JP7097171B2 - 研磨パッド - Google Patents

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Description

本発明は、新規な研磨パッドに関する。
半導体ウェハを鏡面加工したり、半導体デバイスの絶縁膜や導電体膜の表面を平坦化したりするために用いられる研磨方法として、化学的機械的研磨(CMP)が知られている。CMPは、ウェハ等の被研磨材の表面を、砥粒及び反応液を含むスラリーの存在下で研磨パッドで研磨する方法である。
半導体デバイスには集積回路が高集積化及び多層配線化されている。半導体デバイスの平坦化加工に用いられる研磨パッドには、より高い平坦化性能が求められている。平坦化性能の高い研磨パッドは、研磨するべき部分の研磨速度が高く、研磨するべきではない部分の研磨速度が低い。
近年、半導体デバイスのさらなる高集積化及び多層配線化に伴い、高い平坦化性能を有する高硬度の研磨パッドが求められている。例えば、下記特許文献1は、熱可塑性ポリウレタン成形体を研磨層として備える研磨パッドを開示する。高硬度の熱可塑性ポリウレタン成形体を製造するためには、熱可塑性ポリウレタンを高分子量化することが求められる。しかし、高分子量の熱可塑性ポリウレタンは溶融粘度が高くなるために、成形性が低下するという問題があった。熱可塑性ポリウレタンの成形性を向上させるために、ポリウレタンの単量体の組成を調整したり、ポリウレタンの分子量を低下させたりした場合、硬度が低下して平坦化性能や、寿命の指標となる耐摩耗性が低下するという問題があった。
ところで、下記特許文献2は、熱可塑性樹脂の高重合度化による機械的特性の向上と成形時の流動性の向上という相反する性質の両立を図ることを目的とした鎖状熱可塑性樹脂を開示する。具体的には、共役ジエン構造とジエノフィル構造とをディールスアルダー反応させることによって得られる構造を含む鎖状熱可塑性樹脂を開示する。そして、鎖状熱可塑性樹脂の基本骨格として、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリスチレン、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミドなどの熱可塑性を有する樹脂およびこれらの共重合体を開示する。
また、下記特許文献3は、温度変化により架橋構造の形成と崩壊を可逆的に起こすことができ、耐熱性に優れ、コールドフロー性が低く、リサイクル容易なエラストマーとして、共役ジエン構造とジエノフィル構造からディールスアルダー反応によって形成される架橋構造を有するエラストマーを開示する。
また、従来、研磨パッドとしては、ポリウレタンを含浸させた不織布を含む、不織布タイプの研磨パッドも知られている。不織布タイプの研磨パッドは柔軟であるために被研磨材との接触性が良いという長所がある。また、不織布に空隙を有するためにスラリーの保持性が良い。しかし、不織布タイプの研磨パッドは、耐摩耗性が低いために寿命が短くなりやすいという短所があった。
特開2014-038916号公報 特開2003-286347号公報 特開2000-1529号公報
本発明は、生産性と耐摩耗性とに優れた研磨層を含む研磨パッドを提供することを目的とする。
本発明の一局面は、研磨層を含む研磨パッドであって、研磨層は、共役ジエン部位とジエノフィル部位とを一分子内に有するポリウレタン、または共役ジエン部位とジエノフィル部位とを互いに異なる分子内にそれぞれ有するポリウレタン、の少なくとも何れか一方を含む、熱可塑性ポリウレタンの成形体を含み、熱可塑性ポリウレタン中の、共役ジエン部位を含む単位とジエノフィル部位を含む単位とのモル比(共役ジエン部位/ジエノフィル部位)が0.2~5であり、共役ジエン部位を含む単位とジエノフィル部位を含む単位の総量が、0.02~0.3mmol/gである、研磨パッドである。このような研磨パッドは、生産性と耐摩耗性とに優れる。熱可塑性ポリウレタンの成形体である研磨層を含むことにより、成形性に優れるとともに、成形後に高分子量化することにより高い耐摩耗性を発現する。
上記ポリウレタンは、(a)共役ジエン部位を含む単位とジエノフィル部位を含む単位と鎖伸長剤単位と高分子ポリオール単位と有機ポリイソシアネート単位とを含むポリウレタン、または、(b)共役ジエン部位を含む単位と鎖伸長剤単位と高分子ポリオール単位と有機ポリイソシアネート単位とを含む第1のポリウレタンと、ジエノフィル部位を含む単位と鎖伸長剤単位と高分子ポリオール単位と有機ポリイソシアネート単位とを含む第2のポリウレタンとの混合物、の少なくとも何れか一方を含むポリウレタンであることが好ましい。
このようなポリウレタンは、共役ジエン部位を含む単位に含まれる共役ジエン部位とジエノフィル部位を含む単位に含まれるジエノフィル部位とがディールスアルダー反応することにより共有結合を形成して高分子量化する。そして、形成された共有結合は、高温に加熱することにより可逆的に解離する。このような共有結合を形成することにより、成形する際に加熱により共有結合が解離されて低分子量化して低粘度化するために高い流動性を発現する。また、成形後においては、共有結合を再生させることによりポリウレタンが高分子量化して、耐摩耗性が向上する。
共役ジエン部位を含む単位及びジエノフィル部位を含む単位は、各ポリウレタン主鎖の末端に存在することが、ポリウレタンの重合の際には分子量が高くなりすぎず、また、ディールスアルダー反応の反応性に優れる点から好ましい。
共役ジエン部位を含む単位に含まれる好ましい共役ジエン部位としては、例えば、1,3-ブタジエン骨格,フラン環,及びイミダゾール環等が挙げられる。また、ジエノフィル部位を含む単位に含まれる好ましいジエノフィル部位としては、例えば、マレイミド基,アクリロイル基及びビニルケトン基等が挙げられる。
また、有機ポリイソシアネート単位に由来する窒素原子の含有割合が5~8質量%である場合には、研磨パッドの研磨層の素材として用いる場合に、平坦化性能にとくに優れる研磨層が得られる点から好ましい。
また、本発明の他の一局面は、研磨層を含む研磨パッドであって、研磨層は、共役ジエン部位とジエノフィル部位とを一分子内に有するポリウレタン、または共役ジエン部位とジエノフィル部位とを互いに異なる分子内にそれぞれ有するポリウレタン、の少なくとも何れか一方を含む、熱可塑性ポリウレタン、を含む成形材料を成形して得られ、熱可塑性ポリウレタン中の、共役ジエン部位を含む単位とジエノフィル部位を含む単位とのモル比(共役ジエン部位/ジエノフィル部位)が0.2~5であり、共役ジエン部位を含む単位とジエノフィル部位を含む単位の総量が、0.02~0.3mmol/gであり、共役ジエン部位とジエノフィル部位とをディールスアルダー反応させて形成される共有結合を有する、上記成形材料の成形体を含む、研磨パッドである。このような研磨パッドは、耐摩耗性に優れる。
