JP5165923B2 - 研磨パッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はレンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、アルミ基板、及び一般的な金属研磨加工等の高度の表面平坦性を要求される材料の平坦化加工を安定、かつ高い研磨効率で行うことが可能な長尺状の研磨パッドの製造方法に関するものである。本発明の製造方法によって得られる長尺状の研磨パッドは、特にシリコンウエハ並びにその上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを、さらにこれらの酸化物層や金属層を積層・形成する前に平坦化する工程に好適に使用される。
半導体装置を製造する際には、ウエハ表面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィー、エッチング等をすることにより配線層を形成する形成する工程や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行われ、これらの工程によってウエハ表面に金属等の導電体や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウエハ表面の凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。
ウエハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、一般的にケミカルメカニカルポリシング(以下、CMPという)が採用されている。CMPは、ウエハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下、スラリーという)を用いて研磨する技術である。CMPで一般的に使用する研磨装置は、例えば、図1に示すように、研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、被研磨材(半導体ウエハ)4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤の供給機構を備えている。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と被研磨材4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、被研磨材4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。
従来、このような研磨パッドは、1)金型に樹脂材料を流し込んで樹脂ブロックを作製し、その樹脂ブロックをスライサーでスライスして製造する方法、2) 金型に樹脂材料を流し込んで押圧することにより、薄いシート状にして製造する方法、3)原料となる樹脂を溶解し、Tダイから押し出し成形して直接シート状にして製造する方法などのバッチ方式により製造されていた。例えば、特許文献1では反応射出成形法により研磨用パッドを製造している。
また、積層研磨パッドの場合、上記方法で得られた研磨層やクッション層等の複数の樹脂シートを接着剤や両面テープで貼り合わせることにより製造されていたため、製造工程が多く、生産性が悪いという問題を有していた。該問題を解決するために、特許文献2では押出機を用いて積層研磨用パッドを製造している。
また、バッチ方式の製造方法に起因する硬度や気泡サイズ等のバラツキを防止するために、ポリウレタン・ポリウレア研磨シート材を連続的に製造する方法が提案されている(特許文献3)。詳しくは、ポリウレタン原料と300μm以下の粒子径を有する微粉末や有機発泡剤を混合して、該混合物を一対の無限軌道面ベルト間に吐出し流延させる。その後、加熱手段によって該混合物の重合反応を行い、生成したシート状成形物を面ベルトから分離して研磨シート材を得る方法である。
また、裏打ち層を輸送させつつ、その上に流体相ポリマー組成物を供給し、供給した流体相ポリマー組成物を硬化させて固相研磨層を形成する工程を含む研磨パッドの製造方法が提案されている(特許文献4)。
一方、CMPを行う上で、ウエハ表面の平坦度の判定の問題がある。すなわち、希望の表面特性や平面状態に到達した時点を検知する必要がある。従来、酸化膜の膜厚や研磨速度等に関しては、テストウエハを定期的に処理し、結果を確認してから製品となるウエハを研磨処理することが行われてきた。
しかし、この方法では、テストウエハを処理する時間とコストが無駄になり、また、あらかじめ加工が全く施されていないテストウエハと製品ウエハでは、CMP特有のローディング効果により、研磨結果が異なり、製品ウエハを実際に加工してみないと、加工結果の正確な予想が困難である。
