JP2008298138A - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 メインピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力の設定と、サブピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力の設定の自由度を拡大すること。
【解決手段】 フロントフォーク10において、外側シリンダ15と内側シリンダ16の間にサブタンク室53の油をロッド側油室43Bに導く送油路90を設け、上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bを揺動自在に連結したもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は油圧緩衝器に関する。
油圧緩衝器として、特許文献1に記載の如く、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したシリンダチューブに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりシリンダチューブの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、メインピストンのピストン側油室とロッド側油室を連絡する流路に伸側バルブと圧側バルブを設け、シリンダチューブの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりシリンダチューブの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に伸側バルブと圧側バルブを設け、シリンダチューブの内部でサブピストンより上部に該サブピストンと相対するフリーピストンを移動自在に設け、フリーピストンが所定位置まで移動したときに、フリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室を、シリンダチューブの外部に連通する連通路を設けてなるものがある。
特開平6-147248
特許文献1に記載の油圧緩衝器には以下の問題点がある。
(1)圧側行程の通常動作では、シリンダチューブに進入したピストンロッドの体積分の油がピストン側油室からサブタンク室に排出されるとともに、ピストン側油室の油の一部がロッド側油室に補給される。しかしながら、サブピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力がメインピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力より小さいとき、ピストン側油室からロッド側油室に補給されるべき油の一部がサブタンク室に排出されてしまい、ロッド側油室に油が充填されないことに加え、サブタンク室からのオイルブロー機能(サブタンク室からシリンダチューブの外部への余分なオイルの排出機能)によってシリンダチューブの内部の油が不足してしまう。このため、サブピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力を低減することの自由度が少ない。
(2)オフロードでの圧側行程におけるように、ピストン速度が極端に早いときには、ピストン側油室の油の一部が一気に大量にロッド側油室に補給される結果、メインピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力の下限に限界があり、この圧側減衰力が所望の値まで低減しないことがある。
(3)油圧緩衝器の圧側減衰力特性として、メインピストンの圧側バルブで生ずるピストン側油室とロッド側油室の差圧ΔPmainと、サブピストンの圧側バルブで生ずるピストン側油室とサブタンク室の差圧ΔPsubと考えたとき、ΔPsub>ΔPmainの正圧型と、ΔPmain>ΔPsubの負圧型がある。正圧型では経時的な圧側減衰力の立ち上がりを早くし、硬い乗心地を感じさせるほどに圧側減衰力を上げ過ぎなくても、しっかりした腰感が得られる。負圧型では経時的な圧側減衰力の立ち上がりを遅くし、底突きを生じさせるほどに圧側減衰力を下げ過ぎなくても、ソフトな乗心地が得られる。ところが、従来技術では、メインピストンの圧側バルブとサブピストンの圧側バルブの間で、それらのバルブ特性を相互に調整することによって、正圧型と負圧型を自由に設定することに困難がある。
他方、油圧緩衝器において、シリンダチューブとピストンロッドの剛性は、太いシリンダチューブの方が非常に高いことが普通である。シリンダチューブとピストンロッドの剛性の違いにより、油圧緩衝器の全体がサイドフォース等の外力を受けて曲がるとき、ピストンロッドの方に曲率が集中する(大きく曲がる)。このため、ピストンロッドの作動性(メインピストンのフリクション)の悪化や、シリンダチューブと懸架スプリング等の外装部品とが干渉する不具合を生ずる。シリンダチューブが外側シリンダと内側シリンダからなる二重管構造の油圧緩衝器では、シリンダチューブの剛性がより高くなり、上述の不具合はより顕著になる。
本発明の課題は、メインピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力の設定と、サブピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力の設定の自由度を拡大することにある。
本発明の他の課題は、メインピストンの圧側バルブで生ずるピストン側油室とロッド側油室の差圧ΔPmainと、サブピストンの圧側バルブで生ずるピストン側油室とサブタンク室の差圧ΔPsubの圧力バランスの設定を任意にすることにある。
本発明の他の課題は、二重管構造の油圧緩衝器において、ピストンロッドへの曲率の集中を回避することにある。
