JP2005336377A - インク組成物、それを用いたインクジェット記録方法および記録物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも水と着色剤とカルボキシル基を有する芳香族化合物を含んでなるインク組成物であって、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種と、リチウムイオンを含有することを特徴とするインク組成物とこれを用いるインクジェット記録方法及び記録物。
【選択図】 なし
Description
また、近年では写真調に近い風合いを持つ記録媒体として光沢紙が多く採用されるようになっているが、特定の色がブロンズ現象を起こすことにより印刷物表面での光沢感にバラツキが生じ、画像の風合いを著しく損ねてしまうことから、画像全体の均一な光沢感を保つ観点からも、その改善が強く望まれるところである。
(1)少なくとも水と着色剤とカルボキシル基を有する芳香族化合物を含んでなるインク組成物であって、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種と、リチウムイオンを含有することを特徴とするインク組成物。
(2)さらに尿素を含有することを特徴とする(1)に記載のインク組成物。
(3)前記尿素をインク組成物の1〜6重量%含有することを特徴とする(2)に記載のインク組成物。
(4)前記カルボキシル基を有する芳香族化合物に対するナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種とリチウムイオンの合計のモル比が1:5〜10:8であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物。
(6)前記カルボキシル基を有する芳香族化合物が、カルボキシル基を1つ有する芳香族化合物である、(1)〜(5)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(7)前記カルボキシル基を有する芳香族化合物が、ナフタレン骨格を持つ化合物である、(1)〜(6)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(8)前記ナフタレン骨格を持つ化合物が、2位にカルボキシル基を有する化合物である、(7)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(10)前記カルボキシル基を有する芳香族化合物をインク組成物全量に対して0.1〜10重量%含んでなる、(1)〜(9)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(11)前記着色剤と、前記カルボキシル基を有する芳香族化合物の含有比率が、重量比で、1:0.2〜1:10の範囲である、(1)〜(10)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(13)前記インクジェット記録方法が、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法である、(12)に記載のインク組成物。
(14)インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として(1)〜(13)のいずれか一項に記載のインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
(15)(1)〜(13)のいずれか一項に記載のインク組成物を用いて記録された、又は(14)に記載の記録方法により記録されたことを特徴とする記録物。
また、耐光性及び耐ガス性等の画像堅牢性には優れるが耐湿性に劣り、カルボキシル基を有する芳香族化合物により耐湿性が向上する着色剤であればいかなる着色剤でも良い。
2)次いで、上記1)で得られた化合物とメタアミノアセトアニリドを溶媒中で反応させ、3'−[1−ベンゾイル−2,7−ジヒドロ−3−メチル−2,7−ジオキソ−3H−ジベンゾ[f,ij]イソキノリン−6−イルアミノ]−アセトアニリドを得る。
3)次いで、上記2)で得られた化合物を発煙硫酸中で反応させ、トリナトリウム−6−アミノ−4−[2,7−ジヒドロ−3−メチル−1−(3−スルホナトベンゾイル)−2,7−ジオキソ−3H−ジベンゾ[f,ij]イソキノリン−6−イルアミノ]−ベンゼン−1,3−ジスルホナートを得る。
4)次いで、上記3)で得られた化合物とシアヌルクロライドとを水中で反応させて1次縮合物を、更に、連結基Aを有するジアミンを反応させて2次縮合物を得る。
5)次いで、上記4)で得られた化合物をそのまま、または加水分解、あるいはアンモニアと反応させて3次縮合物と成し、目的とする前記式(1)で表される化合物を得る。
前記式(1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むマゼンタインク組成物は、従来使用されているマゼンタ系の染料を含むマゼンタインク組成物に比べて耐光性に優れたものである。
式(2)において、 Aは5員複素環ジアゾ成分A−NH2の残基を表す。 該5員複素環のヘテロ原子の例には、N、O、およびSを挙げることができる。好ましくは含窒素5員複素環であり、複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。Aの好ましい複素環の例には、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環を挙げることができる。各複素環基は更に置換基を有していてもよい。なかでも、下記一般式(a)から(f)で表されるピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環が好ましい。
B1およびB2は、各々−CR1=、−CR2=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR1=または−CR2=を表すが、各々−CR1=、−CR2=を表すものがより好ましい。
