JP2004077536A - 識別型光ファイバ心線並びにそれを用いた光ファイバケーブル - Google Patents

識別型光ファイバ心線並びにそれを用いた光ファイバケーブル Download PDF

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Abstract

【課題】光ファイバ心線により多くの識別機能を有する識別層を設けること、またその識別層が簡単に消滅したり剥離すること等がなく、さらに前記識別層が光ファイバ心線の伝送損失を劣化させないこと、またこの光ファイバ心線を用いて光ファイバケーブルとした場合に、前記ケーブル端末での前記光ファイバ心線の識別性を向上させることができることを、目的とするものである。
【解決手段】光ファイバ素線上にインク層からなる識別層、ついで着色層が順次設けられた光ファイバ心線であって、前記識別層は、厚さが0.5μm以上でかつ前記着色層の最大厚さの1/4以下のインク層として、前記光ファイバ心線の長手方向に間欠的に設けられ、さらにその上には厚さ10μm以下の着色層が形成された識別型光ファイバ心線とすることによって、解決される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ心線の識別が可能なインク層からなる識別層を有する光ファイバ心線並びにそれを用いた光ファイバケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信分野では伝送容量の増大に伴って、光ファイバケーブルの多芯化が急速に進んでいる。そのことに伴い前記光ファイバケーブルを構成する光ファイバ心線は、より多くの識別機能が要求されている。従来の光ファイバ心線では、光ファイバ素線上に着色層を設けることで対応してきた。すなわち、光ファイバ上に施されるポリアミド樹脂等の樹脂被覆そのものを着色型のものとするか、或いは光ファイバ素線に紫外線硬化型のインクや熱硬化型のインク等によって着色層を形成させたものである。しかしながらこの種インク等による着色には色数の限度があり、大幅な心線数の増加に対して対応しきれなくなってきている。このため、前記着色層上にさらにインク等を間欠的に吹き付けて、識別層を形成して識別力を付与することが考えられているが、着色層上にインク等による着色層を設ける場合は、この部分に何かが触れたり薬品等に触れると、前記インクによる着色層が剥がれたりして識別機能がなくなると言う問題がある。そこで、このような問題がない識別機能を有する光ファイバ心線として、前記インク層による識別層を前記着色層の内側に形成することが考えられている。しかしながら、このような構成の光ファイバ心線においても、種々の問題点が指摘されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
よって本発明が解決しようとする課題は、光ファイバ心線により多くの識別機能を有する識別層を設けること、またその識別層が簡単に消滅したり剥離すること等がなく、さらに前記識別層が光ファイバ心線の伝送損失を劣化させないこと、またこの光ファイバ心線を用いて光ファイバケーブルとした場合に、前記ケーブル端末での前記光ファイバ心線の識別性を向上させることができることを、目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記解決しようとする課題は、請求項1に記載されるように、光ファイバ素線上にインク層からなる識別層、ついで着色層が順次設けられた光ファイバ心線であって、前記識別層は、厚さが0.5μm以上でかつ前記着色層の最大厚さの1/4以下のインク層として、前記光ファイバ心線の長手方向に間欠的に設けられ、さらにその上には厚さ10μm以下の着色層が形成された識別型光ファイバ心線とすることによって、解決される。
【0005】
また請求項2に記載されるように、長手方向に間欠的に設けられたインク層からなる識別層と、その上に設けた着色層からなる光ファイバ心線であって、前記インク層からなる識別層の間隔が最小間隔1mm以上、最大間隔200mm以下である識別型光ファイバ心線とすることによって、解決される。
【0006】
さらに請求項3に記載されるように、光ファイバ素線上にインク層からなる識別層、着色層が順次設けられた光ファイバ心線であって、前記識別層は、厚さが0.5μm以上でかつ前記着色層の最大厚さの1/4以下であり、かつその間隔が最小間隔1mm以上、最大間隔200mm以下であるインク層からなり、さらにその上には厚さ10μm以下の着色層が形成された識別型光ファイバ心線とすることによって、解決される。
【0007】
