JP4474208B2 - 樹脂発泡体およびそれからなる研磨パッド - Google Patents
樹脂発泡体およびそれからなる研磨パッド Download PDFInfo
- Publication number
- JP4474208B2 JP4474208B2 JP2004173128A JP2004173128A JP4474208B2 JP 4474208 B2 JP4474208 B2 JP 4474208B2 JP 2004173128 A JP2004173128 A JP 2004173128A JP 2004173128 A JP2004173128 A JP 2004173128A JP 4474208 B2 JP4474208 B2 JP 4474208B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- polishing pad
- resin composition
- temperature
- foam
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
Description
(1)損失弾性率(E”)の主分散のピーク温度(Tα)が100℃以上、かつ示差走査型熱量計(DSC)で測定した結晶化エンタルピー(ΔH)が25J/g以下である熱可塑性樹脂40〜95重量%と損失弾性率(E”)の主分散のピーク温度(Tα)が20℃以下のエラストマー5〜60重量%とを含有する樹脂組成物からなり、密度が0.4〜0.95g/cm3、気泡サイズが1〜100μmである樹脂発泡体、
(2)損失弾性率(E”)の主分散のピーク温度(Tα)が100℃以上、かつ示差走査型熱量計(DSC)で測定した結晶化エンタルピー(ΔH)が25J/g以下である熱可塑性樹脂40〜95重量%と損失弾性率(E”)の主分散のピーク温度(Tα)が20℃以下のエラストマー5〜60重量%とを含有する樹脂組成物に非反応性ガスを加圧条件下で溶解させた後、圧力を開放し、該樹脂組成物を軟化温度以上の温度で発泡させて得られる、密度が0.4〜0.95g/cm3、気泡サイズが1〜100μmである樹脂発泡体、
(3)非反応性ガスが二酸化炭素または窒素である上記(2)記載の樹脂発泡体、
(4)樹脂組成物は、80℃における貯蔵弾性率(E’80)が1×109dyn/cm2以上であり、かつ30℃における貯蔵弾性率(E’30)と80℃における貯蔵弾性率(E’80)の比率(E’30/E’80)が1.8以下である上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の樹脂発泡体、及び
(5)上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の樹脂発泡体からなる研磨パッド、に関する。
本発明における樹脂組成物は、特定の熱可塑性樹脂と特定のエラストマーとを含む。
上記したポリアミド樹脂自体は公知であり、原料の種類および使用量を適宜調整し、所望の物性を有するポリアミド樹脂を製造することができる。
また、非反応性ガスの溶解時の温度が80℃未満の場合は、非反応性ガスを樹脂組成物の成形体に飽和量溶解するのに長時間を要する。一方、非反応性ガスの溶解時の温度が170℃を越える場合は、圧力開放時に部分的に発泡を生じたり、非反応性ガスの溶解量が著しく少なくなったりして、生成する気泡サイズが大きくなり過ぎる場合がある。また、樹脂組成物の成形体が異常な変形を起こすことがある。非反応性ガスの溶解時の温度は、100〜160℃の範囲内であることがより好ましい。
本発明の研磨パッドの研磨対象となる物品に特に制限はないが、例えば、水晶、シリコン、ガラス、光学基板、電子回路基板、多層配線基板、ハードディスクなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例に記した樹脂発泡体の物性評価は次の方法で実施した。
JIS K 7112に準拠して、シート状発泡体の密度を測定した。
発泡体の断面を走査型電子顕微鏡により写真撮影し、写真上で測定されたサイズと撮影時の倍率から計算して平均気泡サイズを計算した。
厚さ2mmの射出成形シートを作製し、該シートを90℃で8時間熱処理した試験片を用いて、動的粘弾性測定装置〔DVE−V4レオスペクトラー:(株)レオロジー社製〕を使用して、所定温度における貯蔵弾性率(E’)を周波数11Hzで測定した。30℃及び80℃における貯蔵弾性率と損失弾性率(E”)がピークとなる温度(Tα)を求めた。
示差走査熱量計(メトラー社製:DSC30)を用いて、樹脂組成物を測定した。測定の際の試料量は10mgとし、窒素ガス雰囲気下、10℃/分の昇温速度で測定し、吸熱ピークのピーク面積より結晶化エンタルピー(ΔH)を求めた。
厚さ2mmの射出成形シートを作製し、該シートを90℃で8時間熱処理した試験片を用いて、動的粘弾性測定装置[DVE−V4レオスペクトラー:(株)レオロジー社製]を使用して、所定温度における貯蔵弾性率(E’)を周波数11Hzで測定した。そして、貯蔵弾性率(E’)が1×109dyn/cm2になる温度を軟化温度(T)とした。
