JP2017082163A - 水酸化マグネシウム粒子を含有する複合添加剤 - Google Patents

水酸化マグネシウム粒子を含有する複合添加剤 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性、耐トラッキング性の特性を維持しつつ、生産性を良好にしながら、樹脂組成物としての機械特性及び耐酸性を向上できる複合添加剤、前記複合添加剤を含有する樹脂組成物、及び前記樹脂組成物を用いた成形体を提供する。
【解決手段】本発明の複合添加剤は、水酸化マグネシウム粒子と、タルク、ベーマイト、水酸化アルミニウム及び窒化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機粒子と、を含有する複合添加剤であって、前記水酸化マグネシウム粒子の一次粒子の平均アスペクト比は、10未満であり、前記無機粒子の一次粒子の平均アスペクト比は、10以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、水酸化マグネシウム粒子と無機粒子とを含有する複合添加剤、前記複合添加剤を含有する樹脂組成物、及び前記樹脂組成物を用いた成形体に関し、樹脂組成物の難燃性、耐トラッキング性、機械特性、耐酸性等を改善する技術として有用である。
従来より、自動車車両、鉄道車両、船舶、航空機、産業機材、電子機器、電子部品、絶縁電線、光ファイバーケーブル等には、難燃性、耐トラッキング性、機械特性等の種々の特性が要求されている。耐トラッキング性を付与するために、カオリンのような無機粒子等が用いられ(例えば、特許文献1参照)、プラスチック製品等の難燃性を付与するために、ハロゲン含有難燃剤等が広く用いられてきた。しかし、ハロゲン含有難燃剤については、優れた難燃効果を有するものの、成型加工時に分解して発生するハロゲンガスが、成型加工機を腐食したり、成形体自体の物性にも悪影響を及ぼしたりすることから、その代替として、いわゆるノンハロゲン系の難燃剤が種々開発されている。
近年、ノンハロゲン系の難燃剤として水酸化マグネシウムのような金属水和物が注目されている(例えば、特許文献2〜3参照)。水酸化マグネシウムは無毒の無機物であり、ハロゲンを含有せず環境にも優しいことから、代表的なノンハロゲン系の難燃剤として広く用いられるようになっている。
特許文献2には、アスペクト比の異なる2種類の水酸化マグネシウム、即ち、アスペクト比が20〜120の高アスペクト比の水酸化マグネシウムと、アスペクト比が20未満の低アスペクト比の水酸化マグネシウムを含有する複合難燃剤を用いて、難燃性等を向上できることが記載されている。しかし、本発明者らの検討によると、耐酸性が十分ではないことが判明した。
一方、特許文献3には、ポリプロピレン系樹脂に針状結晶の水酸化マグネシウムを必須成分として含有させ、更に非針状結晶の水酸化マグネシウム及びタルクを含有させることで、針状結晶の形状的特徴により、難燃性等を向上できることが記載されている。また、アスペクト比に関して、タルクは6又は8である低アスペクト比のものが記載され、針状結晶の水酸化マグネシウムは5以上であることが好ましいとの記載はあるものの、非針状結晶の水酸化マグネシウムのアスペクト比は記載されていない。
特開平10−298430号公報 WO2013/154200号公報 特開昭61−221248号公報
しかし、本発明者らの検討によると、アスペクト比による影響は大きく、特許文献3のように、低アスペクト比のタルクを含有させると、生産性、機械特性等が十分ではないことが判明した。
そこで、本発明の目的は、難燃性、耐トラッキング性の特性を維持しつつ、生産性を良好にしながら、樹脂組成物としての機械特性及び耐酸性を向上できる複合添加剤、前記複合添加剤を含有する樹脂組成物、及び前記樹脂組成物を用いた成形体を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、下記構成を採用することにより、前記した課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の複合添加剤は、水酸化マグネシウム粒子と、タルク、ベーマイト、水酸化アルミニウム及び窒化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機粒子と、を含有する複合添加剤であって、前記水酸化マグネシウム粒子の一次粒子の平均アスペクト比は、10未満であり、前記無機粒子の一次粒子の平均アスペクト比は、10以上であることを特徴とする。本発明における各種の物性値は、実施例等において採用する方法により測定される値である。
本発明の複合添加剤は、水酸化マグネシウム粒子と無機粒子が上記範囲の平均アスペクト比を有するため、即ち、低アスペクト比の水酸化マグネシウム粒子と高アスペクト比の無機粒子とを含有するため、難燃性、耐トラッキング性の特性を維持しつつ、生産性を良好にしながら、樹脂組成物としての機械特性及び耐酸性を向上できる。このメカニズムは定かではないものの、下記の通りと考えられる。低アスペクト比の水酸化マグネシウム粒子のみを樹脂に配合した場合、粘度が上昇して流動性が低くなるため、生産性が悪い。しかしながら、高アスペクト比の粒子を追加することで流動性が上がるため、生産性が良くなる。また、高アスペクト比の粒子を追加することで、低アスペクト比の粒子が高アスペクト比の粒子の間の隙間を埋めるように緻密に配向できる。これにより、水酸化マグネシウム粒子の有する難燃性、耐トラッキング性の特性を維持しつつ、機械特性をも向上できるものと推測される。更に、高アスペクト比の粒子はタルク、ベーマイト、水酸化アルミニウム及び窒化ホウ素等のように、酸に溶けにくい無機粒子であるため、酸に溶けやすい水酸化マグネシウム粒子のみでは不十分であった耐酸性も向上できる。
本発明の複合添加剤は、一次粒子の平均アスペクト比が5以上である針状結晶の水酸化マグネシウムを含まないことが好ましい。これにより、各アスペクト比の粒子同士でのバランスが良好となり、樹脂に配合した場合、低アスペクト比の水酸化マグネシウム粒子が、高アスペクト比の無機粒子の隙間を埋めるようにより緻密に配向できるため、難燃性、耐トラッキング性の特性を維持しつつ、機械特性及び耐酸性をより向上できる。また、粘度を調整しやすくなり、生産性も向上する。
