JP5562107B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は二輪車用フロントフォーク等に用いられる油圧緩衝器に関する。
油圧緩衝器として、アウタチューブとインナチューブの内部にダンパシリンダを設け、このダンパシリンダの内周にピストンを摺接させるものに比して、部品点数の削減を図るため、特許文献1に記載の如く、ダンパシリンダを備えることなく、インナチューブの内周にピストンを摺接させるものがある。
この従来の油圧緩衝器は、アウタチューブ内にインナチューブを摺動自在に挿入し、前記インナチューブの内周に隔壁部材を設け、下部に油室を区画するとともに、上部に油溜室を区画し、前記アウタチューブに取付けたピストンロッドを該隔壁部材に摺動自在に挿入し、前記インナチューブに挿入したピストンロッドの先端部に該インナチューブの内周に摺接するピストンを備える。
このとき、アウタチューブの上端部にフォークボルトを封着し、該フォークボルトの外方側から挿入されて該フォークボルトに軸方向で係合する取付ボルトの先端ねじ部にピストンロッドの中空部を螺着し、取付ボルトにより引き寄せられるピストンロッドの上端面をフォークボルトの内側面に突き当て固定している。
特開2010-38172
特許文献1に記載の油圧緩衝器にあっては、アウタチューブの内部にピストンロッドを組込むときには、フォークボルトに挿入した取付ボルトの先端ねじ部をピストンロッドの中空部に螺着し、該ピストンロッドをフォークボルトの内側面に突き当て固定し、その後、該フォークボルトをアウタチューブの上端部に螺着する必要がある。これに対し、ピストンロッドを単にアウタチューブの内部に配置した状態で、フォークボルトをアウタチューブの上端部に封着し、その後、該フォークボルトの外方側から挿入した取付ボルトの先端ねじ部をピストンロッドの中空部に螺着しようとしても、該ピストンロッドを回り止め保持できず、締結できない。
従って、従来の油圧緩衝器において、緩衝器内の加圧検査を行なうには、フォークボルトが未だ封着されていないアウタチューブの上端部の開口を用いない限り、緩衝器内に検査用圧縮空気を送り込んで検査することができない。このことは、フォークボルトを封着した組立済状態での加圧検査を行なうことができないことを意味する。
本発明の課題は、アウタチューブの上端部に封着されるフォークボルトに取付けたピストンロッドの先端部のピストンをインナチューブの内周に摺接させる油圧緩衝器において、フォークボルト及びピストンロッドの組付性を向上することにある。
請求項1に係る発明は、アウタチューブ内にインナチューブを摺動自在に挿入し、前記インナチューブの内周に隔壁部材を設け、下部に油室を区画するとともに、上部に油溜室を区画し、前記アウタチューブに取付けたピストンロッドを該隔壁部材に摺動自在に挿入し、前記インナチューブに挿入したピストンロッドの先端部に該インナチューブの内周に摺接するピストンを備えてなる油圧緩衝器において、前記アウタチューブの上端部にフォークボルトを封着し、フォークボルトの一方側から該フォークボルトのねじ孔に螺着されるピストンロッドを該ねじ孔の端面に突き当てロック可能にし、かつフォークボルトの他方側から該フォークボルトのボルト孔に挿入されて該ボルト孔の段差面に突き当てロック可能にされる取付ボルトをピストンロッドのねじ部に螺着するものであり、前記フォークボルトに前記ピストンロッドを螺着するねじと、前記ピストンロッドに前記取付ボルトを螺着するねじとを、互いに逆ねじにしてなるようにしたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記ピストンロッドが前記油室及び前記油溜室に連通する中空部を有し、前記取付ボルトが該ピストンロッドの中空部に螺着されてなるようにしたものである。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の油圧緩衝器の組立方法であって、前記ピストンロッドを前記フォークボルトに仮止めし、前記アウタチューブの上端部に該フォークボルトを締結した後、前記取付ボルトを上記ピストンロッドに締結するようにしたものである。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において更に、前記取付ボルトを前記ピストンロッドに締結する前に、該ピストンロッドの中空部を用いて緩衝器内の加圧検査を行なうようにしたものである。