さらにまた請求項4に記載されるように、前記識別型光ファイバ心線の多数本からなる光ファイバケーブルとすることによって、解決される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。まず請求項1に記載されるように、光ファイバ素線上にインク層からなる識別層、ついで着色層が順次設けられた光ファイバ心線であって、前記識別層は、厚さが0.5μm以上でかつ前記着色層の最大厚さの1/4以下のインク層として、前記光ファイバ心線の長手方向に間欠的に設けられ、さらにその上には厚さ10μm以下の着色層が形成された識別型光ファイバ心線としたので、光ファイバ心線により多くの識別機能を有する識別層を設けることができ、またその識別層が簡単に消滅したり剥離すること等がなく、さらに前記識別層が光ファイバ心線の伝送損失を劣化させないようにすることができる。
【0009】
図1の概略断面図によって説明すると、本発明の識別型光ファイバ心線1は、光ファイバ素線2上にインク層からなる識別層3が施され、その上に着色層4が設けられて構成されたものである。なお前記光ファイバ素線2は、通常、光ファイバ上にポリアミド樹脂等の紫外線硬化型の樹脂被覆を有するものである。そして前記識別層3は、前述の課題を解決するためにその厚さを0.5μm以上でかつ前記着色層の最大厚さの1/4以下のインク層として、形成するものである。このような識別層3とするのは、その厚さが0.5μm未満であると形成したインク層は不鮮明なものとなり、また光ファイバ心線の長手方向に間欠的に設けた場合に着色が判別し難くなり、識別力が悪くなるためである。またその厚さを着色層4の最大厚さの1/4以下とするのは、前記識別層3が厚くなり過ぎこの上に施された着色層4に凸部が見られるようになり、このような光ファイバ心線に曲げ等の外力が加わると、インク層からなる識別層3と着色層4、識別層3と光ファイバ素線2との間に剥がれが生じたり、光ファイバ素線2に不均一な力が働いて、伝送損失が増加する等の不都合が生じるためである。
【0010】
このようなインク層からなる識別層3は、種々の方法によって設けることが可能であるが、使用するインクは光ファイバ素線2と密着性が良く柔軟性を有し、また速乾性や硬化速度の速いものが好ましい。例えば、揮発性の高い有機溶剤中に顔料や染料等を分散させたインクで紫外線硬化型インク、電子線硬化型インク、熱硬化型インク等として使用できるが、有機溶剤型のインクが好ましく用いられる。このようなインクは、例えばインクジェットプリンタヘッドから連続して光ファイバ素線上に適当な間隔を設けて噴射し、マーキングを形成することによってインク層による識別層3を構成させるものである。また、そのインク層の厚さの調整は、前記インクジェットプリンタと光ファイバ素線の位置を調整すること、または、インクジェットプリンタの設定によって行うことができる。そして、この識別層3上には着色層4が、10μm以下の厚さで被覆される。この着色層4は、従来使用されている着色層と同様のもので良いが、前記インク層からなる識別層3が良く見えるように透明、半透明なものとする。通常紫外線硬化型樹脂からなる着色層として、形成される。このように、前記識別層3と着色層4との組合せによって識別力を向上させることができるので、光ファイバ心線の数が多くなっても種々の識別層として、識別機能を持たせることができるようになる。
【0011】
つぎに、請求項2に記載される識別型光ファイバ心線について述べると、長手方向に間欠的に設けられたインク層からなる識別層と、その上に設けた着色層からなる光ファイバ心線であって、前記インク層からなる識別層の間隔が最小間隔1mm以上、最大間隔200mm以下である識別型光ファイバ心線とすることによって、前記識別層の長さを前記間隔の範囲で自由に選択することが可能となり、識別力を向上させることができる。すなわち識別層どうしの間隔が、前記1〜200mmの間隔の範囲内で自由に選択することにより、どのような長さの識別層であっても、識別層の判別を見誤るようなことがなくなり、光ファイバ心線により多くの識別機能を有する識別層を設けることができる。なお、前記間隔が1mm未満であると識別層は互いに接近し過ぎ、くっ付いてしまうこともあるので、1mm以上とすべきである。また、識別層間の最大間隔を200mm以下としたのは、光ファイバケーブルの端末処理時に、例えば300mm以上も光ファイバ心線を調査しないと識別ができないのでは、識別性能としては劣るものと思われるので、前記識別層の周期を300mm以下と考えた場合には、200mmの間隔は必要なものとして特定したものである。このような間隔とすることによって、前記識別層は、短い識別層から長めの識別層まで、種々組み合わせて形成することが可能となる。さらに、前記識別層は簡単に消滅したり剥離すること等がなく、さらに前記識別層が光ファイバ心線の伝送損失を劣化させないようにすることもできるものとなる。
