JP2005340506A - プリント配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 差動伝送線路の差動インピーダンスの不整合による伝送品質の劣化等の悪影響を抑えることができるプリント配線基板を提供する。
【解決手段】 プリント配線基板10には、差動信号を出力するドライバ素子20、差動信号を入力するレシーバ素子22が実装され、これらは差動信号配線24で接続される。差動信号配線24は、第1の配線24A及び第2の配線24Bから成る。第1の配線24A及び第2の配線24Bは、その端部の幅が電極パッド26A、26Bの幅と同一であり、一端側から他端側、他端側から一端側に向かうに従って幅が漸次的に減少すると共に配線間隔が狭くなるように互いに近づき、予め定めた所定幅となった位置で平行な線路となるように形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プリント配線基板に係り、より詳しくは、パーソナルコンピューターや複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子機器に用いられ、差動伝送線路が設けられたプリント配線基板に関する。
上記のような電子機器に用いられるプリント配線基板で処理されるディジタル信号の周波数は年々高周波化している。近年では、これらのディジタル信号を伝送する基準クロックの周波数は数100MHzが普通となりGHzオーダーへと至りつつある。さらには、ディジタル信号はパルス伝送のため、信号の基本周波数に対し10倍程度の周波数成分まで伝送されることが必要であり、10GHzのオーダーを考慮する必要が生じるに至っている。そこで、このような高速に信号を送る方式として、近年では低振幅の差動伝送方式が主流となりつつある。差動伝送方式は、電磁的に密結合した2本の信号線を用いて、それぞれ非反転信号と反転信号の2相の信号を伝送する方式である。
この差動伝送方式においては、非反転信号と反転信号が互いに信号電流とリターン電流経路の関係となるため、差動信号成分にとってはループ面積が小さく、シングルエンド伝送方式よりも差動モードの電磁放射ノイズを減らし、かつ高速に伝送することが可能である。また、信号の検出は非反転信号と反転信号の差分で行われるため、同相で重畳する外来のノイズに対して影響を受けない。このため、伝送は低電圧振幅で十分であり、駆動する電流も小さくて済むメリットもある。
ただし、差動信号は非反転信号と反転信号が完全な逆位相でなければ、互いにキャンセルされない同相成分をもつ。差動信号を出力するドライバの出力信号が理想的に逆位相であっても、差動伝送線路の各信号線が等長で完全に平行な線路でなければ同相成分が発生するが、集積回路素子との接続部分及びスルーホールや他の素子を迂回する部分などにより、等長の信号線を平行に配線するのが困難な場合がある。このため、従来より等長で電気的対称性を保つ配線方式が提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、全ての差動伝送線路の信号線対を全て平行対称に配置するのは、大量のデータを並列に伝送することが求められるLSIのパッケージング上、現実的ではない。
さらに、非特許文献1に示されるように、マイクロストリップ配線の電磁界は空気中と誘電体膜内に分布するため、高周波領域ではその速度差によりTEM波の崩れが起こり、伝送品質が劣化する。すなわち、一般に表面層におかれた配線の信号品質は高周波において著しく劣化する。これに対し、非特許文献1及び特許文献2に記載されたように、差動伝送線路の信号線対を誘電対中に完全に埋め込むことが有効である。
しかしながら、表面層に配線しないことにより、実装面積上の不利が生じるのみならず、基板に垂直な方向に信号線対を配置するため、表面層上のIC等へ信号線対を接続する場合に、信号線対の線路長が異なり、これによる差動インピーダンスの不整合が生じる。
また、旧来のマイクロストリップ配線を用いたシングルエンドによる信号伝送では、誘電体を介して配線層と隣接するグランド面若しくは電源面である参照面上に、各周波数成分について駆動信号の総和と等しい電流(リターン電流)が分布して流れる。このため、もし参照面上に切れ目や開口があり、この上を配線が通過するときにリターン電流の不連続や迂回が生じる。これにより、信号配線の電流とリターン電流で電界が相殺されない成分(コモンモード電流)が生じ、大きな電磁放射が発生する、という問題があった。
多くの差動伝送線路は配線と参照面の間に大きな容量結合をもつため、差動伝送線路のインピーダンスは、2本の信号線及び参照面の3体間の容量性及び誘導性の結合から定まり、同相成分の無い差動信号であっても参照面上に電流分布を生じる。このため、シングルエンドと同様に参照面の切れ目や開口でコモンモード成分が生じ、強い電磁放射の原因となる。
