JP2005337065A - ランキンサイクル装置 - Google Patents

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暁亮 王
Takahiro Moroi
隆宏 諸井
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鈴木  茂
Masaki Ota
太田  雅樹
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
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Abstract

【課題】回転式膨張機を備えたランキンサイクル装置において、膨張機の回転数を一定にする。
【解決手段】ランキンサイクル装置1には、ポンプ2、ボイラ3、膨張機4、及びコンデンサ5が設けられ、作動流体であるフロンR134aが循環されている。膨張機4と発電機6とは、無段式変速機9を介して連結されている。膨張機4の回転数は、膨張機4の吸入圧力及び吐出圧力に基づいて変速比が調整された無段式変速機9によって変化されて発電機6に伝達されるようになっている。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両用のランキンサイクル装置に関する。
自動車など車両の内燃機関の排熱を回収して発電機の動力に利用したランキンサイクルと、空調用の冷凍サイクルとを備えた車両用排熱回収システムが、例えば特許文献1に開示されている。
図5はこのような車両用排熱回収システムの構成図である。
冷凍サイクル30においては、エンジン32によって駆動されたコンプレッサ33がフロン等の作動流体の圧縮を行う。コンプレッサ33から吐出された高温高圧の作動流体は、ランキンサイクル40を循環する作動流体と混合した後、コンデンサ34で冷却凝縮され、再び冷凍サイクル30とランキンサイクル40とに分配される。冷凍サイクル30に分配された作動流体は、膨張弁35で減圧され、その後、蒸発器36において車内へ供給される空気と熱交換されてガスとなり、再びコンプレッサ33へと吸入される。
一方、ランキンサイクル40においては、ポンプ41から吐出されたフロン等の作動流体が、ボイラ42においてエンジン冷却水43と熱交換されることによってガスとなり、膨張機44へと送られて膨張される。この際、膨張機44及びエンジン32によって負荷機である発電機45が駆動されて発電が行われる。膨張機44で膨張された作動流体ガスは、冷凍サイクル30を循環する作動流体と混合した後、コンデンサ34で冷却凝縮され、再び冷凍サイクル30とランキンサイクル40とに分配される。ランキンサイクル40に分配された作動流体は、再びポンプ41に吸入される。
特許第2540738号公報
しかしながら、車両用排熱回収システムにおけるランキンサイクル40では、外気温、ボイラ42における排熱回収量、ポンプ41の回転数等が変動することがあるため、このような変動に伴って膨張機44の回転数が変わってしまい、膨張機44から得られる略最大トルクに対応した回転数で回転できないことがあった。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、膨張機が所定の回転数で回転するランキンサイクルを提供することを目的とする。
本発明に係る第一のランキンサイクル装置は、下記構成要素を有している。
・車両における排熱を用いて作動流体を加熱するボイラ。
・ボイラで加熱された作動流体を膨張させる膨張機。
・膨張機で膨張された作動流体を冷却するコンデンサ。
・コンデンサで冷却された作動流体を循環するポンプ。
・膨張機によって駆動される負荷機。
・膨張機と負荷機との間に設けられ、膨張機からの回転数を変化させて負荷機に回転力を伝達する無段式変速機。
・膨張機から得られるトルクが所定の値、好ましくは略最大の値になるように、無段式変速機の変速比を変化させて、膨張機の回転数を所定の回転数に制御する制御手段。
上記ランキンサイクル装置は、上記構成を備えているために、膨張機を所定の回転数、好ましくは略最大トルクが得られる回転数で回転させることができる。
また、上記負荷機は、さらに、ランキンサイクル装置以外の動力源からの回転力を受けるプーリーを備え、膨張機及び動力源のうち、少なくとも一つによって駆動されるようにしてもよい。
本発明に係る第二のランキンサイクル装置は、第一のランキンサイクル装置と同等の構成要素であるボイラ、膨張機、コンデンサ及びポンプに加え、以下の構成要素を備えている。
