JP2005326781A - 光ファイバ心線及び光ファイバケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】 識別が容易であり、オーバーコート層のみを除去することが可能な光ファイバ心線と、この光ファイバ心線を備える光ファイバケーブルとを提供する。
【解決手段】 光ファイバ2と、光ファイバ2を被覆する第1の被覆層3と、第1の被覆層3を被覆する第2の被覆層4と、第2の被覆層4の外周面上に設けられた着色層7と、着色層7を被覆するオーバーコート層6とを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ心線と、これを有する光ファイバケーブルに関し、特に、識別性ならびにオーバーコート層の除去性に優れた光ファイバ心線及び光ファイバケーブルに関する。
光ファイバには必要に応じて強度等を確保するための数種類の被覆層が設けられ、このような構成を有するものは、光ファイバ心線と呼ばれる(例えば、特許文献1参照)。
また、上記の光ファイバ心線にさらに外皮部材を設けた光ファイバケーブルも多用されている。
図15(a)は、従来の光ファイバ心線の一例を示す斜視図であり、図15(b)は、その断面図である。
光ファイバ心線101は、コアとクラッドからなる光ファイバ102と、光ファイバ102を被覆する第1の被覆層103と、第1の被覆層103を被覆する第2の被覆層104と、第2の被覆層104を被覆するオーバーコート層106からなる。
なお、上記の光ファイバ102、第1の被覆層103及び第2の被覆層104は、光ファイバ素線105と呼ばれる。
また、本例の光ファイバ素線の直径は250μmであり、光ファイバ心線101の直径は500μmである。
また、光ファイバ心線101を備えたドロップケーブル等(光ファイバケーブル)も存在する。
特開2003−241003号公報
しかしながら、上記のような光ファイバ心線及び光ファイバケーブルには以下に示すような解決すべき課題が存在する。
まず、上記の光ファイバ心線を複数本備える光ファイバケーブルにおいては、接続等の各種工事を行う際に個々の光ファイバ心線を識別することに困難が伴う。
この識別性の問題は、オーバーコート層に着色された紫外線硬化型樹脂を用いることにより解決することができるが、着色された紫外線硬化型樹脂は高価であるため、容積が大であるオーバーコート層に用いることは光ファイバ心線自体のコストの上昇を招いてしまう。
また、図16(a)に示すように、各種工事を行うにあたっては、オーバーコート層106を除去し、直径250μmの光ファイバ素線105を露出させる必要があるが、図16(b)に示すように、オーバーコート層106だけでなく、第1の被覆層103及び第2の被覆層104も除去され、光ファイバ102が露出してしまう場合がある。
また、一般的なストリッパを用いて通常の接続作業に必要な30mm程度を直径250μmの光ファイバ素線105にすることには困難が伴う。
このような事情に鑑み本発明は、識別が容易であり、確実にオーバーコート層のみを除去することが可能な光ファイバ心線と、この光ファイバ心線を備える光ファイバケーブルとを提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明は、光ファイバと、光ファイバを被覆する第1の被覆層と、第1の被覆層を被覆する第2の被覆層と、第2の被覆層の外周面上に設けられた着色層である被覆着色層と、被覆着色層を被覆するオーバーコート層とを有し、被覆着色層には、シリコンが添加されていることを要旨とする。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明において、第2の被覆層、被覆着色層及びオーバーコート層のうちの少なくともいずれかは、識別用の模様を有することを要旨とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の発明において、被覆着色層には、0.5重量パーセント以上6.0重量パーセント以下のシリコンが添加されていることを要旨とする。
請求項4に記載の本発明は、光ファイバと、光ファイバを被覆する第1の被覆層と、第1の被覆層を被覆する第2の被覆層と、第2の被覆層を被覆するオーバーコート層とを有し、第2の被覆層は、識別用の模様を有し、光ファイバと第1の被覆層との密着力が第2の被覆層とオーバーコート層との密着力より大であり、且つ第1の被覆層と第2の被覆層との密着力が第2の被覆層とオーバーコート層との密着力より大であることを要旨とする。