そのため、最近では上記の問題点を解消するために、CMPプロセス時に、その場で、希望の表面特性や厚さが得られた時点を検出できる方法が望まれている。このような検知については、様々な方法が用いられているが、測定精度や非接触測定における空間分解能の点から、回転定盤内にレーザー光による膜厚モニタ機構を組み込んだ光学的検知方法が主流となりつつある。
前記光学的検知手段とは、具体的には光ビームを窓(光透過領域)を通して研磨パッド越しにウエハに照射して、その反射によって発生する干渉信号をモニタすることによって研磨の終点を検知する方法である。
このような方法では、ウエハの表面層の厚さの変化をモニターして、表面凹凸の近似的な深さを知ることによって終点が決定される。このような厚さの変化が凹凸の深さに等しくなった時点で、CMPプロセスを終了させる。また、このような光学的手段による研磨の終点検知法およびその方法に用いられる研磨パッドについては様々なものが提案されてきた。
例えば、固体で均質な190nmから3500nmの波長光を透過する透明なポリマーシートを少なくとも一部分に有する研磨パッドが開示されている(特許文献5)。また、段付の透明プラグが挿入された研磨パッドが開示されている(特許文献6)。また、ポリシング面と同一面である透明プラグを有する研磨パッドが開示されている(特許文献7)。また、研磨物品の長さに沿って細長窓が延在している研磨物品が開示されている(特許文献8)。
一方、スラリーが研磨領域と光透過領域との境界(継ぎ目)から漏れ出さないための提案(特許文献9、10)もなされている。
また、第一の樹脂の棒又はプラグを液状の第二の樹脂の中に配置し、前記第二の樹脂を硬化させて成形物を作製し、該成形物をスライスして光透過領域と研磨領域が一体化した研磨パッドを製造する方法が開示されている(特許文献11)。しかし、上記製造方法は、不透明樹脂がまだ液体である間に透明プラグを不透明樹脂中に挿入し硬化させる方法であるため、不透明樹脂が硬化するときに不透明樹脂から透明プラグに過度な圧力又は応力が加わり、透明プラグに残留応力変形又は膨れが生じる恐れがある。この残留応力変形又は膨れにより透明プラグの平坦性が損なわれ、光学的検知精度に問題が生じる。また、成形時に両材料間の熱収縮差に起因する応力が両材料の接着界面に残留し、該接着界面で剥離しやすいためスラリー漏れが発生する恐れがある。
また、スラリー漏れを防止するために、上層パッドと下層パッドとの間に上下面に接着剤が塗布された透明フィルムを配置する方法が開示されている(特許文献12)。しかし、光透過領域と透明フィルムの間に接着層があると、光透過率が低下するため光学的検知精度も低下する恐れがある。
特開2004−42189号公報 特開2003−220550号公報 特開2004−169038号公報 特表2003−516872号公報 特表平11−512977号公報 特開平9−7985号公報 特開平10−83977号公報 特表2004−516947号公報 特開2001−291686号公報 特表2003−510826号公報 特開2005−210143号公報 特開2003−68686号公報
本発明は、スラリー漏れを防止することができ、かつ光学的検知精度に優れる長尺状の研磨パッドを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す研磨パッドの製造方法により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の研磨パッドの製造方法は、長尺研磨層の研磨裏面側に光透過領域形成材料を注入するための溝を形成する工程、前記溝内に光透過領域形成材料を注入して硬化させることにより光透過領域を形成する工程、及び長尺研磨層の研磨表面側をバフ掛けすることにより前記光透過領域を研磨表面に露出させる工程を含む。
上記製造方法によると、光透過領域の厚さを容易に調整することができる。また、厚みの薄い光透過領域を形成することができるため光学的検知精度を向上させることができる。さらに、研磨領域と光透過領域とを隙間なく一体成形することができるため研磨時にスラリーが漏れることがない。
光透過領域の厚さは、バフ掛け後の長尺研磨層の厚さの20〜90%であることが好ましい。20%未満の場合には、研磨パッドの長時間の使用により、光透過領域が磨耗により消失したり薄くなりすぎ、光学的検知が不能になったり、スラリー漏れにより光学的検知精度が低下する傾向にある。一方、90%を超える場合には、光透過領域が厚くなりすぎるため光学的検知精度の向上効果が十分に得られなくなる傾向にある。
また、本発明は、上記方法によって製造される研磨パッド、及び該研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法、に関する。
