JP4831476B2 - 研磨パッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はレンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、アルミ基板、及び一般的な金属研磨加工等の高度の表面平坦性を要求される材料の平坦化加工を安定、かつ高い研磨効率で行うことが可能な積層研磨パッド及びその製造方法に関するものである。本発明の積層研磨パッドは、特にシリコンウエハ並びにその上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを、さらにこれらの酸化物層や金属層を積層・形成する前に平坦化する工程に好適に使用される。
半導体装置を製造する際には、ウエハ表面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィー、エッチング等をすることにより配線層を形成する形成する工程や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行われ、これらの工程によってウエハ表面に金属等の導電体や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウエハ表面の凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。
ウエハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、一般的にケミカルメカニカルポリシング(以下、CMPという)が採用されている。CMPは、ウエハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下、スラリーという)を用いて研磨する技術である。CMPで一般的に使用する研磨装置は、例えば、図1に示すように、研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、被研磨材(半導体ウエハ)4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤の供給機構を備えている。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と被研磨材4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、被研磨材4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。
従来、このような研磨パッドは、1)金型に樹脂材料を流し込んで樹脂ブロックを作製し、その樹脂ブロックをスライサーでスライスして製造する方法、2) 金型に樹脂材料を流し込んで押圧することにより、薄いシート状にして製造する方法、3)原料となる樹脂を溶解し、Tダイから押し出し成形して直接シート状にして製造する方法などのバッチ方式により製造されていた。例えば、特許文献1では反応射出成形法により研磨用パッドを製造している。
また、積層研磨パッドの場合、上記方法で得られた研磨層やクッション層等の複数の樹脂シートを接着剤や両面テープで貼り合わせることにより製造されていたため、製造工程が多く、生産性が悪いという問題を有していた。該問題を解決するために、特許文献2では押出機を用いて積層研磨用パッドを製造している。
また、バッチ方式の製造方法に起因する硬度や気泡サイズ等のバラツキを防止するために、ポリウレタン・ポリウレア研磨シート材を連続的に製造する方法が提案されている(特許文献3)。詳しくは、ポリウレタン原料と300μm以下の粒子径を有する微粉末や有機発泡剤を混合して、該混合物を一対の無限軌道面ベルト間に吐出し流延させる。その後、加熱手段によって該混合物の重合反応を行い、生成したシート状成形物を面ベルトから分離して研磨シート材を得る方法である。
一方、高精度の研磨に使用される研磨パッドとしては、一般的にポリウレタン発泡体シートが使用されている。しかし、ポリウレタン発泡体シートは、局部的な平坦化能力には優れているが、クッション性が不足しているためにウエハ全面に均一な圧力を与えることが難しい。このため、通常、ポリウレタン発泡体シートの背面に柔らかいクッション層が別途設けられ、積層研磨パッドとして研磨加工に使用されている。積層研磨パッドとしては、例えば以下のようなものが開発されている。
比較的硬い第一層と比較的軟らかい第二層とが積層されており、該第一層の研磨面に所定のピッチの溝又は所定の形状の突起が設けられた研磨パッドが開示されている(特許文献4)。
また、弾性を有し、表面に凹凸が形成された第1シート状部材と、この第1シート状部材の凹凸が形成された面上に設けられ被処理基板の被研磨面と対向する面を有する第2シート状部とを有する研磨布が開示されている(特許文献5)。
さらに、研磨層及び該研磨層の一面に積層され、かつ該研磨層よりも大きな圧縮率の発泡体である支持層を備える研磨パッドが開示されている(特許文献6)。
しかしながら、上記従来の積層研磨パッドは、研磨層とクッション層とを両面テープ(粘着剤層)で貼り合わせて製造されているため、研磨中に研磨層とクッション層との間にスラリーが侵入して両面テープの粘着力が弱まり、その結果研磨層とクッション層とが剥離するという問題があった。
また、CMPを行う上で、ウエハ表面の平坦度の判定の問題がある。すなわち、希望の表面特性や平面状態に到達した時点を検知する必要がある。従来、酸化膜の膜厚や研磨速度等に関しては、テストウエハを定期的に処理し、結果を確認してから製品となるウエハを研磨処理することが行われてきた。
