JP5150397B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents

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本発明は二輪車用フロントフォーク等に用いられる油圧緩衝器に関する。
油圧緩衝器として、アウタチューブとインナチューブの内部にダンパシリンダを設け、このダンパシリンダの内周にピストンを摺接させるものに比して、部品点数の削減を図るため、特許文献1に記載の如く、ダンパシリンダを備えることなく、インナチューブの内周にピストンを摺接させるものがある。
この従来の油圧緩衝器は、アウタチューブの内周の開口部と、インナチューブの外周の先端部のそれぞれに固定したブッシュを介して、アウタチューブ内にインナチューブを摺動自在に挿入し、該アウタチューブの内周と、インナチューブの外周と、前記2つのブッシュとで囲まれる環状の油室を区画し、前記インナチューブの内周に隔壁部材を設け、下部に油室を区画するとともに、上部に油溜室を区画し、前記アウタチューブに取付けたピストンロッドを該隔壁部材に摺動自在に挿入し、前記インナチューブに挿入したピストンロッドの先端部に該インナチューブの内周に摺接するピストンを備え、前記油室を前記ピストンロッドが収容されるピストンロッド側油室と前記ピストンロッドが収容されないピストン側油室に区画し、前記環状の油室を前記インナチューブに設けた油孔を介して前記ピストンロッド側油室に連通している。
そして、前記環状の油室の断面積を前記ピストンロッドの断面積より大きく形成し、かつ、前記隔壁部材に伸側行程時に前記油室から前記油溜室への流れを阻止するチェック弁を設けるとともに、前記隔壁部材に前記油室と前記油溜室を連通する微小流路を設けている。
これにより、圧側行程でインナチューブに進入するピストンロッドの進入容積分の作動油がインナチューブの内周の油室からインナチューブの油孔を介して環状の油室に移送される。また、伸側行程でインナチューブから退出するピストンロッドの退出容積分の作動油が環状の油室からインナチューブの油孔を介してインナチューブの内周の油室に移送される。
また、隔壁部材に設けたチェック弁は、圧側行程で環状の油室に補給すべき不足油を油溜室からピストンロッド側油室へ導入可能にし、伸側行程でピストンロッド側油室の油が油溜室へ排出されることを阻止する。
また、隔壁部材に設けた微小流路は、伸側行程で環状の油室から排出すべき余剰油をピストンロッド側油室から油溜室へ排出する。
尚、伸側行程でピストンによって圧縮されたピストンロッド側油室の油は、ピストンに設けた伸側流路の伸側減衰バルブを押し開いてピストン側油室へ移送される。
特許4055843
特許文献1に記載の油圧緩衝器では、以下の問題点がある。
(1)伸側行程で環状の油室及びピストンロッド側油室から排出される油が、隔壁部材の微小流路と、ピストンの伸側流路のそれぞれに2分されて排出される。微小流路の流路径は、伸側流路に設けられる伸側減衰バルブのバルブ開弁圧を確保することとのバランスで決定する必要があり、厳しい精度管理が必要になる。
(2)隔壁部材の微小流路は、伸側行程で環状の油室から排出すべき余剰油だけを通し、伸側行程でピストンによって圧縮されたピストンロッド側油室の油を通すものでないから、極めて細径になり、作動油の混入異物が引っ掛かってつまり、アウタチューブの開口部に設けられて環状の油室を封止しているオイルシールの破損、オイルもれを招くおそれがある。
本発明の課題は、インナチューブの内周にピストンを摺接させる油圧緩衝器の簡素化を図ることにある。