本発明の複合添加剤は、前記水酸化マグネシウム粒子と前記無機粒子の合計100質量%中に、前記水酸化マグネシウム粒子99〜60質量%を含むことが好ましい。水酸化マグネシウム粒子と無機粒子の量を前記のように調整することで、水酸化マグネシウム粒子が有する難燃性、耐トラッキング性の特性と、無機粒子が有する耐酸性の特性とをバランス良く調整することができ、本発明の効果がより確実に得られ易くなる。
本発明における水酸化マグネシウム粒子は、平均径が0.1〜5μmであり、平均厚みが0.01〜2μmであることが好ましい。このような平均径や平均厚みであると、樹脂等への分散性が向上したり、樹脂等に配合した際に樹脂等との接触面積をコントロールし易いため、難燃性や耐トラッキング性が発現し易くなり、本発明の効果がより確実に得られ易くなる。
本発明における無機粒子は、平均径が1〜20μmであり、平均厚みが0.01〜2μmであることが好ましい。このような平均径や平均厚みであると、樹脂等への分散性が向上したり、樹脂等に配合した際、樹脂等との接触面積をコントロールし易いため、機械特性や耐酸性等が良好になり、本発明の効果がより確実に得られ易くなる。
本発明の樹脂組成物は、樹脂100質量部に対し、前記複合添加剤を10〜500質量部配合した樹脂組成物であることを特徴とする。本発明の複合添加剤を所定量配合している樹脂組成物であるため、難燃性、耐トラッキング性の特性を維持しつつ、機械特性及び耐酸性を向上できる。
本発明における樹脂として、ABS系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有することが好ましい。これにより、樹脂の特性を損なうことなく、本発明の効果がより確実に得られ易くなる。
本発明の成形体は、前記樹脂組成物を含む成形体であることを特徴とする。これにより、成形体としての特性を損なうことなく、難燃性、耐トラッキング性の特性を維持しつつ、機械特性及び耐酸性を向上できる。
水酸化マグネシウム粒子A−1単品の平均径を示す走査型電子顕微鏡(FESEM)の写真である。 水酸化マグネシウム粒子A−1単品の平均厚みを示す走査型電子顕微鏡(FESEM)の写真である。 ベーマイト粒子B単品の平均径を示す走査型電子顕微鏡(FESEM)の写真である。 ベーマイト粒子B単品の平均厚みを示す走査型電子顕微鏡(FESEM)の写真である。 タルク粒子C−1単品の平均径を示す走査型電子顕微鏡(FESEM)の写真である。 タルク粒子C−1単品の平均厚みを示す走査型電子顕微鏡(FESEM)の写真である。 水酸化マグネシウム粒子A−2単品の平均径を示す走査型電子顕微鏡(FESEM)の写真である。 水酸化マグネシウム粒子A−2単品の平均厚みを示す走査型電子顕微鏡(FESEM)の写真である。
[複合添加剤]
本発明の複合添加剤は、水酸化マグネシウム粒子と、タルク、ベーマイト、水酸化アルミニウム及び窒化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機粒子と、を含有する。また、本発明の複合添加剤は、水酸化マグネシウム粒子の一次粒子の平均アスペクト比が10未満であり、前記無機粒子の一次粒子の平均アスペクト比が10以上であることを特徴とする。これにより、難燃性、耐トラッキング性の特性を維持しつつ、生産性を良好にしながら、樹脂組成物としての機械特性及び耐酸性を向上できる。
本発明の複合添加剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分以外に他の添加剤を配合してもよい。このような添加剤としては、例えば酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、発泡剤、可塑剤、充填剤、補強剤、難燃剤、架橋剤、光安定剤、紫外線吸収剤、及び滑剤等が挙げられる。上記他の添加剤の配合量は、本発明の効果を損なわなければ良いとの観点から特に限定されない。
[水酸化マグネシウム粒子]
本発明における水酸化マグネシウム粒子は、水酸化マグネシウムを主成分とする粉体からなるものであり、主成分となる水酸化マグネシウムの割合は、95%以上が好ましく、98%以上がより好ましく、99%以上が更に好ましい。なお、原料由来の不純物成分を含むことができる。水酸化マグネシウムは、安価であること、化学的に安定であること、塩基性を示すこと、無毒性を有すること、それ自体が燃焼しないこと、分解時に吸熱をすること、そして分解して熱容量の大きな水分子を放出すること等により、ノンハロゲン系難燃剤、耐トラッキング剤等として優れた特性を有する。
本発明における水酸化マグネシウム粒子の一次粒子の平均アスペクト比は、10未満であり、0より大きく10未満であることが好ましく、0.1〜8がより好ましく、1〜5が更に好ましい。このような範囲に平均アスペクト比をコントロールすることで、高アスペクト比の無機粒子とともに樹脂に配合した場合、粘度のバランスを調整できるようになり、流動性が上がるため、生産性を良好にすることができる。また、上記範囲の平均アスペクト比を有する水酸化マグネシウム粒子は、高アスペクト比の無機粒子の間の隙間を埋めるように緻密に配向できるため、難燃性、耐トラッキング性の特性を維持しつつ、機械特性及び耐酸性をより向上できる。
一次粒子の平均アスペクト比とは、後述の通り、平均径及び平均厚みの実測値からアスペクト比(平均径/平均厚み)を算出した値である。平均径とは、1次粒子の最長径の平均値である。なお、後述の通り、走査型電子顕微鏡(FESEM)の写真中の粒子50個を無作為に選択して、1次粒子の最長径の平均値を求めた。また、平均厚みとは、1次粒子の厚みの平均値である。なお、後述の通り、走査型電子顕微鏡(FESEM)の写真中の粒子5個を無作為に選択して、1次粒子の厚みの平均値を求めた。
ここで、1次粒子の最長径及び1次粒子の厚みは、測定対象粒子の寸法を各方角から測定して、下記の手順で決定した。粒子の寸法が最も大きくなる方向をx軸方向と規定し、その方向の粒子の寸法をa(最長径)とする。次に、粒子をx軸と直交する方向から測定した寸法のうち、最も短い寸法を与える方向をz軸方向と規定し、その粒子の寸法をc(厚み)とする。また、x軸およびz軸と直交する方向をy軸方向と規定し、y軸方向で最も大きな寸法をbとする。この場合、粒子の各軸の関係から、a≧b≧cとなる。よって、本発明におけるアスペクト比の定義は、a(最長径)/c(厚み)である。