しかし、この方法では、テストウエハを処理する時間とコストが無駄になり、また、あらかじめ加工が全く施されていないテストウエハと製品ウエハでは、CMP特有のローディング効果により、研磨結果が異なり、製品ウエハを実際に加工してみないと、加工結果の正確な予想が困難である。
そのため、最近では上記の問題点を解消するために、CMPプロセス時に、その場で、希望の表面特性や厚さが得られた時点を検出できる方法が望まれている。このような検知については、様々な方法が用いられているが、測定精度や非接触測定における空間分解能の点から、回転定盤内にレーザー光による膜厚モニタ機構を組み込んだ光学的検知方法(特許文献7、特許文献8)が主流となりつつある。
前記光学的検知手段とは、具体的には光ビームを窓(光透過領域)を通して研磨パッド越しにウエハに照射して、その反射によって発生する干渉信号をモニタすることによって研磨の終点を検知する方法である。
現在、光ビームとしては、600nm付近の波長光を持つHe―Neレーザー光や380〜800nmに波長光を持つハロゲンランプを使用した白色光が一般的に用いられている。
このような方法では、ウエハの表面層の厚さの変化をモニターして、表面凹凸の近似的な深さを知ることによって終点が決定される。このような厚さの変化が凹凸の深さに等しくなった時点で、CMPプロセスを終了させる。また、このような光学的手段による研磨の終点検知法およびその方法に用いられる研磨パッドについては様々なものが提案されてきた。
例えば、固体で均質な190nmから3500nmの波長光を透過する透明なポリマーシートを少なくとも一部分に有する研磨パッドが開示されている(特許文献9)。また、段付の透明プラグが挿入された研磨パッドが開示されている(特許文献10)。また、ポリシング面と同一面である透明プラグを有する研磨パッドが開示されている(特許文献11)。
一方、スラリーが研磨領域と光透過領域との境界(継ぎ目)から漏れ出さないための提案(特許文献12、13)もなされている。しかし、これら透明な漏れ防止シートを設けた場合でも、スラリーが研磨領域と光透過領域との境界(継ぎ目)から研磨層下部に漏れ出し、この漏れ防止シート上にスラリーが堆積して光学的終点検知に問題が生じる。
今後、半導体製造における高集積化・超小型化において、集積回路の配線幅はますます小さくなっていくことが予想され、その際には高精度の光学的終点検知が必要となるが、従来の終点検知用窓は、上記スラリー漏れの問題を十分に解決できていない。
特開2004−42189号公報 特開2003−220550号公報 特開2004−169038号公報 特開2003−53657号公報 特開平10−329005号公報 特開2004−25407号公報 米国特許第5069002号明細書 米国特許第5081421号明細書 特表平11−512977号公報 特開平9−7985号公報 特開平10−83977号公報 特開2001−291686号公報 特表2003−510826号公報
本発明は、研磨領域と光透過領域との間からのスラリー漏れを防止することができる研磨パッドを生産性よく製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明は、研磨層とクッション層との間で剥離することがなく、研磨領域と光透過領域との間からのスラリー漏れを防止することができる積層研磨パッドを生産性よく製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す(積層)研磨パッドの製造方法により上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、第1の本発明の研磨パッドの製造方法は、メカニカルフロス法により気泡分散ウレタン組成物を調製する工程、面材を送り出しつつ、該面材上の所定位置に光透過領域形成材料を連続的又は間欠的に吐出する工程、光透過領域形成材料が配設されていない前記面材上に前記気泡分散ウレタン組成物を連続的に吐出する工程、吐出した前記光透過領域形成材料及び気泡分散ウレタン組成物上に別の面材を積層する工程、厚さを均一に調整しつつ光透過領域形成材料及び気泡分散ウレタン組成物を硬化させることにより、光透過領域と研磨領域とが一体成形された長尺研磨層を作製する工程、及び長尺研磨層を裁断する工程を含む。
上記製造方法によると、光透過領域を有する長尺研磨層を連続的に製造することができ、生産性よく研磨パッドを製造することができる。また、光透過領域と研磨領域とが一体成形されているため、研磨時にスラリーが光透過領域と研磨領域との隙間から漏れることもない。得られた研磨層は、それ単独で研磨パッドとしてもよく、その片面にクッション層を積層して積層研磨パッドとしてもよい。
前記光透過領域形成材料は、吐出時の粘度が1〜30Pa・sであることが好ましい。吐出時の粘度が1Pa・s未満の場合には、流動性が高いため面材上で広がりやすくなる。その結果、面材の所定位置にのみ光透過領域形成材料を配設することが困難になったり、所望する光透過領域形成材料の配設高さを確保できなくなる傾向にある。一方、30Pa・sを超える場合には、間欠的な吐出を制御することが困難となる傾向にある。
前記気泡分散ウレタン組成物は、吐出時の粘度が1〜20Pa・sであることが好ましい。吐出時の粘度が1Pa・s未満の場合には、流動性が高いため面材上で広がりやすくなる。その結果、所望する気泡分散ウレタン組成物の配設高さを確保できなくなる傾向にある。一方、20Pa・sを超える場合には、面材上に均一に気泡分散ウレタン組成物を配設することが困難になる傾向にある。
前記光透過領域は、熱硬化性樹脂からなることが好ましく、特に熱硬化性ポリウレタン樹脂であることが好ましい。光透過領域と研磨領域を同様の材料で形成することにより、両領域の密着性を向上させることができる。また、光透過領域形成材料及び気泡分散ウレタン組成物を同時に熱硬化させることができるため、製造工程が簡便になる。