請求項1の発明は、アウタチューブの内周の開口部と、インナチューブの外周の先端部のそれぞれに固定したブッシュを介して、アウタチューブ内にインナチューブを摺動自在に挿入し、該アウタチューブの内周と、インナチューブの外周と、前記2つのブッシュとで囲まれる環状の油室を区画し、前記インナチューブの内周に隔壁部材を設け、下部に油室を区画するとともに、上部に油溜室を区画し、前記アウタチューブに取付けたピストンロッドを該隔壁部材に摺動自在に挿入し、前記インナチューブに挿入したピストンロッドの先端部に該インナチューブの内周に摺接するピストンを備え、前記油室を前記ピストンロッドが収容されるピストンロッド側油室と前記ピストンロッドが収容されないピストン側油室に区画し、前記環状の油室を前記インナチューブに設けた油孔を介して前記ピストンロッド側油室に連通した油圧緩衝器において、前記環状の油室の断面積を前記ピストンロッドの断面積以上に形成し、かつ、前記隔壁部材に伸側行程時に前記油室から前記油溜室への流れを阻止するチェック弁を設けるとともに伸側行程で前記環状の油室及び前記ピストンロッド側油室から排出される油が前記ピストンロッドに設けた連絡路だけを通って油溜室に排出され、該連絡路が前記ピストンロッドに設けられて前記ピストン側油室に開口する中空部により構成されてなるようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記連絡路が、前記ピストンロッドに設けられて前記ピストン側油室に開口する中空部と、前記ピストンロッドに設けられて上記中空部を前記ピストンロッド側油室に連通する小孔と、前記ピストンロッドに設けられて上記中空部を前記油溜室に連通する小孔とからなるようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項2の発明において更に、前記ピストンロッドの前記中空部及び/又は前記油溜室に連通する小孔が圧側行程の減衰力を発生する絞りとなり、前記ピストンロッドの前記ピストンロッド側油室に連通する小孔が伸側行程の減衰力を発生する絞りとなるようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記ピストンロッドに設けられる前記連絡路に、圧側行程で前記ピストン側油室から前記油溜室に流出する油により開かれて減衰力を発生する減衰バルブを設けてなるようにしたものである。
請求項5の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記ピストンロッドに設けられる前記連絡路に、前記油溜室から前記油室への流れを阻止するチェック弁を設けてなるようにしたものである。
(請求項1)
(a)伸側行程で環状の油室及びピストンロッド側油室から排出される油がピストンロッドに設けた連絡路だけを通るように構成される。従って、連絡路の流路径は、他の流路等とのバランスを考慮する必要がなく、厳しい精度管理を必要としない。
(b)ピストンロッドに設ける連絡路は、ピストン側油室に開口する中空部により構成されるとともに、伸側行程で環状の油室から排出すべき余剰油と、伸側行程でピストンによって圧縮されたピストンロッド側油室の油を併せて通すものになり、過度に細径にならないから、作動油の混入異物が引っ掛かってつまることを回避できる。アウタチューブの開口部に設けられて環状の油室を封止しているオイルシールの破損、オイルもれを招くことがない。
(請求項2)
(c)上述(a)の連絡路が、ピストンロッドに設けられてピストン側油室に開口する中空部と、ピストンロッドに設けられて上記中空部をピストンロッド側油室に連通する小孔と、ピストンロッドに設けられて上記中空部を油溜室に連通する小孔とからなるものとされる。連絡路の全長のうちの大部分をピストンロッドの中空部により形成し、油圧緩衝器を簡素化できる。また、連絡路が、ピストン側油室とピストンロッド側油室の2室を互いに連通し、かつそれら2室を油溜室に連通するものになり、油圧緩衝器を簡素化できる。
(請求項3)
(d)上述(c)の連絡路のうち、ピストンロッドの中空部及び/又は油溜室に連通する小孔が圧側行程の減衰力を発生する絞りとされることにより、油圧緩衝器を簡素化できる。
(e)上述(c)の連絡路のうち、ピストンロッドのピストンロッド側油室に連通する小孔が伸側行程の減衰力を発生する絞りとされることにより、油圧緩衝器を簡素化できる。
(請求項4)
(f)ピストンロッドに設けられる連絡路に、圧側行程でピストン側油室から油溜室に流出する油により開かれて減衰力を発生する減衰バルブを設けることにより、この減衰バルブの開弁抵抗により圧側行程の減衰力を得ることができる。
(請求項5)