また、本発明の他の一局面は、研磨層を含む研磨パッドであって、研磨層は不織布と、不織布の内部に含まれるポリウレタンを含み、ポリウレタンは、共役ジエン部位とジエノフィル部位とを一分子内に有するポリウレタン、または共役ジエン部位とジエノフィル部位とを互いに異なる分子内にそれぞれ有するポリウレタン、の少なくとも何れか一方を含み、共役ジエン部位を含む単位とジエノフィル部位を含む単位とのモル比(共役ジエン部位/ジエノフィル部位)が0.2~5であり、共役ジエン部位を含む単位とジエノフィル部位を含む単位の総量が、0.02~0.3mmol/gである、研磨パッドである。このような研磨層を備える場合には、ポリウレタンの不織布の内部の空隙への含浸性に優れるとともに、加熱して共役ジエン部位とジエノフィル部位とを共有結合させてポリウレタンを高分子量化させることにより、高い耐摩耗性及び研磨速度を発現する点から好ましい。
本発明によれば、生産性と耐摩耗性とに優れた研磨層を含む研磨パッドを提供することができる。
図1は、ポリウレタンに含まれる共役ジエン部位とジエノフィル部位とがディールスアルダー反応して可逆的な反応により共有結合の生成により高分子量化、または解離により低分子量化する様子を説明するための説明図である。 図2は、研磨パッドを用いた研磨方法を説明するための説明図である。
はじめに、本発明に係る一実施形態のポリウレタンについて詳しく説明する。本実施形態のポリウレタンは、(a)共役ジエン部位を含む単位とジエノフィル部位を含む単位と鎖伸長剤単位と高分子ポリオール単位と有機ポリイソシアネート単位とを含むポリウレタン、または、(b)共役ジエン部位を含む単位と鎖伸長剤単位と高分子ポリオール単位と有機ポリイソシアネート単位とを含む第1のポリウレタンと、ジエノフィル部位を含む単位と鎖伸長剤単位と高分子ポリオール単位と有機ポリイソシアネート単位とを含む第2のポリウレタンとの混合物、の少なくとも何れか一方を含む。
図1は、本実施形態のポリウレタンPUの主鎖の末端の、共役ジエン部位を含む単位に含まれる共役ジエン部位dnと、ジエノフィル部位dpとのディールスアルダー反応を説明する説明図である。ディールスアルダー反応は、可逆的な反応である。具体的には、図1の(a)に示すように、ディールスアルダー反応前のポリウレタンPUを、適温(例えば40℃以上)で加熱する熱処理により、異なるポリウレタンPUの分子間で共役ジエン部位dnとジエノフィル部位dpがディールスアルダー反応し、(b)に示すような共有結合を形成して高分子量化する。また、(b)に示した共有結合を形成したポリウレタンは、さらに適温(例えば140℃以上)で加熱する熱処理により、形成された共有結合が解離して低分子量化する。また、解離した共役ジエン部位dnとジエノフィル部位dpとは、冷却されることにより共有結合を形成して高分子量化する。
本実施形態のポリウレタンは、ポリウレタンに含まれる共役ジエン部位とジエノフィル部位とをディールスアルダー反応させて共有結合を形成させることにより高分子量化する。そして、ポリウレタンが高分子量化することにより、耐摩耗性や機械的特性が向上する。また、成形する際に加熱されることにより、形成された共有結合が解離して低分子量化することにより、低粘度化して高い流動性を発現する。また、成形後には、共有結合が再生されてポリウレタンが高分子量化する。
なお、ディールスアルダー反応は、酸素原子,窒素原子,硫黄原子等のヘテロ原子を含まない共役ジエン部位またはジエノフィル部位の反応である狭義のディールスアルダー反応のみならず、酸素原子,窒素原子,硫黄原子等のヘテロ原子を含む共役ジエン部位またはジエノフィル部位の反応であるヘテロディールスアルダー反応も含む。
ポリウレタン(a)は、共役ジエン部位と活性水素を有する化合物と、ジエノフィル部位と活性水素を有する化合物と、鎖伸長剤と、高分子ポリオールと、有機ポリイソシアネート化合物とを、単量体として反応させることにより得られる。また、ポリウレタン(b)に含まれる第1のポリウレタンは、共役ジエン部位と活性水素を有する化合物と、鎖伸長剤と、高分子ポリオールと、有機ポリイソシアネート化合物とを、単量体として反応させることにより得られる。また、ポリウレタン(b)に含まれる第2のポリウレタンは、ジエノフィル部位と活性水素を有する化合物と、鎖伸長剤と、高分子ポリオールと、有機ポリイソシアネート化合物とを、単量体として反応させることにより得られる。
ここで、共役ジエン部位を含む単位とは共役ジエン部位と活性水素を有する化合物に由来する単位、ジエノフィル部位を含む単位とはジエノフィル部位と活性水素を有する化合物に由来する単位、鎖伸長剤単位とは鎖伸長剤に由来する単位、高分子ポリオール単位とは高分子ポリオールに由来する単位、有機ポリイソシアネート単位とは有機ポリイソシアネート化合物に由来する単位、をそれぞれ意味する。
共役ジエン部位と活性水素を有する化合物は、共役ジエン部位と、少なくとも1つの活性水素を有する官能基を有する化合物である。
共役ジエン部位としては、1,3-ブタジエン骨格等の脂肪族炭化水素骨格;アントラニル環等の芳香族炭化水素骨格;シクロペンタジエンやジシクロペンタジエン等の環式ジエン;イミダゾール環,フラン環,トリアジン環,チオフェン環,ピロール環等の複素環骨格、等が例示できる。これらの中では、1,3-ブタジエン骨格,フラン環,イミダゾール環が、反応性に優れるとともに、成形性と耐摩耗性とを両立しやすい点から好ましい。また、活性水素を有する官能基としては水酸基や1級アミノ基や2級アミノ基が挙げられる。また、活性水素を有する官能基の数は、1~2個、とくには、1個であることが、ポリウレタンの主鎖の末端に共役ジエン部位が導入されることにより、ポリウレタンの重合の際に分子量が高くなりすぎず、ディールスアルダー反応の反応性に優れる点から好ましい。
共役ジエン部位と活性水素を有する化合物の具体例としては、例えば、2,4-ヘキサジエン-1-オール,2-(ヒドロキシメチル)アントラセン,2-ヒドロキシメチル-1-メチルイミダゾール,1-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾール,4(5)-(ヒドロキシメチル)イミダゾール,1-(3-アミノプロピル)イミダゾール,フルフリルアルコール,2,5-フランジオール,フルフリルアミン,5-メチルフルフリルアミン等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、2,4-ヘキサジエン-1-オール,1-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾール,フルフリルアルコール,フルフリルアミン等の活性水素を有する官能基を1個含む化合物が、ポリウレタンの重合の際に分子量が高くなりすぎず、ディールスアルダー反応の反応性に優れる点から好ましい。
また、ジエノフィル部位と活性水素を有する化合物は、ジエノフィル部位と、少なくとも1つの活性水素を有する官能基とを有する化合物である。