(請求項1)
(a)油圧緩衝器にあっては、前記アウタチューブの上端部にフォークボルトを封着し、該フォークボルトに前記ピストンロッドを該フォークボルトの一方側から螺着し、該フォークボルトの他方側から係入される取付ボルトを該ピストンロッドに螺着してなり、前記フォークボルトに前記ピストンロッドを螺着するねじと、前記ピストンロッドに前記取付ボルトを螺着するねじとを、互いに逆ねじにした。従って、アウタチューブの内部にピストンロッドを組込むときには、ピストンロッドをフォークボルトに仮止めし、アウタチューブの上端部にフォークボルトを締結した後、取付ボルトをピストンロッドのねじ部に締結するとともに、取付ボルトの回転に連れ回るピストンロッドをフォークボルトのねじ孔に締結して本止めするに至るものになる。即ち、取付ボルトをピストンロッドに例えば左ねじ方向で締結する過程で、ピストンロッドが取付ボルトの回転に連れ回るとき、ピストンロッドはフォークボルトに右ねじ方向で締結され、本止めされるに至る。従って、予めフォークボルトをアウタチューブの上端部に封着した状態下で、ピストンロッドを回り止め保持せずに、該ピストンロッドを該フォークボルトに締結して本止めすることができ、その組付性を向上できる。
(b)油圧緩衝器の加圧検査を行なうときには、ピストンロッドが仮止めされたフォークボルトをアウタチューブの上端部に封着した状態で、取付ボルトが螺着されていないピストンロッドの中空部の外部開口端から油室及び油溜室に検査用圧縮空気を送り込んで検査する。フォークボルトを螺着した組立済状態で、加圧(圧漏れ)検査を行なうことができる。
加圧検査後に、上述(a)により、取付ボルトをピストンロッドに締結することにより、ピストンロッドをフォークボルトに締結し、本止めするものになる。
(c)上述(b)の取付ボルトが螺着されていないピストンロッドの中空部の外部開口端を、油室及び油溜室へのオイル注入口としても利用できる。ユーザーのオイル交換作業を容易に実施できることにもなる。
図1は油圧緩衝器の全体を示す断面図である。 図2は図1の下部断面図である。 図3は図1の上部断面図である。 図4は図3の要部拡大断面図である。 図5はフォークボルトとピストンロッドと取付ボルトの締結構造を示す断面図である。
油圧緩衝器(二輪車用フロントフォーク)10は、図1〜図4に示す如く、アウタチューブ11の下端開口部の内周に固定したブッシュ11Aと、インナチューブ12の上端開口部の外周に固定したブッシュ12Aを介して、アウタチューブ11の内部にインナチューブ12を摺動自在に挿入する。アウタチューブ11の下端開口部に接続されるシールケース11Bにオイルシール11C、ダストシール11Dが格納される。アウタチューブ11の上端開口部にはフォークボルト13が密封状態で螺着される。インナチューブ12の下端開口部にはボトムピース15が密封状態で挿着されてインナチューブ12の内周に係着された止め輪16に抜け止めされ、インナチューブ12の下端外周にはボトムブラケット17が挿着され、ボトムブラケット17の底部の貫通孔に外側から挿入されたボルト18がボトムピース15に螺着されてボトムピース15を引き寄せ、インナチューブ12の下端部にボトムブラケット17が設けられる。
油圧緩衝器10は、アウタチューブ11の内周と、インナチューブ12の外周と、前記2つのブッシュ11A、12Aで囲まれる環状油室20を区画する。
油圧緩衝器10は、インナチューブ12の上端側で内径を段差状に拡径した内周に、下環状板付カラー31(下環状板32を備える)、上環状板33、長尺カラー34、ワッシャ35を順に挿入し、インナチューブ12の上端かしめ部12Bによりこれらをかしめ保持する。下環状板付カラー31及び上環状板33は、インナチューブ12の内周に設けられる隔壁部材30を構成し、隔壁部材30より下部に油室21を区画するとともに、上部に油溜室22を区画する。油溜室22の中でその下側領域は油室22A、上側領域は空気室22Bである。