また、本発明における水酸化マグネシウム粒子の形状は、1次粒子あるいは2次粒子が、平板状、不定形、針状等のいずれの形状でも良いが、難燃性、耐トラッキング性、機械強度等の観点から、1次粒子の形状が、平板状、不定形の形状であることが好ましく、平板状がより好ましい。平板状としては、実質的に平板状の立体形状であれば、平板状の頂点が丸みを帯びる等多少変形したものでもよいが、六角形平板状の形状であることが好ましい。
一方、本発明における水酸化マグネシウム粒子は、生産性及び耐酸性向上の観点から、針状結晶の水酸化マグネシウムを含まないことが好ましく、一次粒子の平均アスペクト比が5以上である針状結晶の水酸化マグネシウムを含まないことがより好ましい。これにより、各アスペクト比の粒子同士でのバランスが良好となり、樹脂に配合した場合、低アスペクト比の水酸化マグネシウム粒子が、高アスペクト比の無機粒子の間の隙間を埋めるようにより緻密に配向できるため、難燃性、耐トラッキング性の特性を維持しつつ、生産性を良好にしながら、機械特性及び耐酸性をより向上できる。
なお、針状結晶の場合、平板状等とは結晶成長方向が異なるため、平均アスペクト比は、長径/短径で表す。
本発明における水酸化マグネシウム粒子の平均径は、前記平均アスペクト比の範囲に含まれるのであれば特に制限がないものの、分散性、難燃性、耐トラッキング性、機械強度の維持等の観点から、平均径が0.1〜5μmであることが好ましく、0.2〜4μmであることがより好ましく、0.3〜3μmであることが特に好ましい。これにより、樹脂等に配合した際、樹脂等との接触面積をコントロールし易いため、難燃性や耐トラッキング性を向上しやすい。
本発明における水酸化マグネシウム粒子の平均厚みは、前記平均アスペクト比の範囲に含まれるのであれば特に制限がないものの、分散性、難燃性、耐トラッキング性、機械強度の維持等の観点から、平均厚みが0.01〜2μmであることが好ましく、0.05〜1μmであることがより好ましく、0.1〜0.5μmであることが更に好ましい。これにより、樹脂等に配合した際、樹脂等との接触面積をコントロールし易いため、難燃性や耐トラッキング性を向上しやすい。
本発明における水酸化マグネシウム粒子は、水酸化マグネシウム粒子と無機粒子の合計100質量%中に、本発明の効果を損なわなければ良いとの観点から特に限定されないものの、水酸化マグネシウム粒子60〜99質量%を含むことが好ましく、65〜95質量%を含むことがより好ましく、70〜95質量%を含むことが更に好ましい。水酸化マグネシウム粒子と無機粒子の量を前記範囲に調整することで、水酸化マグネシウム粒子が有する難燃性、耐トラッキング性の特性と、無機粒子が有する耐酸性の特性とをバランス良く調整することができる。
本発明における水酸化マグネシウム粒子のBET比表面積は、樹脂組成物に対する分散性、難燃性、耐トラッキング性、機械強度の維持等の観点から、1〜90m/gが好ましく、5〜30m/gがより好ましい。
本発明における水酸化マグネシウム粒子は、必ずしも純度100%である必要はなく、その製法等に応じて不純物を含有する場合がある。例えば、鉄、銅、マンガン、クロム、コバルト、ニッケル、バナジウムなどの金属の化合物である。これらの不純物の含有量は、金属換算で、粒子中に0.1質量%以下であることが望ましい。
本発明における水酸化マグネシウム粒子は、表面処理剤を用いるなどして表面処理された表面処理物であってもよい。表面処理剤としては当該用途に用いられる公知の化合物を用いることができる。前記表面処理は、高級脂肪酸、高級脂肪酸アルカリ土類金属塩、カップリング剤、脂肪酸と多価アルコールとからなるエステル類、及びリン酸と高級アルコールとからなるリン酸エステル類からなる群より選択される少なくとも1種を用いて行われることが好ましい。表面処理を行なうことにより、水酸化マグネシウム粒子の樹脂中(ないし成形体中)への分散性の向上、並びにこれによる樹脂組成物及び成形体の物性の維持ないし向上を図ることができる。なかでも、シランカップリング剤等のカップリング剤を用いることが、引張強度が向上する観点より好ましい。その他、表面処理剤として界面活性剤も用いることができる。
カップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、p−トリメトキシシリルスチレン、p−トリエトキシシリルスチレン、p−トリメトキシシリル−α−メチルスチレン、p−トリエトキシシリル−α−メチルスチレン3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル) 3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル) 3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−プロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシランなどシラン系カップリング剤や、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロフォスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート等のチタネート系カップリング剤、さらには、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤が挙げられる。このようなカップリング剤は、単独で用いても2種以上併用してもよい。
高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、エルカ酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸等の炭素数10以上の高級脂肪酸が挙げられ、ステアリン酸が分散性やハンドリング性の点で好ましい。高級脂肪酸アルカリ金属塩としては、上述の高級脂肪酸のアルカリ金属塩が挙げられ、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等を好適に用いることができる。分散性の観点から高級脂肪酸アルカリ金属塩が好ましく、中でも、ステアリン酸ナトリウムがより好ましい。これらは、単独で用いても2種以上併用してもよい。
