研磨量が得られるまで、研磨処理が続けられる。研磨時に作用させる押し付け力や回転定盤と研磨ヘッドの相対運動の速度を調整することにより、仕上がり品質が影響を受ける。
研磨条件は特に限定されないが、効率的に研磨を行うためには、回転定盤101及び被研磨物50のそれぞれの回転速度は300rpm以下の低回転が好ましく、研磨パッド10に圧接させるために被研磨物50に掛ける圧力は、研磨後に傷が発生しないようにする点から、150kPa以下とすることが好ましい。また、研磨している間、研磨パッド10には、研磨面にスラリーが満遍なく行き渡るようにスラリーを連続または不連続に供給することが好ましい。
そして研磨の実行中に、CMP装置100の回転定盤101に設けられた図略のレーザ光源から研磨パッド10の光透過部である透明樹脂ブロック1を透過させて被研磨物50の表面にレーザ光を照射し、光学式センサ110によって、その反射光をモニターする。具体的には、受光した反射光を図略の分光器で分光し、その結果をコンピュータ120に出力する。被研磨物50の表面に形成された研磨対象である導電体膜や絶縁体膜の厚さの変化により反射光の位相差が変化する。予め取得しておいた膜厚と反射光の光学特性の関係のデータ等に基づいて、現在の導電体膜や絶縁体膜の厚さを予測することができる。コンピュータ120は膜厚と反射光の光学特性の関係のデータ等に基づいて目的とする厚さになる終点を監視する。コンピュータ120は終点を監視しながら、制御装置130に回転定盤101の回転数の制御を指令する。このようにして、被研磨物50の表面を研磨パッドで研磨するに際し、被研磨物50の表面に照射したレーザ光の反射光をモニターしながら、研磨終点を検出する。そして、コンピュータ120が研磨終点を検出したとき、制御装置130に回転定盤101に回転停止の指令等を出力する。そして、回転定盤101の回転が停止することによって、研磨が終了する。
そして、研磨終了後の被研磨物を流水でよく洗浄した後、スピンドライヤ等を用いて被研磨物に付着した水滴を払い落として乾燥させる。このようにして被研磨面が平滑な面になる。
このような本実施形態のCMPは、各種半導体デバイス、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の製造プロセスにおける研磨に好ましく用いられる。研磨対象の例としては、例えば、シリコン、炭化ケイ素、窒化ガリウム、ガリウムヒ素、酸化亜鉛、サファイヤ、ゲルマニウム、ダイヤモンドなどの半導体基板;所定の配線を有する配線板に形成されたシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、low-k膜などの絶縁体膜や、銅、アルミニウム、タングステンなどの配線材料;ガラス、水晶、光学基板、ハードディスク等が挙げられる。本実施形態の研磨パッドは、とくには、半導体基板上に形成された絶縁体膜や配線材料を研磨する用途に好ましく用いられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
はじめに、実施例で用いた評価方法を以下にまとめて説明する。
(光透過率の評価)
(株)島津製作所製の分光光度計「UV-2450」を用いて試験片の光透過率を測定した。そして、得られた光透過率の値をランベルト・ベールの法則により厚さ1mmの光透過率に換算した。
(透明樹脂ブロックの接着性の評価)
直径80mmの貫通孔があるSUS製の台の上に、貫通孔の上に透明樹脂ブロックが位置するように研磨パッドを貼付けた。そして、(株)島津製作所製のオートグラフ2000Aを用いて、下記条件で透明樹脂ブロックに研磨面側から荷重を掛け、除圧後に接着部分のずれがないか確認した。加圧子:直径12mmの円板,荷重:25kg,加圧時間:30分間,試験温度:50℃
[製造例1]
