WO2023013576A1 - 研磨パッド - Google Patents

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Abstract

円形の研磨面を有する研磨層を備え、研磨面の中央領域から周縁領域に渡って形成された、螺旋状溝又は同心円状に配置された複数の環状溝からなる同心円状溝と、中央領域から周縁領域に向かって延びる線分状溝からなる放射溝と、を備える研磨パッドである。そして、線分状溝は、放射溝中心から研磨面の半径に対して5~10%の距離の領域に第1の端部を有し、放射溝中心から研磨面の半径に対して35~70%の距離の領域に第2の端部を有し、線分状溝が、研磨面の半径に対して30~65%の割合の平均長さを有する。そして、線分状溝の断面積Sa(mm2)と、螺旋状溝又は同心円状溝の断面積Sb(mm2)とが、0.1≦Sb/Sa<1.0 を満たす。

Description

研磨パッド
 本発明は、化学機械研磨(CMP)に好ましく用いられる研磨パッドに関する。
 従来、半導体やシリコンウェハなどの基板材料や、ハードディスク,液晶ディスプレイ,レンズの材料であるガラスを、鏡面加工したり、半導体デバイスの製造工程における絶縁膜や金属膜による凹凸を平坦化したりするために、研磨パッドの研磨面に研磨スラリー(以下、単にスラリーとも称する)を滴下しながら、被研磨材を研磨パッドに押し当てて研磨する化学機械研磨(CMP)が用いられている。
 CMP用の研磨パッドには、研磨面に満遍なくスラリーを保持させたり、研磨屑を排出させたり、被研磨材の吸着による破損を防止したりすることを目的として、螺旋状溝、同心円状溝、格子状溝、放射溝等の、溝が形成されている。
 例えば、下記特許文献1は、研磨時にウェハの中央部が接する部分に中央から外周に向かう複数の放射溝が形成されているとともに、少なくともウェハの周辺部が接する部分に研磨パッドと同心の複数の円形溝が形成されている半導体ウェハの研磨パッドを開示する。そして、放射溝が形成された部分の幅がウェハの径のほぼ1/2であることを開示する。
 また、例えば、下記特許文献2は、研磨層の研磨側表面には、放射溝と同心円状溝とが、中心を共有しかつ互いに交差するように開口しており、放射溝と同心円状溝との交差部分が放射溝に属するものであるとした場合、放射溝と同心円状溝とが、条件(A)放射溝の面積(s1)と同心円状溝の面積(s2)との和(s1+s2)に占める、放射溝の面積(s1)の割合が、8~17%である、及び、条件(B)研磨側表面の面積(S)に占める、放射溝の面積(s1)と同心円状溝の面積(s2)との和(s1+s2)の割合が18~25%である、ことを満たす研磨パッドを開示する。
 また、例えば、下記特許文献3は、中心、周縁、中心から周縁まで延びる半径及び中心を包囲し、半径と交差する研磨トラックを含む研磨層と、半径と交差する複数の供給溝(δ)であって、被研磨材を平坦化するためのランドエリアを供給溝(δ)の間に有する研磨パッドを開示する。そして、研磨パッドは、平均供給断面積(δa)を有する複数の供給溝(δ)と、研磨流体が複数の供給溝(δ)から少なくとも一つの半径方向排流溝(ρ)に流れることを許すための、複数の供給溝(δ)と交差する、研磨層中の少なくとも一つの半径方向排流溝(ρ)と、を含む。そして、研磨パッドは、半径方向排流溝(ρ)が平均排流断面積(ρa)を有し、半径方向排流溝の平均排流断面積(ρa)が、2×δa≦ρa≦8×δa、(0.15)nf×δa≦nr×ρa≦(0.35)nf×δa(式中、(nr)は半径方向溝の数を表し、(nf)は供給溝の数を表す)にしたがって平均供給断面積(δa)よりも大きく、半径方向排流溝(ρ)が研磨トラックを通過して延びて、研磨パッドの回転中、研磨くずを、半導体基材、光学基材及び磁性基材の少なくとも一つの下で、研磨トラックに通し、研磨トラックを越えさせて研磨パッドの周縁へと除去することを促進する研磨パッドを開示する。
 また、例えば、下記特許文献4は、研磨層の、中央の回転中心、回転中心との間隔を有する配置の中心を有する中央トラックと;中央を同心円状の中心として複数の環状溝が配列された環状溝と;半径方向に延在して延びる溝とを備え、中央トラックに複数のクロスポイントが設けられている研磨パッドを開示する。
 また、例えば、下記特許文献5は、研磨層の中心まで伸びていない、半径方向に伸びる溝と環状溝が同時に存在する第1の領域と、環状溝のみが存在する第2の領域を形成し、第1の領域の半径が、研磨パッドの半径の30~70%である研磨パッドを開示する。
特開2000-237950号公報 特開2011-177884号公報 特開2017-208530号公報 TW M459065U1号公報 TW I548484号公報
 CMPにおいては、より高い研磨速度を実現する研磨パッドが求められている。本発明は、CMPの高い研磨速度を実現するための研磨パッドを提供することを目的とする。
 本発明の一局面は、円形の研磨面を有する研磨層を含む研磨パッドである。そして、研磨面は、研磨面の中心から半径に対して、0~10%の範囲である中央領域と、90~100%の範囲である周縁領域とを備え、研磨層は、中央領域から周縁領域にまで渡って配された、少なくとも1条の螺旋状溝又は同心円状に配置された複数の環状溝からなる同心円状溝を備え、さらに中央領域から周縁領域に向かって延びる少なくとも2本の線分状溝からなる放射溝、を備える。そして、螺旋状溝の中心,同心円状溝の中心,及び放射溝の中心は、中央領域に存在し、線分状溝は、研磨面の半径に対して30~65%の割合の平均長さを有し、且つ、放射溝の中心から研磨面の半径に対して、5~10%の距離の領域に第1の端部を、35~70%の距離の領域に第2の端部を有する。そして、線分状溝の長さ方向に対する垂直な方向の断面の断面積の平均である断面積Sa(mm2)と、螺旋状溝又は同心円状溝の接線方向に対する垂直な方向の断面の断面積の平均である断面積Sb(mm2)とが、0.1≦Sb/Sa<1.0 を満たす、研磨パッドである。
 ここで、研磨面とは、被研磨材に接触する、研磨層の表面を意味する。また、中央領域とは、例えば、図7を参照すれば、円形の研磨面の中心Gから半径に対して、0~10%の範囲のドットで示された領域である円形の領域R1を意味する。また、周縁領域とは、円形の研磨面の中心から半径に対して、90~100%の範囲の領域、詳しくは、半径に対して90~100%の円形の周縁に沿うドットで示された帯状の領域R2を意味する。
 また、線分状溝とは、線状の溝が、研磨面の周縁にまで達しておらず、研磨面の面内に両端を有することを意味する。また、螺旋状溝は、研磨面内の中央領域に螺旋中心を有する少なくとも1条の螺旋状の溝である。また、同心円状溝は、研磨面内の中央領域に共通する中心を有する、同心円状に配置された複数の環状溝からなる溝である。また、螺旋状溝又は同心円状溝が中央領域から周縁領域にまで渡って配されているとは、少なくとも1条の螺旋状溝又は同心円状に配置された複数の環状溝が、研磨面の中央領域から周縁領域に渡って満遍なく形成されていることを意味する。具体的には、同心円状溝の場合には、中心から最も近い溝が中央領域を通過し、最外周の溝が周縁領域を通過していることを意味する。また、螺旋状溝の場合には、螺旋状溝の始点が中央領域に存在し、螺旋状溝の終点が周縁領域に存在することを意味する。また、研磨領域とは、研磨面中の、シリコンウェハ等である被研磨材の被研磨面に接触する、被研磨材を研磨する領域を意味する。
 このような研磨パッドにおいては、複数の線分状溝が、研磨面に滴下されて中央領域付近に溜まったスラリーを研磨面の周縁から系外に漏出させることを抑制しながら、中央領域から周縁領域に渡って形成された螺旋状溝や同心円状溝にスラリーを適度に供給する。その結果、研磨領域にスラリーが効率的に供給されることにより、高い研磨速度が実現される。
 また、研磨パッドは、0.25≦Sb/Sa≦0.85、さらには、0.44≦Sb/Sa≦0.80を満たすことが、より高い研磨速度が得られ、また、被研磨材の被研磨面内における研磨均一性に優れる点から好ましい。
 また、研磨パッドは、線分状溝の幅の平均である溝幅Wa(mm)と、螺旋状溝又は同心円状溝の幅の平均である溝幅Wb(mm)とが、0.1≦Wb/Wa<1.0を満たすことが好ましい。このような場合には、スラリーが研磨領域により満遍なく保持されるために、より高い研磨速度が実現される。