一方、第2の本発明の積層研磨パッドの製造方法は、メカニカルフロス法により気泡分散ウレタン組成物を調製する工程、連続的又は間欠的に設けられた貫通孔を有するクッション層を送り出しつつ、該貫通孔内及び貫通孔上に堆積するように光透過領域形成材料を吐出する工程、光透過領域形成材料が配設されていない前記クッション層上に前記気泡分散ウレタン組成物を連続的に吐出する工程、吐出した前記光透過領域形成材料及び気泡分散ウレタン組成物上に面材を積層する工程、厚さを均一に調整しつつ光透過領域形成材料及び気泡分散ウレタン組成物を硬化させることにより、光透過領域と研磨領域とが一体成形された長尺積層シートを作製する工程、及び長尺積層シートを裁断する工程を含む。
上記製造方法によると、研磨層とクッション層とからなる積層研磨パッドを連続的に製造することができる。また、研磨層とクッション層を貼り合わせる工程を省略することができるため製造工程を少なくでき、生産性よく積層研磨パッドを製造することができる。該製造方法により得られる積層研磨パッドは、両面テープ(粘着剤層)を使用せずに研磨層とクッション層とを直接積層しているため、研磨中に研磨層とクッション層とが剥離することがないという利点がある。さらに、光透過領域と研磨領域とが一体成形されているため、研磨時にスラリーが光透過領域と研磨領域との隙間から漏れることもない。
前記光透過領域形成材料は、吐出時の粘度が1〜30Pa・sであることが好ましい。吐出時の粘度が1Pa・s未満の場合には、流動性が高いためクッション層上で広がりやすくなる。その結果、貫通孔上に高く堆積するように光透過領域形成材料を配設することが困難になる傾向にある。一方、30Pa・sを超える場合には、貫通孔内に光透過領域形成材料を完全に充填することが困難になる傾向にある。
前記気泡分散ウレタン組成物は、吐出時の粘度が1〜20Pa・sであることが好ましい。吐出時の粘度が1Pa・s未満の場合には、流動性が高いためクッション層上で広がりやすくなる。その結果、所望する気泡分散ウレタン組成物の配設高さを確保できなくなる傾向にある。一方、20Pa・sを超える場合には、クッション層上に均一に気泡分散ウレタン組成物を配設することが困難になる傾向にある。
前記光透過領域は、上記と同様の理由により、熱硬化性樹脂からなることが好ましく、特に熱硬化性ポリウレタン樹脂であることが好ましい。
また本発明は、前記方法によって製造される(積層)研磨パッド、及び該(積層)研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法、に関する。
本発明における研磨層の研磨領域は、微細気泡を有するポリウレタン発泡体からなる。ポリウレタンは耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができるため、研磨層の形成材料として好ましい材料である。
前記ポリウレタンは、イソシアネート成分、ポリオール成分(高分子量ポリオール成分、低分子量ポリオール成分)、及び鎖延長剤からなるものである。
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。イソシアネート成分としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
イソシアネート成分としては、上記ジイソシアネート化合物の他に、3官能以上の多官能ポリイソシアネート化合物も使用可能である。多官能のイソシアネート化合物としては、デスモジュール−N(バイエル社製)や商品名デュラネート(旭化成工業社製)として一連のジイソシアネートアダクト体化合物が市販されている。
上記のイソシアネート成分のうち、芳香族ジイソシアネートと脂環式ジイソシアネートを併用することが好ましく、特にトルエンジイソシアネートとジシクロへキシルメタンジイソシアネートを併用することが好ましい。
高分子量ポリオール成分としては、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、及びポリヒドキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高分子量ポリオール成分の数平均分子量は特に限定されるものではないが、得られるポリウレタン樹脂の弾性特性等の観点から500〜2000であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると、これを用いたポリウレタン樹脂は十分な弾性特性を有さず、脆いポリマーとなる。そのためこのポリウレタン樹脂から製造される研磨パッドは硬くなりすぎ、ウエハ表面のスクラッチの原因となる。また、摩耗しやすくなるため、パッド寿命の観点からも好ましくない。一方、数平均分子量が2000を超えると、これを用いたポリウレタン樹脂は軟らかくなりすぎるため、このポリウレタン樹脂から製造される研磨層は平坦化特性に劣る傾向にある。
ポリオール成分として上述した高分子量ポリオール成分の他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の低分子量ポリオール成分を併用することが好ましい。エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミン成分を用いてもよい。低分子量ポリオール成分や低分子量ポリアミン成分の(数平均)分子量は500未満であり、好ましくは250以下である。
ポリオール成分中の高分子量ポリオールと低分子量ポリオールの比は、これらから製造される研磨層に要求される特性により決められる。