油圧緩衝器10は、アウタチューブ11の上端開口部のねじ孔37にフォークボルト13をOリング37Aを介して封着されて螺着され、フォークボルト13の外周フランジ13Aをアウタチューブ11の上端面に突き当てロックする。フォークボルト13の中心軸上に設けたねじ孔38にピストンロッド40の上端部を該フォークボルト13の一方側(緩衝器の内側)から螺着し、ピストンロッド40の上端面をねじ孔38の上端面に突き当てロックする。フォークボルト13の他方側(緩衝器の外側)に設けてある段差状ボルト孔39から挿入されて軸方向に係合する取付ボルト19の先端ねじ部がピストンロッド40の中空部61の上端ねじ部61Aに螺着される。取付ボルト19は、頭部19Aを段差状ボルト孔39の大径孔と小径孔の段差面に突き当てロックし、ボルト孔39の小径孔とピストンロッド40の上端面との間にOリング39Aを介して封着される。これにより、フォークボルト13にピストンロッド40を取付けてある。フォークボルト13と取付ボルト19とピストンロッド40の締結構造については後述する。
油圧緩衝器10は、アウタチューブ11のフォークボルト13に取付けたピストンロッド40を隔壁部材30からインナチューブ12の内部に摺動自在に挿入する。インナチューブ12に挿入されたピストンロッド40の先端部には、インナチューブ12の内周に摺接するピストン41を備える。ピストン41の外周にはピストンリング41Aが設けられる。ピストンロッド40のピストン41は、インナチューブ12の内部の油室21を、ピストンロッド40が収容されるピストンロッド側油室21Aと、ピストンロッド40が収容されないピストン側油室21Bに区画する。
油圧緩衝器10は、前記環状油室20を、インナチューブ12に設けた油孔20Aを介して、ピストンロッド側油室21Aに連通する。
油圧緩衝器10は、インナチューブ12の内部で、ピストン41のピストン側油室21Bに臨む下端面と、ボトムピース15のピストン側油室21Bに臨む上端面の間に懸架スプリング42を介装している。油圧緩衝器10は、車両走行時に路面から受ける衝撃力を懸架スプリング42の伸縮により吸収する。
油圧緩衝器10は、フォークボルト13の下面に当接するストッパラバー43をピストンロッド40の上端外周まわりに配置し、ピストンロッド40の上端外周に係着した止め輪44によりバックアップされるワッシャ45をストッパラバー43の下面に押し当てる。油圧緩衝器10の最圧縮時に、インナチューブ12の上端かしめ部12Bがワッシャ45を介してストッパラバー43に衝合することにより、最圧縮ストロークを規制する。
油圧緩衝器10は、ピストンロッド40の下端外周まわりに配置したリバウンドスプリング46をピストン41の上面に担持している。油圧緩衝器10の最伸長時に、隔壁部材30がリバウンドスプリング46に衝合することにより、最伸長ストロークを規制する。
しかるに、油圧緩衝器10にあっては、図4に示す如く、アウタチューブ11とインナチューブ12の環状隙間からなる前記環状油室20の断面積S1を、ピストンロッド40の断面積(外径に囲まれる面積)S2以上に形成している。
また、隔壁部材30に、伸側行程ではピストンロッド側油室21Aから油溜室22への油の流れを阻止し、圧側行程では油溜室22からピストンロッド側油室21Aへの油の流れを、前記環状油室20の断面積S1と前記ピストンロッド40の断面積S2の差ΔSに起因して該環状油室20に補給すべき補給分だけ許容する隔壁チェック弁50を設けている。隔壁チェック弁50は、隔壁部材30の下環状板32と上環状板33の間に納められ、下環状板32と上環状板33の間隔より短尺とされ、短尺カラー31の内径より小外径とされ、ピストンロッド40の外周に摺接して上下変位する円筒状とされ、下端面に横溝51を形成される。隔壁チェック弁50は、下環状板32との間に圧縮コイルばねからなるバルブスプリング52を介装され、上環状板33の側に付勢されている。圧側行程では、隔壁チェック弁50はインナチューブ12に進入するピストンロッド40に連れ移動して下方に移動し、下環状板32に衝合するとともに、上環状板33との間に隙間を形成し、油溜室22の油をその外周経由で横溝51からピストンロッド側油室21Aへ導入可能にする。伸側行程では、隔壁チェック弁50はインナチューブ12から退出するピストンロッド40に連れ移動して上方に移動し、上環状板33に衝合して上環状板33との間の隙間を閉じ、ピストンロッド側油室21Aの油が油溜室22へ排出されることを阻止する。
油圧緩衝器10は、伸側行程で、環状油室20及びピストンロッド側油室21Aから排出される油が、ピストンロッド40に設けた連絡路60だけを通るように構成されている。本実施例の連絡路60は、ピストンロッド40(ピストン41も含む)に設けられてピストン側油室21Bに開口する中空部61と、ピストンロッド40に設けられて中空部61をピストンロッド側油室21Aに直に連通する小孔62と、ピストンロッド40に設けられて中空部61を油溜室22の空気室22Bに直に連通する小孔63とからなる。