 また、研磨パッドは、螺旋状溝又は同心円状溝の幅の平均である溝幅Wb(mm)と、螺旋状溝又は同心円状溝の平均溝ピッチP(mm)とが、0.02≦Wb/P≦0.25、を満たす、ことが好ましい。このような場合には、被研磨材に接触するランドエリアの面積を充分に確保できるとともに、充分な量のスラリーをランドエリアに供給できるために、より高い研磨速度が実現される。なお、溝ピッチPは、螺旋状溝を有する場合には隣接する各螺旋周回、同心円状溝を有する場合には隣接する各環状溝、における、溝の間隔と溝幅との合計の平均を意味する。
 また、研磨パッドは、線分状溝の幅の平均である溝幅Wa(mm)と、螺旋状溝又は同心円状溝の幅の平均である溝幅Wb(mm)と、螺旋状溝又は同心円状溝の平均溝ピッチP(mm)とが、0.2≦{Wb2/(P×Wa)}×100≦25を満たすことが好ましい。このような場合には、スラリーを研磨領域へ速やかに供給し、研磨面と被研磨材の被研磨面との間にスラリーを充分保持させることにより、より高い研磨速度が実現される。
 また、研磨パッドにおいては、研磨層が熱可塑性ポリウレタンを含むことが、低スクラッチ性に優れ、成形も容易である点から好ましい。また、研磨層が非発泡体であることが、研磨速度の安定性に優れ、成形も容易である点から好ましい。
 本発明によれば、CMPの研磨速度の高速化を容易に実現できる研磨パッドが得られる。
図1は、実施形態の螺旋状溝を有する研磨パッド10の研磨層1の研磨面の側の平面模式図である。 図2は、実施形態の同心円状溝を有する研磨パッド20の研磨層11の研磨面の側の平面模式図である。 図3Aは、螺旋状溝又は同心円状溝の、接線方向に対する垂直な方向の断面の模式図である。 図3Bは、溝のコーナー部を面取りして形成される斜面の角度を説明するための、溝の断面の模式図である。 図3Cは、逆台形の断面を有する溝の斜面の角度を説明するための、溝の断面の模式図である。 図4は、線分状溝の、長さ方向に対する垂直な方向の断面の模式図である。 図5は、研磨パッド10または研磨パッド20の厚さ方向の断面の部分断面模式図である。 図6は、CMPを説明するための説明図である。 図7は、研磨面における中央領域及び周縁領域を説明するための説明図である。
 本実施形態の研磨パッドについて図面を参照して詳しく説明する。
 図1は、本実施形態の研磨パッドの一例である、中央領域から周縁領域に渡って形成された、1条の螺旋状溝Hと、中央領域から周縁領域に向かって延びる8本の線分状溝S1~S8からなる放射溝と、を備えた、円形の研磨面を有する研磨層1を含む、研磨パッド10の、研磨面の平面模式図である。
 また、図2は、本実施形態の研磨パッドの他の一例である、中央領域から周縁領域に渡って形成された、同心円状に配置された11個の環状溝C1~C11と、中央領域から周縁領域に向かって延びる8本の線分状溝S1~S8からなる放射溝と、を備えた、円形の研磨面を有する研磨層11を含む研磨パッド20の、研磨面の平面模式図である。
 図7は、研磨パッド10における中央領域R1及び周縁領域R2を説明するための説明図である。図7に示した、研磨パッド10においては、円形の研磨面の中心Gから半径に対して、0~10%の範囲であるドットで示された円形の領域が中央領域R1であり、研磨面の中心から半径に対して、90~100%の範囲である領域、詳しくは、半径に対して90~100%の円形の周縁に沿う帯状のドットで示された領域が周縁領域R2である。
 図5は、研磨パッド10または研磨パッド20の層構成を説明するための、厚さ方向の断面の部分断面模式図である。研磨パッド10または研磨パッド20は、研磨層1,11の研磨面Fの反対面に接着層6を介してクッション層7が接着されている積層構造を有する。なお、本実施形態の研磨パッドは、このような積層構造を有する研磨パッドに限られず、研磨面を有する研磨層のみからなる単層の研磨パッドであってもよい。
 図1を参照すれば、研磨パッド10においては、研磨層1の研磨面は円形である。そして、その研磨面には、中央領域に含まれる研磨面の中心Gを螺旋中心として、中央領域から周縁領域に渡って配された1条の螺旋状溝Hが形成されている。また、中心Gを放射中心として、中央領域から周縁領域に向かって延びる8本の線分状溝S1~S8からなる放射溝が形成されている。このように、研磨パッド10においては、螺旋状溝Hと放射溝とは、中心を共有している。
 また、図2を参照すれば、研磨パッド20においては、研磨層11の研磨面は円形である。そして、研磨面には、中央領域に含まれる研磨面の中心Gを共通の中心として、中央領域から周縁領域に渡って配された環状の同心円状の11個の環状溝C1~C11が形成されている。また、中心Gを放射中心として、中央領域から周縁領域に向かって延びる8本の線分状溝S1~S8からなる放射溝が形成されている。このように、研磨パッド20においては、環状溝C1~C11と放射溝とは、中心を共有している。
 研磨パッド10及び研磨パッド20においては、回転中心となる円形の研磨面の中心Gと螺旋状溝又は同心円状溝の中心と放射溝の中心とが一致している。このような場合には、スラリーの流れ方がより均一になりやすくなる。なお、本実施形態の研磨パッドは、研磨面の中心と、螺旋状溝又は同心円状溝の中心または放射溝の中心とが一致していない、偏心している螺旋状溝,同心円状溝,または放射溝を有していてもよい。偏心している螺旋状溝又は同心円状溝を有する場合には、各溝に沿って研磨され過ぎることによって生じる、ウェハ等の被研磨材の被研磨面への各溝の形状の転写を抑制しやすい点から好ましい。
 円形の研磨面の直径は、CMPに用いられる一般的な円形の研磨パッドの研磨面の直径が採用され、例えば、500~780mm程度であることが好ましい。従って、円形の研磨面の半径は、例えば、250~390mm程度であることが好ましい。
 研磨パッド10または研磨パッド20においては、線分状溝S1~S8、及び、螺旋状溝H又は同心円状の環状溝C1~C11が形成されていない部分が、被研磨材の被研磨面に接触して研磨するランドエリアになる。研磨パッド10と研磨パッド20とは、螺旋状溝Hと、同心円状の環状溝C1~C11とが、異なる以外は、同様の研磨パッドである。なお、図1に示した研磨パッド10には螺旋状溝Hが形成されており、図2に示した研磨パッド10には同心円状の環状溝C1~C11が形成されている。本実施形態の研磨パッドにおいては、螺旋状溝及び同心円状の環状溝を組み合わせた溝を形成してもよい。
 このように本実施形態の研磨パッドは、研磨面の中央領域から周縁領域に渡って形成された螺旋状溝又は同心円状溝を備える。
 このように、研磨面の中央領域から周縁領域に渡って形成された螺旋状溝又は同心円状溝は、螺旋中心または同心円の中心から少なくとも研磨面の半径5~90%の領域に渡って形成されていることが好ましく、さらには4.5~95%の領域、とくには4~100%の領域の範囲に渡って形成されていることが好ましい。
 図1を参照すれば、研磨パッド10においては、研磨層1の研磨面の中央領域に含まれる中心Gに一致する螺旋中心から少なくとも研磨面の半径5~90%に渡る領域に均等な溝ピッチを有する旋回数10の螺旋状溝Hが形成されている。なお、溝ピッチが均等な螺旋は、アルキメデス螺旋とも称される。そして、螺旋状溝Hの旋回数1~旋回数6の溝が線分状溝S1~S8と交差して、41個所の交差部分を形成している。
 このように螺旋状溝が形成された研磨層においては、始点が、研磨面の中心から半径5%以下、さらには半径4.5%以下、とくには半径4%以下の領域にあることが好ましく、終点が半径90%以上、さらには半径95%以上、とくには半径100%の周縁にまで達していることが好ましい。このように螺旋状溝が研磨面の中央領域から周縁領域に渡ってほぼ全領域に形成されていることにより、研磨領域にスラリーを満遍なく行き渡らせることができる。
 螺旋状溝は1条の螺旋状溝であっても、複数の螺旋状溝を並列させた2条以上の螺旋状溝からなるものであってもよい。具体的には、螺旋状溝の並列する溝の数は、1~16条、さらには、1~10条であることが好ましい。
 また、図2を参照すれば、研磨パッド20においては、研磨層11の研磨面の中央領域に含まれる中心Gに一致する同心円の中心から少なくとも研磨面の半径5~90%に渡る領域に均等な溝ピッチを有する同心円状の環状溝C1~C11が形成されている。そして、環状溝C1~C11のうち、環状溝C2~C6が線分状溝S1~S8と交差して、40個所の交差部分を形成している。
 このように同心円状溝が形成された研磨層においては、研磨面の中心から半径5%以下、さらには半径4.5%以下、とくには、半径4%以下の領域を研磨面の中心から最も近い環状溝が通過し、半径90%以上、さらには半径95%以上の領域を最外周の溝が通過する、同心円状溝が形成されていることが好ましい。
