JP2008222769A - 樹脂発泡体およびそれからなる研磨パッド - Google Patents

樹脂発泡体およびそれからなる研磨パッド Download PDF

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Abstract

【課題】 均一な発泡構造を有し、被研磨面の平坦性および平坦化効率の向上が達成でき、研磨の作業中の温度変動に対して硬度変化が少なく、スクラッチ傷の発生が少ない研磨パッドを与える樹脂発泡体およびそれからなる研磨パッドを提供すること。
【解決手段】 熱可塑性ポリウレタンからなる樹脂発泡体であって、該熱可塑性ポリウレタンが以下の[A]〜[D]を満足する樹脂発泡体およびそれからなる研磨パッド。
[A]高分子ポリオール(a)、1,4−シクロヘキサンジメタノールを50〜100モル%含有する鎖伸長剤(b)および有機ジイソシアネート(c)から形成され、[高分子ポリオール(a)の質量]/[鎖伸長剤(b)の質量+有機ジイソシアネート(c)の質量]=10/90〜40/60である。
[B]窒素原子の含有率が5.0質量%以上である。
[C]水に対する接触角が55〜75度である。
[D]ガラス転移温度が50〜100℃である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、均一な発泡構造を有する樹脂発泡体および該樹脂発泡体よりなる研磨パッドに関する。本発明の研磨パッドは、半導体ウェハー等の被研磨物を精度よく且つ高い研磨効率で研磨するための化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下CMPと略称することがある)用研磨パッドとして特に有用である。
集積回路を形成するための基材として使用される半導体ウェハーの鏡面加工に用いられる研磨パッドとしては、一般に、ベロア調やスエード調などの繊維と樹脂の複合材料、あるいは熱可塑性ポリウレタン樹脂を不織布に含浸させ湿式凝固させた、圧縮変形特性が大きく比較的柔らかいシートが多用されていた。
近年、半導体ウェハーは、高集積化、多層配線化に伴い、一層の高平坦化等の品質向上に加えて低価格化の要求が増々高まっている。それに伴い、研磨パッドに対しても、従来以上の平坦化を可能にする等の高機能化や長時間使用可能であることが要求されている。
従来の比較的柔軟な不織布タイプの研磨パッドは、半導体ウェハーとの接触性が良く、研磨時に使用される研磨スラリーの保持性も良好であるが、その柔軟性のために被研磨面の平坦化が十分でない。しかも研磨スラリーや研磨時に生じる研磨屑が不織布の空隙に目詰まりし、これが原因でウェハー表面にスクラッチ傷を生じやすかった。また研磨スラリーや研磨屑が目詰まりした場合には、これが空隙深くまで侵入しているためこれらを除去することが困難であり、結果として研磨パッドの寿命が短くなるという問題点も有していた。
一方、高分子発泡体を使用した研磨パッドも知られており、不織布タイプの研磨パッドに比べて剛性が高いため、より高い平坦化が要求される用途によく使用されている。また独立気泡構造を有する高分子発泡体を使用した研磨パッドは、研磨スラリーや研磨屑が不織布タイプの研磨パッドのように空隙の奥まで侵入しないので、研磨パッドの洗浄が比較的容易であり、長時間の使用にも耐えられるものである。このような高分子発泡体としては、特に耐摩耗性に優れることから発泡ポリウレタンがよく用いられている。
発泡ポリウレタン製の研磨パッドは、通常、発泡ポリウレタンを適宜研削またはスライスすることにより製造される。従来、研磨パッドに用いられる発泡ポリウレタンは、2液硬化型ポリウレタンを用いて注型発泡硬化することによって製造されていた(特許文献1〜4などを参照)。しかしながら、この方法では、反応・発泡の均一化が困難である上、得られる発泡ポリウレタンの高硬度化にも限界があった。発泡構造のばらつきは、被研磨面の平坦性や平坦化効率等の研磨特性の変動を引き起こすことがあった。
また、平坦化効率を高めるために、より硬度の高い研磨パッドが望まれており(非特許文献1参照)、例えば、硬度が高く、硬度の温度依存性が少なく、均一で微細な発泡構造を有するポリウレタン発泡体からなる研磨パッドとして、高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび50モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメタノールである鎖伸長剤を反応させて得られる、イソシアネート基由来の窒素原子の含有率が6質量%以上であるポリウレタンからなり、密度が0.5〜1.0g/cm、気泡サイズが5〜200μm、硬度(JIS−C硬度)が90以上であるポリウレタン発泡体からなる研磨パッドが知られている(特許文献5参照)。しかしながら、かかる研磨パッドにおいても、被研磨面に発生するスクラッチ傷やダストの付着の問題を解決するためには更なる検討の余地があった。
一方、研磨対象物を均一に研磨し、スクラッチも少なく、研磨速度を安定して維持することのできる研磨パッドとして、高分子材料をマトリックス材料とする研磨層を有し、水に対する前記高分子材料の接触角が70〜95°である研磨パッドであって、該高分子材料がポリウレタン(微細気泡を有する発泡ポリウレタン)であり、該ポリウレタンがポリエーテル系ポリオールを主たるポリオール成分とし、該ポリエーテル系ポリオールの一部がエーテル系水溶性グリコールである研磨パッドが知られている(特許文献6参照)。
しかしながら、単に研磨パッドを構成するポリウレタン等の高分子材料の接触角を調整しただけでは、研磨均一性やスクラッチ傷の面で問題が生じることがあった。また、半導体ウェハー研磨時の研磨均一性の観点から、高硬度でありながらより濡れ性のよい研磨パッドが望まれているが、特許文献6に記載の研磨パッドでは、このような要求に対して十分に対応できるものではなかった。
特開2000−178374号公報 特開2000−248034号公報 特開2001−89548号公報 特開平11−322878号公報 特開2004−35669号公報 特開2003−145414号公報 柏木正弘ら、「CMPのサイエンス」株式会社サイエンスフォーラム、1997年8月20日発行、p.113〜119
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、均一な発泡構造を有し、被研磨面の平坦性および平坦化効率の向上が達成でき、研磨の作業中の温度変動に対して硬度変化が少なく、スクラッチ傷の発生が少ない研磨パッドを与える樹脂発泡体およびそれからなる研磨パッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく検討を重ねた結果、本発明者らは、水に対する濡れ性が良好な特定の熱可塑性ポリウレタンに非反応性ガスを溶解させ、これを発泡させることにより、硬度が高く、しかも硬度の温度依存性が少なく、かつ均一で微細な発泡構造を有する樹脂発泡体が得られ、これを研磨パッドとすることにより、被研磨面の平坦性および平坦化効率の向上が達成でき、研磨の作業中の温度変動に対して硬度変化が少なく、スクラッチ傷の発生を低減させることができることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1] 熱可塑性ポリウレタンからなる樹脂発泡体であって、該熱可塑性ポリウレタンが以下の[A]〜[D]を満足する樹脂発泡体、