本実施例の連絡路60において、中空部61と小孔63は圧側行程の減衰力を発生する絞りとなり、小孔62は伸側行程の減衰力を発生する絞りとなる。
尚、連絡路60の小孔62は、中空部61をピストンロッド側油室21Aに直に連通するものに限らず、ピストンロッド40のピストン41に設けられてピストンロッド側油室21Aをピストン側油室21Bに連通することにより、中空部61をピストン側油室21Bを介してピストンロッド側油室21Aに連通するものであっても良い。
しかるに、油圧緩衝器10にあっては、ピストンロッド40の外周であって、ピストンロッド40に設けられて油溜室22の空気室22Bに連通する小孔63の周囲に、油溜室22の空気室22Bからピストンロッド40の中空部61への流れを阻止するチェック弁70を設けている。
チェック弁70は、ゴム等の弾性体から構成でき、又は他の材料、機構により構成できる。本実施例では、チェック弁70は、インナチューブ12の最圧縮ストロークを規制するストッパラバー43と共用されるものとされ、ピストンロッド40の周囲でフォークボルト13の内側面とワッシャ45の間に挟み込みセットされている。
本実施例のチェック弁70は、ピストンロッド40の小孔63まわりの外周を囲む環状体からなる。チェック弁70の本体71の下部と、本体71の上部内周に設けてある環状リップ72がピストンロッド40の小孔63まわりの外周との間に区画する環状スペース70A(図5)は、小孔63を介してピストンロッド40の中空部61、油室21に連通し、常に油室21及び中空部61の油が充填される。この環状スペース70Aから油溜室22へ流出する油は、チェック弁70のリップ72を押し開き、本体71の上部に設けてある横溝73、本体71の外周を回って油溜室22の油室22Aへ落下する。
チェック弁70は、圧側行程の減衰力を発生する減衰バルブを構成するものにもなる。
油圧緩衝器10は以下の如くに動作する。
(圧側行程)
圧側行程で、図4に実線矢印で示す油の流れを生ずる。即ち、ピストンロッド40がインナチューブ12に進入するとき、ピストン41により圧縮されるピストン側油室21Bの油が連絡路60の中空部61、小孔63を通り、チェック弁70を押し開いて油溜室22に流出し、この中空部61、小孔63の絞り抵抗により圧側減衰力を発生する。同時に、ピストン41により拡張されるピストンロッド側油室21Aに対し、油溜室22の油がチェック弁50を介して供給される。
この圧側行程では、インナチューブ12に進入するピストンロッド40の進入容積分の油がインナチューブ12のピストンロッド側油室21Aからインナチューブ12の油孔20Aを介して環状油室20に移送される。このとき、環状油室20の容積増加分ΔS1(補給量)がピストンロッド40の容積増加分ΔS2以上になるから、環状油室20への油の必要補給量のうち(ΔS1−ΔS2)の不足分が油溜室22からチェック弁50を介してピストンロッド側油室21Aひいては環状油室20に補給される。
(伸側行程)
伸側行程で、図4に一点鎖線矢印で示す油の流れを生ずる。即ち、ピストンロッド40がインナチューブ12から退出するとき、ピストン41により圧縮されるピストンロッド側油室21Aの油が、チェック弁50の存在により油溜室22に流出せず、連絡路60の小孔62(及び中空部61)を通ってピストン側油室21Bに流入し、この小孔62の絞り抵抗により伸側減衰力を発生する。
この伸側行程では、インナチューブ12から退出するピストンロッド40の退出容積分の油が環状油室20からインナチューブ12の油孔20Aを介してインナチューブ12のピストンロッド側油室21A、ひいてはピストン側油室21Bに移送される。このとき、環状油室20の容積減少分ΔS1(排出量)がピストンロッド40の容積減少分ΔS2以上になるから、環状油室20からの油の排出量のうち、(ΔS1−ΔS2)の余剰分がピストンロッド側油室21Aから連絡路60の小孔62、中空部61、小孔63を通り、チェック弁70を押し開いて油溜室22に排出される。
従って、本実施例によれば、以下の作用効果を奏する。