請求項1の発明は、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したシリンダチューブに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりシリンダチューブの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、メインピストンのピストン側油室とロッド側油室を連絡する流路に伸側バルブと圧側バルブを設け、シリンダチューブの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりシリンダチューブの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に伸側バルブと圧側バルブを設け、シリンダチューブの内部でサブピストンより上部に該サブピストンと相対するフリーピストンを移動自在に設け、フリーピストンが所定位置まで移動したときに、フリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室を、シリンダチューブの外部に連通する連通路を設けてなる油圧緩衝器において、シリンダチューブが外側シリンダと内側シリンダからなり、内側シリンダの内部にメインピストンとサブピストンを配置し、外側シリンダと内側シリンダの間にサブタンク室の油をロッド側油室に導く送油路を設け、ロッド側油室からサブタンク室への油の流れを制限するチェックバルブを該送油路に設け、外側シリンダが、車体側チューブに連結される上外側シリンダと、上外側シリンダの下端部に連結される下外側シリンダを含み、上外側シリンダと下外側シリンダを揺動自在に連結したものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記上外側シリンダと下外側シリンダの一方の先端にストッパ部を設け、上外側シリンダと下外側シリンダの他方の先端に設けたジョイント部に上外側シリンダと下外側シリンダの一方の先端を挿入し、該ジョイント部のストッパ面と、該ジョイント部に螺着されるロックナットのストッパ面の間に上外側シリンダと下外側シリンダの一方の先端のストッパ部を挟持し、上外側シリンダと下外側シリンダが揺動自在となるように、上外側シリンダと下外側シリンダの一方の先端と、上外側シリンダと下外側シリンダの他方の先端に設けたジョイント部及びロックナットとの間にガタを設けてなるものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記内側シリンダが外側シリンダに両端支持されてなるようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記内側シリンダが、外側シリンダに支持される上内側シリンダと、上内側シリンダの下端部に連結される下内側シリンダを含み、上内側シリンダと下内側シリンダを揺動自在に連結したものである。
請求項5の発明は、請求項4の発明において更に、前記上内側シリンダと下内側シリンダの一方の先端にエンドシール部を設け、上内側シリンダと下内側シリンダの他方の先端に設けたジョイント面を、上内側シリンダと下内側シリンダの一方の先端のエンドシール部に当て、上内側シリンダと下内側シリンダが揺動自在となるように、上内側シリンダと下内側シリンダの一方の先端と、上内側シリンダと下内側シリンダの他方の先端との間にガタを設けてなるようにしたものである。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの発明において更に、前記外側シリンダが、車体側チューブに連結される大径の上外側シリンダと、上外側シリンダの下端部に連結される小径の下外側シリンダとからなり、上外側シリンダと内側シリンダの間の空間にチェックバルブを配置したものである。
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかの発明において更に、前記外側シリンダが、車体側チューブに連結される大径の上外側シリンダと、上外側シリンダの下端部に連結される小径の下外側シリンダとからなり、下外側シリンダと車軸側チューブの間の環状空間に、懸架スプリングを配置したものである。
(請求項1)
(a)圧側行程の通常動作で、シリンダチューブに進入したピストンロッドの体積分の油がピストン側油室からサブタンク室に排出されるとともに、ピストン側油室の油の一部がロッド側油室に補給されるに際し、サブピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力がメインピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力より小さいとき、ピストン側油室からロッド側油室に補給されるべき油の一部がサブタンク室に排出されても、サブタンク室の油が送油路を介してロッド側油室に導かれ、ロッド側油室に油を充填できる。また、サブタンク室からのオイルブロー機能によってサブタンク室からシリンダチューブの外部へ徒らにオイルを排出することがなく、シリンダチューブの内部の油が不足することもない。従って、サブピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力の設定の自由度が増大し、当該圧側減衰力を低減できる。
(b)オフロードでの圧側行程におけるように、ピストン速度が極端に早いとき、ピストン側油室の油がサブタンク室及び送油路を介してロッド側油室に導かれるから、ピストン側油室の油が直に大量にロッド側油室に補給されることがなく、メインピストンの圧側バルブを通過する油が減少し、メインピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力を低減できる。
(c)サブタンク室の油をロッド側油室に導くように送油路に設けたチェックバルブの開弁圧の設定により、メインピストンの圧側バルブで生ずるピストン側油室とロッド側油室の差圧ΔPmainと、サブピストンの圧側バルブで生ずるピストン側油室とサブタンク室の差圧ΔPsubの圧力バランスを任意に設定できる。ΔPsub>ΔPmainの正圧型に設定することにより、経時的な圧側減衰力の立ち上がりを早くし、硬い乗心地を感じさせるほどに圧側減衰力を上げ過ぎなくても、しっかりした腰感が得られる。ΔPmain>ΔPsubの負圧型に設定することにより、経時的な圧側減衰力の立ち上がりを遅くし、底突きを生じさせるほどに圧側減衰力を下げ過ぎなくても、ソフトな乗心地が得られる。