特開平11−186674号公報 特開2001−210959号公報 Kannji Otsuka, et al.,"Study of beyond GHz Signal Integrity under TEM Wave Mode Analysis in Multi-channel Transmission Lines", Proceedings of ICEP, Japan,pp295-300, 2002.4
前述したように、差動信号の非反転信号と反転信号が理想的に逆位相で駆動されても、集積回路素子との接続部分及びスルーホールや他の素子を迂回する部分があれば、差動伝送線路の信号線対を各々流れる非反転信号及び反転信号の位相ずれによる問題が避けられない。
一般のプリント配線基板では、CMOS素子によるシングルエンドの駆動で瞬時に50mA以上の大きな電流を流すロジックが主流であり、配線幅はこれらに準じて100μmを越えている。また、差動信号を駆動する能動素子の信号ピンのピッチはパッケージング上の制約から、GHz帯域で差動伝送を行うPECL(Positive Emitter Coupled Logic)等のロジックに使用されるThin Plastic Quad Flatpack等でもピン幅370μm、ピッチ800μmが標準であり、さらに狭ピッチ実装用のShrunk Small Outline Packageでもピン幅300μm、ピッチ650μmである。このようなパッケージを搭載するプリント基板上の電極パッドは、ピン幅よりも大きくなる必要があるため、上記配線幅より幅広であり、配線部分とのインピーダンス不連続が存在する。
さらに、前述したように、表面層のマイクロストリップ配線の電磁界は空気中と誘電体膜内に分布するため、高周波領域ではその速度差によりTEM波の崩れが起こり、伝送品質が劣化する。また、前述したように、多くの差動伝送線路と誘電体を介して隣接する参照面の間に大きな容量結合があるマイクロストリップ配線では、参照面の切れ目や開口でコモンモード成分が生じ、強い電磁放射の原因となる。
本発明は、上記事実を考慮して成されたものであり、差動伝送線路の差動インピーダンスの不整合による伝送品質の劣化等の悪影響を抑えることができるプリント配線基板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、誘電体層と接する配線層に、第1の配線及び第2の配線から成る差動伝送線路及び前記差動伝送線路が接続される素子が設けられたプリント配線基板において、前記第1の配線及び前記第2の配線の各々の少なくとも一端側の幅が、前記一端側と接続される素子との接続部の幅から予め定めた所定幅になるまで漸次的に減少すると共に、前記第1の配線と前記第2の配線とが、少なくとも前記漸次的に減少する減少区間において線対称に配置されたことを特徴とする。
この発明によれば、プリント配線基板は、誘電体層と接する配線層に、第1の配線及び第2の配線から成る差動伝送線路が形成され、この差動伝送線路に差動信号を出力する素子及び差動信号を入力する素子が実装される。
このような差動信号を駆動する素子及び差動伝送線路が実装されたプリント配線基板において、差動伝送線路を構成する第1の配線及び第2の配線の各々の少なくとも一端側の幅が、一端側と接続される素子との接続部の幅から予め定めた所定幅になるまで漸次的に減少する。すなわち、第1の配線及び第2の配線の一端側の幅は、素子との接続部の幅と略同一の幅であり、この幅から他端側に向けて漸次的に減少する。また、第1の配線と第2の配線とが、少なくとも漸次的に減少する減少区間において線対称に配置されている。すなわち、第1の配線及び第2の配線は、略同一形状となる。
差動伝送線路をこのような構成とすることにより、差動伝送線路と素子との接続部におけるインピーダンスの不連続部分の発生を防ぐことができると共に、配線全体で差動インピーダンスの不整合を防ぐことができ、差動信号の伝送品質の劣化を防ぐことができる。
請求項2記載の発明は、前記第1の配線及び前記第2の配線が、前記減少区間の配線と前記所定幅の所定幅区間の配線とから成り、前記減少区間では、前記第1の配線及び前記第2の配線の間隔が漸次的に狭くなるように、前記所定幅区間では、前記第1の配線及び前記第2の配線が平行となるように形成されたことを特徴とする。
この発明によれば、第1の配線及び第2の配線が、減少区間では、配線間隔が漸次的に狭くなるように、すなわち各配線が幅を小さくしながら互いに近づくように形成され、所定幅区間では、平行となるように形成される。このとき、所定幅区間の長さが減少区間の長さよりも十分長い方が好ましい。
このように、互いの配線が平行となる所定幅区間を設けることにより、差動伝送線路を隣接して複数設けたような場合でも、隣接する差動伝送線路間の間隔を広くすることができ、クロストークの影響を防ぐことができる。また、所定幅区間では、配線の幅が小さいため、電界の広がりを抑えることができると共に、この区間で配線を直角に曲げたような場合でも、各配線の長さが異なるのを極力防ぐことができ、差動インピーダンスの不整合を抑えることができる。