脂肪酸と多価アルコールとからなるエステル類としては、例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート等の多価アルコールと脂肪酸とのエステル等が挙げられる。
リン酸と高級アルコールとからなるリン酸エステル類としては、例えば、オルトリン酸とオレイルアルコール、ステアリルアルコール等のモノまたはジエステルまたは両者の混合物であって、それらの酸型またはアルカリ金属塩またはアミン塩等のリン酸エステル等が挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン系界面活性剤が好適に使用可能である。
アニオン系界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩;アルキルジフエニルエーテルジスルホン酸ナトリム等のアルキルジフエニルエーテルジスルホン酸塩;アルキルリン酸カリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキル(又はアルキルアリル)硫酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤としては、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライト、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルペンジルジメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩:ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド等が挙げられる。
非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ポリオキシエチレン誘導体;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、自己乳化型グリセロールモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル:ポリオキシエチレンアルキルアミン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
このような表面処理剤を用いて、水酸化マグネシウム粒子の表面処理を行うには、公知の乾式法ないし湿式法を適用することができる。乾式法としては、水酸化マグネシウム粒子をヘンシェルミキサー等の混合機により、攪拌下で表面処理剤を液状、エマルジョン状、あるいは固体状で加え、加熱又は非加熱下に充分に混合すればよい。湿式法としては、水酸化マグネシウム粒子を水系溶媒若しくは非水系溶媒スラリーに表面処理剤を溶液状態又はエマルジョン状態で加え、例えば1〜100℃程度の温度で機械的に混合し、その後、非水系溶媒の場合、乾燥等によって非水系溶媒を除去すればよい。非水系溶媒としては、例えばイソプロピルアルコールやメチルエチルケトン等が挙げられる。表面処理剤の添加量は適宜選択することができるが、乾式法を採用する場合、湿式法に比べて不均一な表面処理レベルとなりやすいため、湿式法よりは若干多めの添加量とした方が良い。具体的には、水酸化マグネシウム粒子100質量%に対して0.5〜10質量%の範囲が好ましく、1〜5質量%の範囲がより好ましい。湿式法を採用する場合、充分な表面処理及び表面処理剤の凝集防止の点から、水酸化マグネシウム粒子100質量%に対して0.1〜5質量%の範囲が好ましく、0.3〜3質量%の範囲がより好ましい。
表面処理を行った水酸化マグネシウム粒子は、必要に応じて、造粒、乾燥、粉砕、及び分級等の手段を適宜選択して実施することができる。
[水酸化マグネシウム粒子の製造方法]
本発明における水酸化マグネシウム粒子は、代表的には以下のようにして得られる。塩化マグネシウム又はその水和物の水溶液を調製し、そこにアルカリ(例えば、水酸化ナトリウム水溶液等)を添加してサスペンジョンを得た後、このサスペンジョンに水熱処理を施してスラリーを得て、次いでスラリーをろ過、洗浄、乾燥することで所望の水酸化マグネシウム粒子を製造することができる。後工程である表面処理を湿式法で行う場合には、水熱処理を経たスラリーをろ過、洗浄した後、再度純水に戻して水酸化マグネシウムのスラリーとした上で、表面処理剤を添加することが好ましい。上記水熱処理は、オートクレーブ等の公知の耐圧加熱容器にて、撹拌下、100〜250℃で1〜10時間程度熱処理することで行うことができる。
平均アスペクト比をコントロールするために、塩化マグネシウム等の水溶液にアルカリ(例えば、水酸化ナトリウム水溶液等)を添加してサスペンジョンを得る際に、カルボン酸塩を添加することが好ましい。カルボン酸塩を添加することにより、水酸化マグネシウムの結晶成長を制御できるため、アスペクト比をコントロールできる。水酸化マグネシウムの結晶成長を制御については、定かではないものの下記のように考えられる。水酸化マグネシウムがz軸(厚み)方向に結晶成長する際、カルボン酸塩が吸着して、厚み方向の結晶成長を阻害して、平均アスペクト比を高くできると考えられる。
ここで、カルボン酸塩としては、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩等があげられ、アスペクト比をコントロールする観点から、酢酸塩が好ましい。酢酸塩としては、酢酸アルカリ金属塩、酢酸アルカリ土類金属塩、酢酸アンモニウム等があげられ、酢酸アルカリ土類金属塩が好ましい。酢酸アルカリ土類金属塩としては、結晶成長を制御する観点から、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムが好ましい。カルボン酸塩の添加割合は、塩化マグネシウム(Mg:1モル)に対して、0〜1.0モルであることが好ましい。
該工程で用い得る水溶性マグネシウム塩としては、塩化マグネシウム六水和物、塩化マグネシウム二水和物、塩化マグネシウム無水和物が好適に挙げられる。通常、水溶性マグネシウム塩は水溶液として用いる。その他、マグネシウム原料として海水、潅水を用いてもよい。各水溶液中のマグネシウムイオン濃度としては、反応を充分に進行させる観点から、0.01〜5mol/Lが好ましく、0.05〜4mol/Lがより好ましい。
