以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、スロットマシン10の前面には、表示窓11が設けられた前面扉12が設けられている。表示窓11の奥には、第1〜第3リール13a〜13cが回転自在に組み込まれたリールユニット26が配設されている(図2参照)。表示窓11の下方の部分には、MAXベットボタン15、1ベットボタン16、ストップボタン17a〜17c、スタートレバー18、ペイアウトボタン19等の各種の操作ボタンの他に、メダルを投入するメダル投入口20が設けられている。なお、上記操作ボタンの機能については周知であるため、説明を省略する。前面扉12の下部には、スロットマシン10で遊技を行って当選役が入賞した場合に、メダルの払い出しを行うためのメダル払出し口22及びメダル受け皿23と、遊技中に音楽や音声を発するスピーカ24が設けられている。
第1〜第3リール13a〜13cの外周には複数種類の絵柄が一定ピッチで配列され、第1〜第3リール13a〜13cが停止した状態では、表示窓11を通して1リール当たり3個の絵柄が観察可能となる。これにより、各リールの絵柄を1個ずつ組み合わせた直線状の入賞有効ラインが横3本、斜め2本の合計5本が設定される。遊技開始に先立ってメダル投入口20から1枚のメダル29を投入したときには、中央横1本の入賞有効ラインが有効化され、2枚では横3本、3枚ではさらに斜め2本を加えた5本の入賞有効ラインが有効化される。
スロットマシン10では50枚を限度に適正なメダル29(図2参照)をクレジット(貯留)することが可能になっている。表示窓の下方には貯留されているメダルの枚数が表示されるクレジット枚数表示窓13が設けられている。クレジット枚数表示窓13の奥には、クレジット枚数表示窓13を通してクレジットされているメダル29の枚数を表示させるクレジット枚数表示装置67(図8参照)が設けられている。クレジットされるメダル29の最大枚数は50枚であるので、クレジット枚数表示窓13には0〜50の数値が表示されるようになっている。クレジット枚数表示窓13の側方にはエラー表示窓14が設けられている。エラー表示窓14の奥には、エラー表示窓14を通してエラーコードを表示させるエラーコード表示装置68(図8参照)が設けられている。機械動作、遊技動作に異常がある場合等には、エラー表示窓14を通して異常に応じたエラーコードが表示されるようになっている。
図2に示すように、筐体10a内には、後述するCPU61(図8参照)が組み込まれているメイン基板25、リールユニット26、電源ボックス27、貯留タンク28等が設けられている。メイン基板25は、透明なプラスチックで形成された基板ケースに封入されて開放不能となっている。これにより、メイン基板25に不正な改造が施されることを防止している。リールユニット26は、第1〜第3リール13a〜13cと図示しない各リールに対応したステッピングモータ、バックランプ、第1〜第3リール13a〜13cの回転角を検出するフォトセンサ等が組み込まれて構成されている。バックランプは第1〜第3リール13a〜13cの内側で、縦方向に3個ずつ配置されており、遊技を行った結果、入賞有効ライン上に当選絵柄が3つ並んで、ビックボーナス(BB)又はレギュラーボーナス(RB)が入賞した場合には、表示窓11に停止表示された当選絵柄を予め設定された特定のパターンで点灯、消灯、点滅させ、遊技者にBB又はRBに当選したことを報知する。なお、バックランプの照明による報知は、BB又はRB以外の当選役が当選されたことの報知や特定の当選役に当選した可能性を示唆する報知などを行うようにしてもよい。
電源ボックス27には、電源スイッチ30、設定変更スイッチ31が設けられている。電源スイッチ30は、スロットマシン10の電源のオン/オフが行われ、設定変更スイッチ31は、6段階のペイアウト率が設定されており、1プッシュごとに順次に可変される。
貯留タンク28では、メダル投入口20から投入されたメダルが貯留される。さらに、遊技を行ってメダルの払い出しを伴う当選役が入賞した場合には、ホッパー装置32が駆動されて、当選役の種類に応じた枚数のメダル29がメダル出口28aから払出し口22に送り出され、受け皿23にメダル29が払い出される。さらに、前面扉12の裏には、メダル投入口20の下方にメダルセレクタ33及びメダル案内部材34が設けられている。メダルセレクタ33には通路カバー35が取り付けられている。
図3に示すように、メダルセレクタ33は、本体基部40、振分装置41、メダル通過センサ(メダル検出器)42から構成されている。本体基部40は樹脂で形成されている。本体基部40には、メダル29の直径よりも幅がやや広い溝からなる第1メダル通路(案内通路)44が形成されている。メダルセレクタ33が前面扉12に取り付けられると、第1メダル通路44のメダル入口44aはメダル投入口20と連通するようになっており、メダル投入口20から投入されたメダル29はメダル入口44aから第1メダル通路44内に侵入する。
第1メダル通路44は、略L字形に屈曲するように形成されており、メダル29の周面と接触する接触底面44bと、メダル29の径方向の面である前面、または裏面と接触する接触壁面44dと、接触壁面44dと対向した位置に配置され、メダル29の径方向の下部面と接触する接触壁面44eとから構成されている。なお、本体基部40は、図中矢印Dに示す方向にやや傾くように前面扉12に取り付けられているため、流下するメダル29は接触壁面44eの方向に自重がかかるように構成されている。
メダル入口44aから第1メダル通路44に侵入したメダル29は、第1メダル通路44の屈曲した部分を通過すると、その進行方向がメダル29が第1メダル通路44内に侵入した方向(図中矢印Aに示す方向)と略直交した方向(図中矢印Bに示す方向)に変化するようになっている。
本体基部40の第1メダル通路44が形成されている面で、メダル入口44aから見て第1メダル通路44の屈曲した部分よりも下流側の第1メダル通路44(図中矢印Bに示す方向にメダル29が進行する部分)の上方には、振分装置取付部40bが設けられている。振分装置取付部40bは、本体基部40に形成された略矩形状で凹状の溝からなり、この溝を取り囲む壁面のうちの第1メダル通路44に臨む壁面は一部が開放されている。振分装置取付部40bには振分装置41が設けられている。