 螺旋状溝又は同心円状溝の隣接する各溝の間隔である溝ピッチはとくに限定されないが、図3Aを参照すれば、隣接する溝の間隔の平均である溝ピッチP(mm)が、1~15mm、さらには2~12mm、とくには2~10mmであることが好ましい。螺旋状溝又は同心円状溝の溝ピッチPが大きすぎる場合には、螺旋状溝又は同心円状溝からランドエリアに供給されるスラリーが不足しやすくなる。また、溝ピッチPが小さすぎる場合には、ランドエリアの割合が低くなりすぎて研磨速度が低くなる傾向がある。
 螺旋状溝又は同心円状溝の断面形状は特に限定されない。具体的には、螺旋状溝又は同心円状溝の接線方向に対する垂直な方向の断面の形状は、長方形,正方形、台形,逆台形等の四角形状、三角形状、半円形状、半長円形状等が特に限定なく用いられる。これらの中では、四角形状が加工性とスラリーの保持性と供給安定性とに優れる点から好ましい。
 また、螺旋状溝又は同心円状溝は、研磨中のバリの発生を抑制するために、溝が開口に向かって逆テーパーになるように傾斜した断面を有していることが好ましい。具体的には、図3Bに示すように、研磨面に位置する四角形状の溝を形成する2つのコーナーが所定の角度αで傾斜するように面取りされたテーパー部を有する所謂Y字状であったり、図3Cに示すように、底角を形成する2つのコーナーに対して斜辺が所定の角度αで傾斜するように形成された逆台形の断面であったりすることが好ましい。このような傾斜の角度はとくに限定されないが、20度~90度未満、さらには、25~80度、とくには30~75度であることが好ましい。とくに、角度が30~80度である場合には、研磨中に溝のコーナー部に発生しやすいバリの発生が抑制されやすくなることにより、研磨速度の低下や研磨均一性の低下が抑制されやすくなる。
 また、図3Aを参照すれば、螺旋状溝又は同心円状溝の幅は、各溝の幅の平均である溝幅Wb(mm)が、0.1~4mm、さらには0.2~2mmであることが、研磨速度や研磨均一性にとくに優れる点から好ましい。なお、螺旋状溝又は同心円状溝の幅は、環状溝又は螺旋状溝の接線方向に対して垂直な方向に切断したときの断面形状において、次のように定義される。断面形状が、長方形または正方形の場合、研磨面における幅と定義される。また、台形または逆台形の場合には、下底の平均の幅と定義される。また、Y字状のように、面取りされたテーパー部が形成されている場合には、研磨面における、テーパー部が形成されていないと仮定したときの溝断面の幅と定義される。また、三角形状、半円形状、半長円形状の場合には、深さの1/2の位置の幅、と定義される。
 また、螺旋状溝又は同心円状溝の深さは、螺旋状溝又は同心円状溝の最深部の深さの平均が、0.3~3.0mm、さらには、0.5~2.5mm程度であることが、研磨領域にスラリーを充分に行き届かせるための供給性を確保し、また、研磨パッドの変形を抑えて研磨性能を安定化させる点から好ましい。螺旋状溝又は同心円状溝が深すぎる場合には、螺旋状溝又は同心円状溝の容積が大きくなりやすく、研磨の際にスラリーを研磨領域に充分行き渡らせるためにより多くのスラリーを供給する必要があり、コスト的に好ましくないことがある。また、螺旋状溝又は同心円状溝が浅すぎる場合には、螺旋状溝又は同心円状溝の容積が小さくなりやすく、研磨の際に研磨領域におけるスラリーの保持量が低下して、研磨領域のランドエリアに供給されるスラリーの量が少なくなって研磨速度が低下しやすくなる傾向がある。
 また、螺旋状溝又は同心円状溝の断面積は、図3Aに示すように、接線方向に対する垂直な方向の断面の断面積の平均である断面積Sb(mm2)が、0.2~4.5mm2、さらには、0.3~4.0mm2であることが研磨領域へのスラリーの供給量を充分に確保できる点から好ましい。断面積Sbが大きすぎる場合には、研磨領域にスラリーを充分に行き渡らせるためにより多くのスラリーを滴下する必要があり、コスト的に好ましくないことがある。また、断面積Sbが小さすぎる場合には、研磨領域に供給されるスラリーの量が少なくなって研磨速度が低下する傾向がある。なお、断面積の平均も、各溝の断面積の平均である。
 なお、螺旋状溝又は同心円状溝の溝ピッチP,溝幅Wb,深さ,及び断面積Sb等は、ブレークインの処理の前の未使用の研磨パッドを基準とする。
 また、本実施形態の研磨パッドは、上述のように、研磨面の中央領域から周縁領域に向かって延びる少なくとも2本の線分状溝からなる放射溝、を備える。そして、各線分状溝は、放射溝の中心から研磨面の半径に対して5~10%の距離の領域に第1の端部を有する。また、放射溝の中心から研磨面の半径に対して35~70%の距離の領域に第2の端部を有する。ここで放射溝の中心とは、全ての線分状溝の第1の端部の重心の位置を意味する。そして、線分状溝の長さの割合が研磨面の半径に対して30~65%の割合の平均長さを有する。このような線分状溝は、研磨面内において、螺旋状溝又は同心円状溝との交差部分を形成する。
 なお、放射溝の中心から研磨面の半径に対して5%の距離とは、放射溝の中心から、研磨面の半径に対する5%の長さ分の距離である。同様に、放射溝の中心から研磨面の半径に対して10%の距離とは、放射溝の中心から、研磨面の半径に対する10%の長さ分の距離である。
 図1を参照すれば、研磨パッド10においては、研磨面に形成された、線分状溝S1~S8が、螺旋状溝Hの中心に一致する放射溝の中心Gから研磨面の半径に対して5~10%の距離の領域に第1の端部E1を有する。また、螺旋状溝Hの中心に一致する放射溝の中心Gから研磨面の半径に対して35~70%の距離の領域に第2の端部E2を有する。そして、線分状溝S1~S8が研磨面の半径に対して30~65%の割合の平均長さを有する。また、図2を参照すれば、研磨パッド20においても、研磨面に形成された、線分状溝S1~S8が、同心円状の環状溝C1~C11の中心に一致する放射溝の中心Gから研磨面の半径に対して5~10%の距離の領域に第1の端部E1を有する。また、同心円状溝の中心に一致する放射溝の中心Gから研磨面の半径に対して35~70%の距離の領域に第2の端部E2を有する。そして、線分状溝S1~S8が研磨面の半径に対して30~65%の割合の平均長さを有する。
 すなわち、本実施形態の研磨パッド10または研磨パッド20においては、8本の線分状溝S1~S8の各溝が、放射溝の中心Gから研磨面の半径約7%の位置を示す仮想円K1に沿って第1の端部E1が配されており、放射溝の中心Gから研磨面の半径約52.5%の位置を示す仮想円K2に沿って第2の端部E2が配されている。そして、8本の線分状溝S1~S8は、研磨面の半径に対して約45.5%の割合の平均長さを有する。
 このように線分状溝の始点となる第1の端部が、放射溝の中心から研磨面の半径に対して5~10%の距離の領域に位置することによれば、研磨面に滴下されたスラリーが線分状溝に適度なタイミングで浸入して、研磨領域にスラリーを均一に分布させやすくなる。
 第1の端部が、放射溝の中心から研磨面の半径に対して5%未満の距離の領域に存在する場合、研磨面の中央領域付近に溜まったスラリーが、螺旋状溝又は同心円状溝よりも優先的に線分状溝へ入りやすくなり、中央領域付近におけるスラリーの供給量が不均一になって研磨速度が低下する。また、線分状溝の始点となる第1の端部が、放射溝の中心から研磨面の半径に対して10%超の距離の領域に存在する場合、中央領域付近に溜まったスラリーが、線分状溝へ浸入しにくくなることにより研磨領域へのスラリーの供給量が低下しやすくなる。
 一方、線分状溝の終点となる第2の端部は、放射溝の中心から研磨面の半径に対して35~70%の距離の領域に存在するように形成されている。線分状溝の終点となる第2の端部が、放射溝の中心から研磨面の半径に対して35~70%の距離の領域に存在することによれば、中央領域付近から線分状溝に浸入したスラリーが研磨領域に適度に送られ、一方、研磨面の周縁領域付近にまでは送られない。そのために、スラリーが研磨面の周縁から系外に漏出しにくくなり、研磨領域に充分な量のスラリーが保持されやすくなる。線分状溝の第2の端部は、さらには、放射溝の中心から研磨面の半径に対して40~65%の距離の領域に位置することが好ましい。
 線分状溝の第2の端部が、放射溝の中心から研磨面の半径35%未満の距離の領域に存在する場合、線分状溝の長さが短くなりすぎて、線分状溝に浸入したスラリーが研磨領域に充分に届きにくくなり、研磨領域でスラリーの供給不足になり、研磨速度が低下する。また、線分状溝の第2の端部が、放射溝の中心から研磨面の半径70%超の距離の領域に位置する場合には、研磨面の周縁領域付近にスラリーが供給され過ぎることにより、スラリーが周縁から系外に漏出してスラリーが浪費されやすくなる。その結果、研磨領域におけるスラリーの分布が不均一になることにより、研磨速度が低下する。