R5、R6は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していてもよい。 R5、R6で表される好ましい置換基は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルおよびアリールスルホニル基を挙げることができる。 さらに好ましくは水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基である。最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。各基は更に置換基を有していてもよい。 ただし、R5、R6が同時に水素原子であることはない。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
(イ)R5およびR6は、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、スルホニル基、アシル基であり、さらに好ましくは水素原子、アリール基、複素環基、スルホニル基であり、最も好ましくは水素原子、アリール基、複素環基である。ただし、R5およびR6が共に水素原子であることは無い。
(ロ)Gは、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基であり、さらに好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基であり、最も好ましくは水素原子、アミノ基、アミド基である。
(ハ)Aは、好ましくはピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環であり、さらに好ましくはピラゾール環、イソチアゾール環であり、最も好ましくはピラゾール環である。
(ニ)B1およびB2は、それぞれ−CR1=、−CR2=であり、そしてこれらR1、R2は、各々好ましくは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、カルボキシル基、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基であり、さらに好ましくは水素原子、シアノ基、カルバモイル基、アルキル基である。
(b)上記工程(a)で形成されたジアゾニウム塩を下記一般式(5)で表されるカップリング剤と反応させて、上記一般式(2)で表される化合物を形成する。
(c)塩基の存在下で、上記工程(b)で形成された化合物をアルキル化剤、アリール化剤又はヘテリル化剤と反応させてアルキル基等の置換基を導入した上記一般式(2)で表される化合物を形成する。
さらに、上記式(2)の化合物において水溶性基を導入する場合、求電子反応を用いる。求電子反応としてはスルホン化、マンニッヒ反応、フリーデルクラフツ反応があり、中でもスルホン化が好ましい。
また、好ましい態様として、カルボキシル基を有する芳香族化合物をアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩として含有させるか、中和剤としてのアルカリ金属の水酸化物及び/又はアンモニアとともに含有させることが挙げられる(本明細書においては、カルボキシル基を有する芳香族化合物のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩もカルボキシル基を有する芳香族化合物に含める)。アルカリ金属塩の中でもリチウム塩が、耐ブロンズ性の改善の点で特に好ましいばかりでなく、キャッピングされた状態での耐目詰り性の点でも好ましい。アルカリ金属塩の中のナトリウム塩及びカリウム塩、又はアンモニウム塩は、キャッピングされない状態での耐目詰り性の点で好ましい。
カルボキシル基を有する芳香族化合物としては、具体的には、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−メトキシ−2−ナフトエ酸、3−エトキシ−2−ナフトエ酸、3−プロポキシ−2−ナフトエ酸、6−メトキシ−2−ナフトエ酸、6−エトキシ−2−ナフトエ酸、6−プロポキシ−2−ナフトエ酸等が挙げられる。
インク組成物中のリチウムイオンの濃度は、好ましくはインク組成物100g中0.001〜0.1モルである。リチウムイオンの存在により、カルボキシル基を有する芳香族化合物の耐ブロンズの効果が向上し、キャッピングされた状態での耐目詰まりの信頼性も良好なものとなる。また、着色剤中の−SO3 -基にリチウムイオンを結合させた場合、着色剤の溶解性が向上する。
ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種は、インクノズルがより厳しい使用条件におかれた場合(たとえば印刷中に電源供給がされなくなってプリントヘッドがホームポジションに戻らず、ノズルがキャッピングされないまま放置された場合)、カルボキシル基を有する芳香族化合物のリチウム塩が析出して目詰まりやインク滴曲がりを生ずるのを防止する効果を奏し、他の特性を低下させることなく目詰まり等の信頼性がさらに向上したインク組成物とすることができる。−COO-基にナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンが結合した場合、リチウムイオンが結合したよりも溶解性が高いためと考察される。リチウムイオンに対するナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種の合計のモル比は好ましくは8:1〜1:1、さらに好ましくは6:1〜10:9である。この範囲で用いることにより、インク組成物の耐ブロンズの効果を低下させることなくリチウム塩の析出を防止できる。
保湿剤を含むことにより、インクジェット記録方式において、水分の蒸発を抑制してインクを保湿することができる。また、水溶性有機溶剤であれば、吐出安定性を向上させたり、インク特性を変化させたりすることなく粘度を容易に変更することができる。
水溶性有機溶剤は、溶質を溶解する能力を持つ媒体を指しており、有機性で蒸気圧が水より小さい水溶性の溶媒から選ばれる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、アセトニルアセトン等のケトン類、γ−ブチロラクトン、リン酸トリエチル等のエステル類、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、チオジグリコール等が望ましい。