(d)シリンダチューブが外側シリンダと内側シリンダからなり、内側シリンダの内部にメインピストンとサブピストンを配置し、外側シリンダと内側シリンダの間の空間(例えば環状空間)を送油路とすることにより、必要十分な送油流量を確保できる送油路を簡易に構成できる。
(e)外側シリンダが、車体側チューブに連結される上外側シリンダと、上外側シリンダの下端部に連結される下外側シリンダを含み、上外側シリンダと下外側シリンダを揺動自在に連結した。従って、二重管構造の油圧緩衝器の全体が外力を受けて曲がるとき、シリンダチューブの剛性が二重管の故に極めて高いものの、高い剛性の上外側シリンダと下外側シリンダが互いに揺動して屈曲し、ピストンロッドへの曲率の集中を回避する。これにより、ピストンロッドの作動性(メインピストンのフリクション)を改善し、シリンダチューブと懸架スプリング等の外装部品とが干渉する不具合を回避する。
(請求項2)
(f)上外側シリンダと下外側シリンダの一方の先端にストッパ部を設け、上外側シリンダと下外側シリンダの他方の先端に設けたジョイント部に上外側シリンダと下外側シリンダの一方の先端を挿入し、該ジョイント部のストッパ面と、該ジョイント部に螺着されるロックナットのストッパ面の間に上外側シリンダと下外側シリンダの一方の先端のストッパ部を挟持し、上外側シリンダと下外側シリンダが揺動自在となるように、上外側シリンダと下外側シリンダの一方の先端と、上外側シリンダと下外側シリンダの他方の先端に設けたジョイント部及びロックナットとの間にガタを設けた。従って、上外側シリンダと下外側シリンダを含む外側シリンダの引張強度を確保しつつ、上外側シリンダと下外側シリンダが揺動して屈曲できるガタを持たせることができる。
(請求項3)
(g)内側シリンダが外側シリンダに両端支持されることにより、外側シリンダよりも低剛性の内側シリンダも外側シリンダの屈曲に伴なって大きな曲げ半径で屈曲し、ピストンロッドへの曲率の集中を回避する。
(請求項4)
(h)内側シリンダが、外側シリンダに支持される上内側シリンダと、上内側シリンダの下端部に連結される下内側シリンダを含み、上内側シリンダと下内側シリンダを揺動自在に連結した。従って、二重管構造の油圧緩衝器の全体が外力を受けて曲がるとき、シリンダチューブの剛性が二重管の故に極めて高いものの、上内側シリンダと下内側シリンダが互いに揺動して屈曲し、ピストンロッドへの曲率の集中を回避する。これにより、ピストンロッドの作動性(メインピストンのフリクション)を改善し、シリンダチューブと懸架スプリング等の外装部品とが干渉する不具合を回避する。
(請求項5)
(i)上内側シリンダと下内側シリンダの一方の先端にエンドシール部を設け、上内側シリンダと下内側シリンダの他方の先端に設けたジョイント面を、上内側シリンダと下内側シリンダの一方の先端のエンドシール部に当て、上内側シリンダと下内側シリンダが揺動自在となるように、上内側シリンダと下内側シリンダの一方の先端と、上内側シリンダと下内側シリンダの他方の先端との間にガタを設けた。従って、上内側シリンダと下内側シリンダが互いに揺動してずれても、上内側シリンダと下内側シリンダの間のシール性を損なわない。
(請求項6)
(j)外側シリンダが、車体側チューブに連結される大径の上外側シリンダと、上外側シリンダの下端部に連結される小径の下外側シリンダとからなり、上外側シリンダと内側シリンダの間の空間にチェックバルブを配置することにより、大径の上外側シリンダが内側シリンダとの間に形成する大空間にチェックバルブを簡易に組込みできる。
(請求項7)
(k)外側シリンダが、車体側チューブに連結される大径の上外側シリンダと、上外側シリンダの下端部に連結される小径の下外側シリンダとからなり、下外側シリンダと車軸側チューブの間の環状空間に、懸架スプリングを配置することにより、小径の下外側シリンダが車軸側チューブとの間に成形する大空間に懸架スプリングを簡易に組込みできる。
図1は実施例1のフロントフォークを示す全体断面図、図2は図1の下部拡大断面図、図3は図1の中間部拡大断面図、図4は図1の上部拡大断面図、図5は車体側チューブと車軸側チューブとシリンダチューブを示す要部断面図、図6は上外側シリンダと下外側シリンダの揺動連結構造を示す要部断面図、図7はシリンダチューブとピストンロッドを示す断面図、図8は実施例2のフロントフォークを示す全体断面図、図9は上内側シリンダと下内側シリンダの揺動連結構造を示す要部断面図である。
(実施例1)(図1〜図7)
フロントフォーク10(油圧緩衝器)は、図1〜図4に示す如く、車体側チューブ(アウタチューブ)11内に車軸側チューブ(インナチューブ)12を摺動自在に挿入し、両チューブ11、12の間に懸架スプリング13を介装するとともに、単筒型ダンパ14を倒立にして内装している。
車体側チューブ11は車体側に支持され、車軸側チューブ12は車軸に結合される。
車体側チューブ11の上端部にOリングを介して螺着されている取付カラー11Aにはダンパ14のダンパシリンダ14A(上外側シリンダ15A)の上端部が螺着され、取付カラー11Aの上部開口端はフォークボルト11Bにより閉塞される。フォークボルト11Bは、Oリングを介して取付カラー11Aの内周に挿入されて螺着される。
車軸側チューブ12の下端部内周にはオイルロックカラー17がOリングを介して液密に嵌装され、このオイルロックカラー17をボトムボルト18で車軸ブラケット19にOリングを介して液密に固定してある。また、ボトムボルト18にはダンパ14のピストンロッド(中空ロッド)20の基端部が螺着されるとともにロックナット18Aでロックされ、このピストンロッド20の先端部をダンパシリンダ14Aに挿入してある。ピストンロッド20は、ダンパシリンダ14A(下外側シリンダ15B)の下端側の開口部に螺着したロッドガイド21のブッシュ21Aで支持され、シール部材21Bを貫通してダンパシリンダ14Aの内部に挿入されている。シール部材21Bは、ダンパシリンダ14Aの後述する油室43Bを密封し、油室43Bの油がダンパシリンダ14Aの外に逃げ出すのを阻止する一方向性のシール機能をもつ。尚、ロッドガイド21の外周部にはオイルロックピース22を設けてある。また、ロッドガイド21の内側端面にはリバウンドスプリング23が支持されている。
