JP7253475B2 - 研磨パッド及び研磨パッドをコンパクト化する方法 - Google Patents

研磨パッド及び研磨パッドをコンパクト化する方法 Download PDF

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Description

本発明は、CMP(化学的機械的研磨)に用いられる研磨パッド、詳しくは、使用後に折り曲げてコンパクト化して廃棄されやすい研磨パッドに関する。
半導体ウェハを鏡面加工する工程や、半導体基板上に回路を形成する際に酸化膜等の絶縁体膜や導電体膜を有する被研磨物の表面を平坦化する工程で用いられる研磨方法として、CMPが知られている。CMPは、回転する研磨パッドの研磨面に、スラリーを供給し、研磨対象である被研磨物を回転させながら圧接してその表面を研磨する方法である。
CMP用の研磨パッドとしては、不織布タイプの研磨パッド、独立気泡構造を有する高分子発泡体を主体とする研磨パッド、非発泡高分子体を主体とする研磨パッド等が知られている。不織布タイプの研磨パッドは、柔軟であるために被研磨基材との接触性が良いという長所を有する一方、柔軟であるために被研磨面を平坦化する平坦化性が低いという短所があった。また、独立気泡構造を有する高分子発泡体を主体とする研磨パッドは、不織布タイプの研磨パッドに比べて高硬度を有するために平坦化性に優れるという長所を有する一方、研磨層のさらなる高硬度化による高い平坦化性の実現は困難であるという短所があった。一方、非発泡高分子体を主体とする研磨パッドは、研磨層の高硬度化による高い平坦化性を実現することができる。また、非発泡高分子体を主体とする研磨パッドは、高分子発泡体を主体とする研磨パッドよりも耐摩耗性が高いことから研磨パッドの寿命が長くなる長所や、発泡のばらつきによる研磨特性の違いが生じにくいという長所も有する。
ところで、CMPにおいて発生する欠点を解決するために、研磨パッドの研磨面に対して反対面になる反研磨面に溝や凹部を形成することが提案されている。
例えば、下記特許文献1は、研磨パッドの中心部付近に過大な圧力が発生することによりスクラッチの発生が誘発されるという知見に基づき、研磨パッドの反研磨面側の中心部付近に、円形または多角形状である凹部を形成することを提案する。
また、例えば、下記特許文献2は、被研磨物を研磨する研磨剤を保持するための複数の孔を有する研磨パッドにおいて、被研磨物を研磨する面と反対の面に、溝を有している研磨パッドによれば、溝に囲まれた領域が、独立して変位しやすい状態となり、半導体ウェハと研磨層とがほぼフラットに接し、半導体ウェハのエッジ部分に過度な負荷が生じにくくなることや、半導体ウェハが吸盤状に変形し、研磨パッドと半導体ウェハとの間に負圧が生じることを抑制できることを開示する。
また、例えば、下記特許文献3は、研磨面およびその裏面の両面に、同心円溝を有する、研磨パッドを開示する。そして、このような研磨パッドによれば、研磨操作の実施に伴う研磨層の磨滅によって、反研磨面に形成された溝が研磨面上に現われることにより、研磨中に、スラリーの保持力が回復することを開示する。
特開2004-345048号公報 特開平9-117855号公報 特開2005-294410号公報
CMPにおいて、研磨パッドは研磨装置の回転定盤に両面粘着材で接着されて用いられる。研磨パッドは、研磨面のスラリーを保持するための溝が浅くなりすぎ、研磨レートが変動するときに寿命を迎え、回転定盤から剥がされた後、折り曲げられて廃棄される。CMPに用いられる研磨パッドとしては、近年、高い平坦化性の達成のために高硬度の研磨パッドが使用され始めている。従来用いられていた低硬度の研磨パッドの場合には廃棄時に折り曲げやすかったが、高硬度の研磨パッドは廃棄時に折り曲げにくかったり、折り曲げた後に弾性によって元に戻ろうとして反発したりするという課題があった。
本発明は、高硬度の研磨パッドであっても廃棄時に折り曲げられやすい、研磨パッドを提供することを目的とする。
本発明の一局面は、被研磨物を研磨する研磨面を有する円形の研磨層を少なくとも備え、研磨層の研磨面に対する反対面になる反研磨面に、第1の溝を少なくとも1本有し、第1の溝は、円形の外周の直径に対する55~100%の長さを有する弦に重なり、且つ、両端が外周に到達しない、弦の長さの60~95%の長さを有し、且つ、深さが研磨層の厚さの5~30%である研磨パッドである。このような研磨パッドによれば、廃棄時に折り曲げるときに第1の溝に応力が集中するために、高硬度の研磨パッドであっても第1の溝に沿って折り曲げられやすくなる。また、両端が外周に到達しない第1の溝には研磨中にスラリーが侵入しにくくなるために、研磨層を回転定盤やクッション層と接着する両面粘着材の粘着力の低下が抑制される。また、第1の溝の深さが研磨層の厚さの5~30%であることにより、折り曲げたときに第1の溝に応力が集中するとともに、第1の溝の形成による段差が研磨特性に影響を与えにくい点から好ましい。
また、第1の溝は、円形に対する弦の長さの60~95%に重なることにより、折り曲げるときに折り曲げやすく、また、折り曲げたときに適度にコンパクトになる点から好ましい。
また、弦は円形の直径であることが、円形の中央付近で研磨パッドが略半分に折り曲げられてコンパクト化されやすい点から好ましい。