振分装置41は、本体基部40に取り付けられる取り付け板41a、取り付け板41aに図中矢印Cに示す方向に回動自在に取り付けられる回動板41b、本体基部40に取り付けられている回動板41bに励磁作用を与えるソレノイド(図示せず)及び回動板41bを付勢する捩じりバネ(図示せず)から構成されている。
取り付け板41a及び回動板41bは、金属製の薄板で形成されている。取り付け板41aは矩形状に形成されており、本体基部40の振分装置取付部40bの取付面40cと直交して突出するように本体基部40に取り付けられている。
回動板41bは略T字状に形成されており、取り付け板41aの突出方向と直交して振分装置取付部40bの取付面40c、及び接触壁面44dと対面するように取り付け板41aに回動自在に取り付けられている。回動板41bが取り付け板41aに取り付けられると、回動板41bの幅が広い部分であるメダル振り分け部41cの一部は、接触壁面44dと対向して突出し、振分装置取付部40bの前述した開放部分から第1メダル通路44内に侵入した後述する通過位置と、第1メダル通路44内に侵入しない後述する排出位置とに電気的な制御によって変位自在な状態となる。また、メダル振り分け部41cが第1メダル通路44内に侵入した状態では、メダル振り分け部41cの端縁と、接触底面44bとの距離が、メダル29の直径よりも小さくなるように、回動板41bは取り付けられている。これにより、メダル振り分け部41cは、接触底面44bの上を転動するメダル29の径方向上部面と接触してメダル29を支持することができるように配置され、投入されたメダル29は下流に位置する貯留タンク28へと案内される。
また、回動板41bは、前述したソレノイドの励磁作用とバネの復元力によって、取り付け板41bとの取付部分に設けられた軸を支点に、メダル29の通過を可能にする通過位置と、メダル振り分け部41cがメダル29の径方向上部面の支持を中止し、第1メダル通路44からメダル29を図中矢印Dに示す方向に落下させる排出位置との間で回動される。
メダル29が投入されると、前述したソレノイドによる励磁作用が働くことで、回動板41bは第1メダル通路44の接触壁面44dに向かう方向に付勢されて通過位置にセットされる。これにより、メダル29が正規の大きさであれば、回動板41bのメダル振り分け部41cによってメダル29の転動方向が図中矢印B方向に規制されるので、メダル29は第1メダル通路44を通過する。
図2に示すように、通路カバー35の第1メダル通路44の回動板41bが設けられている箇所には切り欠き35aが形成されている。この切り欠き35aから正規の大きさでないメダル29が払出しシュート36に排出される。メダル29が貯留されている枚数が上限枚数である50枚に達している場合や、遊技を行っている最中(スタートレバー18を操作して第1〜第3リール13a〜13cが回転してから、全ての第1〜第3リール13a〜13cが停止されるまでの状態)、メダル通過センサ42やメダルの材質または大きさ等の検知で不正なメダル29であると判断された場合などには、前述したソレノイドの励磁作用が断たれ、回動板41bはバネの復元力によってメダル29の径方向上部面を支持する通過位置からメダル29の径方向上部面を支持しない排出位置にセットされる。これにより支えを失った不正なメダル29が、通路カバー35の切り欠き35aから図3及び図4の矢印Dに示す本体基部40を傾斜させて取り付ける方向に落下して、払出しシュート36を介して払出し口22から払い出される。
なお、第1メダル通路44の回動板41bが設けられている箇所以外の部分は、通路カバー35によって塞がれている。そのため、第1メダル通路44の回動板41bが設けられている箇所以外の部分では投入されたメダル29が第1メダル通路44から脱落することはない。
メダル通過センサ42は、第1メダル通路44の振分装置41が設置されている箇所よりも下流側に設けられており、第1メダル通路44を転動してきたメダル29を検出する。
メダル通過センサ42は、第1メダルセンサ42a及び第2メダルセンサ42bから構成されている。第1及び第2メダルセンサ42a,42bは、例えば、投光部と受光部とを一体に備えた反射型の光電センサであって、第1メダル通路44の接触壁面44dに取り付けられている。第1及び第2メダルセンサ42a,42bは、メダル29の進行方向に沿って上流側に第1メダルセンサ42a、下流側に第2メダルセンサ42bが配置されている。
メダル29が、第1メダルセンサ42aや第2メダルセンサ42bを通過した場合(メダル29が、第1メダルセンサ42aや第2メダルセンサ42bの投光部の光路を遮蔽した状態)には、各センサの投光部から投光した光がメダル29で反射し、反射した光が受光部で受光され、各センサはオンとなる。これにより、メダル29の検出が開始される。また、メダル29が、第1メダルセンサ42aや第2メダルセンサ42bを通過していない場合(メダル29が第1メダルセンサ42aや第2メダルセンサ42bの投光部の光路を遮っていない状態のとき)には、各センサの投光部から投光した光が反射されないため、各センサはオフとなる。これにより、メダル29の検出が終了される。
第1及び第2メダルセンサ42a,42bの配置についてさらに具体的に説明すると、第1及び第2メダルセンサ42a,42bは、メダル29が第1メダル通路44を転動する際に、必ず第1及び第2メダルセンサ42a,42bによりメダル29を順次に検出できる間隔となるように配置されており、さらに、メダル29が連続投入(複数枚のメダル29が連なって第1メダル通路44を通過するようにメダル投入口20からメダル29が投入された状態)された場合にも、1枚のメダル29を第1及び第2メダルセンサ42a,42bで順次に検出した後に、必ず第1及び第2メダルセンサ42a,42bが一度はオフになってから次のメダル29を検出できるような位置に配置されている。つまり、図10に示すように、接触壁面44dに設けられる第1及び第2メダルセンサ42a,42bは、流下する複数のメダル29の周面が互いに接触して連なった際のメダル29の直径高さ内の上部に生じる隙間部44fに収まるように配置され、第1及び第2メダルセンサ42a,42bが一度に2枚以上のメダル29を検出しないようにしている。従って、メダル29の通過に要する予め定められた時間内において、第1メダルセンサ42a、第2メダルセンサ42bの順にメダル29の検出が行われずに、検出される順番が逆になっている場合には、メダル29の流下方向と逆流していることとなるため、エラーであると判断することができる。