本発明の研磨パッドの製造方法は、長尺研磨層の研磨裏面側に光透過領域形成材料を注入するための溝を形成する工程、前記溝内に光透過領域形成材料を注入して硬化させることにより光透過領域を形成する工程、及び長尺研磨層の研磨表面側をバフ掛けすることにより前記光透過領域を研磨表面に露出させる工程を含む。本発明の研磨パッドは、前記長尺研磨層のみであってもよく、長尺研磨層と他の層(例えば、透明支持フィルム、クッション層など)との積層体であってもよい。
前記長尺研磨層は、微細気泡を有する発泡体であれば特に限定されるものではない。発泡体の原料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、エポキシ樹脂、感光性樹脂などの1種または2種以上の混合物が挙げられる。ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができるため、長尺研磨層の形成材料として特に好ましい材料である。以下、発泡体を代表してポリウレタン樹脂について説明する。
ポリウレタン樹脂は、イソシアネート成分、ポリオール成分(高分子量ポリオール、低分子量ポリオール)、及び鎖延長剤からなるものである。
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。イソシアネート成分としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
高分子量ポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、及びポリヒドキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオール成分として上述した高分子量ポリオールの他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の低分子量ポリオールを併用することが好ましい。エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミンを用いてもよい。
ポリウレタン発泡体をプレポリマー法により製造する場合において、プレポリマーの硬化には鎖延長剤を使用する。鎖延長剤は、少なくとも2個以上の活性水素基を有する有機化合物であり、活性水素基としては、水酸基、第1級もしくは第2級アミノ基、チオール基(SH)等が例示できる。具体的には、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオールや低分子量ポリアミンを挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
イソシアネート成分、ポリオール成分、及び鎖延長剤の比は、各々の分子量や長尺研磨層の所望物性などにより種々変え得る。所望する研磨特性を有する長尺研磨層を得るためには、ポリオール成分と鎖延長剤の合計活性水素基(水酸基+アミノ基)数に対するイソシアネート成分のイソシアネート基数は、0.80〜1.20であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.15である。イソシアネート基数が前記範囲外の場合には、硬化不良が生じて要求される比重及び硬度が得られず、研磨特性が低下する傾向にある。
ポリウレタン発泡体の製造は、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能であるが、事前にイソシアネート成分とポリオール成分からイソシアネート末端プレポリマーを合成しておき、これに鎖延長剤を反応させるプレポリマー法が、得られるポリウレタンの物理的特性が優れており好適である。
ポリウレタン発泡体の製造方法としては、中空ビーズを添加させる方法、機械発泡法(メカニカルフロス法を含む)、化学的発泡法などが挙げられる。
特に、ポリアルキルシロキサンとポリエーテルの共重合体であるシリコン系界面活性剤を使用した機械的発泡法が好ましい。かかるシリコン系界面活性剤としては、B−8443、B−8465(ゴールドシュミット社製)等が好適な化合物として例示される。
ポリウレタン発泡体からなる長尺研磨層を製造する方法の例について以下に説明する。かかる長尺研磨層の製造方法は、以下の工程を有する。
1)イソシアネート末端プレポリマーの気泡分散液を作製する発泡工程
イソシアネート末端プレポリマー(第1成分)にシリコン系界面活性剤を添加し、非反応性気体の存在下で撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。前記プレポリマーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、溶融して使用する。
2)硬化剤(鎖延長剤)混合工程