[A]高分子ポリオール(a)、1,4−シクロヘキサンジメタノールを50〜100モル%含有する鎖伸長剤(b)および有機ジイソシアネート(c)から形成され、[高分子ポリオール(a)の質量]/[鎖伸長剤(b)の質量+有機ジイソシアネート(c)の質量]=10/90〜40/60である。
[B]窒素原子の含有率が5.0質量%以上である。
[C]水に対する接触角が55〜75度である。
[D]ガラス転移温度が50〜100℃である。
[2] 前記熱可塑性ポリウレタンの引張弾性率が800〜1500MPaである上記[1]の樹脂発泡体、
[3] 前記熱可塑性ポリウレタンの70℃における貯蔵弾性率(E’70)が0.90×10Pa以上であり、かつ0℃における貯蔵弾性率(E’)との比率(E’70/E’)が1.8以下である上記[1]または[2]の樹脂発泡体、
[4] 前記高分子ポリオール(a)が、数平均分子量が400〜2000であるポリテトラメチレングリコールおよび数平均分子量が400〜2000であるポリエチレングリコールからなり、[該ポリテトラメチレングリコールの質量]/[該ポリエチレングリコールの質量]=50/50〜90/10である上記[1]〜[3]のいずれかの樹脂発泡体、
[5] 前記熱可塑性ポリウレタンからなる成形体に、ゲージ圧力3〜15MPaおよび温度50〜160℃の条件下で非反応性ガスを溶解させ、次いで熱可塑性ポリウレタンの軟化温度より低い温度で圧力を開放して非反応性ガスを溶解させた成形体を得た後、該成形体を熱可塑性ポリウレタンの軟化温度以上の温度で発泡させることにより得られる上記[1]〜[4]のいずれかの樹脂発泡体、
[6] 非反応性ガスが二酸化炭素または窒素である上記[5]の樹脂発泡体、
[7] 密度が0.4〜0.95g/cmであり、平均気泡サイズが1〜100μmである上記[1]〜[6]のいずれかの樹脂発泡体、
[8] 上記[1]〜[7]のいずれかの樹脂発泡体からなる研磨パッド、
に関する。
本発明によれば、均一な発泡構造を有する樹脂発泡体および該樹脂発泡体よりなる研磨パッドが提供される。本発明の研磨パッドはCMPに有用であり、半導体ウェハー等の被研磨物を精度よく且つ高い研磨効率で研磨することができる。本発明の研磨パッドは、特に、スクラッチ傷の発生が少なく、被研磨面の平坦性および平坦化効率の向上を達成することができ、研磨の作業中の温度変動に対する硬度変化が少ない。
本発明の樹脂発泡体は高分子ポリオール(a)、鎖伸長剤(b)および有機ジイソシアネート(c)から形成される熱可塑性ポリウレタンからなる。
熱可塑性ポリウレタンを形成する高分子ポリオール(a)としては、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。これらの高分子ジオールは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエーテルジオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(メチルテトラメチレングリコール)などが挙げられる。
ポリエステルジオールは、例えば、常法に従い、ジカルボン酸またはそのエステル、無水物などのエステル形成性誘導体と低分子ジオールとを直接エステル化反応またはエステル交換反応させることにより製造することができる。
ポリエステルジオールを構成するジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸等の炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルジオールを構成する低分子ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等の脂環式ジオールなどを挙げることができる。これらの低分子ジオールは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリカーボネートジオールとしては、低分子ジオールと、ホスゲン、ジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネートなどのカーボネート化合物との反応により得られるものを使用できる。ポリカーボネートジオールを構成する低分子ジオールとしては、ポリエステルジオールの構成成分として先に例示した低分子ジオールを用いることができる。またジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。さらに、アルキレンカーボネートとしてはエチレンカーボネートなどが挙げられる。
高分子ポリオール(a)の数平均分子量は400〜2000の範囲内にあることが好ましく、500〜1500の範囲内にあることがより好ましい。この範囲内の数平均分子量を有する高分子ポリオール(a)を用いることにより、高硬度の熱可塑性ポリウレタンを良好に得ることができる。高分子ポリオール(a)の数平均分子量が2000を越える場合には、押出成形法または射出成形法により成形する際に、成形機中で増粘現象を起こして不溶融物が発生し、成形運転を中断し内部を洗浄しなければならないことがある。一方、高分子ポリオール(a)の数平均分子量が400未満である場合には、得られる樹脂発泡体の耐摩耗性が低下する傾向がある。なお、本明細書でいう高分子ポリオール(a)の数平均分子量は、いずれもJIS K 1557に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量を意味する。
上記した高分子ポリオールの中でもポリエーテルジオールを使用することが好ましく、特に、高分子ポリオール(a)が、数平均分子量が400〜2000であるポリテトラメチレングリコールおよび数平均分子量が400〜2000であるポリエチレングリコールからなり、且つ[該ポリテトラメチレングリコールの質量]/[該ポリエチレングリコールの質量]が50/50〜90/10の範囲内であると、本発明の樹脂発泡体を容易に製造することができ、また当該樹脂発泡体を研磨パッドとして使用した際にスクラッチ傷の発生を低減させることができることからより好ましい。上記範囲よりも多くポリエチレングリコールを使用する場合には、得られる樹脂発泡体を研磨パッドとして使用した場合に、吸水により研磨パッドの物性が悪化する場合がある。上記の[該ポリテトラメチレングリコールの質量]/[該ポリエチレングリコールの質量]は70/30〜90/10の範囲内がさらに好ましく、75/25〜90/10の範囲内が特に好ましい。