熱可塑性樹脂−1:ポリ(2,4,4−トリメチルへキシレンテレフタラミド)[ダイセル・デクサ社製、商品名トロガミドT5000]
エラストマー−1:ポリアミドエラストマー[アトフィナ・ジャパン社製、商品名ペバックスMH1657]
エラストマー−2:ポリウレタンエラストマー[(株)クラレ製、商品名クラミロンU♯9190]。
熱可塑性樹脂−2の製造
数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール(略号:PTG)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(略号:MDI)及び1,4−シクロヘキサンジメタノール(略号:CHDM)〔鎖伸長剤〕をPTG:MDI:CHDMのモル比が1:48.6:47.6(窒素原子の含有率:6.5重量%)となるような割合で用い、かつ、それらの合計供給量が300g/分になるようにして、定量ポンプにより同軸で回転する二軸押出機(30mmφ、L/D=36、シリンダー温度:75〜260℃)に連続的に供給して、連続溶融重合を行ってポリウレタンを製造した。生成したポリウレタンの溶融物をストランド状で水中に連続的に押出した後、ペレタイザーでペレット状に細断し、このペレットを70℃で5時間、更に90℃で5時間除湿乾燥した。このポリウレタン樹脂を「熱可塑性樹脂−2」とした。
熱可塑性樹脂−3の製造
テレフタル酸32.73kg(197モル),1,9−ノナンジアミン26.92kg(170モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン4.74(30モル)、安息香酸0.73kg(6モル)、亜リン酸65g(原料に対して0.1重量%)及び蒸留水60リットルを内容積200リットルのオートクレーブに仕込み窒素置換した。100℃で30分攪拌し、2時間掛けて内部温度を210℃に昇温した。そのまま1時間反応を続けた後、230℃に昇温し、その後2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2.2MPaに保ちながら反応させた。次に、30分かけて圧力を1MPaまで下げ、更に1時間反応させることにより、極限粘度0.25dl/gの低次縮合物を得た。得られた低次縮合物を2mm以下に粉砕して、100℃、減圧下で12時間乾燥し、これをタンブラー式固相重合装置を用いて、230℃、13.3Paにて10時間固相重合してポリアミド樹脂を製造した。このポリアミド樹脂を「熱可塑性樹脂−3」とした。
熱可塑性樹脂−4の製造
数平均分子量500のポリ(3−メチルペンタンジオールアジペート)ジオール(略号:PMPA)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(略号:MDI)及び1,4−シクロヘキサンジメタノール(略号:CHDM)〔鎖伸長剤〕を、PMPA:MDI:CHDMのモル比が1:9.7:8.7(窒素原子の含有率:6.5重量%)となるような割合で用い、かつ、それらの合計供給量が300g/分になるようにして、定量ポンプにより同軸で回転する二軸押出機(30mmφ、L/D=36、シリンダー温度:75〜260℃)に連続的に供給して、連続溶融重合を行ってポリウレタンを製造した。生成したポリウレタンの溶融物をストランド状で水中に連続的に押出した後、ペレタイザーでペレット状に細断し、このペレットを70℃で5時間、更に90℃で5時間除湿乾燥し、ポリウレタン樹脂を得た。このポリウレタン樹脂を「熱可塑性樹脂−4」とした。
熱可塑性樹脂−5の製造
数平均分子量500のポリ(3−メチルペンタンジオールアジペート)ジオール(略号:PMPA)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(略号:MDI)及び1,4−ブタンジオール(略号:BD)〔鎖伸長剤〕を、PMPA:MDI:BDのモル比が1:4.5:3.5(窒素原子の含有率:6.5重量%)となるような割合で用い、かつ、それらの合計供給量が300g/分になるようにして、定量ポンプにより同軸で回転する二軸押出機(30mmφ、L/D=36、シリンダー温度:75〜260℃)に連続的に供給して、連続溶融重合を行ってポリウレタンを製造した。生成したポリウレタンの溶融物をストランド状で水中に連続的に押出した後、ペレタイザーでペレット状に細断し、このペレットを70℃で5時間、更に90℃で5時間除湿乾燥し、ポリウレタン樹脂を得た。このポリウレタン樹脂を「熱可塑性樹脂−5」とした。
エラストマー−3の製造
数平均分子量500のポリ(テトラメチレングリコール)(略号:PTMG)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(略号:MDI)及び1,4−ブタンジオール(略号:BD)〔鎖伸長剤〕を、PTMG:MDI:BDのモル比が1:4.4:3.4(窒素原子の含有率:6.5重量%)となるような割合で用い、かつ、それらの合計供給量が300g/分になるようにして、定量ポンプにより同軸で回転する二軸押出機(30mmφ、L/D=36、シリンダー温度:75〜260℃)に連続的に供給して、連続溶融重合を行ってポリウレタンを製造した。生成したポリウレタンの溶融物をストランド状で水中に連続的に押出した後、ペレタイザーでペレット状に細断し、このペレットを70℃で5時間、更に80℃で5時間除湿乾燥し、ポリウレタンエラストマーを得た。このポリウレタンエラストマーを「エラストマー−3」とした。