数平均分子量600のポリエチレングリコール[略号:PEG]、1,4-ブタンジオール[略号:BD]、1,6-ヘキサンジオール[略号:HD]、および、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート[略号:MDI]を、PEG:BD:HD:MDIの質量比が19.7:17.1:2.5:60.7となるような割合で配合し、定量ポンプにより、同軸で回転する2軸押出機に連続的に供給して、熱可塑性ポリウレタンを連続溶融重合した。熱可塑性ポリウレタンにおけるイソシアネート基由来の窒素原子の含有率は6.8質量%であった。そして、重合された熱可塑性ポリウレタンの溶融物をストランド状に水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断してペレットを得た。このペレットを70℃で20時間除湿乾燥した後、単軸押出機に供給し、T-ダイから押出して、厚さ2.5mmのシートを成形した。そして、得られたシートの表面を研削して厚さ2.0mmの均一なシートとした後、直径30cmの円形状に切り抜くことにより、非発泡体である研磨層用高分子シートを得た。JIS K 7311に準じて、測定温度25℃の条件で測定した研磨層用高分子シートのD硬度は80であった。
[製造例2]
数平均分子量850のポリテトラメチレングリコール[略号:PTG]、BD、ジエチレングリコール[略号:DEG]、およびMDIを、PTG:BD:DEG:MDIの質量比が27.2:15.5:2.0:55.3となるような割合で配合し、定量ポンプにより、同軸で回転する2軸押出機に連続的に供給して、熱可塑性ポリウレタンを連続溶融重合した。熱可塑性ポリウレタンにおけるイソシアネート基由来の窒素原子の含有率は6.2質量%であった。そして、重合された熱可塑性ポリウレタンの溶融物をストランド状に水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断してペレットを得た。このペレットを70℃で20時間除湿乾燥した後、単軸押出機に供給し、T-ダイから押出して、厚さ2.5mmのシートを成形した。そして、得られたシートの表面を研削して厚さ2.0mmの均一なシートとした後、直径30cmの円形状に切り抜くことにより、非発泡体である研磨層用高分子シートを得た。JIS K 7311に準じて、測定温度25℃の条件で測定した研磨層用高分子シートのD硬度は76であった。
[実施例1]
製造例1で得られた、厚さ2.0mm、直径30cmの研磨層用高分子シートの一面の中心から100mmの部分を中心として長辺が直径方向に平行になる台形状の有底凹部をエンドミルを用いて切削することにより形成した。台形状の有底凹部の具体的な形状は、上面の長辺58mm、底面の長辺54mm、上面の短辺20mm、底面の短辺16mm、深さが1.7mmの形状であった。また、上面に対する4つの側面の傾斜角はそれぞれ、50度,50度,50度,及び50度であった。また、台形状の有底凹部の底壁の厚さは0.3mmであった。この有底凹部は、研磨面(上面)から見た形状が長方形で、断面は台形であった。
そして、研磨層用高分子シートに形成された台形状の有底凹部に液状の未硬化の無黄変ポリウレタン樹脂をあふれる程度に注入した。未硬化の無黄変ポリイソシアネート樹脂としては、イソホロンジイソシアネート及びポリテトラメチレングリコールを含むプレポリマーとポリアミン鎖延長剤との混合物を用いた。そして、台形状の有底凹部に注入された未硬化の無黄変ポリウレタン樹脂を硬化させることにより、研磨層内に台形状の透明樹脂ブロックを埋め込んだ。無黄変ポリウレタン樹脂の硬化物である透明樹脂ブロックは非発泡体であり、そのD硬度は65であった。このようにして研磨層用高分子シートに透明樹脂ブロックを固定した。
そして、研磨層用高分子シートの透明樹脂ブロックを埋め込んだ側の面を切削した後、反対面も切削して厚さを1.5mmの均一なシートとするとともに、透明樹脂ブロックを研磨層の両面に露出させた。得られた透明樹脂ブロックは、上面の長辺57.8mm、底面の長辺54.2mm、上面の短辺19.8mm、底面の短辺16.2mmであり、底面の面積は878mm2であり、透明樹脂ブロックの上面の面積は底面の面積に対して、130%であった。また、研磨層用高分子シートの波長660nmの光に対する光透過率が厚さ1mm換算で56%であり、波長330nmの光に対する光透過率が厚さ1mm換算で2%であった。また、透明樹脂ブロックの波長330nmの光に対する光透過率が厚さ1mm換算で47%であり、波長660nmの光に対する光透過率が厚さ1mm換算での光透過率は71%であった。
