JP2005336472A - 水酸化マグネシウム系難燃剤とその製造方法、及び難燃性樹脂組成物 - Google Patents

水酸化マグネシウム系難燃剤とその製造方法、及び難燃性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】Mg2+イオンの溶出が極めて少なく、熱硬化性樹脂に配合した際の耐湿信頼性や耐酸性に優れた水酸化マグネシウム系難燃剤を提供する。
【解決手段】水酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウムの水懸濁液に、水酸化リチウムもしくは水酸化ナトリウムを、水酸化マグネシウム換算の固形分100mass%に対し100mass%以上添加して湿式粉砕した後、180〜230℃で水熱処理し、次いで得られた水酸化マグネシウム粒子をSi化合物とAl化合物とで表面処理して、Si化合物とAl化合物との混合被覆層を、SiO2とAl2O3換算の合計量で水酸化マグネシウム100mass%に対して0.2〜10mass%の割合で、形成する。
【効果】この難燃剤は耐熱性が高いので、エンジニアリングプラスチックに配合すると成形時の発泡が少なく、生産性が高い。また高い耐トラッキング性が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気・電子部品に用いられる半導体封止材用、積層板、フレキシブル基板、レジスト用等にノンハロゲン難燃性樹脂組成物として使用されている水酸化マグネシウム系難燃剤と、その製造方法、及び難燃性樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に該水酸化マグネシウム系難燃剤を配合した場合、該難燃剤からのMg2+の溶出が極めて少なく、耐湿信頼性及び耐酸性に優れることを特徴とする水酸化マグネシウム系難燃剤、その製造方法、および難燃性樹脂組成物を提供するものである。
本発明はまた、エンジニアリングプラスチックに水酸化マグネシウム系難燃剤を配合した難燃性樹脂組成物に関する。なおエンジニアリングプラスチックは耐熱性、機械的特性、電気特性、などに優れた材料で電気・電子部品、OA機器、精密機器、自動車部品、など広範囲の分野で使用されている。
エポキシ樹脂等に代表される熱硬化性樹脂は、機械的強度、電気絶縁性、熱的特性、接着性、耐薬品性、耐水性等の優れた特性、量産性やコストの観点から、ガラス、布、紙、合成繊維等の材料を配合して、半導体封止材用、積層板、フレキシブル基板、レジスト用等に応用されている。しかし、これらの電気・電子部品は、技術革新によって半導体素子サイズの大型化、配線の微細化が進み、パッケージの小型化、薄型化、高機能化する傾向にあり、これに伴って電気・電子部品に対するより以上の信頼性、安全性の向上が要望されている。即ち、難燃性、耐湿信頼性、耐酸性、環境や人体に対する安全性等が具体的に要望されている
難燃性の規格であるUL-94のV-0に適合するため、従来から、電気・電子部品用の樹脂組成物に難燃作用を付与する方法として、臭素化エポキシ樹脂に難燃助剤である三酸化アンチモンを添加する方法、エポキシ樹脂等に臭素系難燃剤で代表されるデカブロモジフェニルオキサイドと三酸化アンチモンを併用添加する方法等が一般的に行われている。しかしながら、上記難燃化付与技術に関して大きな問題点があった。第1の問題点として、三酸化アンチモン自身の有害性や、燃焼時に臭化水素、ブロム系ガス、臭素化アンチモンなどの発生による人体への有害性や機器への腐食性が問題となっている。第2の問題点としては、半導体封止材を例に挙げると、上記難燃化付与技術を採用した半導体装置を高温で長時間放置した場合、遊離した臭素化物質の影響で半導体素子上のアルミニウム配線が腐食し、半導体装置の故障の原因となり高温信頼性が低下することが問題となっている。上記の問題点を解決するために、ノンハロゲン−ノンアンチモン系である、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の金属水酸化物を添加する方法が提案されている。
しかし、水酸化アルミニウムは、耐酸性に優れた材料であるが、分解温度が低く、約180℃から分解が始まり、300℃までに結晶構造の約80%の水分が放出される。水酸化アルミニウムを難燃剤として用いると、200℃以上の温度でインジェクション成型あるいは硬化反応させた場合、発泡現象を起こして成型体の機械的強度を低下させたり、Na+等のイオン性不純物量が水酸化マグネシウムに較べて多く存在するため、成型体の体積固有抵抗を低下させる問題がある。