請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載の発明において、第2の被覆層の外周面とオーバーコート層の内周面との間に設けられ、第2の被覆層とオーバーコート層とが密着することを防止する第3の被覆層を有することを要旨とする。
請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載の発明において、第3の被覆層は、識別用の模様を有することを要旨とする。
請求項7に記載の本発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発明において、第1の被覆層は、光ファイバとの密着力が大である樹脂からなることを要旨とする。
請求項8に記載の本発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発明において、オーバーコート層の外周面上に設けられたオーバーコート着色層を有することを要旨とする。
請求項9に記載の本発明は、請求項8に記載の発明において、オーバーコート着色層は、識別用の模様を有することを要旨とする。
請求項10に記載の本発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発明において、オーバーコート層は、第2の被覆層側に位置する第1のオーバーコート層と、第1のオーバーコート層を被覆する第2のオーバーコート層とからなり、第1のオーバーコート層と第2のオーバーコート層のうちの一方が着色されていることを要旨とする。
請求項11に記載の本発明は、請求項1乃至10に記載の光ファイバ心線と、この光ファイバ心線を被覆する外皮部材とを有することを要旨とする。
本発明によれば、識別が容易であり、確実にオーバーコート層のみを除去することが可能な光ファイバ心線と、この光ファイバ心線を備える光ファイバケーブルとを提供できる。
以下、本発明の光ファイバ心線及び光ファイバケーブルについての説明を行う。
なお、以下の実施例は、あくまでも本発明の説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であれば、これらの各要素又は全要素を含んだ各種の実施例を採用することが可能であるが、これらの実施例も本発明の範囲に含まれる。
また、実施例を説明するための全図において、同一の要素には同一の符号を付し、これに関する反復説明は省略する。
図1(a)は、本発明の第1の実施例(実施例1)に係る光ファイバ心線1aの斜視図であり、図1(b)は、光ファイバ心線1aの断面図である。
光ファイバ心線1aは、その直径が500μmであり、ガラス製のコアとクラッドからなる光ファイバ2と、光ファイバ2を被覆する第1の被覆層3と、第1の被覆層3を被覆する第2の被覆層4からなる光ファイバ素線5と、第2の被覆層4の外周面上に設けられた着色層(被覆着色層)7と、着色層7を被覆するオーバーコート層6とから構成される。
上記の第1の被覆層3及び第2の被覆層4は、紫外線硬化型樹脂製であり、光ファイバ素線5の直径は、250μmである。
また、着色層7には、シリコンが添加されており、この着色層7は、ダイスニップル等を用いることにより形成される。
また、オーバーコート層6は、半透明の紫外線硬化型樹脂製であり、このため、着色層7を視認することができ、光ファイバ素線5のみならず光ファイバ心線1aも容易に識別することができる。
なお、着色層の色としては、青、橙、緑、茶、灰、白、赤、黒、黄、紫、水色等が挙げられ、いずれも識別が容易である。
また、光ファイバ心線1aを4本並列配置してテープ化した場合、その色の組み合わせの例としては、「青白茶灰」、「黄白茶灰」、「緑白茶灰」、「赤白茶灰」、「紫白茶灰」等が挙げられ、いずれも識別が容易である。
また、上記のとおり着色層7にシリコンを添加した場合、シリコンの添加量が少ないとオーバーコート層6を除去しにくくなり、シリコンの添加量が多いとオーバーコート層6と着色層7が剥離してしまい伝送性能に悪影響を及ぼしてしまう。
また、着色層7が薄いと機械的強度が不足し、オーバーコート層6の除去時に着色層7が剥離してしまう。一方、着色層7を形成するシリコンが添加された着色剤は高価であるため、着色層7が厚いと価格の上昇を招いてしまう。
したがって、シリコンの含有量を決定するにあたって、シリコンの添加量が0wt%(重量パーセント)、0.3wt%、0.5wt%、6.0wt%、6.5wt%である着色層を有する5種類の光ファイバ心線を試作し、オーバーコート層のみを除去することの可否及び伝送損失温度特性の2項目について試験を行った。