(g)ピストンロッドに設けられる連絡路に、油溜室から油室への流れを阻止するチェック弁を設けることにより、伸側行程で油溜室から連絡路への空気の侵入を防止できる。
図1は油圧緩衝器の全体を示す断面図、図2は図1の下部断面図、図3は図1の上部断面図、図4は図3の要部拡大断面図である。
油圧緩衝器(二輪車用フロントフォーク)10は、図1〜図4に示す如く、アウタチューブ11の下端開口部の内周に固定したブッシュ11Aと、インナチューブ12の上端開口部の外周に固定したブッシュ12Aを介して、アウタチューブ11の内部にインナチューブ12を摺動自在に挿入する。11Bはオイルシール、11Cはダストシールである。アウタチューブ11の上端開口部にはキャップ13が液密に螺着され、アウタチューブ11の外周には車体側取付部材14が設けられる。14Aはアウタチューブ11に対する車体側取付部材14の抜け止めピンである。インナチューブ12の下端開口部にはボトムピース15が液密に挿着されてインナチューブ12の内周に係着された止め輪16に抜け止めされ、インナチューブ12の下端外周にはボトムブラケット17が挿着され、ボトムブラケット17の底部の貫通孔に外側から挿入されたボルト18がボトムピース15に螺着されてボトムピース15を引き寄せ、インナチューブ12の下端部にボトムブラケット17が設けられる。17Aはインナチューブ12に対するボトムブラケット17の抜け止めピンである。
油圧緩衝器10は、アウタチューブ11の内周と、インナチューブ12の外周と、前記2つのブッシュ11A、12Aで囲まれる環状油室20を区画する。
油圧緩衝器10は、インナチューブ12の上端側で内径を段差状に拡径した内周に、下環状板31、短尺カラー32、上環状板33、長尺カラー34、ワッシャ35を順に挿入し、インナチューブ12の上端かしめ部12Bによりこれらをかしめ保持する。下環状板31、短尺カラー32及び上環状板33は、インナチューブ12の内周に設けられる隔壁部材30を構成し、隔壁部材30より下部に油室21を区画するとともに、上部に油溜室22を区画する。油溜室22の中でその下側領域は油室22A、上側領域は空気室22Bである。
油圧緩衝器10は、アウタチューブ11の上端部に設けたキャップ13の中心軸上の内側面にピストンロッド40の上端面を当て、キャップ13の貫通孔に外側から挿入されたボルト40Aがピストンロッド40の中空めねじ部に螺着されてピストンロッド40を引き寄せ、キャップ13にピストンロッド40を取付ける。
油圧緩衝器10は、アウタチューブ11にキャップ13を介して取付けたピストンロッド40を隔壁部材30からインナチューブ12の内部に摺動自在に挿入する。インナチューブ12に挿入されたピストンロッド40の先端部には、インナチューブ12の内周に摺接するピストン41を備える。ピストン41の外周溝にはピストンリング41Aが設けられる。ピストンロッド40のピストン41は、インナチューブ12の内部の油室21を、ピストンロッド40が収容されるピストンロッド側油室21Aと、ピストンロッド40が収容されないピストン側油室21Bに区画する。
油圧緩衝器10は、前記環状油室20を、インナチューブ12に設けた油孔20Aを介して、ピストンロッド側油室21Aに連通する。
油圧緩衝器10は、インナチューブ12の内部で、ピストン41のピストン側油室21Bに臨む下端面と、ボトムピース15のピストン側油室21Bに臨む上端面の間に懸架スプリング42を介装している。油圧緩衝器10は、車両走行時に路面から受ける衝撃力を懸架スプリング42の伸縮により吸収する。
油圧緩衝器10は、キャップ13の下面に当接するストッパラバー43をピストンロッド40の上端外周まわりに配置し、ピストンロッド40の上端外周に係着した止め輪44によりバックアップされるワッシャ45をストッパラバー43の下面に押し当てる。油圧緩衝器10の最圧縮時に、インナチューブ12の上端かしめ部12Bがワッシャ45を介してストッパラバー43に衝合することにより、最圧縮ストロークを規制する。
油圧緩衝器10は、ピストンロッド40の下端外周まわりに配置したリバウンドスプリング46をピストン41の上面に担持している。油圧緩衝器10の最伸長時に、隔壁部材30がリバウンドスプリング46に衝合することにより、最伸長ストロークを規制する。