メダルセレクタ33の側方には、メダル案内部材34が隣接して配置されている。第1メダル通路44を転動してきたメダル29はメダル案内部材34によって貯留タンク28に導かれる。
メダル案内部材34にはその断面を略コの字形状とした溝からなる第2メダル通路51が形成されている。メダル案内部材34はメダルセレクタ33に隣接して配置されているため、第2メダル通路51は第1メダル通路44と連通する。このため、第1メダル通路44を転動してきたメダル29は第2メダル通路51に侵入する。
メダル案内部材34は第1メダル通路44内を図中矢印B方向に転動するメダル29が第2メダル通路51でスロットマシン10の背面側に向かう方向(図中矢印E方向)に進行方向を変更するように、屈曲して形成されている。そして、前面扉12が閉じられると、第2メダル通路51のメダル出口51aは貯留タンク28の上方に位置するようにメダル案内部材34の長さが設定されている。また、第2メダル通路51は第1メダル通路44からメダル29が侵入する方の端部からメダル出口51aにかけて下方に傾斜しており、第1メダル通路44から第2メダル通路51に侵入したメダル29はその傾斜によって第2メダル通路51を転動する。
図3〜図6に示すように、第1メダル通路44の接触壁面44dで、振分装置41と第1メダルセンサ42aとの間には、貫通孔44cが形成されている。この貫通孔44cの奥、すなわち第1メダル通路44の接触壁面44dの裏面側(シャッタ収納部)40cにはソレノイド55が設けられている。ソレノイド55はスロットマシン10の動作を制御している制御部60のCPU61に接続されている。
ソレノイド55は、ケース55aと駆動鉄板(シャッタ)55bとから構成されている。ソレノイド55は通電が行われると、ケース55aに巻かれたコイル(図示せず)によって磁界が発生し、駆動鉄板55bをケース55aの内部に引き込む。ソレノイド55への通電が停止されると、図示しないバネの復帰力により、ケース55aに引き込まれた駆動鉄板55bがケース55aの内部から引き出される。
貯留されているメダル29の枚数が50枚に達する前や、遊技が行われる前には、常にソレノイド55に通電が行われており、駆動鉄板55bはケース55aの内部に引き込まれている。このとき、第1メダル通路44は開放されており、メダル29の通過が可能な状態となっている。
前述した振分装置41のソレノイドの励磁作用が断たれるのと同時に、ソレノイド55への通電が停止されて、駆動鉄板55bがケース55aから引き出されると、図5及び図6に示すように、駆動鉄板55bは、貫通孔44cを通して第1メダル通路44に侵入し、駆動鉄板55bの先端は通路カバー35に当接する。これにより第1メダル通路44は駆動鉄板55bによって閉鎖される。よって、第1メダル通路44を転動してきたメダル29で、振分装置41によって第1メダル通路44から脱落させることができなかったメダル29は、駆動鉄板55bに衝突する。これによりメダル29は、駆動鉄板55bによって第1メダル通路44から払出しシュート36に確実に落下させられる。このように、駆動鉄板55bはメダル29を払出しシュート36に落下させるブロッカーとしての機能を有している。
このように、ソレノイド55は、駆動鉄板55bを、図6(a)に示すように、ケース55aの内部に引き込んでおくことより、第1メダル通路44を開放してメダル29の流下を許容する基準位置と、図6(b)に示すように、ケース55aの内部から引き出すことにより、第1メダル通路44を閉鎖してメダル29の流下を禁止する閉鎖位置との間で移動させる駆動手段として機能する。
ソレノイド55のケース55aの後方には、駆動鉄板55bの位置を検出する駆動鉄板位置センサ(シャッタ位置検出手段)56が設けられている。この駆動鉄板位置センサ56はCPU61に接続されている。駆動鉄板位置センサ56は透過型の光電センサであり、投光部56aと受光部56bとから構成されている。投光部56aと受光部56bとは対向して設けられている。投光部56aは受光部56bに向けて継続的に投光しており、投光部56aからの光を受光部56bが受光すると、受光部56bからCPU61に検知信号が送出される。なお、投光部56a及び受光部56bは、光線の送受が行われて、受光及び遮光を検知できるものであればどのようなものでもよい。一般的には、LEDとフォトダイオードからなる光センサが用いられる。このようなLEDとフォトダイオードからなる光センサは高性能かつ非常に小型化されており、設置スペースがきわめて限定されたスロットマシン10の内部に設定する光センサとして好適である。
ソレノイド55の後部には駆動鉄板55bに連動する遮光板55cが設けられている。この遮光板55cは駆動鉄板位置センサ56の投光部56aからの光路を遮るためのものである。遮光板55cは駆動鉄板55bと一体化されており、ケース55aの後部から後方に向けて突出した状態になっている。図4に示すように、駆動鉄板55bがケース55aの内部に引き込まれているとき、つまり、駆動鉄板55bが基準位置にあるとき、遮光板55cはケース55aから後方に向けて引き出されており、駆動鉄板位置センサ56の投光部56aの光路は遮光板55cによって遮られる。ケース55aの内部に引き込まれていた駆動鉄板55bがケース55aから引き出されたとき、つまり、駆動鉄板55bが基準位置から閉鎖位置に移動したとき、遮光板55cは駆動鉄板55bに連動してケース55aの内部に引き込まれる。遮光板55cによって遮られていた投光部56aの光路は開放され、受光部56bで受光される。このときOFF状態にあった駆動鉄板位置センサ56がON状態となる。