また、糖類は、マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等が好ましい。
保湿剤は、インク組成物全量に対して5〜50重量%、より好ましくは、5〜30重量%、さらに好ましくは、5〜20重量%の範囲で添加されることが好ましい。5重量%以上であれば、保湿性が得られ、また、50重量%以下であれば、インクジェット記録に用いられる粘度に調整しやすい。
その含有量は、0.5〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは、1〜5重量%である。その含有量を、0.5重量%以上とすることで、添加することによる本発明における着色剤の溶解性向上を図ることができ、10重量%以下とすることで、インク組成物が接する各種部材との耐材料性を悪化させることがない。
なお、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
[実施例1〜11及び比較例1〜8]
実施例1〜11及び比較例1〜8のインク組成物を表7に示す配合割合で各成分を混合して溶解させ、孔径1μmのメンブランフィルターにて加圧濾過を行なって、各インク組成物を調製した。表7中に示すインク組成物の各成分はインク組成物全量に対する各成分の重量%を示す。なお、表7におけるM染料1は下記式(6)で表される化合物である。
この組成におけるLiのモル数及びNa+K+NH3のモル数、2−ナフトエ酸のカルボキシル基のモル数に対するLi+Na+K+NH3のモル数の比率、Na+K+NH3に対するLiのモル数の比率、Li+Na+K+NH3のモル数、着色剤に対する2−ナフトエ酸の重量比は表8に示すとおりである。
表7に示した実施例1〜10及び比較例1〜8のインク組成物をインクジェットプリンタStylus Color 880(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて、これの専用カートリッジ(Magenta室)に充填し、インクジェット専用記録媒体(PM写真用紙;セイコーエプソン株式会社製、型番;KA420PSK)に対し以下のように印刷、評価を行った。
実施例1、2及び比較例1〜4のインク組成物を充填したカートリッジを用い、それぞれのインク組成物に対し、OD(Optical Density)値が0.9〜1.1の範囲に入るようにDutyを調整して印刷を行った。これを直射日光のあたらない常温常湿環境にて1日放置した後、得られた記録物の耐光性を以下の条件下で評価した。
蛍光灯耐候性試験機SFT−II(スガ試験機株式会社製)を用い、24℃、60%RHの条件下で、照度70,000luxにて記録物を11日間照射した。
曝露サンプルのOD値(Optical Density)を、反射濃度計(「Spectrolino」Gretag社製)を用いて測定した。各測定値を以下の式に代入することにより、退色後の光学濃度残存率(Relict Optical Density;ROD)を得た。
ROD(%)=(Dn/D0)×100
(Dn:照射試験後のOD、D0:照射試験前のOD)
A:ROD(%)85%以上
B:ROD(%)70%以上85%未満
C:ROD(%)55%以上70%未満
D:ROD(%)55%未満
評価結果を表9に示した。
実施例1、2及び比較例1〜4のインク組成物を充填したカートリッジを用い、それぞれのインク組成物に対し、OD(Optical Density)値が0.9〜1.1の範囲に入るようにDutyを調整して印刷を行った。これを直射日光のあたらない常温常湿環境にて1日放置した後、得られた記録物の耐オゾン性を以下の条件下で評価した。
オゾンウェザーメーターOMS−H型(商品名、(株)スガ試験機製)を用い、24℃60%RH、オゾン濃度10ppmの条件下にて、記録物を24時間曝露した。
曝露サンプルのOD値(Optical Density)を、反射濃度計(「Spectrolino」Gretag社製)を用いて測定した。各測定値を以下の式に代入することにより、退色後の光学濃度残存率(Relict Optical Density;ROD)を得た。
ROD(%)=(Dn/D0)×100
(Dn:照射試験後のOD、D0:照射試験前のOD)
A:ROD(%)85%以上
B:ROD(%)70%以上85%未満
C:ROD(%)55%以上70%未満
D:ROD(%)55%未満
評価結果を表9に示した。
実施例1、2及び比較例1〜4のインク組成物を充填したカートリッジを用い、1インチ平方当たり1.5〜2.2mgの打ち込み量になる吐出条件において、文字及び白抜き文字を印刷した。得られた印字物を25℃、40%RHの環境下で24時間乾燥させた後に、40℃、85%RHの環境下に3日間放置し、染料の滲み出し(白抜き文字の潰れ)を目視にて確認し、以下の判断基準により、耐湿性を評価し、その結果を表9に示した。
A:染料の滲み出しが殆ど観察されない。
B:染料の滲み出しが若干有り、文字の輪郭がやや崩れているレベル。
C:染料の滲み出しが観察され、文字の輪郭が崩れているレベル。
D:染料の滲み出しが観察され、文字太り及び白抜き文字が全体に染まっているレベル。
実施例1〜10及び比較例5〜8のインク組成物を充填したカートリッジを用い、10分間連続して印刷し、全てのノズルが正常に吐出していることを確認後、60℃15%RHの環境に4週間放置した。放置後、全ノズルが初期と同等に吐出するまでクリーニング動作を繰り返し、以下の判断基準により、回復しやすさを評価し、その結果を表10に示した。
A:1〜4回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
B:5〜8回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
C:9〜12回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
D:現実的な回数のクリーニング操作では回復せず。