熱可塑性樹脂−1(16kg)とエラストマー−1(4kg)とを配合した混合物を単軸押出機(65mmφ、シリンダー温度:210〜260℃)に供給して溶融混練して、ストランド状に水中に押出し、次いでペレタイザーで切断し樹脂組成物(A)のペレットを作製した。用いた熱可塑性樹脂、エラストマー、及び得られた樹脂組成物(A)の各物性を下記、表1にまとめた。
上記で得られた樹脂組成物(A)を単軸押出成形機(65mmφ)に仕込み、シリンダー温度210〜250℃、ダイス温度240℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔1.8mmのロールを通過させて厚さ2mmのシートを成形した。次に、得られたシート(5cm×10cm)を耐圧容器に入れ、温度140℃、圧力10MPaの条件下で10時間二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を飽和量溶解させてなるガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを145℃のシリコンオイル中に8分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して発泡体を得た。得られた発泡体の密度は0.65g/cm3、気泡サイズが10〜20μmであった。
得られた発泡体(シート状物)の表面を研削し、気泡を表面に露出させて、厚さ1.3mm、直径38cmの円形の研磨パッドを作製し、表面には幅0.8mm、深さ0.8cm、ピッチ6mmのX-Yグルーブ加工(格子状溝)を施した。このパッドを研磨装置(エム・エー・テェ社 MAT-BC15)の常盤に両面接着テープで貼り付けた。(株)アライドマテリアル社製のコンディショナー(#200−被覆率80%、直径10cm、荷重1kg)を用いて、プラテン回転数60rpm、コンディショナー回転数40rpmで同方向に回転させ、蒸留水を20ml/分で供給しながら10分間研磨パッドのコンディショニングを行った。コンディショニング後、SEM観察用試験片として研磨パッドの一部を切り出し、研磨パッドの表面状態を観察した。パッド表面の気泡構造に変形やつぶれが見られなかった。
熱可塑性樹脂−2(16kg)とエラストマー−2(4kg)とを配合した混合物を単軸押出機(65mmφ、シリンダー温度:200〜230℃)に供給して溶融混練して、ストランド状に水中に押出し、次いでペレタイザーで切断し樹脂組成物(B)のペレットを作製した。用いた熱可塑性樹脂、エラストマー、及び得られた樹脂組成物(B)の各物性を下記、表1にまとめた。
上記で得られた樹脂組成物(B)を単軸押出成形機(65mmφ)に仕込み、シリンダー温度210〜230℃、ダイス温度230℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔1.8mmのロールを通過させて厚さ2mmのシートを成形した。次に、得られたシート(5cm×10cm)を耐圧容器に入れ、温度130℃、圧力10MPaの条件下で10時間二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を飽和量溶解させてなるガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを135℃のシリコンオイル中に8分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して発泡体を得た。得られた発泡体の密度は0.60g/cm3、気泡サイズが5〜15μmであった。
得られた発泡体(シート状物)の表面を研削し、気泡を表面に露出させて、厚さ1.3mm、直径38cmの円形の研磨パッドを作製し、表面には幅0.8mm、深さ0.8cm、ピッチ6mmのX-Yグルーブ加工(格子状溝)を施した。このパッドを研磨装置(エム・エー・テェ社 MAT-BC15)の常盤に両面接着テープで貼り付けた。(株)アライドマテリアル社製のコンディショナー(#200−被覆率80%、直径10cm、荷重1kg)を用いて、プラテン回転数60rpm、コンディショナー回転数40rpmで同方向に回転させ、蒸留水を20ml/分で供給しながら10分間研磨パッドのコンディショニングを行った。コンディショニング後、SEM観察用試験片として研磨パッドの一部を切り出し、研磨パッドの表面状態を観察した。パッド表面の気泡構造に変形やつぶれが見られなかった。
熱可塑性樹脂−1(16kg)とエラストマー−1(16kg)とを配合した混合物を単軸押出機(65mmφ、シリンダー温度:210〜260℃)に供給して溶融混練して、ストランド状に水中に押出し、次いでペレタイザーで切断し樹脂組成物(C)のペレットを作製した。用いた熱可塑性樹脂、エラストマー、及び得られた樹脂組成物(C)の各物性を下記、表1にまとめた。