ジエノフィル部位としては、カルボニル基やシアノ基、ニトロ基等の電子吸引基に隣接した二重結合であることが、ディールスアルダー反応の反応性に優れる点から好ましい。ジエノフィル部位の具体例としては、例えば、マレイミド基,ビニルケトン基,アクリロイル基,ベンゾキノン骨格等が挙げられる。また、活性水素を有する官能基としては水酸基や1級アミノ基や2級アミノ基が挙げられる。また、活性水素を有する官能基の数は、1~2個、とくには、1個であることが、ポリウレタンの主鎖の末端に共役ジエン部位が導入されることにより、ポリウレタンの重合の際に分子量が高くなりすぎず、ディールスアルダー反応の反応性に優れる点から好ましい。
ジエノフィル部位と活性水素を有する化合物の具体例としては、例えば、N-(2-ヒドロキシエチル)マレイミド,N-(2-アミノエチル)マレイミド,N-(4-アミノフェニル)マレイミド,ヒドロキシメチルビニルケトン,アクリル酸2-ヒドロキシエチル,アクリル酸4-ヒドロキシブチル等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、鎖伸長剤としては、共役ジエン部位及びジエノフィル部位を含まない、従来ポリウレタンの製造に用いられている、水酸基やアミノ基のような活性水素を有する官能基を2個有する低分子化合物が挙げられる。鎖伸長剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール,ジエチレングリコール,1,2-プロパンジオール,1,3-プロパンジオール,1,2-ブタンジオール,1,3-ブタンジオール,2,3-ブタンジオール,1,4-ブタンジオール,1,5-ペンタンジオール,ネオペンチルグリコール,1,6-ヘキサンジオール,3-メチル-1,5-ペンタンジオール,1,4-ビス(β-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン,1,4-シクロヘキサンジオール,シクロヘキサンジメタノール(1,4-シクロヘキサンジメタノール等),ビス(β-ヒドロキシエチル)テレフタレート,1,9-ノナンジオール,スピログリコール等のジオール類;エチレンジアミン,トリメチレンジアミン,テトラメチレンジアミン,ヘキサメチレンジアミン,オクタメチレンジアミン,ノナメチレンジアミン,ヒドラジン,キシリレンジアミン,イソホロンジアミン,ピペラジン,o-フェニレンジアミン,m-フェニレンジアミン,p-フェニレンジアミン,アジピン酸ジヒドラジド,イソフタル酸ジヒドラジド,4,4’-ジアミノジフェニルメタン,4,4’-ジアミノジフェニルエーテル等のジアミン類等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組合せて用いてもよい。これらの中では、1,4-ブタンジオール,ネオペンチルグリコール,1,5-ペンタンジオール,1,6-ヘキサンジオール,3-メチル-1,5-ペンタンジオール等の水酸基を2個有する化合物が好ましい。
また、高分子ポリオールとしては、従来ポリウレタンの製造に用いられている高分子ポリオールが特に限定なく用いられる。その具体例としては、例えば、ポリ(エチレングリコール),ポリ(プロピレングリコール),ポリ(テトラメチレングリコール),ポリ(メチルテトラメチレングリコール)等のポリエーテルジオール;ポリブチレンアジペート,ポリカプロラクトン,ポリ(3-メチル-1,5-ペンタメチレンアジペート)等のポリエステルジオール;ポリヘキサメチレンカーボネートジオール等のポリカーボネートジオール等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組合せて用いてもよい。これらの中では、ポリエーテルジオールやポリエステルジオール、とくにはポリエーテルジオールが好ましい。
高分子ポリオールの数平均分子量は、500~3000、さらには550~2500、とくには600~2000であることが、硬度や引張弾性率等の機械的特性に優れ、研磨パッドの研磨層として用いた場合に、平坦化性能が高くなる傾向がある。高分子ポリオールの数平均分子量は、JIS K 1557に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した値である。
また、有機ポリイソシアネート化合物としては、従来ポリウレタンの製造に用いられている有機ポリイソシアネート化合物が特に限定なく用いられる。その具体例としては、例えばエチレンジイソシアネート,テトラメチレンジイソシアネート,ペンタメチレンジイソシアネート,ヘキサメチレンジイソシアネート,2,2,4-又は2,4,4'-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート,ドデカメチレンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネート,イソプロピリデンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート),1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン4,4'-ジイソシアナート,リジンジイソシアネート,2,6-ジイソシアナトメチルカプロエート,ビス(2-イソシアナトエチル)フマレート,ビス(2-イソシアナトエチル)カーボネート,2-イソシアナトエチル-2,6-ジイソシアナトヘキサノエート,シクロヘキシレンジイソシアネート,メチルシクロヘキシレンジイソシアネート,1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート;2,4'-又は4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート,2,4-又は2,6-トリレンジイソシアネート,m-又はp-フェニレンジイソシアネート,m-又はp-キシリレンジイソシアネート,1,5-ナフチレンジイソシアネート,4,4'-ジイソシアナトビフェニル,3,3-ジメチル-4,4'-ジイソシアナトビフェニル,3,3-ジメチル-4,4'-ジイソシアナトジフェニルメタン,クロロフェニレン-2,4-ジイソシアネート,テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート,2,4-トリレンジイソシアネート,2,6-トリレンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネート,1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン,ジシクロヘキシルメタン4,4'-ジイソシアナートから選ばれる少なくとも1種、とくには、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートが耐摩耗性にとくに優れるポリウレタンが得られやすい点から好ましい。