一方、水酸化マグネシウムは、約300℃で分解が始まるため、高い加工温度でも耐えることができる。しかし弱アルカリ性物質であるため、水酸化アルミニウムに較べると水や酸に対する溶解性が高いという欠点があり、例えば半導体封止材の耐湿信頼性に関して言えば、80〜200℃、相対湿度70〜100%の高温高湿環境下で使用する場合、Mg2+が溶出してアルミニウム配線を腐食し、半導体素子機能を低下させる原因となる。また、例えば電気・電子部品を酸洗浄する工程においては、酸によって樹脂中に充填された水酸化マグネシウムからMg2+が溶出し、空気中の炭酸ガスと反応して、成型体表面に炭酸マグネシウムの結晶が析出し(白化現象)、粉が吹いたように見えて成型体の外観が悪くなる。
このような水酸化マグネシウム系難燃剤からのMg2+の溶出を抑えるために、様々な合成方法や表面処理方法が提案されている。例えば合成方法については、苦汁等の塩基性マグネシウム塩スラリーを水熱処理する方法(特許文献1)、水酸化マグネシウムに異種2価イオンを固溶させた粒子を得る方法(特許文献2)等が開示されている。
例えば合成水酸化マグネシウムの表面処理方法については、一般的に脂肪酸やシランカップリング剤で表面処理する方法が知られているが、それ以外に、水酸化マグネシウム粒子の表面に水酸化アルミニウムからなる被服層を施す方法(特許文献3)、アルコール燐酸エステルのジアルコールアミン塩またはアルカリ金属塩で表面処理してMg2+の溶出を抑える方法(特許文献4)等が開示されている。しかしながら、前記した合成方法や表面処理方法を持ってしても、均一な被覆が施されず、Mg2+の溶出を充分に抑えることはできなかった。
特開昭52−115799号 特開平7−144919号 特開平10−338818号 特公平6−2843号
エンジニアリングプラスチックを用いた樹脂組成物の問題点を説明する。電気・電子部品、OA機器、精密機器、自動車部品で使用されるエンジニアリングプラスチックには、高温での成形性や耐トラッキング性が要求されることが多い。一般的にエンジニアリングプラスチックの成形温度は高く、300℃以上で成形されることもある。通常の水酸化マグネシウムは290℃付近で結晶水の分解が始まり、成形中に結晶水の分解が生じ、樹脂成形体が発泡し製品の歩留まりが低下するという問題が発生する。成形温度を下げれば発泡しないが、生産性が著しく低下してしまう。
PBT樹脂組成物について耐トラッキング性を付与する方法が、特許文献5〜9に記載されている。特許文献5では、フッ化エチレン系重合体とポリオレフィンとケイ酸塩の金属塩とガラス繊維を配合することで耐トラッキング性を付与している。特許文献6では、メチルメタクリレートと水酸化マグネシウムを配合することで耐トラッキング性を付与している。特許文献7では、ポリエチレンやエチレン共重合体が耐トラッキング性に寄与するとの記載がある。特許文献8では、硫酸カルシウムや硫酸バリウムなどのアルカリ土類金属塩、ビスフェノール型のエポキシ樹脂、アンチモン化合物などが耐トラッキング性を改善すると記載されている。特許文献9では、耐トラッキング性に寄与する材料としてアンチモン系化合物(三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン)、フッ化エチレン系重合体(PTFE、FEP)、ポリオレフィン(PP、PE)、ケイ酸金属塩(タルク、カオリン、マイカ、ウオラストナイト)、ガラス繊維などを挙げている。
特開平10−67925号 特開平11−279411号 特開平11−335536号 特開2000−72956号 特開2001−72843号
PC樹脂組成物に耐トラッキング性を付与する方法が、特許文献10及び11に記載されている。特許文献10によれば、ホウ酸アルミニウムウイスカーを配合することで耐トラッキング性が著しく改善し、良好な機械特性を示す。特許文献11によれば、Si―H結合を含む特定のシリコーン化合物が耐トラッキング性に効果があるとされる。
特開平11−158392号 特開2003−147189号
PPS樹脂組成物に耐トラッキング性を付与する方法が、特許文献12及び13に記載されている。特許文献12によれば、表面処理されていない水酸化マグネシウムが耐トラッキング性の向上に効果があるとされる。特許文献13によれば、PPS樹脂に多量のタルクを配合することで、飛躍的に耐トラッキング性を向上できるとされる。
特開2002−167510号 特開2003−171552号
PA樹脂組成物に耐トラッキング性を付与する方法が、特許文献14及び15に記載されている。特許文献14によれば、耐トラッキング性を付与する材料として、ピロ/ポリ燐酸塩(特に酸性ピロ燐酸ナトリウム)、オレフィンタイプのポリマー(エチレンエチルアクリレートのコーポリマー)、鉱物質充填剤(タルク、カオリン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム)が挙げられている。
特開平10−273589 特開平11−172101