また、第1の溝は、反研磨面に積層された両面粘着材に覆われて閉じられていること、さらには、両面粘着材によってクッション層が積層されていることが、研磨中にスラリーが第1の溝から侵入しにくい点から好ましい。
また、研磨パッドは、スラリーを保持するための第2の溝をさらに有し、第2の溝と第1の溝を2次元の面に投影したときに、それらが重なる部分を有することが、重なり部分において研磨層の厚さがより薄くなってより折れ曲がりやすくなる点から好ましい。
また、第1の溝の深さをD1(mm)、第2の溝の深さをD2(mm)、及び研磨層の厚さをT(mm)とした場合、D1<T-D2を満たすことが、反研磨面の第1の溝と研磨面の第2の溝とが分離して第1の溝が研磨面による研磨特性に影響を与えにくい点から好ましい。
また、研磨層の曲げ弾性率が10000~40000MPaであることが、弾性が高い研磨パッドになるために本発明の効果が顕著になる点から好ましい。
本発明によれば、高硬度の研磨パッドであっても廃棄時に折り曲げやすくなる、研磨パッドが得られる。
図1は、実施形態の研磨パッド10を説明するための模式図である。 図2は、実施形態の他の例の研磨パッド20を説明するための研磨面の平面模式図である。 図3は、実施形態の他の例の研磨パッド30を説明するための研磨面の平面模式図である。 図4は、CMPを説明するための説明図である。 図5は、研磨パッドを廃棄時に折り曲げる様子を説明するための説明図である。
本発明に係る研磨パッドの一実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の研磨パッドの一例である、研磨パッド10を説明するための模式図である。図1中、(a)は研磨パッド10を研磨層の一面である研磨面Pの側から見た平面模式図、(b)は(a)の研磨面Pの部分拡大模式図、(c)は(b)のI-I'断面における模式断面図である。なお、研磨面とはCMPにおいて被研磨物と接して研磨作用する研磨層の一面であり、研磨層の研磨面に対して反対面になる被研磨物と接しない面が反研磨面になる。
図1中、10は、研磨面Pと反研磨面Rとを有する研磨層1を含む、円形の研磨パッドである。図1(c)の模式断面図を参照すれば、研磨パッド10は、研磨層1と、研磨層1の反研磨面Rに両面粘着材3を介してクッション層2が接着された積層構造を有する。クッション層は後述するように研磨層よりも硬度の低い軟質の層である。両面粘着材としては、両面粘着シートや両面粘着テープが好ましく用いられる。そして、研磨層1は厚さT(mm)を有し、第1の溝G1は、深さD1(mm)を有し、第2の溝G2は、深さD2(mm)を有する。
図1(a)を参照すれば、研磨層1の研磨面Pには、スラリーを保持するための同心円状の複数本の溝である第2の溝G2が形成されている。スラリーを保持するための第2の溝の形状は特に限定されず、従来の研磨パッドにおいて形成されてきた研磨面にスラリーを保持させるための、同心円状,螺旋状,格子状、放射状の溝、又は複数の穴からなるような溝または凹部が特に限定なく採用できる。これらの中では、同心円状または螺旋状の溝が研磨速度などの研磨特性に優れる点から好ましい。
第2の溝の溝ピッチ,溝幅、及び溝深さD2は特に限定されないが、例えば、溝ピッチが1.5~20.0mm、さらには2.5~15.0mmであり、溝幅が0.1~5.0mm、さらには0.3~3.5mmであり、溝深さD2が0.3~1.7mm、さらには0.5~1.5mmであることが、スラリーの保持性を充分に確保する点から好ましい。
一方、研磨層の研磨面Pに対する反対面になる反研磨面Rには、端T1,T2のそれぞれが外周に到達しない、第1の溝G1を1本有する。第1の溝は、研磨パッドの廃棄時に折り曲げやすくするための溝である。なお、図1(a)及び図1(b)において、研磨面Pに形成された第2の溝G2は実線で示されており、反研磨面Rに形成された第1の溝G1は破線で示されている。
ここで、第1の溝G1は、好ましくは、研磨層の円形の外周の任意の弦に重なる。弦は、直径に対して55~100%の長さを有する。直径に対して100%の長さを有する弦の長さは直径に一致する。研磨パッド10においては弦の長さは直径である。また、円形の外周の弦の長さの60~95%に重なるとは、弦の長さに対する弦に重なる第1の溝G1の長さの割合が60~95%であることを意味する。
上述したように、研磨パッド10は、研磨層1の反研磨面Rに、円形の外周の弦に重なる、第1の溝G1を有する。なお、第1の溝としては、研磨パッド10に形成されたような両末端を有する一本の線分状の形態の他、1本の線分を複数の箇所で途切れさせたような非連続の線分を弦に沿って配置した形態、弦に沿った連続または非連続の曲線であってもよい。このように、研磨層の反研磨面に、第1の溝を形成することにより、研磨層の第1の溝が形成された部分が他の部分よりも薄くなり、研磨パッドを廃棄するために折り曲げたときに第1の溝に応力が集中するためにその部分で折れ曲がりやすくなる。また、第1の溝が反研磨面Rに形成されているために研磨作用する研磨面に影響を与えにくい。また、図1を参照すれば、第1の溝の端T1,T2のそれぞれが研磨層の外周に到達しないために、研磨層の外周から第1の溝G1へのスラリーの侵入が抑制される。そのために、研磨層1とクッション層2とを接着する両面粘着材が剥がれにくくなる。すなわち、反研磨面に上述のような第1の溝を形成することにより、研磨面に影響を与えずに、高硬度の研磨パッドであっても廃棄時に折り曲げやすくすることができる。