懸架スプリング13は、オイルロックカラー17の基端部外周面に装着したスプリング受け24と、ダンパシリンダ14A(下外側シリンダ15B)に外装して軸方向に係止した孔開きスプリングカラー25(多数の連通孔25Aを備える)の先端部に固定したスプリング受け26との間に介装されている。また、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内部で、ダンパ14の外側には油室31と気体室32とが設けられ、油室31と気体室32とは自由界面を介して接触し、気体室32に閉じ込められている気体が気体ばねを構成する。これらの懸架スプリング13と気体ばねの弾発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
ダンパ14は、ピストンバルブ装置(伸側減衰バルブ装置)40と、ベースバルブ装置(圧側減衰バルブ装置)50とを有している。ダンパ14は、ピストンバルブ装置40とベースバルブ装置50の発生する減衰力により、懸架スプリング13と気体ばねによる衝撃力の吸収に伴う車体側チューブ11と車軸側チューブ12の伸縮振動を抑制する。
(ピストンバルブ装置40)
ピストンバルブ装置40は、ダンパシリンダ14A(内側シリンダ16)に挿入されているピストンロッド20の先端部にピストンホルダ41を装着し、このピストンホルダ41にメインピストン42を装着している。メインピストン42は、ダンパシリンダ14Aの内部をピストンロッド20が収容されないピストン側油室43Aとピストンロッド20が収容されるロッド側油室43Bとに区画し、該ダンパシリンダ14A(内側シリンダ16)の内部を摺動する。メインピストン42は、伸側バルブ44Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする伸側流路44と、圧側バルブ45Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする圧側流路45とを備える。
また、ピストンバルブ装置40は、ボトムボルト18にアジャスタ46を枢支し、アジャスタ46に結合されている減衰力調整ロッド47をピストンロッド20の中空部に通し、アジャスタ46の回転操作により軸方向に進退する減衰力調整ロッド47の先端のニードル47Aにより、ピストンホルダ41に設けてあるピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとのバイパス路48の流路面積を調整可能とする。
(ベースバルブ装置50)
ベースバルブ装置50は、前述のフォークボルト11Bにガイドパイプ51(支持軸)を螺着し、ガイドパイプ51の先端部にハウジングホルダ51Aを螺着し、このハウジングホルダ51Aにナット51B等によりサブピストン52を保持している。サブピストン52はダンパシリンダ14A(内側シリンダ16)の内部でメインピストン42に相対配置され、内側シリンダ16の内周部に液密に接し、前述のピストン側油室43Aの上方にサブタンク室53を区画形成する。サブピストン52は、圧側バルブ54Aを備えてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とする圧側流路54と、伸側バルブ55Aを備えてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とする伸側流路55(不図示)とを備える。また、ハウジングホルダ51Aは、圧側流路54と伸側流路55とをバイパスしてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とするバイパス路56を備える。
フォークボルト11Bに螺合された減衰力調整ロッド58は、アジャスタ59を備えるとともに、ガイドパイプ51に挿入され、アジャスタ59の回転操作により軸方向に進退する先端のニードル58Aによりバイパス流路56の流路面積を調整可能とする。尚、フォークボルト11Bは頭部端面の中央部にアジャスタ59とそのホルダ59Aを埋込み保持している。
また、ベースバルブ装置50は、上外側シリンダ15Aの内部であって、上外側シリンダ15Aとガイドパイプ51の間の環状空間にてフリーピストン61を移動可能に設ける。フリーピストン61の外周環状溝61Aには、ピストンリング62が装填され、フリーピストン61はピストンリング62を介して上外側シリンダ15Aの内周を液密に摺動する。フリーピストン61の内周凹部61Bには、オイルシール63が装填され、フリーピストン61はオイルシール63を介してガイドパイプ51の外周を液密に摺動する。フリーピストン61は、サブピストン52の側でピストン側油室43Aに連通しているサブタンク室53と、フォークボルト11Bの側の体積補償室64とを区画する。体積補償室64は、上外側シリンダ15Aの上端側に設けた連通孔64Aで気体室32と連通している。フォークボルト11Bは、フロントフォーク10の伸縮によって車体側チューブ11と車軸側チューブ12の摺動部から気体室32、体積補償室64に侵入した空気を排出するための排気プラグ65を頭部端面の側部に着脱可能に螺着している。尚、スプリング66が、この最大伸長時に僅かな初期荷重を有するように、フリーピストン61とフォークボルト11Bとの間に介装される。
ダンパシリンダ14A内にピストンロッド20が進入する圧縮時に、このスプリング66が収縮し、このときのスプリング66のばね荷重分だけ、ダンパシリンダ14A内の油室が加圧され、伸長時におけるダンパシリンダ内油室のキャビテーションの発生を防止し、また伸長時に続く圧縮時の減衰力発生の遅れ(さぼり)も回避する。
尚、ベースバルブ装置50は、フロントフォーク10のピストンロッド20がストロークする度に、該ピストンロッド20の外周面に付着した油室31の油をロッドガイド21のシール部材21Bからダンパシリンダ14Aの内部に持ち込む。これにより、ダンパシリンダ14Aの内部の油室43A、43B、サブタンク室53の作動油が徐々に増加し、フリーピストン61がその増加により上方へ移動し、作動油が一定量以上になってフリーピストン61の外周のピストンリング62が上外側シリンダ15Aの内周の環状溝67(連通路)に到達したときに、ダンパシリンダ14Aの余剰油をサブタンク室53から環状溝67、体積補償室64、連通孔64A、気体室32経由でダンパシリンダ14Aの外の油室31に排出するブロー機能を有する。