【0012】
図2を用いて説明すると、図2(a)は、識別層31の長さが比較的短いものを用いその間隔を種々変えて形成する場合、図2(b)は識別層32の長さが比較的長いものを用いる場合である。ただし、前記識別層31、32はその間隔を適正に選択しないと、せっかく設けた識別層の識別力がなくなることがあるので、前記インク層からなる識別層31、32の間隔は、比較的短い識別層31による場合と比較的長い識別層32による場合とで間隔を変えて組合わせることによって、識別型光ファイバ心線とすることが必要である。すなわち、図2(a)のように識別層31が比較的短いインク層、例えば1〜5mm程度によって形成されている場合は、その間隔を最小間隔(L)では1mm迄、また最大間隔(L)としては200mm迄となるような範囲で、組合わせて形成するものである。また、図2(b)のように識別層32が比較的長いインク層、例えば3〜10mm程度の場合には、1〜200mmの間隔範囲でその間隔を選定するものである。このように識別層の最小間隔を1mm以上とすることにより、隣合う識別層の識別が可能となる。具体的には、隣合うインク層による識別層が長い1つのマーキングなのか、短いマーキングが2つなのかの識別ができるようになる。また、最大間隔を200mm以下とすることにより、このような識別型光ファイバ心線を多数本用いた光ファイバケーブルの端末処理を行う場合に、前記識別型光ファイバ心線の識別作業に支障が生じないようにすることができることになる。
【0013】
さらに、請求項3に記載する識別型光ファイバ心線について説明すると、このような構成の識別型光ファイバ心線は、最も好ましいものである。すなわち、光ファイバ素線上にインク層からなる識別層、着色層が順次設けられた光ファイバ心線であって、前記識別層は、厚さが0.5μm以上でかつ前記着色層の最大厚さの1/4以下であり、かつその間隔が最小間隔1mm以上、最大間隔200mm以下であるインク層からなり、さらにその上には厚さ10μm以下の着色層が形成された識別型光ファイバ心線とすることによって、光ファイバ心線により多くの識別機能を確実に付与でき、またその識別機能が簡単に消滅したり剥離する等がなくなり、さらに前記識別機能が光ファイバ心線の伝送損失を劣化させないようにすることができる。
【0014】
すなわち、インク層からなる識別層を、厚さが0.5μm以上かつ前記着色層の最大厚さの1/4以下とすることによって、形成したインク層からなる識別層は鮮明なものとなり、光ファイバ心線の長手方向に間欠的に設けた場合に識別層が判別し易くなり、またインク層からなる識別層が厚くなりすぎてこの上に施される着色層に、凸部が見られるようなこともなくなる。さらに前記光ファイバ心線に曲げ等の外力が加わっても、識別層3と着色層4、識別層3と光ファイバ素線2との間に剥がれが生じることもなく、光ファイバ素線2に不均一な力が働いて伝送損失が増加する等の不都合もない。加えて光ファイバ心線の長手方向に間欠的に設けられたインク層からなる識別層の間隔が、最小間隔1mm以上、最大間隔200mm以下である識別型光ファイバ心線としたので、隣合う識別層の識別が可能となり、またこのような識別型光ファイバ心線を用いた光ファイバケーブルは、端末処理を行う場合に前記心線の識別作業に支障が生じないようにすることができる等の効果が得られる。また、このような構成の識別型光ファイバ心線を用いることによって、光ファイバケーブルとした場合に識別性が向上し、その後の作業性を効率よく行うことができる。
【0015】
このように、前記識別型光ファイバ心線の多数本からなる光ファイバケーブルとすることによって、光ファイバケーブルの接続作業等において誤った接続等をなくすことができるようになり、接続作業等の効率を向上させることができる。前述の識別型光ファイバ心線を用いた光ファイバケーブルについて簡単に説明すると、集合された多数本の識別型光ファイバ心線を、フォーミングパイプ内に収納し、ついで前記フォーミングパイプにはテンションメンバーやリップコード等が設けられたプラスチックの被覆が施されて製造されるもので、その心線数が4〜64本等にもなるものである。しかしながら、前述の識別型の光ファイバ心線を用いることによって、前記光ファイバケーブルは口出し作業等において、確実に目的とする心線を選別できるので誤った接続等がなくなり、またこのことにより作業性の大幅な改善も期待できることになる。なお、本発明の識別型光ファイバ心線は、前記光ファイバケーブルのみだけではなく、光ファイバユニットと称される光ファイバ心線を多数本集合した、集合体上に1層または多層の被覆層を設けたような構造のものにも使用することができ、前記光ファイバケーブルと同様の効果を得ることができる。