 このような放射溝を構成する線分状溝の長さの割合は、研磨面の半径に対して30~65%、好ましくは、35~60%の割合の平均長さを有する。線分状溝の平均長さの割合が研磨面の半径に対して30%未満である場合には、線分状溝に浸入したスラリーが研磨領域に充分に届きにくくなり、研磨領域でスラリーの供給不足になり、研磨速度が低下する。また、線分状溝の平均長さの割合が研磨面の半径に対して65%を超える場合には、研磨面の周縁領域付近にスラリーが供給され過ぎることにより、スラリーが周縁から系外に漏出してスラリーが浪費されやすくなる。なお、線分状溝の平均長さも、各線分状溝の長さの平均である。
 放射状の溝を構成する線分状溝の本数は2本以上であればとくに限定されないが、4~24本、さらには、5~16本であることが、スラリーの供給性と排出性のバランスに優れるために、研磨領域におけるスラリー保持力が向上する点から好ましい。線分状溝の本数が少なすぎる場合には、研磨領域へのスラリーの供給が不足しやすくなり、多すぎる場合には研磨面への排出性が高まって1本あたりの溝が供給するスラリーの量が不足して、研磨領域へのスラリーの供給性がばらつく傾向がある。
 線分状溝は、直線状であっても曲線状であってもよいが、スラリーの供給量または排出量を制御しやすい点から、直線であることが好ましい。
 線分状溝の断面形状も特に限定されない。具体的には、線分状溝の長さ方向に対する垂直な方向の断面の形状は、長方形,正方形、台形,逆台形等の四角形状,三角形状,半円形状,半長円形状等が特に限定なく用いられる。これらの中では、四角形状が加工性とスラリーの保持性と供給安定性とに優れる点から好ましい。
 また、線分状溝も、研磨中のバリの発生を抑制するために、溝が開口に向かって逆テーパーになるように傾斜した断面を有していることが好ましい。具体的には、研磨面に位置する四角形状の溝を形成する2つのコーナーが所定の角度βで傾斜するように面取りされたテーパー部を有する所謂Y字状であったり、底角を形成する2つのコーナーに対して斜辺が所定の角度βで傾斜するように形成された逆台形の断面であったりすることが好ましい。このような傾斜の角度はとくに限定されないが、20度~90度未満、さらには、25~80度、とくには30~75度であることが好ましい。とくに、角度が30~80度である場合には、研磨中に溝のコーナー部に発生しやすいバリの発生が抑制されやすくなることにより、研磨速度の低下や研磨均一性の低下が抑制されやすくなる。
 また、図4を参照すれば、線分状溝の幅は、各線分状溝の幅の平均である溝幅Wa(mm)が、0.1~10mm、さらには、0.2~5mmであることが放射溝とランドエリアの面積のバランスが良好である点から好ましい。なお、線分状溝の幅は、長さ方向に対して垂直な方向に切断したときの断面形状において、上述した、螺旋状溝又は同心円状溝の幅と同様に定義される。
 また、線分状溝の深さは、線分状溝の最深部の深さの平均として、深さ0.3~3.0mm、さらには、0.5~2.5mm程度であることが、研磨領域にスラリーを充分に行き届かせる供給性を充分に確保し、また、研磨パッドの変形性を抑えて研磨性能を安定化させる点から好ましい。線分状溝が深すぎる場合には、線分状溝の容積が大きくなりやすく、研磨の際にスラリーを研磨領域に充分行き渡らせるために研磨領域により多くのスラリーを滴下する必要があり、コスト的に好ましくないことがある。また、線分状溝が浅すぎる場合には、線分状溝の容積が小さくなりやすく、研磨の際にスラリーが中央領域のランドエリアで溢れることにより、スラリーが研磨領域に充分に届きにくくなる傾向がある。また、線分状溝が浅すぎる場合には、研磨パッドの使用を続けた場合に、研磨面の摩耗によってさらに浅くなり、研磨速度を高くする効果が持続しにくくなる傾向もある。
 また、線分状溝の断面積は、図4に示すように、長さ方向に対する垂直な方向の断面の断面積の平均を断面積Sa(mm2)とした場合、0.3~4.5mm2、さらには0.5~4.0mm2であることが研磨領域へのスラリー供給性を確保する点から好ましい。線分状溝の断面積の平均が大きすぎる場合には、研磨の際にスラリーを研磨面の研磨領域に充分に行き渡らせるためにより多くのスラリーを研磨面に滴下する必要があり、コスト的に好ましくないことがある。また、線分状溝の断面積の平均が小さすぎる場合には、研磨の際にスラリーを研磨領域にまで行き渡らせる前に中央領域のランドエリアで溢れやすくなり、研磨面の研磨領域に充分に行き渡らせにくくなる傾向がある。なお、線分状溝の断面積の平均も、各線分状溝の断面積の平均である。
 なお、線分状溝の深さ,溝幅Wa,及び断面積Sa等も、ブレークインの処理の前の未使用の研磨パッドを基準とする。
 このような本実施形態の研磨パッドは、放射溝の中心から研磨面の半径5~70%の領域内に、線分状溝と螺旋状溝又は同心円状溝との交差部分が存在する。
 図1を参照すれば、研磨パッド10の研磨層1の研磨面においては、螺旋中心から研磨面の半径4.5~100%の領域に均等な溝ピッチPの旋回数10の螺旋状溝Hが形成されている。そして、螺旋状溝Hの旋回数1~6の溝が線分状溝S1~S8と交差して、41個所の交差部分を形成している。この交差部分は螺旋状溝Hの中心から研磨面の半径約7%の位置を示す仮想円K1と、螺旋状溝Hの中心から研磨面の半径約52.5%の位置を示す仮想円K2とに囲まれた、半径約7~52.5%の領域内に存在している。
 また、同様に、図2を参照すれば、研磨パッド20の研磨層21の研磨面においては、同心円の中心から少なくとも研磨面の半径5~90%の領域に渡って均等な溝ピッチPの同心円状の環状溝C1~C11が形成されている。そして、線分状溝S1~S8の各溝が、環状溝C2~C6と交差して、40個所の交差部分を形成している。この交差部分は同心円状溝の中心Gから研磨面の半径に対して約7%の距離の位置を示す仮想円K1と、螺旋状溝Hの中心から研磨面の半径に対して約52.5%の距離の位置を示す仮想円K2とに囲まれた、中心から研磨面の半径に対して約7~52.5%の距離の領域内に存在している。
 このように、放射溝の中心から研磨面の半径に対して5~70%の距離の領域内に、線分状溝と螺旋状溝又は同心円状溝との交差部分を存在させることにより、線分状溝に浸入したスラリーを研磨領域に速やかに供給させて保持させやすくなる。交差部分が放射溝の中心から研磨面の半径に対して70%超の距離の領域に存在する場合には、研磨の際にスラリーが研磨面の周縁領域付近にまで行き渡り過ぎて、スラリーが研磨面の周縁から系外に漏出しやすくなり、その結果、研磨領域におけるスラリーの保持量が低下して、研磨速度が低くなる。また、交差部分が放射溝の中心から研磨面の半径に対して5%未満の距離の領域に存在する場合には、研磨面に滴下されたスラリーが線分状溝に、直接、滴下されて撥ね返りやすくなることにより、研磨面内において供給速度のバラつきが生じやすくなる。
 そして、本実施形態の研磨パッドは、線分状溝の長さ方向に対する垂直な方向の断面の断面積の平均である断面積Sa(mm2)と、螺旋状溝又は同心円状溝の接線方向に対する垂直な方向の断面の断面積の平均である断面積Sb(mm2)とが、0.1≦Sb/Sa<1.0を満たし、好ましくは0.15≦Sb/Sa≦0.85、を満たす。図3Aに螺旋状溝又は同心円状溝の、接線方向に対する垂直な方向の断面の断面積Sbを、図4に線分状溝の、長さ方向に対する垂直な方向の断面の断面積Saを、示す。
 線分状溝の断面積Saに対する螺旋状溝又は同心円状溝の断面積Sbの比であるSb/Saが1.0以上の場合には、スラリーが螺旋状又は同心円状溝に流れやすくなることにより、研磨領域へのスラリーの供給性が低下して、研磨速度が低下する。また、Sb/Saが0.1未満の場合には、線分状溝にスラリーが優先的に流れすぎることにより、研磨面の中央領域付近におけるランドエリアにスラリーが溢れて、研磨領域へのスラリーの供給性が低下する傾向がある。
 また、Sb/Saは、0.25≦Sb/Sa≦0.85、さらには、0.44≦Sb/Sa≦0.80であることが、より高い研磨速度が得られ、さらに、被研磨材の被研磨面内における研磨均一性に優れる点から好ましい。
