JP2010230120A - 車両用緩衝器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アウターチューブ2に支持されたシリンダー12内に、スライドパイプに支持されたピストンを往復動可能に設け、ピストンの縮退動作によるピストンのロッドパイプの容積分のオイルを収容するサブタンク6を圧側減衰バルブ20を介してシリンダー12の端部に区画形成し、サブタンク6内に、圧側減衰バルブ側20に加圧スプリング51により付勢した状態でフリーピストン50を設けると共に、圧側減衰バルブ側20に弾性部材43により付勢した状態でブローピストン41を設けた。
【選択図】図1
Description
また、フリーピストンのスカート部が上方に延びているため、フリーピストンのストローク量を確保するために全長が長くなってしまう。
請求項7に記載した発明は、前記ブローピストンの開口端近傍の外周面(例えば、実施形態における外周壁41a)に前記ブローピストンと前記サブタンクの周壁間をシールするシール材(例えば、実施形態におけるOリング47)を設け、該シール材は通常時は前記サブタンクオイル室側に位置して前記ブロー孔を前記サブタンクオイル室と遮断し、緩衝器収縮時には前記ブローピストンと共に摺動し所定圧に達したときには前記ブロー孔に至り前記ブロー孔を前記サブタンクオイル室と連通させることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、通常時において前記フリーピストンの前記サブタンクオイル室側端面と前記ブローピストンの開口端とが一致しているか、あるいは前記ブローピストンの開口端よりも前記フリーピストンの前記サブタンクオイル室側端面が前記サブタンクオイル室側に突出していることを特徴とする。
つまり、フリーピストンによる減衰力のチューニングとブローピストンによるブローポイントのチューニングを別に設定できるため、反発性能を確保しながら、クッション性能を最適仕様にすることができるのである。
請求項2、3に記載した発明によれば、フリーピストンが十分にストロークした後、所定のオイル圧に達したときにオイルをブローすることにしたので、全屈状態でも反発力を十分に発揮させた後にオイルをブローできる。
請求項4に記載した発明によれば、請求項1の効果に加え、ブローピストンをフリーピストンと一体で構成できるため、組み付け作業が行い易い
請求項5に記載した発明によれば、ブローピストンが密閉した気室を形成するため、気体の出入りによるブローピストンの圧力変動がなく、フリーピストンの付勢力の調整が容易となる。また、ブローピストンをフリーピストンのスプリングとは別の弾性部材で付勢するので、ブロータイミングの設定をフリーピストンに影響されずに容易に行うことができる。更に、フリーピストンによるクッション性能の調整が独立して可能となると共に性能向上を図ることができる。
請求項6に記載した発明によれば、ブローピストンのストロークを小さくでき、緩衝器を小型化できる。
請求項7に記載した発明によれば、ブローピストンとシリンダー間のシール性を確保し、ブロー孔へのオイル漏れを防止し、かつシリンダー外側からサブタンクオイル室への気体の逆流を防止することができる。
請求項8に記載した発明によれば、フリーピストンの前面に気泡が溜まるのを防止できる。
請求項9に記載した発明によれば、発生した気泡をシリンダーとブローピストンの縮径部との間に貯留し、オイルをブロー孔からブローする際にオイルと一緒にシリンダー外に逃がすことができる。
請求項10に記載した発明によれば、シール材がブロー孔の形成位置に到達した際にシール材のブロー孔に対する接触圧を低下させることができる。
請求項11に記載した発明によれば、ブローピストンとフリーピストンがガイドロッドを軸にして同軸で取り付けられているため、両者が芯ずれなく摺動することができる。
図1、図2は自動二輪車の倒立式のフロントフォークとして用いられダンパ機能を備えた車両用緩衝器1を示している。
図1、図2に示すように、車両用緩衝器1は、上部に位置し車体側に固定されるアウターチューブ2とアウターチューブ2内にダストシール29d、オイルシール29oを介して下側から挿入され、アウターチューブ2に対してスプリング3を介して伸び方向に付勢されるスライドパイプ4とを備えている。
サブタンク6の取付開口部7内には後述するキャップ9が固定されている。サブタンク6の下端開口部10にはサブタンク6に連設する取付筒11が設けられ、この取付筒11の内壁に筒状のシリンダー12がアウターチューブ2の下端部に至る範囲に取り付けられている。したがって、サブタンク6はシリンダー12の上部側に位置することになる。