熱可塑性ポリウレタンを形成する鎖伸長剤(b)は、1,4−シクロヘキサンジメタノールを50〜100モル%含有する。鎖伸長剤に含まれる1,4−シクロヘキサンジメタノールの割合が50モル%よりも少ないと、得られる熱可塑性ポリウレタンの硬度の温度依存性が大きくなり、それに伴って樹脂発泡体の硬度の温度依存性も大きくなるため、樹脂発泡体を研磨パッドとして使用した場合に、研磨の作業中における被研磨面の平坦性の低下および研磨効率の低下が起こる。鎖伸長剤に含まれる1,4−シクロヘキサンジメタノールの割合は60〜100モル%の範囲内であることがより好ましく、80〜100モル%の範囲内であることがさらに好ましい。
鎖伸長剤(b)は、50モル%以下であれば、1,4−シクロヘキサンジメタノール以外の化合物を含んでいてもよい。そのような化合物としては、通常の熱可塑性ポリウレタンの製造において従来から鎖伸長剤として使用されている化合物を使用することができるが、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量300以下の低分子化合物を使用することが好ましく、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、1,9−ノナンジオール等のジオール類などが挙げられる。これらの化合物は、1種類のものを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性ポリウレタンを形成する有機ジイソシアネート(c)としては、通常の熱可塑性ポリウレタンの製造に従来から用いられている有機ジイソシアネートのいずれを使用してもよく、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどを挙げることができる。これらの有機ジイソシアネートは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが、得られる樹脂発泡体の耐摩耗性などの点から好ましい。
熱可塑性ポリウレタンを形成する上記の高分子ポリオール(a)、鎖伸長剤(b)および有機ジイソシアネート(c)の使用量は、[高分子ポリオール(a)の質量]/[鎖伸長剤(b)の質量+有機ジイソシアネート(c)の質量]=10/90〜40/60の関係を満たす。これらの各成分の使用量が上記の関係を満たすことにより、得られる樹脂発泡体は、硬度が高く、しかも硬度の温度依存性が小さいものとなり、研磨パッドとした場合に、被研磨面の平坦性および平坦化効率の向上を達成することができる。[高分子ポリオール(a)の質量]/[鎖伸長剤(b)の質量+有機ジイソシアネート(c)の質量]は15/85〜35/65の範囲内であることが好ましい。
また、得られる熱可塑性ポリウレタンに付与すべき物性、耐摩耗性などを考慮して、高分子ジオール(a)および鎖伸長剤(b)に含まれる活性水素原子1モルに対して、有機ジイソシアネート(c)に含まれるイソシアネート基が0.95〜1.3モルとなる割合で各成分を使用することが好ましい。イソシアネート基の割合が0.95モルより少ないと、得られる樹脂発泡体の機械的強度および耐摩耗性が低下する傾向があり、1.3モルより多いと熱可塑性ポリウレタンの生産性、保存安定性が低下する傾向がある。
また、後述する密度および平均気泡サイズを有する樹脂発泡体を得るために、熱可塑性ポリウレタンの窒素原子の含有率は5.0質量%以上である。樹脂発泡体の硬度および耐摩耗性の観点から、熱可塑性ポリウレタンの窒素原子の含有率は5.0〜8.2質量%の範囲内であることが好ましく、5.3〜7.0質量%の範囲内であることがより好ましく、5.3〜5.9の範囲内であることがさらに好ましい。窒素原子の含有率が5.0質量%未満である熱可塑性ポリウレタンを用いた場合には、熱可塑性ポリウレタン自体の硬度が低過ぎるため、得られる樹脂発泡体の硬度が低下する。
熱可塑性ポリウレタンの水に対する接触角は55〜75度である。接触角が55度未満では、得られる樹脂発泡体を研磨パッドとして使用する際に研磨パッドの吸水により研磨安定性に問題が生じ、75度を越えるとウエハー表面にスクラッチ傷が生じ易い。このため、熱可塑性ポリウレタンの水に対する接触角は、好ましくは60〜72度であり、より好ましくは60〜70度である。
熱可塑性ポリウレタンのガラス転移温度は50〜100℃の範囲内である。熱可塑性ポリウレタンのガラス転移温度が50℃未満の場合には、得られる樹脂発泡体を研磨パッドとして使用した際に、研磨中の摩擦熱により研磨パッドの硬度変化が生じて安定した研磨を行うことが困難となる。またガラス転移温度が100℃を越えると、研磨パッドが有するある程度の柔軟性が損なわれて、被研磨面の平坦性および平坦化効率の向上の達成が困難となり、またスクラッチ傷の発生原因となる。熱可塑性ポリウレタンのガラス転移温度は65〜85℃の範囲内であることが好ましい。
本発明において使用される熱可塑性ポリウレタンの引張弾性率(23℃、湿度50%RHの条件下に測定した値)は800〜1500MPaの範囲内であることが好ましい。熱可塑性ポリウレタンの引張弾性率がこの範囲であると、得られる樹脂発泡体を研磨パッドとして使用する際に、被研磨面の平坦性が良好となる。熱可塑性ポリウレタンの引張弾性率は800〜1400MPaの範囲内であることがより好ましく、850〜1350MPaの範囲内であることがさらに好ましい。
本発明において使用される熱可塑性ポリウレタンは、70℃における貯蔵弾性率(E’70)が0.90×10Pa以上であることが好ましい。このような熱可塑性ポリウレタンを使用すると、研磨の作業中の温度変動に対して硬度変化が少ない樹脂発泡体を得ることができる。熱可塑性ポリウレタンの70℃における貯蔵弾性率(E’70)は、1.0×10Pa以上であることがより好ましい。
また、熱可塑性ポリウレタンの0℃における貯蔵弾性率(E’)と70℃における貯蔵弾性率(E’70)の比率(E’/E’70)は1.8以下であることが好ましい。かかる条件を満足する熱可塑性ポリウレタンは、それ自身の硬度の温度依存性が小さいので、得られる樹脂発泡体の硬度も温度依存性が小さくなり、研磨の作業中における被研磨面の平坦性の低下および研磨効率の低下が抑制される。熱可塑性ポリウレタンの0℃における貯蔵弾性率(E’)と70℃における貯蔵弾性率(E’70)との比率(E’/E’70)は1.5以下であることがより好ましい。
熱可塑性ポリウレタンは、上記した高分子ポリオール(a)、鎖伸長剤(b)および有機ジイソシアネート(c)を使用し、公知のウレタン化反応を利用して、プレポリマー法またはワンショット法によって製造することができる。熱可塑性ポリウレタンは、実質的に溶剤の不存在下に溶融重合する方法によって製造することが好ましく、多軸スクリュー型押出機を用いて連続溶融重合する方法によって製造することがより好ましい。