アルカリ原料であるアルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いることができる。また、アルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等を用いることができる。アルカリ水溶液のアルカリ濃度としては、0.1〜18N程度であればよく、0.5〜15Nが好ましい。
上記手順でそれぞれ調製した水溶性マグネシウム塩とアルカリ水溶液とを1〜100℃程度で0.01〜10時間反応させることで水酸化マグネシウムを含む分散液を調製することができる。
[無機粒子]
本発明における無機粒子は、タルク、ベーマイト、水酸化アルミニウム及び窒化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、平均アスペクト比を制御する観点から、タルク、ベーマイト及び水酸化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。無機粒子の形状は、1次粒子あるいは2次粒子が、平板状、不定形、針状等のいずれの形状でも良いが、難燃性、耐トラッキング性、機械強度等の観点から、1次粒子の形状が、平板状、不定形の形状であることが好ましく、平板状がより好ましい。平板状としては、実質的に平板状の立体形状であれば、平板状の頂点が丸みを帯びる等多少変形したものでもよい。
本発明における無機粒子の一次粒子の平均アスペクト比は、10以上であり、10〜200であることが好ましく、15〜100がより好ましく、20〜50が更に好ましい。このような範囲に平均アスペクト比をコントロールすることで、低アスペクト比の水酸化マグネシウム粒子とともに樹脂に配合した場合、粘度のバランスを調整できるようになり、流動性が上がるため、生産性を良好にすることができる。また、上記範囲の平均アスペクト比を有する無機粒子は、樹脂の流れ方向に対して平行に配向でき、その配向隙間を埋めるように、低アスペクト比の水酸化マグネシウム粒子が緻密に配向できるため、難燃性、耐トラッキング性の特性を維持しつつ、機械特性及び耐酸性をより向上できる。
本発明における無機粒子の平均径は、前記平均アスペクト比の範囲に含まれるのであれば特に制限がないものの、分散性、難燃性、耐トラッキング性、機械強度の維持等の観点から、平均径が1〜20μmであることが好ましく、1.5〜15μmであることがより好ましく、2〜10μmであることが特に好ましい。これにより、樹脂等に配合した際、樹脂等との接触面積をコントロールし易いため、耐酸性や機械強度を向上しやすい。
本発明における無機粒子の平均厚みは、前記平均アスペクト比の範囲に含まれるのであれば特に制限がないものの、平均厚みが0.01〜2μmであることが好ましく、0.05〜1μmであることがより好ましく、0.1〜0.5μmであることが更に好ましい。これにより、樹脂等に配合した際、樹脂等との接触面積をコントロールし易いため、耐酸性や機械強度を向上しやすい。
本発明における無機粒子は、水酸化マグネシウム粒子と無機粒子の合計100質量%中に、本発明の効果を損なわなければ良いとの観点から特に限定されないものの、無機粒子1〜40質量%を含むことが好ましく、5〜35質量%を含むことがより好ましく、5〜30質量%を含むことが更に好ましい。水酸化マグネシウム粒子と無機粒子の量を前記範囲に調整することで、水酸化マグネシウム粒子が有する難燃性、耐トラッキング性の特性と、無機粒子が有する耐酸性の特性とをバランス良く調整することができる。
本発明における無機粒子は、前述の水酸化マグネシウム粒子と同様に、表面処理剤を用いるなどして表面処理された表面処理物であってもよい。表面処理剤としては、前述の通りであり、当該用途に用いられる公知の化合物を用いることができる。
タルク、ベーマイト、水酸化アルミニウム及び窒化ホウ素は、天然物および合成物共に、公知の方法により製造された市販品をそのまま使用しても良く、あるいは市販品を加工して用いても良く、公知慣用のものを用いることができる。
本発明における無機粒子は、アスペクト比を制御する観点から、タルクを含むことが好ましい。本発明で、タルクとは、基本化学式3MgO・4SiO・HOで表される層状ケイ酸マグネシウムであって、その代表的な化学組成は下記の通りである。
SiO:50〜65%
MgO:25〜30%
Al:0〜3%
Fe:0〜2%
CaO:0〜4%
タルクは、いわゆるサンドイッチ構造の結晶構造であるため、層状ケイ酸塩鉱物中に含水物を含む。従って、加熱時に熱容量の大きな水分子を放出できるため、水酸化マグネシウム粒子と協同して、難燃性や耐トラッキング性を向上し易い。また、タルクは、サンドイッチ構造の層間の結合が弱く、厚み方向で層間剥離し易いため、アスペクト比を高めやすい結晶構造を有している。
なお、タルクは、タルク−パイロフィライト族に含まれるものである。タルク−パイロフィライト族とは、層状ケイ酸塩鉱物であり、例えば、パイロフィライト、タルク、ケロライト、ウィレムスアイト、ビメライト、ミネソタアイト等が挙げられる。これらのタルク−パイロフィライト族は、天然物および合成物共に、市販品としても入手することができる。
本発明のタルクの製造方法は、乾式法で行っても湿式法で行っても、平均アスペクト比が上記範囲に含まれるものであれば、どのような方法でもよい。乾式法で行う場合は、タルク原石を所望の粒径になるまで機械的に粉砕する方法等が挙げられる。湿式法で行う場合は、粗粉砕されたタルク粉末を水と接触させ、流動可能な粘度のスラリー状として状態で粉砕を行う。水接触時には、適宜、分散剤を用いてもよい。湿式粉砕に適する装置としては、ボールミル、ビーズミル、湿式ジェットミル、ディスコプレックス等が挙げられる。これらのうち、過粉砕による扁平度の低下が起こさずに微粉化しやすいことから、ボールミル、ビーズミルが好ましい。
平均アスペクト比を10以上にするには、ボールミル、ビーズミル等の湿式粉砕装置を用いて、平均アスペクト比の調整を行うことが好ましい。