ポリウレタン(a)は、共役ジエン部位と活性水素を有する化合物と、ジエノフィル部位と活性水素を有する化合物と、鎖伸長剤と、高分子ポリオールと、有機ポリイソシアネート化合物とを、単量体として反応させることにより得られる。また、ポリウレタン(b)に含まれる第1のポリウレタンは、共役ジエン部位と活性水素を有する化合物と、鎖伸長剤と、高分子ポリオールと、有機ポリイソシアネート化合物とを、単量体として反応させることにより得られる。また、ポリウレタン(b)に含まれる第2のポリウレタンは、ジエノフィル部位と活性水素を有する化合物と、鎖伸長剤と、高分子ポリオールと、有機ポリイソシアネート化合物とを、単量体として反応させることにより得られる。各成分の配合割合は目的とする特性に応じて適宜調整される。例えば、高分子ジオールと鎖伸長剤とに含まれる活性水素原子1モルに対して、有機ポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基が0.95~1.3モル、さらには0.96~1.10モル、とくには0.97~1.05モルとなる割合で配合することが好ましい。
各ポリウレタンの重合方法は特に限定されず、上述した各成分を単量体として、プレポリマー法やワンショット法などの公知の溶融重合方法や溶液重合方法などにより重合させることができる。溶融重合方法としては、例えば、実質的に溶媒の不存在下で、単量体として用いる各成分の混合物を、所定の比率で溶融混練して重合させることにより製造することができる。溶融混練としては、例えば、多軸スクリュー型押出機を使用して連続溶融重合する方法が挙げられる。また、溶液重合方法としては、例えば、有機溶媒中でこれらの単量体の混合物を、所定の比率で混合して重合させることにより製造することができる。
ポリウレタンに含まれる共役ジエン部位を含む単位とジエノフィル部位を含む単位とのモル比(共役ジエン部位のモル数/ジエノフィル部位のモル数)は、0.2~5であり、0.3~3、とくには0.5~2であることが、ディールスアルダー反応によってポリウレタンが高分子量化しやすく、それにより耐摩耗性や機械的特性が向上しやすい点から好ましい。共役ジエン部位とジエノフィル部位とのモル比が低すぎたり高すぎたりする場合には、成形性及び耐摩耗性と、研磨層として用いる場合の平坦化性能とを両立しにくくなる傾向がある。
また、ポリウレタンに含まれる共役ジエン部位を含む単位とジエノフィル部位を含む単位との総量は、0.02~0.3mmol/gであり、0.03~0.2mmol/g、とくには0.05~0.15mmol/gであることが、成形性と耐摩耗性とを両立しやすい点から好ましい。共役ジエン部位を含む単位とジエノフィル部位を含む単位との総量が低すぎたり高すぎたりする場合には、ディールスアルダー反応による高分子量化による効果が小さくなる傾向がある。なお、ポリウレタンに含まれる共役ジエン部位を含む単位とジエノフィル部位を含む単位との総量は、ポリウレタンの単位質量当たりのそれぞれのモル数を求め、その和として算出される。
また、ポリウレタンのポリイソシアネート化合物に由来する窒素含有割合は、5~8質量%、さらには5.3~7.7質量%、とくには5.6~7.4質量%であることが、研磨パッドの研磨層の素材として用いた場合に、平坦化性能にとくに優れる研磨層が得られる点から好ましい。
ポリウレタンは熱可塑性ポリウレタンであっても熱硬化性ポリウレタンであってもよい。なお、熱可塑性とは、押出成形,射出成形,カレンダー成形、3Dプリンタ成形等の加熱溶融させる工程を経る成形方法により成形できる特性を意味する。熱可塑性ポリウレタンの成形体は、熱可塑性ポリウレタンを上述した各種成形方法により成形して得られる。研磨パッドの研磨層のようなシート状の成形体を製造する場合には、Tダイを用いた押出成形を採用することが、均一な厚さのシート状の成形体が容易に得られる点から好ましい。
本実施形態のポリウレタンは、ポリウレタンの重合時に共役ジエン部位とジエノフィル部位とがディールスアルダー反応して形成された共有結合を有する。この共有結合は、成形時に加熱されることにより、逆ディールスアルダー反応して解離する。その結果、成形時にはポリウレタンが適度に低分子量化することにより成形性を向上させる。また、成形後に共役ジエン部位とジエノフィル部位がディールスアルダー反応して共有結合を形成することによりポリウレタンが高分子量化する。それにより耐摩耗性が向上し、研磨層の素材として用いた場合には、平坦化性能を向上させる。
成形後のポリウレタン成形体をさらに適温で熱処理することにより、ディールスアルダー反応を促進することができる。熱処理条件としては、50~130℃、さらには60~120℃の温度で、1~24時間程度熱処理することがディールスアルダー反応を充分に促進することができる点から好ましい。
成形後のポリウレタン成形体を熱処理することによる共役ジエン部位とジエノフィル部位とのディールスアルダー反応が起こりやすい点から、共役ジエン部位とジエノフィル部位は、ポリウレタンの主鎖の末端にあることが好ましい。
本実施形態のポリウレタンは、成形性と耐摩耗性とに優れる特性を活かした各種用途に用いられうる。とくには、半導体ウェハ,半導体デバイス,シリコンウェハ,ハードディスク,ガラス基板,光学製品,または,各種金属等を研磨するための研磨パッドの研磨層を製造するための素材として好ましく用いられる。
本実施形態のポリウレタンは、非発泡体または発泡体の熱可塑性ポリウレタン成形体を研磨層として備える研磨パッド,不織布の内部空隙にポリウレタンを含ませた不織布タイプの研磨層、注型発泡硬化することによって製造されるポリウレタン発泡体を主体とする研磨層等、種々のタイプの研磨層のポリウレタン材料として用いられる。また、ポリウレタンとしては熱可塑性ポリウレタンでも熱硬化性ポリウレタンであってもよい。これらの中では、連続溶融重合により連続生産可能であり、シート成形性にも優れる点からは、熱可塑性ポリウレタン成形体の研磨層が好ましい。また、研磨特性が変動しにくく安定した研磨が実現できる点から非発泡体の熱可塑性ポリウレタン成形体の研磨層がとくに好ましい。例えば、注型発泡硬化することによって製造されるポリウレタン発泡体を用いた研磨層の場合には、発泡構造がばらつくことにより、平坦性や平坦化効率等の研磨特性が変動しやすくなる傾向があり、また、平坦性を向上させるための高硬度化が難しくなる傾向がある。
ポリウレタンを不織布の内部空隙に含む不織布タイプの研磨層を製造する方法としては、溶液重合により製造されたポリウレタン溶液、または溶融重合により製造されたポリウレタンをジメチルホルムアミド (DMF)等の有機溶剤に溶解させたポリウレタン溶液を不織布に含浸し、湿式凝固または乾式凝固により不織布の内部空隙にポリウレタンを含有させるような方法が挙げられる。とくには、ポリウレタン溶液を不織布に含浸させた後、ポリウレタンを湿式凝固させることが、不織布中に微細な発泡構造を有するポリウレタンを均一に付与することができる点から好ましい。なお、本実施形態のポリウレタンは、溶液中では低分子量化して低い溶液粘度となるために、繊維密度の高い不織布に対しても内部までポリウレタン溶液を均一に浸透させることができる。また、ポリウレタンの凝固後には、熱処理することにより共役ジエン部位とジエノフィル部位とをディールスアルダー反応を促進させることにより、ポリウレタンが高分子量化し、耐摩耗性、研磨速度、及び平坦化性能が向上する。