(目詰り回復性)
実施例1〜10のインク組成物を充填したカートリッジを用い、10分間連続して印刷し、全てのノズルが正常に吐出していることを確認後、インクカートリッジを装着したまま、記録ヘッドをヘッドキャップから外した状態で、40℃20%RHの環境に1週間、及び2週間放置した。放置後、全ノズルが初期と同等に吐出するまでクリーニング動作を繰り返し、以下の判断基準により、回復しやすさを評価し、その結果を表11に示した。
A:1〜4回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
B:5〜8回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
C:9〜12回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
D:現実的な回数のクリーニング操作では回復せず。
上記目詰りが回復したプリンタを使用し、duty40%でベタパターンを印刷した。以下の判定基準に従い、目視により判断した。結果を表11に示した。
A:ベタが埋まっており、初期と変化無し。
B:初期と比較し、若干変化している。
C:ベタが埋まらず、筋が多い。
ポリプロピレンペレット(三井化学株式会社製、三井ポリプロTMJ105G)10gを実施例1〜10の各インク組成物20gに浸し、70℃で5日及び10日保存した。保存後、5℃で3日間放置し、浮遊異物を目視で確認した。
A:浮遊異物無し。
B:少量浮遊異物有り。
C:多量に浮遊異物有り。
結果を表11に示した。
表10に示した耐目詰まり性(キャップあり)では、リチウムを含有していない比較例5〜8が全てDの評価であるのに対し、実施例1〜11ではDのものはなかった。尿素の添加により若干特性が低下するため、添加量6重量%以内が好ましいことがわかる(実施例11に対する実施例4)。2−ナフトエ酸に対しアルカリ金属イオン量が好ましい範囲である場合、さらに特性が向上する(実施例6、9に対する実施例11)。また、ナトリウム、カリウム、アンモニウムの合計に対するリチウムのモル数が好ましい範囲である場合、さらに特性が向上する(実施例7〜9に対する実施例11)。
部品耐インク性については、2−ナフトエ酸に対しアルカリ金属イオン量が好ましい範囲である場合、さらに特性が向上する(実施例5、10に対する実施例1〜4、7、8、11)。浮遊異物を濾集し、FT−IRで確認したところ、ステアリン酸アルカリ金属塩であった。実施例5、10はインクpHが高く、そのためポリプロピレンに含まれるステアリン酸系化合物が溶出したと考えられる。
Claims (15)
- 少なくとも水と着色剤とカルボキシル基を有する芳香族化合物を含んでなるインク組成物であって、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種と、リチウムイオンを含有することを特徴とするインク組成物。
- さらに尿素を含有することを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
- 前記尿素をインク組成物の1〜6重量%含有することを特徴とする請求項2に記載のインク組成物。
- 前記カルボキシル基を有する芳香族化合物に対する、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種とリチウムイオンの合計のモル比が1:5〜10:8であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 前記リチウムイオンと、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモル比が8:1〜1:1であることを特徴とする請求項4に記載のインク組成物。
- 前記カルボキシル基を有する芳香族化合物が、カルボキシル基を1つ有する芳香族化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 前記カルボキシル基を有する芳香族化合物が、ナフタレン骨格を持つ化合物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 前記ナフタレン骨格を持つ化合物が、2位にカルボキシル基を有する化合物である、請求項7に記載のインク組成物。
- 前記2位にカルボキシル基を有し、ナフタレン骨格を持つ化合物が、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−メトキシ−2−ナフトエ酸、6−メトキシ−2−ナフトエ酸、6−エトキシ−2−ナフトエ酸、6−プロポキシ−2−ナフトエ酸の少なくとも一種である、請求項8に記載のインク組成物。
- 前記カルボキシル基を有する芳香族化合物をインク組成物全量に対して0.1〜10重量%含んでなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 前記着色剤と、前記カルボキシル基を有する芳香族化合物の含有比率が、重量比で、1:0.2〜1:10の範囲である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のインク組成物。
- インクジェット記録方法において用いられる、請求項1〜11のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 前記インクジェット記録方法が、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法である、請求項12に記載のインク組成物。
- インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として請求項1〜13のいずれか一項に記載のインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 請求項1〜13のいずれか一項に記載のインク組成物を用いて記録された、又は請求項14に記載の記録方法により記録されたことを特徴とする記録物。
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