しかるに、油圧緩衝器10にあっては、図4に示す如く、アウタチューブ11とインナチューブ12の環状隙間からなる前記環状油室20の断面積S1を、ピストンロッド40の断面積(外径に囲まれる面積)S2以上に形成している。
また、隔壁部材30に、圧側行程では油溜室22からピストンロッド側油室21Aへの油の流れを許容し、伸側行程ではピストンロッド側油室21Aから油溜室22への油の流れを阻止するチェック弁50を設けている。チェック弁50は、隔壁部材30の下環状板31と上環状板33の間に納められ、下環状板31と上環状板33の間隔(短尺カラー32の長さ)より短尺とされ、短尺カラー32の内径より小外径とされ、ピストンロッド40の外周に摺接して上下変位する円筒状とされ、下端面に横溝51を形成される。圧側行程では、チェック弁50はインナチューブ12に進入するピストンロッド40に連れ移動して下方に移動し、下環状板31に衝合するとともに、上環状板33との間に隙間を形成し、油溜室22の油をその外周経由で横溝51からピストンロッド側油室21Aへ導入可能にする。伸側行程では、チェック弁50はインナチューブ12から退出するピストンロッド40に連れ移動して上方に移動し、上環状板33に衝合して上環状板33との間の隙間を閉じ、ピストンロッド側油室21Aの油が油溜室22へ排出されることを阻止する。
また、油圧緩衝器10は、伸側行程で、環状油室20及びピストンロッド側油室21Aから排出される油が、ピストンロッド40に設けた連絡路60だけを通るように構成されている。本実施例の連絡路60は、ピストンロッド40(ピストン41も含む)に設けられてピストン側油室21Bに開口する中空部61と、ピストンロッド40に設けられて中空部61をピストンロッド側油室21Aに直に連通する小孔62と、ピストンロッド40に設けられて中空部61を油溜室22の空気室22Bに直に連通する小孔63とからなる。
本実施例の連絡路60において、中空部61と小孔63は圧側行程の減衰力を発生する絞りとなり、小孔62は伸側行程の減衰力を発生する絞りとなる。
尚、連絡路60の小孔62は、中空部61をピストンロッド側油室21Aに直に連通するものに限らず、ピストンロッド40のピストン41に設けられてピストンロッド側油室21Aをピストン側油室21Bに連通することにより、中空部61をピストン側油室21Bを介してピストンロッド側油室21Aに連通するものであっても良い。
油圧緩衝器10は以下の如くに動作する。
(圧側行程)
圧側行程で、図4に実線矢印で示す油の流れを生ずる。即ち、ピストンロッド40がインナチューブ12に進入するとき、ピストン41により圧縮されるピストン側油室21Bの油が連絡路60の中空部61、小孔63を通って油溜室22に流出し、この中空部61、小孔63の絞り抵抗により圧側減衰力を発生する。同時に、ピストン41により拡張されるピストンロッド側油室21Aに対し、油溜室22の油がチェック弁50を介して供給される。
この圧側行程では、インナチューブ12に進入するピストンロッド40の進入容積分の油がインナチューブ12のピストンロッド側油室21Aからインナチューブ12の油孔20Aを介して環状油室20に移送される。このとき、環状油室20の容積増加分ΔS1(補給量)がピストンロッド40の容積増加分ΔS2以上になるから、環状油室20への油の必要補給量のうち(ΔS1−ΔS2)の不足分が油溜室22からチェック弁50を介してピストンロッド側油室21Aひいては環状油室20に補給される。
(伸側行程)
伸側行程で、図4に一点鎖線矢印で示す油の流れを生ずる。即ち、ピストンロッド40がインナチューブ12から退出するとき、ピストン41により圧縮されるピストンロッド側油室21Aの油が、チェック弁50の存在により油溜室22に流出せず、連絡路60の小孔62(及び中空部61)を通ってピストン側油室21Bに流入し、この小孔62の絞り抵抗により伸側減衰力を発生する。
この伸側行程では、インナチューブ12から退出するピストンロッド40の退出容積分の油が環状油室20からインナチューブ12の油孔20Aを介してインナチューブ12のピストンロッド側油室21A、ひいてはピストン側油室21Bに移送される。このとき、環状油室20の容積減少分ΔS1(排出量)がピストンロッド40の容積減少分ΔS2以上になるから、環状油室20からの油の排出量のうち、(ΔS1−ΔS2)の余剰分がピストンロッド側油室21Aから連絡路60の小孔62、中空部61、小孔63を介して油溜室22に排出される。