従って、フロントフォーク10は以下の如くに減衰作用を行なう。
(圧縮時)
フロントフォーク10の圧縮時には、ベースバルブ装置50において、サブピストン52のニードル58A或いは圧側バルブ54Aを流れる油により圧側減衰力を生じ、ピストンバルブ装置40において、メインピストン42の圧側バルブ45Aを流れる油により、必要に応じた設定の圧側減衰力を生じる。
(伸長時)
フロントフォーク10の伸長時には、ピストンバルブ装置40において、メインピストン42のニードル47A或いは伸側バルブ44Aを流れる油により伸側減衰力を生じ、ベースバルブ装置50では殆ど減衰力を生じない。
これらの圧側と伸側の減衰力により、フロントフォーク10の伸縮振動が抑制される。
尚、フロントフォーク10の最圧縮時には、ダンパシリンダ14Aの下外側シリンダ15Bの下端部のオイルロックピース22が、車軸側チューブ12の下端部に設けてあるオイルロックカラー17に嵌合し、両者の間で圧縮した油によりオイルロック作用を生ぜしめ、ダンパ14の底つきを防止する。
また、フロントフォーク10の最伸長時には、ピストンロッド20に設けているピストンホルダ41の下端面が、ダンパシリンダ14Aの開口部に設けてあるロッドガイド21に支持されているリバウンドスプリング23に衝合し、伸切りの緩衝作用を果たす。
しかるに、フロントフォーク10にあっては、メインピストン42の圧側バルブ45A(バイパス路48の絞りを含むこともできる)で生ずる圧側減衰力の設定と、サブピストン52の圧側バルブ54A(バイパス路56の絞りを含むこともできる)で生ずる圧側減衰力の設定の自由度を増大するとともに、メインピストン42の圧側バルブ45Aで生ずるピストン側油室43Aとロッド側油室43Bの差圧ΔPmainと、サブピストン52の圧側バルブ54Aで生ずるピストン側油室43Aとサブタンク室53の差圧ΔPsubの圧力バランスの設定を任意にできるようにするため、以下の構成を具備する。
ダンパ14のダンパシリンダ14Aが、図5に示す如く、外側シリンダ15と内側シリンダ16からなるもの(二重管)にする。内側シリンダ16の内部にメインピストン42とサブピストン52を配置し、外側シリンダ15(上外側シリンダ15A)の内部にフリーピストン61を配置した。
外側シリンダ15は車体側チューブ11の側の取付カラー11Aに螺着される大径の上外側シリンダ15Aと、上外側シリンダ15Aの下端部にジョイントピース71を介して後述する如くに連結される小径の下外側シリンダ15Bとからなる。
内側シリンダ16は上端部の端面及び外周に樹脂等からなるセンタリングカラー72を圧入され、ガイドパイプ51に螺着されるハウジングホルダ51Aの下端外周側段差部にセンタリングカラー72の上端部を嵌合し、センタリングカラー72の外周をガタのない状態で上外側シリンダ15Aに嵌合する。また、内側シリンダ16は下端部の端面及び外周に樹脂等からなるセンタリングカラー73を圧入され、センタリングカラー73の外周をガタのない状態で下外側シリンダ15Bの内周に嵌合し、センタリングカラー73の下端面を下外側シリンダ15Bの内周に係着してある止め輪74に突き当てる。内側シリンダ16は上外側シリンダ15Aの内周と下外側シリンダ15Bの内周に両端支持される。
尚、ガイドパイプ51に螺着されるハウジングホルダ51Aはサブタンク室53の内部を上下に仕切る仕切部材80となり、サブタンク室53をサブピストン52の側の下サブタンク室53Aとフリーピストン61の側の上サブタンク室53Bに区画するから、この仕切部材80に下サブタンク室53Aと上サブタンク室53Bを連絡する流路81を設ける。
本発明では、サブタンク室53の油をロッド側油室43Bに導く送油路90を設け、ロッド側油室43Bからサブタンク室53への油の流れを制限、本実施例では阻止するチェックバルブ91を送油路90に設ける。
本実施例では、外側シリンダ15と内側シリンダ16の間の環状空間(必ずしも環状をなさなくても可)を送油路90とし、内側シリンダ16の上端側に設けた複数の孔90Aによってサブタンク室53(下サブタンク室53A)を送油路90に連絡し、内側シリンダ16の下端側に設けた複数の孔90Bによってロッド側油室43Bを送油路90に連絡する。
また、上外側シリンダ15Aと内側シリンダ16の間の環状空間にチェックバルブ91を設けた。上外側シリンダ15Aと内側シリンダ16の間の環状空間に環状バルブシート92を装填し、バルブシート92の外周側下面をジョイントピース71の上端面に当て、バルブシート92の上端側の外周段差部を上外側シリンダ15Aの内周に係着してある止め輪93に突き当てることにより、バルブシート92を固定化する。バルブシート92の外周は上外側シリンダ15Aの内周に密に嵌合され、バルブシート92の内周はOリングを介して内側シリンダ16の外周に密に嵌合する。バルブシート92は周方向の複数位置に設けた軸方向に沿う貫通流路92Aを内周側下面に開口するように備え、ジョイントピース71の上端側の内周段差部に支持されているチェックバルブスプリング94によりバックアップされる板状のチェックバルブ91をバルブシート92の内周側下面に当て、貫通流路92Aをロッド側油室43Bの側から閉じる。これにより、チェックバルブ91はバルブスプリング94が定める開弁圧に相当するサブタンク室53の油圧により押し開かれて貫通流路92Aを開き、この油をロッド側油室43Bに導き、ロッド側油室43Bの油により閉じられて貫通流路92Aを閉じ、この油のサブタンク室53への流れを阻止する。
尚、フロントフォーク10にあっては、下外側シリンダ15Bと車軸側チューブ12の間の環状空間に懸架スプリング13を配置している。
更に、二重管構造のフロントフォーク10の外力による曲がり時に、ピストンロッド20への曲率の集中を回避するため、以下の構成を具備する。
本発明では、上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bを揺動自在に連結した。