なお、請求項3に記載したように、前記第1の配線及び前記第2の配線の各々の他端側の幅が、前記他端側と接続される素子との接続部の幅から前記所定幅になるまで漸次的に減少する構成とすることができる。すなわち、他端側の素子との接続部の幅が前記所定幅よりも大きいような場合には、他端側についても一端側と同様の構成とすることにより、他端側についてもインピーダンスの不連続部分が発生するのを防ぐことができる。
また、請求項4に記載したように、前記配線層は、前記プリント配線基板の表面側に配置され、かつ前記誘電体層と略同一の誘電率の保護膜を前記配線層上に形成した構成としてもよい。これにより、差動伝送線路を流れる差動信号の影響によって発生する電磁界が外部に漏れるのを防ぐことができる。
この場合、請求項5に記載したように、前記保護膜は、前記第1の配線及び前記第2の配線の幅、厚さ、及び間隔の何れよりも大きい厚さを有することが好ましい。これにより、より効果的に電磁界が外部に漏れるのを防ぐことができる。
また、請求項6に記載したように、前記誘電体層の前記配線層と反対側の面に金属面が形成されると共に、前記誘電体層の厚さが、前記第1の配線及び前記第2の配線の幅、厚さ、及び間隔の和よりも大きいことが好ましい。すなわち、誘電体層の配線層と反対側の面にグランド面や電源面等の金属面が形成されている場合、差動伝送線路と金属面とのプリント配線基板の断面方向における距離が近いと、差動伝送線路と金属面との容量性及び誘導性の結合が強くなり、金属面に差動信号のリターン電流が流れることとなる。従って、金属面に切り目や開口部が存在する場合、所謂コモンモードによる強い電磁波放射が発生する場合があるが、誘電体層の厚さを上記のように大きくすることにより、差動伝送線路と金属面との結合を弱めることができ、コモンモードによる電磁波放射を抑制することができる。
なお、請求項7に記載したように、前記素子から前記差動伝送線路へ供給される差動信号の信号源が、前記プリント配線基板の基準電位に対して高インピーダンスの電流源を含むことが好ましい。
すなわち、上記の差動伝送線路を駆動する素子から供給される差動信号は、プリント配線基板の基準電位に対して高インピーダンスの電流源によって電流駆動により行うことが好ましい。このように、電流駆動とすることにより、第1の配線のリターン電流は第2の配線に、第2の配線のリターン電流は第1の配線にそれぞれ流れることとなり、コモンモードによる電磁波放射を抑制することができる。
請求項8記載の発明は、前記差動伝送線路の各位置の差動インピーダンスが一定となるように、前記第1の配線及び第2の配線の幅、厚さ、間隔、及び前記差動伝送線路の周囲の部材の誘電率が設定されたことを特徴とする。
この発明によれば、差動伝送線路の各位置の差動インピーダンス、すなわち、差動伝送線路を流れる信号の伝達方向と直交する方向における断面で見た場合の、各断面の位置における差動インピーダンスが一定となるように、第1の配線及び第2の配線の幅、厚さ、間隔、及び差動伝送線路の周囲の部材、すなわち誘電体層や保護膜の誘電率が設定される。
差動インピーダンスは、第1の配線及び第2の配線の幅、厚さ、間隔、及び差動伝送線路の周囲の部材の誘電率等によって定まり、例えば第1の配線と第2の配線との間隔が小さくなれば小さくなり、配線の幅が小さくなれば大きくなる。また、配線の厚さが大きくなれば差動インピーダンスも大きくなり、周囲の部材の誘電率が高ければ差動インピーダンスも高くなる。
このため、例えば他の区間よりも配線の間隔を小さくした区間を設ける場合には、そのままではその区間の差動インピーダンスは小さくなるため、配線の幅を小さくして差動インピーダンスを大きくすることにより、他の区間における差動インピーダンスと同一のインピーダンスにすることができる。このように、第1の配線及び第2の配線の幅、厚さ、間隔、及び差動伝送線路の周囲の部材の誘電率を調整することにより、差動伝送線路の各位置、すなわち差動伝送線路全体で差動インピーダンスを一定にすることができ、伝送品質が劣化するのを防ぐことができる。
以上説明したように、本発明によれば、差動伝送線路の差動インピーダンスの不整合による伝送品質の劣化等の悪影響を抑えることができる、という効果を有する。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
図1(a)には、本実施形態に係るプリント配線基板10の平面図を、同図(b)には、プリント配線基板10の断面図を示した。
図1(b)に示すように、プリント配線基板10は、各種素子が実装されると共に、信号配線、電源配線等の各種配線が形成される配線層12、第1の誘電体層14、グランド層16、及び第2の誘電体層18が積層されて構成されている。第1の誘電体層14及び第2の誘電体層18は、例えばガラスエポキシ基板(例えばFR−4基板等)により構成される。