そして、研磨層用高分子シートの研磨面となる面に、幅1.0mm、深さ1.0mm、ピッチ5.0mmの同心円の溝を形成した。
そして、研磨層用高分子シートの研磨面に対する反対面に、クッション層として厚さ1.2mmのポリウレタンフォームを両面テープで貼り合わせた。そして、クッション層に、研磨層用高分子シートの透明樹脂ブロックを埋め込んだ部分に相当する領域を切り抜いて、開口部を形成した。このようにして厚み方向に紫外光が透過可能な透明樹脂ブロックを埋め込んだ光透過部を有する研磨パッドを得た。クッション層の開口部における波長330nmの光透過率は28%と高く、紫外光を用いた終点検知性能に優れていた。
透明樹脂ブロックの接着性の評価を行ったところ、透明樹脂ブロックに研磨面側から荷重を掛けても接着部分に変化はなく、接着強度が優れていた。
[実施例2]
実施例1において、研磨層用高分子シートに形成された台形状の有底凹部に透明樹脂ブロックを埋め込んだのち、有底凹部の開口面の側の面のみを切削して厚さを1.8mmの均一なシートとした以外は、実施例1と同様にして研磨パッドを製造した。得られた透明樹脂ブロックは、上面の長辺57.5mm、底面の長辺54mm、上面の短辺19.5mm、底面の短辺16mmであり、底面の面積は864mm2であり、透明樹脂ブロックの上面の面積は底面の面積に対して、130%であった。また、クッション層の開口部における波長330nmの光透過率は13%と高く、紫外光を用いた終点検知性能に優れていた。
また、透明樹脂ブロックの接着性の評価を行ったところ、透明樹脂ブロックに研磨面側から荷重を掛けても接着部分に変化はなく、接着強度が優れていた。
[実施例3]
製造例2で得られた、厚さ2.0mm、直径30cmの研磨層用高分子シートの一面に幅0.5mm、深さ1.0mm、ピッチ10.0mmの格子溝を形成した。また、その面に、中心から100mmの部分を中心として長辺が直径方向に平行になる台形状の有底凹部をエンドミルを用いて切削することにより形成した。台形状の有底凹部の具体的な形状は、上面の長辺56mm、底面の長辺54mm、上面の短辺18mm、底面の短辺16mm、深さが1.8mmの形状であった。また、有底凹部の上面に対する4つの側面の傾斜角はそれぞれ、61度,61度,61度,及び61度であった。また、有底凹部の底壁の厚さは0.2mmであった。この有底凹部は、研磨面から見た形状が長方形で、断面は台形であった。
そして、この有底凹部に予め作製した無黄変ポリウレタン樹脂(4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートとポリカプロラクトンジオール及び1,4-ブタンジオールの反応物、D硬度70)の透明樹脂プラグをはめ込み、超音波融着により接着した。このようにして研磨層用高分子シートに透明樹脂ブロックを固定した。
そして、研磨層用高分子シートの透明樹脂ブロックを埋め込んだ側の面を切削した後、反対面も切削して厚さを1.5mmの均一なシートとするとともに、透明樹脂ブロックを研磨層用高分子シートの両面に露出させた。得られた透明樹脂ブロックは、上面の長辺55.8mm、底面の長辺54.1mm、上面の短辺17.8mm、底面の短辺16.1mmであり、底面の面積は871mm2であり、透明樹脂ブロックの上面の面積は底面の面積に対して、114%であった。また、研磨層用高分子シートの波長660nmの光に対する光透過率が厚さ1mm換算で32%であり、波長330nmの光に対する光透過率が厚さ1mm換算で1%であった。また、透明樹脂ブロックの波長330nmの光に対する光透過率が厚さ1mm換算で38%であり、波長660nmの光に対する光透過率が厚さ1mm換算での光透過率は63%であった。
そして、研磨層用高分子シートの研磨面に対する反対面に、クッション層として厚さ1.2mmのポリウレタンフォームを両面テープで貼り合わせた。そして、クッション層に、研磨層用高分子シートの透明樹脂ブロックを埋め込んだ部分に相当する領域を切り抜いて、開口部を形成した。このようにして厚み方向に紫外光が透過可能な透明樹脂ブロックを埋め込んだ光透過部を有する研磨パッドを得た。クッション層の開口部における波長330nmの光透過率は22%と高く、紫外光を用いた終点検知性能に優れていた。