ポリウレタン発泡体をプレポリマー法により製造する場合において、プレポリマーの硬化には鎖延長剤を使用する。鎖延長剤は、少なくとも2個以上の活性水素基を有する有機化合物であり、活性水素基としては、水酸基、第1級もしくは第2級アミノ基、チオール基(SH)等が例示できる。具体的には、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオール成分や低分子量ポリアミン成分を挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
本発明におけるイソシアネート成分、ポリオール成分、及び鎖延長剤の比は、各々の分子量や研磨層の所望物性などにより種々変え得る。所望する研磨特性を有する研磨層を得るためには、ポリオール成分と鎖延長剤の合計活性水素基(水酸基+アミノ基)数に対するイソシアネート成分のイソシアネート基数は、0.80〜1.20であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.15である。イソシアネート基数が前記範囲外の場合には、硬化不良が生じて要求される比重及び硬度が得られず、研磨特性が低下する傾向にある。
ポリウレタン発泡体の製造は、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能であるが、事前にイソシアネート成分とポリオール成分からイソシアネート末端プレポリマーを合成しておき、これに鎖延長剤を反応させるプレポリマー法が、得られるポリウレタンの物理的特性が優れており好適である。
なお、イソシアネート末端プレポリマーは、分子量が800〜5000程度のものが加工性、物理的特性等が優れており好適である。
本発明で使用する面材は特に制限されず、例えば、紙、布、不織布、及び樹脂フィルムなどが挙げられるが、特に耐熱性を有すると共に可とう性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。
面材を形成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフルオロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどを挙げることができる。
面材の厚さは特に制限されないが、強度や巻き取り等の観点から20〜200μm程度であることが好ましい。また、面材の幅も特に制限されないが、要求される研磨層の大きさを考慮すると60〜250cm程度であることが好ましい。
なお、面材の表面には離型処理が施されていることが好ましい。これにより、長尺研磨層を作製した後に面材の剥離操作を容易に行うことができる。
本発明におけるクッション層は、研磨層の特性を補うものである。クッション層は、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために必要である。プラナリティとは、パターン形成時に生じた微小凹凸を有する被研磨材を研磨した時のパターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、被研磨材全体の均一性をいう。研磨層の特性によって、プラナリティを改善し、クッション層の特性によってユニフォーミティを改善する。本発明の積層研磨パッドにおいては、クッション層は研磨層より柔らかいものを用いる。
クッション層の形成材料は、研磨層より柔らかいものであれば特に限定されることはない。例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布やポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられる。
クッション層の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.5〜1.5mm程度であり、0.5〜1.0mmであることが好ましい。また、クッション層の幅も特に制限されないが、要求される積層研磨パッドの大きさを考慮すると60〜250cm程度であることが好ましい。
クッション層の硬度は、アスカーA硬度で10〜75度であることが好ましく、より好ましくは20〜65度である。上記範囲外になると、被研磨材のユニフォミティ(面内均一性)が低下する傾向にある。
本発明で使用する光透過領域形成材料は特に制限されないが、研磨を行っている状態で高精度の光学終点検知を可能とし、波長400〜700nmの全範囲で光透過率が20%以上である材料を用いることが好ましく、さらに好ましくは光透過率が50%以上の材料である。そのような材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などの熱硬化性樹脂;ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、及びオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)などの熱可塑性樹脂;紫外線や電子線などの光により硬化する光硬化性樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、熱硬化性樹脂は比較的低温で硬化するものが好ましい。光硬化性樹脂を使用する場合には、光重合開始剤を併用することが好ましい。これらのうち、熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、特に熱硬化性ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。