本発明の樹脂発泡体は、上記の熱可塑性ポリウレタンからなり、密度が0.4〜0.95g/cmであり、平均気泡サイズが1〜100μmであることが好ましい。
樹脂発泡体の密度が0.4g/cmより小さいと、樹脂発泡体が柔らかくなり過ぎるため、研磨パッドとして使用した際に、被研磨面の平坦性が低下し、また研磨効率が低下する傾向がある。一方、樹脂発泡体の密度が0.95g/cmより大きいと、研磨効率が低下する傾向がある。樹脂発泡体の密度は、被研磨面の平坦性の点から0.6〜0.85g/cmの範囲内であることがより好ましい。
また、樹脂発泡体の平均気泡サイズが1μmよりも小さいと、研磨スラリーに含まれる研磨剤が気泡に詰まりやすいため研磨効率が低下し、スクラッチ傷等の研磨不良が起こりやすくなる。一方、樹脂発泡体の平均気泡サイズが100μmよりも大きいと、樹脂発泡体の表面平滑性が悪くなり、研磨剤の局在化、スクラッチ傷、オレンジピール傷等の研磨不良が起こりやすくなる。樹脂発泡体の平均気泡サイズは、研磨剤の保持性の観点から、10〜80μmの範囲内であることがより好ましく、10〜50μmの範囲内であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂発泡体は、上記の熱可塑性ポリウレタンを発泡させることによって製造することができる。発泡に際しては、非反応性ガスを発泡剤として用いることが好ましい。非反応性ガスとは、熱可塑性ポリウレタンまたは該熱可塑性ポリウレタンを製造するための成分と反応しない気体を意味する。非反応性ガスとしては、例えば、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられる。これらのうちでも、熱可塑性ポリウレタンへの溶解性および製造コストの点から、二酸化炭素または窒素が好ましい。
本発明の樹脂発泡体は、上記した熱可塑性ポリウレタンに上記の非反応性ガスを加熱および加圧条件下で溶解した後、圧力を開放し、前記熱可塑性ポリウレタンの軟化温度以上の温度で発泡させることにより製造することができる。ここで、非反応性ガスの溶解量は、均一な発泡構造を有する樹脂発泡体を得る観点から、溶解条件下における飽和量であることが望ましい。
非反応性ガスを溶解する熱可塑性ポリウレタンとしてシート状成形体を用いると、均一な発泡構造を有する樹脂発泡体の製造が容易である点、研磨パッドとする際の工程が簡素化できる点などにおいて有利である。該シート状成形体としては、熱可塑性ポリウレタンを一軸押出成形機、二軸押出成形機等の押出成形機または射出成形機を用いて成形したものが好ましい。シート状成形体の厚さは、樹脂発泡体の製造のしやすさおよび非反応性ガスの溶解に要する時間の観点から0.8〜5mmの範囲内であることが好ましい。
本発明の樹脂発泡体は、ゲージ圧力が3〜15MPaの範囲内、温度が50〜160℃の範囲内に調整された耐圧容器内において、熱可塑性ポリウレタンからなる成形体(シート状成形体等)に非反応性ガスを溶解させ、次いで、熱可塑性ポリウレタンの軟化温度より低い温度(例えば50℃未満)で圧力を開放して非反応性ガスを溶解させた成形体を得た後、該成形体を熱可塑性ポリウレタンの軟化温度以上の温度で発泡させることにより製造することができる[製造方法1]。
熱可塑性ポリウレタンの組成にもよるが、生成する気泡のサイズは、非反応性ガスの溶解量に依存する。非反応性ガスの溶解量は溶解時の圧力および温度により調整することができる。製造方法1において、非反応性ガスの溶解時のゲージ圧力が3MPa未満の場合には、非反応性ガスを熱可塑性ポリウレタンからなる成形体に飽和量溶解するのに長時間を要する。一方、非反応性ガスの溶解時のゲージ圧力が15MPaを越える場合には、非反応性ガスの溶解に要する時間は短くなるが、溶解するガスの量が必要以上に多くなり、生成する気泡のサイズが著しく小さくなる。非反応性ガスの溶解時の圧力は、ゲージ圧力として、5〜14MPaの範囲内であることがより好ましい。
また、製造方法1において、非反応性ガスの溶解時の温度が50℃未満の場合には、非反応性ガスを熱可塑性ポリウレタンからなる成形体に飽和量溶解するのに長時間を要する。一方、非反応性ガスの溶解時の温度が160℃を越える場合には、成形体が著しく変形したり、非反応性ガスの溶解量が著しく少なくなって、生成する気泡のサイズが大きくなり過ぎる。非反応性ガスの溶解時の温度は80〜140℃の範囲内であることがより好ましい。
製造方法1において、非反応性ガスを溶解させた成形体から樹脂発泡体を製造する際に、加熱温度が熱可塑性ポリウレタンの軟化温度未満の場合には、気泡の生成や成長が不十分となりやすい。非反応性ガスを溶解させた成形体を加熱する際の温度は、生成する気泡のサイズおよび樹脂発泡体の強度の点から、熱可塑性ポリウレタンの軟化温度をT℃としたとき、(T+10)℃〜(T+40)℃の範囲内であることが好ましい。加熱発泡方法には制限はないが、非反応性ガスを溶解させた成形体に熱が均一にかかる方法が、発泡構造の均一性確保の点で好ましい。加熱発泡方法としては、例えば、熱水、熱オイルバス、熱風、水蒸気等の熱媒中を通過させる方法などが挙げられる。
また、本発明の樹脂発泡体は、ゲージ圧力が5〜15MPaの範囲内、温度が100〜160℃の範囲内に調整された耐圧容器内において、熱可塑性ポリウレタンからなる成形体(シート状成形体等)に非反応性ガスを溶解させた後、加圧状態から大気圧へ圧力を開放して発泡させることによっても製造することができる[製造方法2]。
製造方法2において、非反応性ガスの溶解時のゲージ圧力が5MPa未満の場合には、非反応性ガスを熱可塑性ポリウレタンからなる成形体に飽和量溶解するのに長時間を要する。一方、非反応性ガスの溶解時のゲージ圧力が15MPaを越える場合には、非反応性ガスの溶解に要する時間は短くなるが、溶解するガスの量が必要以上に多くなり、生成する気泡のサイズが著しく小さくなる。非反応性ガスの溶解時の圧力は、ゲージ圧力として、7〜14MPaの範囲内であることがより好ましい。
また、製造方法2において、非反応性ガスを溶解させ、また圧力を開放して発泡させる際の温度が100℃未満の場合には、非反応性ガスを熱可塑性ポリウレタンからなる成形体に飽和量溶解させるのに長時間を要し、しかも発泡させる際に気泡の生成や成長が不十分となることがある。一方、該温度が160℃を越える場合には、生成する気泡のサイズがばらつき、しかも得られる樹脂発泡体が変形しやすい。該温度は、熱可塑性ポリウレタンの軟化温度をT℃としたとき、(T+20)℃〜(T+50)℃の範囲内であることが好ましい。
また、本発明の樹脂発泡体は、溶融状態の熱可塑性ポリウレタンに、非反応性ガスを加圧下で溶解させた後、押出成形[製造方法3]または射出成形[製造方法4]して発泡させることによっても製造することができる。