上記の気泡分散液に鎖延長剤(第2成分)を添加、混合、撹拌して発泡反応液とする。
3)注型工程
上記の発泡反応液を長尺モールドに流し込む。
4)硬化工程
長尺モールドに流し込まれた発泡反応液を加熱し、反応硬化させる。
前記微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
非反応性気体を微細気泡状にしてシリコン系界面活性剤を含む第1成分に分散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置は特に限定なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)等が例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用にて微細気泡が得られ好ましい。
なお、発泡工程において気泡分散液を作成する撹拌と、混合工程における鎖延長剤を添加して混合する撹拌は、異なる撹拌装置を使用することも好ましい態様である。特に混合工程における撹拌は気泡を形成する撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、遊星型ミキサーが好適である。発泡工程と混合工程の撹拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調整を行って使用することも好適である。
ポリウレタン発泡体の製造方法においては、発泡反応液を型に流し込んで流動しなくなるまで反応した発泡体を、加熱、ポストキュアすることは、発泡体の物理的特性を向上させる効果があり、極めて好適である。長尺モールドに発泡反応液を流し込んで直ちに加熱オーブン中に入れてポストキュアを行う条件としてもよく、そのような条件下でもすぐに反応成分に熱が伝達されないので、気泡径が大きくなることはない。硬化反応は、常圧で行うと気泡形状が安定するため好ましい。
また、メカニカルフロス法により発泡反応液を調製し、面材を送り出しつつその上に発泡反応液を連続的に吐出し、厚さを均一に調整しつつ発泡反応液を硬化させることによりポリウレタン発泡体からなる長尺研磨層を連続的に作製してもよい。メカニカルフロス法によりポリウレタン発泡体を作製する場合には、吐出時の発泡反応液の粘度は5〜10Pa・s程度であることが好ましい。
また、原料となる樹脂を溶解し、Tダイから押し出し成形して直接シート状のポリウレタン発泡体を得ても良い。
前記ポリウレタン発泡体の平均気泡径は、30〜80μmであることが好ましく、より好ましくは30〜60μmである。この範囲から逸脱する場合は、研磨速度が低下したり、研磨後の被研磨材(ウエハ)のプラナリティ(平坦性)が低下する傾向にある。
前記ポリウレタン発泡体の比重は、0.5〜1.3であることが好ましい。比重が0.5未満の場合、長尺研磨層の表面強度が低下し、被研磨材のプラナリティが低下する傾向にある。また、1.3より大きい場合は、長尺研磨層表面の気泡数が少なくなり、プラナリティは良好であるが、研磨速度が低下する傾向にある。
前記ポリウレタン発泡体の硬度は、アスカーD硬度計にて、45〜70度であることが好ましい。アスカーD硬度が45度未満の場合には、被研磨材のプラナリティが低下し、また、70度より大きい場合は、プラナリティは良好であるが、被研磨材のユニフォーミティ(均一性)が低下する傾向にある。
バフ掛け前の長尺研磨層の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.8〜4mm程度であり、1.5〜2.5mmであることが好ましい。
以下、図2を参照しつつ、本発明の研磨パッドの製造方法について詳しく説明する。図2は、本発明の研磨パッドの製造方法の一例を示す工程図である。なお、各工程の上段は断面図であり、下段は平面図である。
工程(a)は、長尺研磨層8の研磨裏面9側に光透過領域形成材料を注入するための溝10を形成する工程である。工程(a)において、溝の形状は特に制限されず、断面方向の形状としては、例えば、凹形、U字型、又はV字型などが挙げられる。また、必要に応じて階段状などの段差を設けてもよい。また、形成位置及び個数は特に制限されず、使用する研磨装置に応じて適宜調整することができる。溝は、長さ方向において連続的に形成されていてもよく、間欠的に形成されていてもよい。特に、長尺研磨層の幅方向中央に1つ、かつ長さ方向において連続的に溝を形成することが好ましい。溝の幅は特に制限されないが、通常0.5〜4cm程度である。溝は、長尺研磨層を貫通していないことが必要であり、その後の工程で長尺研磨層の研磨表面側をバフ掛けすることにより光透過領域を研磨表面に露出させることを考慮すると、溝の深さはできるだけ深い方がよい。具体的には、溝の深さは、長尺研磨層の厚さの70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上である。