以下、本発明の(積層)研磨パッドを製造する方法について説明する。図2、3は、本発明の研磨パッドの製造工程の例を示す概略図である。図4、5は、本発明の積層研磨パッドの製造工程の例を示す概略図である。
気泡分散ウレタン組成物8は、メカニカルフロス法により調製される。メカニカルフロス法とは、原料成分をミキシングヘッド9の混合室内に入れるとともに非反応性気体を混入させ、オークスミキサー等のミキサーで混合撹拌することにより、非反応性気体を微細気泡状態にして原料混合物中に分散させる方法である。メカニカルフロス法は、非反応性気体の混入量を調節することにより、容易にポリウレタン発泡体の密度を調整することができるため好ましい方法である。
微細気泡を形成するために使用される非反応性気体は可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が挙げられ、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的に最も好ましい。
気泡分散ウレタン組成物を調製する際には、ポリアルキルシロキサンとポリエーテルの共重合体であって活性水素基を有しないシリコン系界面活性剤を原料成分中に添加しておくことが好ましい。かかるシリコン系界面活性剤としては、SH−190、SH−192、L−5340(東レダウコーニングシリコン社製)等が好適な化合物として例示される。シリコン系界面活性剤の添加量は、ポリウレタン発泡体中に0.05重量%以上5重量%未満であることが好ましい。シリコン系界面活性剤の量が0.05重量%未満の場合には、微細気泡の発泡体が得られない傾向にある。一方、5重量%以上の場合には発泡体中の気泡数が多くなりすぎ、高硬度のポリウレタン発泡体を得にくい傾向にある。なお、必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を加えてもよい。
また、第3級アミン系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。触媒の種類や添加量は、気泡分散ウレタン組成物をクッション層上に吐出した後の流動時間を考慮して適宜選択する。
ロールから送り出された面材10又はクッション層11はコンベア12上を移動している。クッション層11には、光透過領域を形成するための貫通孔13が連続的又は間欠的に設けられている。貫通孔13の幅は特に制限されないが、通常0.5〜2cm程度であり、好ましくは0.6〜1.5cm程度である。また、貫通孔13を間欠的に設ける場合、各貫通孔の長さは1〜10cm程度であり、好ましくは3〜8cm程度である。また、その形状も特に制限されず、例えば、矩形、多角形、円形、及び楕円形などが挙げられる。また、貫通孔13はクッション層11上に2ライン以上設けられていてもよい。
図2及び3に示すように、光透過領域形成材料14は、吐出ヘッド15のノズルから面材10上に連続的又は間欠的に吐出される。それと同時又は少し遅れて気泡分散ウレタン組成物8は、ミキシングヘッド9の吐出ノズルから該面材10上に連続的に吐出される。面材10の移動速度や光透過領域形成材料14及び気泡分散ウレタン組成物8の吐出量は、光透過領域の厚さ及び面積、研磨領域の厚さを考慮して適宜調整する。前記光透過領域形成材料14は、吐出時の粘度が1〜30Pa・sであることが好ましく、より好ましくは2〜20Pa・sである。また、前記気泡分散ウレタン組成物8は、吐出時の粘度が1〜20Pa・sであることが好ましく、より好ましくは2〜10Pa・sである。
一方、図4及び5に示すように、光透過領域形成材料14は、吐出ヘッド15のノズルからクッション層11に設けられた貫通孔13内及びその上に堆積するように連続的又は間欠的に吐出される。それと同時又は少し遅れて気泡分散ウレタン組成物8は、ミキシングヘッド9の吐出ノズルから該クッション層11上に連続的に吐出される。クッション層11の移動速度や光透過領域形成材料14及び気泡分散ウレタン組成物8の吐出量は、光透過領域の厚さ及び面積、研磨領域の厚さを考慮して適宜調整する。前記光透過領域形成材料14は、吐出時の粘度が1〜30Pa・sであることが好ましく、より好ましくは2〜20Pa・sである。また、前記気泡分散ウレタン組成物8は、吐出時の粘度が1〜20Pa・sであることが好ましく、より好ましくは2〜10Pa・sである。
その後、光透過領域形成材料14及び気泡分散ウレタン組成物8上に面材16を積層する。そして、厚さを均一に調整しつつ光透過領域形成材料14及び気泡分散ウレタン組成物8を硬化させることにより光透過領域と研磨領域とが一体成形された長尺研磨層又は長尺積層シートを作製する。厚さを均一に調整する手段としては、例えば、ニップロール、コーターロールなどのロール17などが挙げられる。また、光透過領域形成材料14及び気泡分散ウレタン組成物8の硬化は、例えば、厚さを均一に調整した後に、コンベア上に設けられた加熱オーブン(図示せず)内を通過させることにより行われる。加熱温度は40〜100℃程度であり、加熱時間は5〜10分程度である。流動しなくなるまで反応した気泡分散ウレタン組成物を加熱、ポストキュアすることは、ポリウレタン発泡体の物理的特性を向上させる効果がある。なお、光透過領域形成材料が熱可塑性樹脂である場合には、気泡分散ウレタン組成物を熱硬化させた後に光透過領域形成材料を冷却することにより硬化させる。また、光透過領域形成材料が光硬化性樹脂である場合には、紫外線や電子線などの光を照射して硬化させる。前記光透過領域は、光透過率を高くする観点からできるだけ気泡が含まれていないことが好ましい。
