JP2010164167A - フロントフォーク - Google Patents

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正 原
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Abstract

【課題】 重量の軽減に寄与する部品点数の削減を可能にする。
【解決手段】 車体側チューブ1内に車輪側チューブ2が出没可能に挿通されるフォーク本体内に油面Oを境にするリザーバ内気室Aを有すると共に上記の車体側チューブ1に結合されるシリンダ体3内に上記の車輪側チューブ2に結合されるロッド体4を出没可能に挿通させるダンパを有してなるフロントフォークにおいて、上記のフォーク本体が最伸長状態にあるときに上記のリザーバ内気室Aに大気圧以上の気圧を封入して反力を具有させると共に、このフォーク本体が最伸長状態から収縮する所定のストローク領域内における反力を抑制する抑制手段Sを有し、この抑制手段Sが上記のダンパにおけるシリンダ体3内に配設されてなる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、フロントフォークに関し、特に、二輪車の前輪側に架装されて下端部で懸架する前輪に入力される路面振動を吸収する緩衝器たるフロントフォークの改良に関する。
二輪車の前輪側に架装されて下端部で懸架する前輪に入力される路面振動を吸収する緩衝器たるフロントフォークとしては、従来から種々の提案があるが、たとえば、特許文献1に開示されているように、多くのフロントフォークにあっては、車体側チューブと車輪側チューブとからなるフォーク本体内にこのフォーク本体を伸長方向に附勢するコイルスプリングからなる懸架バネを有している。
一方、この特許文献1に開示のフロントフォークにあっては、フォーク本体内にシリンダ体を上端側部材にする倒立型に設定のダンパを有し、このダンパは、シリンダ体におけるボトム端部内に圧側減衰手段を有すると共に、この圧側減衰手段の下流側に摺動可能に配設されてこのボトム端部内に減衰手段側油室および背面側気室を画成するフリーピストンを有している。
そして、このダンパにあって、フリーピストンで画成される背面側気室は、シリンダ体のボトム端部に開穿の連通孔を介してダンパの外となるフォーク本体内のリザーバに連通すると共に、ダンパ内の油圧に抗してフリーピストンを背面側から附勢するコイルスプリングからなる附勢バネを有している。
そしてまた、このダンパにあって、フリーピストンは、ダンパ内における油温上昇などに起因する作動油の膨張や、ダンパの作動中にダンパ外の作動油がダンパ内に流入するなどで、ダンパ内の作動油が所定量を超える状況になると、所定のストローク以上に上昇するように後退し、シリンダ体のボトム端部に開穿の連通孔を介して言わば余剰の作動油をリザーバに戻すように解放する。
それゆえ、この特許文献1に開示のフロントフォークにあっては、フォーク本体が懸架バネで伸長方向に附勢されると共に、ダンパ内の作動油量が安定され、ダンパが過大な反力を生じなくなる。
特開平6‐109054公報(明細書中の段落0022,同0024,同0044から同0046,図1,図8参照)
しかしながら、上記した特許文献1に開示の提案にあっては、フォーク本体が懸架バネで伸長方向に附勢されながらダンパが過大な反力を生じない点で、基本的に不具合がある訳ではないが、その実施にあって、些か不具合があると指摘される可能性がある。
すなわち、上記した特許文献1に開示の提案を含めて、凡そこれまでに提案されている多くのフロントフォークにあっては、フォーク本体が懸架バネを有して伸長方向に附勢されている。
それゆえ、これまでのフロントフォークにあっては、この懸架バネを有する分、部品点数の削減を困難にすると共に、好ましい重量の軽減効果を得られない不具合がある。
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、伸長方向に附勢されながらダンパが過大な反力を生じないのはもちろんのこと、重量の軽減に寄与する部品点数の削減を可能にして、その汎用性の向上を期待するのに最適となるフロントフォークを提供することである。