ディールスアルダー反応を促進するための熱処理条件としては、例えば、60~120℃の温度で1~24時間程度熱処理する条件が挙げられる。
不織布タイプの研磨層に用いられる不織布としては、不織布タイプの研磨層に従来から用いられているものが特に限定なく用いられる。なお、本実施形態のポリウレタンの溶液は、低い溶液粘度になるために、従来内部にまで均一に含浸させることが困難であった、見掛け密度が0.4g/cm以上、さらには、0.5g/cm以上の高密度の不織布であっても、内部までポリウレタン溶液を均一に浸透させることができる。
不織布タイプの研磨層における、不織布とポリウレタンとの質量比は特に限定されないが、不織布/ポリウレタンが、50/50~90/10であることが研磨速度及び耐摩耗性に優れる点から好ましい。また、不織布タイプの研磨層の見掛け密度も特に限定されないが、0.6~1.2g/cmであることが、研磨速度及び平坦化性能に優れる観点から好ましい。
研磨層は切削,スライス,バフ,打ち抜き加工等により寸法、形状、厚さ等を調整される。研磨層の厚さは特に限定されず、研磨パッドの層構成や用途に応じて適宜調整されるが、具体的には、例えば、0.8~3.0mm、さらには1.0~2.5mm、とくには1.2~2.0mmであることが好ましい。また、研磨層の研磨面には、研削加工やレーザー加工により、同心円状の所定のパターンで溝や穴のような凹部が形成されることが好ましい。このような凹部は、研磨面にスラリーを均一かつ充分に供給するとともに、スクラッチ発生の原因となる研磨屑の排出や、研磨層の吸着によるウェハ破損の防止に役立つ。例えば同心円状に溝を形成する場合、溝間の間隔としては、1.0~50mm、さらには1.5~30mm、とくには2.0~15mm程度であることが好ましい。また、溝の幅としては、0.1~3.0mm、さらには0.2~2.0mm程度であることが好ましい。また、溝の深さとしては、0.2~1.8mm、さらには0.4~1.5mm程度であることが好ましい。また、溝の断面形状としては、例えば、長方形,台形,三角形,半円形等の形状が目的に応じて適宜選択される。
研磨パッドは、上述したポリウレタンからなる研磨層のみからなるものであっても、必要に応じて研磨層の研磨面ではない側の面にクッション層を積層した積層体であってもよい。クッション層としては、研磨層の硬度より低い硬度を有する層であることが好ましい。クッション層の硬度が研磨層の硬度よりも低い場合には、被研磨面の局所的な凹凸に硬質の研磨層が追従し、被研磨基材全体の反りやうねりに対してはクッション層が追従するためにグローバル平坦性とローカル平坦性とのバランスに優れた研磨が可能になる。
クッション層として用いられる素材の具体例としては、不織布にポリウレタンを含浸させた複合体(例えば、「Suba400」(ニッタ・ハース(株)製));天然ゴム,ニトリルゴム,ポリブタジエンゴム,シリコーンゴム等のゴム;ポリエステル系熱可塑性エラストマー,ポリアミド系熱可塑性エラストマー,フッ素系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー;発泡プラスチック;ポリウレタン等が挙げられる。これらの中では、クッション層として好ましい柔軟性が得られやすい点から、発泡構造を有するポリウレタンがとくに好ましい。
クッション層の厚さは特に限定されないが、例えば0.5~5mm程度であることが好ましい。クッション層が薄すぎる場合には、被研磨面の全体の反りやうねりに対する追従効果が低下してグローバル平坦性が低下する傾向がある。一方、クッション層が厚すぎる場合には、研磨パッド全体が柔らかくなって安定した研磨が難しくなる傾向がある。研磨層にクッション層を積層する場合には、研磨パッドの厚みが0.3~5mm程度であることが好ましい。
次に、上述したような研磨パッドを用いたCMPの一実施形態について説明する。
CMPにおいては、例えば、図2に示す上面視したときに円形の回転定盤2と、スラリー供給ノズル3と、キャリア4と、パッドコンディショナー6とを備えたCMP装置10が用いられる。回転定盤2の表面に上述した研磨層を備えた研磨パッド1を両面テープ等により貼付ける。また、キャリア4は被研磨材5を支持する。
CMP装置10においては、回転定盤2は図略のモータにより矢印に示す方向に回転する。また、キャリア4は、回転定盤2の面内において、図略のモータにより例えば矢印に示す方向に回転する。パッドコンディショナー6も回転定盤2の面内において、図略のモータにより例えば矢印に示す方向に回転する。
はじめに、回転定盤2に固定されて回転する研磨パッド1の研磨面に蒸留水を流しながらに、例えば、ダイアモンド粒子をニッケル電着等により担体表面に固定したCMP用のパッドコンディショナー6を押し当てて、研磨パッド1の研磨面のコンディショニングを行う。コンディショニングにより、研磨面を被研磨面の研磨に好適な表面粗さに調整する。次に、回転する研磨パッド1の研磨面にスラリー供給ノズル3からスラリー7が供給される。またCMPを行うに際し、必要に応じ、スラリーと共に、潤滑油、冷却剤などを併用してもよい。
ここで、スラリーは、例えば、水やオイル等の液状媒体;シリカ,アルミナ,酸化セリウム,酸化ジルコニウム,炭化ケイ素等の砥粒;塩基,酸,界面活性剤,過酸化水素水等の酸化剤,還元剤,キレート剤等を含有しているCMPに用いられるスラリーが好ましく用いられる。
そして、研磨層の研磨面にスラリー7が満遍なく行き渡った研磨パッド1に、キャリア4に固定されて回転する被研磨材5を押し当てる。そして、所定の平坦度が得られるまで、研磨処理が続けられる。研磨中に作用させる押し付け力や回転定盤2とキャリア4との相対運動の速度を調整することにより、仕上がり品質が影響を受ける。
研磨条件は特に限定されないが、効率的に研磨を行うためには、回転定盤とキャリアのそれぞれの回転速度は300rpm以下の低回転が好ましく、被研磨材にかける圧力は、研磨後に傷が発生しないように150kPa以下とすることが好ましい。研磨している間、研磨面には、スラリーをポンプ等で連続的に供給することが好ましい。スラリーの供給量は特に限定されないが、研磨面が常にスラリーで覆われるように供給することが好ましい。
そして、研磨終了後の被研磨材を流水でよく洗浄した後、スピンドライヤ等を用いて被研磨材に付着した水滴を払い落として乾燥させることが好ましい。このように、被研磨面をスラリーで研磨することによって、被研磨面全面にわたって平滑な面を得ることができる。
このような本実施形態のCMPは、各種半導体装置、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の製造プロセスにおける研磨に好ましく用いられる。研磨対象の例としては、半導体基板上に形成された酸化膜等の絶縁膜の他、銅,アルミニウム,タングステン等の配線用金属膜;タンタル、チタン、窒化タンタル、窒化チタン等のバリアメタル膜、特には、酸化膜等の絶縁膜を研磨するのに好ましく用いられる。金属膜として配線パターンやダミーパターン等のパターンが形成されたものを研磨することも可能である。パターンにおけるライン間のピッチは、製品により異なるが、通常は50nm~100μm程度である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