図8はスロットマシン10の電気的構成を示すブロック図である。スロットマシン10には、このスロットマシン10の基本的な動作を制御する制御部60が設けられている。制御部60は、CPU61と、このCPU61が処理するデータが格納されているROM62とワークエリアとしてのRAM63、メダルカウンタ64、クレジット記憶部65、タイマ(計時手段)66などが設けられている。
第1及び第2メダルセンサ42a,42bが第1メダル通路44を転動するメダル29を検出すると、検出信号がCPU61に入力される。メダルカウンタ64は、第1及び第2メダルセンサ42a,42bからメダル29の通過に要する予め定められた時間内に順次に検出信号が入力されると作動され、投入されたメダル29の枚数を1枚ずつ計数する。CPU61は第1及び第2メダルセンサ42a,42bで検知信号が検知された際に、メダル29を1枚計数してクレジット記憶部65に記憶させる。クレジット記憶部65に記憶されているメダル枚数は、クレジット枚数表示装置67によってクレジット枚数表示窓13を通して表示される。また、CPU61にはエラー表示装置68が接続されている。
このように、投入されたメダル枚数は、前記時間内における第1及び第2メダルセンサ42a,42bの順番で行われる検知信号の入力に基づき1枚ずつ計数され、クレジット記憶部65に加算して記憶される。また、CPU61は、MAXベットボタン15又は1ベットボタン16の押下により出力されるクレジット投入信号に基づいて、例えば、1枚から3枚のメダル29をクレジット記憶部65に記憶されたメダル枚数から減算し、減算されたメダル29をベットしてゲームを実行可能にする。なお、本実施形態では、クレジット記憶部65に記憶可能なメダル枚数の上限は50枚であるものとする。
スタートレバー18が押下操作されると、CPU61に遊技の開始を示す遊技開始信号が出力される。これに応答してこれに応答してCPU61はリール駆動コントローラ70を作動し、リールユニット26の第1〜第3リール13a〜13cを回転させることで遊技を開始する。遊技者がストップボタン17a〜17cを押下すると、CPU61及びリール駆動コントローラ70は第1〜第3リール13a〜13cの停止制御を行う。
ペイアウトボタン19は、クレジット記憶部65に記憶されたメダル29を払い出すものである。メダルカウンタ64で計数され、クレジット記憶部65にメダル29が記憶されている状態で、ペイアウトボタン19が押下されると、CPU61は払出し部71に信号を送り、クレジット記憶部65に記憶されているメダル枚数に応じた貯留メダルが、貯留タンク28からホッパー装置32によって払出し口22に払い出される。
駆動鉄板位置センサ56は、駆動鉄板55bの位置を検出するためのものである。メダル投入口20からメダル29が投入され、クレジット記憶部65に記憶されたメダル枚数が上限値である50枚に達すると、CPU61は、ソレノイド55及びタイマ66に制御信号を出力し、同時にタイマ66を作動させて計時を開始させる。制御信号を受けて、ソレノイド55は駆動鉄板55bを基準位置から閉鎖位置に移動させる。このようにCPU61はソレノイド55の駆動を制御する制御手段として機能する。
駆動鉄板55bが基準位置から閉鎖位置に移動すると、OFF状態にあった駆動鉄板位置センサ56がON状態となり、駆動鉄板位置センサ56からCPU61に検出信号が出力される。CPU61は、制御信号を出力した後、ROM62に記憶されている予め定められた時間(例えば60ミリ秒)と、タイマ66によって計測されている時間との比較を行い、CPU61に駆動鉄板位置センサ56からの検出信号が予め設定された時間内(例えば10ミリ秒以内)に入力された場合には、CPU61はタイマ66の計時を停止させてリセットを行う。また、タイマ66によって計測されている時間がROM62に記憶されている予め設定された時間(60ミリ秒)を経過しても、駆動鉄板位置センサ56からの検出信号がCPU61に入力されなかった場合、CPU61は、駆動鉄板55bが閉鎖位置にないと判断し、スピーカ24とエラーコード表示装置67に異常信号を出力する。異常信号を受けて、スピーカ24は警報音を発生する。また、エラーコード表示装置67は、エラー表示窓14を通して、第1メダル通路44内に不正行為を行う道具などが入っている可能性があることを示すエラーコードを表示する。
なお、ROM62に記憶されている予め設定された時間には、CPU61から制御信号が出力されてからソレノイド55の通電が停止されるまでの数マイクロミリ秒時間に、ソレノイド55の通電が停止されて駆動鉄板55bが基準位置から閉鎖位置まで移動する際に要する数十ミリ秒時間を加えた時間よりもやや長めに設定された時間を用いることが好ましく、例えば、CPU61から制御信号が出力されてからソレノイド55の通電が停止されるまでの時間に、駆動鉄板55bが基準位置から閉鎖位置まで移動する際に要する時間を加えた時間が10ミリ秒である場合、ROM62に記憶させておく予め定められた時間は、10〜12ミリ秒であることが好ましい。また、上述した時間よりも長い時間に設定しても良く、このようにROM62に記憶させておく予め設定された時間は駆動鉄板55bの移動距離やバネの強さなどに応じて適宜に変更可能である。
上述したように、CPU61は、タイマ66の計時が開始されてから予め設定された時間が経過した際に、駆動鉄板55bが閉鎖位置にあるか否かを判定する判定手段として機能する。また、CPU61は、タイマ66の計時が開始されてから予め設定された時間が経過しても、駆動鉄板55bが閉鎖位置にないと判定した場合、報知手段であるスピーカ24やエラーコード表示手段67を作動させるための異常信号を出力する異常信号出力手段としても機能する。
また、CPU61は、タイマ66の計時が開始されてから予め定められた時間が経過しても、駆動鉄板55bが閉鎖位置にないと判定した場合、ホッパー装置32の動作を停止させるとともに、メダル29のベットを不能にして遊技を強制的に中止させる。このようにCPU61は遊技中止手段として機能する。