上記した目的を達成するために、この発明によるフロントフォークの構成を、基本的には、車体側チューブ内に車輪側チューブが出没可能に挿通されるフォーク本体内に油面を境にするリザーバ内気室を有すると共に上記の車体側チューブに結合されるシリンダ体内に上記の車輪側チューブに結合されるロッド体を出没可能に挿通させるダンパを有してなるフロントフォークにおいて、上記のフォーク本体が最伸長状態にあるときに上記のリザーバ内気室に大気圧以上の気圧を封入して反力を具有させると共に、このフォーク本体が最伸長状態から収縮する所定のストローク領域内における反力を抑制する抑制手段を有し、この抑制手段が上記のダンパにおけるシリンダ体内に配設されてなるとする。
それゆえ、この発明にあっては、フォーク本体が最伸長状態にあるときにリザーバ内気室に大気圧以上の気圧を封入して反力を具有させるから、フォーク本体内を加圧状態に維持でき、最伸長状態にあるフォーク本体が収縮作動を開始するとき、開始当初から安定した収縮作動を可能にする。
そして、この発明にあっては、フォーク本体内にダンパを有するから、このダンパ内を加圧状態に維持でき、したがって、最伸長状態にあるダンパが収縮作動を開始するとき、開始当初から安定した減衰作動を可能にする。
また、この発明にあっては、フォーク本体が最伸長状態にあるときにリザーバ内気室に大気圧以上の気圧を封入して反力を具有させるから、フォーク本体が常時伸長方向に附勢されることになり、したがって、懸架バネを有せずしてフォーク本体を伸長方向に附勢し得ることになり、その限りにおいて、懸架バネを有しない分、重量の軽減と部品点数の削減を可能にする。
そして、この発明にあっては、フォーク本体が最伸長状態にあるときにリザーバ内気室に大気圧以上の気圧を封入して反力を具有させる一方で、フォーク本体が最伸長状態から収縮する所定のストローク領域内における反力を抑制する抑制手段を有してなるから、最伸長状態から所定のストローク領域内で収縮するときの反力を小さくすることが可能になる。
そしてまた、この発明にあっては、抑制手段がダンパにおけるシリンダ体内に配設されてなるから、この抑制手段がシリンダ体の外に配設される場合に比較して、関連部品数の削減を可能にする。
この発明の一実施形態によるフロントフォークを破断して部分的に断面で示す正面図である。 図1のフロントフォークにおける上端側部を拡大して示す部分半截縦断面図である。 図1のフロントフォークにおける中間部を図2と同様に示す図である。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるフロントフォークは、二輪車の前輪側に架装されて走行中の二輪車の前輪に入力される路面振動を吸収する油圧緩衝器として機能する。
そして、このフロントフォークは、上端側がハンドル(図示せず)側に結合されながら下端部で前輪(図示せず)を懸架するフォーク本体と、このフォーク本体内に収装されてこのフォーク本体の伸縮時に同期して伸縮し所定の減衰作用をするダンパとを有してなる。
フォーク本体は、図1に示すように、上端側がハンドル側に結合される大径のアウターチューブからなる車体側チューブ1と、この車体側チューブ1の下端側に上端側が出没可能に挿通されながら下端部で前輪を懸架する小径のインナーチューブからなる車輪側チューブ2とを有して、倒立型に設定されている。
そして、このフォーク本体は、図示するところでは、その内側であってダンパの外となるリザーバRを有し、このリザーバRは、油面Oを境にするリザーバ内気室Aを有してなる。
ちなみに、この発明にあって、リザーバ内気室Aには、フォーク本体が最伸長状態にあるときに、大気圧以上となる気圧を封入するが、このことについては、後に詳しく説明する。
なお、リザーバRにおける油面Oの高さ位置についてであるが、図示するところでは、フォーク本体が最伸長状態にあるときに、後述するダンパを構成するシリンダ体3における図中で下端となるヘッド端の下方に位置決められるが、これに代えて、図示しないが、車輪側チューブ2に開穿されて車体側チューブ1との間に出現する潤滑隙間(符示せず)への作動油の流入を許容する連通孔2aを下方の油中に有するように位置決められるとしても良い。
ダンパは、図示するところでは、シリンダ体3を上端側部材にすると共にロッド体4を下端側部材にする倒立型に設定されており、基本的には、シリンダ体3が車体側チューブ1に結合されてこの車体側チューブ1の軸芯部に垂設され、ロッド体4が車輪側チューブ2に結合されてこの車輪側チューブ2の軸芯部に起立される。
そして、このダンパにあっては、図示するところでは、すなわち、具体的には、シリンダ体3が図中で上端部となるボトム端部31を一体的に有してなり、このボトム端部31が車体側チューブ1における軸芯部に垂設されながら、後述する圧側減衰手段6とフリーピストン7とを収装してなる。