得られた長尺研磨層又は長尺積層シートは、例えば、裁断機により所望の形状(例えば、円形、正方形、矩形など)よりやや大きい形状で1次裁断される。その後、ポストキュア及び面材を剥離する工程などを経て研磨層又は積層研磨シートが作製される。なお、面材を剥離する前にポストキュアしてもよく、面材を剥離した後にポストキュアしてもよいが、通常面材と研磨層とは熱収縮率が異なるため、研磨層の変形を防止する観点から面材を剥離した後にポストキュアすることが好ましい。ポストキュア後、研磨層又は積層研磨シートは、所望の形状に合わせて2次裁断される。円形に裁断する場合、直径は50〜200cm程度であり、好ましくは50〜100cmである。正方形に裁断する場合、1辺は50〜200cm程度であり、好ましくは50〜100cmである。矩形に裁断する場合、幅は50〜200cm程度、好ましくは50〜100cmであり、長さは幅の1.1倍〜2倍程度である。その後、研磨層又は積層研磨シートは、研磨表面に凹凸構造を形成する工程等を経て研磨パッド又は積層研磨パッド1となる。
前記ポリウレタン発泡体の平均気泡径は、30〜80μmであることが好ましく、より好ましくは30〜60μmである。この範囲から逸脱する場合は、研磨速度が低下したり、研磨後の被研磨材(ウエハ)のプラナリティ(平坦性)が低下する傾向にある。
研磨層の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.8〜4mm程度であり、1.2〜2.5mmであることが好ましい。
また、研磨層の比重は、0.5〜1.0であることが好ましい。比重が0.5未満の場合、研磨層の表面の強度が低下し、被研磨材のプラナリティ(平坦性)が悪化する傾向にある。一方、1.0より大きい場合は、研磨層表面での微細気泡の数が少なくなり、平坦化特性は良好であるが、研磨速度が悪化する傾向にある。
また、研磨層の硬度は、アスカーD硬度計にて、45〜65度であることが好ましい。D硬度が45度未満の場合、被研磨材のプラナリティ(平坦性)が悪化する傾向にある。一方、65度より大きい場合は、プラナリティは良好であるが、被研磨材のユニフォーミティ(均一性)が悪化する傾向にある。
また、研磨層の厚みバラツキは100μm以下であることが好ましい。厚みバラツキが100μmを越えるものは、研磨層に大きなうねりを持ったものとなり、被研磨材に対する接触状態が異なる部分ができ、研磨特性に悪影響を与える。また、研磨層の厚みバラツキを解消するため、一般的には、研磨初期に研磨層表面をダイヤモンド砥粒を電着、融着させたドレッサーを用いてドレッシングするが、上記範囲を超えたものは、ドレッシング時間が長くなり、生産効率を低下させるものとなる。
研磨層の厚みバラツキを抑える方法としては、長尺研磨層又は長尺積層シートの表面をバフ機でバフィングする方法が挙げられる。また、長尺研磨層又は長尺積層シートを裁断した後に、バフィングして研磨層の厚みバラツキを抑えてもよい。なお、バフィングする際には、粒度などが異なる研磨材で段階的に行うことが好ましい。
本発明の(積層)研磨パッドにおいて、被研磨材(ウエハ)と接触する研磨表面は、スラリーを保持・更新するための凹凸構造を有することが好ましい。発泡体からなる研磨層は、研磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持・更新する働きを持っているが、研磨表面に凹凸構造を形成することにより、スラリーの保持と更新をさらに効率よく行うことができ、また被研磨材との吸着による被研磨材の破壊を防ぐことができる。凹凸構造は、スラリーを保持・更新する形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、これらの凹凸構造は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
前記凹凸構造の作製方法は特に限定されるものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用いて機械切削する方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスする方法、フォトリソグラフィにより作製する方法、印刷手法を用いて作製する方法、炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザー光による作製方法などが挙げられる。
本発明の(積層)研磨パッドは、研磨層又はクッション層のプラテンと接着する面側に両面テープが設けられていてもよい。該両面テープとしては、基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものを用いることができる。基材としては、例えば不織布やフィルム等が挙げられる。(積層)研磨パッドの使用後のプラテンからの剥離を考慮すれば、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン含有量が少ないため好ましい。
半導体デバイスは、前記(積層)研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例えば、図1に示すように、(積層)研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、半導体ウエハ4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤3の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。(積層)研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された(積層)研磨パッド1と半導体ウエハ4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、半導体ウエハ4を(積層)研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤2と支持台5とを回転させつつ半導体ウエハ4を(積層)研磨パッド1に押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