また、透明樹脂ブロックの接着性の評価を行ったところ、透明樹脂ブロックに研磨面側から荷重を掛けても接着部分に変化はなく、接着強度が優れていた。
[実施例4]
実施例3において、研磨層用高分子シートの有底凹部に透明樹脂ブロックを埋め込んだのち、埋め込んだ側の面のみを切削して厚さを1.8mmの均一なシートにした以外は、実施例3と同様にして研磨パッドを製造した。得られた透明樹脂ブロックは、上面の長辺55.8mm、底面の長辺54mm、上面の短辺17.8mm、底面の短辺16mmであり、底面の面積は864mm2であり、透明樹脂ブロックの上面の面積は底面の面積に対して、115%であった。また、クッション層の開口部における波長330nmの光透過率は11%と高く、紫外光を用いた終点検知性能に優れていた。
また、透明樹脂ブロックの接着性の評価を行ったところ、透明樹脂ブロックに研磨面側から荷重を掛けても接着部分に変化はなく、接着強度が優れていた。
[実施例5]
実施例1において、台形状の有底凹部の形状を、上面の長辺58mm、底面の長辺54mm、上面の短辺20mm、底面の短辺16mm、深さが1.7mmの代わりに、上面の長辺57mm、底面の長辺54mm、上面の短辺19mm、底面の短辺16mm、深さが1.1mmに変更した。上面に対する4つの側面の傾斜角はそれぞれ、36度,36度,36度,及び36度であった。また、台形状の有底凹部の底壁の厚さは0.9mmであった。
この有底凹部は、研磨面(上面)から見た形状が長方形で、断面は台形であった。そして有底凹部に実施例1と同様にして透明樹脂ブロックを埋め込んだのち、有底凹部の開口面の側の面のみを切削して厚さを1.8mmの均一なシートとした以外は、実施例1と同様にして研磨パッドを製造した。得られた透明樹脂ブロックは、上面の長辺56.5mm、底面の長辺54mm、上面の短辺18.5mm、底面の短辺16mmであり、底面の面積は864mm2であり、透明樹脂ブロックの上面の面積は底面の面積に対して、121%であった。また、クッション層の開口部における波長330nmの光透過率は4%と低く、紫外光を用いた終点検知性能がやや低かった。
[比較例1]
実施例1において、研磨層用高分子シートの有底凹部の形成及び透明樹脂ブロックの埋め込みを行わなかった以外は、実施例1と同様にして研磨パッドを製造した。ただし、クッション層には実施例1と同様に開口部を形成した。開口部における波長330nmの光に対する光透過率が0%と低く、紫外光を用いた終点検知性能ができなかった。
[比較例2]
実施例1において、研磨層用高分子シートに切削加工により有底凹部を形成する代わりに、打ち抜きで貫通孔を作製しようとしたところ、打ち抜き部分で研磨層用高分子シートに割れが発生し、研磨パッドを製造することができなかった。
[比較例3]
実施例3において、台形状の有底凹部の代わりに直方体上の有底凹部(上面及び底面の長辺54mm、上面及び底面の短辺16mm、深さが1.8mm)を形成した以外は同様にして研磨パッドを製造した。なお、有底凹部の上面に対する4つの側面の傾斜角はそれぞれ、90度,90度,90度,及び90度であった。また、有底凹部の底壁の厚さは0.2mmであった。得られた透明樹脂ブロックは、上面の長辺54mm、底面の長辺54mm、上面の短辺16mm、底面の短辺16mmであり、底面の面積は864mm2であり、透明樹脂ブロックの上面の面積は底面の面積に対して、100%であった。また、クッション層の開口部における波長330nmの光透過率は22%と高く、紫外光を用いた終点検知性能が優れていた。
一方、透明樹脂ブロックの接着性の評価を行ったところ、透明樹脂ブロックに研磨面側から荷重を掛けたときに接着部分に剥離が発生し、接着強度に劣っていた。
1,11,31 透明樹脂ブロック
1D 透明樹脂ブロックの底面
1U 透明樹脂ブロックの上面
2 研磨層本体シート
3 接着層
4 クッション層
5 研磨層
10 研磨パッド
12 研磨層本体シート
20 研磨パッド
21 硬化性透明樹脂
22 高分子シート
41 樹脂プラグ
50 被研磨物
60 スラリー
100 CMP装置
101 回転定盤
102 スラリー供給ノズル
103 キャリア