図2は、本実施形態の研磨パッドの他の一例である、研磨パッド20を説明するための模式図であり、研磨パッド20を研磨面Pの側から見た平面模式図である。研磨パッド20は反研磨面Rに、直径に重なる1本の第1の溝G1が形成された研磨層1の代わりに、直交する2本の直径に重なる2本の第1の溝G11,G12が形成された研磨層11を備える以外は、研磨パッド10と同様の構成である。研磨パッド20の研磨層11に形成された第1の溝G11の両端T11,T12、及び第1の溝G12の両端T13,T14、は何れも、外周に到達していない。このような研磨パッド20によれば、第1の溝G11または第1の溝G12の何れかに沿って、折り曲げやすくなる。
また、図3は、本実施形態の研磨パッドの他の一例である、研磨パッド30を説明するための模式図であり、研磨パッド30を研磨面Pの側から見た平面模式図である。研磨パッド30は反研磨面Rに、直径に重なる1本の第1の溝G1が形成された研磨層1の代わりに、直径に重ならない互いに平行な2本の第1の溝G21,G22が形成された研磨層21を備える以外は、研磨パッド10と同様の構成である。研磨パッド30の研磨層21に形成された第1の溝G21の両端T21,T22、及び第1の溝G22の両端T23,T24、も何れも、外周に到達していない。また、各弦は、円形の直径に対して70%の長さを有する。このような研磨パッド30によれば、第1の溝G21及び第1の溝G22の両方で折り曲げることにより、三つ折りに折り曲げることができる。
研磨パッド20及び研磨パッド30を参照して例示したように、本実施形態の研磨パッドにおいては、第1の溝は、複数本であってもよい。本実施形態の研磨パッドにおける第1の溝の本数はとくには限定されないが、1~6本、さらには、1~4本、とくには1~2本であることが折り曲げ性と第1の溝の加工コストとのバランスの点から好ましい。また、形成される第1の溝の位置も特に限定されず、予め想定した折り曲げたい部分に重なる弦に沿って、適宜設けることができる。
弦の長さに対する第1の溝の長さの割合は、60~95%、さらには70~90%であることが好ましい。弦の長さに対する第1の溝の長さの割合が低すぎる場合には、第1の溝に沿って応力が集中しにくくなって直線的に折れ曲がりにくくなる。また、弦の長さに対する第1の溝の長さの割合が高すぎる場合にはCMPの際に、研磨層の外周から第1の溝の内部にスラリーが混入するおそれがあり、研磨層とクッション層とを接着する両面粘着材が剥がれやすくなるおそれがある。
研磨層の円形の直径としては、直径600~1200mm、さらには、直径700~900mmであることが、廃棄時に折り曲げることによるコンパクト化の効果が大きいから好ましい。
また、弦は、円形の直径に対して55~100%、さらには、60~100%の長さを有することが、折り曲げるときに折り曲げやすく、また、折り曲げたときに適度にコンパクトになる点から好ましい。なお、円形の直径に対して100%になる弦の長さは、直径に一致する。
また、第1の溝の各端から研磨層の外周までの距離としては、10~70mm、さらには15~60mm、とくには20~50mmであることがCMPの際のスラリーの侵入を充分に抑制できるとともに、充分な折り曲げ性を確保する点から好ましい。
第1の溝の深さD1は、研磨層の厚さTの5~30%であり、好ましくは7~25%、さらに好ましくは9~20%、とくに好ましくは11~15%である。第1の溝の深さD1が研磨層の厚さTの5%未満である場合には、折り曲げたときに第1の溝に応力が集中しにくくなる。また、第1の溝の深さD1が研磨層の厚さTの30%を超える場合には、溝の形成による段差が研磨特性に影響を与えるおそれがある。
また、第1の溝の深さD1は研磨層の厚さTにもよるが、0.05~0.6mm、さらには0.1~0.4mmであることが好ましい。第1の溝の深さD1が浅すぎる場合には、折り曲げたときに第1の溝に応力が集中しにくくなる傾向がある。また、第1の溝が深すぎる場合には、溝の形成による段差が研磨特性に影響を与えるおそれがある。
第1の溝を長手方向に対して垂直に切断したときの断面形状は、特に限定されず、長方形,台形,三角形,半円形,半長円形,正弦曲線等が挙げられる。
また、第1の溝の幅W1としては、0.3~4.0mm、さらには0.4~3.0mm、とくには0.5~2.5mmであることが、折り曲げたときに第1の溝に応力が集中しやすい点から好ましい。
研磨層の曲げ弾性率としては、10000~40000MPa、さらには、14000~30000MPaであることが、剛性が高い研磨パッドになるために本発明の効果が顕著になる点から好ましい。
また、研磨層のD硬度としては、50~90、さらには60~88、とくには65~85であることが平坦化性の向上と被研磨物の被研磨面におけるスクラッチ発生の抑制とのバランスに優れる点、そして、高硬度の研磨パッドであっても廃棄時に折り曲げやすくなる点から好ましい。
また、研磨層の厚さTとしては、0.6~4.0mm、さらには0.7~3.0mm、とくには0.8~2.0mmの範囲内であることが研磨性能のバランスに優れる点から好ましい。