配線層12には、一例として差動信号を出力するドライバ素子20、ドライバ素子20からの差動信号を入力するレシーバ素子22が実装されており、これらの素子(IC)は差動信号配線24により接続されている。差動信号配線24は、第1の配線24A及び第2の配線24Bから成り、図1では一例として同様の差動信号配線24が合計3個設けられている。
ドライバ素子の端子20A、20Bは、差動信号が出力される端子であり、例えば端子20Aから非反転信号が出力され、端子20Bから反転信号が出力される。ドライバ素子の端子20A、20B、レシーバ素子22の端子22A、22Bは、配線層12(第1の誘電体層14の表面上)に形成された電極パッド26A、26Bに半田等によって接続される。
図2に示すように、第1の配線24A及び第2の配線24Bの一端側の幅W1は、これらの配線の一端側が接続される電極パッド26Aの幅と一致している。そして、第1の配線24A及び第2の配線24Bの一端側の幅は、予め定めた長さの区間L1(減少区間)において、他端側に向かうに従って漸次的に減少し、予め定めた所定幅W2となる。この所定幅W2はなるべく小さいことが好ましく、例えばW1の半分以下であることが好ましい。なお、区間L1においては、第1の配線24A及び第2の配線24Bは、他端側に向かうに従って互いに近づくように、すなわち第1の配線24A及び第2の配線24Bの間隔が徐々に狭くなるように形成される。
また、第1の配線24A及び第2の配線24Bの他端側についても同様である。すなわち、第1の配線24A及び第2の配線24Bの他端側の幅W3は、これらの配線の他端側が接続される電極パッド26Bの幅と一致している。そして、第1の配線24A及び第2の配線24Bの他端側の幅は、予め定めた長さの区間L3(減少区間)において、他端側に向かうに従って漸次的に減少し、予め定めた所定幅W2となる。また、区間L3も同様に、第1の配線24A及び第2の配線24Bは、一端側に向かうに従って互いに近づくように、すなわち第1の配線24A及び第2の配線24Bの間隔が徐々に狭くなるように形成される。
第1の配線24A及び第2の配線24Bの幅が所定幅W2である区間L2(所定幅区間)では、第1の配線24A及び第2の配線24Bは平行となるように形成されている。
なお、図2の例では、L1=L3、W1=W3であると共に、電極パッド26Aのピッチと電極パッド26Bのピッチとは同一となっている。すなわち、第1の配線24A及び第2の配線24Bは同一形状となっている。
このように第1の配線24A及び第2の配線24Bは、図2に示すように、隣接する電極パッド26A間の中心位置と、隣接する電極パッド26B間の中心位置とを結ぶ中心線Cについて線対称に形成されている。また、配線の端部の幅が電極パッドの幅と同一となっている。このため、差動インピーダンスが不連続となる部分が発生せず、差動インピーダンスを配線全体で一定とすることができる。従って、インピーダンスの不整合に起因して発生する電磁波放射等の悪影響を抑制することができる。
また、差動信号配線24の各位置の差動インピーダンス、すなわち、差動信号配線24を流れる信号の伝達方向と直交する方向における断面で見た場合の、各断面の位置における差動インピーダンスが一定となるように、第1の配線24A及び第2の配線24Bの幅、厚さ、間隔、及び差動信号配線24の周囲の部材、すなわち誘電体層18の誘電率が調整されている。
例えば、区間L2では、配線間隔を小さくしたことにより差動インピーダンスが小さくなるため、その分差動インピーダンスが大きくなるように配線の幅を小さくすることによって、他の区間と差動インピーダンスが同一となるようにする。このようにして、差動信号配線24全体で差動インピーダンスが一定となるように、各区間における第1の配線24A及び第2の配線24Bの幅、厚さ、間隔、及び誘電体層18の誘電率等を調整する。これにより、伝送品質が劣化するのを効果的に防ぐことができる。
なお、基本的には、配線幅が小さく、配線間隔が狭い区間L2の部分がなるべく長い方が好ましいが、区間L2の部分が長くなるほど、区間L1、L3の部分と区間L2の部分との境界部分の曲げ角度が大きくなり、反射等の悪影響が出てくる可能性があるため、これらの影響がでないような長さに各区間の長さが定められる。
ところで、シングルエンド伝送方式で用いられるCMOSが瞬時に50mA以上の電流を流すのに対して、電流駆動による代表的な差動伝送ロジックであるCML(Current Mode Logic)で4mAのスイングであり、さらに次世代のXDR(Extra Data Rate)では2mAになるといわれ、電流容量はCMOSの場合と比較して一桁分低くてもよい。このため、配線幅を大きくすることにより電流容量を大きくする必要はなく、本実施形態に係る差動信号配線のように、配線幅を小さくしても特に問題はない。ただし、高周波においては表皮効果による抵抗の増大も考慮する必要がある。
また、1GHzを越える高周波域では、損失の要因として表皮効果よりもむしろ誘電体の分極による損失(誘電体損)が支配的となる。ここで、誘電体中の電界の広がりが大きいほど分極にかかわる双極子の数が大きくなる。すなわち、誘電体層に同じ誘電体部材を用いるのであれば、差動伝送線路の配線については電界の広がりの小さい構造が望ましい。