溝10の形成方法は特に制限されず、例えば、1)所定サイズのバイトのような治具を用いて機械切削する方法、2)所定の表面形状を有した型に樹脂を流しこみ、硬化させることにより形成する方法、3)メカニカルフロス法により連続的に長尺研磨層を作製する際に、面材上に所定形状のスペーサーを設置しておく方法、4)所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスして形成する方法、5)フォトリソグラフィーを用いて形成する方法、6)印刷手法を用いて形成する方法、及び7)炭酸ガスレーザーなどのレーザー光を用いて形成する方法などが挙げられる。
工程(b)は、前記溝10内に光透過領域形成材料を注入して硬化させることにより光透過領域11を形成する工程である。
光透過領域形成材料は特に制限されないが、研磨を行っている状態で高精度の光学終点検知を可能とし、波長300〜800nmの全範囲で光透過率が40%以上である材料を用いることが好ましく、さらに好ましくは光透過率が50%以上の材料である。そのような材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などの熱硬化性樹脂;ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、及びオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)などの熱可塑性樹脂;紫外線や電子線などの光により硬化する光硬化性樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、熱硬化性樹脂は比較的低温で硬化するものが好ましい。光硬化性樹脂を使用する場合には、光重合開始剤を併用することが好ましい。芳香族炭化水素基を有する樹脂を用いると短波長側での光透過率が低下する傾向にあるため、このような樹脂を用いないことが好ましい。これらのうち、熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、特に熱硬化性ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。
光透過領域形成材料の注入量は特に制限されないが、溝10の深さの20〜90%であることが好ましく、より好ましくは30〜60%である。
光透過領域形成材料として熱硬化性ポリウレタン樹脂を用いた場合には、溝内に注入して厚さを均一に調整した後に、40〜100℃程度で5〜10分程度加熱することにより硬化させる。また、光透過領域形成材料として熱可塑性樹脂を用いた場合には、溶融状態の熱可塑性樹脂を溝内に注入して厚さを均一に調整した後に、冷却することにより硬化させる。また、光透過領域形成材料として光硬化性樹脂を用いた場合には、紫外線や電子線などの光を照射して硬化させる。光透過領域は、光透過率を高くする観点からできるだけ気泡が含まれていないことが好ましい。
工程(c)は、長尺研磨層8の研磨表面12側をバフ掛けすることにより前記光透過領域を研磨表面に露出させる工程である。バフ掛けする際には、露出した光透過領域表面に傷がつかないように、粒度などが異なる研磨材で段階的に行うことが好ましい。
研磨表面12は、厚みバラツキが100μm以下になるようにバフ掛けすることが好ましい。また、研磨表面12と共に研磨裏面9もバフ掛けして厚みバラツキを100μm以下にすることが好ましい。厚みバラツキが100μmを越えるものは、研磨領域13が大きなうねりを持ったものとなり、被研磨材に対する接触状態が異なる部分ができ、研磨特性に悪影響を与える。また、研磨領域の厚みバラツキを解消するため、一般的には、研磨初期に研磨表面をダイヤモンド砥粒を電着、融着させたドレッサーを用いてドレッシングするが、上記範囲を超えたものは、ドレッシング時間が長くなり、生産効率を低下させる。
バフ掛け後の長尺研磨層の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.5〜3mm程度であり、1〜2mmであることが好ましい。また、光透過領域の厚さは、バフ掛け後の長尺研磨層の厚さの20〜90%であることが好ましく、より好ましくは30〜60%である。
工程(d)は、長尺研磨層8を目的とする形状及び大きさに裁断したり、スラリー溝14を研磨表面12に形成する工程である。なお、工程(d)は、任意の工程であり、工程(a)を行う前に予め目的とする形状及び大きさに裁断してもよい。長尺研磨層の長さや幅は、使用する研磨装置に応じて適宜調整することができるが、長さは通常5〜15m程度であり、幅は通常60〜250cm程度である。