この時、該熱可塑性ポリウレタンを溶融させる温度は170〜250℃の範囲内であることが好ましい。該熱可塑性ポリウレタンを溶融させる温度が170℃に満たない場合には、実質的な可塑性が得られず、押出機や射出成形機のシリンダー内部におけるスクリュー混練による熱可塑性ポリウレタンの溶融化が困難となる。一方、該熱可塑性ポリウレタンを溶融させる温度が250℃を越える場合は、熱分解生成物、ゲル状物等の不溶融物が発生し、均一な発泡構造を有する樹脂発泡体が得られにくい。熱可塑性ポリウレタンを溶融させる温度は180〜240℃の範囲内であることがより好ましい。
また、非反応性ガスを溶融状態の熱可塑性ポリウレタン中に溶解させる時の圧力は、ゲージ圧力として、3〜20MPaの範囲内であることが好ましく、5〜18MPaの範囲内であることがより好ましい。非反応性ガスを溶解させる時の圧力が3MPaに満たない場合には、溶融した熱可塑性ポリウレタン中への非反応性ガスの溶解量が少なくなり、実質的に樹脂発泡体を得ることが難しくなる傾向がある。一方、非反応性ガスを溶解させる時の圧力が20MPaを越える場合には、得られる樹脂発泡体の平均気泡サイズが過度に小さくなる場合がある。
本発明の樹脂発泡体には、本発明の効果を損なわない範囲内において、有機系充填剤、無機系充填剤、架橋剤、架橋促進剤、架橋助剤、軟化剤、粘着付与剤、増粘剤、加工助剤、滑剤、ブルーミング防止剤、離型剤、密着性付与剤、結晶核剤、老化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、導電剤、着色剤、難燃剤、難燃助剤、熱分解型発泡剤(化学発泡剤)等の添加剤を配合させることができる。これらの添加剤の配合量としては、樹脂発泡体の全質量に対して、0〜50質量%であることが好ましく、0〜20質量%がより好ましく、0〜5質量%がさらに好ましい。
本発明の樹脂発泡体は、そのまま、或いは所望の加工を施すことにより研磨パッドとすることができる。研磨パッドとする際の上記加工の種類は特に制限されず、例えば、表面に気泡が露出するように研削あるいはスライスしたり、所定の形状に整えたり、格子状、同心円状、渦巻き状などの溝や、孔を形成したりすることができる。さらにクッション層となる素材と積層させることもできる。
本発明の研磨パッドは、それ自体公知の研磨スラリーと共に、CMPに使用することができる。研磨スラリーは、例えば、水やオイル等の液状媒体;シリカ、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素等の研磨剤;塩基、酸、界面活性剤などの成分を含有している。また、CMPを行うに際し、必要に応じ、研磨スラリーと共に、潤滑油、冷却剤などを併用してもよい。
CMPは、公知のCMP用装置を使用し、研磨スラリーを介して被研磨面と研磨パッドを、加圧下、一定速度で、一定時間接触させることによって実施することができる。研磨の対象となる物品には特に制限はないが、例えば、水晶、シリコン、ガラス、光学基板、電子回路基板、多層配線基板、ハードディスクなどが挙げられる。特に、研磨の対象としては、シリコンウェハーや半導体ウェハーであることが好ましい。半導体ウェハーの具体例としては、例えば、酸化シリコン、酸化フッ化シリコン、有機ポリマー等の絶縁膜;銅、アルミニウム、タングステン等の配線材金属膜;タンタル、チタン、窒化タンタル、窒化チタン等のバリアメタル膜などを表面に有するものが挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例に記した熱可塑性ポリウレタンおよび樹脂発泡体の物性評価は次の方法で実施した。
熱可塑性ポリウレタンのガラス転移温度
精秤した10mgのサンプルを用いて、熱分析測定装置(メトラー・トレド株式会社製 DSC30)を使用して、窒素を100mL/分の速度で流しながら、測定温度範囲0〜250℃、昇温速度10℃/分の条件によりガラス転移温度を測定した。
熱可塑性ポリウレタンの貯蔵弾性率(E’ およびE’ 70
厚さ2.0mm、長さ3cmの押出成形シートを作製し、該シートを90℃で5時間熱処理した試験片を用いて、動的粘弾性測定装置(株式会社レオロジー製 DVEレオスペクトラー)を使用して、0℃および70℃における貯蔵弾性率を周波数11Hz、昇温速度3℃/分の条件で測定した。
熱可塑性ポリウレタンの引張弾性率
厚さ2mmの押出成形シートを作製し、該シートを100℃で12時間熱処理した試験片を用いて、JIS K 7113のプラスチックの引張試験方法に準じて、引張試験機(株式会社島津製作所製 AG5000)を使用して、23℃、湿度50%RHの条件下に測定した。
熱可塑性ポリウレタンの水に対する接触角
厚さ2.0mm、長さ10cmの押出成形シートを作製し、該シートを100℃で12時間熱処理した試験片を用いて、接触角計(協和界面科学株式会社製 Drop Master100)を使用して、測定温度23℃、湿度50%RH雰囲気下で、水滴を滴下させた後、1秒後の接触角を測定した。
樹脂発泡体の密度
電子比重計(ミラージュ貿易株式会社製 MD−200S)を用いて、JIS K 7112に準拠して樹脂発泡体の密度を測定した。
樹脂発泡体の平均気泡サイズ
樹脂発泡体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により写真撮影し、一定面積内に存在する気泡数を数えて単位体積当たりの気泡数(気泡の数密度)を算出した。その値と上記で測定した樹脂発泡体の密度と熱可塑性ポリウレタンの密度とから、気泡が真球状であると仮定したときの平均気泡サイズを計算した。
平坦性(研磨均一性)
以下の実施例または比較例において得られた研磨パッドを研磨装置(株式会社 エム・エー・ティ製 MAT−BC15)の定盤に両面テープで張り付けた。次に、株式会社アライドマテリアル製のコンディショナー(#100−被覆率80%、直径10cm、荷重1kg)を用い、スラリーとしてシリカスラリー(キャボット社製 SS25を蒸留水で1/2に希釈)を200mL/分の流量で流しながら、研磨圧力14kPa、プラテン回転数60rpm、ヘッド回転数59rpmにて、4インチ熱酸化膜付きシリコンウエハーの研磨試験を行った。
研磨前後の4インチ熱酸化膜付きシリコンウェハーの膜厚を49点測定し、各点での研磨速度を求めた。49点の研磨速度の平均値を研磨速度(R)とし、また49点の研磨速度の標準偏差(σ)を求め、下式(1)により求めた不均一性から研磨均一性を評価した。
不均一性(%)=(σ/R)×100 (1)
不均一性が15%以下を合格(○)とし、15%を越えるものを不合格(×)とした。
スクラッチ傷の測定
上記の平坦性(研磨均一性)の研磨試験後のウェハー表面に存在する0.16μm以上の大きさの傷の数をKLA−Tencor社製 Surfscan SP1を用いて測定した。0.16μm以上の大きさの傷の数が、ウェハー1枚につき500個以下を合格(○)とし、500個を越えるものを不合格(×)とした。
[参考例1]