以上のように、エンジニアリングプラスチックに耐トラッキング性を付与する材料として水酸化マグネシウムが記載されているが、これらの水酸化マグネシウムでは350℃以上で成形すると発泡し使用できない。
本発明は、水酸化マグネシウムからのMg2+の溶出が極めて少なくし、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に配合した場合の、耐湿信頼性及び耐酸性に優れる水酸化マグネシウム系難燃剤、その製造方法、および難燃性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明はまた、耐湿性、耐酸性及び耐熱性に優れる水酸化マグネシウム系難燃剤をエンジニアリングプラスチックに配合し、成形時の発泡を抑制することにより高温での成形を可能にし、さらに耐トラッキング性を付与すること目的とする。
本発明は、X線回折での[101]/[001]ピーク強度比が0.9以上、特に0.9以上で1.1以下で、BET比表面積が1〜4m2/g、かつ平均粒子径が5μm以下、好ましくは平均粒子径が1〜5μmの水酸化マグネシウム粒子に、Si化合物とAl化合物との混合被覆層を、SiO2とAl2O3換算の合計量で水酸化マグネシウム100mass%に対して0.2〜10mass%、好ましくは0.8〜7mass%の割合で形成した水酸化マグネシウム系難燃剤にある。水酸化マグネシウム粒子には例えば合成水酸化マグネシウムの粒子を用いる。
好ましくは、前記水酸化マグネシウム粒子が、水酸化マグネシウムもしくは酸化マグネシウムの水懸濁液に、水酸化リチウムもしくは水酸化ナトリウムを、水酸化マグネシウム換算の固形分100mass%に対して100mass%以上、好ましくは100〜1000mass%、特に好ましくは100〜500mass%添加して湿式粉砕し、180〜230℃で水熱処理して得られたものである。
本発明はまた、水酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウムの水懸濁液に、水酸化リチウムもしくは水酸化ナトリウムを、水酸化マグネシウム換算の固形分100mass%に対し、100mass%以上、好ましくは100〜1000mass%、特に好ましくは100〜500mass%添加して湿式粉砕した後、180〜230℃で水熱処理し、次いで得られた水酸化マグネシウム粒子をSi化合物とAl化合物とで表面処理して、Si化合物とAl化合物との混合被覆層を、SiO2とAl2O3換算の合計量で水酸化マグネシウム100mass%に対して0.2〜10mass%の割合で、形成することを特徴とする、水酸化マグネシウム系難燃剤の製造方法にある。
なおアルカリとして水酸化カリウムを用いると、例えば100〜300mass%添加しても、2次粒子が粗大化して平均粒子径が5μmを越えると共に、比表面積が4m/gを越えてしまった。従ってアルカリは、水酸化リチウムもしくは水酸化ナトリウムを、水酸化マグネシウム換算の固形分100mass%に対し、100mass%以上添加する。これ以外に他の水酸化カリウムなどの他のアルカリを50mass%以下加えても良いが、特に好ましくは水酸化リチウムもしくは水酸化ナトリウム以外のアルカリを加えない。
前記Si化合物はケイ酸ソーダ、コロイダルシリカおよびこれらの前駆体からなる群の少なくとも1種の化合物であり、前記Al化合物は塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、アルミン酸ソーダ、アルミナゾルおよびこれらの前駆体からなる群の少なくとも1種の化合物である、ことが好ましい。コロイダルシリカの前駆体には、テトラエチルシリケートなどのシリカのアルコールエステルなどがあり、アルミナゾルの前駆体にはアルミニウムイソプロポキシドなどのアルミニウムのアルコキシドなどがある。添加したAl化合物やSi化合物は主としてアルミナやシリカに転化して、例えばこれらの混合物ゲルとして存在すると考えられ、アルミノケイ酸化合物等が生成していることも考えられる。Al化合物やSi化合物の添加後の処理は乾燥などに限られ、処理温度も例えば100℃以下に限られるので、アルミナやシリカへの分解が不完全で添加時の形態で残存している場合もある。
好ましくは、前記Si化合物とAl化合物の混合被覆層を形成した水酸化マグネシウム粒子が、さらに脂肪酸金属塩、シランカップリング剤の少なくとも1種により、水酸化マグネシウム100mass%に対して0.1〜10mass%の割合で、表面処理されている。
また本発明は、上記の水酸化マグネシウム系難燃剤を、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂及びシリコーン樹脂、からなる群の少なくとも1種の樹脂100mass%に対して1〜50mass%、より好ましくは10〜50mass%配合した難燃性樹脂組成物にある。