(a)前記ピストンロッド40の外周であって、該ピストンロッド40に設けられて前記油溜室22に連通する前記小孔63の周囲に、該油溜室22から該ピストンロッド40の前記中空部61への流れを阻止するチェック弁70を設けた。従って、インナチューブ12の下部油室21を油溜室22に対して封止している隔壁部材30や、環状油室20を油溜室22に対して封止しているブッシュのシール性が完全でない場合にも、ピストンロッド40の油溜室22に連通している小孔63経由で、油溜室22の空気が該ピストンロッド40の中空部61に入ることがなく、結果として、ピストンロッド40の中空部61の油のヘッド圧が上記の油室21や環状油室20の油を油溜室22へ漏出させることがない。
これにより、ピストンロッド40の中空部61及び上記小孔63はチェック弁70により囲まれて常に油で満たされ、圧側行程でピストン41により圧縮されたピストン側油室21Bの油は上記油中の小孔63を通って油溜室22に流出し、該小孔63の絞り抵抗による圧側減衰力を応答遅れなく発生する。
(b)圧側行程で、上述(a)の小孔63を通って油溜室22に流出する油は上記チェック弁70を押し開き、このチェック弁70の開弁抵抗により圧側減衰力を得ることができる。
(c)上記チェック弁70は弾性体により構成することができる。この弾性体からなるチェック弁70は、インナチューブ12の最圧縮ストロークを規制するストッパラバー43に兼用することができ、部品点数を削減できる。
次に、油圧緩衝器10において、フォークボルト13と取付ボルト19とピストンロッド40の締結構造について説明する。油圧緩衝器10では、前述した如く、アウタチューブ11の上端部にフォークボルト13を封着し、フォークボルト13にピストンロッド40を該フォークボルト13の一方側(緩衝器の内側)から螺着し、該フォークボルト13の他方側(緩衝器の外側)から係入される取付ボルト19をピストンロッド40に螺着した。このとき、フォークボルト13にピストンロッド40を螺着するねじA(図5参照)と、ピストンロッド40に取付ボルト19を螺着するねじB(図5参照)とを、互いに逆ねじにした。即ち、Aを左ねじにし、Bを右ねじにする。又は、Aを右ねじにし、Bを左ねじにする。
尚、ピストンロッド40は、前述の如く、環状油室20、油室21、油溜室22に連通する中空部61を有する中空ロッドからなる。また、取付ボルト19は、ピストンロッド40の中空部61の上端ねじ部61Aに螺着されている。
油圧緩衝器10の組立手順は以下の如くになる。
(1)インナチューブ12の下端開口部から挿入したピストンロッド40を、インナチューブ12の上端部に取付けてある隔壁部材30に挿通する。
(2)インナチューブ12の下端開口部にボトムピース15を挿着し、インナチューブ12の下端部にボトムブラケット17を設ける。
(3)アウタチューブ11の内部にインナチューブ12を挿入する。
(4)ピストンロッド40の上端部をフォークボルト13のねじ孔38に仮止めし、このフォークボルト13をアウタチューブ11の上端開口部のねじ孔37にOリング37Aを介して封着して螺着する。
フォークボルト13の外側に開口している段差状ボルト孔39、ピストンロッド40の中空部61の外部開口端を用いて、油圧緩衝器10の加圧検査、環状油室20、油室21、油溜室22へのオイル注入を行なう。
(5)取付ボルト19をフォークボルト13の段差状ボルト孔39に通し、この取付ボルト19をピストンロッド40の中空部61の上端ねじ部61Aに締結し、結果として、ピストンロッド40の上端部をフォークボルト13のねじ孔38に本止めする。
従って、本実施例によれば、以下の作用効果を奏する。
(a)油圧緩衝器10にあっては、前記アウタチューブ11の上端部にフォークボルト13を封着し、該フォークボルト13に前記ピストンロッド40を該フォークボルト13の一方側から螺着し、該フォークボルト13の他方側から係入される取付ボルト19を該ピストンロッド40に螺着してなり、前記フォークボルト13に前記ピストンロッド40を螺着するねじAと、前記ピストンロッド40に前記取付ボルト19を螺着するねじBとを、互いに逆ねじにした。従って、アウタチューブ11の内部にピストンロッド40を組込むときには、ピストンロッド40をフォークボルト13に仮止めし、アウタチューブ11の上端部にフォークボルト13を締結した後、取付ボルト19をピストンロッド40に締結することにより、ピストンロッド40をフォークボルト13に締結して本止めするに至るものになる。即ち、取付ボルト19をピストンロッド40に例えば左ねじ方向で締結する過程で、ピストンロッド40が取付ボルト19の回転に連れ回るとき、ピストンロッド40はフォークボルト13に右ねじ方向で締結され、本止めされるに至る。従って、予めフォークボルト13をアウタチューブ11の上端部に封着した状態下で、ピストンロッド40を回り止め保持せずに、該ピストンロッド40を該フォークボルト13に締結して本止めすることができ、その組付性を向上できる。