まず、試作した光ファイバ心線のオーバーコート層を30mm除去できるかについて試験をそれぞれ10回行い、その成功率を調査した。
また、試作した光ファイバ心線に対して−30℃から+70℃、3サイクルのヒートサイクル試験を行った。この試験におけるサンプル長は1000m、測定は波長1.55μmのOTDR(Optical Time domain Reflectmeter)を用いた。
上記の試験結果は以下のとおりである。
上記の表に示すとおり、シリコンの添加量が0.5wt%に満たない場合、オーバーコート層除去時に光ファイバ素線が切断されることがあるが、0.5wt%であれば、オーバーコート層の除去が確実に行える。
また、シリコンの添加量が6.0wt%を超えると伝送損失が著しく増大する。これは、光ファイバ心線を光ファイバケーブルに適用した際の損失変動量の許容値である0.15dB/km以下であるという点からも好ましくない。
以上の点から、着色層7のシリコン添加量は0.5wt%以上6.0wt%以下であることが望ましい。
また、着色層の厚さを決定するにあたっては、サンプルとして、直径が0.5mm、着色層の厚さがそれぞれ2μm、3μm、10μmの光ファイバ心線を試作した。
次に、試作した光ファイバ心線それぞれのオーバーコート層を30mm除去し、着色層の表面を顕微鏡で観察したところ、着色層の厚さが2μmのものは、着色層に剥離が生じていたが、着色層の厚さが3μmのものと、10μmのものには剥離が生じていなかった。
したがって、着色層7の厚さは3μm以上10μm以下とすることが望ましい。
図2(a)は、本発明の第2の実施例(実施例2)に係る光ファイバ心線1bの斜視図である。
光ファイバ心線1bは、上記の光ファイバ心線1aに識別用のパターン(模様)8を設けたものである。
この識別用パターン8は、図2(b)に示すように、着色層7上に設けられ、その後にオーバーコート層6が設けられる。
また、本実施例における識別用パターン8は、インクジェットプリンタによりインクを吹き付けることにより形成されたものであり、その色、形状、配置等は任意に定めることができる。
上記のような識別用パターン8を設けることにより光ファイバ心線1b及び光ファイバ素線5の識別がさらに容易となる。
図3(a)は、本発明の第3の実施例(実施例3)に係る光ファイバ心線1cの斜視図である。
光ファイバ心線1cは、上記の光ファイバ心線1bに変更を加えたものであり、図3(b)に示すように、識別用パターン8が第2の被覆層4上に設けられ、その後に着色層7及びオーバーコート層6が設けられる。
なお、着色層7は、識別用パターン8を視認できる程度の透明性を有している。
このように識別用パターン8を第2の被覆層4と着色層7との間に設けることにより、オーバーコート層6の除去後に識別用パターン8が消えてしまうことを防止できる。
また、光ファイバ心線1bにおいては、識別用パターン8が2個隣接して配置され、これらが所定の間隔をおいて複数組配置されている場合を示したが、本実施例のように識別用パターンを4個隣接して配置し、これらを所定の間隔をおいて複数組配置する構成とすることもできる。
したがって、光ファイバ心線ごとに識別用パターン8の配置を変えておくことで識別をさらに容易に行うことができる。
図4(a)は、本発明の第4の実施例(実施例4)に係る光ファイバ心線1dの斜視図であり、図4(b)は、光ファイバ心線1dの断面図である。
光ファイバ心線1dは、上記の光ファイバ心線1aに変更を加えたものであり、オーバーコート層6の外周面上に着色層(オーバーコート着色層)9をさらに設けたものである。
このように着色層9をさらに設けることにより、識別がさらに容易となる。
なお、着色層9は、上記の光ファイバ心線1b及び1cに設けることもできる。
図5は、本発明の第5の実施例(実施例5)に係る光ファイバ心線1eの斜視図である。
上記の実施例においては、識別用パターン8を着色層7とオーバーコート層6との間に設けた場合と、第2の被覆層4と着色層7との間に設ける場合とを示したが、本実施例の光ファイバ心線1eのように識別用パターン8を着色層9の外周面上に設けることもでき、これにより、識別がさらに容易となる。
なお、さらに識別用パターン8を着色層7とオーバーコート層6との間もしくは第2の被覆層4と着色層7との間に設けることもできる。
図6(a)は、本発明の第6の実施例(実施例6)に係る光ファイバ心線1fの斜視図である。
上記の光ファイバ心線1eにおいては、識別用パターン8が着色層9の外周面上に設けられている場合を示したが、図6(b)に示すように、オーバーコート層6の外周面上に識別用パターン8を設け、その後に着色層9を設けてもよい。