なお、湿式法で粉砕後のタルク粉末は、通常、乾燥させて使用する。乾燥は、粒度を調整(分級)前に行っても、分級後に行っても構わない。分級では、分級機の条件を調節することにより、目的とする粒度のタルク微末を取り出すことができる。
本発明における無機粒子は、難燃性、耐トラッキング性、耐酸性等の向上の観点から、含水物を含むアルミニウム化合物を含むことが好ましい。含水物を含むアルミニウム化合物としては、アスペクト比を制御する観点から、ベーマイト及び水酸化アルミニウムが好ましい。
本発明で、水酸化アルミニウムとは、典型的にはAl(OH)の組成で示される。加熱時に熱容量の大きな水分子を放出できるため、水酸化マグネシウム粒子と協同して、難燃性や耐トラッキング性を向上し易い。
本発明で、ベーマイトとは、アルミナ水和物であり、典型的にはAlOOHやAl・HOの組成で示される。なお、ベーマイトには、1分子以上の水を層間に含んだ、いわゆる擬ベーマイトを含む。平均アスペクト比を10以上にするには、後述した合成条件でも作成可能であるし、また、ボールミル、ビーズミル等の湿式粉砕装置を用いて、平均アスペクト比の調整を適宜行うことができる。例えば、鉱物ベーマイト、合成ベーマイト等であって、含水量が15〜40質量%程度のものを含む。水酸化アルミニウムと同様に、加熱時に熱容量の大きな水分子を放出できるため、水酸化マグネシウム粒子と協同して、難燃性や耐トラッキング性を向上し易い。
ベーマイトは、代表的には以下のようにして得られる。水酸化アルミニウム又はその水和物の水溶液を調製し、そこにアルカリ(例えば、水酸化ナトリウム水溶液等)を添加してサスペンジョンを得た後、このサスペンジョンに水熱処理を施してスラリーを得て、次いでスラリーをろ過、洗浄、乾燥することで所望のベーマイト粒子を製造することができる。後工程である表面処理を湿式法で行う場合には、水熱処理を経たスラリーをろ過、洗浄した後、再度純水に戻してベーマイトのスラリーとした上で、表面処理剤を添加することが好ましい。上記水熱処理は、オートクレーブ等の公知の耐圧加熱容器にて、撹拌下、100〜250℃で1〜10時間程度熱処理することで行うことができる。なお、水酸化アルミニウムは、天然物および合成物共に、市販品としても入手することができる。
平均アスペクト比を10以上にするには、前記した合成条件でも作成可能であるし、また、ボールミル、ビーズミル等の湿式粉砕装置を用いて、平均アスペクト比の調整を適宜行うことができる。
本発明における無機粒子は、アスペクト比を制御する観点から、窒化ホウ素を含むことが好ましい。本発明で、窒化ホウ素とは、BNの組成で示される。窒化ホウ素の市販品としては、例えば、昭和電工(株)製の「ショウビーエヌUHP」シリーズ(例えば、「ショウビーエヌUHP−1」など)、電気化学工業(株)製の「デンカボロンナイトライド粉」シリーズ(例えばGPグレードなど)などが挙げられる。なお、市販品の窒化ホウ素を加工して用いる場合、加工法として、公知の技術を用いた分級処理、粉砕処理、薄片化処理、剥離処理、および/または表面修飾剤による表面処理などを実施しても良い。
平均アスペクト比を10以上にするには、前記した市販品を用いてもよく、また、市販品をボールミル、ビーズミル等の湿式粉砕装置を用いて、平均アスペクト比の調整を適宜行うことができる。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、樹脂100質量部に対し、複合添加剤を10〜500質量部配合することを特徴とする。好ましくは、樹脂100質量部に対し、複合添加剤を50〜200質量部配合できる。本発明の複合添加剤を所定量配合している樹脂組成物であるため、難燃性、耐トラッキング性の特性を維持しつつ、生産性を良好にしながら、機械特性及び耐酸性を向上できる。
樹脂組成物に含まれる樹脂としては、ABS系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有することが好ましい。これらは用途に応じて選択すればよい。例えば、難燃用途であれば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が好ましく、耐トラッキング用途であれば、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレン系樹脂が好ましい。
上記樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分以外に他の添加剤を配合してもよい。このような添加剤としては、例えば酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、発泡剤、可塑剤、充填剤、補強剤、難燃剤、架橋剤、光安定剤、紫外線吸収剤、及び滑剤等が挙げられる。
上記他の添加剤の配合量は、本発明の効果を損なわなければ良いとの観点から特に限定されないものの、上記樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部配合するのが好ましい。
[成形体]
成形体は前記樹脂組成物を用いて得ることができる。このような成形体は、樹脂等に所定量の複合添加剤を配合した後、公知の成形方法により得ることができる。このような成形方法としては、例えば押出成形、射出成形、カレンダー成形などである。
成形体には、前述した所定の複合添加剤が配合されているので、機械特性に優れるとともに、難燃性、耐トラッキング性、耐酸性にも優れている。このような成形体は難燃性、耐トラッキング性等が求められる各種用途に用いることができ、例えば、OA機器、自動車部品(内外装品)、ゲーム機、建築部材(室内用)、電気製品(エアコン、冷蔵庫の外側、いわゆる電子・電気機器全般のハウジング用途)、雑貨、文具、家具、楽器(リコーダー)、機械部品等の用途に用いることができる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[各粒子単品での分析]
下記の調製例で得られた各粒子単品について、以下のような分析を行った。各分析結果を表1及び図1〜8に示す。
(1)平均径の測定
アルミ試料台上に両面テープを貼り付け、その上から粒子をスパチュラのヘラでなぞるように塗布した。金蒸着を行った後、走査型電子顕微鏡(FESEM)を用いて、1千〜1万倍の粒子外径の写真を撮った。画像解析ソフト(Image J)を用いて、写真中の粒子50個を無作為に選択し、1次粒子の最長径の平均値(平均径)を求めた。