110 光学式センサ
120 コンピュータ
130 制御装置
B 有底凹部の底面
C,C2 有底凹部
C1 貫通孔
G 溝
LSI 大規模集積回路
P 研磨面
R 反研磨面
S 側面
T 厚み方向
U 有艇凹部の上面
w 有艇凹部の底壁

Claims (14)

  1. 被研磨物を研磨するための研磨面を有する研磨層を少なくとも備え、
    前記研磨層は
    前記研磨面の側に開口し、前記研磨面に対する反対面である反研磨面の側に底壁を有する有底凹部が形成された、円形の周縁を有する研磨層本体シートと、前記有底凹部の内形に重なるように収容された透明樹脂ブロックと、を含み、
    前記透明樹脂ブロックは、
    上面と、底面と、前記上面と前記底面とに連接する側面と、を有し、前記上面が前記底面よりも大きく、
    前記上面から前記底面への垂直方向である厚み方向の断面形状に少なくとも1つの台形を含み、
    前記台形は、前記上面に対して30~80度の傾斜角を有し、
    前記上面が前記研磨面の一部を形成するように固定されていることを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記透明樹脂ブロックは、波長330nmの光に対する光透過率が厚さ1mm換算で10%以上である、第1の非発泡樹脂体からなる請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 記研磨層本体シートは、第2の非発泡樹脂体からなる請求項1または2に記載の研磨パッド。
  4. 前記底壁の厚さは、前記研磨層本体シートの前記有底凹部を除いた領域の平均厚さの3分の1以下である請求項1~3の何れか1項に記載の研磨パッド。
  5. 前記底壁の厚さは、0.1~0.4mmである請求項1~4の何れか1項に記載の研磨パッド。
  6. 前記第2の非発泡樹脂体は、波長660nmの光に対する光透過率が厚さ1mm換算で20%以上である請求項3~5の何れか1項に記載の研磨パッド。
  7. 前記第2の非発泡樹脂体が、イソシアネート基由来の窒素原子の含有率が6.1~7.4質量%である熱可塑性ポリウレタンの非発泡樹脂体である請求項3~6の何れか1項に記載の研磨パッド。
  8. 前記研磨面に形成された、螺旋状,同心円状,及び格子状からなる群から選ばれる少なくとも1つの溝を有する請求項1~7の何れか1項に記載の研磨パッド。
  9. 高分子シートを準備する工程と、
    前記高分子シートの一面から切削または研削加工することにより有底凹部を形成する工程と、
    前記有底凹部に透明樹脂ブロックを固定する工程と、を少なくとも備え、
    前記有底凹部は、開口面である上面と、底面と、前記上面と前記底面とに連接する側面と、を有し、前記上面が前記底面よりも大きく、
    前記上面から前記底面への垂直方向である深さ方向の断面形状に少なくとも1つの台形を含み、
    前記台形は、前記上面に対して30~80度の傾斜角を有することを特徴とする研磨パッドの製造方法。
  10. 前記有底凹部の深さは、前記高分子シートの厚さの3分の2以上である請求項9に記載の研磨パッドの製造方法。
  11. 前記有底凹部に透明樹脂ブロックを固定する工程の後に、前記開口面の側の面を平坦化する工程をさらに含む請求項9まは10に記載の研磨パッドの製造方法。
  12. 前記有底凹部に透明樹脂ブロックを固定する工程の後に、前記有底凹部の底壁を平坦に切削または研削して透明樹脂ブロックを露出させる工程をさらに含む請求項9~11の何れか1項に記載の研磨パッドの製造方法。
  13. 前記有底凹部に透明樹脂ブロックを固定する工程が、前記有底凹部に未硬化の硬化性透明樹脂を充填した後、硬化させる工程である請求項9~12の何れか1項に記載の研磨パッドの製造方法。
  14. 前記有底凹部に透明樹脂ブロックを固定する工程が、前記有底凹部に透明樹脂ブロックを挿入して接着する工程であり、
    前記透明樹脂ブロックの外形が、前記有底凹部の形状に重なる形状である請求項9~12の何れか1項に記載の研磨パッドの製造方法。
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