ここで、例えば図3(a)に示すように、差動信号配線100、102を構成する配線100A、100B、102A、102Bの全てが、配線全体に亘って電極パッド104と同一幅で配線間隔も同一の場合、本実施形態に係る差動信号配線24のように、第1の配線24Aと第2の配線24Bとの間隔が狭くなるような構成とした場合と比較して、差動信号配線100と差動信号配線102との間隔が大きくなる。このため、図3(a)のような従来構造の差動信号配線では、電界の広がりが大きくなってしまうと共に、隣接する差動信号配線同士の間隔も狭いため、クロストークが発生する場合がある。これに対し、本実施形態に係る差動信号配線24では、第1の配線24A及び第2の配線24Bの幅及び間隔を小さくすると共に、差動信号配線同士の間隔を広くすることができるため、電界の広がりを小さくすることができると共に、隣接する差動信号配線同士のクロストークの影響を抑えることができる。
さらに、上記の例では何れも差動信号配線が直線的に配線された場合について説明しているが、差動信号配線を直線的にではなく、例えば図13(a)に示すように、直角に曲げて配線したような場合には、図3(a)のような構造では、配線100Aの長さと配線100Bの長さと差Laが大きく異なり、所謂スキューが大きくなる。差動信号配線の各配線の間隔とスキューの大きさとは比例し、曲がる部分が増える程、スキューが大きくなり、差動インピーダンスに不整合が生じる。このため、信号品質が劣化してしまう。
これに対し、本実施形態に係る差動信号配線24では、特に差動信号配線24の主要部である区間L2において第1の配線24A及び第2の配線24Bの幅及び間隔が小さくなっているため、図13(b)に示すように、直角に曲がる部分があっても、配線24Aの長さと配線24Bの長さとの差LbはLaと比較して小さくなり、スキューを極力小さくすることができる。このため、差動インピーダンスの不整合を抑えることができる。また、差動信号配線同士の間隔を広くすることができるため、電界の広がりを小さくすることができると共に、隣接する差動信号配線同士のクロストークの影響を抑えることができる。従って、信号品質の劣化を抑えることができる。
また、図3(b)に示すように、差動信号配線106の各配線106A、106Bの幅を小さくすると共に、その主要部の配線間隔を狭くした従来構造の差動信号配線の場合には、本実施形態に係る差動信号配線24と同様に差動信号配線同士の間隔は広くなるので、クロストークの影響を抑えることはできるものの、各配線の端部の幅が電極パッド110の幅と異なるため、電極パッド110との接続部分においてインピーダンスの不連続が発生し、この部分で生じる反射により電磁波放射が発生してしまう。これに対して、本実施形態に係る差動信号配線24では、各配線の端部の幅を電極パッドの幅と同一としているため、インピーダンスの不連続部分が発生せず、反射による電磁波放射を抑えることができる。
なお、本実施形態では、第1の配線24A及び第2の配線24Bを同一形状とした場合、すなわち、ドライバ素子の電極パッド26Aのピッチとレシーバ素子22の電極パッド26Bのピッチとが同一で且つ電極パッドの幅が同一(W1=W3)であると共に、区間L1と区間L3との長さが同一である場合について説明したが、本発明はこの例に限られるものではない。
例えば、図4(a)に示すように、電極パッド26Aの幅W1と電極パッド26Bの幅W3が異なっていても良いし、同図(b)に示すように、区間L1と区間L3との長さが異なっていても良いし、同図(c)に示すように、電極パッド26Aのピッチ間隔d1と電極パッド26Bのピッチ間隔D3とが異なっていても良い。また、同図(d)に示すように、配線幅が減少する区間が片側のみにあってもよく、同図(e)に示すように、各配線が平行になる区間がなく、配線幅が減少する区間のみであってもよい。
また、本実施形態では、第1の誘電体層14と第2の誘電体層との間にグランド層16が設けられた構成としたが、グランド層ではなく電源層であってもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図5(a)には、本実施形態に係るプリント配線基板30の平面図を、同図(b)には、プリント配線基板30の断面図を示した。
図5に示すように、プリント配線基板30が第1実施形態で説明したプリント配線基板10と異なる点は、配線層12上(第1の誘電体層14の表面側)に保護膜32を形成した点だけであり、その他の点はプリント配線基板10と同一であるので説明は省略する。
保護膜32は、第1の誘電体層14と略同一の誘電率の材料、例えば一般のガラスエポキシ基板であるFR−4基板と近い誘電率をもつものとして、加熱硬化を用いるエポキシメラミン系材料、UV硬化を用いるエポキシアクリレート系材料等を用いることができる。他にもポリイミド系の材料等も用いることができ、第1の誘電体層14に用いられる材料と略同一の誘電率を有するものであればよい。