また、第2の溝と第1の溝を2次元の面に投影したときに、それらが重なる部分を有することが、重なり部分で研磨層の厚さがより薄くなってより折れ曲がりやすくなる点から好ましい。また、第1の溝の深さD1、第2の溝の深さD2、及び研磨層の厚さTにおいて、D1<T-D2を満たすことが、反研磨面の第1の溝と研磨面の第2の溝とが分離されるために、第1の溝が研磨面による研磨特性に影響を与えにくい点から好ましい。
本実施形態の研磨パッドは、研磨パッド10のように反研磨面Rに両面粘着材3でクッション層2を接着したり、反研磨面に両面粘着材で支持体層などの他の層を積層したりした2層以上の積層構造を有していても、反研磨面に両面粘着材を貼りあわせて、研磨装置の回転定盤に直接接着する研磨パッドのような研磨層のみからなる単層構造であってもよい。これらの中では、とくに、研磨パッド10のように研磨層1の反研磨面Rに両面粘着材3でクッション層2を接着し、クッション層2にさらに両面粘着材を貼りあわせて、研磨装置の回転定盤に接着する研磨パッドのような積層構造を有する研磨パッドが被研磨面の面内での研磨均一性がより向上しやすい点からとくに好ましい。研磨パッドが積層構造を有する場合、研磨層の反研磨面に両面粘着材や接着剤を介してクッション層や支持体層が積層される。この場合には、反研磨面に積層された他の層により、第1の溝が覆われて閉じられていることにより、研磨中にスラリーが第1の溝に侵入しにくくなる点から好ましい。
次に、本実施形態の研磨パッドのその他の要素について詳しく説明する。
本実施形態の研磨パッドは研磨層を含む。研磨層を形成する材料は、従来、研磨パッドの研磨層の製造に用いられている合成または天然の高分子材料が特に限定なく用いられる。研磨層を形成する高分子材料の具体例としては、例えば、ポリウレタン,ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン,ポリエステル,ポリアミド,ポリウレア,ポリテトラフルオロエチレン,メラミン樹脂,ネオプレン(登録商標),シリコーンゴムやフッ素ゴム等の高分子弾性体が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、研磨層は、非発泡構造(非多孔性)を有することが好ましい。非発泡構造の研磨層は、高い硬度を保持することができ、より優れた平坦化性を示す点から好ましい。また、非発泡構造の研磨層は、その表面に気孔が露出せず、気孔中でスラリー中の砥粒が凝集や凝着しないために、スクラッチが発生しにくい点から好ましい。また、非発泡構造の研磨層は発泡構造の研磨層に比べて、研磨層の摩耗速度が小さいために寿命が長い点から好ましい。そして、本実施形態の研磨パッドは、非発泡構造(非多孔性)の研磨パッドであっても廃棄時に折り曲げやすくなる点から好ましい。
高分子材料の中では、高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を含むポリウレタン原料を反応させることにより得られる非発泡構造を有する熱可塑性ポリウレタンが、高硬度で高い曲げ弾性率を有する平坦化性能に優れた研磨層が得られやすい点から特に好ましい。以下、研磨層を形成する材料として用いられる熱可塑性ポリウレタンについて、代表例として詳しく説明する
熱可塑性ポリウレタンのポリウレタン原料である高分子ジオール,有機ジイソシアネート,鎖伸長剤としては、例えば、次のような化合物が挙げられる。
高分子ジオールの具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール,ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルジオール;ポリ(ノナメチレンアジペート)ジオール,ポリ(2-メチル-1,8-オクタメチレンアジペート)ジオール,ポリ(3-メチル-1,5-ペンタメチレンアジペート)ジオール等のポリエステルジオール;ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール,ポリ(3-メチル-1,5-ペンタメチレンカーボネート)ジオール等のポリカーボネートジオールなどが挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、有機ジイソシアネートの具体例としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネート,4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート,1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどの脂肪族または脂環式ジイソシアネート;4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート,2,4-トリレンジイソシアネート,2,6-トリレンジイソシアネート,1,5-ナフチレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートを挙げることができる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートが得られる研磨層の耐摩耗性に優れる等の点から好ましい。