ここでBET比表面積が1m2/g未満であったり、平均粒子径が5μm以上の場合は、樹脂組成物の難燃性は不充分となる。BET比表面積が4m2/g以上であったり、X線回折(以下XRD回折)における[101]/[001]のピーク強度比が0.9未満の場合は、懸濁液中で2次凝集しやすく、表面処理剤による均一な被覆は達成できない。表面処理剤がシリカ単独あるいはアルミナ単独であったり、燐酸エステル、脂肪酸、シランカップリング剤等の有機系表面処理剤のみを使用してもMg2+の溶出を充分には抑えることが出来ない。
この発明ではまた、X線回折での[101]/[ 001]ピーク強度が0.9以上、特に0.9以上で1.1以下でBET比表面積が1〜4m2/g、かつ平均粒子径が5μm以下、好ましくは平均粒子径1〜5μmの水酸化マグネシウム粒子に、Si化合物とAl化合物との混合被覆層を、SiO2 とAl2O3換算の合計量で水酸化マグネシウム100mass%に対して0.2〜10mass%、好ましくは0.8〜7mass%の割合で形成した水酸化マグネシウム系難燃剤を、エンジニアリングプラスチックに配合する。配合の割合は、エンジニアリングプラスチック100mass%に対して、水酸化マグネシウム系難燃剤1〜50mass%とし、より好ましくは10〜50mass%とする。これによって成形時に樹脂成形体の発泡を抑制しながら、耐湿性、耐酸性、耐トラッキング性を向上させる。成形温度は例えば280℃以上380℃以下とし、好ましくは280℃以上360℃以下、更に好ましくは300℃以上で380℃以下、最も好ましくは300℃以上で360℃以下とする。
この発明の樹脂組成物に適したエンジニアリングプラスチックとしては、例えば以下のものがある。ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、フッ素樹脂、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、フッ素樹脂、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可塑性ポリイミド(PI)。
本発明によれば、水酸化マグネシウムからのMg2+の溶出が極めて少なく、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に配合した場合の、耐湿信頼性及び耐酸性に優れた水酸化マグネシウム系難燃剤、その製造方法、および難燃性樹脂組成物を提供できる。
また本発明の水酸化マグネシウム系難燃剤をエンジニアリングプラスチックに配合すると、成形時の樹脂成形体の発泡を抑制することにより生産性をおとさずに、耐湿性、耐酸性、耐トラッキング性の高い難燃性樹脂組成物が得られる。
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。
実施例1
BET比表面積が30m2/g、平均粒子径が5.3μmの水酸化マグネシウム100gが含まれる懸濁液に、NaOHを300g添加して1.5Lの液量に調整した。なお以下、アルカリの添加量は水酸化マグネシウム換算の固形分100mass%に対する添加量で示す。これに直径3mmのジルコニアボールを1kg投入して、撹拌下に回転数650rpmで15分間湿式粉砕した。その後、懸濁液よりジルコニアボールを取り除いて、2L容量ニッケル製オートクレーブ内に流し込み、攪拌下で200℃、10時間の水熱処理を行った。水熱処理後のスラリーを真空ろ過後、固形分に対し20倍以上の容積の水で充分洗浄した。その後、再び水に戻して乳化し、室温、撹拌下にて、アルミン酸ナトリウム及びコロイダルシリカの混合水溶液を固形分に対し、Al2O3換算で2.5mass%及びSiO2換算で2.5mass%添加して1時間表面処理した。その後、真空ろ過、水洗(固形分に対して20倍容以上)、乾燥、粉砕してサンプル粉末を得た。
強アルカリ中での湿式粉砕とその後の水熱処理により、X線回折での[101]/[001]ピーク強度比が0.9以上で、BET比表面積が1〜4m2/g、かつ平均粒子径が5μm以下の水酸化マグネシウム粒子が得られた。アルカリとして水酸化カリウム100mass%あるいは300mass%を用いると、BET比表面積が4m2/gを越え、平均粒子径も5μmを越えてしまった。これに対して、実施例で水酸化ナトリウムを水酸化リチウムに代えても、あるいは水酸化ナトリウムの添加量を300mass%から100mass%に変更しても、同等の性状の水酸化マグネシウム粒子が得られた。また水熱処理の条件を180℃×20時間、200℃×5時間、230℃×3時間に変更しても、同等の性状の水酸化マグネシウム粒子が得られた。
実施例2