なお、着色層9は、透明性を有しているため、識別用パターン8を視認できる。
このように識別用パターン8をオーバーコート層6と着色層9との間に設けることにより、何らかの理由により識別用パターン8が消えてしまうことを防止できるとともに識別をさらに容易に行うことができる。
なお、さらに識別用パターン8を着色層7とオーバーコート層6との間もしくは第2の被覆層4と着色層7との間に設けることもできる。
図7(a)は、本発明の第7の実施例(実施例7)に係る光ファイバ心線1gの斜視図であり、図7(b)は、光ファイバ心線1gの断面図である。
上記の光ファイバ心線1d、1e及び1fにおいては、オーバーコート層6の外周面上に着色層9を設けることにより識別の容易性を向上させていたが、光ファイバ心線1gにおいては、オーバーコート層を第1のオーバーコート層6aと第2のオーバーコート層6bからなる2層構造とし、第2のオーバーコート層6bに着色された紫外線硬化型樹脂を用いることにより識別の容易性を向上させている。
なお、上記の識別用パターン8をさらに有する構成とすることもできる。
図8(a)は、本発明の第8の実施例(実施例8)に係る光ファイバ心線1hの斜視図であり、図8(b)は、光ファイバ心線1hの断面図である。
上記の光ファイバ心線1gは、第2のオーバーコート層6bが着色されている場合を示したが、光ファイバ心線1hのように、第1のオーバーコート層6aに着色された紫外線硬化型樹脂を用いた構成とすることもできる。
上記の光ファイバ心線1g及び本実施例の光ファイバ心線1hのようにオーバーコート層6aを2層構造にし、どちらか一方の層にのみ着色された樹脂を用い、その着色剤の使用量を低減することができる。
なお、第2のオーバーコート層6bは、透明性を有しているため、第1のオーバーコート層6aを視認できる。
着色された樹脂の価格は、一般的な紫外線硬化型樹脂の価格の2倍程度であり、高価であるといえる。したがって、オーバーコート層6を作製するにあたって、着色された紫外線硬化型樹脂と一般的な紫外線硬化型樹脂を1:1で用いると、このオーバーコート層6の価格をその全ての部分に着色された紫外線硬化型樹脂を用いる場合より25%程度減少させることができる。
また、上記の識別用パターン8をさらに有する構成とすることもできる。
図9(a)は、本発明の第9の実施例(実施例9)に係る光ファイバ心線1iの斜視図である。
上記の光ファイバ心線1aから1hにおいては、着色層7を設けることにより、第1の被覆層3及び第2の被覆層4が除去されてしまうことを防止可能であるが、光ファイバ心線1iは、着色層7に代えて、第2の被覆層4の外周面とオーバーコート層6の内周面との間に、第2の被覆層4とオーバーコート層6とが密着することを防止するための薄膜である第3の被覆層10を有し、識別用パターン8をさらに有する。
識別用パターン8は、図9(b)に示すように、第3の被覆層10の外周面上に設けられ、その後にオーバーコート層6が設けられる。
以上の点から、オーバーコート層6のみを確実に除去できるとともに、識別の容易性も確保できる。
図10(a)は、本発明の第10の実施例(実施例10)に係る光ファイバ心線1jの斜視図である。
上記の光ファイバ心線1iにおいては、識別用パターン8が第3の被覆層10の外周面上に設けられていたが、光ファイバ心線1jでは、識別用パターン8が第2の被覆層4の外周面上に設けられ、その後に第3の被覆層10及びオーバーコート層6が設けられる。
このように識別用パターン8を第2の被覆層4と第3の被覆層10との間に設けることにより、オーバーコート層6の除去後に識別用パターン8が消えてしまうことを防止できる。
図11(a)は、本発明の第11の実施例(実施例11)に係る光ファイバ心線1kの斜視図であり、図11(b)は、光ファイバ心線1kの断面図である。
光ファイバ心線1kは、上記の光ファイバ心線1i及び1jに変更を加えたものであり、オーバーコート層6の外周面上に着色層(オーバーコート着色層)9をさらに設けたものである。
このように着色層9をさらに設けることにより、識別がさらに容易となる。
また、着色層9の外周面上もしくはオーバーコート層6と着色層9との間にさらに識別用パターン8を設けることもできる。
上記の光ファイバ心線1aから1k(以下、これらを適宜“光ファイバ心線1”と総称する)においては、オーバーコート層のみを確実に除去するために、光ファイバ2と第1の被覆層3との密着力(素線−光ファイバ密着力)が第2の被覆層4とオーバーコート層6との密着力(心線−素線密着力)より大きく、且つ第1の被覆層3と第2の被覆層4との密着力が第2の被覆層4とオーバーコート層との密着力6より大きくなっている。