 また、本実施形態の研磨パッドは、線分状溝の幅の平均である溝幅Wa(mm)が螺旋状溝又は同心円状溝の幅の平均である溝幅Wb(mm)よりも大きいこと、具体的には、0.1≦Wb/Wa<1.0、さらには、0.1≦Wb/Wa≦0.9であること、とくには0.1≦Wb/Wa≦0.6であることが、線分状溝に速やかにスラリーが流れることにより研磨領域への供給性が向上する傾向がある点から好ましい。溝幅Waに対する溝幅Wbの比であるWb/Waが高すぎる場合には、スラリーが螺旋状又は同心円状溝に流れやすくなることにより、研磨領域へのスラリーの供給性が低下する傾向がある。また、Wb/Waが低すぎる場合には、線分状溝にスラリーが優先的に流れすぎることにより、研磨面の中央領域付近におけるランドエリアにスラリーが溢れて、研磨領域へのスラリーの供給性が低下する傾向がある。
 また、本実施形態の研磨パッドは、螺旋状溝又は同心円状溝の幅の平均である溝幅Wb(mm)と溝ピッチP(mm)とが、0.02≦Wb/P≦0.25、さらには、0.025≦Wb/P≦0.16、を満たすことが好ましい。溝ピッチP(mm)に対する螺旋状溝又は同心円状溝の幅の平均が大きすぎる場合には、被研磨材と接触する研磨面が小さくなりすぎて研磨効率が低下する傾向があり、小さすぎる場合には溝を通じて供給されるスラリーが研磨面で不足する傾向がある。
 また、本実施形態の研磨パッドは、線分状溝の幅の平均である溝幅Wa(mm)と、螺旋状溝又は同心円状溝の幅の平均である溝幅Wb(mm)と、螺旋状溝又は同心円状溝の平均溝ピッチP(mm)とが、0.20≦{Wb2/(P×Wa)}×100≦25、さらには、0.25≦{Wb2/(P×Wa)}×100≦15、とくには0.25≦{Wb2/(P×Wa)}×100≦10、を満たすことが好ましい。{Wb2/(P×Wa)}×100が大きすぎる場合には、螺旋状溝又は同心円状溝へスラリーが優先的に流れやすくなることにより、研磨領域へのスラリーの供給性が低下する。また。{Wb2/(P×Wa)}×100が小さすぎる場合には線分状溝へスラリーが優先的に浸入することにより、研磨面の中央領域付近におけるランドエリアにスラリーが溢れて、研磨領域へのスラリーの供給性が低下する傾向がある。
 本実施形態の研磨パッドに含まれる研磨層を形成する材料は、従来、研磨パッドの研磨層の製造に用いられている合成または天然の高分子材料が特に限定なく用いられる。研磨層を形成する高分子材料の具体例としては、例えば、ポリウレタン,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブタジエン,エチレン-酢酸ビニル共重合体,ブチラール樹脂,ポリスチレン,ポリ塩化ビニル,アクリル樹脂,エポキシ樹脂,ポリエステル,ポリアミド等が挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、ポリウレタンを主体とすることが、平坦化性に優れ、またスクラッチが発生しににくい研磨層が得られる点からとくに好ましい。以下、研磨層を形成する材料として用いられるポリウレタンについて、代表例として詳しく説明する。
 ポリウレタンは、高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を含むポリウレタン原料を反応させることにより得られる。ポリウレタン原料である高分子ジオール,有機ジイソシアネート,鎖伸長剤としては、例えば、次のような化合物が挙げられる。
 高分子ジオールの具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール,ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルジオール;ポリ(ノナメチレンアジペート)ジオール,ポリ(2-メチル-1,8-オクタメチレンアジペート)ジオール,ポリ(3-メチル-1,5-ペンタメチレンアジペート)ジオール等のポリエステルジオール;ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール,ポリ(3-メチル-1,5-ペンタメチレンカーボネート)ジオール等のポリカーボネートジオールなどが挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 また、有機ジイソシアネートの具体例としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネート,4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート,1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどの脂肪族または脂環式ジイソシアネート;4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート,2,4-トリレンジイソシアネート,2,6-トリレンジイソシアネート,1,5-ナフチレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートを挙げることができる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートが得られる研磨層の耐摩耗性に優れる等の点から好ましい。
 また、鎖伸長剤としては、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量350以下の低分子化合物が挙げられる。その具体例としては、例えば、エチレングリコール,ジエチレングリコール,1,3-プロパンジオール,1,2-ブタンジオール,1,3-ブタンジオール,1,4-ブタンジオール,1,5-ペンタンジオール,ネオペンチルグリコール,1,6-ヘキサンジオール,3-メチル-1,5-ペンタンジオール,1,4-ビス(β-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン,1,9-ノナンジオール,cis-2-ブテン-1,4-ジオール, スピログリコール等のジオール類;エチレンジアミン,テトラメチレンジアミン,ヘキサメチレンジアミン,ノナメチレンジアミン,ヒドラジン,キシリレンジアミン,イソホロンジアミン,ピペラジン等のジアミン類などが挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、1,4-ブタンジオール,cis-2-ブテン-1,4-ジオール, 1,5-ペンタンジオール,及び1,9-ノナンジオールから選ばれる少なくとも1種を含むことがとくに好ましい。
 ポリウレタン原料の各成分の配合割合は研磨層に付与すべき特性などを考慮して適宜調整されるが、例えば、高分子ジオール及び鎖伸長剤に含まれる活性水素原子1モルに対して、有機ジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が0.95~1.3モル、さらには0.96~1.1モル、とくには0.97~1.05モルとなる割合で各成分を配合することが好ましい。有機ジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が少なすぎる場合には、得られるポリウレタンの機械的強度及び耐摩耗性が低下する傾向がある。また、有機ジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が多すぎる場合には、ポリウレタンの生産性やポリウレタン原料の保存安定性が低下する傾向がある。
 ポリウレタン中の、有機ポリイソシアネートのイソシアネート基に由来する窒素原子の割合は、4.8~7.5質量%、さらには5.0~7.3質量%、とくには5.2~7.1質量%であることが、平坦化性や低スクラッチ性にとくに優れる研磨層が得られる点から好ましい。イソシアネート基に由来する窒素原子の割合が低すぎる場合には得られる研磨層の硬度が低くなる傾向がある。
 また、研磨層を形成する材料として用いられるポリウレタンとしては、熱可塑性ポリウレタンであることが、高硬度を有する平坦化性に優れた研磨層が得られる点から好ましい。なお、熱可塑性とは、押出成形,射出成形,カレンダー成形、3Dプリンタ成形等の加熱工程により溶融して成形可能な特性を意味する。このような、熱可塑性ポリウレタンは、高分子ジオール,有機ジイソシアネート及び鎖伸長剤を含むポリウレタン原料を用い、プレポリマー法やワンショット法などの公知のポリウレタンの製造方法を用いて製造される。とくには、実質的に溶媒の不存在下でポリウレタン原料を溶融混練して溶融重合する方法、さらには、多軸スクリュー型押出機を使用して連続溶融重合する方法が生産性に優れる点から好ましい。