このように、プリント配線基板30の表面側である配線層12上に保護膜32を形成したことにより、差動信号配線24に流れる信号によって発生する電磁界のほとんどが保護膜32及び第1の誘電体層14内等のプリント配線基板30内に分布することとなるため、不要な電磁波が外部に放射されるのを防ぐことができると共に、TEM波の崩れによる伝送品質が劣化するのを防ぐことができる。
なお、保護膜32の厚さは、例えば第1の配線24A及び第2の配線24Bの区間L2における幅W2、これらの配線の厚さd(図5(b)において上下方向の長さ)、第1の配線24A及び第2の配線24Bの間隔d2の何れよりも大きい厚さとすることが好ましい。これにより、より効果的に電磁波放射が基板の外側に放射されるのを防ぐことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図6(a)には、本実施形態に係るプリント配線基板40の平面図を、同図(b)には、プリント配線基板40の断面図を示した。
図6(b)に示すように、プリント配線基板40が第2実施形態で説明したプリント配線基板30と異なる点は、第1の誘電体層及び第2の誘電体層の厚さが異なる点だけであり、その他の点はプリント配線基板30と同一であるので説明は省略する。
図6(b)に示すように、本実施形態に係るプリント配線基板40の第1の誘電体層42の厚さは、図1(b)に示すプリント配線基板10の第1の誘電体層14の厚さよりも大きくなっており、プリント配線基板40の第2の誘電体層44の厚さは、図1(b)に示すプリント配線基板10の第1の誘電体層18の厚さよりも大きくなっている。これにより、プリント配線基板40のグランド層16と差動信号配線24との距離は、プリント配線基板10のグランド層16と差動信号配線24との距離よりも大きくなっている。
なお、第1の誘電体層14の厚さは、例えば第1の配線24A及び第2の配線24Bの区間L2における幅W2、これらの配線の厚さd(図5(b)において上下方向の長さ)、第1の配線24A及び第2の配線24Bの間隔d2の和(=W2+d+d2)よりも大きい厚さとすることが好ましい。
このように、プリント配線基板40の第1の誘電体層14の厚さを大きくすることにより、プリント配線基板10の場合と比較して、差動信号配線24とグランド層16との容量性の結合及び誘導性の結合を弱くすることができる。従って、差動信号配線24の第1の配線24Aと第2の配線24Bとの間の成分のみが支配的となり、グランド層16に切れ目や開口部が存在する場合でも、強い電磁放射の原因となるコモンモード成分が生じるのを防ぐことができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図7には、一例として第1実施形態で説明したプリント配線基板10の差動信号配線24に信号を供給するドライバ素子の構成を概略的に示した。
図7に示すように、ドライバ素子は、スイッチング素子50及び電流源52を含んで構成されている。電流源52は、グランド層16に対して高インピーダンスの電流源であり、この電流源から供給された電流が、スイッチング素子50によってスイッチングされて差動信号配線24の第1の配線24A及び第2の配線24Bに交互に供給される。
電圧駆動によって差動信号を駆動する場合は、能動素子がグランド層等の参照面と差動信号配線との間を有限の駆動源抵抗を介してスイッチングすることにより、参照面及び差動信号配線を伝送線路として駆動するのに対し、本実施形態に係るドライバ素子のように、グランド層16に対して十分高インピーダンスな電流源52を用いて差動信号を駆動する場合、第1の配線24Aのリターン電流は第2の配線24Bに、第2の配線24Bのリターン電流は第1の配線24Aに各々流れることとなり、グランド層16にリターン電流が流れるのを防ぐことができる。このため、グランド層16に切れ目や開口部が存在した場合であっても、強い電磁放射の原因となるコモンモード成分が生じるのを防ぐことができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
図8の(a)〜(c)には、第1実施形態の図1で説明した差動信号配線24、図3(a)に示した従来における差動信号配線100、及び図3(b)に示した従来における差動信号配線106の各々について、10GHzの周波数の差動信号を伝送した場合における伝送損失60A〜60C及びクロストーク62A〜62Cをシミュレーションしたときの相対値を示した。
なお、各配線の厚さは全て25μm、図1の差動信号配線24の各配線が平行となる部分の配線幅、図3(b)の差動信号配線100の各配線が平行となる部分の配線幅は共に50μm、図3(a)の差動信号配線100の各配線の配線幅は200μm、差動信号配線と、グランド層等の参照面との間の誘電層(FR−4基板)の厚さは全て200μmとし、差動インピーダンスが90Ωで一定となるように差動信号配線の各配線の距離を設定してシミュレーションした。