光ファイバ心線1aから1hにおいては、着色層9を設けることにより上記の点を実現しており、光ファイバ心線1iから1kにおいては、第3の被覆層10を設けることにより上記の点を実現している。
なお、上記の素線−光ファイバ密着力は、光ファイバ素線5から光ファイバ2を引き抜く際に必要な力、つまり素線−光ファイバ引抜力から求めることができ、心線−素線密着力は、素線5から光ファイバ2を引き抜く際に必要な力、つまり心線−素線引抜力から求めることができる。
素線−光ファイバ引抜力を測定するにあたっては、図12(a)に示すように、光ファイバ素線5を固定治具11に接着剤12を用いて固定し、治具を固定した後に、図12(b)に示すように、光ファイバ素線5を引張り、引張強度の最大値を求める。
なお、素線−光ファイバ引抜力の値は、引張強度の最大値/5(引抜長)[N/mm]である。
また、心線−素線引抜力を測定するにあたっては、図13(a)に示すように、ノーニック13に光ファイバ心線1を30mm入れ、刃を固定し、図13(b)に示すように、光ファイバ心線1を引張り、引張り強度の最大値を求める。
なお、心線−素線引抜力の値は、引張強度最大値/30(引抜長)[N/mm]である。
また、サンプルとして、第1の被覆層に光ファイバとの密着力が大(引抜力1.56N/mm)である樹脂(高密着型樹脂)と、光ファイバとの密着力が小(引抜力0.52N/mm)である樹脂(低密着型樹脂)とを用いた光ファイバ心線を試作し、心線−素線引抜力を測定した。
その結果は、以下の表に示すとおりであり、低密着型樹脂を用いた光ファイバ心線は、光ファイバ素線にノーニックの刃が入っていないにも関わらず、第1の被覆層及び第2の被覆層が除去され、光ファイバが露出してしまった。
また、高密着型樹脂を用いた光ファイバ心線は、オーバーコート層のみが除去され光ファイバ素線が露出された。
したがって、本発明の光ファイバ心線1の第1の被覆層3に高密着型樹脂を用いることにより確実にオーバーコート層6のみを除去することができる。
上記の光ファイバ心線1aから1kは、光ファイバケーブルに適用可能である。以下にその一例を示す。
図14は、本発明の第12の実施例に係る光ファイバケーブル(スロットケーブル)14の斜視図である。
光ファイバケーブル14は、断面中心部に配置されたテンションメンバ15と、このテンションメンバを包周し、側面に設けられ、複数本の光ファイバ心線1を収容する5個のスロット17を備えるスロットロッド16と、スロットロッド16の側面にその長手方向に沿って設けられたトレース18と、スロットロッド16を被覆するケーブルシース19
とからなる。
なお、トレース18は、ケーブルシース19を除去し、光ファイバ心線1を取り出す際の目印となるものである。
なお、本実施例においては、光ファイバケーブル14がスロットケーブルである場合を示したがこれに限定されず、光ファイバ心線1は、ドロップケーブル等のあらゆるケーブルに適用可能である。
(a)本発明の第1の実施例に係る光ファイバ心線の斜視図である。(b)図1(a)に示した光ファイバ心線の断面図である。 (a)本発明の第2の実施例に係る光ファイバ心線の斜視図である。(b)図2(a)の識別用パターンの配置を説明するための図である。 (a)本発明の第3の実施例に係る光ファイバ心線の斜視図である。(b)図3(a)の識別用パターンの配置を説明するための図である。 (a)本発明の第4の実施例に係る光ファイバ心線の斜視図である。(b)図4(a)に示した光ファイバ心線の断面図である。 (a)本発明の第5の実施例に係る光ファイバ心線の斜視図である。(b)図5(a)の識別用パターンの配置を説明するための図である。 (a)本発明の第6の実施例に係る光ファイバ心線の斜視図である。(b)図6(a)の識別用パターンの配置を説明するための図である。 (a)本発明の第7の実施例に係る光ファイバ心線の斜視図である。(b)図7(a)に示した光ファイバ心線の断面図である。 (a)本発明の第8の実施例に係る光ファイバ心線の斜視図である。(b)図8(a)に示した光ファイバ心線の断面図である。 (a)本発明の第9の実施例に係る光ファイバ心線の斜視図である。(b)図9(a)の識別用パターンの配置を説明するための図である。 (a)本発明の第10の実施例に係る光ファイバ心線の斜視図である。(b)図10(a)の識別用パターンの配置を説明するための図である。 (a)本発明の第11の実施例に係る光ファイバ心線の斜視図である。(b)図11(a)に示した光ファイバ心線の断面図である。 (a)素線−光ファイバ引抜力の測定方法を説明するための図である。(b)被覆層から光ファイバが引き抜かれた状態を示す図である。 (a)心線−素線引抜力の測定方法を説明するための図である。(b)オーバ−コート層から光ファイバ素線が引き抜かれた状態を示す図である。 本発明の第12の実施例に係る光ファイバケーブルの斜視図である。 (a)従来の光ファイバ心線の斜視図である。(b)図15(a)に示した光ファイバ心線の断面図である。 (a)光ファイバ素線が露出した状態を示す図である。(b)光ファイバが露出した状態を示す斜視図である。