数平均分子量1400のポリテトラメチレングリコール(略号:PTMG1400)、数平均分子量600のポリエチレングリコール(略号:PEG600)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(略号:MDI)および1,4−シクロヘキサンジメタノール(略号:CHDM)を、PTMG1400:PEG600:MDI:CHDMの質量比が16.5:2.9:52.5:28.1(窒素原子の含有率:5.9質量%)となる割合で用い、且つそれらの合計供給量が300g/分になるようにして、定量ポンプにより同軸で回転する2軸押出機(30mmφ、L/D=36、シリンダー温度:75〜260℃)に連続的に供給して連続溶融重合を行って熱可塑性ポリウレタンを製造した。生成した熱可塑性ポリウレタンの溶融物をストランド状で水中に連続的に押出した後、ペレタイザーでペレット状に細断し、このペレットを70℃で5時間、更に90℃で5時間除湿乾燥することにより、ガラス転移温度が69℃である熱可塑性ポリウレタン(以下、これをPU−1と略称する)を製造した。PU−1の70℃における貯蔵弾性率(E’70)は1.0×10Paであり、0℃における貯蔵弾性率(E’)は1.8×10Paであった。両者の比率(E’/E’70)は1.8であった。またPU−1の引張弾性率は1360MPaであり、水に対する接触角は72度であった。
[参考例2]
数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール(略号:PTMG2000)、数平均分子量2000のポリエチレングリコール(略号:PEG2000)、MDIおよびCHDMを、PTMG2000:PEG2000:MDI:CHDMの質量比が21.8:5.5:47.4:25.3(窒素原子の含有率:5.3質量%)となる割合で使用したこと以外は参考例1と同様にして、ガラス転移温度が71℃である熱可塑性ポリウレタン(以下、これをPU−2という)を製造した。PU−2の70℃における貯蔵弾性率(E’70)は1.0×10Paであり、0℃における貯蔵弾性率(E’)は1.2×10Paであった。両者の比率(E’/E’70)は1.2であった。またPU−2の引張弾性率は980MPaであり、水に対する接触角は68度であった。
[参考例3]
PTMG2000、PEG2000、MDIおよびCHDMを、PTMG2000:PEG2000:MDI:CHDMの質量比が13.7:13.7:47.4:25.3(窒素原子の含有率:5.3質量%)となる割合で使用したこと以外は参考例1と同様にして、ガラス転移温度が65℃である熱可塑性ポリウレタン(以下、これをPU−3という)を製造した。PU−3の70℃における貯蔵弾性率(E’70)は0.90×10Paであり、0℃における貯蔵弾性率(E’)は1.2×10Paであった。両者の比率(E’/E’70)は1.3であった。またPU−3の引張弾性率は1120MPaであり、水に対する接触角は62度であった。
[参考例4]
数平均分子量1000のポリテトラメチレングリコール(略号:PTMG1000)、数平均分子量1000のポリエチレングリコール(略号:PEG1000)、MDIおよびCHDMを、PTMG1000:PEG1000:MDI:CHDMの質量比が14.8:14.8:47.4:23.0(窒素原子の含有率:5.3質量%)となる割合で使用したこと以外は参考例1と同様にして、ガラス転移温度が83℃である熱可塑性ポリウレタン(以下、これをPU−4という)を製造した。PU−4の70℃における貯蔵弾性率(E’70)は1.1×10Paであり、0℃における貯蔵弾性率(E’)は2.0×10Paであった。両者の比率(E’/E’70)は1.8であった。またPU−4の引張弾性率は1400MPaであり、水に対する接触角は68度であった。
[参考例5]
PTMG2000、MDIおよびCHDMを、PTMG2000:MDI:CHDMの質量比が19.8:51.8:28.4(窒素原子の含有率:5.8質量%)となる割合で使用したこと以外は参考例1と同様にして、ガラス転移温度が102℃である熱可塑性ポリウレタン(以下、これをPU−5という)を製造した。PU−5の70℃における貯蔵弾性率(E’70)は1.3×10Paであり、0℃における貯蔵弾性率(E’)は2.0×10Paであった。両者の比率(E’/E’70)は1.5であった。またPU−5の引張弾性率は1550MPaであり、水に対する接触角は79度であった。
[参考例6]
PTMG2000、MDIおよびCHDMを、PTMG2000:MDI:CHDMの質量比が35.0:42.9:22.1(窒素原子の含有率:4.8質量%)となる割合で使用したこと以外は参考例1と同様にして、ガラス転移温度が43℃である熱可塑性ポリウレタン(以下、これをPU−6という)を製造した。PU−6の70℃における貯蔵弾性率(E’70)は0.20×10Paであり、0℃における貯蔵弾性率(E’)は1.6×10Paであった。両者の比率(E’/E’70)は8.0であった。またPU−6の引張弾性率は550MPaであり、水に対する接触角は79度であった。
[参考例7]
PTMG1000、PEG1000、MDIおよび1,4−ブタンジオール(略号:BD)を、PTMG1000:PEG1000:MDI:BDの質量比が11.5:11.5:58.1:18.9(窒素原子の含有率:6.5質量%)となる割合で使用したこと以外は参考例1と同様にして、ガラス転移温度が44℃である熱可塑性ポリウレタン(以下、これをPU−7という)を製造した。PU−7の70℃における貯蔵弾性率(E’70)は0.08×10Paであり、0℃における貯蔵弾性率(E’)は1.2×10Paであった。両者の比率(E’/E’70)は15.0であった。またPU−7の引張弾性率は450MPaであり、水に対する接触角は78度であった。
[参考例8]
PTMG1000、PEG1000、MDIおよびCHDMを、PTMG1000:PEG1000:MDI:CHDMの質量比が3.5:8.1:57.2:31.2(窒素原子の含有率:6.4質量%)となる割合で使用したこと以外は参考例1と同様にして、ガラス転移温度が108℃である熱可塑性ポリウレタン(以下、これをPU−8という)を製造した。PU−8の70℃における貯蔵弾性率(E’70)は1.6×10Paであり、0℃における貯蔵弾性率(E’)は2.1×10Paであった。両者の比率(E’/E’70)は1.3であった。またPU−8の引張弾性率は1780MPaであり、水に対する接触角は75度であった。
[実施例1]
熱可塑性ポリウレタン(PU−1)を単軸押出成形機(65mmφ)に仕込み、シリンダー温度215〜230℃、ダイス温度230℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔2.0mmのロールを通過させて、厚さ2mmのシートを成形した。