研磨領域13の研磨表面12は、スラリーを保持・更新するためのスラリー溝(凹凸構造)を有することが好ましい。発泡体からなる研磨領域は、研磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持・更新する働きを持っているが、研磨表面に凹凸構造を形成することにより、スラリーの保持と更新をさらに効率よく行うことができ、また被研磨材との吸着による被研磨材の破壊を防ぐことができる。凹凸構造は、スラリーを保持・更新する形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、X(ストライプ)溝、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、これらの凹凸構造は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
工程(e)は、長尺研磨層8と透明支持フィルム15を貼り合わせて積層タイプの研磨パッド1を作製する工程である。また、透明支持フィルム15の代わりにクッション層を貼り合わせてもよい。また、長尺研磨層8と透明支持フィルム15とクッション層を貼り合わせて研磨パッド1を作製してもよい。なお、工程(e)は任意の工程であり、研磨パッドは透明支持フィルムやクッション層が積層されていなくてもよい。
長尺研磨層の研磨裏面に透明支持フィルムを設けることにより、スラリー漏れを確実に防止することができる。透明支持フィルムは特に制限されないが、透明性が高く、耐熱性を有すると共に可とう性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。該樹脂フィルムの材料としては、例えば、ポリエステル;ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリスチレン;ポリイミド;ポリビニルアルコール;ポリ塩化ビニル;ポリフルオロエチレンなどの含フッ素樹脂;ナイロン;セルロース;ポリカーボネートなどの汎用エンジニアリングプラスチック;ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリエーテルスルホンなどの特殊エンジニアリングプラスチックなどを挙げることができる。
透明支持フィルムの厚さは特に制限されないが、強度や巻き取り等の観点から20〜200μm程度であることが好ましい。また、透明支持フィルムの幅も特に制限されないが、要求される長尺研磨層の大きさを考慮すると60〜250cm程度であることが好ましい。また、透明支持フィルムの長さは要求される長尺研磨層の長さに合わせて適宜設定できるが、リード部分(前後各2m程度)が必要なため通常9〜20m程度である。なお、透明支持フィルムは長尺研磨層の両端部のみに設けてもよい。
クッション層は、長尺研磨層の特性を補うものである。クッション層は、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために必要なものである。プラナリティとは、パターン形成時に発生する微小凹凸のあるウエハを研磨した時のパターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、ウエハ全体の均一性をいう。長尺研磨層の特性によって、プラナリティを改善し、クッション層の特性によってユニフォーミティを改善する。本発明の研磨パッドにおいては、クッション層は研磨領域より柔らかいものを用いることが好ましい。
クッション層としては、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布やポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられる。
長尺研磨層と透明支持フィルムなどを貼り合わせる手段としては、例えば、長尺研磨層と透明支持フィルムなどを両面テープを介して積層しプレスする方法が挙げられる。なお、クッション層には、光透過領域に対応する大きさの貫通孔を設けておく。
本発明の研磨パッドは、長尺研磨層、透明支持フィルム又はクッション層のプラテンと接着する面側に両面テープが設けられていてもよい。
半導体デバイスは、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例えば、下記方法により研磨される。
図3は、ウェブ型の研磨装置を用いて半導体ウエハを研磨する方法を示す概略図である。最初に長尺状の研磨パッド1は主に供給ロール16aに巻きつけられている。そして、多数の半導体ウエハ4が研磨されると使用済領域の研磨パッドは、回収ロール16bによって巻き取られ、それに伴い未使用領域の研磨パッドが供給ロール16aから送り出される。