【0016】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明の効果を述べる。
【0017】
実施例1:外径250μmのシングルモードファイバ素線上に、インクジェットプリンタヘッドを用いて、有機溶剤型インクによる2mm長の識別層を、50mm間隔に形成した。前記2mm長の識別層は、前記インクを4粒噴射した程度のものである。そしてこの上に紫外線硬化型樹脂の着色層を、それぞれ5μm、10μm、11μm厚さに形成した。このようにして得た識別型光ファイバ心線を用いて、内径3mm、外径5mmのルースチューブを製造した。このルースチューブを試料として用い、識別性並びに伝送損失の変動(dB/km)を測定した。なお識別性は前記ルースチューブを解体し、光ファイバ心線を取出した後に、目視により判別した。また伝送損失変動は、着色層を形成する前の光ファイバ心線の伝送損失からルースチューブにした後の伝送損失の増加量で示した。試料長は、1000m、測定値は、波長1.55μmのOTDR(光パルス試験器)を用いて行ったものである。結果を、表1に示す。
【0018】
【表1】
Figure 2004077536
【0019】
表1から明らかな如く、十分な識別力を有する光ファイバ心線とするためには、インク層による識別層の厚さを特定する必要があることが判る。すなわち、実験例2、3、5、6に示されるように、着色層の厚さを10μm以下、好ましくは5〜10μmとし、インク層による識別層の厚さを0.5μm以上、最大着色層厚さの1/4程度、具体的には2.5μm程度までとすべきであることが判る。この範囲から外れる例えば、実験例7のように着色層の厚さが11μmとなると、識別力に問題が生じ、また実験例1のように、インク層による識別層の厚さが0.4μmとなると、着色層の厚さが5μmであっても、識別力に問題が生じることになる。さらに、実験例4で示されるインク層による識別層の厚さが2.6μmのように、着色層の最大厚さの1/4を越える厚さとなると、伝送損失変動が大きくなり光ファイバケーブルとして、問題となる。よって、着色層厚さを10μm以下とし、インク層による識別層の厚さを0.5μm以上で、最大着色層厚さの1/4以下とすべきである。
【0020】
実施例2:外径250μmのシングルモードファイバ素線上に、インクジェットプリンタヘッドによって、有機溶剤型インクによる厚さ2μmのインク層による識別層を、表2に示す長さと間隔でそれぞれ形成した。そしてこの上に紫外線硬化型樹脂の着色層を、5μm厚さ被覆形成した。このようにして得た識別型光ファイバ心線を用いて、内径3mm、外径5mmのルースチューブを製造した。これを試料として、識別性を測定した。なお識別性は、前記ルースチューブを解体し心線を取出した後に、目視により判別した。結果を、表2に示す。
【0021】
【表2】
Figure 2004077536
【0022】
表2から明らかなように、識別層の長さを2mmのものによって形成する場合には、実験例9〜12で示す範囲とすれば識別力を有するものとすることができることが判る。すなわち、隣合う2mm長の識別層の最小間隔を1mm以上、かつ最大間隔を200mmまでとするものである。このような間隔の組合せで識別層を形成することにより、識別力が得られることになる。実験例8に示すように最小間隔が0.5mmで、最大間隔が50mmの組み合わせでは、0.5mmの部分が隣合う識別層と区別ができなくなり、識別力がなくなる。さらに最大間隔を300mmとした実験例13のものは、光ファイバケーブルとした時の光ファイバ心線の識別性能が悪くなり、これも識別力がなくなる。また、実験例14〜20のように識別層が4mmのように長いものでは、隣合う識別層の間隔を、1〜200mmの範囲で選択すれば、識別力が得られることがわかる。すなわち実験例14のように、識別層の間隔が0.5mmであると隣合う識別層の識別が困難であり、また実験例20のようにその間隔を300mmとすると、光ファイバケーブル化時の光ファイバ心線の識別性が困難となる。よって、長手方向に間欠的に設けられたインク層からなる識別層とその上に設けた着色層からなる光ファイバ心線において、前記インク層からなる識別層の間隔が最小間隔1mm以上、最大間隔200mm以下とすべきである。