つまり、ダンパは、図3にも示すが、ロッド体4の図中での上端部たる先端部に保持されながらシリンダ体3内に摺動可能に収装されるピストン体5を有し、このピストン体5は、シリンダ体3内にロッド側室R1とピストン側室R2とを画成すると共にこのロッド側室R1およびピストン側室R2間における相互連通を許容する減衰手段を有し、この減衰手段は、伸側減衰バルブ51と圧側バルブ52とを有し、この伸側減衰バルブ51と圧側バルブ52とを作動油が通過するときに所定の減衰作用を具現化させる。
なお、上記の減衰手段については、任意の構成が採用されて良く、たとえば、上記の圧側バルブ52については、これが吸い込みバルブとされても良く、また、チェックバルブとされても良い。
そして、凡そこの種の多くのダンパがそうであるように、このダンパにあっても、フォーク本体の最伸長作動時、すなわち、ダンパにおける最伸長作動時における作用力吸収用の伸び切りバネ53を有してなる。
なお、図示するフロントフォークにあっては、最収縮作動時の作用力を吸収するオイルロック機構を有し、このオイルロック機構は、図1に示すように、ダンパにおけるシリンダ体3のヘッド端部の外周に保持されたオイルロックピース33と、車輪側チューブ2のボトム端部内に配設されたオイルロックケース21とを有し、ロッド体4がシリンダ体3内に大きいストロークで没入する最収縮作動時にオイルロックピース33がオイルロックケース21内に嵌入されるようになって、最収縮作動時の作用力を吸収する。
また、シリンダ体3のヘッド端部の外周には、環状のスペーサ34が一体に保持され、このスペーサ34の外周に保持されたブッシュ35が車輪側チューブ2の内周に摺接して、シリンダ体3の車輪側チューブ2に対する調芯を実現している。
そしてまた、このスペーサ34は、周方向に適宜の間隔で形成された複数の切欠通路34aを有し、この切欠通路34aによるスペーサ34の上下の連通を許容している。
一方、このダンパにあっては、シリンダ体3内にロッド体4が没入する収縮作動時に、ピストン側室R2において余剰となる侵入ロッド体積分に相当する量の作動油が圧側減衰手段6を介してフリーピストン7側に流出することを許容する。
そして、このダンパにあっては、上記と逆に、シリンダ体3内からロッド体4が突出する伸長作動時に、ピストン側室R2において不足する退出ロッド体積分に相当する量の作動油をフリーピストン7側から圧側減衰手段6を介して補充する。
ところで、前記したが、このダンパにあって、シリンダ体3は、図2にも示すように、ボトム端部31を有してなり、このボトム端部31内にいわゆる油圧緩衝器におけるベースバルブ部に設けられる減衰バルブに相当する圧側減衰手段6と、この圧側減衰手段6の下流側に位置決められるフリーピストン7とを有している。
ここで、シリンダ体3におけるボトム端部31について少し説明すると、このボトム端部31は、図2に示すように、シリンダ体3に比較すると大径の筒状に形成されて、下端連結部31aがシリンダ体3における開口端部3aの外周にロックナット32の利用下に螺着されている。
そして、このボトム端部31は、上端連結部31bを車体側チューブ1の上端部の内周に螺着させて、このボトム端部31が車体側チューブ1の軸芯部に配在されている。
また、このボトム端部31は、圧側減衰手段6を収装すると共にフリーピストン7を摺動させながら収装する本体部31cと、この本体部31cにテーパ部31dを介して連続する拡径部31eとを有し、この拡径部31eにボトム端部31内外の連通を可能にする連通孔31fを有してなる。
シリンダ体3におけるボトム端部31が以上のように形成されているとき、上記の圧側減衰手段6は、ボトム端部31内を上記したシリンダ体3内側、すなわち、前記したピストン側室R2側と、リザーバR側、すなわち、フリーピストン7側とに画成しながら、このピストン側室R2側とフリーピストン7側との間における相互連通を許容する。
そして、この圧側減衰手段6は、たとえば、圧側減衰バルブ61とこれに並列するチェックバルブ62とを有してなり、特に、ピストン側室R2側をフリーピストン7側に連通させるときに、圧側減衰バルブ61で所定の圧側減衰作用を具現化する。
ちなみに、圧側減衰手段6は、図示するところでは、車体側チューブ1の軸芯部に垂設されるセンターロッド8における図中で下端部となるシリンダ体3内のピストン側室R2に対向する先端部に保持される。