図4は、直線型の研磨装置を用いて半導体ウエハを研磨する方法を示す概略図である。長尺状の研磨パッド1は、ロール17の周りを回転するようにベルト状に配置されている。そして、直線的に動いている研磨パッド上で半導体ウエハ4が次々に研磨される。
図5は、往復型の研磨装置を用いて半導体ウエハを研磨する方法を示す概略図である。長尺状の研磨パッド1は、ロール17間を往復するようにベルト状に配置されている。そして、左右に往復運動している研磨パッド上で半導体ウエハ4が次々に研磨される。
なお、図中には示していないが、通常上記研磨装置は、研磨パッドを支持する研磨定盤(プラテン)、半導体ウエハを支持する支持台(ポリシングヘッド)、ウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材、及び研磨剤(スラリー)の供給機構を備えている。研磨定盤と支持台とは、それぞれに支持された研磨パッドと半導体ウエハとが対向するように配置され、支持台は回転軸を備えている。研磨に際しては、支持台を回転させつつ半導体ウエハを研磨パッドに押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、及びウエハ回転数などは特に制限されず、適宜調整して行われる。
これにより半導体ウエハの表面の突出した部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(光透過率の測定)
作製した研磨パッドから光透過領域を10mm×50mmの大きさに切り出してサンプルを得た。サンプルを超純水が充填されたガラスセル(相互理化学硝子製作所製、光波長:10mm、光路幅:10mm、高さ:45mm)に入れ、分光光度計(島津製作所製、UV−1600PC)を用いて、測定波長300nmで光透過率を測定した。得られた光透過率の測定結果をLambert−Beerの法則を用いて、厚み1mmの光透過率に換算した。なお、サンプルが光透過領域と透明支持フィルムとの間に空間を有する場合には、空間を含めた厚みを基にして換算した。
(膜厚検出評価)
ウエハの膜厚の光学的検出評価は以下のような手法で行った。ウエハとして、8インチのシリコンウエハに熱酸化膜を1μm製膜したものを用い、その上に、作製した研磨パッドから切り出した光透過領域を設置した。干渉式膜厚測定装置(大塚電子社製)を用い、波長領域300nmにおいて膜厚測定を数回行った。算出される膜厚結果、及び干渉光の山と谷の状況確認を行い、光透過領域の膜厚検出を下記基準で評価した。
◎:非常に再現性良く膜厚が測定されている。
○:再現性良く膜厚が測定されている。
×:再現性が悪く、検出精度が不十分である。
(水漏れ評価)
研磨装置としてSPP600S(岡本工作機械社製)を用い、作製した研磨パッドを用いて、水漏れ評価を行った。8インチのダミーウエハを30分間連続研磨し、その後、研磨パッド裏面側の光透過領域を目視にて観察し、水漏れの有無を確認した。研磨条件としては、アルカリ性スラリーとしてシリカスラリー(SS12、キャボット マイクロエレクトロニクス社製)を研磨中に流量150ml/minにて添加し、研磨荷重350g/cm、研磨定盤回転数35rpm、及びウエハ回転数30rpmとした。また、ウエハの研磨は、♯100ドレッサーを用いて研磨パッド表面のドレッシングを行いながら実施した。ドレッシング条件は、ドレス荷重80g/cm、ドレッサー回転数35rpmとした。
実施例1
70℃に温度調整したイソシアネート末端プレポリマー(ユニロイアル社製、アジプレンL−325)100重量部、シリコン系界面活性剤(東レダウコーニングシリコーン社製、SH−192)3重量部を容器内に加えて混合し、80℃に調整して減圧脱泡した。その後、2軸ミキサーを用いて、回転数900rpmで容器内に気泡を取り込むように激しく約4分間撹拌を行った。そこへ予め120℃に溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、キュアミンMT)26.2重量部を添加し、該混合液を約70秒間撹拌して発泡反応液を調製した。該発泡反応液を長尺モールド(幅80cm、長さ520cm、高さ3cm)へ流し込んだ。この混合液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、80〜85℃で12時間ポストキュアを行ってポリウレタン発泡体シート(平均気泡径:50μm、比重:0.86、硬度:55度)を得た。そして、得られたポリウレタン発泡体シートの両面をバフ機(アミテック社製)を用いてバフ掛けして厚さ1.8mmの長尺研磨層(幅80cm、長さ520cm)を作製した。
次に、長尺研磨層の研磨裏面側の中央に長さ500cm、幅1.5cm、深さ1.5mmの溝を切削により形成した。