上記で得られた樹脂組成物(C)を単軸押出成形機(65mmφ)に仕込み、シリンダー温度210〜250℃、ダイス温度240℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔1.8mmのロールを通過させて厚さ2mmのシートを成形した。次に、得られたシート(5cm×10cm)を耐圧容器に入れ、温度140℃、圧力10MPaの条件下で10時間二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を飽和量溶解させてなるガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを135℃のシリコンオイル中に8分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して発泡体を得た。得られた発泡体の密度は0.75g/cm3、気泡サイズが10〜20μmであった。
得られた発泡体(シート状物)の表面を研削し、気泡を表面に露出させて、厚さ1.3mm、直径38cmの円形の研磨パッドを作製し、表面には幅0.8mm、深さ0.8cm、ピッチ6mmのX-Yグルーブ加工(格子状溝)を施した。このパッドを研磨装置(エム・エー・テェ社 MAT-BC15)の常盤に両面接着テープで貼り付けた。(株)アライドマテリアル社製のコンディショナー(#200−被覆率80%、直径10cm、荷重 1kg)を用いて、プラテン回転数60rpm、コンディショナー回転数40rpmで同方向に回転させ、蒸留水を20ml/分で供給しながら10分間研磨パッドのコンディショニングを行った。コンディショニング後、SEM観察用試験片として研磨パッドの一部を切り出し、研磨パッドの表面状態を観察した。パッド表面の気泡構造に変形やつぶれが見られなかった。
熱可塑性樹脂−1(20kg)を単軸押出成形機(65mmφ)に仕込み、シリンダー温度210〜260℃、ダイス温度250℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔1.8mmのロールを通過させて厚さ2mmのシートを成形した。次に、得られたシート(5cm×10cm)を耐圧容器に入れ、温度140℃、圧力10MPaの条件下で10時間二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を飽和量溶解させてなるガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを145℃のシリコンオイル中に8分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して発泡体を得た。得られた発泡体の密度は0.65g/cm3、気泡サイズが10〜20μmであった。
得られた発泡体(シート状物)の表面を研削し、気泡を表面に露出させて、厚さ1.3mm、直径38cmの円形の研磨パッドを作製し、表面には幅0.8mm、深さ0.8cm、ピッチ6mmのX-Yグルーブ加工(格子状溝)を施した。このパッドを研磨装置(エム・エー・テェ社 MAT-BC15)の常盤に両面接着テープで貼り付けた。(株)アライドマテリアル社製のコンディショナー(#200−被覆率80%、直径10cm、荷重1kg)を用いて、プラテン回転数60rpm、コンディショナー回転数40rpmで同方向に回転させ、蒸留水を20ml/分で供給しながら10分間研磨パッドのコンディショニングを行った。コンディショニング後、SEM観察用試験片として研磨パッドの一部を切り出し、研磨パッドの表面状態を観察した。パッド表面付近の気泡に変形が見られ、穴が塞がれていた。
熱可塑性樹脂−3(16kg)とエラストマー−1(4kg)とを配合した混合物を単軸押出機(65mmφ、シリンダー温度:210〜260℃)に供給して溶融混練して、ストランド状に水中に押出し、次いでペレタイザーで切断し樹脂組成物(D)のペレットを作製した。用いた熱可塑性樹脂、エラストマー、及び得られた樹脂組成物(D)の各物性を下記、表1にまとめた。
上記で得られた樹脂組成物(D)を単軸押出成形機(65mmφ)に仕込み、シリンダー温度270〜290℃、ダイス温度290℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔1.8mmのロールを通過させて厚さ2mmのシートを成形した。次に、得られたシート(5cm×10cm)を耐圧容器に入れ、温度150℃、圧力15MPaの条件下で10時間二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を飽和量溶解させてなるガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを240℃のシリコンオイル中に3分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して発泡体を得た。得られた発泡体の密度は0.85g/cm3であったが、気泡サイズは20〜60μmの中に200〜300μmの気泡が点在し、均一な発泡構造ではなかった。