 また、研磨層は、非発泡構造(非多孔性)であることが好ましい。非発泡構造の研磨層は、高い硬度を保持することができ、より優れた平坦化性を示す点から好ましい。また、非発泡構造の研磨層は、その表面に気孔が露出せず、気孔中でスラリー中の砥粒が凝集や凝着しないために、スクラッチが発生しにくい点から好ましい。また、非発泡構造の研磨層は発泡構造の研磨層に比べて、研磨層の摩耗速度が小さいために寿命が長い点から好ましい。
 研磨層の製造方法は特に限定されないが、例えば、上述した研磨層を形成する高分子材料に、必要に応じて従来用いられていた研磨層用の添加剤等を配合した研磨層用の高分子材料組成物を、公知のシート化法を用いて、シート化する。具体的には、例えば、研磨層用の高分子材料組成物をT-ダイを装着した単軸押出機や二軸押出機等の押出機により溶融押出してシート化する方法が挙げられる。また、シートは、上記した研磨層用材料組成物をブロック状に成形し、ブロック状の成形体をスライスして製造してもよい。研磨層用の高分子材料組成物の組成は特に限定されない。具体的には、高分子材料組成物は、高分子材料を50質量%以上、さらには80質量%以上、とくには、90質量%以上、ことには99質量%以上含有することが好ましい。すなわち、高分子材料組成物が添加剤を含有する場合は、50質量%以下、さらには20質量%以下、とくには10質量%以下、ことには1質量%以下であることが好ましい。
 そして、得られたシートを、研削等により所望の厚さに調整し、裁断、打ち抜き、切削等により円形に成形することにより研磨層用シートが得られる。そして、円形の研磨層用シートの一面と研磨面とし、上述したような、研磨面の中央領域から周縁領域に向かって延びる少なくとも2本の線分状溝を含む放射溝と、中央領域から周縁領域に渡って形成された螺旋状溝又は同心円状溝と、を設けることにより、本実施形態の研磨パッドに用いられる研磨層が得られる。
 このような研磨層は、例えば、非発泡構造の熱可塑性ポリウレタンを含む研磨層の場合、その密度としては、1.0g/cm3以上、さらには1.1g/cm3以上、とくには、1.2g/cm3以上であることが好ましい。非発泡構造の熱可塑性ポリウレタンを含む研磨層の密度が低すぎる場合には、研磨層が柔らかくなり過ぎて研磨速度や研磨均一性が低下する傾向がある。
 また、研磨層のD硬度は、45~90、さらには50~88、とくには55~87、ことには60~86であることが、平坦化性が高いことにより研磨均一性に優れ、また、被研磨材の被研磨面の表面のスクラッチ発生の抑制にも優れる点から好ましい。
 研磨面に備えられる放射溝や螺旋状溝又は同心円状溝の形成方法は特に限定されない。具体的には、例えば、研磨層用シートの一面を切削加工することにより各溝を形成する方法;研磨層用シートの一面に加熱された金型や金属線をスタンプして接触させる転写加工により高分子を溶融または揮散させて溝を形成する方法;研磨層用シートの一面にレーザー加工することにより高分子を分解または揮散させることにより溝を形成する方法;溝を形成するための凸部を予め形成された金型を用いて、溝を有する研磨面を備えた研磨層用シートを成形する方法;等が挙げられる。これらの中では、切削加工する方法、または転写加工する方法が、生産性に優れる点から好ましく、とくには切削加工する方法が加工精度に優れる点から好ましい。研磨層の厚さとしては、0.4~5.0mm、さらには、0.6~4.5mm程度であることが好ましい。
 以上説明したように、研磨パッドに含まれる研磨層が製造される。本実施形態の研磨パッドは、このようにして製造された研磨層を、そのままで単層の研磨パッドとして用いても、研磨層の研磨面の反対面にクッション層や支持体層などの他の層を積層したりした2層以上の積層構造を有する研磨パッドとして用いてもよい。
 図5は、研磨パッド10及び研磨パッド20の部分側面模式図である。図5を参照すれば、研磨パッド10及び研磨パッド20においては、研磨層1または研磨層11の研磨面Fの反対面である反研磨面に接着層6を介してクッション層7が積層されている。クッション層を積層した積層構造を有する場合、面内全体における研磨均一性が向上しやすい点からとくに好ましい。研磨パッドが積層構造を有する場合、研磨層の研磨面の反対面に粘着剤や接着剤を介してクッション層や支持体層が積層される。
 クッション層のC硬度は20~70であることが好ましい。また、クッション層の素材はとくに限定されないが、例えば、不織布に樹脂を含浸させてなるシートや、非発泡構造または発泡構造のエラストマーのシート等が挙げられる。具体的には、不織布にポリウレタンを含浸させた複合体;天然ゴム,ニトリルゴム,ポリブタジエンゴム,シリコーンゴム等のゴム;ポリエステル系熱可塑性エラストマー,ポリアミド系熱可塑性エラストマー,フッ素系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー;発泡プラスチック;ポリウレタン等のシートが挙げられる。これらの中では、好ましい柔軟性が得られやすい点から、発泡構造を有するポリウレタンのシートがとくに好ましい。
 以上説明した本実施形態の研磨パッドはCMPに好ましく用いられる。次に、本実施形態の研磨パッド10を用いたCMPの一実施形態について説明する。
 CMPにおいては、例えば、図6に示すような円形の回転定盤101と、スラリー供給ノズル102と、キャリア103と、パッドコンディショナー104とを備えたCMP装置100が用いられる。回転定盤101の表面に、研磨パッド10が両面粘着シート等により貼付けられる。また、キャリア103は研磨対象である被研磨材50を支持する。
 CMP装置100においては、回転定盤101は、図略のモータにより、例えば、矢印に示す方向に回転する。また、キャリア103は、被研磨材50の被研磨面を研磨パッド10の研磨面に圧接しながら、図略のモータにより例えば矢印に示す方向に回転する。パッドコンディショナー104は、例えば矢印に示す方向に回転する。パッドコンディショナー104の直径が被研磨材50の直径よりも小さい場合には、研磨パッドの被研磨材と接触する領域全体を研磨に適した粗さとするために、パッドコンディショナー104を回転定盤101の半径方向に揺動させる。
 未使用の研磨パッドを用いるとき、通常は、被研磨材の研磨に先立って、研磨パッドの研磨面を細かく荒らして研磨に適した粗さを形成するためのブレークインと呼ばれるコンディショニングが行われる。具体的には、回転定盤101に固定されて回転する研磨パッド10の表面に水を流しながら、CMP用のパッドコンディショナー104を押し当てて、研磨パッド10の表面のコンディショニングを行う。パッドコンディショナーとしては、例えば、ダイヤモンド粒子をニッケル電着等により担体表面に固定したパッドコンディショナーが用いられる。
 そして、ブレークインが完了した後、被研磨材の被研磨面の研磨を開始する。研磨においては、回転する研磨パッドの表面にスラリー供給ノズルからスラリーを供給する。スラリーは、例えば、水やオイル等の液状媒体;シリカ,アルミナ,酸化セリウム,酸化ジルコニウム,炭化ケイ素等の研磨剤;塩基,酸,界面活性剤,酸化剤,還元剤,キレート剤等を含有している。またCMPを行うに際し、必要に応じ、スラリーと共に、潤滑油、冷却剤などを併用してもよい。そして、研磨面にスラリーが満遍なく行き渡った研磨パッドに、キャリアに固定されて回転する被研磨材を押し当てる。そして、所定の平坦度や研磨量が得られるまで、研磨処理が続けられる。研磨時に作用させる押し付け力や回転定盤とキャリアの相対運動の速度を調整することにより、仕上がり品質が影響を受ける。
 研磨条件は特に限定されないが、効率的に研磨を行うためには、定盤及び被研磨材のそれぞれの回転速度は300rpm以下の低回転が好ましく、研磨パッドに圧接するために被研磨材に掛ける圧力は、研磨後に傷が発生しないようにするという見地から、150kPa以下とすることが好ましい。また、研磨している間、研磨パッドには、研磨面にスラリーが満遍なく行き渡るようにスラリーを連続または不連続に供給することが好ましい。
 そして、研磨終了後の被研磨材をよく洗浄した後、スピンドライヤ等を用いて被研磨材に付着した水滴を払い落として乾燥させる。このようにして、被研磨面が平滑な面になる。
 このような本実施形態のCMPは、各種半導体デバイス、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の製造プロセスにおける研磨に好ましく用いられる。被研磨材の例としては、例えば、シリコン,炭化ケイ素,窒化ガリウム,ガリウムヒ素,酸化亜鉛,サファイヤ,ゲルマニウム,ダイヤモンドなどの半導体基材;所定の配線を有する配線板に形成されたシリコン酸化膜,シリコン窒化膜,low-k膜などの絶縁膜や、銅,アルミニウム,タングステンなどの配線材料;ガラス,水晶,光学基材,ハードディスク等が挙げられる。本実施形態の研磨パッドは、とくには、半導体基材上に形成された絶縁膜や配線材料を研磨する用途に好ましく用いられる。