また、鎖伸長剤としては、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量350以下の低分子化合物が挙げられる。その具体例としては、例えば、エチレングリコール,ジエチレングリコール,1,3-プロパンジオール,1,2-ブタンジオール,1,3-ブタンジオール,1,4-ブタンジオール,1,5-ペンタンジオール,ネオペンチルグリコール,1,6-ヘキサンジオール,3-メチル-1,5-ペンタンジオール,1,4-ビス(β-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン,1,9-ノナンジオール,スピログリコール等のジオール類;エチレンジアミン,テトラメチレンジアミン,ヘキサメチレンジアミン,ノナメチレンジアミン,ヒドラジン,キシリレンジアミン,イソホロンジアミン,ピペラジン等のジアミン類などが挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、1,4-ブタンジオールおよび/または1,9-ノナンジオールがとくに好ましい。
ポリウレタン原料の各成分の配合割合は研磨層に付与すべき特性などを考慮して適宜調整されるが、例えば、高分子ジオール及び鎖伸長剤に含まれる活性水素原子1モルに対して、有機ジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が0.95~1.3モル、さらには0.96~1.1モル、とくには0.97~1.05モルとなる割合で各成分を配合することが好ましい。有機ジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が少なすぎる場合には、得られるポリウレタンの機械的強度及び耐摩耗性が低下する傾向がある。また、有機ジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が多すぎる場合には、ポリウレタンの生産性やポリウレタン原料の保存安定性が低下する傾向がある。
ポリウレタン中の、有機ポリイソシアネートのイソシアネート基に由来する窒素原子の割合は、4.5~7.6質量%、さらには5.0~7.4質量%、とくには5.2~7.3質量%であることが、平坦化性や低スクラッチ性にとくに優れる研磨層が得られる点から好ましい。イソシアネート基に由来する窒素原子の割合が低すぎる場合には得られる研磨層の硬度が低くなる傾向がある。
なお、熱可塑性ポリウレタンの熱可塑性とは、押出成形,射出成形,カレンダー成形、3Dプリンタ成形等の加熱工程により溶融して成形可能な特性を意味する。このような、熱可塑性ポリウレタンは、高分子ジオール,有機ジイソシアネート及び鎖伸長剤を含むポリウレタン原料を用い、プレポリマー法やワンショット法などの公知のポリウレタンの製造方法を用いて製造される。とくには、実質的に溶媒の不存在下でポリウレタン原料を溶融混練して溶融重合する方法、さらには、多軸スクリュー型押出機を使用して連続溶融重合する方法が生産性に優れる点から好ましい。
連続溶融重合することにより得られた熱可塑性ポリウレタンは、例えば、ペレット化された後、押出成形法,射出成形法,ブロー成形法,カレンダー成形法などの各種の成形法によりシート状の成形体に成形される。とくには、Tダイを用いた押出成形によれば厚さの均一なシート状の成形体が得られる点から好ましい。得られたシート状の成形体は、裁断、打ち抜き、切削等により所望の寸法に加工したり、研削等により所望の厚さに加工したりして研磨層用シートに仕上げられる。
そして、研磨層用シートの研磨面側に、研削加工や切削加工やレーザー加工により、スラリーを保持するための同心円状,螺旋状,格子状、放射状の溝、又は複数の穴からなるような溝または凹部である第2の溝を形成する。また、研磨層用シートの反研磨面側に、研削加工や切削加工やレーザー加工により、研磨パッドの廃棄時に折り曲げやすくし、また、折り曲げた後に弾性によって元に戻りにくくしたりするための少なくとも1本の第1の溝を形成する。
このようにして、反研磨面に研磨パッドの廃棄時に折り曲げやすくするための第1の溝が形成され、研磨面にスラリーを保持するための第2の溝が形成された研磨層が製造される。
熱可塑性ポリウレタンの研磨層の密度としては、1.0g/cm以上、さらには1.1g/cm以上、とくには、1.2g/cm以上であることが好ましい。熱可塑性ポリウレタンの研磨層の密度が低すぎる場合には、研磨パッドが柔らかくなってローカル平坦性が低下する傾向がある。
また、本実施形態の研磨パッドは、反研磨面にクッション層や支持体層を積層してもよい。クッション層としては、研磨パッドの硬度より低い硬度を有する層であることが好ましい。クッション層の硬度が研磨パッドの硬度よりも低い場合には、被研磨面の局所的な凹凸には硬質の研磨パッドが追従し、被研磨基材全体の反りやうねりに対してはクッション層が追従するためにグローバル平坦性とローカル平坦性とのバランスに優れた研磨が可能になる。
クッション層として用いられる素材の具体例としては、不織布にポリウレタンを含浸させた複合体(例えば、「Suba400」(ニッタ・ハース(株)製));天然ゴム,ニトリルゴム,ポリブタジエンゴム,シリコーンゴム等のゴム;ポリエステル系熱可塑性エラストマー,ポリアミド系熱可塑性エラストマー,フッ素系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー;発泡プラスチック;ポリウレタン等が挙げられる。これらの中では、クッション層として好ましい柔軟性が得られやすい点から、発泡構造を有するポリウレタンがとくに好ましい。