得られた発泡体(シート状物)の表面を研削し、気泡を表面に露出させて、厚さ1.3mm、直径38cmの円形の研磨パッドを作製し、表面には幅0.8mm、深さ0.8cm、ピッチ6mmのX-Yグルーブ加工(格子状溝)を施した。このパッドを研磨装置(エム・エー・テェ社 MAT-BC15)の常盤に両面接着テープで貼り付けた。(株)アライドマテリアル社製のコンディショナー(#200−被覆率80%、直径10cm、荷重 1kg)を用いて、プラテン回転数60rpm、コンディショナー回転数40rpmで同方向に回転させ、蒸留水を20ml/分で供給しながら10分間研磨パッドのコンディショニングを行った。コンディショニング後、SEM観察用試験片として研磨パッドの一部を切り出し、研磨パッドの表面状態を観察した。パッド表面付近の気泡に変形がみられ、穴が塞がれていた。
熱可塑性樹脂−4(16kg)とエラストマー−3(4kg)とを配合した混合物を単軸押出機(65mmφ、シリンダー温度:200〜230℃)に供給して溶融混練して、ストランド状に水中に押出し、次いでペレタイザーで切断し樹脂組成物(E)のペレットを作製した。用いた熱可塑性樹脂、エラストマー、及び得られた樹脂組成物(E)の各物性を下記、表1にまとめた。
上記で得られた樹脂組成物(E)を単軸押出成形機(65mmφ)に仕込み、シリンダー温度210〜230℃、ダイス温度230℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔1.8mmのロールを通過させて厚さ2mmのシートを成形した。次に、得られたシート(5cm×10cm)を耐圧容器に入れ、温度130℃、圧力9MPaの条件下で10時間二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を飽和量溶解させてなるガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを140℃のシリコンオイル中に8分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して発泡体を得た。得られた発泡体の密度は0.71g/cm3、気泡サイズは20〜40μmであった。
得られた発泡体(シート状物)の表面を研削し、気泡を表面に露出させて、厚さ1.5mm、直径38cmの円形の研磨パッドを作製し、表面には幅0.8mm、深さ0.8cm、ピッチ6mmのX-Yグルーブ加工(格子状溝)を施した。このパッドを研磨装置(エム・エー・テェ社 MAT-BC15)の常盤に両面接着テープで貼り付けた。(株)アライドマテリアル社製のコンディショナー(#200−被覆率80%、直径10cm、荷重1kg)を用いて、プラテン回転数60rpm、コンディショナー回転数40rpmで同方向に回転させ、蒸留水を20ml/分で供給しながら10分間研磨パッドのコンディショニングを行った。コンディショニング後、SEM観察用試験片として研磨パッドの一部を切り出し、研磨パッドの表面状態を観察した。パッド表面付近の気泡に変形がみられ、穴が塞がれていた。
熱可塑性樹脂−5(16kg)とエラストマー−2(4kg)とを配合した混合物を単軸押出機(65mmφ、シリンダー温度:200〜230℃)に供給して溶融混練して、ストランド状に水中に押出し、次いでペレタイザーで切断し樹脂組成物(F)のペレットを作製した。用いた熱可塑性樹脂、エラストマー、及び得られた樹脂組成物(F)の各物性を下記、表1にまとめた。
上記で得られた樹脂組成物(F)を単軸押出成形機(65mmφ)に仕込み、シリンダー温度210〜230℃、ダイス温度230℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔1.8mmのロールを通過させて厚さ2mmのシートを成形した。次に、得られたシート(5cm×10cm)を耐圧容器に入れ、温度130℃、圧力9MPaの条件下で10時間二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を飽和量溶解させてなるガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを130℃のシリコンオイル中に8分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して発泡体を得た。得られた発泡体の密度は0.72g/cm3、気泡サイズは10〜20μmであった。