そして、センターロッド8は、基本的には、車体側チューブ1の上端開口を閉塞するキャップ部材11の軸芯部に垂設されて、ボトム端部31の軸芯部に臨在されるが、図示するところでは、キャップ部材11が前記したボトム端部31における上端連結部31bの内周に螺着され、このキャップ部材11は、前記したリザーバ内気室Aにおける気圧を最適にし得るように、気体の給排を可能にするエアバルブVを有してなる。
一方、このダンパにあっては、上記のボトム端部31内に、特に、ボトム端部31における本体部31c内に上記した圧側減衰手段6の下流側に直列するように収装されるフリーピストン7を摺動可能に有している。
このフリーピストン7は、本体部71でボトム端部31内を圧側減衰手段6側となる受圧面側油室R3と、閉鎖空間からなりエアバネ力を具有する背面側気室A1とに画成している。
そして、このダンパにあって、背面側気室A1は、上記の連通孔31fを介してダンパの外たるフォーク本体内のリザーバ内気室Aに連通可能とされて、このリザーバ内気室Aとに封入される気圧と同圧になるとしている。
そしてまた、フリーピストン7は、本体部71の外周にシール72およびブッシュ73を有しながら本体部31cの内周に摺接すると共に、内周にチェックシール74を有しながら上記のセンターロッド8の外周に摺接、すなわち、摺動可能に介装されている。
また、このフリーピストン7は、図中で上昇するようにボトム端部31内で後退して、特に、本体部71の下端がテーパ部31dの内側に到達する状況になるとき、フリーピストン7の外周とテーパ部31dの内周との間に隙間を出現させ、この隙間を介することによる本体部31cの内側の連通孔31fを介してのリザーバRへの連通を許容する。
それゆえ、このフリーピストン7にあっては、ダンパ内の作動油量が所定量にあるとき、フリーピストン7の背後に画成される背面側気室A1における反力たるエアバネ力でシリンダ体3内を加圧して昇圧傾向に維持する。
そして、このフリーピストン7にあっては、たとえば、ダンパ内における油温上昇などに起因する作動油の膨張や、ダンパの作動中にシリンダ体3外のリザーバRからの作動油がダンパ内に流入するなどで、ダンパ内の作動油が所定量を超える状況になると、所定のストローク以上に上昇するように後退し、シリンダ体3のボトム端部31に開穿の連通孔31fを介して言わば余剰の作動油をリザーバRに戻すように解放する。
上記したように、圧側減衰手段6が車体側チューブ1の上端開口を閉塞するキャップ部材11に連設のセンターロッド8の先端部に保持され、このセンターロッド8がフリーピストン7を介装させる場合には、この圧側減衰手段6およびフリーピストン7をキャップ部材11と共にいわゆるアッセンブリ化することが可能になり、フロントフォークの組立性を向上させる上で有利になる。
ところで、この発明にあって、最伸長状態にあるフォーク本体内に大気圧以上となる気圧を封入して反力を具有させるから、フリーピストン7によってシリンダ体3におけるボトム端部31内に画成される背面側気室A1は、前記した特許文献1に開示のフロントフォークにあってコイルスプリングからなる昇圧バネを有することに比較して、この昇圧バネを有しない。
すなわち、この発明によるフロントフォークにあっては、最伸長状態にあるフォーク本体内に油面Oを境にして画成されるリザーバ内気室Aに大気圧以上となる気圧を封入して反力を具有させる。
そして、出願人が確認したところでは、シリンダ体3の内径がほぼ25mmで長さが300mmとなるフォーク本体が最伸長状態にあるときに、リザーバ内気室Aに大気圧以上となるほぼ0.3MPaの気体を封入したとき、このフォーク本体の最収縮状態時の内圧がほぼ1.5MPaとなる。
このことから、このフロントフォークにあっては、フォーク本体が最伸長状態にあるときに、フォーク本体内を高圧傾向に維持でき、したがって、フォーク本体が収縮作動を開始するとき、すなわち、収縮作動の開始当初から安定した収縮作動を可能にする。
そして、このフロントフォークにあっては、フォーク本体内に大気圧以上の気圧を封入して反力を具有させるから、フォーク本体が常時伸長方向に附勢され、懸架バネを有せずしてフォーク本体を伸長方向に附勢し得ることになり、その限りにおいて、懸架バネを有しない分、重量の軽減と部品点数の削減を可能にする。
また、ダンパが最伸長状態にあるときに、フリーピストン7をボトム端部31内で最下降させて、すなわち、最前進させてシリンダ体3内、すなわち、ダンパ内を加圧して昇圧傾向に維持し、最伸長状態にあるダンパが収縮作動を開始する当初から安定した圧側減衰作用の具現化を可能にする。