BET比表面積が40m2/g、平均粒子径が3.2μmの酸化マグネシウム69gと、LiOH・H2Oを100g(水酸化マグネシウム換算固形分に対して100mass%)添加して、水を加えて1.5L液量に調整した。これに直径3mmのジルコニアボールを1kg投入して、撹拌下に回転数650rpmで15分間湿式粉砕した。その後、懸濁液よりジルコニアボールを取り除いて、2L容量ニッケル製オートクレーブ内に流し込み、攪拌下で200℃、10時間の水熱水和反応を行った。水熱水和反応後のスラリーを真空ろ過後、固形分に対し20倍容以上の水で充分洗浄した。その後、再び水に戻して乳化し、室温、撹拌下にて、アルミナゾル及びケイ酸ソーダの混合水溶液を水酸化マグネシウム換算固形分に対し、Al2O3換算で0.5mass%及びSiO2換算で0.5mass%添加して1時間表面処理した。その後、真空ろ過、水洗(固形分に対して20倍容以上)、乾燥、粉砕してサンプル粉末を得た。
実施例3
実施例1でアルミン酸ナトリウム及びコロイダルシリカの混合水溶液で表面処理した液を80℃に加温後、さらに温度80℃で濃度1mass%のステアリン酸ナトリウム水溶液を用いて、ステアリン酸ナトリウムを固形分に対して1mass%添加して表面処理を行った。これ以外は実施例1と同様な操作を行ってサンプル粉末を得た。
実施例4
実施例1でアルミン酸ナトリウム及びコロイダルシリカの混合水溶液で表面処理した液に、さらに酢酸でpH=3に調製した濃度1mass%のγ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン水溶液を用いて、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを固形分に対し1mass%添加して表面処理を行った。これ以外は、実施例1と同様な操作を行ってサンプル粉末を得た。
比較例1
BET比表面積が30m2/g、平均粒子径が5.3μmの水酸化マグネシウム100gが含まれる懸濁液に、NaOHを80g(固形分に対して80mass%)添加して1.5L液量に調整した。これを2L容量ニッケル製オートクレーブ内に流し込み、攪拌下で200℃、10時間の水熱処理を行った。その後は実施例1と同様にして、アルミン酸ナトリウム及びコロイダルシリカ(Al2O3で2.5mass%及びSiO2で2.5mass%)で表面処理してサンプル粉末を得た。
比較例2
攪拌下にて15.3mass%濃度のMgCl2・6H2O水溶液に、25mass%濃度のNaOH水溶液をMg2+モル数:OHモル数の比が1:1.8となるように添加して水を加え、1.5Lに調製したサスペンジョンを2L容量ニッケル製オートクレーブ内に流し込み、攪拌下で180℃、10時間の水熱処理を行った。その後は実施例1と同様にして、アルミン酸ナトリウム及びコロイダルシリカ(Al2O3で2.5mass%及びSiO2で2.5mass%)で表面処理してサンプル粉末を得た。
比較例1では、得られた水酸化マグネシウム粉末のBET比表面積は4.9m2/g、平均粒子径は1.3μmであったが、XRD分析での[101]/[001]のピーク強度比は0.77であった。このことから、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムは固形分に対して100mass%以上必要なことが判った。また比較例2ではXRD分析での[101]/[001]のピーク強度比は0.33で、水酸化マグネシウム粒子の出発原料には可溶性のMg塩ではなく、水酸化マグネシウムもしくは酸化マグネシウムが好ましいことが判った。
比較例3
実施例1で調製した粒子をアルミン酸ナトリウム及びコロイダルシリカの混合水溶液で表面処理しなかった以外は、実施例1と同様な操作を行ってサンプル粉末を得た。
比較例4
実施例1で調製した粒子をアルミン酸ナトリウム(Al2O3で2.5mass%)のみで表面処理した以外は、実施例1と同様な操作を行ってサンプル粉末を得た。
比較例5
実施例1で調製した粒子の乳化液(アルミン酸ナトリウム及びコロイダルシリカの混合水溶液は無添加)を80℃に加温後、さらに温度80℃、濃度1mass%のモノ-ステアリル燐酸ナトリウムとジ-ステアリル燐酸ナトリウムの混合物(質量比で50mass%:50mass%)水溶液を、固形分に対しモノ-ステアリル燐酸とジ-ステアリル燐酸の合計量で1mass%添加して表面処理を行った以外は、実施例1と同様な操作を行ってサンプル粉末を得た。
比較例6
実施例1で調製した粒子の乳化液(アルミン酸ナトリウム及びコロイダルシリカの混合水溶液は無添加)を80℃に加温後、さらに温度80℃、濃度1mass%のステアリン酸ナトリウム水溶液を、固形分に対しステアリン酸量で1mass%添加して表面処理を行った以外は、実施例1と同様な操作を行ってサンプル粉末を得た。
比較例7