この伸側行程では、インナチューブ12から退出するピストンロッド40の退出容積分の油が環状油室20からピストン側油室21Bに補給され、連絡路60の中空部61内の油はピストン側油室21Bへ流入することがなく、小孔63から油溜室22へ排出される余剰油の流れを生じ、結果として油溜室22の空気室22Bの空気が連絡路60の小孔63、中空部61を通って油室21に侵入することがない。従って、安定した伸側減衰力を発生させることができる。
尚、油圧緩衝器10にあっては、図4に示す如く、ピストンロッド40に設けられる連絡路60に、圧側行程で、ピストン側油室21Bから油溜室22に流出する油により開かれて圧側減衰力を発生する減衰バルブ70を設けることができる。減衰バルブ70は、本実施例においては、連絡路60の中空部61における小孔63の直下部に配置されるボール弁71からなり、ボール弁71は中空部61の内径を小孔63側で拡径した段差部に着座可能にされ、前述のボルト40Aの下端面との間に介装される圧縮ばね72の付勢力により上記段差部に押し当てられる。圧側行程で、ピストン側油室21Bから連絡路60の中空部61、小孔63を通って油溜室22に流出する油が減衰バルブ70の圧縮ばね72の付勢力に抗してボール弁71を押し開くとき、この減衰バルブ70の開弁抵抗に起因する圧側減衰力が発生する。
また、油圧緩衝器10にあっては、ピストンロッド40に設けられる連絡路60に、油溜室22の空気室22Bから油室21への空気の流れを阻止するチェック弁80を設けることもできる。チェック弁80は、上述の減衰バルブ70(ボール弁71及び圧縮ばね72)を兼用することができる。チェック弁80は、上述の減衰バルブ70を兼用するものでなければ、減衰バルブ70のボール弁71と同様のボール弁(圧縮ばね72はあってもなくても可)を中空部61の上記段差部に着座することにより構成できる。これにより、伸側行程で、環状油室20及びピストンロッド側油室21Aの油が仮にチェック弁50の僅かな隙間を通って油溜室22へ逃げた分、連絡路60の中空部61内の油がピストン側油室21Bへ流入し、この中空部61内の油が小孔63から油溜室22へ排出される流れを生じなくなっても、油溜室22の空気室22Bの空気はチェック弁80の存在により連絡路60の小孔63、中空部61を通って油室21に侵入することを排除される。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)伸側行程で環状油室20及びピストンロッド側油室21Aから排出される油がピストンロッド40に設けた連絡路60だけを通るように構成される。従って、連絡路60の流路径は、他の流路等とのバランスを考慮する必要がなく、厳しい精度管理を必要としない。
(b)ピストンロッド40に設ける連絡路60は、伸側行程で環状油室20から排出すべき余剰油と、伸側行程でピストン41によって圧縮されたピストンロッド側油室21Aの油を併せて通すものになり、過度に細径にならないから、作動油の混入異物が引っ掛かってつまることを回避できる。アウタチューブ11の開口部に設けられて環状油室20を封止しているオイルシール11Bの破損、オイルもれを招くことがない。
(c)上述(a)の連絡路60が、ピストンロッド40に設けられてピストン側油室21Bに開口する中空部61と、ピストンロッド40に設けられて上記中空部61をピストンロッド側油室21Aに連通する小孔62と、ピストンロッド40に設けられて上記中空部61を油溜室22に連通する小孔63とからなるものとされる。連絡路60の全長のうちの大部分をピストンロッド40の中空部61により形成し、油圧緩衝器10を簡素化できる。また、連絡路60が、ピストン側油室21Bとピストンロッド側油室21Aの2室を互いに連通し、かつそれら2室を油溜室22に連通するものになり、油圧緩衝器10を簡素化できる。
(d)上述(c)の連絡路60のうち、ピストンロッド40の中空部61及び/又は油溜室22に連通する小孔63が圧側行程の減衰力を発生する絞りとされることにより、油圧緩衝器10を簡素化できる。