図8の(b)で示すように、配線幅が一定の図3(a)に示した差動信号配線100の場合の伝送損失60Bは、図8の(a)で示した本発明に係る差動信号配線24の場合の伝送損失60Aと比較してわずかに少ないが、クロストーク62Bはクロストーク62Aよりも大幅に増えている。すなわち、差動信号配線100の構造では隣接する差動信号配線間の結合が大きいためクロストークが増大し、各配線の幅が大きい分、表皮効果に起因する伝送損失が小さいものの、クロストークによる隣接する差動信号配線間の結合分の損失が加わっている。
また、図8の(c)で示すように、差動信号配線106の構造では、本発明に係る差動信号配線24の場合のクロストーク62Aと比較してクロストーク62Cの増加はわずかであるが、伝送損失60Cが増大していることが判る。すなわち、差動信号配線106の構造では電極パッド110と差動信号配線106との接続部分のインピーダンス不整合による反射等によって伝送損失が増大すると共に、電界の乱れに起因ずるクロストークが加わっている。
このように、本発明に係る差動信号配線24は、他の従来構造の差動信号配線と比較して、伝送損失及びクロストークを含め、総合的に優れていることが判る。
図9には、第2実施形態に係るプリント配線基板30の保護膜32の厚さを25μm、37.5μm、50μm、100μmにそれぞれ変化させた場合について、FDTD(Finite Difference Time Domain Method)法により、信号の周波数とリターンロス(S11パラメータ)との関係をシミュレーションした結果について示した。ここで、リターンロスとは、入力される信号に対し伝送線路部分がこれを反射して出力する信号の減衰量をいう。
なお、シミュレーションの簡単化のため、保護膜32と第1の誘電体層14の誘電率は同一とすると共に、保護膜32の厚さは第1の誘電体層14からの距離(高さ)とし、これを配線が存在する部分であるとないとに拘らず一定とした。従って、配線の厚さは25μmとしているため、保護膜32の厚さが25μmの場合では、配線の最上部と保護膜の最上部とが一致することとなる。
図9に示すように、保護膜32の厚さが大きいほどリターンロスが低減されると共に、その効果が周波数が高いほど顕著であることが判る。
また、図10(a)には、保護膜32の厚さが25μmのときの差動信号配線24の第1の配線24A及び第2の配線24Bから発生する電界の広がりシミュレーションした結果として、差動信号配線24の長手方向と直交する方向の断面から見た図を、図10(b)には、保護膜32の厚さが100μmのときの差動信号配線24の第1の配線24A及び第2の配線24Bから発生する電界の広がりをシミュレーションした結果として、差動信号配線24の長手方向と直交する方向の断面から見た図をそれぞれ示した。
図10(a)に示すように、保護膜32の厚さが25μmの場合には、差動信号配線24は保護膜32により覆われず外部に露出しているため、外部に分布する電界の影響が無視できない。これに対して、図10(b)に示すように、保護膜32の厚さが100μmの場合には、発生する電界は、ほとんど保護膜32内及び第1の誘電体層14内に分布していることが判る。
また、図11(a)〜(f)には、差動信号配線24の第1の配線24A及び第2の配線24Bの幅、厚さ、間隔と電磁界の広がりとの関係を示すための電気力線図を示した。なお、図の横方向が配線の幅方向を示し、図の上下方向が配線の厚さ方向を示している。また、電気力線70の密度がその場所の電界強度を示している。図11(a)〜(f)から明らかなように、差動信号配線の周囲の電界の広がりは、配線の幅、厚さ、及び間隔の全てに依存し、これらが大きいほど電界の広がりが大きくなることが判る。従って、本発明に係る差動信号配線24のように、主要部の配線の幅を小さくすると共に配線の間隔を狭くすることにより、電界の広がりを抑えることができる。
さらに、図12(a)には、第1の誘電体層14の厚さが差動信号配線24の第1の配線24A及び第2の配線24Bの幅と同じ場合における電流分布をシミュレーションした結果として、差動信号配線24の長手方向と直交する方向の断面から見た図を、図12(b)には、第3実施形態に係るプリント配線基板40のように、第1の誘電体層14の厚さを、第1の配線24A及び第2の配線24Bの幅、厚さ、間隔の和よりも大きくした場合における電流分布をシミュレーションした結果として、差動信号配線24の長手方向と直交する方向の断面から見た図をそれぞれ示した。
図12(a)に示すように、第1の誘電体層14の厚さが小さい場合、差動信号配線24の周囲だけでなく、その直下のグランド層16にも電流分布71が存在しているのがわかる。すなわち、差動信号の伝送特性は、差動信号配線だけでなく、グランド層や電源層等の参照面との関係にも左右される。