そして、このフロントフォークにおける反力を具有させるリザーバ内気室Aにおける気圧は、シリンダ体3のボトム端部31に開穿の連通孔31fを介してフリーピストン7で画成される背面側気室A1にも及ぶから、この背面側気室A1にエアバネ以外にコイルスプリングからなる機械バネ、すなわち、昇圧バネを配設することを要せず、この昇圧バネを有しない分、重量の軽減と部品点数の削減を可能にする。
なお、前記した特許文献1に開示されているように、また、特開2005‐30534公報に開示されているように、この種のフリーピストンにあっては、背後に附勢手段たるコイルスプリングからなる昇圧バネ(39あるいは4)を有してなるのが常態である。
しかし、フリーピストンの背後にコイルスプリングからなる昇圧バネを有する場合、凡そコイルスプリングにあっては、先端に隣接する被附勢部材たるフリーピストンに対して附勢力をコイルスプリングの巻き方向たる周方向に均等に作用することを困難にし、このフリーピストンに齧り現象を発現し易くなる弊害がある。
そこで、フリーピストンを背後から附勢するのにあって、昇圧バネを利用せずにエアバネ力を利用する場合には、少なくとも、昇圧バネを利用することによるフリーピストンにおける齧り現象の発現を危惧しなくて済む。
また、エアバネ力でフリーピストンを附勢する場合には、フリーピストンにおける齧り現象の発現を阻止し得るから、図示しないが、フリーピストンの摺動性を安定させるために、フリーピストンにおける摺動方向の寸法を大きく形成することに代えて、図示するように、フリーピストン7における摺動方向の寸法を小さくしていたずらな重量の増大化を阻止することが可能になる。
以上のように形成されたフロントフォークにあっては、最伸長状態時にあるフォーク本体内に大気圧以上となる気圧を封入して反力を具有させるとし、これによって、フォーク本体内を加圧して昇圧傾向にして、最伸長状態にあるフォーク本体が収縮作動を開始する当初から、安定した収縮作動を具現化している。
それに対して、文献などを示さないが、これまでにも懸架バネを有せずして封入した気圧で、すなわち、エアバネのみでフォーク本体を伸長方向に附勢するフロントフォークの提案がある。
また、フロントフォークの組立の際には、フォーク本体内に封入される気圧が大気圧以上でないと、フロントフォークの組立が不可能に近いほど困難になることも周知されている。
ことからすると、この実施形態において、フォーク本体内に、たとえば、0.3MPa以上となる大気圧以上の気圧を封入し、さらに、後述するように、フォーク本体内に大気圧以上の気圧を封入して反力を具有させる一方で、抑制手段、すなわち、このフォーク本体が最伸長状態から収縮する所定のストローク領域内における反力を抑制する抑制手段を有してなる特異性を有している。
すなわち、この実施形態のフロントフォークにあっては、最伸長状態にあるフォーク本体が封入される気圧に起因する反力を具有するから、最伸長状態から収縮作動を開始するときには、この封入された気圧に起因する反力を有しない場合に比較して、たとえば、二輪車におけるライダーにフロントフォークが硬いと言う印象を与える危惧があるが、この最伸長状態に封入された気圧に起因する反力を抑制することで、二輪車におけるライダーにフロントフォークが硬いと言う印象を与えることを回避できる。
そして、上記の所定のストローク領域は、最伸長状態から開始される収縮ストロークの領域で、好ましくは、最伸長状態から最収縮状態になるまでの全ストロークのほぼ1/3のストローク領域であるが、これは絶対的なものでなく、多少の差があっても、この発明における抑制手段の意図するところが異なるものではない。
そしてまた、この抑制手段は、図示するところでは、コイルスプリングからなるバランスバネSとされ、このバランスバネSは、シリンダ体3内に収装されてこのシリンダ体3内からロッド体4を突出させる方向に、すなわち、フォーク本体を伸長方向に附勢する。
このフォーク本体を伸長方向に附勢する意味からすると、このバランスバネSは、前記したダンパ内に収装の伸び切りバネ53(図1および図3参照)と同様のバネ、すなわち、次なる伸び切りバネとも称される余地がある。
しかし、このバランスバネSは、最伸長状態にあるフォーク本体の言わば初期反力を相殺する観点からすると、ダンパにおける最伸長作動時における作用力を吸収する伸び切りバネ53とは、異なった働きをするものである。