次に、得られたシート(400×400mm)を耐圧容器に入れ、温度110℃、圧力7MPaの条件下で5時間、二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を2.3質量%(飽和量)含むガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを115℃のシリコンオイル中に3分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して樹脂発泡体を得た。得られた樹脂発泡体の密度は0.75g/cm、平均気泡サイズは40μmであった。
得られた樹脂発泡体(シート状物)の表面を研削し、気泡を表面に露出させて、厚さ1.5mm、直径38cmの円形状にし、さらに表面には幅2.0mm、深さ1.0mm、ピッチ15mmのX−Yグルーブ加工(格子状溝)を施して研磨パッドを作製した。この研磨パッドを用いて、上記した方法により平坦性(研磨均一性)の評価およびスクラッチ傷の測定を行った。結果を表1に示した。
[実施例2]
熱可塑性ポリウレタン(PU−2)を単軸押出成形機(65mmφ)に仕込み、シリンダー温度215〜230℃、ダイス温度230℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔2.0mmのロールを通過させて、厚さ2mmのシートを成形した。
次に、得られたシート(400×400mm)を耐圧容器に入れ、温度110℃、圧力7MPaの条件下で5時間、二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を2.4質量%(飽和量)含むガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを115℃のシリコンオイル中に3分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して樹脂発泡体を得た。得られた樹脂発泡体の密度は0.78g/cm、平均気泡サイズは40μmであった。
得られた樹脂発泡体(シート状物)の表面を研削し、気泡を表面に露出させて、厚さ1.5mm、直径38cmの円形状にし、さらに表面には幅2.0mm、深さ1.0mm、ピッチ15mmのX−Yグルーブ加工(格子状溝)を施して研磨パッドを作製した。この研磨パッドを用いて、上記した方法により平坦性(研磨均一性)の評価およびスクラッチ傷の測定を行った。結果を表1に示した。
[実施例3]
熱可塑性ポリウレタン(PU−3)を単軸押出成形機(65mmφ)に仕込み、シリンダー温度215〜230℃、ダイス温度230℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔2.0mmのロールを通過させて、厚さ2mmのシートを成形した。
次に、得られたシート(400×400mm)を耐圧容器に入れ、温度110℃、圧力7MPaの条件下で5時間、二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を2.7質量%(飽和量)含むガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを115℃のシリコンオイル中に3分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して樹脂発泡体を得た。得られた樹脂発泡体の密度は0.78g/cm、平均気泡サイズは40μmであった。
得られた樹脂発泡体(シート状物)の表面を研削し、気泡を表面に露出させて、厚さ1.5mm、直径38cmの円形状にし、さらに表面には幅2.0mm、深さ1.0mm、ピッチ15mmのX−Yグルーブ加工(格子状溝)を施して研磨パッドを作製した。この研磨パッドを用いて、上記した方法により平坦性(研磨均一性)の評価およびスクラッチ傷の測定を行った。結果を表1に示した。
[実施例4]
熱可塑性ポリウレタン(PU−4)を単軸押出成形機(65mmφ)に仕込み、シリンダー温度215〜230℃、ダイス温度230℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔2.0mmのロールを通過させて、厚さ2mmのシートを成形した。
次に、得られたシート(400×400mm)を耐圧容器に入れ、温度110℃、圧力7MPaの条件下で5時間、二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を2.2質量%(飽和量)含むガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを115℃のシリコンオイル中に3分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して樹脂発泡体を得た。得られた樹脂発泡体の密度は0.74g/cm、平均気泡サイズは40μmであった。
得られた樹脂発泡体(シート状物)の表面を研削し、気泡を表面に露出させて、厚さ1.5mm、直径38cmの円形状にし、さらに表面には幅2.0mm、深さ1.0mm、ピッチ15mmのX−Yグルーブ加工(格子状溝)を施して研磨パッドを作製した。この研磨パッドを用いて、上記した方法により平坦性(研磨均一性)の評価およびスクラッチ傷の測定を行った。結果を表1に示した。
[比較例1]
熱可塑性ポリウレタン(PU−5)を単軸押出成形機(65mmφ)に仕込み、シリンダー温度215〜230℃、ダイス温度230℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔2.0mmのロールを通過させて、厚さ2mmのシートを成形した。
次に、得られたシート(400×400mm)を耐圧容器に入れ、温度110℃、圧力7MPaの条件下で5時間、二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を2.3質量%(飽和量)含むガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを115℃のシリコンオイル中に3分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して樹脂発泡体を得た。得られた樹脂発泡体の密度は0.75g/cm、平均気泡サイズは40μmであった。
得られた樹脂発泡体(シート状物)の表面を研削し、気泡を表面に露出させて、厚さ1.5mm、直径38cmの円形状とし、さらに表面には幅2.0mm、深さ1.0mm、ピッチ15mmのX−Yグルーブ加工(格子状溝)を施して研磨パッドを作製した。この研磨パッドを用いて、上記した方法により平坦性(研磨均一性)の評価およびスクラッチ傷の測定を行った。結果を表1に示した。
[比較例2]
熱可塑性ポリウレタン(PU−6)を単軸押出成形機(65mmφ)に仕込み、シリンダー温度215〜230℃、ダイス温度230℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔2.0mmのロールを通過させて、厚さ2mmのシートを成形した。