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、光ファイバ素線上にインク層からなる識別層、ついで着色層が順次設けられた光ファイバ心線であって、前記識別層は、厚さが0.5μm以上でかつ前記着色層の最大厚さの1/4以下のインク層として前記光ファイバ心線の長手方向に間欠的に設けられ、さらにその上には厚さ10μm以下の着色層が形成された識別型光ファイバ心線とすることによって、インク層からなる識別層は鮮明なものとなり、光ファイバ心線の長手方向に間欠的に設けた場合に着色が判別し易くなり、識別力が向上するためである。また前記識別層3が厚くなりすぎ、この上に施された着色層4に凸部が見られるようなこともなくなる。このことは、光ファイバ心線に曲げ等の外力が加わっても、インク層からなる識別層3と着色層4、識別層3と光ファイバ素線2との間に剥がれが生じたり、光ファイバ素線2に不均一な力が働いて、伝送損失が増加する等の不都合をなくすことができる。
【0024】
また、長手方向に間欠的に設けられたインク層からなる識別層と、その上に設けた着色層からなる光ファイバ心線において、前記インク層からなる識別層の間隔が最小間隔1mm以上、最大間隔200mm以下である識別型光ファイバ心線とすることによって、隣合う識別層の識別がより可能となり、光ファイバ心線により多くの識別機能を付与できることになる。そして、このような識別型光ファイバ心線を多数本用いた光ファイバケーブルの端末処理を行う場合にも、前記識別型光ファイバ心線の識別作業に、支障が生じないようにすることができることになる。また、その識別機能が簡単に消滅したり剥離する等がなくなり、さらに前記識別機能が、光ファイバ心線の伝送損失を劣化させることもない。
【0025】
さらに、光ファイバ素線上にインク層からなる識別層、着色層が順次設けられた光ファイバ心線であって、前記識別層は、厚さが0.5μm以上でかつ前記着色層の最大厚さの1/4以下であり、かつその間隔が最小間隔1mm以上、最大間隔200mm以下であるインク層からなるものとし、その上には厚さ10μm以下の着色層が形成された識別型光ファイバ心線とすることによって、インク層からなる識別層は鮮明なものとなり、また光ファイバ心線の長手方向に間欠的に設けた場合に着色が判別し易くなる。また、前記識別層3が厚くなりすぎこの上に施された着色層4に凸部が見られるようなこともなくなる。このことは、光ファイバ心線に曲げ等の外力が加わっても、インク層からなる識別層3と着色層4、識別層3と光ファイバ素線2との間に剥がれが生じたり、光ファイバ素線2に不均一な力が働いて、伝送損失が増加する等の不都合をなくすことができる。また、前記識別型光ファイバ心線の多数本からなる光ファイバケーブルとすることによって、光ファイバ心線により多くの識別機能を付与でき、またその識別機能が簡単に消滅したり剥離する等がなくなり、さらに前記識別機能が光ファイバ心線の伝送損失を劣化させないようにすることができ、光ファイバケーブルの接続作業等においても誤った接続等をなくすことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の識別型光ファイバ心線の断面を示す、概略図である。
【図2】図2は、本発明の識別層を、長手方向から見た部分概略図である。
【符号の説明】
1  識別型光ファイバ心線
2  光ファイバ素線
3  識別層
31  比較的短い識別層
32  比較的長い識別層
4  着色層
  最小間隔
  最大間隔

Claims (4)

  1. 光ファイバ素線上にインク層からなる識別層、ついで着色層が順次設けられた光ファイバ心線であって、前記識別層は、厚さが0.5μm以上でかつ前記着色層の最大厚さの1/4以下のインク層として前記光ファイバ心線の長手方向に間欠的に設けられ、さらにその上には厚さ10μm以下の着色層が形成されたことを特徴とする、識別型光ファイバ心線。
  2. 長手方向に間欠的に設けられたインク層からなる識別層と、その上に設けた着色層からなる光ファイバ心線であって、前記インク層からなる識別層の間隔が最小間隔1mm以上、最大間隔200mm以下であることを特徴とする、識別型光ファイバ心線。
  3. 光ファイバ素線上にインク層からなる識別層、着色層が順次設けられた光ファイバ心線であって、前記識別層は厚さが0.5μm以上で、前記着色層の最大厚さの1/4以下であり、かつその間隔が最小間隔1mm以上、最大間隔200mm以下であるインク層からなり、さらにその上には厚さ10μm以下の着色層が形成されたことを特徴とする、識別型光ファイバ心線。
  4. 前記識別型光ファイバ心線の多数本からなることを特徴とする、光ファイバケーブル。
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