・ランキンサイクル装置以外の動力源からの回転力を受けるプーリーを備えた、この動力源及び/又は膨張機によって駆動される負荷機。
・負荷機と前記プーリーとの間に設けられ、プーリーからの回転数を変化させて負荷機に回転力を伝達する無段式変速機・
・無段式変速機から出力される回転数が、所定の回転数、好ましくは膨張機から得られるトルクが略最大になる回転数と概略同じの回転数になるように、無段式変速機の変速比を制御する制御手段。
上記ランキンサイクル装置は、以上の構成を備え、膨張機の出力軸が、負荷機を介して無段式変速機の出力軸と接続し、無段式変速機から出力される回転数で回転するため、膨張機を所定の回転数、好ましくは略最大のトルクが得られる回転数で回転させることができる。つまり、膨張機は、無段式変速機の出力に連れ回しされるため、上記所定の回転数で回転することができる。
この発明によれば、所定のトルク、好ましくは略最大トルクが得られる回転数によって膨張機を回転させることができるため、ランキンサイクルの効率を極めて高くすることができる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
この実施の形態に係るランキンサイクル装置1には、ポンプ2、ボイラ3、膨張機4、及びコンデンサ5が設けられ、作動流体であるフロンR134aが循環されている。
ボイラ3は、エンジン冷却水8とフロンR134aとを熱交換することにより、フロンR134aを加熱する熱交換器である。
膨張機4は、コンプレッサの吐出側と吸入側とを実質的に逆に接続した構造であり、吸入される作動流体によって駆動される。その際に発生した動力によって発電機6を駆動させることができるように、膨張機4及び発電機6が、無段式変速機9を介して連結されている。ここで、発電機6は負荷機を構成する。
コンデンサ5は、空冷式または水冷式の冷却器であり、膨張機4で膨張されたフロンR134aを冷却凝縮する。
次に、膨張機4と発電機6の間に設けられた無段式変速機9について説明する。
この無段式変速機9は、図2に示されるように、リングコーン式無段式変速機である。膨張機4に連結された入力軸19が、円錐状のドライブコーン12に一体的に固定されている。このドライブコーン12の円錐面には、コーンホルダー13に一体固定された遊星コーン軸14に回転自在に軸受けされる複数の遊星コーン15が、適正な圧力で常時接触するように構成されている。各遊星コーン15には、環状のアウターリング16の内周面が、適正な圧力で常時接触するように構成されている。
コーンホルダー13は、発電機6に膨張機4の動力を伝達する出力軸20の一端と接続している。出力軸20の他端は発電機6に連結されている。コーンホルダー13と接続している出力軸20の一端には、中空部が設けられ、この中空部には圧縮コイルバネ18が収納されている。この圧縮コイルバネ18により、コーンホルダー13は入力軸19方向に常時押し付けられている。
アウターリング16は、連結具17を介して、シリンダ21内を往復動自在なピストン22と接続されており、ピストン22の往復動によって、アウターリング16は、矢印Aの方向にスライドするようになっている。ピストン22に作用する圧力Pcを、膨張機4の吸入圧力Pin及び吐出圧力Poutに基づいて調整する制御バルブ23が設けられており、制御バルブ23は連通路24を介してシリンダ21と連通している。アウターリング16がこのようにスライドすることによって、膨張機4及び発電機6間における回転速度の変速が行えるようになっている。ここで、シリンダ21、ピストン22、制御バルブ23、及び連通路24は、無段式変速機9の変速比を制御する制御装置を構成する。
なお、無段式変速機9のピストン22等には、所定の変速比にするために、Pcの大きさを調整する図示しないソレノイド等を設けることが好ましい。
次に、この実施の形態に係るランキンサイクルの動作を説明する。
図1に示されるように、ポンプ2から吐出された液体のフロンR134aは、ボイラ3によってエンジン冷却水8と熱交換されてガスとなる。ガスとなったフロンR134aは、膨張機4に吸入されて膨張機4を駆動する。膨張機4の回転数は、無段式変速機9で適正に変化されて発電機6に伝達され、発電機6を駆動させる。膨張機4によって膨張されたフロンR134aはコンデンサ5によって冷却凝縮され、再びポンプ2に吸入されることで、ランキンサイクル装置1を循環する。
ここで、例えば、ボイラ3におけるフロンR134aの吸熱量が小さくなるなど、例えば前記したような要因によって、膨張機4の回転数が低下したり、逆に増加したりして、所定の回転数(好ましくは略最大トルクが得られる回転数、以下同じ)で膨張機4が回転できなくなった場合について考える。