クッション層の厚さは特に限定されないが、例えば0.5~5mm程度であることが好ましい。クッション層が薄すぎる場合には、被研磨面の全体の反りやうねりに対する追従効果が低下してグローバル平坦性が低下する傾向がある。一方、クッション層が厚すぎる場合には、研磨パッド全体が柔らかくなって安定した研磨が難しくなる傾向がある。研磨パッドにクッション層を積層する場合には、研磨パッドの厚さが0.3~5mm程度であることが好ましい。
以上説明した本実施形態の研磨パッドはCMPに好ましく用いられる。次に、本実施形態の研磨パッド10を用いたCMPの一例について説明する。
CMPにおいては、例えば、図4に示すような円形の回転定盤101と、スラリー供給ノズル102と、キャリア103と、図略のパッドコンディショナーとを備えたCMP装置100が用いられる。
研磨パッド10は、回転定盤101の表面に、図略の両面粘着材により貼付けられる。また、キャリア103は被研磨物50を支持する。
CMP装置100においては、回転定盤101は、図略のモータにより、例えば、矢印に示す方向に回転する。また、キャリア103は、被研磨物50の被研磨面を研磨パッド10の研磨面に圧接しながら、図略のモータにより例えば矢印に示す方向に回転する。図略のパッドコンディショナーは、回転定盤101の面内を万遍なく遊動しながら、研磨パッドの研磨面を目立てしてスラリーの保持力を向上させる。パッドコンディショナーとしては、例えば、ダイヤモンド粒子をニッケル電着等により担体表面に固定したパッドコンディショナーが用いられる。
パッドコンディショナーによって表面を目立てした後、被研磨物50の被研磨面の研磨を開始する。研磨においては、回転する研磨パッド10の表面にスラリー供給ノズル102からスラリー60を供給する。スラリーは、例えば、水やオイル等の液状媒体;シリカ,アルミナ,酸化セリウム,酸化ジルコニウム,炭化ケイ素等の研磨剤;塩基,酸,界面活性剤,過酸化水素等の酸化剤,還元剤,グリシン、EDTA等のキレート剤、塩基、酸等のpH調整剤、水溶性ポリマー等の分散剤等を含有している。またCMPを行うに際し、必要に応じ、スラリーと共に、潤滑油、冷却剤などを併用してもよい。そして、研磨面にスラリーが満遍なく行き渡った研磨パッドに、キャリア103に固定されて回転する被研磨物50を押し当てる。そして、所定の平坦度が得られるまで、研磨処理が続けられる。研磨時に作用させる押し付け力や回転定盤とキャリアの相対運動の速度を調整することにより、仕上がり品質が影響を受ける。
研磨条件は特に限定されないが、効率的に研磨を行うためには、回転定盤101及び被研磨物50のそれぞれの回転速度は300rpm以下の低回転が好ましく、研磨パッド10に圧接させるために被研磨物50に掛ける圧力は、研磨後に傷が発生しないようにする点から、150kPa以下とすることが好ましい。また、研磨している間、研磨パッド10には、研磨面にスラリーが満遍なく行き渡るようにスラリーを連続または不連続に供給することが好ましい。
そして所定の平坦度まで研磨された研磨終点を検知することにより、研磨を終了する。そして、研磨終了後の被研磨物を流水でよく洗浄した後、スピンドライヤ等を用いて被研磨物に付着した水滴を払い落として乾燥させる。このようにして被研磨面が平滑な面になる。
このような本実施形態のCMPは、各種半導体デバイス、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の製造プロセスにおける研磨に好ましく用いられる。研磨対象の例としては、例えば、シリコン、炭化ケイ素、窒化ガリウム、ガリウムヒ素、酸化亜鉛、サファイヤ、ゲルマニウム、ダイヤモンドなどの半導体基板;所定の配線を有する配線板に形成されたシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、low-k膜などの絶縁体膜や、銅、アルミニウム、タングステンなどの配線材料;ガラス、水晶、光学基板、ハードディスク等が挙げられる。金属膜として配線パターンやダミーパターン等のパターンが形成されたものを研磨することも可能である。パターンにおけるライン間のピッチは、製品により異なるが、通常は50nm~100μm程度である。本実施形態の研磨パッドは、とくには、半導体基板上に形成された絶縁体膜や配線材料を研磨する用途に好ましく用いられる。
上述したCMPにおいては、研磨パッド10は、研磨面は徐々に摩耗して、研磨レートが低下したり、不安定になったり、スクラッチが発生したりするような寿命を迎える。寿命を迎えたと判定されたとき、研磨パッド10は回転定盤101から剥がされた後、折り曲げられて廃棄される。
具体的には、図5に示すように、使用後の研磨パッド10を第1の溝G1に沿って折り曲げることにより、研磨パッド10が直径に沿って折られてコンパクト化される。なお、回転定盤101から剥がされた後の研磨パッド10の反研磨面側には、回転定盤101に接着されていた両面粘着材が付着している。従って、研磨パッド10を研磨面を上面にして山折りして研磨パッド10を第1の溝に沿って折り曲げた場合、反研磨面側に付着した両面粘着剤同士が対面してそれらを接着させることができる。従って、回転定盤101に接着するための両面粘着材を利用することにより、研磨パッド10を第1の溝に沿って折り曲げて畳んだ状態で接着して固定することができる。このように研磨パッドを折り畳むことにより、研磨パッドを廃棄時にコンパクト化することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[製造例]