また、図12(b)に示すように、これに対して、第1の誘電体層14の厚さを大きくした場合、差動信号配線24の周囲にのみ電流分布72が存在しているのが判る。図11に示したように、電磁界の広がりは、差動信号配線24の幅のみならず厚さ及び間隔にも影響されるため、第1の誘電体層14の厚さをこれらの和よりも大きな厚さとすることにより差動信号配線24とグランド層16との距離を大きくすることにより、差動信号配線のみの成分が支配的となり、グランド層16との結合の影響を小さくすることができる。このため、グランド層16に切れ目や開口部が存在する場合でも、強い電磁放射の原因となるコモンモード成分が生じるのを防ぐことができる。
(a)は第1実施形態に係るプリント配線基板の平面図、(b)は(a)の断面図である。 差動信号配線の平面図である。 (a)、(b)は従来における差動信号配線の平面図である。 (a)〜(e)は、本発明に係る差動信号配線の平面図である。 (a)は第2実施形態に係るプリント配線基板の平面図、(b)は(a)の断面図である。 (a)は第3実施形態に係るプリント配線基板の平面図、(b)は(a)の断面図である。 差動信号を駆動するICの概略構成図である。 本発明に係る差動信号配線及び従来例に係る差動信号配線に信号を流した場合の伝送損失及びクロストークを表すグラフである。 保護膜の厚さを変えたときの信号の周波数とリターンロスとの関係を示す線図である。 (a)は保護膜の厚さが小さい場合の電磁界の広がりを示す図、(b)は保護膜の厚さが大きい場合の電磁界の広がりを示す図である。 (a)〜(f)は、差動信号配線の幅、厚さ、間隔を変化させたときの電磁界の広がりの変化を示す図である。 (a)は第1の誘電体層の厚さが小さい場合の電流分布を示す図、(b)は第1の誘電体層の厚さが大きい場合の電流分布を示す図である。 (a)は従来構造の差動信号配線におけるスキューについて説明するための図、(b)は本発明に係る差動信号配線のスキューについて説明するための図である。
符号の説明
10、30、40 プリント配線基板
12 配線層
14 第1の誘電体層(誘電体層)
16 グランド層(金属面)
18 第2の誘電体層
20 ドライバ素子
22 レシーバ素子
24 差動信号配線(差動伝送線路)
24A 第1の配線
24B 第2の配線
26A、26B 電極パッド
26B 電極パッド
32 保護膜
50 スイッチング素子
52 電流源

Claims (8)

  1. 誘電体層と接する配線層に、第1の配線及び第2の配線から成る差動伝送線路及び前記差動伝送線路が接続される素子が設けられたプリント配線基板において、
    前記第1の配線及び前記第2の配線の各々の少なくとも一端側の幅が、前記一端側と接続される素子との接続部の幅から予め定めた所定幅になるまで漸次的に減少すると共に、前記第1の配線と前記第2の配線とが、少なくとも前記漸次的に減少する減少区間において線対称に配置されたことを特徴とするプリント配線基板。
  2. 前記第1の配線及び前記第2の配線が、前記減少区間の配線と前記所定幅の所定幅区間の配線とから成り、前記減少区間では、前記第1の配線及び前記第2の配線の間隔が漸次的に狭くなるように、前記所定幅区間では、前記第1の配線及び前記第2の配線が平行となるように形成されたことを特徴とする請求項1記載のプリント配線基板。
  3. 前記第1の配線及び前記第2の配線の各々の他端側の幅が、前記他端側と接続される素子との接続部の幅から前記所定幅になるまで漸次的に減少することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のプリント配線基板。
  4. 前記配線層は、前記プリント配線基板の表面側に配置され、かつ前記誘電体層と略同一の誘電率の保護膜を前記配線層上に形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のプリント配線基板。
  5. 前記保護膜は、前記第1の配線及び前記第2の配線の幅、厚さ、及び間隔の何れよりも大きい厚さを有することを特徴とする請求項4記載のプリント配線基板。
  6. 前記誘電体層の前記配線層と反対側の面に金属面が形成されると共に、前記誘電体層の厚さが、前記第1の配線及び前記第2の配線の幅、厚さ、及び間隔の和よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のプリント配線基板。
  7. 前記素子から前記差動伝送線路へ供給される差動信号の信号源が、前記プリント配線基板の基準電位に対して高インピーダンスの電流源であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のプリント配線基板。
  8. 前記差動伝送線路の各位置の差動インピーダンスが一定となるように、前記第1の配線及び第2の配線の幅、厚さ、間隔、及び前記差動伝送線路の周囲の部材の誘電率が設定されたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のプリント配線基板。
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