本実施例では、図6、図7に示す如く、下外側シリンダ15Bの先端(上端)の外周に止め輪(段差部でも可)を係着する等によって構成されるストッパ部100を設ける。また、上外側シリンダ15Aの先端(下端)の内周に前述のジョイントピース71の外周がOリング101Aを介して螺着される。上外側シリンダ15Aの先端に設けたジョイントピース71の内周に下外側シリンダ15Bの先端の外周がOリング101Bを介して挿入され、ジョイントピース71の内周段差部に設けたストッパ面71Aと、ジョイントピース71の内周段差部に螺着されるロックナット102のストッパ面102Aの間に、下外側シリンダ15Bの先端の外周に設けてあるストッパ部100を挟持する。そして、上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bが揺動自在となるように、下外側シリンダ15Bの先端と、上外側シリンダ15Aの先端に設けたジョイントピース71及びロックナット102との間に、それらがフロントフォーク10の中心軸を含む面内でストッパ部100を揺動支点として例えば0.5度〜1度程度傾動できるように径方向及び軸方向のガタを設ける。上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bが揺動しても、それらの揺動連結部はOリング101A、101Bによりシール維持される。
従って、本実施例のフロントフォーク10によれば以下の作用効果を奏する。
(a)圧側行程の通常動作で、ダンパシリンダ14Aに進入したピストンロッド20の体積分の油がピストン側油室43Aからサブタンク室53に排出されるとともに、ピストン側油室43Aの油の一部がロッド側油室43Bに補給されるに際し、サブピストン52の圧側バルブ54Aで生ずる圧側減衰力がメインピストン42の圧側バルブ45Aで生ずる圧側減衰力より小さいとき、ピストン側油室43Aからロッド側油室43Bに補給されるべき油の一部がサブタンク室53に排出されても、サブタンク室53の油が送油路90を介してロッド側油室43Bに導かれ、ロッド側油室43Bに油を充填できる。また、サブタンク室53からのオイルブロー機能によってサブタンク室53からダンパシリンダ14Aの外部へ徒らにオイルを排出することがなく、ダンパシリンダ14Aの内部の油が不足することもない。従って、サブピストン52の圧側バルブ54Aで生ずる圧側減衰力の設定の自由度が増大し、当該圧側減衰力を低減できる。
(b)オフロードでの圧側行程におけるように、ピストン速度が極端に早いとき、ピストン側油室43Aの油がサブタンク室53及び送油路90を介してロッド側油室43Bに導かれるから、ピストン側油室43Aの油が直に大量にロッド側油室43Bに補給されることがなく、メインピストン42の圧側バルブ45Aを通過する油が減少し、メインピストン42の圧側バルブ45Aで生ずる圧側減衰力を低減できる。
(c)サブタンク室53の油をロッド側油室43Bに導くように送油路90に設けたチェックバルブ91の開弁圧の設定により、メインピストン42の圧側バルブ45Aで生ずるピストン側油室43Aとロッド側油室43Bの差圧ΔPmainと、サブピストン52の圧側バルブ54Aで生ずるピストン側油室43Aとサブタンク室53の差圧ΔPsubの圧力バランスを任意に設定できる。ΔPsub>ΔPmainの正圧型に設定することにより、経時的な圧側減衰力の立ち上がりを早くし、硬い乗心地を感じさせるほどに圧側減衰力を上げ過ぎなくても、しっかりした腰感が得られる。ΔPmain>ΔPsubの負圧型に設定することにより、経時的な圧側減衰力の立ち上がりを遅くし、底突きを生じさせるほどに圧側減衰力を下げ過ぎなくても、ソフトな乗心地が得られる。
(d)ダンパシリンダ14Aが外側シリンダ15と内側シリンダ16からなり、内側シリンダ16の内部にメインピストン42とサブピストン52を配置し、外側シリンダ15と内側シリンダ16の間の空間(例えば環状空間)を送油路90とすることにより、必要十分な送油流量を確保できる送油路90を簡易に構成できる。
(e)外側シリンダ15が、車体側チューブ11に連結される上外側シリンダ15Aと、上外側シリンダ15Aの下端部に連結される下外側シリンダ15Bを含み、上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bを揺動自在に連結した。従って、二重管構造のフロントフォーク10の全体が外力を受けて曲がるとき、ダンパシリンダ14Aの剛性が二重管の故に極めて高いものの、高い剛性の上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bが互いに揺動して屈曲し、ピストンロッド20への曲率の集中を回避する。これにより、ピストンロッド20の作動性(メインピストン42のフリクション)を改善し、ダンパシリンダ14Aと懸架スプリング13等の外装部品とが干渉する不具合を回避する。
(f)上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bの一方の先端にストッパ部100を設け、上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bの他方の先端に設けたジョイントピース71に上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bの一方の先端を挿入し、該ジョイントピース71のストッパ面71Aと、該ジョイントピース71に螺着されるロックナット102のストッパ面102Aの間に上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bの一方の先端のストッパ部100を挟持し、上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bが揺動自在となるように、上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bの一方の先端と、上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bの他方の先端に設けたジョイントピース71及びロックナット102との間にガタを設けた。従って、上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bを含む外側シリンダ15の引張強度を確保しつつ、上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bが揺動して屈曲できるガタを持たせることができる。