(2)平均厚みの測定
EVA樹脂(商品名:EV−180、三井デュポン株式会社製)100質量部に対し、粒子10質量部を配合し、ラボプラストミル(東洋精機製)により160℃で5分間の溶融混練を行った。混練物を160℃でプレス成型して、厚み2mmのシートを作成した。このシートを短冊状に切出し、液体窒素に浸して割ってできた断面を上向きに設置した試料台を準備した。金蒸着を行った後、走査型電子顕微鏡(FESEM)を用いて、5千〜1万倍の粒子厚みの写真を撮った。画像解析ソフト(Image J)を用いて、写真中の粒子5個を無作為に選択し、1次粒子の厚みの平均値(平均厚み)を求めた。
(3)平均アスペクト比の計算
一次粒子の平均アスペクト比は、下記式により算出した。
一次粒子の平均アスペクト比=平均径(μm)÷平均厚み(μm)
[各粒子単品の調製例]
(水酸化マグネシウム粒子A−1の調製例)
100L容量のポリエチレン製容器に、マグネシウム原料として高純度MgCl・6HOを15.8kg秤量し、純水33Lを加えて攪拌し、MgCl水溶液を調製した。これにアルカリ原料として8.3NのNaOH水溶液16.8Lを攪拌下にゆっくりと添加し(Mg2+モル数:OHモル数は1:1.8であった)、さらに純水を加え、70Lのサスペンジョンを調製した。このサスペンジョンを100L容量のハステロイC−276製の接液部を有するオートクレーブ内に流し込み、攪拌下で140℃、5時間の水熱処理を行った。水熱処理後のスラリーを真空ろ過後、固形分に対し20倍容量以上の純水で充分洗浄した。その後、乾燥、粉砕して水酸化マグネシウム粒子A−1の単品を得た。
(水酸化マグネシウム粒子A−2の調製例)
100L容量のポリエチレン製容器に、マグネシウム原料として高純度MgCl・6HOを15.8kg秤量し、純水33Lを加えて攪拌し、MgCl水溶液を調製した。これにアルカリ原料として8.3NのNaOH水溶液16.8Lを攪拌下にゆっくりと添加し(Mg2+モル数:OHモル数は1:1.8であった)、さらに酢酸カルシウム・一水和物を6.1kgと純水を加え、70Lのサスペンジョンを調製した。このサスペンジョンを100L容量のハステロイC−276製の接液部を有するオートクレーブ内に流し込み、攪拌下で195℃、5時間の水熱処理を行った。水熱処理後のスラリーを真空ろ過後、固形分に対し20倍容量以上の純水で充分洗浄した。その後、乾燥、粉砕して水酸化マグネシウム粒子A−2の単品を得た。
(ベーマイト粒子Bの調製例)
100L容量のポリエチレン製容器に、水酸化アルミニウム粉末(商品名:BF−013、日本軽金属株式会社製)を7.5kg、8.3NのNaOH水溶液を2.9Lおよび純水を加えて攪拌し、70Lの懸濁液を調製した。この懸濁液を100L容量のハステロイC−276製の接液部を有するオートクレーブ内に流し込み、攪拌下で200℃、5時間の水熱処理を行った。水熱処理後のスラリーを真空ろ過後、固形分に対し20倍容量以上の純水で充分洗浄した。その後、乾燥、粉砕してベーマイト粒子Bの単品を得た。
(タルク粒子C−1の調製例)
市販のタルク(商品名:FH−108、富士タルク工業株式会社製)の1kg分を水10L中に懸濁させた。1L容量ベッセル中に1mmφガラスビーズを充填した横型連続式ビーズミルを用いて、流速2L/時間の条件で湿式粉砕を行った。その後、ろ過、アルコール洗浄、乾燥、粉砕してタルク粒子C−1の単品を得た。
(タルク粒子C−2)
市販のタルク(商品名:FH−104、富士タルク工業株式会社製)をタルク粒子C−2の単品とした。
[複合添加剤の調製例]
(実施例1)
水酸化マグネシウム粒子A−1を1800gと、ベーマイト粒子Bを200gとを、20L容量のヘンシェルミキサーに投入し、室温中、回転数1900rpm、30分間の攪拌混合を行い、複合添加剤D−1を得た(A−1/90%、B/10%)。
(実施例2)
実施例1において、水酸化マグネシウム粒子A−1を1500gに、ベーマイト粒子Bを500gにしたこと以外は、実施例1と同様にして複合添加剤D−2を得た(A−1/75%、B/25%)。
(実施例3)
実施例1において、水酸化マグネシウム粒子A−1を1000gに、ベーマイト粒子Bを1000gにした以外は、実施例1と同様にして複合添加剤D−3を得た(A−1/50%、B/50%)。
(実施例4)
水酸化マグネシウム粒子A−1を1900gと、タルク粒子C−1を100gとを、20L容量のヘンシェルミキサーに投入し、室温中、回転数1900rpm、30分間の攪拌混合を行い、複合添加剤E−1を得た(A−1/95%、C−1/5%)。
(実施例5)
実施例4において、水酸化マグネシウム粒子A−1を1800gに、タルク粒子C−1を200gにした以外は、実施例4と同様にして複合添加剤E−2を得た(A−1/90%、C−1/10%)。
(実施例6)
実施例4において、水酸化マグネシウム粒子A−1を1500gに、タルク粒子C−1を500gにした以外は、実施例4と同様にして複合添加剤E−3を得た(A−1/75%、C−1/25%)。
(比較例1)
水酸化マグネシウム粒子A−1のみを用いた。
(比較例2)
実施例1において、水酸化マグネシウム粒子A−1を500gに、ベーマイト粒子Bを1500gにした以外は、実施例1と同様にして複合添加剤D−4を得た(A−1/25%、B/75%)。
(比較例3)
実施例4において、水酸化マグネシウム粒子A−1を1000gに、タルク粒子C−1を1000gにした以外は、実施例4と同様にして複合添加剤E−4を得た(A−1/50%、C−1/50%)。
(比較例4)
実施例4において、水酸化マグネシウム粒子A−1を1800gに、タルク粒子C−2を200gにした以外は、実施例4と同様にして複合添加剤E−5を得た(A−1/90%、C−2/10%)。
(比較例5)
水酸化マグネシウム粒子A−1を1800gと、水酸化マグネシウム粒子A−2を200gとを、20L容量のヘンシェルミキサーに投入し、室温中、回転数1900rpm、30分間の攪拌混合を行い、複合添加剤Fを得た(A−1/90%、A−2/10%)。
[難燃剤あるいは耐トラッキング剤の分析と評価]
実施例及び比較例で得られた複合添加剤等について、以下のような評価試験を行った。各評価結果を表1に示す。
(4)難燃性樹脂組成物の試験片作成と評価