尚、シリンダー12の外壁にはオイルロックカラー19に支持されスライドパイプ4との間に設けたスプリング3を固定するスプリング固定ブラケット15が設けられている。
このフリーピストン50によってサブタンク6内が圧側減衰バルブ20側のサブタンクオイル室52と圧側減衰バルブ20の背後であるブローピストン41内のサブタンク気室53とに区画されている。
また、車両用緩衝器1の通常時、つまりフリーピストン50がストロークをしていない状態においては、フリーピストン50のサブタンクオイル室52側端面とブローピストン41の開口端40とが一致している。尚、ブローピストン41の開口端40よりもフリーピストン50のサブタンクオイル室52側端面がサブタンクオイル室52側に突出していてもよい。
そして、圧側減衰バルブ20の外周面であって、Oリング16よりもサブタンク6側には戻り透孔22に連通する戻り連通孔25が形成され、圧側減衰バルブ20の外周面であって、Oリング16よりもシリンダー12側には受け入れ透孔21に連通する受け入れ連通孔26が形成されている。
そして、ガイドロッド39の内部に設けたアジャストロッド37の先端部がリークパイプ60の内径との間に隙間63を形成し、この隙間63を調整すべくアジャスト部35の調整具34を回動させてアジャストロッド37を進退動させ、シリンダー12からサブタンクオイル室52へ流通するオイルの量を調整し車両用緩衝器1の減衰力を調整する。
フリーピストン50のボス部57の内周壁には、ガイドロッド39に対する摺動面に第一シール部材54が、フリーピストン50の基部56の外周面にはブローピストン41の内周壁41bに対する摺接面に第二シール部材55が各々設けられている。これらは第一シール部材54、第二シール部材55はOリングで構成されている。
そして、フリーピストン70を付勢する加圧スプリング51のバネ定数よりも、ブローピストン72を付勢するスプリング71のバネ定数の方が大きく設定されている。
そして、フリーピストン70内には圧側減衰バルブ20側に付勢されたブローピストン72が設けられている。尚、Sはスプリング押さえを示す。
とりわけ、この実施形態においては、フリーピストン70とブローピストン72を予め組み付けできるため、両者を別々に組み付ける場合に比較して作業が行い易い。
4 スライドパイプ
6 サブタンク
12 シリンダー
13 ロッドパイプ(ピストンロッド)
14 ピストン
20 圧側減衰バルブ
40 開口端
39 ガイドロッド
41 72 ブローピストン
41a 外周壁(外周面)
41b 内周壁(内壁)
42 底壁
43 弾性部材(第二弾性部材)
45 縮径部
46 気泡溜まり部
48 88 ブロー孔
50 70 フリーピストン
51 加圧スプリング(第一弾性部材)
52 サブタンクオイル室
53 サブタンク気室
68 アウターチューブ気室
71 スプリング(第二弾性部材)
75 収容孔
85 オーバーフロー孔
Claims (11)
- アウターチューブと該アウターチューブ内に挿入され該アウターチューブに対して伸び方向に付勢されるスライドパイプとを設け、前記アウターチューブ側の内部にシリンダーを設けると共に前記スライドパイプ側の内部に前記シリンダー内を往復動するピストンを支持し、前記シリンダーの上部側に前記ピストンの縮退動作によるピストンロッド容積分のオイルを収容するサブタンクをオイルの流通抵抗を与える圧側減衰バルブを介して区画形成し、前記サブタンク内に、第一弾性部材により前記圧側減衰バルブ側に付勢したフリーピストンを設けた車両用緩衝器であって、前記サブタンク内に第二弾性部材により付勢したブローピストンを設け、前記フリーピストンによって前記サブタンク内を前記圧側減衰バルブ側のサブタンクオイル室と前記圧側減衰バルブの背後のサブタンク気室とに区画し、前記フリーピストンはサブタンクオイル室内の圧力が上昇したとき前記第一弾性部材に抗して摺動して圧力上昇を吸収し、前記ブローピストンは前記サブタンクオイル室内の圧力が予め設定した所定値を超えたときに前記第二弾性部材に抗して後退し前記サブタンクオイル室を開口させて前記サブタンクオイル室外にオイルをブロー可能に構成したことを特徴とする車両用緩衝器。
- 前記フリーピストンを付勢する前記第一弾性部材の弾性定数よりも、前記ブローピストンを付勢する第二弾性部材の弾性定数を大きく設定したことを特徴とする請求項1記載の車両用緩衝器。