はじめに、本実施例でポリウレタンの製造に用いた共役ジエン部位と活性水素を有する化合物,ジエノフィル部位と活性水素を有する化合物,有機ポリイソシアネート化合物,高分子ポリオール,鎖伸長剤について、以下にまとめて示す。
〈共役ジエン部位と活性水素を有する化合物〉
・2,4-ヘキサジエン-1-オール (HDO)
・フルフリルアルコール (FUR)
〈ジエノフィル部位と活性水素を有する化合物〉
・N-2-ヒドロキシエチルマレイミド (HEMI)
・アクリル酸4-ヒドロキシブチル (HBA)
・ヒドロキシメチルビニルケトン (HMVK)
〈ポリイソシアネート化合物〉
・4,4‘-ジフェニルメタンジイソシアネート (MDI)
〈高分子ポリオール〉
・数平均分子量600のポリエチレングリコール (PEG600)
・数平均分子量850のポリテトラメチレングリコール (PTG850)
・数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール (PTG2000)
〈鎖伸長剤〉
・1,4-ブタンジオール (BD)
・3-メチル-1,5-ペンタンジオール (MPD)
・トリメチロールプロパン (TMP)
・6-アミノ-1-ヘキサノール (6AH)
[実施例1]
HDO:PEG600:BD:MPD:MDI=1.0:12.8:14.5:8.0:63.7(質量比)の割合で混合した単量体混合物を準備した。そして、定量ポンプで単量体混合物を各ゾーンにおけるシリンダ温度が75~260℃の二軸押出機に連続的に供給して混練しながら連続溶融重合し、二軸押出機から連続的に吐出される溶融状態のポリウレタンのストランドを水中で冷却した後、ペレタイザーで細断することにより熱可塑性を有する第1のポリウレタンのペレットを得た。原料配合比から算出したイソシアネート基に由来する窒素原子含有量は7.1質量%であった。
また、HEMI:PEG600:BD:MPD:MDI=1.4:12.8:14.4:8.0:63.4(質量比)の割合で混合した単量体混合物を準備した。そして、定量ポンプで単量体混合物を各ゾーンにおけるシリンダ温度が75~260℃の二軸押出機に連続的に供給して混練しながら連続溶融重合することにより、ジエノフィル部位を末端に有する第2のポリウレタンを得た。二軸押出機から連続的に吐出される溶融状態のポリウレタンのストランドを水中に連続的に押出して冷却した後、ペレタイザーで細断することにより熱可塑性を有する第2のポリウレタンのペレットを得た。原料配合比から算出したイソシアネート基に由来する窒素原子含有量は7.1質量%であった。
得られた第1のポリウレタン及び第2のポリウレタンのペレットを、第1のポリウレタンと第2のポリウレタンの質量比が1:1となるように混合した。原料配合比から算出したポリウレタン中に含まれる共役ジエン部位を含む単位とジエノフィル部位を含む単位のモル比(共役ジエン部位のモル数/ジエノフィル部位のモル数)は1.03であった。また、原料配合比から算出した共役ジエン部位を含む単位およびジエノフィル部を含む単位位の総量は0.101mmol/gであった。ポリウレタンの成形性は、次の評価方法により評価した。
〈成形性〉
圧力ゲージを取り付けたフィルターを備えたT-ダイを設置した単軸押出成形機(スクリュー径90mm)を準備した。そして、ポリウレタンのペレットを単軸押出成形機に供給してT-ダイから吐出させ、60~80℃に調温されたギャップ間隔1.8mmの一対のロールに通過させることにより、厚さ2mmの非発泡体のポリウレタンシートを得た。単軸押出成形機の条件は、仕込みシリンダ温度215~240℃、ダイス温度230~240℃、に設定した。そして、このときの成形性を以下の方法により評価した。
A :成形時に未溶融物が全く見られず、圧力ゲージも上昇しなかった。
B :成形時に未溶融物が見られたが、圧力ゲージは上昇しなかった。
C :成形時に未溶融が見られ、圧力ゲージは上昇した。
そして、得られたポリウレタンシートを窒素雰囲気中90℃で5時間熱処理した後、ポリウレタンシートの表面を研削することにより厚さ1.5mmのポリウレタン成形体を得た。次に、厚さ1.5mmのポリウレタン成形体の研磨面となる主面に、幅1.0mm,深さ1.0mmの溝を6.0mm間隔で螺旋状に形成した。そして、ポリウレタン成形体を直径38cmの円形に切り抜いて研磨層を得た。そして、研磨層の裏面にクッション層を両面粘着シートで貼り合わせて複層型の研磨パッドを作成した。クッション層としては、厚み0.8mmのポリウレタン発泡体製シートである(株)イノアックコーポレーション製「ポロンH48」を用いた。そして、得られた研磨パッドの研磨特性を次の評価方法により評価した。
〈平坦化性能〉
(株)エム・エー・ティー製研磨装置「BC-15」の研磨定盤に研磨パッドを貼り付けた。そして、ドレッサー回転数140rpm、研磨パッド回転数100rpm、ドレッサー荷重5Nの条件で、150mL/分の速度で純水を流しながらダイヤモンドドレッサーを用いて、研磨パッド表面を30分間コンディショニングした。なお、ドレッサーは、(株)アライドマテリアル製のダイヤモンド番手#100、台金直径190mmを用いた。
そして、研磨パッド回転数100rpm、ウェハ回転数99rpm、研磨圧力24kPaの条件で、酸化セリウム砥粒を含有する水性スラリー(昭和電工(株)製「GPL-C1010」)100質量部に純水1900質量部を添加して混合した液を、100mL/分の速度で供給しながら、初期膜厚1000nmでパターンのない酸化ケイ素膜(プラズマ化学蒸着により形成されたPETEOS酸化ケイ素膜)を表面に有する直径50mmのシリコンウェハを、コンディショニングを行わずに60秒間研磨した。
そして、30秒間のコンディショニングを行った後、新たなウェハに交換して再度研磨及びコンディショニングを繰り返し、同様にして合計10枚のウェハを研磨した。
次に、凸部と凹部が交互に繰り返し並んだ凹凸パターンを有する、SKW社製STI研磨評価用パターンウェハ「SKW3-2」を上記と同様の条件で1枚研磨した。なお、このパターンウェハは様々なパターンの領域を有するものであり、膜厚の測定対象として、凸部幅100μmおよび凹部幅100μmのパターンからなる領域(パターン1)と4mm四方の凸部のみからなる領域(パターン2)及び4mm四方の凹部のみからなる領域(パターン3)を選択した。このパターン1は凸部と凹部の初期段差が550nmであり、パターン凸部はシリコンウェハ上に膜厚15nmの酸化ケイ素膜、その上に膜厚140nmの窒化ケイ素膜、さらにその上に膜厚700nmの酸化ケイ素膜(高密度プラズマ化学蒸着により形成されたHDP酸化ケイ素膜)を積層した構造であり、パターン凹部はシリコンウェハをエッチングして溝を形成した後に膜厚700nmのHDP酸化ケイ素膜を形成した構造である。そして、凸部のみからなるパターン2は、パターン1の凸部と同じ構造であり、また、凹部のみからなるパターン3は、パターン1の凹部と同じ構造である。このパターンウェハを、パターン1の凸部の窒化ケイ素膜上に積層された酸化ケイ素膜が消失するまでの時間研磨し、パターン2の凸部の研磨量およびパターン3の凹部の研磨量を、大塚電子(株)製膜厚計「FE-3300」を用いてそれぞれ測定した。パターン3の凹部の研磨量に対する、パターン2の凸部の研磨量の比(「パターン2の凸部の酸化ケイ素膜の研磨量」/「パターン3の凹部の酸化ケイ素膜の研磨量」)を平坦化性能の指標とした。値が大きいほど、凸部が優先的に研磨されており平坦化性能に優れていることを示す。