(g)内側シリンダ16が外側シリンダ15に両端支持されることにより、外側シリンダ15よりも低剛性の内側シリンダ16も外側シリンダ15の屈曲に伴なって大きな曲げ半径で屈曲し、ピストンロッド20への曲率の集中を回避する。
(h)外側シリンダ15が、車体側チューブ11に連結される大径の上外側シリンダ15Aと、上外側シリンダ15Aの下端部に連結される小径の下外側シリンダ15Bとからなり、上外側シリンダ15Aと内側シリンダ16の間の空間にチェックバルブ91を配置することにより、大径の上外側シリンダ15Aが内側シリンダ16との間に形成する大空間にチェックバルブ91を簡易に組込みできる。
(i)外側シリンダ15が、車体側チューブ11に連結される大径の上外側シリンダ15Aと、上外側シリンダ15Aの下端部に連結される小径の下外側シリンダ15Bとからなり、下外側シリンダ15Bと車軸側チューブ12の間の環状空間に、懸架スプリング13を配置することにより、小径の下外側シリンダ15Bが車軸側チューブ12との間に成形する大空間に懸架スプリング13を簡易に組込みできる。
(実施例2)(図8、図9)
実施例2が実施例1と異なる点は、フロントフォーク10において、ピストンロッド20への曲率の集中を一層回避するため、外側シリンダ15を上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bからなるものにしてそれらを揺動自在に連結することに加え、内側シリンダ16を上内側シリンダ16Aと下内側シリンダ16Bからなるものにしてそれらを揺動自在に連結したことにある。
内側シリンダ16は、図8に示す如く、外側シリンダ15(上外側シリンダ15A)に嵌合されて支持される上内側シリンダ16Aと、上内側シリンダ16Aの下端部に連結される下内側シリンダ16Bとからなり、上内側シリンダ16Aと下内側シリンダ16Bを揺動自在に連結した。
上内側シリンダ16Aは、図9に示す如く、ガイドパイプ51に螺着されて仕切部材80を構成しているハウジングホルダ51Aの下端外周側段差部を上端フランジ111の内周側段差部に嵌合し、上端フランジ111に連なる大径筒部112、及び大径筒部112に連なる小径筒部113を有し、大径筒部112の外周の周方向複数位置に縦リブ112Aを備える。上内側シリンダ16Aは、上端フランジ111及び大径筒部112の縦リブ112Aを上外側シリンダ15Aにガタのない状態で嵌合し、大径筒部112の内部にサブピストン52を配置し、大径筒部112の内部にサブタンク室53(下サブタンク室53A)を区画する。
下内側シリンダ16Bは、上内側シリンダ16の小径筒部113に後述する如くに連結され、実施例1の内側シリンダ16と同様に、下端部の端面及び外周に圧入されたセンタリングカラー73の下端面を下外側シリンダ15Bの内周の止め輪74に突き当てる。
本実施例でも、外側シリンダ15と内側シリンダ16の間の環状空間を送油路90とし、上内側シリンダ16Aの大径筒部112の上端側に設けた複数の孔90Aによってサブタンク室53(下サブタンク室53A)を送油路90に連絡し、下内側シリンダ16Bの下端側に設けた複数の孔90Bによってロッド側油室43Bを送油路90に連絡する。上内側シリンダ16Aは、大径筒部112の相隣る縦リブ112Aの間に送油路90を形成する。また、上外側シリンダ15Aと下内側シリンダ16Aの間の環状空間に、実施例1と同様に、チェックバルブ91を設ける。
内側シリンダ16は、図9に示す如く、上内側シリンダ16Aの先端(下端)側の大径筒部112と小径筒部113の境界の外側段差平面に設けた環状溝にOリング等を装填したエンドシール部114を設ける。また、下内側シリンダ16Bの先端(上端)部の内周にOリング116を介してジョイントピース115が嵌合され、この下内側シリンダ16Bの先端部に嵌合したジョイントピース115の上端フランジ状をなすジョイント面115Aを該下内側シリンダ16Bの先端面でバックアップして、上内側シリンダ16Aの先端側のエンドシール部114に弾発的に当てる。このとき、下内側シリンダ16Bの先端部の内周に嵌合されたジョイントピース115は、上外側シリンダ16Aの小径筒部113の外周に大きな径方向隙間Gを介して遊挿され、小径筒部113の下端側の外周に係着された止め輪117に保持されるワッシャ118によりバックアップ支持される。即ち、上内側シリンダ16Aと下内側シリンダ16Bが揺動自在となるように、上内側シリンダ16Aの先端と、下内側シリンダ16Bの先端との間に、それらがフロントフォーク10の中心軸を含む面内で互いに平行移動及び/又は傾動できるように径方向及び軸方向のガタを設ける。ジョイントピース115と小径筒部113の径方向隙間Gが径方向の大きなガタを形成し、ジョイントピース115のジョイント面115Aとエンドシール部114との弾発的なたわみ変位可能な当接代が軸方向のガタを形成する。上内側シリンダ16Aと下内側シリンダ16Bが揺動しても、それらの揺動連結部はエンドシール部114、Oリング116によりシール維持される。
実施例2によれば、実施例1による作用効果に加え、更に以下の作用効果を奏する。
(a)内側シリンダ16が、外側シリンダ15に支持される上内側シリンダ16Aと、上内側シリンダ16Aの下端部に連結される下内側シリンダ16Bを含み、上内側シリンダ16Aと下内側シリンダ16Bを揺動自在に連結した。従って、二重管構造のフロントフォーク10の全体が外力を受けて曲がるとき、ダンパシリンダ14Aの剛性が二重管の故に極めて高いものの、上内側シリンダ16Aと下内側シリンダ16Bが互いに揺動して屈曲し、ピストンロッド20への曲率の集中を回避する。これにより、ピストンロッド20の作動性(メインピストン42のフリクション)を改善し、ダンパシリンダ14Aと懸架スプリング13等の外装部品とが干渉する不具合を回避する。