(b)油圧緩衝器10の加圧検査を行なうときには、ピストンロッド40が仮止めされたフォークボルト13をアウタチューブ11の上端部に封着した状態で、取付ボルト19が螺着されていないピストンロッド40の中空部61の外部開口端から油室21及び油溜室22に検査用圧縮空気を送り込んで検査する。フォークボルト13を螺着した組立済状態で、加圧(圧漏れ)検査を行なうことができる。
加圧検査後に、上述(a)により、取付ボルト19をピストンロッド40に締結することにより、ピストンロッド40をフォークボルト13に締結し、本止めするものになる。
(c)上述(b)の取付ボルト19が螺着されていないピストンロッド40の中空部61の外部開口端を、油室21及び油溜室22へのオイル注入口としても利用できる。ユーザーのオイル交換作業を容易に実施できることにもなる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
本発明は、アウタチューブ内にインナチューブを摺動自在に挿入し、前記インナチューブの内周に隔壁部材を設け、下部に油室を区画するとともに、上部に油溜室を区画し、前記アウタチューブに取付けたピストンロッドを該隔壁部材に摺動自在に挿入し、前記インナチューブに挿入したピストンロッドの先端部に該インナチューブの内周に摺接するピストンを備えてなる油圧緩衝器において、前記アウタチューブの上端部にフォークボルトを封着し、該フォークボルトに前記ピストンロッドを該フォークボルトの一方側から螺着し、該フォークボルトの他方側から係入される取付ボルトを該ピストンロッドに螺着してなり、前記フォークボルトに前記ピストンロッドを螺着するねじと、前記ピストンロッドに前記取付ボルトを螺着するねじとを、互いに逆ねじにした。これにより、アウタチューブの上端部に封着されるフォークボルトに取付けたピストンロッドの先端部のピストンをインナチューブの内周に摺接させる油圧緩衝器において、フォークボルト及びピストンロッドの組付性を向上することができる。
10 油圧緩衝器
11 アウタチューブ
12 インナチューブ
13 フォークボルト
19 取付ボルト
21 油室
22 油溜室
30 隔壁部材
40 ピストンロッド
41 ピストン
61 中空部
A、B ねじ

Claims (4)

  1. アウタチューブ内にインナチューブを摺動自在に挿入し、前記インナチューブの内周に隔壁部材を設け、下部に油室を区画するとともに、上部に油溜室を区画し、前記アウタチューブに取付けたピストンロッドを該隔壁部材に摺動自在に挿入し、前記インナチューブに挿入したピストンロッドの先端部に該インナチューブの内周に摺接するピストンを備えてなる油圧緩衝器において、
    前記アウタチューブの上端部にフォークボルトを封着し、フォークボルトの一方側から該フォークボルトのねじ孔に螺着されるピストンロッドを該ねじ孔の端面に突き当てロック可能にし、かつフォークボルトの他方側から該フォークボルトのボルト孔に挿入されて該ボルト孔の段差面に突き当てロック可能にされる取付ボルトをピストンロッドのねじ部に螺着するものであり、
    前記フォークボルトに前記ピストンロッドを螺着するねじと、前記ピストンロッドに前記取付ボルトを螺着するねじとを、互いに逆ねじにしてなることを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 前記ピストンロッドが前記油室及び前記油溜室に連通する中空部を有し、前記取付ボルトが該ピストンロッドの中空部に螺着されてなる請求項1に記載の油圧緩衝器。
  3. 請求項2に記載の油圧緩衝器の組立方法であって、
    前記ピストンロッドを前記フォークボルトに仮止めし、前記アウタチューブの上端部に該フォークボルトを締結した後、前記取付ボルトを上記ピストンロッドに締結する油圧緩衝器の組立方法。
  4. 前記取付ボルトを前記ピストンロッドに締結する前に、該ピストンロッドの中空部を用いて緩衝器内の加圧検査を行なう請求項3に記載の油圧緩衝器の組立方法。
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