このような場合、図2に示されるように、制御バルブ23が、ピストン22に作用する圧力Pcを、膨張機4の吸入圧力Pin及び吐出圧力Poutに基づいて調整する。圧力Pcが連通路24を介してシリンダ21に伝わり、また、前記したように、ソレノイド等を用いた調整等も加わり、ピストン22がアウターリング16を出力軸20側に移動させる。これにより、無段式変速機9は、所定の変速比とされる。
より具体的には、膨張機4の動力が入力軸19に伝達されると、入力軸19の回転によってドライブコーン12が回転し、これにより、複数の各遊星コーン15が、各遊星コーン軸14を中心に自転する。各遊星コーン15は、固定状態のアウターリング16の内周面に圧接しているので、この自転運動によってドライブコーン12の回りを公転する。各遊星コーン15がドライブコーン12の回りを公転すると、遊星コーン軸14によってコーンホルダー13が回転し、コーンホルダー13の回転によって出力軸20が回転する。
このように無段式変速機9の変速機を制御することによって、膨張機4の回転数は、膨張機4で得られる所定のトルクとなるように制御される。つまり、無段式変速機9は、上記したように変速比を変化させることで、膨張機4にかかる負荷を調整して、膨張機4を所定の回転数で回転させる。
これにより、膨張機4は、所定のトルクをほぼ一定して出力することが可能となる。
このように、膨張機4及び発電機6の間に無段式変速機9を設置して、膨張機4の回転数が所定の回転数になるように無段式変速機9の変速比を制御するようにしたので、ランキンサイクル1からは所定のトルクが得られる。また、前記したように所定のトルクを、膨張機4から得ることができる略最大のトルクに設定すれば、ランキンサイクル1からは、ほぼ一定して略最大のトルクを得ることができる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係るランキンサイクル装置について説明する。尚、以下の実施の形態において、図1の参照符号と同一の符号は、同一又は同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
この発明の実施の形態2に係るランキンサイクル装置1は、実施の形態1に対して、発電機6を、膨張機4の動力だけでなく、エンジン7の動力でも駆動するようにしたものである。
図3に示されるように、発電機6にはプーリー11が設けられ、プーリー11に掛けられた伝達ベルト10を介して、エンジン7の動力でも発電機6を駆動できるようになっている。
この実施の形態2に係るランキンサイクル装置1において、エンジン7の駆動力が低下すると、伝達ベルト10によって発電機6に伝達される動力が減少し、発電量が低下する。一方、エンジン7の駆動力が低下すると、エンジン冷却水8の温度も低下し、ボイラ3におけるフロンR134aの吸熱量が低下するため、フロンR134aの循環流量を低下しなければならなくなる。すると、実施の形態1と同様に、膨張機4の動力が低下し、発電機6における発電量が低下する。
しかし、膨張機4の吸入圧力に基づいて無段式変速機9の変速比を制御することにより、膨張機4の回転数を上昇させて発電機6に伝達することができる。すなわち、発電機6による発電量を一定に維持しながら、膨張機4の吸入圧力を制御することができる。
なお、膨張機4と無段式変速機9の間、若しくは無段式変速機9と発電機6の間にワンウェイクラッチを設けてもよい。このように構成すれば、膨張機4が、エンジン7による駆動力によって連れ回され、所定の回転数で回転できない、ということを防げる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3に係るランキンサイクル装置について説明する。この発明の実施の形態3に係るランキンサイクル装置1は、図4に示されるように、実施の形態2に対して、無段式変速機9を、発電機6及びプーリー11の間に設置したものである。
この実施の形態3では、無段式変速機9の入力軸19はプーリー11の回転軸に連結しており、出力軸20は発電機6の駆動軸に連結している。
この実施の形態3に係るランキンサイクル装置1において、無段式変速機9は、プーリー11の回転数を、上記所定の回転数となるように変速比を制御する。したがって、負荷機である発電機6を介して出力軸同士が繋がっている膨張機4は、上記所定の回転数で回転することとなる。
実施の形態1〜3では、無段式変速機9にリングコーン式無段式変速機を使用したが、これに限定されるものではない。公知のベルト式無段式変速機やトロイダル型の無段式変速機も使用することができる。