次に、得られたシート(400×400mm)を耐圧容器に入れ、温度110℃、圧力7MPaの条件下で5時間、二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を2.3質量%(飽和量)含むガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを115℃のシリコンオイル中に3分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して樹脂発泡体を得た。得られた樹脂発泡体の密度は0.75g/cm、平均気泡サイズは40μmであった。
得られた樹脂発泡体(シート状物)の表面を研削し、気泡を表面に露出させて、厚さ1.5mm、直径38cmの円形状とし、さらに表面には幅2.0mm、深さ1.0mm、ピッチ15mmのX−Yグルーブ加工(格子状溝)を施して研磨パッドを作製した。この研磨パッドを用いて、上記した方法により平坦性(研磨均一性)の評価およびスクラッチ傷の測定を行った。結果を表1に示した。
[比較例3]
熱可塑性ポリウレタン(PU−7)を単軸押出成形機(65mmφ)に仕込み、シリンダー温度215〜230℃、ダイス温度230℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔2.0mmのロールを通過させて、厚さ2mmのシートを成形した。
次に、得られたシート(400×400mm)を耐圧容器に入れ、温度110℃、圧力7MPaの条件下で5時間、二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を2.3質量%(飽和量)含むガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを115℃のシリコンオイル中に3分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して樹脂発泡体を得た。得られた樹脂発泡体の密度は0.74g/cm、平均気泡サイズは40μmであった。
得られた樹脂発泡体(シート状物)の表面を研削し、気泡を表面に露出させて、厚さ1.5mm、直径38cmの円形状とし、さらに表面には幅2.0mm、深さ1.0mm、ピッチ15mmのX−Yグルーブ加工(格子状溝)を施して研磨パッドを作製した。この研磨パッドを用いて、上記した方法により平坦性(研磨均一性)の評価およびスクラッチ傷の測定を行った。結果を表1に示した。
[比較例4]
熱可塑性ポリウレタン(PU−8)を単軸押出成形機(65mmφ)に仕込み、シリンダー温度215〜230℃、ダイス温度230℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔2.0mmのロールを通過させて、厚さ2mmのシートを成形した。
次に、得られたシート(400×400mm)を耐圧容器に入れ、温度110℃、圧力7MPaの条件下で5時間、二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を2.3質量%(飽和量)含むガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを115℃のシリコンオイル中に3分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して樹脂発泡体を得た。得られた樹脂発泡体の密度は0.77g/cm、平均気泡サイズは40μmであった。
得られた樹脂発泡体(シート状物)の表面を研削し、気泡を表面に露出させて、厚さ1.5mm、直径38cmの円形状とし、さらに表面には幅2.0mm、深さ1.0mm、ピッチ15mmのX−Yグルーブ加工(格子状溝)を施して研磨パッドを作製した。この研磨パッドを用いて、上記した方法により平坦性(研磨均一性)の評価およびスクラッチ傷の測定を行った。結果を表1に示した。
Figure 2008222769
本発明によれば、均一な発泡構造を有する樹脂発泡体および該樹脂発泡体よりなる研磨パッドが提供される。本発明の研磨パッドは、半導体ウェハー等の被研磨物を精度よく且つ高い研磨効率で研磨するための、CMP用研磨パッドとして特に有用である。

Claims (8)

  1. 熱可塑性ポリウレタンからなる樹脂発泡体であって、該熱可塑性ポリウレタンが以下の[A]〜[D]を満足する樹脂発泡体。
    [A]高分子ポリオール(a)、1,4−シクロヘキサンジメタノールを50〜100モル%含有する鎖伸長剤(b)および有機ジイソシアネート(c)から形成され、[高分子ポリオール(a)の質量]/[鎖伸長剤(b)の質量+有機ジイソシアネート(c)の質量]=10/90〜40/60である。
    [B]窒素原子の含有率が5.0質量%以上である。
    [C]水に対する接触角が55〜75度である。
    [D]ガラス転移温度が50〜100℃である。
  2. 前記熱可塑性ポリウレタンの引張弾性率が800〜1500MPaである請求項1に記載の樹脂発泡体。
  3. 前記熱可塑性ポリウレタンの70℃における貯蔵弾性率(E’70)が0.90×10Pa以上であり、かつ0℃における貯蔵弾性率(E’)との比率(E’70/E’)が1.8以下である請求項1または2に記載の樹脂発泡体。
  4. 前記高分子ポリオール(a)が、数平均分子量が400〜2000であるポリテトラメチレングリコールおよび数平均分子量が400〜2000であるポリエチレングリコールからなり、[該ポリテトラメチレングリコールの質量]/[該ポリエチレングリコールの質量]=50/50〜90/10である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂発泡体。
  5. 前記熱可塑性ポリウレタンからなる成形体に、ゲージ圧力3〜15MPaおよび温度50〜160℃の条件下で非反応性ガスを溶解させ、次いで熱可塑性ポリウレタンの軟化温度より低い温度で圧力を開放して非反応性ガスを溶解させた成形体を得た後、該成形体を熱可塑性ポリウレタンの軟化温度以上の温度で発泡させることにより得られる請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂発泡体。
  6. 非反応性ガスが二酸化炭素または窒素である請求項5に記載の樹脂発泡体。
  7. 密度が0.4〜0.95g/cmであり、平均気泡サイズが1〜100μmである請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂発泡体。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂発泡体からなる研磨パッド。
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