符号の説明
1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h、1i、1j、1k 光ファイバ心線
2 光ファイバ
3 第1の被覆層
4 第2の被覆層
5 光ファイバ素線
6 オーバーコート層
6a 第1のオーバーコート層
6b 第2のオーバーコート層
7、9 着色層
8 識別用パターン
10 第3の被覆層
11 固定治具
12 接着剤
13 ノーニック
14 光ファイバケーブル
15 テンションメンバ
16 スロットロッド
17 スロット
18 トレース
19 ケーブルシース
101 従来例における光ファイバ心線
102 従来例における光ファイバ
103 従来例における第1の被覆層
104 従来例における第2の被覆層
105 従来例における光ファイバ素線
106 従来例におけるオーバーコート層

Claims (11)

  1. 光ファイバと、
    前記光ファイバを被覆する第1の被覆層と、
    前記第1の被覆層を被覆する第2の被覆層と、
    前記第2の被覆層の外周面上に設けられた着色層である被覆着色層と、
    前記被覆着色層を被覆するオーバーコート層と
    を有し、
    前記被覆着色層には、シリコンが添加されている
    ことを特徴とする光ファイバ心線。
  2. 前記第2の被覆層、前記被覆着色層及び前記オーバーコート層のうちの少なくともいずれかは、識別用の模様を有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ心線。
  3. 前記被覆着色層には、0.5重量パーセント以上6.0重量パーセント以下のシリコンが添加されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバ心線。
  4. 光ファイバと、
    前記光ファイバを被覆する第1の被覆層と、
    前記第1の被覆層を被覆する第2の被覆層と、
    前記第2の被覆層を被覆するオーバーコート層と
    を有し、
    前記第2の被覆層は、識別用の模様を有し、
    前記光ファイバと前記第1の被覆層との密着力が前記第2の被覆層と前記オーバーコート層との密着力より大であり、且つ前記第1の被覆層と前記第2の被覆層との密着力が前記第2の被覆層と前記オーバーコート層との密着力より大である
    ことを特徴とする光ファイバ心線。
  5. 前記第2の被覆層の外周面と前記オーバーコート層の内周面との間に設けられ、該第2の被覆層と該オーバーコート層とが密着することを防止する第3の被覆層を有することを特徴とする請求項4に記載の光ファイバ心線。
  6. 前記第3の被覆層は、識別用の模様を有することを特徴とする請求項5に記載の光ファイバ心線。
  7. 前記第1の被覆層は、前記光ファイバとの密着力が大である樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光ファイバ心線。
  8. 前記オーバーコート層の外周面上に設けられた着色層であるオーバーコート着色層を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光ファイバ心線。
  9. 前記オーバーコート着色層は、識別用の模様を有することを特徴とする請求項8に記載の光ファイバ心線。
  10. 前記オーバーコート層は、前記第2の被覆層側に位置する第1のオーバーコート層と、前記第1のオーバーコート層を被覆する第2のオーバーコート層とからなり、
    前記第1のオーバーコート層と前記第2のオーバーコート層のうちの一方が着色されている
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光ファイバ心線。
  11. 請求項1乃至10に記載の光ファイバ心線と、
    前記光ファイバ心線を被覆する外皮部材と
    を有することを特徴とする光ファイバケーブル。

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