 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
 [製造例1]
 数平均分子量850のポリテトラメチレングリコール[略号:PTMG]、数平均分子量600のポリエチレングリコール[略号:PEG]、1,4-ブタンジオール[略号:BD]、及び4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート[略号:MDI]を、PTMG:PEG:BD:MDIの質量比が24.6:11.6:13.8:50.0となるような割合で配合し、定量ポンプにより、同軸で回転する二軸押出機に連続的に供給して、熱可塑性ポリウレタンを連続溶融重合した。そして、重合された熱可塑性ポリウレタンの溶融物をストランド状に水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断してペレットを得た。このペレットを70℃で20時間除湿乾燥した後、単軸押出機に供給し、T-ダイから押出して、シートを成形した。そして、得られたシートの表面を研削して厚さ2.0mmの均一なシートとした後、直径740mmの円形状に切り抜くことにより、非発泡体である研磨層用シートを得た。JIS K 7311に準じて、測定温度25℃の条件で測定した研磨層用シートのD硬度は62であった。
 [製造例2]
 製造例1において、PTMG:PEG:BD:MDIの質量比が24.6:11.6:13.8:50.0となるような割合で配合したポリウレタン原料を用いた代わりに、数平均分子量850のポリテトラメチレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール[略号:MPD]、1,4-ブタンジオール、及び4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートを、PTMG:MPD:BD:MDIの質量比が12.5:5.7:17.5:64.3となるような割合で配合したポリウレタン原料を用いた以外は、製造例1と同様にして、熱可塑性ポリウレタンのペレットを得た。そして、製造例1と同様にして、非発泡体である研磨層用シートを得た。JIS K 7311に準じて、測定温度25℃の条件で測定した研磨層用シートのD硬度は86であった。
 [製造例3]
 製造例1において、PTMG:PEG:BD:MDIの質量比が24.6:11.6:13.8:50.0となるような割合で配合したポリウレタン原料を用いた代わりに、数平均分子量850のポリテトラメチレングリコール]、数平均分子量600のポリエチレングリコール[略号:PEG]、1,9-ノナンジオール[略号:ND]、及び4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートを、PTMG:PEG:ND:MDIの質量比が32.2:5.7:19.6:42.5となるような割合で配合したポリウレタン原料を用いた以外は、製造例1と同様にして、熱可塑性ポリウレタンのペレットを得た。そして、製造例1と同様にして、非発泡体である研磨層用シートを得た。JIS K 7311に準じて、測定温度25℃の条件で測定した研磨層用シートのD硬度は56であった。
 [製造例4]
 製造例1において、PTMG:PEG:BD:MDIの質量比が24.6:11.6:13.8:50.0となるような割合で配合したポリウレタン原料を用いた代わりに、数平均分子量850のポリテトラメチレングリコール、数平均分子量600のポリエチレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール[略号:MPD]、1,9-ノナンジオール、及び4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートを、PTMG:PEG:MPD:ND:MDIの質量比が36.1:6.4:1.3:15.7:40.5となるような割合で配合したポリウレタン原料を用いた以外は、製造例1と同様にして、熱可塑性ポリウレタンのペレットを得た。そして、製造例1と同様にして、非発泡体である研磨層用シートを得た。JIS K 7311に準じて、測定温度25℃の条件で測定した研磨層用シートのD硬度は46であった。
 [実施例1~25及び比較例1~13]
 製造例1で得られたD硬度62の研磨層用シートの一面である研磨面に、表1及び表2に記載の形状のパターンを有する溝を切削加工で形成した。
 なお、実施例12及び比較例4においては、同心円の中心が研磨面の中心から15mm偏心した同心円溝を形成した。このとき、同心円溝の中心は研磨面の中心から半径に対して約4%の距離が離れた位置であった。また、実施例13の放射溝の中心は同心円溝の中心に一致していた。
 また、各実施例における同心円状溝,螺旋状溝,格子状溝,放射溝を形成する線分状溝は、必要に応じて溝の斜面が35~80度の範囲の角度で傾斜するように面取りされた。また、逆台形の溝の斜面も35~80度の範囲の角度で傾斜するように形成されていた。斜面の角度が変化することにより、断面積が変化する。
 同心円状溝,螺旋状溝,格子状溝,及び放射溝を形成する線分状溝の、各溝の溝幅及び溝の断面積は、断面の200倍の走査型電子顕微鏡(SEM)画像に基づいて測定した。具体的には、各研磨層の溝の切断面を満遍なく18個所で撮影し、各画像の溝の幅を計測し、さらに、画像処理により断面積を計測し、それらの平均値を求めた。また、同心円状溝,螺旋状溝,及び格子状溝の平均溝ピッチPは、スケールルーペを用いて研磨面のシリコンウェハに接触する領域からそれぞれ満遍なく選んだ8箇所を測定し、その平均を平均溝ピッチPとした。また、各溝の深さは、(株)中村製作所製デプスゲージ「E-DP2J」を用いて、シリコンウェハに接触する領域からそれぞれ満遍なく選んだ8個所で測定し、その測定値を平均して求めた。
 そして、研磨層の研磨面に対する裏面にクッション層を両面粘着シートで貼り合わせて複層型の研磨パッドを作成した。クッション層としては、厚さ0.8mmの発泡ポリウレタン製シートである(株)イノアックコーポレーション製「ポロンH48」を用いた。そして、得られた研磨パッドの研磨特性を次の評価方法により評価した。
〈研磨速度〉
 得られた研磨パッドを(株)荏原製作所製の研磨装置「FREX-300」に装着した。そして、日立化成(株)製のスラリー「HS-8005」を10倍に希釈して調整したスラリーを準備し、プラテン回転数100rpm、ヘッド回転数99rpm、研磨圧力30.0kPaの条件において、200mL/分の速度でスラリーを研磨パッドの研磨面に供給しながら膜厚2000nmの酸化ケイ素膜を表面に有する直径12インチのシリコンウェハを60秒間研磨した。
 そして、パッドコンディショナー((株)アライドマテリアル製のダイヤモンドドレッサー(ダイヤモンド番手#100ブロッキー、台金直径19cm))を用い、ドレッサー回転数70rpm、研磨パッド回転数100rpm、ドレッサー荷重20Nの条件で、150mL/分の速度で純水を流しながら、研磨パッドの表面を30秒間コンディショニングした。そして、別のシリコンウェハを再度研磨し、さらに、30秒間コンディショニングを行った。そして、60秒間の研磨後、研磨パッドのコンディショニングを30秒間行った。そして、別のシリコンウェハを再度研磨し、さらに、30秒間コンディショニングを行った。このようにして10枚のシリコンウェハを研磨した。
 そして、10枚目に研磨したシリコンウェハの研磨前および研磨後の酸化ケイ素膜の膜厚をウェハ面内で各49点測定し、各点における研磨速度(nm/min)を求めた。具体的には、49点の研磨速度の平均値を研磨速度とした。
 そして、従来の一般的な溝形状で達成可能であった研磨速度1050nm/minを基準として、各実施例の研磨速度の改善率を以下の式により算出した。
研磨速度の改善率(%)=研磨速度÷1050×100
 結果を下記表1及び表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表1に示す本発明に係る実施例1~25で得られた研磨パッドは、何れも研磨速度が高かった。一方、表2に示す比較例1~13で得られた研磨パッドは、何れも研磨速度が低かった。また、表1を参照すれば、0.25≦Sb/Sa≦0.85を満たす及び、0.2≦{Wb2/(P×Wa)}×100≦21.0を満たす実施例1~21で得られた研磨パッドは、特に研磨速度が高かった。