ところで、このバランスバネSは、図示するところでは、ダンパにおけるシリンダ体3内に配設されてなるとし、ダンパのカートリッジ化を妨げない上に、このバランスバネSがシリンダ体3の外に配設される場合に比較して、配設に要する関連部品数の削減を可能にする。
ちなみに、このバランスバネSは、図中で下端となる基端をシリンダ体3における図中で下端部となるヘッド端部にバネシートS1の介在下に担持されると共に図中で上端となる先端がこのシリンダ体3内に摺動可能に収装されてロッド体4の図中で上端部となる先端部に保持されるピストン体5に近隣するシート部4aに係止されている。
そして、このバランスバネSの内側に前記した伸び切りバネ53を有し、この伸び切りバネ53の下端たる基端が上記のバネシートS1に担持されながら上端たる先端がロッド体4に保持されたストッパ53aに係止されている。
そしてまた、このバランスバネSは、基本的には、フォーク本体を伸長方向に附勢するもので、フォーク本体が伸長作動して最伸長状態になる手前から始まる上記のストローク領域にあって、このバランスバネSが収縮して伸長するフォーク本体における動きを抑制する傾向になり、特に、最伸長状態にあるフォーク本体における反力を言わば零にして、二輪車におけるライダーに最伸長状態から収縮作動を開始するフロントフォークが硬いと言う印象を与えることを回避する。
前記したところでは、フォーク本体が懸架バネを有しないとしたが、この発明における抑制手段たるバランスバネSが機能するところからすると、フォーク本体が懸架バネを有してなるとしても、この発明の具現化が可能になるのはもちろんであり、その場合の作用効果も異なるところはない。
そして、前記したところでは、抑制手段たるバランスバネSがダンパにおけるシリンダ体内に配設されてなるとしたが、このバランスバネが機能するところを重視する場合には、このバランスバネがシリンダ体3の外に配設されても良く、この場合には、バランスバネSにおけるバネ力の設定の変更が容易になり、また、いわゆるメンテナンス性も向上される。
二輪車の前輪側に架装されて下端部で懸架する前輪に入力される路面振動を吸収する緩衝器としての利用に向く。
1 車体側チューブ
2 車輪側チューブ
3 シリンダ体
6 圧側減衰手段
7 フリーピストン
31 ボトム端部
31f 連通孔
A リザーバ内気室
A1 背面側気室
O 油面
R3 受圧面側油室
S 抑制手段たるバランスバネ

Claims (4)

  1. 車体側チューブ内に車輪側チューブが出没可能に挿通されるフォーク本体内に油面を境にするリザーバ内気室を有すると共に上記の車体側チューブに結合されるシリンダ体内に上記の車輪側チューブに結合されるロッド体を出没可能に挿通させるダンパを有してなるフロントフォークにおいて、上記のフォーク本体が最伸長状態にあるときに上記のリザーバ内気室に大気圧以上の気圧を封入して反力を具有させると共に、このフォーク本体が最伸長状態から収縮する所定のストローク領域内における反力を抑制する抑制手段を有し、この抑制手段が上記のダンパにおけるシリンダ体内に配設されてなることを特徴とするフロントフォーク。
  2. 上記のダンパが上記のシリンダ体におけるボトム端部内に圧側減衰手段を有すると共にこの圧側減衰手段の下流側に摺動可能に配設されてこのボトム端部内に受圧面側油室および背面側気室を画成するフリーピストンを有し、上記の背面側気室が上記のボトム端部に開穿の連通孔を介して上記のリザーバ内気室と連通される一方で上記のフリーピストンが所定のストロークを後退するときに上記の受圧面側油室が上記の連通孔を介して上記のリザーバ内気室に連通されてなる請求項1に記載のフロントフォーク。
  3. 上記の抑制手段がコイルスプリングからなるバランスバネとされ、上記のダンパが最伸長状態から最収縮状態になるまでの全ストロークのほぼ1/3以上のストロークを収縮するときに、上記の抑制手段が上記のフォーク本体における反力を抑制するバネ力を具有してなる請求項1または請求項2に記載のフロントフォーク。
  4. 上記の抑制手段の基端が上記のシリンダ体におけるヘッド端部側に担持されると共に先端が上記のシリンダ体内に摺動可能に収装されて上記のロッド体の先端部に保持されるピストン体側に係止されてなる請求項1,請求項2または請求項3に記載のフロントフォーク。
JP2009008411A 2009-01-19 2009-01-19 フロントフォーク Pending JP2010164167A (ja)

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