(e)上述(c)の連絡路60のうち、ピストンロッド40のピストンロッド側油室21Aに連通する小孔62が伸側行程の減衰力を発生する絞りとされることにより、油圧緩衝器10を簡素化できる。
(f)ピストンロッド40に設けられる連絡路60に、圧側行程でピストン側油室21Bから油溜室22に流出する油により開かれて減衰力を発生する減衰バルブ70を設けることにより、この減衰バルブ70の開弁抵抗により圧側行程の減衰力を得ることができる。
(g)ピストンロッド40に設けられる連絡路60に、油溜室22から油室21への流れを阻止するチェック弁80を設けることにより、伸側行程で油溜室22から連絡路60への空気の侵入を防止できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1は油圧緩衝器の全体を示す断面図である。 図2は図1の下部断面図である。 図3は図1の上部断面図である。 図4は図3の要部拡大断面図である。
符号の説明
10 油圧緩衝器
11 アウタチューブ
11A ブッシュ
12 インナチューブ
12A ブッシュ
20 環状油室
20A 油孔
21 油室
21A ピストンロッド側油室
21B ピストン側油室
22 油溜室
30 隔壁部材
40 ピストンロッド
41 ピストン
50 チェック弁
60 連絡路
61 中空部
62、63 小孔
70 減衰バルブ
80 チェック弁

Claims (5)

  1. アウタチューブの内周の開口部と、インナチューブの外周の先端部のそれぞれに固定したブッシュを介して、アウタチューブ内にインナチューブを摺動自在に挿入し、
    該アウタチューブの内周と、インナチューブの外周と、前記2つのブッシュとで囲まれる環状の油室を区画し、
    前記インナチューブの内周に隔壁部材を設け、下部に油室を区画するとともに、上部に油溜室を区画し、
    前記アウタチューブに取付けたピストンロッドを該隔壁部材に摺動自在に挿入し、
    前記インナチューブに挿入したピストンロッドの先端部に該インナチューブの内周に摺接するピストンを備え、前記油室を前記ピストンロッドが収容されるピストンロッド側油室と前記ピストンロッドが収容されないピストン側油室に区画し、
    前記環状の油室を前記インナチューブに設けた油孔を介して前記ピストンロッド側油室に連通した油圧緩衝器において、
    前記環状の油室の断面積を前記ピストンロッドの断面積以上に形成し、かつ、前記隔壁部材に伸側行程時に前記油室から前記油溜室への流れを阻止するチェック弁を設けるとともに
    伸側行程で前記環状の油室及び前記ピストンロッド側油室から排出される油が前記ピストンロッドに設けた連絡路だけを通って油溜室に排出され、該連絡路が前記ピストンロッドに設けられて前記ピストン側油室に開口する中空部により構成されてなることを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 前記連絡路が、前記ピストンロッドに設けられて前記ピストン側油室に開口する中空部と、前記ピストンロッドに設けられて上記中空部を前記ピストンロッド側油室に連通する小孔と、前記ピストンロッドに設けられて上記中空部を前記油溜室に連通する小孔とからなる請求項1に記載の油圧緩衝器。
  3. 前記ピストンロッドの前記中空部及び/又は前記油溜室に連通する小孔が圧側行程の減衰力を発生する絞りとなり、
    前記ピストンロッドの前記ピストンロッド側油室に連通する小孔が伸側行程の減衰力を発生する絞りとなる請求項2に記載の油圧緩衝器。
  4. 前記ピストンロッドに設けられる前記連絡路に、圧側行程で前記ピストン側油室から前記油溜室に流出する油により開かれて減衰力を発生する減衰バルブを設けてなる請求項1〜3のいずれかに記載の油圧緩衝器。
  5. 前記ピストンロッドに設けられる前記連絡路に、前記油溜室から前記油室への流れを阻止するチェック弁を設けてなる請求項1〜3のいずれかに記載の油圧緩衝器。
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