(4−1)試験片作成
PP(商品名:BC−6D、日本ポリプロ株式会社製)樹脂100質量部に対して前記複合添加剤100質量部を、ラボプラストミル(東洋精機製)により180℃で5分間の溶融混練を行った。得られた混練物を180℃でプレス成形して、各種厚みに調整したシートを作成し、各種試験片に打ち抜いた。
(4−2)メルトフローレート(MFR)の測定
JIS K 7210に準拠した。即ち、上記(4−1)で得られた2mmのシートをペレット状(5mm×5mm)にカットしたものを用いて行った。180℃かつ荷重211.8Nの条件で行った。MFRが高いと生産性が高く、MFRの目標値は13 g/10min以上とした。
(4−3)曲げ試験及び引張試験(機械特性)
曲げ試験はJIS K7171に準拠し、引張試験はJIS K7113に準拠した。曲げ試験は、上記(4−1)の通り、厚み2mmのシート成形体から短冊状(13mm×120mm)に打ち抜いた試験片を用いて行った。また、引張試験は、上記(4−1)の通り、厚み2mmのシート成形体から2号形ダンベル状に打ち抜いた試験片を用いて行った。曲げ試験から得られた弾性率の目標値は3600N/mm以上とした。また、引張試験から得られた引張強度の目標値は、2.5kgf/mm以上とした。
(4−4)酸素指数の測定
上記(4−1)の通り、厚み3mmのシート成形体から短冊状(7mm×130mm)に打ち抜いた試験片を用いて、JIS K 7201に準拠して、酸素指数を測定した。酸素指数の目標値としては24以上とした。
(4−5)耐酸性試験
上記(4−1)の通り、厚み2mmのシート成形体から短冊状(20mm×20mm)にカットした試験片を用いて、JIS K 7114に準拠して耐酸性試験を行った。即ち、10%硫酸に40℃、24時間浸堰し、浸堰後シートを取りだし、シートを蒸留水にて十分に洗浄した後に100℃で乾燥させ、重量を測定した。重量変化の目標値は−3%以上とした。
(5)耐トラッキング性樹脂組成物の試験片作成と評価
(5−1)試験片作成
HIPS樹脂(商品名:H9152、PSジャパン株式会社製) 100質量部に対して前記複合添加剤135質量部を、ラボプラストミル(東洋精機製)により200℃で5分間の溶融混練を行った。得られた混練物を200℃でプレス成形して各種厚みに調整したシートを作成し、各種試験片に打ち抜いた。
(5−2)メルトフローレート(MFR)の測定
JIS K 7210に準拠した。即ち、上記(5−1)で得られた2mmのシートをペレット状(5mm×5mm)にカットしたものを用いて行った。200℃かつ荷重211.8Nの条件で行った。MFRが高いと生産性が高く、MFRの目標値は10 g/10min以上とした。
(5−3)耐トラッキング性試験
上記(5−1)により、厚み3mmのシート成形体から短冊状(20mm×20mm)にカットした試験片を作成した。この試験片を用いてIEC 60112に準拠して耐トラッキング試験を行った。耐トラッキング性の目標値としては600V以上とした。
(5−4)耐酸性試験
上記(5−1)の通り、厚み2mmのシート成形体から短冊状(20mm×20mm)にカットした試験片を用いて、JIS K 7114に準拠して耐酸性試験を行った。即ち、10%硫酸に40℃、24時間浸堰し、浸堰後シートを取りだし、シートを蒸留水にて十分に洗浄した後に100℃で乾燥させ、重量を測定した。重量変化の目標値は−5%以上とした。
以上の分析および評価の結果を表1に示す。
表1に示すように、比較例1のような低アスペクト比の水酸化マグネシウム粒子単品では、流動性が低く生産性が悪く、樹脂に配合した際も、機械特性及び耐酸性を向上できなかった。また、比較例2〜5のように、低アスペクト比の粒子と高アスペクト比の粒子との複合添加剤であっても、その組成や、アスペクト比の影響等より、難燃性、耐トラッキング性、機械特性及び耐酸性の全てをバランスよく向上させることはできなかった。一方、実施例1〜6では、樹脂組成物として難燃性、耐トラッキング性の特性を維持しつつ、生産性を良好にしながら、機械特性及び耐酸性を向上でき、良好な結果が得られた。これは、樹脂に配合する際、高アスペクト比のタルクやベーマイトがプレス成型面に対して平行に配向し、低アスペクト比の水酸化マグネシウム粒子は高アスペクト比の無機粒子の間の隙間を埋めるように緻密に配向できたためと考えられる。

Claims (8)

  1. 水酸化マグネシウム粒子と、タルク、ベーマイト、水酸化アルミニウム及び窒化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機粒子と、を含有する複合添加剤であって、
    前記水酸化マグネシウム粒子の一次粒子の平均アスペクト比は、10未満であり、
    前記無機粒子の一次粒子の平均アスペクト比は、10以上である複合添加剤。
  2. 一次粒子の平均アスペクト比が5以上である針状結晶の水酸化マグネシウムを含まない請求項1に記載の複合添加剤。
  3. 前記水酸化マグネシウム粒子と前記無機粒子の合計100質量%中に、前記水酸化マグネシウム粒子99〜60質量%を含む請求項1又は2に記載の複合添加剤。
  4. 前記水酸化マグネシウム粒子は、平均径が0.1〜5μmであり、平均厚みが0.01〜2μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合添加剤。
  5. 前記無機粒子は、平均径が1〜20μmであり、平均厚みが0.01〜2μmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合添加剤。
  6. 樹脂100質量部に対し、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合添加剤を10〜500質量部配合した樹脂組成物。
  7. 前記樹脂として、ABS系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有する請求項6に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項6又は7に記載の樹脂組成物を含む成形体。
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