〈摩耗量〉
(株)エム・エー・ティー製研磨装置「BC-15」の研磨定盤に研磨パッドを貼り付けた。そして、ドレッサー回転数140rpm、研磨パッド回転数100rpm、ドレッサー荷重5Nの条件で、150mL/分の速度で純水を流しながらダイヤモンドドレッサーを用いて、研磨パッド表面を2時間コンディショニングした。なお、ドレッサーは、(株)アライドマテリアル製のダイヤモンド番手#100、ダイヤ形状イレギュラータイプ、台金直径190mmを用いた。パッド中心から100mmの点で、コンディショニング前後の溝の深さを測定し、パッドの摩耗量を測定した。
結果を下記表1に示す。
Figure 0007097171000001
[実施例2]
HDO:HEMI:PEG600:BD:MPD:MDI=0.6:0.8:12.8:14.4:7.9:63.5(質量比)の割合で混合した単量体混合物を準備した。そして、定量ポンプで単量体混合物を各ゾーンにおけるシリンダ温度が75~260℃の二軸押出機に連続的に供給して混練しながら連続溶融重合し、二軸押出機から連続的に吐出される溶融状態のポリウレタンのストランドを水中で冷却した後、ペレタイザーで細断することにより、熱可塑性を有する、共役ジエン部位およびジエノフィル部位を末端に有するポリウレタンを得た。原料配合比から算出したイソシアネート基に由来する窒素原子含有量は7.1質量%であった。また、原料配合比から算出したポリウレタン中に含まれる共役ジエン部位とジエノフィル部位のモル比(共役ジエン部位のモル数/ジエノフィル部位のモル数)は1.08であり、原料配合比から算出したポリウレタン中に含まれる共役ジエン部位およびジエノフィル部位の総量は0.118mmol/gであった。
そして、得られたポリウレタンを用いて、実施例1と同様にしてポリウレタン成形体からなる研磨層及び研磨パッドを作成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例3~5]
ポリウレタンの重合体組成の配合を表1に示した配合組成に変更した以外は、実施例1と同様にして第1のポリウレタン及び第2のポリウレタンをそれぞれ製造した。そして、実施例1と同様にしてポリウレタン成形体からなる研磨層及び研磨パッドを作成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例6、比較例1~6]
ポリウレタンの重合体組成の配合を表1に示した配合組成に変更した以外は、実施例2と同様にしてポリウレタンを製造した。そして、実施例1と同様にしてポリウレタン成形体からなる研磨層及び研磨パッドを作成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
表1の結果から、次のことがわかる。共役ジエン部位及びジエノフィル部位を含む単量体を用いた実施例1,2で得られた熱可塑性ポリウレタンと、共役ジエン部位及びジエノフィル部位を含む単量体を用いていない以外は近似する単量体組成の比較例1,2で得られたポリウレタンとを比較すると、比較例1,2で得られたポリウレタンは成形性,平坦化性能及び耐摩耗性の全てに優れたものが得られなかったのに対し、実施例1及び実施例2で得られたポリウレタンは、優れた成形性と平坦化性能と耐摩耗性とを兼ね備えていた。実施例3,4と比較例3,4、実施例5,6と比較例5,6を比較しても同様の結果が得られていることが分かる。
[実施例7]
芯成分がポリエチレンテレフタレート、鞘成分が変性ポリエチレンテレフタレート(イソフタル酸変性量32モル%、融点140℃)である芯鞘型複合ステープル繊維(1.7dtex、51mm長、芯鞘質量比=60/40、捲縮数21個/25mm)を準備した。この芯鞘型複合ステープル繊維100質量%を用いて、カード法により目付約2600g/mのカードウェブを作製した。このカードウェブをニードルパンチ処理することにより、目付け約900g/m、厚み約3mm、見掛け密度0.28g/mの絡合ウェブを得た。次いで、厚さ1.5mmのスペーサーを用いて135℃、20MPaの条件で5分間熱プレスを行って、見掛け密度0.55g/mに高密度化した絡合不織布を得た。
一方、実施例1において得られた第1のポリウレタン及び第2のポリウレタンのペレットを、それぞれポリウレタンの濃度が18質量%となるようにN,N―ジメチルホルムアミドに溶解した後、第1のポリウレタンと第2のポリウレタンの質量比が1:1となるようにポリウレタン溶液を混合した。そして、上記で得られた絡合不織布に30℃に調温したポリウレタン溶液を含浸し、40℃のDMFと水の混合液(DMF濃度30質量%)中で湿式凝固した後、水洗及び乾燥をして、不織布内部にポリウレタンが付与されたシートを得た。このとき、絡合不織布100gに対するポリウレタンの量は22gであった。このときのポリウレタン溶液の含浸性を、次の評価方法により評価した。
〈含浸性〉
不織布内部にポリウレタンが付着したシートの一部を切り取り、断面を走査型電子顕微鏡で観察した。厚み方向の付着ムラとポリウレタンの付着量から、含浸性を以下の方法により評価した。
A :電子顕微鏡で観察した際に表層と内層でポリウレタンの量に差が見られず、且つ、絡合不織布100gに対するポリウレタンの付着量が20g以上であった。
B :電子顕微鏡で観察した際に表層と内層でポリウレタンの量に差が見られず、且つ、絡合不織布100gに対するポリウレタンの付着量が16g以上であった。
C :電子顕微鏡で観察した際に表層に比べて内層でポリウレタンの量が明らかに少ないか、あるいは、絡合不織布100gに対するポリウレタンの付着量が16g未満であった。
次いで、得られたシートを窒素雰囲気中90℃で5時間熱処理した後、#60番手のサンドペーパーによりバフ掛けしてシートの厚みを1.2mmとした後、#240番手のサンドペーパーによりバフ掛けして表面を整え、見掛け密度0.62g/mの研磨層用シートを得た。この研磨層用シートの耐摩耗性を、次の評価方法により評価した。
〈耐摩耗性〉
JIS K6264に従って、テーバー摩耗試験を行い、摩耗量を測定した。なお、磨耗輪:H-22、荷重:4.9N、回転数60rpm、500回の条件で測定した。磨耗試験前の質量と磨耗試験後の質量との差である磨耗減量(mg)を求めた。