80℃に温度調整したイソシアネート末端プレポリマー(日本ポリウレタン社製、C−2612)70重量部、トリメチロールプロパン9重量部、及び数平均分子量650のポリテトラメチレンエーテルグリコール21重量部を混合し、脱泡して光透過領域形成材料を調製した。該光透過領域形成材料を前記長尺研磨層の溝内に注入し、100〜105℃で12時間ポストキュアを行って光透過領域を形成した。その後、長尺研磨層の両面をバフ機(アミテック社製)を用いてバフ掛けし、研磨表面側に光透過領域を露出させた。バフ掛け後の長尺研磨層の厚さは1.27mmであり、光透過領域の厚さは1.10mmであった。その後、溝加工機(テクノ社製)を用いて長尺研磨層の研磨表面に溝幅1mm、溝ピッチ6mm、溝深さ0.4mmのスラリー用X溝を形成した。その後、長尺研磨層の研磨裏面にラミ機を使用して、両面テープ(積水化学工業社製、#5782W)を貼りつけた。そして、光透過領域に対応する位置の前記両面テープをNTカッターで切り取った。そして、ラミ機を使用して前記両面テープに透明支持フィルム(東洋紡社製、E5001、PETフィルム、厚さ75μm、長さ920cm、幅80cm)を長さ方向の両端部に約200cmずつ余るように貼り合わせて長尺状の研磨パッドを作製した。
実施例2
光透過領域の厚さを1.10mmから0.75mmに変更した以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
実施例3
光透過領域の厚さを1.10mmから0.40mmに変更した以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
実施例4
光透過領域の厚さを1.10mmから0.40mmに変更し、PETフィルムからなる透明支持フィルムの代わりにPPフィルムからなる透明支持フィルム(東洋紡社製、パイレンフィルム−OT P−2161、厚さ60μm、長さ720cm、幅80cm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
実施例5
光透過領域の厚さを1.10mmから0.40mmに変更し、PETフィルムからなる透明支持フィルムの代わりにPEフィルムからなる透明支持フィルム(東洋紡社製、リックスフィルム L6100、厚さ60μm、長さ720cm、幅80cm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
実施例6
光透過領域の厚さを1.10mmから0.40mmに変更し、PETフィルムからなる透明支持フィルムの代わりに脂肪族ポリアミドからなる透明支持フィルム(東洋紡社製、ハーデンフィルム N1100、厚さ25μm、長さ720cm、幅80cm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
実施例7
光透過領域の厚さを1.10mmから0.40mmに変更し、両面テープを長尺研磨層の長さ方向の両端部約30cmのみに貼り合わせ、該両面テープにPETフィルムからなる透明支持フィルム(長さ230cm)をそれぞれ貼り合わせた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
Figure 0005165923
CMP研磨で使用する研磨装置の一例を示す概略構成図 本発明の研磨パッドの製造方法の一例を示す工程図 ウェブ型の研磨装置を用いて半導体ウエハを研磨する方法を示す概略図 直線型の研磨装置を用いて半導体ウエハを研磨する方法を示す概略図 往復型の研磨装置を用いて半導体ウエハを研磨する方法を示す概略図
符号の説明
1:研磨パッド
2:研磨定盤
3:研磨剤(スラリー)
4:被研磨材(半導体ウエハ)
5:支持台(ポリシングヘッド)
6、7:回転軸
8:長尺研磨層
9:研磨裏面
10:溝
11:光透過領域
12:研磨表面
13:研磨領域
14:スラリー溝
15:透明支持フィルム
16a:供給ロール
16b:回収ロール
17:ロール

Claims (4)

  1. 長尺研磨層の研磨裏面側に光透過領域形成材料を注入するための溝を形成する工程、前記溝内に光透過領域形成材料を注入して硬化させることにより光透過領域を形成する工程、及び長尺研磨層の研磨表面側をバフ掛けすることにより前記光透過領域を研磨表面に露出させる工程を含む研磨パッドの製造方法。
  2. 光透過領域の厚さは、バフ掛け後の長尺研磨層の厚さの20〜90%である請求項1記載の研磨パッドの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の方法によって製造される研磨パッド。
  4. 請求項3記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法。
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