(b)上内側シリンダ16Aと下内側シリンダ16Bの一方の先端にエンドシール部114を設け、上内側シリンダ16Aと下内側シリンダ16Bの他方の先端に設けたジョイント面115Aを、上内側シリンダ16Aと下内側シリンダ16Bの一方の先端のエンドシール部114に当て、上内側シリンダ16Aと下内側シリンダ16Bが揺動自在となるように、上内側シリンダ16Aと下内側シリンダ16Bの一方の先端と、上内側シリンダ16Aと下内側シリンダ16Bの他方の先端との間にガタを設けた。従って、上内側シリンダ16Aと下内側シリンダ16Bが互いに揺動してずれても、上内側シリンダ16Aと下内側シリンダ16Bの間のシール性を損なわない。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1はフロントフォークを示す全体断面図である。 図2は図1の下部拡大断面図である。 図3は図1の中間部拡大断面図である。 図4は図1の上部拡大断面図である。 図5は車体側チューブと車軸側チューブとシリンダチューブを示す要部断面図である。 図6は上外側シリンダと下外側シリンダの揺動連結構造を示す要部断面図である。 図7はシリンダチューブとピストンロッドを示す断面図である。 図8は実施例2のフロントフォークを示す全体断面図である。 図9は上内側シリンダと下内側シリンダの揺動連結構造を示す要部断面図である。
符号の説明
10 フロントフォーク(油圧緩衝器)
11 車体側チューブ
12 車軸側チューブ
13 懸架スプリング
14A ダンパシリンダ(シリンダチューブ)
15 外側シリンダ
15A 上外側シリンダ
15B 下外側シリンダ
16 内側シリンダ
16A 上内側シリンダ
16B 下内側シリンダ
20 ピストンロッド
42 メインピストン
43A ピストン側油室
43B ロッド側油室
44 伸側流路
44A 伸側バルブ
45 圧側流路
45A 圧側バルブ
52 サブピストン
53 サブタンク室
54 圧側流路
54A 圧側バルブ
55 伸側流路
55A 伸側バルブ
61 フリーピストン
67 環状溝(連通路)
71 ジョイントピース(ジョイント部)
71A ストッパ面
90 送油路
91 チェックバルブ
100 ストッパ部
102 ロックナット
102A ストッパ面
114 エンドシール部
115 ジョイントピース
115A ジョイント面

Claims (7)

  1. 車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、
    車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したシリンダチューブに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりシリンダチューブの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、メインピストンのピストン側油室とロッド側油室を連絡する流路に伸側バルブと圧側バルブを設け、
    シリンダチューブの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりシリンダチューブの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に伸側バルブと圧側バルブを設け、
    シリンダチューブの内部でサブピストンより上部に該サブピストンと相対するフリーピストンを移動自在に設け、フリーピストンが所定位置まで移動したときに、フリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室を、シリンダチューブの外部に連通する連通路を設けてなる油圧緩衝器において、
    シリンダチューブが外側シリンダと内側シリンダからなり、内側シリンダの内部にメインピストンとサブピストンを配置し、外側シリンダと内側シリンダの間にサブタンク室の油をロッド側油室に導く送油路を設け、ロッド側油室からサブタンク室への油の流れを制限するチェックバルブを該送油路に設け、
    外側シリンダが、車体側チューブに連結される上外側シリンダと、上外側シリンダの下端部に連結される下外側シリンダを含み、上外側シリンダと下外側シリンダを揺動自在に連結したことを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 前記上外側シリンダと下外側シリンダの一方の先端にストッパ部を設け、
    上外側シリンダと下外側シリンダの他方の先端に設けたジョイント部に上外側シリンダと下外側シリンダの一方の先端を挿入し、該ジョイント部のストッパ面と、該ジョイント部に螺着されるロックナットのストッパ面の間に上外側シリンダと下外側シリンダの一方の先端のストッパ部を挟持し、
    上外側シリンダと下外側シリンダが揺動自在となるように、上外側シリンダと下外側シリンダの一方の先端と、上外側シリンダと下外側シリンダの他方の先端に設けたジョイント部及びロックナットとの間にガタを設けてなる請求項1に記載の油圧緩衝器。
  3. 前記内側シリンダが外側シリンダに両端支持されてなる請求項1又は2に記載の油圧緩衝器。
  4. 前記内側シリンダが、外側シリンダに支持される上内側シリンダと、上内側シリンダの下端部に連結される下内側シリンダを含み、上内側シリンダと下内側シリンダを揺動自在に連結した請求項1〜3のいずれかに記載の油圧緩衝器。
  5. 前記上内側シリンダと下内側シリンダの一方の先端にエンドシール部を設け、
    上内側シリンダと下内側シリンダの他方の先端に設けたジョイント面を、上内側シリンダと下内側シリンダの一方の先端のエンドシール部に当て、
    上内側シリンダと下内側シリンダが揺動自在となるように、上内側シリンダと下内側シリンダの一方の先端と、上内側シリンダと下内側シリンダの他方の先端との間にガタを設けてなる請求項4に記載の油圧緩衝器。
  6. 前記外側シリンダが、車体側チューブに連結される大径の上外側シリンダと、上外側シリンダの下端部に連結される小径の下外側シリンダとからなり、上外側シリンダと内側シリンダの間の空間にチェックバルブを配置した請求項1〜5のいずれかに記載の油圧緩衝器。
  7. 前記外側シリンダが、車体側チューブに連結される大径の上外側シリンダと、上外側シリンダの下端部に連結される小径の下外側シリンダとからなり、下外側シリンダと車軸側チューブの間の環状空間に、懸架スプリングを配置した請求項1〜6のいずれかに記載の油圧緩衝器。
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