得られた発泡体(シート状物)の表面を研削し、気泡を表面に露出させて、厚さ1.5mm、直径38cmの円形の研磨パッドを作製し、表面には幅0.8mm、深さ0.8cm、ピッチ6mmのX-Yグルーブ加工(格子状溝)を施した。このパッドを研磨装置(エム・エー・テェ社 MAT-BC15)の常盤に両面接着テープで貼り付けた。(株)アライドマテリアル社製のコンディショナー(#200−被覆率80%、直径10cm、荷重1kg)を用いて、プラテン回転数60rpm、コンディショナー回転数40rpmで同方向に回転させ、蒸留水を20ml/分で供給しながら10分間研磨パッドのコンディショニングを行った。この樹脂組成物(F)の80℃における貯蔵弾性率(E’80)と30℃における貯蔵弾性率(E’30)の比率(E’30/E’80)が7.1と大きく、硬度の温度依存性が大きい研磨パッドであった。また、コンディショニング後、SEM観察用試験片として研磨パッドの一部を切り出し、研磨パッドの表面状態を観察した。パッド表面付近の気泡に変形がみられ、穴が塞がれていた。
Claims (6)
- 損失弾性率(E”)の主分散のピーク温度(Tα)が100℃以上、かつ示差走査型熱量計(DSC)で測定した結晶化エンタルピー(ΔH)が25J/g以下であるポリアミド樹脂40〜95重量%と損失弾性率(E”)の主分散のピーク温度(Tα)が20℃以下のポリアミドエラストマー5〜60重量%とを含有する樹脂組成物からなり、密度が0.4〜0.95g/cm3、気泡サイズが1〜100μmである樹脂発泡体からなる研磨パッド。
- 損失弾性率(E”)の主分散のピーク温度(Tα)が100℃以上、かつ示差走査型熱量計(DSC)で測定した結晶化エンタルピー(ΔH)が25J/g以下であるポリウレタン樹脂40〜95重量%と損失弾性率(E”)の主分散のピーク温度(Tα)が20℃以下のポリウレタンエラストマー5〜60重量%とを含有する樹脂組成物からなり、密度が0.4〜0.95g/cm 3 、気泡サイズが1〜100μmである樹脂発泡体からなる研磨パッド。
- 損失弾性率(E”)の主分散のピーク温度(Tα)が100℃以上、かつ示差走査型熱量計(DSC)で測定した結晶化エンタルピー(ΔH)が25J/g以下であるポリアミド樹脂40〜95重量%と損失弾性率(E”)の主分散のピーク温度(Tα)が20℃以下のポリアミドエラストマー5〜60重量%とを含有する樹脂組成物に非反応性ガスを加圧条件下で溶解させた後、圧力を開放し、該樹脂組成物を軟化温度以上の温度で発泡させて得られる、密度が0.4〜0.95g/cm3、気泡サイズが1〜100μmである樹脂発泡体からなる研磨パッド。
- 損失弾性率(E”)の主分散のピーク温度(Tα)が100℃以上、かつ示差走査型熱量計(DSC)で測定した結晶化エンタルピー(ΔH)が25J/g以下であるポリウレタン樹脂40〜95重量%と損失弾性率(E”)の主分散のピーク温度(Tα)が20℃以下のポリウレタンエラストマー5〜60重量%とを含有する樹脂組成物に非反応性ガスを加圧条件下で溶解させた後、圧力を開放し、該樹脂組成物を軟化温度以上の温度で発泡させて得られる、密度が0.4〜0.95g/cm 3 、気泡サイズが1〜100μmである樹脂発泡体からなる研磨パッド。
- 非反応性ガスが二酸化炭素または窒素である請求項3または4記載の樹脂発泡体からなる研磨パッド。
- 樹脂組成物は、80℃における貯蔵弾性率(E’80)が1×109dyn/cm2以上であり、かつ30℃における貯蔵弾性率(E’30)と80℃における貯蔵弾性率(E’80)の比率(E’30/E’80)が1.8以下である請求項1〜5のいずれか一項記載の樹脂発泡体からなる研磨パッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004173128A JP4474208B2 (ja) | 2004-06-10 | 2004-06-10 | 樹脂発泡体およびそれからなる研磨パッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004173128A JP4474208B2 (ja) | 2004-06-10 | 2004-06-10 | 樹脂発泡体およびそれからなる研磨パッド |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005350574A JP2005350574A (ja) | 2005-12-22 |
JP2005350574A5 JP2005350574A5 (ja) | 2007-04-26 |
JP4474208B2 true JP4474208B2 (ja) | 2010-06-02 |
Family
ID=35585314
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004173128A Expired - Fee Related JP4474208B2 (ja) | 2004-06-10 | 2004-06-10 | 樹脂発泡体およびそれからなる研磨パッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4474208B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI403387B (zh) | 2005-09-22 | 2013-08-01 | Kuraray Co | 高分子材料、由它得到之發泡體及使用它之研磨墊 |
JP4994807B2 (ja) * | 2006-11-29 | 2012-08-08 | 株式会社クラレ | 発泡体の製造方法 |