なお、遊技を中止させた後、再び遊技の実行を可能にするためのリセットボタン(不図示)は、筺体10aの奥に設置されており、リセットボタンを操作しない限り、遊技の有効化が行われないようになっている。
次に上記構成によるスロットマシン10の作用について図9のフローチャートを参照しながら説明する。メダル投入口20からメダルが投入されることにより、第1メダル通路44をメダル29が通過し、メダル通過センサ42が貯留タンク28へと案内されるメダル29を1枚毎に検出する。メダル通過センサ42からCPU61に検出信号が送られると、CPU61は、メダルカウンタ64にメダル29の枚数を1枚毎にカウントさせ、カウントした枚数が1ゲームに使用する枚数以上、又はすでにクレジット記憶部65に記憶されているメダル29がある場合にカウントアップさせる。なお、クレジット記憶部65の記憶は、ゲームの実行、又はペイアウトボタン19の操作に基づいてカウントダウンされる。
クレジット記憶部65に記憶されているメダル枚数が上限である50枚に到達すると、CPU61は、振分装置41を作動させ、50枚以上のメダルがクレジットさせないように払出しシュート36に落下させ、且つソレノイド55への通電を停止させるとともに、タイマ66に計時を開始させる。ソレノイド55への通電が停止されると、駆動鉄板55bは基準位置から閉鎖位置に移動する。第1メダル通路44は図5及び図6(b)に示すように閉鎖される。
メダル投入口20から不正行為を行うための道具が挿入されている場合で、例えば、図7に示すように、フレキシブル基板76の先端部に赤外光LED75を搭載した器具77
をメダル投入口20から挿入し、メダル通過センサ42が設置されている箇所で赤外光LED75を点滅させることによってメダル通過センサ42の検出を行わせる不正行為が、クレジット記憶部65に記憶されている枚数が上限枚数に到達した後にも継続して行われている場合、器具77はソレノイド55のケース55aから突出する駆動鉄板55bによって第1メダル通路44の外部に押し出される。そして、器具77は駆動鉄板55bと通路カバー35とで挟まれた状態となる。この状態では駆動鉄板位置センサ56の投光部56aの光路は遮光板55cによって遮られたままとなっており、CPU61に駆動鉄板位置センサ56からの検出信号が入力されない。この状態のまま、タイマ66で計測されている時間が所定時間を経過した場合、CPU61は、駆動鉄板55bが閉鎖位置にない、つまり、不正行為が行われている可能性があると判定し、スピーカ24、エラーコード表示装置67及びホッパー装置32などに異常信号を出力する。これによりスピーカ24からは警報音が発生され、エラー表示窓14にはエラーコードが表示される。また、ホッパー装置32の動作は停止し、遊技の続行が不可能になる。なお、筺体10aの奥に設置されているリセットボタンを操作することにより、遊技が有効化され、再び遊技を行うことができるようになる。
以上のように、クレジット記憶部65に記憶されている枚数が所定枚数に到達した後に、ソレノイド55の駆動鉄板55bで、メダル通過センサ42の上流側の第1メダル通路44を閉鎖するようにし、所定時間を経過しても駆動鉄板55bが閉鎖位置にない場合には、不正行為が行われているものと判定し、不正行為が行われている可能性があることを報知するとともに、遊技を強制的に中止させるようにしたので、器具77をメダル投入口20から挿入し、メダル通過センサ42が設置されている箇所で赤外光LED75を点滅させることによってメダル通過センサ42の検出を行わせる不正行為を防止することができる。また、ソレノイド55及び駆動鉄板位置センサ56を本体基部40の裏面側40cに設置したので、仮に、ソレノイド55を不正に操作したり、あるいは駆動鉄板位置センサ56を破壊しようとして、メダル投入口20からメダル29以外の異物が挿入されたとしても、その異物はソレノイド55や駆動鉄板位置センサ56に接触することができない。よって、ソレノイド55や駆動鉄板位置センサ56に対する不正行為を防止することができる。
上記実施形態では、第1メダル通路44の接触壁面44dの裏面側40cにソレノイド55及び駆動鉄板位置センサ56を設置したが、これに限ることなく、第1メダル通路44側に設置しても良い。この場合、ソレノイド55及び駆動鉄板位置センサ56を収納する収納ケースを設置し、その収納ケースにソレノイド55及び駆動鉄板位置センサ56を収納する。これにより、仮にメダル投入口20から異物が挿入されたとしても、その異物はソレノイド55や駆動鉄板位置センサ56に接触することができない。よって、ソレノイド55や駆動鉄板位置センサ56に対する不正行為を防止することができる。
上記実施形態では、クレジットされるメダル枚数が50枚となった時点で、ソレノイド55への通電を停止したが、これに限ることなく、上限値である50枚未満の枚数、例えば、25枚で一旦ソレノイド55への通電を停止するようにしても良い
上記実施形態では、CPU61から制御信号が出力されてからタイマ66で計時を開始し、タイマ66によって計測されている時間が予め設定された時間を経過しても、駆動鉄板位置センサ56からの検出信号がCPU61に入力されなかった場合に、器具77やセルロイド板などを用いた不正行為が行われている可能性があると判定するようにしたが、CPU61から制御信号を予め定められた時間間隔で所定回数出力し、その所定回数の出力が完了するまでの間に駆動鉄板位置センサ56からの検出信号がCPU61に入力されなかった場合、不正行為が行われている可能性があると判定するようにしても良い。また、ソレノイド55の駆動鉄板55bが基準位置から閉鎖位置まで移動する際に要する移動時間を予め測定しておき、ソレノイド55の通電を停止した時点からタイマ66で計時を開始し、タイマ66によって計測している時間が、前記移動時間を経過しても駆動鉄板位置センサ56からの検出信号がCPU61に入力されなかった場合に、不正行為が行われている可能性があると判定するようにしても良い。このように、計時方法や計時を開始するタイミングなどは適宜変更可能である。
上記実施形態における第1メダル通路44を閉鎖するソレノイド55は、メダル通過センサ42の上流側の近傍に1つ設けたが複数あっても良い。