そして、研磨層用シートの研磨面となる主面に、溝幅2.0mm、溝深さ0.5mm、ピッチ15mmの格子溝を形成してから、直径38cmの円形に切り抜いて、単層型の研磨パッドを作製した。そして、得られた研磨パッドの研磨特性を次の評価方法により評価した。
(株)エム・エー・ティー製研磨装置「BC-15」の研磨定盤に研磨パッドを貼り付けた。そして、研磨パッド回転数100rpm、ウェハ回転数99rpm、研磨圧力55kPaの条件で、酸化ケイ素砥粒を含有する研磨スラリー(フジミ社製「グランゾックス1302」)100質量部に対して、純水1900質量部を添加して混合した液を、200mL/分の速度で供給しながら、直径100mmの単結晶シリコンウェハ(密度2.33g/cm)を120秒間研磨した。そして、新たなシリコンウェハに交換して再度研磨する操作を繰り返し、同様にして合計20枚のシリコンウェハを研磨した。20枚目に研磨されたシリコンウェハについて、研磨速度及びウェハ表面粗さを測定した。
〈研磨速度〉
研磨前および研磨後のウェハの質量を測定し、研磨前後の質量差と、ウェハの面積および密度より研磨速度を求めた。
〈ウェハ表面粗さ〉
研磨後のウェハ表面を、ザイゴ社製白色干渉顕微鏡「NewView6000」を使用して倍率2.5倍、測定範囲2.8mm×2.1mmの条件で、算術平均粗さ(Ra)および最大高低差(PV)を測定した。Raが小さいほど平滑性に優れており、またPVが小さいほど平坦性に優れている。
結果を下記表2に示す。
Figure 0007097171000002
[実施例8]
実施例7において、実施例1で得られた熱可塑性ポリウレタン(A)及びポリウレタン(B)の混合物の溶液を用いる代わりに、実施例2で得られた熱可塑性ポリウレタン(C)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(ポリウレタンの濃度が18質量%)を用いること以外は実施例7と同様にして研磨層用シート及び研磨パッドを作成し、同様に評価した。結果を表2に示す。
[比較例7,8]
不織布に含浸する熱可塑性ポリウレタンの単量体混合物の配合を表2に示した配合に変更した以外は、実施例7と同様にして研磨層用シート及び研磨パッドを作成し、同様に評価した。結果を表2に示す。
表2の結果から、次のことがわかる。共役ジエン部位及びジエノフィル部位を含む単量体を用いた熱可塑性ポリウレタンを不織布に含浸した実施例7,8と、共役ジエン部位及びジエノフィル部位を含む単量体を用いていないこと以外は近似する単量体組成の熱可塑性ポリウレタンを不織布に含浸した比較例7,8を比較すると、比較例7,8では不織布へのポリウレタンの含浸性が劣る上、耐摩耗性や研磨速度も劣っていた。一方、実施例7及び実施例8では、含浸性、耐摩耗性及び研磨速度のいずれも優れていた。
本発明のポリウレタン、研磨層用シート状物及び研磨パッドは、半導体基板やガラス等の研磨用途に有用である。特に半導体やハードディスク、液晶ディスプレイなどの基板材料、あるいはレンズやミラーなどの光学部品などを化学機械研磨する際に好適である。
1 研磨パッド
2 回転定盤
3 スラリー供給ノズル
4 キャリア
5 被研磨材
6 パッドコンディショナー
10 CMP装置

Claims (8)

  1. 研磨層を含む研磨パッドであって、
    前記研磨層は、共役ジエン部位とジエノフィル部位とを一分子内に有するポリウレタン、または共役ジエン部位とジエノフィル部位とを互いに異なる分子内にそれぞれ有するポリウレタン、の少なくとも何れか一方を含む、熱可塑性ポリウレタンの成形体を含み、
    前記熱可塑性ポリウレタン中の、前記共役ジエン部位を含む単位と前記ジエノフィル部位を含む単位とのモル比(共役ジエン部位/ジエノフィル部位)が0.2~5であり、前記共役ジエン部位を含む単位と前記ジエノフィル部位を含む単位の総量が、0.02~0.3mmol/gである、ことを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記熱可塑性ポリウレタンは、(a)共役ジエン部位を含む単位とジエノフィル部位を含む単位と鎖伸長剤単位と高分子ポリオール単位と有機ポリイソシアネート単位とを含むポリウレタン、または、(b)共役ジエン部位を含む単位と鎖伸長剤単位と高分子ポリオール単位と有機ポリイソシアネート単位とを含む第1のポリウレタンと、ジエノフィル部位を含む単位と鎖伸長剤単位と高分子ポリオール単位と有機ポリイソシアネート単位とを含む第2のポリウレタンとの混合物、の少なくとも何れか一方を含む請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記共役ジエン部位を含む単位及び前記ジエノフィル部位を含む単位が各ポリウレタン主鎖の末端に存在する請求項2に記載の研磨パッド。
  4. 前記共役ジエン部位を含む単位が、1,3-ブタジエン骨格,フラン環,及びイミダゾール環からなる群から選ばれる少なくとも1種の前記共役ジエン部位を含む請求項2または3に記載の研磨パッド。
  5. 前記ジエノフィル部位を含む単位が、マレイミド基,アクリロイル基,及びビニルケトン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の前記ジエノフィル部位を含む請求項2~4の何れか1項に記載の研磨パッド。
  6. 前記有機ポリイソシアネート単位に由来する窒素原子の含有割合が5~8質量%である請求項2~5の何れか1項に記載の研磨パッド。
  7. 研磨層を含む研磨パッドであって、
    前記研磨層は、共役ジエン部位とジエノフィル部位とを一分子内に有するポリウレタン、または共役ジエン部位とジエノフィル部位とを互いに異なる分子内にそれぞれ有するポリウレタン、の少なくとも何れか一方を含む、熱可塑性ポリウレタン、を含む成形材料を成形して得られ
    前記熱可塑性ポリウレタン中の、前記共役ジエン部位を含む単位と前記ジエノフィル部位を含む単位とのモル比(共役ジエン部位/ジエノフィル部位)が0.2~5であり、前記共役ジエン部位を含む単位と前記ジエノフィル部位を含む単位の総量が、0.02~0.3mmol/gであり、
    記共役ジエン部位と前記ジエノフィル部位とをディールスアルダー反応させて形成される共有結合を有する、前記成形材料の成形体を含む、ことを特徴とする研磨パッド。
  8. 研磨層を含む研磨パッドであって、
    前記研磨層は不織布と、前記不織布の内部に含まれるポリウレタンとを含み、
    前記ポリウレタンは
    役ジエン部位とジエノフィル部位とを一分子内に有するポリウレタン、または共役ジエン部位とジエノフィル部位とを互いに異なる分子内にそれぞれ有するポリウレタン、の少なくとも何れか一方を含み、前記共役ジエン部位を含む単位と前記ジエノフィル部位を含む単位とのモル比(共役ジエン部位/ジエノフィル部位)が0.2~5であり、前記共役ジエン部位を含む単位と前記ジエノフィル部位を含む単位の総量が、0.02~0.3mmol/gである、ことを特徴とする研磨パッド。
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