実施例1で調製した粒子の乳化液(アルミン酸ナトリウム及びコロイダルシリカの混合水溶液は無添加)に、酢酸でpH=3に調製した濃度1mass%のγ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン水溶液を、固形分に対しγ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン量で1mass%添加して表面処理を行った以外は、実施例1と同様な操作を行ってサンプル粉末を得た。
比較例8
比較例8のサンプル粉末は、市販の亜鉛固溶型複合水酸化マグネシウム(ZnO含有量で25mass%)を用いた。
サンプル粉末のBET比表面積は、試料粉末を窒素吸着法によって測定し、粒度分布は、試料粉末をエタノールに懸濁させ、超音波で3分間分散処理した後に、レーザー回折法により測定した。また、XRD回折における[101]/[001]ピーク強度比は、理学電気株式会社製XRD回折装置(CuのKα線、40kV、50mA)を用い、[101]のピーク強度(2θ=38.0°)及び[001]のピーク強度(2θ=18.6°)を測定して求めた。実施例の結果を表1に、比較例の結果を表2に示す。
サンプル粉末の耐酸性試験は、電位差滴定法を用いた。即ち、実施例及び比較例の粉末各1.0gを、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル(n=25)を純水に配合した0.1mass%水溶液100ml中に添加し、スターラーで5分間攪拌後、超音波で10分間分散処理して懸濁液を調整した。この懸濁液を恒温槽で25℃に保持し、N2ガスでバブリングしながら、自動滴定装置(京都電子工業株式会社製AT-400)を用いて0.1mol/L硝酸水溶液を0.1ml/min(水酸化マグネシウム1molに対して、水素イオンとして0.6mmol/min)の速度で滴下し、ガラス電極を用いて滴定溶液中のpHを測定することにより、滴定曲線を得た。硝酸滴下前のpHと硝酸1ml滴下後のpHを表1(実施例)及び表2(比較例)に示す。なお、硝酸滴下前のpHは耐水性を表し、硝酸1ml滴下後のpHは耐酸性を表しており、何れもpHが低いほど耐水性及び耐酸性が高いことを意味する。
サンプル粉末の耐湿信頼性の評価として、実施例及び比較例の粉末各3.0gと超純水30mlを密閉型テフロン(登録商標)容器に入れ、この容器を125℃の乾燥機内に20時間放置して超純水に抽出した。この抽出水をろ過し、このろ液の導電率を導電率計で測定した。また、このろ液をICP法によってMg2+量α(質量ppm単位)を測定したが、ろ液のMg2+量は粉末質量中から溶出したMg2+量を10倍希釈した値であるため、下記に示す式により粉末単位質量より溶出するMg2+量を算出した。ろ液の導電率及び粉末単位質量より溶出したMg2+量を表1(実施例)及び表2(比較例)に示す。
粉末単位質量より溶出したMg2+量(ppm)=α×[30/3]
表1
実施例1 実施例3 実施例4 実施例2
製造条件 水酸化マグネシウム原料 酸化マグネシウム原料
NaOH 300mass%; LiOH 100mass%;
Al 2 O 3 , SiO 2 各2.5mass% Al 2 O 3 ,SiO 2 各0.5mass%
BET比表面積(m2/g) 3.7 3.7 3.7 1.2
平均粒子径(μm) 1.8 1.8 1.8 3.3
[101]/[001] 0.92 0.92 0.92 1.04
ピーク強度比
硝酸滴下前のpH 8.0 7.9 8.0 8.1
硝酸1ml滴下後のpH 3.6 3.5 3.2 3.3
ろ液導電率(μS/cm) 30 25 30 35
粉末単位質量より溶出 25 30 20 20
したMg2+量(ppm)
表2
比較 比較 比較 比較 比較 比較 比較 比較
例1 例2 例3 例4 例5 例6 例7 例8
製造条件 実施例1と類似、アルミナと
シリカの混合被覆層なし
BET比表面積(m2/g) 4.9 2.2 3.7 3.7 3.7 3.7 3.7 2.7
平均粒子径(μm) 1.3 2.6 1.8 1.8 1.8 1.8 1.8 1.7
[101]/[001] 0.77 0.33 0.92 0.92 0.92 0.92 0.92 0.88
ピーク強度比
硝酸滴下前のpH 9.2 9.0 10.4 8.9 8.8 9.7 10.2 9.5
硝酸1ml滴下後 6.1 5.2 10.0 5.0 4.5 7.8 9.5 7.2
のpHろ液導電率 160 145 295 150 125 230 270 200
(μS/cm)
粉末単位質量より 200 155 450 140 130 350 410 310
溶出したMg2+量(ppm)
エンジニアリングプラスチックへの適用