また、メダル通過センサ42よりも上流側のメダル投入口20寄りにソレノイド55を設けた場合には、メダル投入口20から不正器具をメダル通過センサ42まで挿入させ、不正にクレジット上限枚数まで増加させた後に引き戻す時間を要するため、確実に前記不正器具を捕らえることができるため好適である。
また、駆動鉄板55bの先端部を尖端に形成することで、不正器具を駆動鉄板55bの先端部と通路カバー35とで挟み込むことで破壊、又は挟み込み状態のまま停滞させることができるようにしても良い。
上記実施形態では、駆動鉄板55bがケース55aから引き出された場合、駆動鉄板55bの先端を通路カバー35に当接させるようにしたが、これに限ることなく、図11に示すように、通路カバー35に貫通孔35aを形成し、ケース55aから引き出された駆動鉄板55bの先端部を貫通孔35aに挿通させ、駆動鉄板55bが通路カバー35を貫通するようにしても良い。これにより、メダル投入口20から不正器具を挿入し、その不正器具で駆動鉄板55bを無理矢理抉じ開けるといった不正行為を確実に防止することができる。
上記実施形態では、クレジット記憶部65に記憶されたメダル枚数が上限枚数に達したことを契機に、ソレノイド55及びタイマ66を作動させたが、スタートレバー18が押下されたときに出力される遊技開始信号、ペイアウトボタン19が押下された時にCPUから出力される信号、スロットマシン10における機械動作、遊技動作に異常がある場合にCPUから出力される信号のいずれかに応答してソレノイド55、及びタイマ66を作動させても良い。
次に、第2の実施形態について説明する。上記第1の実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。図12に示すように、メダル投入口20からメダル入口44aにかけてメダル送り込み通路80が設けられている。メダル送り込み通路80は、メダル投入口20から投入されたメダル29をメダル入口44aにガイドするための通路であり、メダル投入口20側からメダル入口44aに向かって見たときの断面は略矩形状に形成されている。また、メダル送り込み通路80は、メダル投入口20から投入されたメダル29が重なることなく1枚ずつ第1メダル通路44に向かって流下していくように形成されており、メダル送り込み通路80を構成している側壁80a、80b間の距離αはメダル29の直径よりもやや大きく設定されている。
メダル送り込み通路80の側壁80aと、この側壁80aに対面している側壁80bとには対向するようにして、孔80cと、孔80dとが形成されている。メダル送り込み通路80の外側にはシャッタ用ソレノイド81が設けられている。
シャッタ用ソレノイド81はスロットマシン10の動作を制御している制御部60のCPU61に接続されている(図14参照)。シャッタ用ソレノイド81は、ケース81a、駆動鉄芯81b、及びコイルバネ81cから構成されている。駆動鉄芯81bにはコイルバネ81cが巻き付けられている。シャッタ用ソレノイド81は通電が行われると、ケース81aに巻かれたコイル(不図示)によって磁界が発生し、駆動鉄芯81bをケース81aの内部に引き込む。シャッタ用ソレノイド81への通電が停止されると、コイルバネ81の復帰力により、ケース81aに引き込まれた駆動鉄芯81bがケース81aの内部から引き出される。
シャッタ82は、孔80c及び孔80dに貫通してメダル送り込み通路80を塞ぐためのものである。シャッタ82は、長細い直方体形状に形成されており、基端部82aがシャッタ本体82bに対して略直角に折り曲げられている。シャッタ本体82bの長手方向の長さβは、距離αに側壁80a、80bの厚みを加えた長さよりも長くなるように設定されている。
駆動鉄芯81bの先端にはシャッタ82の基端部82aが固着されている。このように一体化したシャッタ用ソレノイド81及びシャッタ82は、シャッタ用ソレノイド81に通電が行われているとき、シャッタ本体82bの基端部82aと反対側の先端82cが孔80c内に位置し、且つ孔80dに対向するようにメダル送り込み通路80の外側に配置されている。
貯留されているメダル29の枚数が50枚に達する前や、遊技が行われる前には、常にシャッタ用ソレノイド81に通電が行われており、駆動鉄芯81bはケース81aの内部に引き込まれている。このとき、シャッタ本体82bの先端82cは側壁80aの孔80c内に位置しているため、メダル送り込み通路80は開放され、メダル29が通過可能な状態となっている。
ソレノイド55への通電が停止されるのと同時に、シャッタ用ソレノイド81への通電が停止されて、駆動鉄芯81bがケース81aから引き出されると、図13に示すように、シャッタ本体82bの先端82cは側壁80bの貫通孔80dを挿通した後にメダル送り込み通路80の外側に突出する。これによりメダル送り込み通路80はシャッタ本体82bによって閉鎖される。このときメダル投入口20から投入されたメダル29はメダル送り込み通路80を通過不能となる。このように、シャッタ本体82bは、シャッタ用ソレノイド81の動きに追従して、メダル送り込み通路80をメダル29が通過可能となるように開放する第1位置(図12参照)と、メダル送り込み通路80をメダル29が通過不能となるように閉鎖する第2位置(図13参照)との間で移動する。
なお、メダル送り込み通路80を閉鎖しているシャッタ本体82bからメダル投入口20までの距離L(図13参照)はメダル29の直径M(図12参照)よりも小さくなるように設定されている。これによりメダル送り込み通路80がシャッタ本体82bで閉鎖されているときにメダル投入口20からメダル29が投入された場合、シャッタ本体82bによって塞き止められたメダル29を容易に取り出すことができる。また、遊技者にメダル29を投入する意思がないにもかかわらず、メダル送り込み通路80内にメダル29を滞留させるのは好ましくないため、シャッタ82を、よりメダル投入口20に近い位置に設置すると好適である。メダル投入口20をシャッタ82で直接的に塞ぐようにしても良い。
メダル送り込み通路80の外側には、シャッタ本体82bの先端82cの位置を検出するシャッタ位置センサ83が設けられている。このシャッタ位置センサ83はCPU61に接続されている(図14参照)。シャッタ位置センサ83は透過型の光電センサであり、投光部83aと受光部83bとから構成されている。投光部83aと受光部83bとは側壁80bの貫通孔80dから突出するシャッタ本体82bの先端82cを中心に挟むように対向して設けられている。投光部83aから投光された光を受光部83bが受けると、シャッタ位置センサ83はON状態になる。つまり、シャッタ本体82bが第1位置にある場合、シャッタ位置センサ83はON状態となる。シャッタ本体82bの先端82cが貫通孔80dからメダル送り込み通路80の外側に突出した場合、投光部83aの光路はシャッタ本体82bの先端82cによって遮られるので、投光部83aからの光は受光部に到達せず、シャッタ位置センサ83はOFF状態となる。このとき、シャッタ位置センサ83はCPU61にシャッタ検出信号を出力する。
図14に示すように、クレジット記憶部65に記憶されたメダル枚数が上限値である50枚に達すると、CPU61は、ソレノイド55、シャッタ用ソレノイド81、及びタイマ66に制御信号を出力する。タイマ66は制御信号の入力と同時に計時を開始する。制御信号を受けて、ソレノイド55は通電状態を停止して駆動鉄板55bを基準位置から閉鎖位置に移動させ、シャッタ用ソレノイド81は通電状態を停止してシャッタ本体82bを第1位置から第2位置に移動させる。
駆動鉄板55bが基準位置から閉鎖位置に移動すると、OFF状態にあった駆動鉄板位置センサ55bがON状態となり、駆動鉄板位置センサ56からCPU61に検出信号が出力される。また、シャッタ本体82bが第1位置から第2位置に移動すると、ON状態にあったシャッタ位置センサ83がOFF状態となり、シャッタ位置センサ83からCPU61にシャッタ検出信号が出力される。
CPU61は、制御信号を出力した後、ROM62に記憶されている予め定められた時間(例えば60ミリ秒)と、タイマ66によって計測されている時間との比較を行い、CPU61に駆動鉄板位置センサ56からの検出信号、及びシャッタ位置センサ83からのシャッタ検出信号が、予め定められた時間内(例えば10ミリ秒内)に入力された場合には、CPU61はタイマ66の計時を停止させてリセットを行う。
タイマ66によって計測されている時間がROM62に記憶されている予め定められた時間(60ミリ秒)を経過しても、駆動鉄板位置センサ56からの検出信号がCPU61に入力されなかった場合、CPU61は、駆動鉄板55bが閉鎖位置にないと判断し、スピーカ24とエラーコード表示装置67に異常信号を出力する。また、タイマ66によって計測されている時間がROM62に記憶されている予め設定された時間を経過しても、シャッタ位置センサ83がON状態で、シャッタ位置センサ83からのシャッタ検出信号がCPU61に入力されなかった場合、CPU61は、シャッタ本体82bが第2位置にないと判断し、スピーカ24とエラーコード表示装置67に異常信号を出力する。
CPU61は、タイマ66の計時が開始されてから予め設定された時間が経過しても、駆動鉄板55bが閉鎖位置にないと判断した場合、あるいは、タイマ66の計時が開始されてから予め設定された時間が経過しても、シャッタ本体82bが第2位置にないと判断した場合、ホッパー装置32の動作を停止させるとともに、メダル29のベットを不能にして遊技を強制的に中止させる。なお、遊技を中止させた後、再び遊技の実行を可能にするためのリセットボタン(不図示)は、筺体10a内部の奥に設置されており、リセットボタンを操作しない限り遊技の有効化が行われないようになっている。
次に、第2の実施形態の作用について図15に示すフローチャートを参照しながら説明する。メダル投入口20からメダル29が投入されることにより、第1メダル通路44をメダル29が通過し、メダル通過センサ42が貯留タンク28へと案内されるメダル29を1枚毎に検出する。メダル通過センサ42からCPU61に検出信号が送られると、CPU61は、メダルカウンタ64にメダル29の枚数を1枚毎にカウントさせ、カウントした枚数が1ゲームに使用する上限枚数以上で、且つ、すでにクレジット記憶部65に記憶されているメダル29が貯留上限数に達していない場合にカウントアップの記憶をさせる。なお、クレジット記憶部65の記憶は、ゲームの実行(MAXベットボタン15や1ベットボタン16の操作)、又はペイアウトボタン19の操作に基づいて記憶消去のカウントダウンされる。
クレジット記憶部65に記憶されているメダル枚数が上限である50枚に到達すると、CPU61は、振分装置41を作動させ、50枚以上の投入メダルがクレジットされないように払出しシュート36へ落下するようにし、且つソレノイド55及びシャッタ用ソレノイド81への通電を停止させるとともに、タイマ66に計時を開始させる。ソレノイド55及びシャッタ用ソレノイド81への通電が停止されると、駆動鉄板55bは基準位置から閉鎖位置に移動する。これにより第1メダル通路44は図5及び図6(b)に示すように閉鎖される。また、シャッタ本体82bは第1位置から第2位置に移動する。これによりメダル送り込み通路80は図13に示すように閉鎖される。
メダル投入口20から不正行為を行うための道具が挿入されている場合で、例えば、図16に示すように、器具77をメダル投入口20から挿入し、メダル通過センサ42が設置されている箇所で赤外光LED75を点滅させることによってメダル通過センサ42の検出を行わせる不正行為が、クレジット記憶部65に記憶されている枚数が上限枚数に到達した後にも継続して行われている場合、器具77は基準位置から閉鎖位置に向かって移動する駆動鉄板55bによって第1メダル通路44の外部に押し出される。そして、器具77は駆動鉄板55bと通路カバー35とで挟まれ(図7参照)、且つシャッタ本体82bと側壁80bとで挟まれた状態となる。この状態のまま、タイマ66で計測している時間が予め設定された時間を経過すると、第1の実施形態と同様に、スピーカ24からは警報音が発せられ、エラー表示窓14にはエラーコードが表示される。さらに、ホッパー装置32の動作は停止し、遊技の続行が不可能になる。
図17に示すように、クレジット記憶部65に記憶されている枚数が上限枚数に到達した後、器具77が基準位置から閉鎖位置に向かって移動する駆動鉄板55bによって第1メダル通路44の外部に押し出されない位置、つまり、閉鎖位置にある駆動鉄板55bの手前に位置していた場合、器具77はシャッタ本体82bと側壁80bとで挟まれた状態となる。このとき、シャッタ位置センサ83はON状態になっており、この状態のまま、タイマ66で計測されている時間が所定時間を経過すると、CPU61は、シャッタ本体82bが第2位置にないと判定する。つまり、CPU61は、メダル投入口20から異物が挿入され、不正行為が行われている可能性があると判定し、スピーカ24、エラーコード表示装置67及びホッパー装置32などに異常信号を出力する。これによりスピーカ24からは警報音が発せられ、エラー表示窓14にはエラーコードが表示される。また、ホッパー装置32の動作は停止し、遊技の続行が不可能になる。なお、筺体10a内部の奥に設置されているリセットボタンを操作することにより、遊技が有効化され、再び遊技を行うことができるようになる。
なお、第2位置にあるシャッタ82を再び第1位置に戻す場合には、正常にシャッタ82がメダル送り込み通路80を閉鎖したと認識された直後、つまり、シャッタ82が正常に第2位置に移動したと認識された直後に、スタートレバー18を押下して1回のゲームが終了したとき、あるいは第1〜第3リール13a〜13cの回転が停止したとき、あるいはメダル29の貯留数を50枚以下に減らしたときに、シャッタ82を第1位置に移動させて、メダル送り込み通路80を開放すれば良い。このようにメダル送り込み通路80を開放する契機は適宜に設定可能である。
以上のように、クレジット記憶部65に記憶されている枚数が上限枚数に到達したことを契機にしてメダル送り込み通路80をシャッタ本体82bで閉鎖するようにしたので、器具77のような不正行為を行う道具をメダル投入口20から挿入することができなくなる。また、クレジット記憶部65に記憶されている枚数が上限枚数に到達したときにメダル投入口から挿入した器具77が第1メダル通路44内にある場合、器具77をシャッタ本体82bと側壁80bとで挟み込み、器具77を引き抜き難くすることができる。これにより器具77のような不正行為を行うための道具をメダル投入口から挿入するといった不正行為が抑止される。さらに、クレジット記憶部65に記憶されている枚数が上限枚数に到達してから所定時間内にシャッタ本体82bが第2位置に移動していなかった場合には不正行為が行われているものとして判定し、不正行為が行われている可能性があることを報知するとともに、遊技を強制的に中止させるようにしたので、ホールの従業員は不正行為が行われているか否かを容易に判別することができるようになり、しかも不正行為を行っている者に対して利益を与えないようにすることができる。
上述した第2の実施形態では、クレジット記憶部65に記憶されたメダル枚数が上限枚数に達したことを契機に、ソレノイド55、シャッタ用ソレノイド81、及びタイマ66を作動させたが、スタートレバー18が押下されたときに出力される遊技開始信号、ペイアウトボタン19が押下された時にCPU61から出力される信号、スロットマシン10における機械動作、遊技動作に異常がある場合にCPU61から出力される信号のいずれかに応答してソレノイド55、シャッタ用ソレノイド81、及びタイマ66を作動させても良い。
上述した第2の実施形態では、駆動鉄板55b及びシャッタ82を同時に作動させたが、メダル29の落下時間を考慮して、シャッタ82を先に作動させ、その後に駆動鉄板55bを作動させても良い。例えば、メダル投入口20から投入されたメダル29が、駆動鉄板55bの設置箇所に到達するまでの時間を考慮して、クレジット記憶部65に記憶されているメダル29の貯留数が49枚となった際に、シャッタ82を第1位置から第2位置に向けて移動させ、メダル29の貯留数が50枚となった際に、駆動鉄板55bを基準位置から閉鎖位置に向けて移動させる。また、クレジット記憶部65に記憶されているメダル29の貯留数が50枚となった際に、シャッタ82、駆動鉄板55bの順に作動させても良い。このように、シャッタ82、駆動鉄板55bの順に作動させることにより、ダル投入口20から器具77のような不正行為を行う道具を挿入された場合には、その道具を確実に捕らえることができる。
上述した第1、第2の実施形態では、駆動鉄板55bやシャッタ82をスライドさせることにより第1メダル通路44やメダル送り込み通路80を開閉するようにしたが、これに限ることなく、回転式のシャッタを用いて通路を開閉するようにしても良く、通路を開閉するための部材の形態は適宜に変更可能である。
上述した第1、第2の実施形態では、第1及び第2メダルセンサ42a、42bを反射型の光電センサとしたが、投光部からの光を受光部に当てて、該光を遮ることによりメダル29を検出する透過型の光電センサを用いても良い。例えば、図18に示すように、取付面40cに、透過型の光電センサである第1メダルセンサ90の投光部90aと、同じく透過型の光電センサである第2メダルセンサ91の投光部91aとを設け、接触壁面44dに第1メダルセンサ90の受光部90bと第2メダルセンサ91の受光部91bを設ける。さらに、投光部90a、91aに対向した位置に鏡92を設ける。鏡92の鏡面92aの向きは、投光部90aからの光が受光部90bで、投光部91aからの光が受光部91bで受光されるように設定する。このような構成にすることで、メダル29が第1メダル通路44を通過していない場合には受光部90b、91bでは常に受光が行われており、メダル29が第1メダル通路44を通過した場合には、メダル29の径方向の面で光が遮られるので、そのときに限り受光部90b、91bでは受光が行われなくなる。受光部90b、91bで受光が行われたか否かを検出することによって、第1メダル通路44をメダル29が通過したか否かを判別することができる。この場合、貫通孔44cは接触壁面44dの、振り分け装置41と受光部90bとの間に形成し、この貫通孔44cから駆動鉄板55bを突出させるようにソレノイド55を設置すれば良い。