JP4994894B2 (ja) * | 2007-03-09 | 2012-08-08 | 株式会社クラレ | 樹脂発泡体およびそれからなる研磨パッド |
JP5393434B2 (ja) | 2008-12-26 | 2014-01-22 | 東洋ゴム工業株式会社 | 研磨パッド及びその製造方法 |
JP6117645B2 (ja) * | 2013-07-31 | 2017-04-19 | 三菱樹脂株式会社 | ポリアミド系樹脂組成物、及びそれを成形してなるフィルム、射出成形体 |
FR3093726B1 (fr) | 2019-03-15 | 2021-10-01 | Arkema France | Procédé de fabrication d’une mousse de copolymère à blocs polyamides et à blocs polyéthers |
CN114410102B (zh) * | 2022-01-29 | 2022-09-13 | 浙江环龙新材料科技有限公司 | 一种微孔热塑性聚氨酯纳米复合发泡卷材及其制备方法与在抛光垫中的应用 |
CN115791885B (zh) * | 2022-11-25 | 2024-07-05 | 巨石集团有限公司 | 玻纤增强结晶性树脂复合材料中树脂含量的测定方法 |
-
2004
- 2004-06-10 JP JP2004173128A patent/JP4474208B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005350574A (ja) | 2005-12-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5193595B2 (ja) | 高分子材料、それから得られる発泡体及びこれらを用いた研磨パッド | |
KR100784656B1 (ko) | 열가소성 폴리우레탄 발포체, 이의 제조방법 및 이로부터제조된 연마 패드 | |
CN107000157B (zh) | 抛光层用成型体及抛光垫 | |
JP5389448B2 (ja) | 金属膜研磨用パッドおよびそれを用いる金属膜の研磨方法 | |
JP3983610B2 (ja) | 熱可塑性ポリウレタン発泡体およびそれからなる研磨パッド | |
JP4994894B2 (ja) | 樹脂発泡体およびそれからなる研磨パッド | |
JP4474208B2 (ja) | 樹脂発泡体およびそれからなる研磨パッド | |
JP4115124B2 (ja) | 熱可塑性ポリウレタン発泡体およびその製造方法並びに該発泡体からなる研磨パッド | |
JP6993513B2 (ja) | 研磨層用ポリウレタン、研磨層及び研磨パッド | |
JP4950564B2 (ja) | 高分子材料、それから得られる発泡体およびこれらを用いた研磨パッド | |
JP2007091898A (ja) | 樹脂発泡体及びこれを用いた研磨パッド | |
CN118019616A (zh) | 抛光垫 | |
JP2004123975A (ja) | ポリウレタン発泡体およびそれからなる研磨パッド | |
WO2023054331A1 (ja) | 研磨層用熱可塑性ポリウレタン、研磨層、及び研磨パッド | |
WO2023149434A1 (ja) | 研磨層、研磨パッド、研磨パッドの製造方法及び研磨方法 | |
CN117980109A (zh) | 抛光垫 | |
JP2023111449A (ja) | 3dプリンタを用いて熱可塑性樹脂から形成される造形物の製造方法、及びそれにより得られた研磨パッド | |
JP2004158785A (ja) | 研磨材およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070308 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070308 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20091118 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091124 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100106 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100302 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100308 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4474208 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140312 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |