JP2005299918A - 二輪車等のフロントフォーク - Google Patents

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Abstract

【課題】 二輪車等のフロントフォークにおいて、炭素繊維強化プラスチックパイプ製のアウタチューブの一端部に簡易にキャップを取付け可能にすること。
【解決手段】 車体側のアウタチューブ201内に、車輪側のインナチューブ202を摺動自在に挿入した二輪車等のフロントフォーク20において、前記アウタチューブ201が、炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部270を有するとともに、該本体部270の一端側に接着剤を介して嵌着される結合部321と、該結合部321が該本体部270に嵌着された状態で、該本体部270の一端部より軸方向の外側に延びる取付部322とを一体に形成した金属製のカラー320を有してなり、該カラー320の取付部322の内周に、該本体部270の一端部を閉じるキャップボルト205を締結したもの。
【選択図】 図7

Description

本発明は、炭素繊維強化プラスチックパイプ製の車体側アウタチューブを使用した二輪車等のフロントフォークに係り、特にアウタチューブに対するキャップボルトの取付構造を改良した二輪車等のフロントフォークに関する。
マウンテンバイク等のレース用のフロントフォークには、より軽量のフロントフォークが求められる。このようなニーズに対応するものとして、車体側チューブ又は車輪側チューブを炭素繊維強化樹脂(CFRP)から形成したフロントフォークが実用化されている。
特許文献1には、アウタチューブとインナチューブからなる油圧緩衝器が開示されている。アウタチューブは、CFRPパイプ11の両端の開口部の内周面に、第1、第2のカラー部材12、13を嵌挿するための大径部を形成し、この大径部の内周にアルミニウム等の金属製の第1、第2のカラー部材12、13を嵌挿している。そして、第1のカラー部材12の上端部にはフォークキャップ5を取付ける取付け部12aを形成している。
このCFRPパイプの両端の大径部は、パイプ状の心材31の両端部に第1、第2のカラー部材12、13と同じ形状をした筒状芯材32、33をそれぞれ嵌装し、シート状のCFRPを巻付けた後、芯材31〜33を取り除いて同図3(b)に示すようにCFRPパイプ11を成形し、加熱硬化後同図3(c)に示すようにCFRPパイプ11の両端部に第1、第2のカラー部材12、13を圧入接着し、更に第1、第2のカラー部材12、13の内周面を機械加工して同芯に仕上げたものである。
特開平7-54896
特許文献1の油圧緩衝器では、CFRPパイプ11の両端の開口部の内周面に、フォークキャップ5を取付けるための第1のカラー部材12を嵌挿するための大径部を形成するにあたって、筒状芯材32を使用しなければならず、多くの工数を必要とし、製作が容易でない。
また、特許文献1の油圧緩衝器では、フロントフォークに曲げ荷重が作用するとき、CFRPパイプ11において第1のカラー部材12の嵌挿端が対応する部分に曲げ応力が集中し、CFRPパイプ11の曲げ強度の向上に困難がある。
本発明の課題は、二輪車等のフロントフォークにおいて、炭素繊維強化プラスチックパイプ製のアウタチューブの一端部に簡易にキャップボルトを取付け可能にすることにある。
また、本発明の他の課題は、炭素繊維強化プラスチックパイプ製のアウタチューブの曲げ強度の向上を図ることにある。
請求項1の発明は、車体側のアウタチューブ内に、車輪側のインナチューブを摺動自在に挿入した二輪車等のフロントフォークにおいて、前記アウタチューブが、炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部を有するとともに、該本体部の一端側に接着剤を介して嵌着される結合部と、該結合部が該本体部に嵌着された状態で、該本体部の一端部より軸方向の外側に延びる取付部とを一体に形成した金属製のカラーを有してなり、該カラーの取付部の内周に、該本体部の一端部を閉じるキャップボルトを締結したものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記キャップボルトにピストンロッドの基端部を取付け、該ピストンロッドを前記インナチューブの先端部の内周に設けたロッドガイドを介してインナチューブ内に挿入し、該ピストンロッドの先端部に設けたピストン・バルブ組立体を該インナチューブ内の油室に摺動自在にし、該ピストンロッドが、該ロッドガイドとの間で、最伸張時の引張荷重を受けるものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記金属製のカラーの軸方向の一端側の内周を大径とした薄肉の結合部を形成し、該結合部を前記本体部の一端部の外周に嵌合したものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記カラーの結合部の外周に、本体部の外周と接続する滑らかなテーパ状傾斜面を形成したものである。
請求項5の発明は、請求項4の発明において更に、前記カラーの結合部の外周に形成したテーパ状傾斜面の先端部の外周に環状の厚肉部を形成したものである。
(請求項1)
「アウタチューブが、炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部を有するとともに、本体部の外周の一端側に接着剤を介して嵌着される結合部と、該結合部が本体部に嵌着された状態で、本体部の一端部より軸方向の外側に延びる取付部とを一体に形成した金属製のカラーを有してなり、カラーの取付部の内周に、本体部の一端部を閉じるキャップボルトを締結した」により、
(a)炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部の一端の内周に、金属製のカラーを取付けるための大径部等を設けず、大径部等を形成するための特別な加工を必要としない。
その結果、内径が同一の炭素繊維強化プラスチックパイプを所望の定寸に切断して使用することが可能となり、本体部の製作が容易となり、コストアップを招くことがない。
(請求項2)
「キャップボルトにピストンロッドの基端部を取付け、該ピストンロッドが、ロッドガイドとの間で、最伸張時の引張荷重を受ける」により、
(b)最伸張時にピストンロッドが受ける引張荷重は、キャップボルトを介して、カラーがアウタチューブを圧縮する方向(図の下向き)へ作用し、カラーがアウタチューブから引抜かれる方向(図の上向き)へは作用しない。その結果、カラーを本体部に接着剤で固定するだけでも、最伸張時のピストンロッドが受ける引張荷重を支持できる。
(請求項3)
(c)カラーの薄肉の結合部を本体部に結合することにより、アウタチューブの全体の軽量化を図ることができる。
(d)カラーの薄肉の結合部が、カラーの一端側の内周を大径とし、結果としてカラーの一端側の内周に段差部を形成したものにて構成される。従って、カラーの結合部を、アウタチューブの本体部の一端側の外周に嵌合するに際し、カラーの段差部がアウタチューブの一端面と広い衝合面積で安定確実に突当るものになる。これにより、最伸張時のピストンロッドが受ける上述(b)の引張荷重を、カラーとアウタチューブにより安定確実に支持できる。
(請求項4)
(e)カラーの結合部の外周をテーパ状傾斜面にしたから、カラーの結合部の肉厚をテーパ状に薄肉化するものになり、フロントフォークの軽量化を図ることができる。
(f)フロントフォークに曲げ荷重が作用し、アウタチューブの本体部であってカラーの結合部の嵌合端に対応する部分が曲ろうとするとき、カラーの結合部の嵌合端にもそのテーパ状傾斜面の薄肉の故の一定の曲がりを生ずる。これにより、アウタチューブの本体部における曲げ応力がカラーの結合部のテーパ状傾斜面の側に分散し、アウタチューブの本体部の曲げ強度を向上できる。
(請求項5)
(g)フロントフォークに曲げ荷重が作用し、アウタチューブの本体部とカラーの結合部にも曲げ荷重が作用したとき、アウタチューブが本来的には先に破断すべきところ、カラーの結合部のテーパ状傾斜面の薄肉部分が先に裂けたり、変形したり、接着剥離してしまう場合には、アウタチューブの本体部の設計上の強度予測に狂いを生じてしまう。これに対し、本発明では、カラーの結合部のテーパ状傾斜面の先端部の外周に環状厚肉部を形成したから、カラーのテーパ状傾斜面が先に破断することを回避し、アウタチューブの本体部が常に先に破断する破壊形態を確保し、アウタチューブの本体部の当初の設計強度を確保できる。
図1はフロントフォーク装置を示す全体断面図、図2は左右一方のフロントフォークを示す断面図、図3はフロントフォークのキャップボルトの取付構造を示す断面図、図4はフロントフォークのキャップの結合構造を示す断面図、図5はフロントフォークのオイルシールケースの固定構造を示す断面図、図6はフロントフォークの車軸ブラケットの結合構造を示す断面図、図7は左右他方のフロントフォークを示す断面図、図8はフロントフォークのキャップボルトの取付構造を示す断面図、図9はフロントフォークのピストン・バルブ装置を示す断面図、図10はフロントフォークのキャップの結合構造を示す断面図、図11はフロントフォークのオイルシールケースの固定構造を示す断面図、図12はフロントフォークのベースバルブ装置を示す断面図、図13はフロントフォークの車軸ブラケットの結合構造を示す断面図、図14はキャップボルト取付カラーを示す断面図、図15はキャップを示す断面図、図16はキャップを示す断面図、図17はシールケースを示す断面図、図18は車軸ブラケットを示し、(A)は側面図、(B)は断面図、図19はキャップボルト取付カラーの変形例を示し、(A)は断面図、(B)は拡大図、図20はキャップボルト取付カラーの変形例を示し(A)は断面図、(B)は拡大図である。
車両のフロントフォーク装置1は、図1に示す如く、自動二輪車、自転車等の車両の左右両側に設けられる左右のフロントフォーク10、20からなる。フロントフォーク装置1は、フロントフォーク10、20を車体側ブラケットに取付けた状態で、それらの車軸ブラケット111、207の車軸孔aに、前輪の共通の車軸の両端部が取付けられる。
左右いずれか一方のフロントフォーク10は図2〜図6に示す如く構成され、左右いずれか他方のフロントフォーク20は図7〜図13に示す如く構成される。フロントフォーク装置1は、一方のフロントフォーク10に車両が路面から受ける衝撃力を緩衝する懸架スプリング11を内蔵し、他方のフロントフォーク20に懸架スプリング11の伸縮振動を制振する減衰力発生装置21を内蔵する。フロントフォーク装置1は、懸架スプリング11の設置と減衰力発生装置21の設置をフロントフォーク10とフロントフォーク20のそれぞれに分担させ、コスト低減を図るものである。
(フロントフォーク10)(図1〜図6、図14、図15、図17)
フロントフォーク10は、図1〜図6に示す如く、上下のブラケットA、Bにより車体側に支持されるアウタチューブからなる車体側チューブ101内に、車軸に結合されるインナチューブからなる車輪側チューブ102を摺動自在に嵌合し、両チューブ101、102の間に懸架スプリング11を介装している。尚、車体側チューブ101の下端内周に後述する如くに設けたシールケース310には車輪側チューブ102の外周に摺接するブッシュ101Aが、車輪側チューブ102の上端外周には車体側チューブ101の内周に摺接するブッシュ102Aが設けられる(図5)。車体側チューブ101の下端内周のシールケース310には、車輪側チューブ102の外周に摺接する、オイルシール(シール部材)103A、ダストシール103Bも設けられる。
フロントフォーク10は、車体側チューブ101と車輪側チューブ102の内部に油室12Aとエア室12Bからなる油溜室12を設けている。
車体側チューブ101の上部開口端に後述する如くに設けたカラー320には、エア室12Bを封止するキャップボルト104が設けられる(図3)。キャップボルト104はOリング105を介してカラー320の内周に螺着される。キャップボルト104の油溜室12に臨む内面中央のボス部の内周には中空ロッド106が、ロックナット106Bを介して固定され、中空ロッド106の先端部は車輪側チューブ102の上部開口端に後述する如くに設けた中空円筒状のキャップ330の上下面の中央孔331を通って車輪側チューブ102の内部に挿入され、その挿入端にばね受107を備える。ばね受107の外周には緩衝リング107Aが嵌着されており、この緩衝リング107Aはばね受107が車輪側チューブ102の内周に当たったときの緩衝部材として機能する。キャップボルト104の内面のボス部外周の環状凹部内には、最圧縮時の緩衝作用を果たすバンプラバー104Aが設けられ、ボス部の外周にワッシャ106Aが軸方向に摺動自在に嵌挿される。
車輪側チューブ102の下端外周には車軸ブラケット111が後述する如くに設けられ、車軸ブラケット111の底部のボルト挿入孔にはOリング112を介して下端面が開口する有底円筒状のボトムキャップボルト113が液密に螺着され、車輪側チューブ102の底部を封止して形成する。ボトムキャップボルト113は、アルミニウム、マグネシウム等の軽合金からなる。ボトムキャップボルト113の先端部はOリング114を介して車輪側チューブ102の下端内周に挿着され、ボトムキャップボルト113の先端面にばね受115を備える。ボトムキャップボルト113の下端面の内周には、工具係合用の六角穴113Aが形成される。
フロントフォーク10は、車体側チューブ101の側の中空ロッド106に備えたばね受107と、車輪側チューブ102の側のボトムキャップボルト113の先端面に備えたばね受115の間に、前述の懸架スプリング11を介装している。フロントフォーク10は、懸架スプリング11と、エア室12Bに閉じ込められているエア反力に起因の気体ばねにより、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
尚、フロントフォーク10は、車輪側チューブ102の上端側でブッシュ102Aの下位となる位置に、横孔102Bを貫通し、組立時にキャップ330の中央孔331から注油される油又は油溜室12の油を車輪側チューブ102の外周と車体側チューブ101の内周の環状間隙に導き、ブッシュ101A、102A、オイルシール103Aの油による湿潤を図っている。
以下、フロントフォーク10における、(A)車体側チューブ101の構造、(B)車輪側チューブ102の構造、(C)車軸ブラケット111の結合構造、(D)キャップ330の結合構造、(E)シールケース310の固定構造、(F)キャップボルト104の取付構造について説明する。
(A)車体側アウタチューブ101の構造
フロントフォーク10はアウタチューブ101が炭素繊維強化プラスチックパイプ(CFRP)からなる本体部120を有し、本体部120の下端部の外周に、オイルシール103A等を内装した金属製のシールケース310を嵌合して備え、本体部120の上端部の外周に、キャップボルト104が取付けられる金属製のカラー320を嵌着して備える。
アウタチューブ101の本体部120は、炭素繊維強化プラスチック材のプリプレッグシートを芯型上に巻回して形成した内径が同一のパイプを定寸に切断して使用される。本体部120は、炭素繊維強化プラスチックパイプの内周をホーニング等により機械研磨して平滑にした後、無電解ニッケルメッキ(約10μ)を施し、外周については下ブラケットBに支持される部分が軸方向で大外径となるような山形状(中心軸を含む縦断面の外形輪郭)に切削加工した後、外径仕上げクロスを巻回し加工し、加熱処理して固める。
(B)車輪側インナチューブ102の構造
フロントフォーク10はインナチューブ102が炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部130を有し、本体部130の下端部の外周に、金属製の車軸ブラケット111を嵌着して備え、本体部130の上端部の内周に金属製のキャップ330を嵌着して備える。
インナチューブ102の本体部130は、炭素繊維強化プラスチックパイプ材のプリプレッグシートを芯型上に巻回して形成した内径が同一のパイプを定寸に切断して使用される。本体部130の内周は、炭素繊維強化プラスチックパイプの内周にホーニング等の機械研磨を施して平滑にした後、無電解ニッケルメッキ(約5μ)を施したものである。本体部130の外周は、炭素繊維強化プラスチックパイプの外周にセンタレス等の機械研磨を施して平滑にした後、無電解ニッケルメッキ(約5μ)を施し、その後該無電解ニッケルメッキの外周に電解ニッケルメッキまたは電解ニッケルクロムメッキ(約100μ)を施し、更に、外周をセンタレス等の機械研磨を施して面粗度を向上させた後、該ニッケルメッキ又はニッケルクロムメッキの外周にTiN、TiO等のチタンメッキを施す。
インナチューブ102の本体部130は、上下端部のそれぞれの周上に、180度の位相をもつ2位置(直径上の2位置)に、車軸ブラケット111、キャップ330の係合ピン141、142が挿入される径方向の貫通孔131、132を形成してある。
本体部130は、上端外周に前述のブッシュ102Aを係着するための環状凹部133を切削加工により備え、環状凹部133の直下に前述の横孔102Bを穿設して備える。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)インナチューブ102の本体部130の内周をホーニング等の機械研磨を施して平滑にした後、無電解ニッケルメッキ(約5μ)を施し、本体部130の剛性を確保することができる。
(b)インナチューブ102の本体部130の外周に、機械研磨を施した後、無電解ニッケルメッキを施し、無電解ニッケルメッキの上に電解ニッケルメッキ又は電解ニッケルクロムメッキ(約100μ)を施して、更に、外周をセンタレス等により研磨して、アウタチューブ(車体側チューブ101)の下部のブッシュ101Aとの摺動面の面粗度を向上するとともに、剛性も確保できる。
(C)車軸ブラケット111の結合構造
フロントフォーク10は、図6に示す如く、車輪側チューブ102における本体部130の下端部の外周に、金属製の車軸ブラケット111を接着剤を介して嵌着し、車軸ブラケット111と本体部130に貫通する貫通孔111A、131を形成し、この貫通孔111A、131にピン141を挿入し、車軸ブラケット111と本体部130を軸方向及び径方向に結合する。
貫通孔111A、131は、車軸ブラケット111、本体部130の周上に180度の位相をもつ位置、換言すれば直径上の2位置に形成される。
ピン141は、接着剤にて貫通孔111A、131に固着される。
尚、車軸ブラケット111はアルミニウム、マグネシウム等の軽合金よりなる。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部130に、径方向の貫通孔131を形成するための穴加工をするだけで良く、ねじ部を形成するためのネジ切り加工をする場合に比較して炭素繊維がめくれたり、はがれたりすることが少ない。一端にねじ切り加工を施すための大径部を備えた金属パイプを使用しないので、金属パイプを使用しない分、一層の軽量化を図ることができる。
(b)ピン141は、車軸ブラケット111に対し、炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部130を軸方向及び径方向に固定する。従って、本体部130と車軸ブラケット111の結合部に、大きな抜け強度とねじり強度を確保できる。
(c)2本のピン141を180度の位相で炭素繊維強化プラスチックパイプに挿入し、本体部130と車軸ブラケット111を固定することにより、炭素繊維強化プラスチックパイプへの応力集中を均等に分散できる。
(d)ピン141が貫通孔111A、131から抜け出ることを防止できる。
(D)キャップ330の結合構造
フロントフォーク10は、図4に示す如く、車輪側チューブ102における本体部130の上端部の内周に、上下面に中央孔331を有する中空円筒状の金属製のキャップ330(図15)を接着剤を介して嵌着し、キャップ330とインナチューブ102の本体部130に貫通する径方向の貫通孔332、132を形成し、この貫通孔332、132にピン142を挿入し、キャップ330と本体部130を軸方向及び径方向に係合する。
貫通孔322、132は、キャップ330、本体部130の周上に180度の位相をもつ位置、換言すれば直径上の2位置に形成される。
ピン142は、接着剤にて貫通孔332、132に固着される。
尚、キャップ330はアルミニウム、マグネシウム等の軽合金よりなる。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部130に、貫通孔132を形成するための穴加工をするだけで良く、ねじ部を形成するためのネジ切り加工をする場合に比較して炭素繊維がめくれたり、はがれたりすることが少ない。一端にねじ切り加工を施すための大径部を備えた金属パイプを使用しないので、金属パイプを使用しない分、一層の軽量化を図ることができる。
(b)ピン142は、キャップ330に対し、炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部130を軸方向及び径方向に固定する。従って、本体部130とキャップ330の結合部に、大きな抜け強度を確保できる。
(c)2本のピン142を180度の位相で炭素繊維強化プラスチックパイプに挿入し、本体部130とキャップ330を固定することにより、炭素繊維強化プラスチックパイプへの応力集中を均等に分散できる。
(d)ピン142が貫通孔332、132から抜け出ることを防止できる。
(E)シールケース310の固定構造
フロントフォーク10は、図5に示す如く、車体側アウタチューブ101における本体部120の下端部の外周に、オイルシール103A等を内装した金属製のシールケース310を嵌合してある。本体部120の少なくとも下端部が軸方向に関して同一の内径に形成されてなり、本体部120の下端部の外周に、シールケース310を接着剤を介して嵌着する。シールケース310の内周であって、オイルシール103Aの装填位置より軸方向の内側(ダストシール103Bの反対側)となる位置に、車輪側チューブ102を案内するブッシュ101Aが嵌着される。車体側チューブ101に対するシールケース310の固定部は、車輪側チューブ102におけるような引抜き荷重が作用しないから、接着剤以外のピン等の別途の結合手段を必要としない。
シールケース310は、図17に示す如く、軸方向の上端側の内周を大径とし、CFRP製の本体部120より薄肉の結合部311を形成し、この結合部311を本体部120の下端部の外周に嵌着する。
シールケース310は、図17に示す如く、結合部311の外周に、本体部120の外周と接続する滑らかなテーパ状傾斜面311Aを形成して備える。傾斜面311Aは、結合部311の軸方向長さの1/3以上の長さに渡り、結合部311の端面が本体部120に及ぼす曲げ応力を分散する。
シールケース310は、図17に示す如く、ブッシュ101Aの装填部の背面部となる外周に、結合部311の外径より小径の薄肉環状部312を形成してある。
尚、シールケース310はアルミニウム、マグネシウム等の軽合金よりなる。
本実施例によれば、以下の作用効果を奏する。
(a)本体部120の一端部に、接着剤にてシールケース310を固着し、このシールケース310の内側にブッシュ101Aを嵌着したので、炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部120の一端部には、ブッシュ101Aを嵌着するための拡径部を形成する必要がなくなり、同一内径のCFRPパイプを所望の長さに切断して使用することができる。
その結果、炭素繊維強化プラスチック材のプリプレッグシートを芯型上に巻回する際における、皺の発生のおそれがなくなり、また、拡径部を設けない分、安価に製作できる。
(b)シールケース310が、薄肉の結合部311を介して車体側チューブ101の本体部120の外周に嵌着することにより、本体部120とシールケース310の嵌着部の剛性を下げることができる。その結果、フロントフォーク10における前方からの衝撃の吸収性を向上できる。
(c)結合部311の外周に、本体部120の外周と接続する滑らかなテーパ状傾斜面311Aを形成したので、シールケース310の端部が車体側チューブ101の本体部120に及ぼす曲げ応力を分散できる。
(d)シールケース310の剛性を小径の環状部312により下げることができる。
その結果、オイルシールリップやダストシールリップの車輪側チューブ102の外周への追従性を向上でき、オイルの外部への漏洩や、ダストの内部への侵入を防止できる。
(F)キャップボルト104の取付構造
フロントフォーク10は、図3に示す如く、車体側チューブ101における本体部120の上端部の外周に、キャップボルト104が取付けられる金属製のカラー320が結合される。カラー320は、図14に示す如く、本体部120の上端側に接着剤を介して嵌着される結合部321と、結合部321が本体部120に嵌着された状態で、本体部120の上端部より軸方向の外側に延びる取付部322とを一体に形成して備える。カラー320の取付部322の内周に、本体部120の上部開口端を閉じるキャップボルト104がOリング105を介して挿着され、かつ螺着されて取付けられる。
カラー320は、図14に示す如く、軸方向の下端側の内周を大径とした薄肉の結合部321を形成し、この結合部321を本体部120の上端部の外周に嵌合する。
カラー320の内周であって、結合部321と取付部322との間には段差部323が形成され、この段差部323に車体側チューブ101の本体部120の上端部の端面が当接する。カラー320における薄肉の結合部321は本体部120より薄肉に形成されている。
カラー320は、図14に示す如く、結合部321の外周に、本体部120の外周と接続する滑らかなテーパ状傾斜面321Aを形成して備える。
カラー320は、図19に示す如く、結合部321の外周に形成したテーパ状傾斜面321Aの先端部の外周に環状厚肉部(環状リブ)321Bを形成することもできる。
尚、カラー320はアルミニウム、マグネシウム等の軽合金からなる。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部120の一端の内周に、金属製のカラー320を取付けるための大径部等を設けず、大径部等を形成するための特別な加工を必要としない。
その結果、内径が同一の炭素繊維強化プラスチックパイプを所望の定寸に切断して使用することが可能となり、本体部120の製作が容易となり、コストアップを招くことがない。
(b)車体側アウタチューブ101の本体部120の一端側の外周に、金属製のカラー320を結合したので、車輪側のインナチューブ102の摺動ストロークが制限されることもない。
(c)カラー320の薄肉の結合部321を本体部120に結合することにより、車体側チューブ101の全体の軽量化を図ることができる。
(d)カラー320の結合部321の外周をテーパ状傾斜面321Aにしたカラー320、カラー320の結合部321の肉厚をテーパ状に薄肉化するものになり、フロントフォーク10の軽量化を図ることができる。
(e)フロントフォーク10に曲げ荷重が作用し、車体側チューブ101の本体部120であってカラー320の結合部321の嵌合端に対応する部分が曲ろうとするとき、カラー320の結合部321の嵌合端にもそのテーパ状傾斜面321Aの薄肉の故の一定の曲がりを生ずる。これにより、車体側チューブ101の本体部120における曲げ応力がカラー320の結合部321のテーパ状傾斜面321Aの側に分散し、車体側チューブ101の本体部120の曲げ強度を向上できる。
(f)フロントフォーク10に曲げ荷重が作用し、車体側チューブ101の本体部120とカラー320の結合部321にも曲げ荷重が作用したとき、車体側チューブ101が本来的には先に破断すべきところ、カラー320の結合部321のテーパ状傾斜面321Aの薄肉部分が先に裂けたり、変形したり、接着剥離してしまう場合には、車体側チューブ101の本体部120の設計上の強度予測に狂いを生じてしまう。これに対し、本発明では、カラー320の結合部321のテーパ状傾斜面321Aの先端部の外周に環状厚肉部321Bを形成したカラー320、カラー320のテーパ状傾斜面321Aが先に破断することを回避し、車体側チューブ101の本体部120が常に先に破断する破壊形態を確保し、車体側チューブ101の本体部120の当初の設計強度を確保できる。
(フロントフォーク20)(図7〜図14、図16〜図18)
フロントフォーク20は、図7に示す如く、上下のブラケットA、Bにより車体側に支持されるアウタチューブからなる車体側チューブ201内に、車軸に支持されるインナチューブからなる車輪側チューブ202を摺動自在に嵌合し、単筒形ダンパ204を正立にして形成している。即ち、ダンパ204は、後に詳述する如く、ピストンロッド211を車体側チューブ201に取付けて構成される。尚、車体側チューブ201の下端内周に後述する如くに設けたシールケース310には車輪側チューブ202の外周に摺接するブッシュ201Aが、車輪側チューブ202の上端外周には車体側チューブ201の内周に摺接するブッシュ202Aが設けられる(図11)。車体側チューブ201の下端内周のシールケース310には、車輪側チューブ202の外周に摺接する、オイルシール(シール部材)203A、ダストシール203Bも設けられる。
車体側チューブ201の上端部に後述する如くに設けたカラー320にはキャップボルト205が設けられる(図8)。キャップボルト205は、Oリング206を介してカラー320の内周に挿入されて螺着される。
車輪側チューブ202の下端外周には車軸ブラケット207が後述する如くに設けられ、車軸ブラケット207の底部のボルト挿入孔にはOリング208を介して下端面が開口する中空円筒状のボトムキャップボルト209が液密に螺着され、車輪側チューブ202の底部を封止して形成する。ボトムキャップボルト209の先端部はOリング210を介して車輪側チューブ202の下端内周に挿着される。
フロントフォーク20は、車体側チューブ201の内部で、ダンパ204の上部空間をエア室22とし、キャップボルト205のエア室22に臨む内面の中央部にはダンパ204のピストンロッド211の基端部が、ロックナット211Bを介して固定されている。ピストンロッド211の先端部は車輪側チューブ202の上部開口端の内周に後述する如くに、キャップ212の下部に一体に設けたロッドガイド部212F内周のブッシュ212Aで支持され、シール部材212Bを貫通して車輪側チューブ202の内部に挿入される(図10)。ピストンロッド211の先端部にはピストン・バルブ組立体を構成する後述のメインピストン232が固定され、このメインピストン232を車輪側チューブ202の内部の後述する油室233A、233Bに摺動自在にする。キャップボルト205の内面のボス部外周の環状凹部内には、最大圧縮時の緩衝作用を果たすバンプラバー205Aが設けられ、ボス部の外周にワッシャ211Aが軸方向に摺動自在に嵌挿される。
尚、ロッドガイド部212Fのシール部材212Bはシール押え212Cに保持され、車輪側チューブ202の後述する油室233Bを密封する。また、ロッドガイド部212Fの下端部には、後述するリバウンドスプリング213が衝合するリバウンドストッパ214が固着される。
フロントフォーク10における懸架スプリング11及びエア室12Bの気体ばねと、フロントフォーク20におけるエア室22の気体ばねが、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
ダンパ204は、フロントフォーク20の減衰力発生装置21を構成する、ピストンバルブ装置230と、ベースバルブ装置250とを有している。ダンパ204は、ピストンバルブ装置230とベースバルブ装置250の発生する減衰力により、フロントフォーク10の懸架スプリング11と、フロントフォーク10、20の気体ばねによる衝撃力の吸収に伴う、フロントフォーク10のチューブ101、102、フロントフォーク20のチューブ201、201の伸縮振動を抑制する。
(ピストンバルブ装置230)
ピストンバルブ装置230(ピストン・バルブ組立体)は、図9に示す如く、ピストンロッド211の先端部にピストンホルダ231Aを装着し、このピストンホルダ231Aにナット231B等によりメインピストン232を保持している。メインピストン232は、車輪側チューブ202の内部をピストンロッド211が収容されないピストン側油室233Aとピストンロッド211が収容されるロッド側油室233Bとに区画し、該車輪側チューブ202の内部を摺動する。メインピストン232は、上下のピストン232A、232Bの組立体であり、多数枚の板バルブをピラミッド状に積層した伸側板バルブ234Aを備えてピストン側油室233Aとロッド側油室233Bとを連絡可能とする伸側ポート234と、中高速用圧側板バルブ235Aと低速用圧側板バルブ235Bとを備えてピストン側油室233Aとロッド側油室233Bとを連絡可能とする圧側ポート235とを備える。
尚、ピストンバルブ装置230は、ピストンホルダ231Aに、圧側板バルブ235A、235B、メインピストン232(上下のピストン232A、232B)、伸側板バルブ234A、バルブストッパ234Bを挿着し、これらをナット231Bにより保持している。
また、ピストンバルブ装置230は、キャップボルト205に液密に挿着されたアジャスタ236に結合されている減衰力調整ロッド237をピストンロッド211の中空部に通し、アジャスタ236の回転操作により軸方向に進退する減衰力調整ロッド237の先端のニードル237Aにより、ピストンホルダ231Aに設けてあるピストン側油室233Aとロッド側油室233Bとのバイパス路238の流路面積を調整可能とする。239はアジャスタ236に内蔵したディテント機構部であり、ばねにより付勢されたボールをキャップボルト205に設けたディテント凹部に係合させ、アジャスタ236を回転方向の複数位置に節度感をもって順に位置付け可能とする。
(ベースバルブ装置250)
ベースバルブ装置250は、図12に示す如く、車輪側チューブ202の下端部の車軸ブラケット207に螺着されている前述のボトムキャップボルト209にロックナット209Aを介してガイドパイプ251を螺着し、ガイドパイプ251の先端部にハウジングホルダ251Aを螺着し、このハウジングホルダ251Aにナット251B等によりサブピストン252を保持している。サブピストン252は車輪側チューブ202の内部で前述のメインピストン232に相対するように固定配置され、車輪側チューブ202の内周部に液密に接し、前述のピストン側油室233Aの下方にベースバルブ室253の油室253Aを区画形成する。サブピストン252は、多数枚の板バルブをピラミッド状に積層した中高速用圧側板バルブ254Aを備えてピストン側油室233Aとベースバルブ室253の油室253Aとを連絡可能とする圧側ポート254と、伸側板バルブ255A(チェックバルブ)を備えてピストン側油室233Aとベースバルブ室253の油室253Aとを連絡可能とする伸側ポート255とを備える。また、ハウジングホルダ251Aは、圧側ポート254と伸側ポート255とをバイパスしてピストン側油室233Aとベースバルブ室253の油室253Aとを連絡可能とするバイパス流路256を備える。
尚、ベースバルブ装置250は、ハウジングホルダ251Aに、バルブストッパ254B、圧側板バルブ254A、サブピストン252、伸側板バルブ255A、バルブストッパ255Bを挿着し、これらをナット251Bにより保持している。
ボトムキャップボルト209に螺合された減衰力調整ロッド258は、アジャスタ259を備えるとともに、ガイドパイプ251に挿入され、アジャスタ259の回転操作により軸方向に進退する先端のニードル258Aによりバイパス流路256の流路面積を調整可能とする。260はアジャスタ259に内蔵したディテント機構部であり、ばねにより付勢されたボールをボトムキャップボルト209に設けたディテント凹部に係合させ、アジャスタ259を回転方向の複数位置に節度感を持って順に位置付け可能とする。
尚、ハウジングホルダ251Aは、バイパス流路256のニードル258Aにより開閉される流路面積調整部より油室253A側に、分岐流路256Aを設けてある。ハウジングホルダ251Aにおいて分岐流路256Aがベースバルブ室253の油室253Aに開口する部分には低速用圧側板バルブ254Cが設けられる。
また、ベースバルブ装置250は、車輪側チューブ202の内部に、該車輪側チューブ202とガイドパイプ251に沿ってOリング260A、シール部材260Bを介して液密に摺動するフリーピストン型の可動隔壁部材261を備える。隔壁部材261は、ベースバルブ室253のサブピストン252の側でピストン側油室233Aに連通している油室253Aと、ボトムキャップボルト209の側の体積補償室253Bとを区画する。体積補償室253Bは、内部にエアを封入される。尚、スプリング262が、最大伸張時に僅かな初期荷重を有するように、隔壁部材261とボトムキャップボルト209との間に介装される。
車輪側チューブ202内にピストンロッド211が進入する圧縮時に、このスプリング262が収縮し、このときのスプリング262のばね荷重分だけ、車輪側チューブ202内の油室が加圧され、伸張時における車輪側チューブ内油室のキャビテーションの発生を防止し、また伸張時に続く圧縮時の減衰力発生の遅れ(さぼり)も回避する。
従って、フロントフォーク20は以下の如くに減衰作用を行なう。
(圧縮時)
フロントフォーク20の圧縮時には、ピストン速度の極低速時に、ベースバルブ装置250においてサブピストン252のニードル258Aを流れる油により圧側減衰力を生じ、低速時には、ピストンバルブ装置230においてメインピストン232の低速用圧側板バルブ235Bを流れる油により圧側減衰力を生じ、かつベースバルブ装置250においてサブピストン252の低速用圧側板バルブ254Cを流れる油により圧側減衰力を生じ、中高速時に、ピストンバルブ装置230においてメインピストン232の中高速用圧側板バルブ235Aを流れる油により圧側減衰力を生じ、かつベースバルブ装置250においてサブピストン252の圧側板バルブ254Aを流れる油により圧側減衰力を生ずる。
(伸張時)
フロントフォーク20の伸張時には、ピストン速度の低速時に、ピストンバルブ装置230においてメインピストン232のニードル237Aを流れる油により伸側減衰力を生じ、中高速時に、ピストンバルブ装置230においてメインピストン232の伸側板バルブ234Aを流れる油により伸側減衰力を生じ、ベースバルブ装置250では殆ど減衰力を生じない。
これらの圧側と伸側の減衰力により、フロントフォーク10とフロントフォーク20の伸縮振動が抑制される。
フロントフォーク20(フロントフォーク10も同じ)の最圧縮時には、キャップ212(330)上端面が、ワッシャ211A(106A)との衝合を介して、キャップボルト205(104)の内側に収容してあるバンプラバー205A(104A)を圧縮し、最圧縮時の緩衝作用を果たす。
フロントフォーク20の最伸張時には、ピストンホルダ231Aの上端側に係止してあるリバウンドスプリング213が、ロッドガイド部212Fのリバウンドストッパ214に衝合し、伸び切りの緩衝作用を果たす。
尚、フロントフォーク20は、車輪側チューブ202の上端側でブッシュ202Aの下位となる位置に、横孔202Bを貫通し、組立時にキャップ212の注油孔212Dから注油される油を車輪側チューブ202の外周と車体側チューブ201の内周の環状間隙に導き、ブッシュ201A、202A、オイルシール203Aの油による湿潤を図っている。
以下、フロントフォーク20における、(A)車体側チューブ201の構造、(B)車輪側チューブ202の構造、(C)車軸ブラケット207の結合構造、(D)キャップ212の結合構造、(E)シールケース310の固定構造、(F)キャップボルト205の取付構造について説明する。
(A)車体側アウタチューブ201の構造
フロントフォーク20は車体側アウタチューブ201が炭素繊維強化プラスチックパイプ(CFRP)からなる本体部270を有し、本体部270の下端部の外周に、オイルシール203A等を内装した金属製のシールケース310を嵌合して備え、本体部270の上端部の外周に、キャップボルト205が取付けられる金属製のカラー320を嵌着して備える。
アウタチューブ201の本体部270は、炭素繊維強化プラスチック材のプリプレッグシートを芯型上に巻回して形成した内径が同一のパイプを定寸に切断して使用される。本体部270は、炭素繊維強化プラスチックパイプの内周をホーニング等により機械研磨して平滑にした後、無電解ニッケルメッキ(約10μ)を施し、インナチューブ202の先端のブッシュ202Aが摺動する摺動面を確保した後、外周については、下ブラケットBに支持される部分が軸方向で大外径となるような山形状(中心軸を含む縦断面の外形輪郭)に切削加工した後、外径仕上げクロスを巻回し加工し、加熱処理して固める。
(B)車輪側インナチューブ202の構造
フロントフォーク20は車輪側インナチューブ202が炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部280を有し、本体部280の下端部の外周に、金属製の車軸ブラケット207を嵌着して備え、本体部280の上端部の内周に金属製のキャップ212を嵌着して備える。
インナチューブ202の本体部280は、炭素繊維強化プラスチックパイプ材のプリプレッグシートを芯型上に巻回して形成した内径が同一のパイプを定寸に切断して使用される。本体部280の内周は、炭素繊維強化プラスチックパイプの内周にホーニング等の機械研磨を施した後、無電解ニッケルメッキ(約5μ)を施したものである。本体部280の外周は、炭素繊維強化プラスチックパイプの外周にセンタレス等の機械研磨を施した後、無電解ニッケルメッキを施し、その後該無電解ニッケルメッキの外周に、電解ニッケルメッキ又は電解ニッケルクロムメッキを施し、更に、外周をセンタレス等で機械研磨した後、該ニッケルメッキ又は電解ニッケルクロムメッキの外周にTiN、TiO等のチタンメッキを施す。
インナチューブ202の本体部280は、上下端部のそれぞれの周上に、180度の位相をもつ2位置(直径上の2位置)に、車軸ブラケット207、キャップ212の係合ピン291、292が挿入される貫通孔281、282を形成してある。
本体部280は、上端外周に前述のブッシュ102Aを係着するための環状凹部133を備え、環状凹部133の直下に前述の横孔102Bを備える。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)インナチューブ202の本体部280の内周に無電解ニッケルメッキを施してメインピストン232の摺動面を形成することができるとともに、本体部280の剛性を確保することができる。
(b)本体部280の外周に無電解ニッケルメッキ(約5μ)を施した後、電解ニッケルメッキ又は電解ニッケルクロムメッキ(約100μ)を施し、外周を機械研磨してアウタチューブ(車体側チューブ201)との摺動面の面粗度を確保するとともに、剛性も確保できる。
(C)車軸ブラケット207の結合構造
フロントフォーク20は、図13、図18に示す如く、車輪側チューブ202における本体部280の下端部の外周に、金属製の車軸ブラケット207を接着剤を介して嵌着し、車軸ブラケット207と本体部280に径方向に貫通する貫通孔207A、281を形成し、この貫通孔207A、281にピン291を挿入し、車軸ブラケット207と本体部280を軸方向及び径方向に結合する。
貫通孔207A、281は、車軸ブラケット207、本体部280の周上に180度の位相をもつ位置、換言すれば直径上の2位置に形成される。
ピン291は、接着剤にて貫通孔207A、281に固着される。
尚、車軸ブラケット207はアルミニウム、マグネシウム等の軽合金よりなる。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部280に、貫通孔281を形成するための穴加工をするだけで良く、ねじ部を形成するためのネジ切り加工をする場合に比較して炭素繊維がめくれたり、はがれたりすることが少ない。一端にねじ切り加工を施すための大径部を備えた金属パイプを使用しないので、金属パイプを使用しない分、一層の軽量化を図ることができる。
(b)ピン291は、車軸ブラケット207に対し、炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部280を軸方向及び径方向に固定する。従って、本体部280と車軸ブラケット207の結合部に、大きな抜け強度とねじり強度を確保できる。
(c)2本のピン291を180度の位相で炭素繊維強化プラスチックパイプに挿入し、本体部280と車軸ブラケット207を固定することにより、炭素繊維強化プラスチックパイプへの応力集中を均等に分散できる。
(d)ピン291が貫通孔207A、281から抜け出ることを防止できる。
(D)キャップ212の結合構造
フロントフォーク20は、図10、図16に示す如く、車輪側インナチューブ202における本体部280の上端部の内周に、金属製のキャップ212の下部のロッドガイド部212Fの下端外周をOリング341を介し、その上端外周を接着剤を介して嵌着し、キャップ212と本体部280に径方向に貫通する貫通孔342、282を形成し、この貫通孔342、282にピン292を挿入し、キャップ212と本体部280を軸方向及び径方向に係合する。尚、キャップ212は、下端外周と上端外周を本体部280の内周に嵌合する大径部とし、中間部外周を細径部とし、この細径部の外周を注油孔212Dから横孔202Bへの注油路とする。
貫通孔322、132は、キャップ212、本体部280の周上に180度の位相をもつ位置、換言すれば直径上の2位置に形成される。
ピン292は、接着剤にて貫通孔342、282に固着される。
尚、キャップ212はアルミニウム、マグネシウム等の軽合金よりなる。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部280に、貫通孔132を形成するための穴加工をするだけで良く、ねじ部を形成するためのネジ切り加工をする場合に比較して炭素繊維がめくれたり、はがれたりすることが少ない。一端にねじ切り加工を施すための大径部を備えた金属パイプを使用しないので、金属パイプを使用しない分、一層の軽量化を図ることができる。
(b)ピン292は、キャップ212に対し、炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部280を軸方向及び径方向に固定する。従って、本体部280とキャップの結合部に、大きな抜け強度を確保できる。
(c)2本のピン292を180度の位相で炭素繊維強化プラスチックパイプに挿入し、本体部280とキャップを固定することにより、炭素繊維強化プラスチックパイプへの応力集中を均等に分散できる。
(d)ピン292が貫通孔342、282から抜け出ることを防止できる。
(E)シールケース310の固定構造
フロントフォーク20は、図11に示す如く、車体側チューブ201における本体部270の下端部の外周に、オイルシール203A等を内装した金属製のシールケース310を嵌合してある。本体部270の少なくとも下端部が軸方向に関して同一の内径に形成されてなり、本体部270の下端部の外周に、シールケース310を接着剤を介して嵌着する。シールケース310の内周であって、オイルシール203Aの装填位置より軸方向の内側(ダストシール203Bの反対側)となる位置に、車輪側チューブ202を案内するブッシュ201Aが嵌着される。車体側チューブ201に対するシールケース310の固定部は、車輪側チューブ202におけるような引抜き荷重が作用しないから、接着剤以外のピン等の別途の結合手段を必要としない。
シールケース310は、図17に示す如く、軸方向の上端側の内周を大径とした薄肉の結合部311を形成し、この結合部311を本体部270の下端部の外周に嵌着する。
シールケース310は、図17に示す如く、結合部311の外周に、本体部270の外周と接続する滑らかなテーパ状傾斜面311Aを形成して備える。傾斜面311Aは、結合部311の軸方向長さの1/3以上の長さに渡り、結合部311の端面が本体部270に及ぼす曲げ応力を分散する。
シールケース310は、図17に示す如く、ブッシュ201Aの装填部の背面部となる外周に、結合部311の外径より小径の薄肉環状部312を形成してある。
尚、シールケース310はアルミニウム、マグネシウム等の軽合金よりなる。
本実施例によれば、以下の作用効果を奏する。
(a)本体部270の一端部に、接着剤にてシールケース310を固着し、このシールケース310の内側にブッシュ201Aを嵌着したので、炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部270の一端部には、ブッシュ201Aを嵌着するための拡径部を形成する必要がなくなり、同一内径のCFRPパイプを所望の長さに切断して使用することができる。
その結果、炭素繊維強化プラスチック材のプリプレッグシートを芯型上に巻回する際における、皺の発生のおそれがなくなり、また、拡径部を設けない分、安価に製作できる。
(b)シールケース310が結合部311を介して車体側チューブ201の本体部270の外周に嵌着することにより、本体部270とシールケース310の嵌着部の剛性を下げることができる。その結果、フロントフォーク20における前方からの衝撃の吸収性を向上できる。
(c)シールケース310の端部が車体側チューブ201の本体部270に及ぼす曲げ応力を分散できる。
(d)シールケース310の剛性を小径の環状部312により下げることができる。
その結果、オイルシールリップやダストシールリップの車輪側チューブ202の外周への追従性を向上でき、オイルの外部への漏洩や、ダストの内部への侵入を防止できる。
(F)キャップボルト205の取付構造
フロントフォーク20は、図8に示す如く、車体側チューブ201における本体部270の上端部の外周に、キャップボルト205が取付けられる金属製のカラー320が結合される。カラー320は、図14に示す如く、本体部270の上端側に接着剤を介して嵌着される結合部321と、結合部321が本体部270に嵌着された状態で、本体部270の上端部より軸方向の外側に延びる取付部322とを一体に形成して備える。カラー320の取付部322の内周に、本体部270の上部開口端を閉じるキャップボルト205がOリング206を介して挿着され、かつ螺着されて取付けられる。
フロントフォーク20は、キャップボルト205にピストンロッド211の基端部を取付け、ピストンロッド211を車輪側チューブ202の上端部の内周に設けたキャップ212を介して車輪側チューブ202の内部に挿入し、ピストンロッド211の先端部に設けたピストンバルブ装置230のメインピストン232を車輪側チューブ202内の油室233A、233Bに摺動自在にする。ピストンロッド211(ピストンホルダ231A)は、ロッドガイド部212Fの下端のリバウンドストッパ214との間で、リバウンドスプリング213を挟圧し、最伸張時の引張荷重を受ける。
カラー320は、図14に示す如く、軸方向の下端側の内周を大径とした薄肉の結合部321を形成し、この結合部321を本体部270の上端部の外周に嵌合する。
カラー320の内周であって、結合部321と取付部322との間には段差部323が形成され、この段差部323に車体側チューブ201の本体部270の上端部の端面が当接する。カラー320における薄肉の結合部321は本体部270より薄肉に形成されている。
カラー320は、図14に示す如く、結合部321の外周に、本体部270の外周と接続する滑らかなテーパ状傾斜面321Aを形成して備える。
カラー320は、図20に示す如く、結合部321の外周に形成したテーパ状傾斜面321Aの先端部の外周に環状厚肉部(環状リブ)321Bを形成することもできる。
尚、カラー320はアルミニウム、マグネシウム等の軽合金からなる。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部270の一端の内周に、金属製のカラー320を取付けるための大径部等を設けず、大径部等を形成するための特別な加工を必要としない。
その結果、内径が同一の炭素繊維強化プラスチックパイプを所望の定寸に切断して使用することが可能となり、本体部270の製作が容易となり、コストアップを招くことがない。
(b)最伸張時にピストンロッド211が受ける引張荷重は、キャップボルト205を介して、カラー320が車体側チューブ201を圧縮する方向(図の下向き)へ作用し、カラー320が車体側チューブ201から引抜かれる方向(図の上向き)へは作用しない。その結果、カラー320を本体部270に接着剤で固定するだけでも、最伸張時のピストンロッド211が受ける引張荷重を支持できる。
(c)カラー320の薄肉の結合部321を本体部270に結合することにより、車体側チューブ201の全体の軽量化を図ることができる。
(d)カラー320の薄肉の結合部321が、カラー320の一端側の内周を大径とし、結果としてカラー320の一端側の内周に段差部323を形成したものにて構成される。従って、カラー320の結合部321を、車体側チューブ201の本体部270の一端側の外周に嵌合するに際し、カラー320の段差部323が車体側チューブ201の一端面と広い衝合面積で安定確実に突当るものになる。これにより、最伸張時のピストンロッド211が受ける上述(b)の引張荷重を、カラー320と車体側チューブ201により安定確実に支持できる。
(e)カラー320の結合部321の外周をテーパ状傾斜面321Aにしたカラー320、カラー320の結合部321の肉厚をテーパ状に薄肉化するものになり、フロントフォーク20の軽量化を図ることができる。
(f)フロントフォーク20に曲げ荷重が作用し、車体側チューブ201の本体部270であってカラー320の結合部321の嵌合端に対応する部分が曲ろうとするとき、カラー320の結合部321の嵌合端にもそのテーパ状傾斜面321Aの薄肉の故の一定の曲がりを生ずる。これにより、車体側チューブ201の本体部270における曲げ応力がカラー320の結合部321のテーパ状傾斜面321Aの側に分散し、車体側チューブ201の本体部270の曲げ強度を向上できる。
(g)フロントフォーク20に曲げ荷重が作用し、車体側チューブ201の本体部270とカラー320の結合部321にも曲げ荷重が作用したとき、車体側チューブ201が本来的には先に破断すべきところ、カラー320の結合部321のテーパ状傾斜面321Aの薄肉部分が先に裂けたり、変形したり、接着剥離してしまう場合には、車体側チューブ201の本体部270の設計上の強度予測に狂いを生じてしまう。これに対し、本発明では、カラー320の結合部321のテーパ状傾斜面321Aの先端部の外周に環状厚肉部321Bを形成したカラー320、カラー320のテーパ状傾斜面321Aが先に破断することを回避し、車体側チューブ201の本体部270が常に先に破断する破壊形態を確保し、車体側チューブ201の本体部270の当初の設計強度を確保できる。
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1はフロントフォーク装置を示す全体断面図である。 図2は左右一方のフロントフォークを示す断面図である。 図3はフロントフォークのキャップの取付構造を示す断面図である。 図4はフロントフォークのキャップの結合構造を示す断面図である。 図5はフロントフォークのオイルシールケースの固定構造を示す断面図である。 図6はフロントフォークの車軸ブラケットの結合構造を示す断面図である。 図7は左右他方のフロントフォークを示す断面図である。 図8はフロントフォークのキャップの取付構造を示す断面図である。 図9はフロントフォークのピストン・バルブ装置を示す断面図である。 図10はフロントフォークのキャップの結合構造を示す断面図である。 図11はフロントフォークのオイルシールケースの固定構造を示す断面図である。 図12はフロントフォークのベースバルブ装置を示す断面図である。 図13はフロントフォークの車軸ブラケットの結合構造を示す断面図である。 図14はキャップ取付カラーを示す断面図である。 図15はキャップを示す断面図である。 図16はキャップを示す断面図である。 図17はシールケースを示す断面図である。 図18は車軸ブラケットを示し、(A)は側面図、(B)は断面図である。 図19はキャップボルト取付カラーの変形例を示し、(A)は断面図、(B)は拡大図である。 図20はキャップボルト取付カラーの変形例を示し(A)は断面図、(B)は拡大図である。
符号の説明
10、20 フロントフォーク
101、201 アウタチューブ
102、202 インナチューブ
104、205 キャップ
120、270 本体部
211 ピストンロッド
212 キャップ
230 ピストンバルブ装置(ピストン・バルブ組立体)
233A、233B 油室
320 カラー
321 結合部
321A テーパ状傾斜面
321B 環状厚肉部
322 取付部

Claims (5)

  1. 車体側のアウタチューブ内に、車輪側のインナチューブを摺動自在に挿入した二輪車等のフロントフォークにおいて、
    前記アウタチューブが、炭素繊維強化プラスチックパイプからなる本体部を有するとともに、
    該本体部の外周の一端側に接着剤を介して嵌着される結合部と、該結合部が該本体部に嵌着された状態で、該本体部の一端部より軸方向の外側に延びる取付部とを一体に形成した金属製のカラーを有してなり、
    該カラーの取付部の内周に、該本体部の一端部を閉じるキャップボルトを締結したことを特徴とする二輪車等のフロントフォーク。
  2. 前記キャップボルトにピストンロッドの基端部を取付け、該ピストンロッドを前記インナチューブの先端部の内周に設けたロッドガイドを介してインナチューブ内に挿入し、該ピストンロッドの先端部に設けたピストン・バルブ組立体を該インナチューブ内の油室に摺動自在にし、
    該ピストンロッドが、該ロッドガイドとの間で、最伸張時の引張荷重を受けるものである請求項1に記載の二輪車等のフロントフォーク。
  3. 前記金属製のカラーの軸方向の一端側の内周を大径とした薄肉の結合部を形成し、該結合部を前記本体部の一端部の外周に嵌合した請求項1又は2に記載の二輪車等のフロントフォーク。
  4. 前記カラーの結合部の外周に、本体部の外周と接続する滑らかなテーパ状傾斜面を形成した請求項1〜3のいずれかに記載の二輪車等のフロントフォーク。
  5. 前記カラーの結合部の外周に形成したテーパ状傾斜面の先端部の外周に環状の厚肉部を形成した請求項4に記載の二輪車等のフロントフォーク。
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