発明者は、実施例の水酸化マグネシウム系難燃剤が他の水酸化マグネシウム系難燃剤よりも耐熱性が高く、またエンジニアリングプラスチックに混合すると耐トラッキング性に優れた樹脂組成物が得られることを見出した。エンジニアリングプラスチックは一般に高温で成形するので、耐熱性の高い難燃剤を配合すると、成形時の難燃剤の分解による発泡を抑制できる。また耐トラッキング性は、樹脂組成物に電圧を加えた際の発火のし難さを示す指標である。さらに実施例の難燃剤をエンジニアリングプラスチックに配合した樹脂組成物は、当然のことながら、耐湿性、耐酸性に優れている。そこで実施例の水酸化マグネシウム系難燃剤をエンジニアリングプラスチックに配合することにより、成形時に発泡しにくいため樹脂表面を平滑にでき、かつ耐トラッキング性や耐酸性、耐湿性に優れた樹脂組成物が得られる。
図1は、実施例1の水酸化マグネシウム系難燃剤(1)と、比較例の水酸化マグネシウム系難燃剤(2)〜(4)や、市販の水酸化アルミニウム(5)の、熱重量分析の結果を示している。(2)は比較例3の水酸化マグネシウムを、(3)はシリカ換算で2.5質量%のコロイダルで表面処理した水酸化マグネシウムを、(4)は比較例8の水酸化マグネシウムを示す。実施例の水酸化マグネシウム系難燃剤は、分解開始温度が最も高く、例えば400℃あるいは450℃まで加熱した際の重量減が最も少ない。このことは実施例の水酸化マグネシウム系難燃剤を用いることにより、エンジニアリングプラスチックの成形時の発泡を抑制できることを示している。
樹脂組成物及び発泡性の評価
エンジニアリングプラスチックの一例としてPBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂を用い、射出成形機にて加工温度を変えて樹脂成形体の発泡性を評価した。成形温度は360℃と380℃とした。以下では、水酸化マグネシウム系難燃剤を単に水酸化マグネシウムと呼ぶ。実施例1〜比較例7の水酸化マグネシウム50質量部とPBT樹脂100質量部とをブレンダーを用いて30分間混合した後、射出成形機を用いて360℃(奇数番号の資料)または380℃(偶数番号の資料)で、樹脂成形体を調製した。成形後の樹脂の外観を目視で観察して発泡の有無を評価した。結果を表3に示す。実施例の水酸化マグネシウムを用いると、360℃や380℃での成形が可能で、成形時の生産性を増すことができる。
表3
表3 成形時の発泡性
試料 水酸化マグネシウム 成形温度 発泡性
(1−1) 実施例1 360℃ ○
(1−2) 実施例1 380℃ ○
(1−3) 実施例2 360℃ ○
(1−4) 実施例2 380℃ ○
(1−5) 比較例3 360℃ △
(1−6) 比較例3 380℃ ×
(1−7) 比較例7 360℃ △
(1−8) 比較例7 380℃ ×
○: 表面が平滑なもの
△: 表面が少しざらついているもの
×: 表面がかなりざらついているもの
表3より、Si化合物とAl化合物との混合被覆層により表面被覆された水酸化マグネシウムは380℃での成形においても発泡せず耐熱性が高いことがわかる。また、Si化合物とAl化合物との混合被覆層により表面被覆されていない水酸化マグネシウムは、360℃での加工でも少し発泡が認められる(評価△)。これは、水酸化マグネシウムの粒子表面が無機物で被覆されたことによる耐熱性改善に起因するものと推察される。
樹脂組成物及び耐トラッキング性の評価
エンジニアリングプラスチックの一例としてPBT樹脂を用い、射出成形機を用いて耐トラッキング性評価用の樹脂成形体を調製した。成形は、すべての試料が発泡しない340℃での温度条件で行った。試料(3−1)では難燃剤を添加せず単味のPBT樹脂を成形し、試料(3−2)〜(3−5)では水酸化マグネシウム30質量部とPBT樹脂100質量部をブレンダーで20分間混合した後、射出成形機で340℃で成形した。得られた成形体について耐トラッキング試験を行った。結果を表4に示す。耐トラッキング試験はIEC60112に準拠して行い、相対トラッキング指数(CTI値)を求めた。CTI値は発火に至るまでの電圧を表し、数値が大きいほど電気特性が良好で、発火しにくい材料である。
表4
表4 耐トラッキング性
試料 水酸化マグネシウム CTI値
(3−1) 無添加 225〜250
(3−2) 実施例1 275
(3−3) 実施例2 275
(3−4) 比較例3 250
(3−5) 比較例7 250
表4より、実施例の水酸化マグネシウムをPBT樹脂に配合することにより、樹脂成形体の耐トラッキング性が改善することがわかる。樹脂成形体に電圧がかかり、やがて電流が流れると、PBT樹脂が炭化を起こし、通電状態になり、最後に発火を起こす。これに対して、樹脂組成物中に水酸化マグネシウムが分散されていると、炭化を抑制して、耐トラッキング性を向上させるものと思われる。また比較例3,7の水酸化マグネシウムでは、CTI値の向上は小さい。これは、確かな知見ではないものの、水酸化マグネシウムの表面に被覆された無機物(シリカとアルミナ)の耐熱性効果に起因するものと推定できる。