実施の形態1〜3では、コンデンサ5に空冷式または水冷式の冷却器を使用したが、これらに限定されるものではない。その他の公知の冷却器を使用することもできるし、冷凍サイクルに設けられるコンデンサと共有のコンデンサとし、冷凍サイクルを循環する作動流体と熱交換するようにしてもよい。
ランキンサイクル装置1の作動流体としてフロンR134aを使用したが、プロパンやイソブタン等の炭化水素を採用することができる。また、炭化水素のほかに、混合冷媒も採用できる。混合冷媒としては、例えば、混合冷媒407cや混合冷媒R410Aが好ましく採用され、混合冷媒R410Aが特に好ましく採用される。当然、ランキンサイクルに使用される公知の作動流体も採用できる。
エンジン7を冷却したエンジン冷却水8とランキンサイクル装置1の作動流体とをボイラ3において熱交換しているが、エンジン冷却水8以外の排熱、例えばエキゾーストパイプ等、車両における排熱と熱交換するようにしてもよく、複数の排熱と熱交換するようにしてもよい。
負荷機として発電機6を例にして説明したが、発電機に限定されるものではない。例えば、コンプレッサやラジエータの冷却ファンにしてもよいし、エンジンと協働して駆動輪を回すようにしてもよい。すなわち、運動エネルギーによって駆動される機械であれば負荷機として使用することができる。
実施の形態1〜3においては、膨張機4として、コンプレッサの吐出側と吸入側とを実質的に逆に接続した構造のものを使用したが、この構造のものに限定されるものではない。公知の膨張機を適宜使用することができる。
また、上記所定の回転数は、予め実験やシミュレーションなどによって導き出してもよい。
膨張機の回転数は、他の公知の手法を用いて検知することもできる。例えば、外気温、ポンプの回転数並びにボイラ内の冷却水の温度を用いて、膨張機の回転数を算出してもよい。
この発明の実施の形態1に係るランキンサイクル装置の構成図である。 実施の形態1に係るランキンサイクル装置に使用される無段式変速機の断面図である。 実施の形態2に係るランキンサイクル装置の構成図である。 実施の形態3に係るランキンサイクル装置の構成図である。 従来の車両用排熱回収システムの構成図である。
符号の説明
1 ランキンサイクル装置、2 ポンプ、3 ボイラ、4 膨張機、5 コンデンサ、6 発電機、7 エンジン、8 エンジン冷却水、9 無段式変速機、10 伝達ベルト、11 プーリー、19 入力軸、20 出力軸、21 シリンダ、22 ピストン、23 制御バルブ、24 連通路。

Claims (3)

  1. 車両における排熱を用いて作動流体を加熱するボイラ、前記ボイラで加熱された作動流体を膨張させる膨張機、前記膨張機で膨張された作動流体を冷却するコンデンサ、前記コンデンサで冷却された作動流体を循環するポンプ、及び前記膨張機によって駆動される負荷機を備えるランキンサイクル装置であって、
    前記膨張機と前記負荷機との間に設けられ、前記膨張機からの回転数を変化させて前記負荷機に回転力を伝達する無段式変速機と、
    前記膨張機から得られるトルクが略最大になるように、前記無段式変速機の変速比を変化させて、膨張機の回転数を所定の回転数に制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とするランキンサイクル装置。
  2. 前記負荷機は、さらに、前記ランキンサイクル装置以外の動力源からの回転力を受けるプーリーを備え、前記膨張機及び前記動力源のうち、少なくとも一つによって駆動される請求項1に記載のランキンサイクル装置。
  3. 車両における排熱を用いて作動流体を加熱するボイラ、前記ボイラで加熱された作動流体を膨張させる膨張機、前記膨張機で膨張された作動流体を冷却するコンデンサv、前記コンデンサで冷却された作動流体を循環するポンプ、及び前記膨張機によって駆動される負荷機を備えるランキンサイクル装置であって、
    前記負荷機は、さらに、前記ランキンサイクル装置以外の動力源からの回転力を受けるプーリーを備え、
    前記ランキンサイクル装置は、さらに、
    前記負荷機と前記プーリーとの間に設けられ、前記プーリーからの回転数を変化させて前記負荷機に回転力を伝達する無段式変速機と、
    前記無段式変速機から出力される回転数が、前記膨張機から得られるトルクが略最大になる回転数と概略同じになるように、前記無段式変速機の変速比を制御する制御手段と
    を備え、
    前記膨張機は、出力軸が、前記負荷機を介して前記無段式変速機の出力軸と接続され、前記無段式変速機から出力される回転数で回転することを特徴とするランキンサイクル装置。
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