これにより半導体ウエハ4の表面の突出した部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
以下、本発明を実施例を上げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(気泡分散ウレタン組成物及び光透過領域形成材料の粘度測定)
作製した気泡分散ウレタン組成物及び光透過領域形成材料の粘度は、JIS K7117−1に準拠して測定した。測定装置は、B型回転粘度計(東機産業社製、TV−10H)を用いた。測定条件は、ローター:H3、ローター回転数:2.5〜100min−1、及び組成物温度:吐出温度に調整、である。
実施例1
トルエンジイソシアネート(2,4−体/2,6−体=80/20の混合物、TDI−80)32重量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)8重量部、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量:1006、PTMG−1000)54重量部、及びジエチレングリコール(DEG)6重量部を混合し、80℃で120分間加熱撹拌してイソシアネート末端プレポリマー(イソシアネート当量:2.1meq/g)を作製した。該イソシアネート末端プレポリマー100重量部、シリコン系界面活性剤(東レ・ダウシリコーン社製、SH−192)3重量部を混合して60℃に温度調節した混合物Aを調製した。該混合物A80重量部、及び120℃で溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)20重量部を混合チャンバー内で混合し、同時に空気を混合物中に機械的に撹拌することにより分散させて気泡分散ウレタン組成物Aを調製した。
光透過領域形成材料の調製
TDI−80(28重量部)、HMDI(3重量部)、PTMG−1000(67重量部)、及びDEG(2重量部)を混合し、80℃で120分間加熱撹拌してイソシアネート末端プレポリマーを作製した。60℃に温度調節した該イソシアネート末端プレポリマー(100重量部)と120℃で溶融したイハラキュアミンMT(19重量部)とを混合して光透過領域形成材料Bを調製した。
PETフィルムからなり、剥離処理を施した面材(厚さ188μm、幅100cm)を送り出しつつ、該面材の中央部に吐出ヘッドから前記光透過領域形成材料B(65℃、粘度:2.5Pa・s)を連続的に吐出し、その他の部分にミキシングヘッドから前記気泡分散ウレタン組成物A(80℃、粘度:1Pa・s)を連続的に吐出した。そして、PETフィルムからなり、剥離処理を施した別の面材(厚さ188μm、幅100cm)で光透過領域形成材料B及び気泡分散ウレタン組成物Aを覆い、ニップロールを用いて厚さを均一に調整した。その後、80℃に加熱することにより両組成物を硬化させて、光透過領域(幅:約1cm)とポリウレタン発泡体からなる研磨領域とが一体成形された長尺研磨層(厚さ:2mm)を作製した。そして、長尺研磨層を80cm角で1次裁断した後、両面材を剥離し、80℃で6時間ポストキュアし、さらに直径70cmの大きさに2次裁断して研磨層を得た。次に、バフ機(アミテック社製)を使用して該研磨層の表面バフ処理をし、厚み精度を整えた。そして、該研磨層の研磨表面に溝加工機(東邦鋼機社製)を用いて溝加工を施し、裏面にクッション層を積層して研磨パッドを作製した。
実施例2
PETフィルムからなり、剥離処理を施した面材(厚さ188μm、幅100cm)を送り出しつつ、該面材の中央部に吐出ヘッドから前記光透過領域形成材料B(65℃、粘度:2.5Pa・s)を間欠的に吐出し、その他の部分にミキシングヘッドから前記気泡分散ウレタン組成物A(80℃、粘度:1Pa・s)を連続的に吐出した。そして、PETフィルムからなり、剥離処理を施した別の面材(厚さ188μm、幅100cm)で光透過領域形成材料B及び気泡分散ウレタン組成物Aを覆い、ニップロールを用いて厚さを均一に調整した。その後、80℃に加熱することにより両組成物を硬化させて、多数の光透過領域(幅:約1.5cm、長さ:約4cm)とポリウレタン発泡体からなる研磨領域とが一体成形された長尺研磨層(厚さ:2mm)を作製した。そして、長尺研磨層を80cm角で1次裁断した後、両面材を剥離し、80℃で6時間ポストキュアし、さらに直径70cmの大きさに2次裁断して研磨層を得た。次に、バフ機(アミテック社製)を使用して該研磨層の表面バフ処理をし、厚み精度を整えた。そして、該研磨層の研磨表面に溝加工機(東邦鋼機社製)を用いて溝加工を施し、裏面にクッション層を積層して研磨パッドを作製した。
実施例3
表面バフ掛けをして厚さ0.8mmに調整したポリエチレンフォーム(東レ社製、トーレペフ)からなり、中央部に幅1cmの連続した貫通孔を有するクッション層(幅100cm)を送り出しつつ、該貫通孔内及び貫通孔上に堆積するように吐出ヘッドから前記光透過領域形成材料B(65℃、粘度:2.5Pa・s)を連続的に吐出し、その他の部分にミキシングヘッドから前記気泡分散ウレタン組成物A(80℃、粘度:1Pa・s)を連続的に吐出した。そして、PETフィルムからなり、剥離処理を施した面材(厚さ188μm、幅100cm)で光透過領域形成材料B及び気泡分散ウレタン組成物Aを覆い、ニップロールを用いて厚さを均一に調整した。その後、80℃に加熱することにより両組成物を硬化させて、光透過領域(研磨表面側の幅:約1.5cm)とポリウレタン発泡体からなる研磨領域とが一体成形された長尺積層シート(研磨層の厚さ:2mm)を作製した。そして、長尺積層シートを80cm角で1次裁断した後、面材を剥離し、80℃で6時間ポストキュアし、さらに直径70cmの大きさに2次裁断して積層研磨シートを得た。次に、バフ機(アミテック社製)を使用して該研磨シートの表面バフ処理をし、厚み精度を整えた。そして、該積層研磨シートの研磨層表面に溝加工機(東邦鋼機社製)を用いて溝加工を施して積層研磨パッドを作製した。