- 前記ブローピストンは前記サブタンクオイル室のオイル圧増加により前記フリーピストンが所定のストローク位置になったときに前記第二弾性部材に抗して後退し前記サブタンクオイル室を開口させてオイルを前記サブタンクオイル室外にブロー可能に構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用緩衝器。
- 前記ブローピストンは前記フリーピストンに設けられた収容孔に前記第二弾性部材により圧側減衰バルブ側に付勢されかつ前記収容孔内壁を摺動可能に設けられ、前記フリーピストンによって前記圧側減衰バルブ側の前記サブタンクオイル室と前記フリーピストン背後の前記サブタンク気室とに区画し、前記サブタンクの周壁にはオーバーフロー孔を設け、前記フリーピストンが前記サブタンクオイル室のオイル圧増加により前記第一弾性部材に抗して摺動し、前記サブタンクオイル室が所定のオイル圧力に至った場合に前記ブローピストンが前記第二弾性部材に抗して摺動すると共に、前記収容孔により前記サブタンクオイル室と前記サブタンク気室とを連通し、前記サブタンクオイル室のオイルを前記収容孔から前記サブタンク気室にブローし、前記サブタンク気室内のオイルが所定量を超えると前記オーバーフロー孔から前記アウターチューブと前記サブタンク気室との間のアウターチューブ気室にオーバーフローするように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用緩衝器。
- 前記ブローピストンは開口端を前記スライドパイプ側に向けた有底筒状に形成され、底壁の背後に設けた前記第二弾性部材を介して付勢された状態で前記サブタンク内に摺動可能に設けられ、前記フリーピストンは、前記ブローピストン内で前記第一弾性部材を介して付勢された状態で前記ブローピストン内壁に摺動可能に設けられ、前記フリーピストンによって前記圧側減衰バルブ側のサブタンクオイル室と前記フリーピストン背後の前記ブローピストン内気室とに区画し、前記サブタンクの周壁にブロー孔を設け、前記フリーピストンが前記サブタンクオイル室に流入するオイルにより前記第一弾性部材に抗して後退すると共に所定のオイル圧力に至った場合に前記ブローピストンが前記第二弾性部材に抗して摺動し、前記サブタンクオイル室のオイルを前記ブロー孔から前記アウターチューブと前記サブタンクとの間のアウターチューブ気室にブロー可能に構成したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の車両用緩衝器。
- 前記ブロー孔を前記ブローピストンの開口端近傍に設け、通常時は前記ブローピストンによって前記ブロー孔を閉塞し、緩衝器収縮時には前記ブローピストンが摺動し所定圧になると前記ブロー孔を開放することを特徴とする請求項5に記載の車両用緩衝器。
- 前記ブローピストンの開口端近傍の外周面に前記ブローピストンと前記サブタンクの周壁間をシールするシール材を設け、該シール材は通常時は前記サブタンクオイル室側に位置して前記ブロー孔を前記サブタンクオイル室と遮断し、緩衝器収縮時には前記ブローピストンと共に摺動し所定圧に達したときには前記ブロー孔に至り前記ブロー孔を前記サブタンクオイル室と連通させることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の車両用緩衝器。
- 通常時において前記フリーピストンの前記サブタンクオイル室側端面と前記ブローピストンの開口端とが一致しているか、あるいは前記ブローピストンの開口端が前記フリーピストンの前記サブタンクオイル室側端面よりも前記サブタンクオイル室側に突出していることを特徴とする請求項5〜請求項7の何れか一項に記載の車両用緩衝器。
- 前記ブローピストンの開口端の外周部に縮径部を設け、前記サブタンクとの間に気泡溜まり部を設けたことを特徴とする請求項5〜請求項8記載の何れか一項に記載の車両用緩衝器。
- 前記サブタンクの内周壁は、前記ブロー孔の形成部位の内径が一段低く形成されていることを特徴とする請求項5〜請求項9の何れか一項に記載の車両用緩衝器。
- 前記ブローピストンと前記フリーピストンはガイドロッドを軸にして同軸で取り付けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3、請求項5〜請求項10の何れか一項に記載の車両用緩衝器。
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