数平均分子量850のポリテトラメチレングリコール[略号:PTMG]、1,4-ブタンジオール[略号:BD]、及び4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート[略号:MDI]を、PTMG:BD:MDIの質量比が16.7:20.7:62.6となるような割合で配合し、定量ポンプにより、同軸で回転する2軸押出機に連続的に供給して、熱可塑性ポリウレタンを連続溶融重合した。そして、重合された熱可塑性ポリウレタンの溶融物をストランド状に水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断してペレットを得た。このペレットを70℃で20時間除湿乾燥した後、単軸押出機に供給し、T-ダイから押出して、厚さ2.0mmのシートを成形した。そして、得られたシートの表面を研削して厚さ1.5mmの均一なシートとした後、直径810mmの円形状に切り抜くことにより、研磨層用シートを得た。JIS K 7311に準じて、測定温度25℃の条件で測定した研磨層用シートのD硬度は82であった。また、研磨層用シートの曲げ弾性率は25400MPaであった。なお、曲げ弾性率はJIS K7203 1982の測定方法に準拠し、Instron社「万能材料試験機3365」を用いて測定した。
[実施例1]
製造例1で得られた、厚さ1.5mm、直径810mmの円形の研磨層用シートの一面である反研磨面に、直径に重なるように、長さ750mm、幅0.5mm,深さ0.3mmであって両端が外周に到達しない、線分状の第1の溝を切削加工で形成した。第1の溝の各端部の研磨層用シートの外周までの距離は何れも30mmであり、このとき、第1の溝は、円形の外周の弦である直径の93%に重なっていた。また、第1の溝は研磨層の厚さの20%であった。なお、深溝の断面形状は長方形である。
そして、研磨層の研磨面に、幅0.9mm,深さ1.0mmで溝ピッチ6.5mmの複数の同心円からなる同心円状の第2の溝を切削加工で形成した。第2の溝の断面形状も長方形である。このようにして、反研磨面に研磨パッドの廃棄時に折り曲げやすくするための線分状の第1の溝が形成され、研磨面にスラリーを保持するための第2の溝が形成された研磨層を製造した。
そして、研磨層の反研磨面にクッション層を両面粘着シートで貼り合わせて複層型の研磨パッドを作成した。クッション層としては、厚さ0.8mmの発泡ポリウレタン製シートである(株)イノアックコーポレーション製「ポロンH48」を用いた。そして、得られた研磨パッドの研磨特性を次の評価方法により評価した。
[研磨速度及び研磨均一性]
研磨パッドを、Strasbaugh社製研磨装置「nHance 6EG」の回転定盤上に配置した。そして、旭ダイヤモンド工業(株)製のダイヤモンドドレッサー(ダイヤ番手#100)を用いて、研磨パッドの研磨面に超純水を200mL/分の速度で流しながらドレッサー回転数100rpm、研磨パッド回転数50rpm、ドレッサー荷重40Nの条件で、60分間研磨面のコンディショニングを行った。
そして、研磨パッドをコンディショニングした後、研磨パッド回転数95rpm、ウェハ回転数96rpm、研磨圧力210hPa、リテーナーリング圧力280hPaの条件において、研磨パッドの研磨面にスラリーを200mL/分の速度で供給しながら、膜厚が1000nmでパターンのないSiO2膜を表面に有する直径12インチのシリコンウェハを60秒間研磨した。なお、スラリーとしては、キャボットマイクロエレクトロニクス社製Semi-Sperse25、超純水を1:1の比率で混合したものを用いた。
その後、研磨パッドの研磨面に超純水を200mL/分の速度で流しながらドレッサー回転数100rpm、研磨パッド回転数50rpm、ドレッサー荷重40Nにて30秒間コンディショニングを行った。
その後、シリコンウェハを交換して上述のような研磨及びコンディショニングを交互に繰り返した。このようにして計10枚のシリコンウェハを研磨した。
そして、10枚目に研磨したシリコンウェハについて、研磨前および研磨後のSiO2膜の膜厚をウェハ面内で各81点測定し、各点での研磨速度を求めた。なお、81点の研磨速度の平均値を研磨速度とした。
また、研磨均一性は、
〔不均一性(%)=(σ/R)×100〕の式によって算出した不均一性により評価した。不均一性の値が小さいほど、シリコンウェハ面内でSiO2膜が均一に研磨されており研磨均一性が優れている。
そして、上述した研磨を複数回繰り返し、寿命を迎えた研磨パッドを回転定盤から剥がした。そして、人の手によって、使用後の研磨パッドを第1の溝に沿って折り曲げて、回転定盤に接着していた両面粘着材を利用して研磨パッドを第1の溝に沿って折り曲げて畳んだ状態で接着して固定した。このようにして廃棄される研磨パッドをコンパクト化した。このときの折り曲げやすさを以下の基準で判定した。また、廃棄時の研磨パッドにおけるクッション層の接着性を次の基準で判定した。
[折り曲げやすさ]