実施例4
表面バフ掛けをして厚さ0.8mmに調整したポリエチレンフォーム(東レ社製、トーレペフ)からなり、中央部に幅1cm及び長さ4cmの貫通孔を一定間隔で多数有するクッション層(幅100cm)を送り出しつつ、該貫通孔内及び貫通孔上に堆積するように吐出ヘッドから前記光透過領域形成材料B(65℃、粘度:2.5Pa・s)を間欠的に吐出し、その他の部分にミキシングヘッドから前記気泡分散ウレタン組成物A(80℃、粘度:1Pa・s)を連続的に吐出した。そして、PETフィルムからなり、剥離処理を施した面材(厚さ188μm、幅100cm)で光透過領域形成材料B及び気泡分散ウレタン組成物Aを覆い、ニップロールを用いて厚さを均一に調整した。その後、80℃に加熱することにより両組成物を硬化させて、光透過領域(研磨表面側の幅:約1.5cm、長さ:約4cm)とポリウレタン発泡体からなる研磨領域とが一体成形された長尺積層シート(研磨層の厚さ:2mm)を作製した。そして、長尺積層シートを80cm角で1次裁断した後、面材を剥離し、80℃で6時間ポストキュアし、さらに直径70cmの大きさに2次裁断して積層研磨シートを得た。次に、バフ機(アミテック社製)を使用して該研磨シートの表面バフ処理をし、厚み精度を整えた。そして、該積層研磨シートの研磨層表面に溝加工機(東邦鋼機社製)を用いて溝加工を施して積層研磨パッドを作製した。
CMP研磨で使用する研磨装置の一例を示す概略構成図 本発明の研磨パッドの製造工程の一例を示す概略図 本発明の研磨パッドの製造工程の他の例を示す概略図 本発明の積層研磨パッドの製造工程の一例を示す概略図 本発明の積層研磨パッドの製造工程の他の例を示す概略図
符号の説明
1:研磨パッド(積層研磨パッド)
2:研磨定盤
3:研磨剤(スラリー)
4:被研磨材(半導体ウエハ)
5:支持台(ポリシングヘッド)
6、7:回転軸
8:気泡分散ウレタン組成物
9:ミキシングヘッド
10、16:面材
11:クッション層
12:コンベア
13:貫通孔
14:光透過領域形成材料
15:吐出ヘッド
17:ロール

Claims (13)

  1. メカニカルフロス法により気泡分散ウレタン組成物を調製する工程、面材を送り出しつつ、該面材上の所定位置に光透過領域形成材料を連続的又は間欠的に吐出する工程、光透過領域形成材料が配設されていない前記面材上に前記気泡分散ウレタン組成物を連続的に吐出する工程、吐出した前記光透過領域形成材料及び気泡分散ウレタン組成物上に別の面材を積層する工程、厚さを均一に調整しつつ光透過領域形成材料及び気泡分散ウレタン組成物を硬化させることにより、光透過領域と研磨領域とが一体成形された長尺研磨層を作製する工程、及び長尺研磨層を裁断する工程を含む研磨パッドの製造方法。
  2. 前記光透過領域形成材料は、吐出時の粘度が1〜30Pa・sである請求項1記載の研磨パッドの製造方法。
  3. 前記気泡分散ウレタン組成物は、吐出時の粘度が1〜20Pa・sである請求項1又は2記載の研磨パッドの製造方法。
  4. 前記光透過領域は、熱硬化性樹脂からなる請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッドの製造方法。
  5. 前記熱硬化性樹脂は、ポリウレタン樹脂である請求項4記載の研磨パッドの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法によって製造される研磨パッド。
  7. メカニカルフロス法により気泡分散ウレタン組成物を調製する工程、連続的又は間欠的に設けられた貫通孔を有するクッション層を送り出しつつ、該貫通孔内及び貫通孔上に堆積するように光透過領域形成材料を吐出する工程、光透過領域形成材料が配設されていない前記クッション層上に前記気泡分散ウレタン組成物を連続的に吐出する工程、吐出した前記光透過領域形成材料及び気泡分散ウレタン組成物上に面材を積層する工程、厚さを均一に調整しつつ光透過領域形成材料及び気泡分散ウレタン組成物を硬化させることにより、光透過領域と研磨領域とが一体成形された長尺積層シートを作製する工程、及び長尺積層シートを裁断する工程を含む積層研磨パッドの製造方法。
  8. 前記光透過領域形成材料は、吐出時の粘度が1〜30Pa・sである請求項7記載の積層研磨パッドの製造方法。
  9. 前記気泡分散ウレタン組成物は、吐出時の粘度が1〜20Pa・sである請求項7又は8記載の積層研磨パッドの製造方法。
  10. 前記光透過領域は、熱硬化性樹脂からなる請求項7〜9のいずれかに記載の積層研磨パッドの製造方法。
  11. 前記熱硬化性樹脂は、ポリウレタン樹脂である請求項10記載の積層研磨パッドの製造方法。
  12. 請求項7〜11のいずれかに記載の方法によって製造される積層研磨パッド。
  13. 請求項6記載の研磨パッド又は請求項12記載の積層研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法。
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