実施例では、エンジニアリングプラスチックの代表例としてPBTでの評価結果を示したが、他のPPS、PC、PAなどのエンジニアリングプラスチックでも同様に、成形時の発泡性を抑制しながら、耐湿性、耐酸性、耐トラッキング性に優れた樹脂組成物が得られた。発泡性の抑制は水酸化マグネシウム系難燃剤の耐熱性に基づくもので、耐湿性や耐酸性、耐トラッキング性も水酸化マグネシウム系難燃剤の性質に基づくものだからである。
実施例及び比較例の水酸化マグネシウムの熱重量変化特性を示す特性図で、(1)は実施例1の水酸化マグネシウムを、(2)は比較例3の水酸化マグネシウムを、(3)はシリカ換算で2.5質量%のコロイダルシリカで表面処理した水酸化マグネシウムを、(4)は比較例8の水酸化マグネシウムを、(5)は市販の水酸化アルミニウムを示す。

Claims (9)

  1. X線回折での[101]/[001]ピーク強度比が0.9以上で、BET比表面積が1〜4m2/g、かつ平均粒子径が5μm以下の水酸化マグネシウム粒子に、Si化合物とAl化合物との混合被覆層を、SiO2とAl2O3換算の合計量で水酸化マグネシウム100mass%に対して、0.2〜10mass%の割合で形成した水酸化マグネシウム系難燃剤。
  2. 前記水酸化マグネシウム粒子が、水酸化マグネシウムもしくは酸化マグネシウムの水懸濁液に、水酸化リチウムもしくは水酸化ナトリウムを、水酸化マグネシウム換算の固形分100mass%に対して、100mass%以上添加して湿式粉砕し、180〜230℃で水熱処理して得られたものであることを特徴とする、請求項1の水酸化マグネシウム系難燃剤。
  3. 前記Si化合物はケイ酸ソーダ、コロイダルシリカおよびこれらの前駆体からなる群の少なくとも1種の化合物であり、前記Al化合物は塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、アルミン酸ソーダ、アルミナゾルおよびこれらの前駆体からなる群の少なくとも1種の化合物である、ことを特徴とする、請求項1または2に記載の水酸化マグネシウム系難燃剤。
  4. 前記Si化合物とAl化合物の混合被覆層を形成した水酸化マグネシウム粒子が、さらに脂肪酸金属塩、シランカップリング剤の少なくとも1種により、水酸化マグネシウム100mass%に対して0.1〜10mass%の割合で、表面処理されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の水酸化マグネシウム系難燃剤。
  5. 水酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウムの水懸濁液に、水酸化リチウムもしくは水酸化ナトリウムを、水酸化マグネシウム換算の固形分100mass%に対し、100mass%以上添加して湿式粉砕した後、180〜230℃で水熱処理し、
    次いで得られた水酸化マグネシウム粒子をSi化合物とAl化合物とで表面処理して、Si化合物とAl化合物との混合被覆層を、SiO2とAl2O3換算の合計量で水酸化マグネシウム100mass%に対して0.2〜10mass%の割合で、形成することを特徴とする、水酸化マグネシウム系難燃剤の製造方法。
  6. 前記Si化合物はケイ酸ソーダ、コロイダルシリカおよびこれらの前駆体からなる群の少なくとも1種の化合物であり、前記Al化合物は塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、アルミン酸ソーダ、アルミナゾルおよびこれらの前駆体からなる群の少なくとも1種の化合物である、ことを特徴とする、請求項5に記載の水酸化マグネシウム系難燃剤の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の水酸化マグネシウム系難燃剤を、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂及びシリコーン樹脂、からなる群の少なくとも1種の樹脂100mass%に対して1〜50mass%配合した難燃性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載の水酸化マグネシウム系難燃剤を、エンジニアリングプラスチック100mass%に対して1〜50mass%配合した難燃性樹脂組成物。
  9. エンジニアリングプラスチックが、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ナイロン樹脂(PA)、液晶ポリマー(LCP)からなる群の少なくとも一員の樹脂であることを特徴とする、請求項8の難燃性樹脂組成物。
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