 <Sb/Saの研磨均一性への影響>
 Sb/Saの異なる12個の実施例の研磨パッドを選択した。そして、〈研磨速度〉の測定方法と同様にして、複数枚のシリコンウェハを研磨した。そして、未使用の研磨層の環状溝の溝深さに比べて溝深さが50%減少するまで研磨した研磨パッドの、研磨均一性を以下のように評価した。
 研磨層の環状溝の溝深さが50%減少したときに研磨された、シリコンウェハの研磨前及び研磨後の酸化ケイ素膜の膜厚をウェハ面内(エッジエクスクルージョン3mm)で49点測定し、各点における研磨速度(nm/min)を求めた。そして、49点における研磨速度の平均値及び標準偏差1σを算出し、その平均値及び標準偏差1σから変動係数(単位:%)を求めた。変動係数が小さいほど、研磨均一性に優れていることを示す。Sb/Saと研磨速度及び研磨均一性の評価結果を下記表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 表3を参照すれば、0.44≦Sb/Sa≦0.80を満たす、実施例4,2,10,16,3は、研磨均一性の変動係数が2.8%以下と低く、研磨均一性にとくに優れ、また、研磨速度も高いことが分かる。
 [実施例26~実施例28]
 製造例2で得られたD硬度86の研磨層用シート、製造例3で得られたD硬度56の研磨層用シートまたは、製造例4で得られたD硬度49の研磨層用シート、をそれぞれ用いた以外は、実施例10と同様にして研磨パッドを作成した(実施例26,27、28)。そして、研磨層のD硬度の研磨均一性への影響を検討した。
 研磨層のD硬度の研磨均一性への影響の評価結果を表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表4を参照すれば、JIS D硬度が56~86の範囲である実施例10または実施例26、27の研磨層を用いた研磨パッドは、JIS D硬度が46である実施例28の研磨層に比べて、研磨均一性の変動係数が顕著に低く、研磨均一性にとくに優れることが分かる。
 [実施例29~39及び比較例14~24]
 製造例1で得られた研磨層用シートの一面である研磨面に、表5及び表6に記載の形状のパターンを有する溝を切削加工で形成した。なお、実施例30及び実施例32においては、同心円の中心が研磨面の中心から15mm偏心した同心円溝を形成した。このとき、同心円溝の中心は研磨面の中心から半径に対して約4%の距離が離れた位置であった。また、放射溝の中心は同心円溝の中心に一致していた。また、各実施例における溝は、長方形状の断面のコーナーが面取りされたY字状、逆台形状、または長方形状であった。そして、各溝の溝幅及び溝の断面積、溝ピッチ、深さを上述した方法と同様にして測定した。
 そして、研磨層の研磨面に対する裏面にクッション層を両面粘着シートで貼り合わせて複層型の研磨パッドを作成した。クッション層としては、厚さ0.8mmの発泡ポリウレタン製シートである(株)イノアックコーポレーション製「ポロンH48」を用いた。そして、得られた研磨パッドの研磨特性を次の評価方法により評価した。
〈研磨速度〉
 得られた研磨パッドを(株)荏原製作所製の研磨装置「FREX-300」に装着した。そして、Cabot Microelectronics製のスラリー「SEMI-SPERSE25」を2倍に希釈して調整したスラリーを準備し、プラテン回転数100rpm、ヘッド回転数99rpm、研磨圧力20.0kPaの条件において、200mL/分の速度でスラリーを研磨パッドの研磨面に供給しながら膜厚2000nmの酸化ケイ素膜を表面に有する直径12インチのシリコンウェハを60秒間研磨した。
 そして、パッドコンディショナー((株)アライドマテリアル製のダイヤモンドドレッサー(ダイヤモンド番手#100ブロッキー、台金直径19cm))を用い、ドレッサー回転数70rpm、研磨パッド回転数100rpm、ドレッサー荷重20Nの条件で、150mL/分の速度で純水を流しながら、研磨パッドの表面を30秒間コンディショニングした。そして、別のシリコンウェハを再度研磨し、さらに、30秒間コンディショニングを行った。そして、60秒間の研磨後、研磨パッドのコンディショニングを30秒間行った。そして、別のシリコンウェハを再度研磨し、さらに、30秒間コンディショニングを行った。このようにして10枚のシリコンウェハを研磨した。
 そして、10枚目に研磨したシリコンウェハの研磨前および研磨後の酸化ケイ素膜の膜厚をウェハ面内で各49点測定し、各点における研磨速度(Å/min)を求めた。具体的には、49点の研磨速度の平均値を研磨速度とした。
 また、従来の一般的な溝形状で達成可能であった研磨速度2400Å/minを基準として、各実施例の研磨速度の改善率を以下の式により算出した。
研磨速度の改善率(%)=研磨速度÷2400×100
 結果を表5及び表6に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 表5に示す本発明に係る実施例29~39で得られた研磨パッドは、何れも研磨速度が高かった。一方、表6に示す比較例14~24で得られた研磨パッドは、何れも研磨速度が低かった。なお、表5を参照すれば、0.1≦Wb/Wa<1.0を満たし、及び、0.2≦{Wb2/(P×Wa)}×100≦10を満たす実施例28~37で得られた研磨パッドは、特に研磨速度が高かった。
1,11 研磨層
10,20 研磨パッド
E1 第1の端部
E2 第2の端部
C1~C9 環状溝(同心円状溝)
S1~S8 線分状溝(放射溝)
H 螺旋状溝
F 研磨面

Claims (12)

  1.  円形の研磨面を有する研磨層を含む研磨パッドであって、
     前記研磨面は、前記研磨面の中心から半径に対して、0~10%の範囲である中央領域と、90~100%の範囲である周縁領域とを備え、
     前記研磨層は、
     前記中央領域から前記周縁領域にまで渡って配された、少なくとも1条の螺旋状溝又は同心円状に配置された複数の環状溝からなる同心円状溝を備え、さらに、前記中央領域から周縁領域に向かって延びる少なくとも2本の線分状溝からなる放射溝、を備え、
     前記螺旋状溝の中心,前記同心円状溝の中心,及び前記放射溝の中心は、前記中央領域に存在し、
     前記線分状溝は、前記研磨面の半径に対して30~65%の割合の平均長さを有し、且つ、前記放射溝の中心から前記研磨面の半径に対して、5~10%の距離の領域に第1の端部を、35~70%の距離の領域に第2の端部を有し、
     前記線分状溝の長さ方向に対する垂直な方向の断面の断面積の平均である断面積Sa(mm2)と、前記螺旋状溝又は前記同心円状溝の接線方向に対する垂直な方向の断面の断面積の平均である断面積Sb(mm2)とが、0.1≦Sb/Sa<1.0 を満たす、ことを特徴とする研磨パッド。
  2.  0.25≦Sb/Sa≦0.85を満たす、請求項1に記載の研磨パッド。
  3.  0.44≦Sb/Sa≦0.80を満たす、請求項1に記載の研磨パッド。
  4.  前記線分状溝の幅の平均である溝幅Wa(mm)と、前記螺旋状溝又は前記同心円状溝の幅の平均である溝幅Wb(mm)とが、0.1≦Wb/Wa<1.0 を満たす、請求項1~3の何れか1項に記載の研磨パッド。
  5.  前記螺旋状溝又は前記同心円状溝の幅の平均である溝幅Wb(mm)と、前記螺旋状溝又は前記同心円状溝の平均溝ピッチP(mm)とが、0.02≦Wb/P≦0.25、を満たす、請求項1~4の何れか1項に記載の研磨パッド。
  6.  前記線分状溝の幅の平均である溝幅Wa(mm)と、前記螺旋状溝又は前記同心円状溝の幅の平均である溝幅Wb(mm)と、前記螺旋状溝又は前記同心円状溝の平均溝ピッチP(mm)とが、0.2≦{Wb2/(P×Wa)}×100≦25を満たす、請求項1~5の何れか1項に記載の研磨パッド。
  7.  前記螺旋状溝を含む請求項1~6の何れか1項に記載の研磨パッド。
  8.  前記同心円状溝を含む請求項1~7の何れか1項に記載の研磨パッド。
  9.  前記研磨層が熱可塑性ポリウレタンを含む請求項1~8の何れか1項に記載の研磨パッド。
  10.  前記研磨層が非発泡体である請求項1~9の何れか1項に記載の研磨パッド。
  11.  前記研磨層は、JIS D硬度が45~90である請求項1~10の何れか1項に記載の研磨パッド。
  12.  前記研磨層は、密度が1.00~1,20g/cm3である請求項1~11の何れか1項に記載の研磨パッド。
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