A:平均的な体力を有する成人男性が時間を要することなく容易に折り曲げられた。また、クッション層側の接着層で貼り合わせたとき、それを維持することができた。
B:平均的な体力を有する成人男性が時間を要することなく容易に折り曲げられた。また、クッション層側の接着層で貼りあわせたとき、3分間程度は貼り合せられていたが、5分後には反発して剥がれた。
C:平均的な体力を有する成人男性が時間を要することなく容易に折り曲げてクッション層を合わせることが困難であった。また、クッション層側の接着層で貼りあわせても1分間以内に反発して剥がれた。
[クッション層の接着性]
A:再接着することができた。
B:一部粘着力を失い、再接着が困難であった。
結果を下記表1に示す。
Figure 0007253475000001
[実施例2~実施例5、比較例2~5]
製造例1で得られた、厚さ1.5mm、直径810mmの円形の研磨層用シートの一面である反研磨面に、直径に重なるように、表1に示した寸法の両端が外周に到達しない、線分状の第1の溝を切削加工で形成した以外は実施例1と同様にして研磨層及び研磨パッドを製造し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1及び実施例2において、第1の溝を形成しなかった以外は実施例1と同様にして研磨層及び研磨パッドを製造し、評価した。そして、上述した研磨を複数回繰り返し、寿命を迎えた研磨パッドを回転定盤から剥がした。そして、人の手によって、使用後の研磨パッドを第1の溝に沿って折り曲げて、回転定盤に接着していた両面粘着材を利用して研磨パッドを第1の溝に沿って折り曲げて畳んだ状態で接着して固定した。このようにして廃棄される研磨パッドをコンパクト化した。このとき、研磨パッドを折り曲げることが難しく、長い時間を要し、折り曲げることが困難であった。結果を表1に示す。
表1を参照すれば、実施例1~実施例5で得られた研磨パッドは何れも研磨特性、折り曲げ性、クッション層の接着性に優れていた。一方、第1の溝を形成しなかった比較例1で得られた研磨パッドは廃棄時に折り曲げることが困難であった。また、第1の溝の深さが研磨層の厚さの5%未満である比較例2で得られた研磨パッドも廃棄時に折り曲げることが困難であった。また、第1の溝の深さが研磨層の厚さの30%を超える比較例3で得られた研磨パッドは、研磨特性が低かった。また、外周までの距離が0mmであり両端が外周に到達する第1の溝が形成された比較例4で得られた研磨パッドは、外周から第1の溝にスラリーが侵入してクッション層の接着性を低下させた。さらに、外周までの距離が202.5mmであり、弦との重なりが50%である第1の溝が形成された比較例5で得られた研磨パッド研磨パッドも廃棄時に折り曲げることが困難であった。
1,11,21研磨層
2 クッション層
3 両面粘着材
10,20,30 研磨パッド
50 被研磨物
60 スラリー
100 CMP装置
101 回転定盤
102 スラリー供給ノズル
103 キャリア
G1,G11,G12,G21,G22 第1の溝
G2 第2の溝
P 研磨面
R 反研磨面
T1,T2,T11,T12,T13,T14,T21,T22,T23,T24 第1の溝の端

Claims (9)

  1. 被研磨物を研磨する研磨面を有する円形の研磨層を少なくとも備え、
    前記研磨層の前記研磨面に対して反対面になる反研磨面に、第1の溝を少なくとも1本有し、
    前記第1の溝は、前記円形の外周の直径に対する55~100%の長さを有する弦に重なり、且つ、両が前記外周に到達しない、前記弦の長さの60~95%の長さを有し、且つ、深さが前記研磨層の厚さの5~30%であることを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記弦は前記円形の直径である請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記第1の溝は、前記反研磨面に積層された両面粘着材に覆われて閉じられている請求項1または2に記載の研磨パッド。
  4. 前記反研磨面に積層された前記両面粘着材によってクッション層がさらに積層されている請求項3に記載の研磨パッド。
  5. 前記研磨面にスラリーを保持するための第2の溝をさらに有し、
    前記第2の溝と前記第1の溝を2次元の面に投影したときに、それらが重なる部分を有する請求項1~4の何れか1項に記載の研磨パッド。
  6. 前記第1の溝の深さをD1(mm)、前記第2の溝の深さをD2(mm)、及び前記研磨層の厚さをT(mm)とした場合、D1<T-D2を満たす請求項5に記載の研磨パッド。
  7. 前記研磨層の曲げ弾性率が10000~40000MPaである請求項1~6の何れか1項に記載の研磨パッド。
  8. 請求項1~7の何れか1項に記載の研磨層を少なくとも備える研磨パッドをコンパクト化する方法であって、
    前記第1の溝に沿って折り曲げて畳んでコンパクト化する工程を備える、研磨パッドをコンパクト化する方法。
  9. 前記コンパクト化する工程の後、研磨装置の回転定盤に接着するために予め接着されていた両面粘着材で前記研磨パッドを畳んだ状態で接着して固定する工程をさらに備える、請求項8に記載の、研磨パッドをコンパクト化する方法。
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