JP5452377B2 - 流体圧緩衝器 - Google Patents

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Description

この発明は、流体圧緩衝器に関し、特に、二輪車の車輪を懸架して車輪に入力される路面振動を減衰するフロントフォークやリアクッションユニットの改良に関する。
二輪車の車輪を懸架して車輪に入力される路面振動を減衰するフロントフォークやリアクッションユニットとしては、従来から種々の提案があるが、例えば、特許文献1に開示されているように、多くのフロントフォークにあっては、車体側チューブと車輪側チューブとからなるフォーク本体内にこのフォーク本体を伸張方向に附勢するコイルスプリングからなる懸架ばねを有している。
一方、この特許文献1に開示のフロントフォークにあっては、上記フォーク本体内に所定の減衰力を発生する減衰力発生手段を備えるダンパを収容してなる。
このダンパは、車体側チューブの軸心部に起立するダンパシリンダと、車輪側チューブの軸心部に起立して上記ダンパシリンダ内に出没自在に挿入されるロッドと、このロッドに保持されて上記ダンパシリンダ内を二つの圧力室に区画するピストンと、このピストンの移動に伴い所定の減衰力を発生する減衰力発生手段とからなる。
特開2008−240840号 公報(図1)
従来のフロントフォークは、懸架ばねを備えることにより路面振動を吸収するサスペンションとして機能し、また、ダンパを備えることにより路面振動を減衰する緩衝器としても機能することが可能となる。
しかしながら、上記従来のフロントフォークは、構造が複雑で部品点数が多く、フロントフォークの重量化を招く虞がある。
そこで、本発明の目的は、部品点数を減らして軽量化を可能にしたフロントフォーク等の油圧緩衝器を提供することである。
上記課題を解決するための手段は、 アウターチューブと、このアウターチューブ内に出没自在に挿入されるインナーチューブとからなる緩衝器本体と、上記インナーチューブ内に収容される作動流体からなる作動室と、この作動室と対向すると共に上記緩衝器本体内に封入された気体からなり昇圧傾向に維持されてエアバネとして機能するリザーバ気室と、上記インナーチューブ内周に外周を摺接させながら上記作動室内を移動してこの作動室内を圧側作動室と伸側作動室とに区画するピストンと、上記アウターチューブの軸心部に起立して上記ピストンを保持するロッドと、上記ピストンの移動に伴い所定の減衰力を発生する減衰力発生手段と、上記インナーチューブの外周と上記アウターチューブ内周との間に筒状に形成される潤滑隙間とを備えた液体圧緩衝器であって、
上記緩衝器本体が最伸張状態から収縮する所定のストローク範囲で作動して上記リザーブ気室によるばね反力を抑制するバランススプリングと、
上記インナーチューブの端部に取り付けられ、上記アウターチューブの内周に摺接して上記環状隙間と上記リザーバ気室とを区画するシール部材が設けられた隔壁部材とを設け、
上記バランススプリングが、上記隔壁部材の下端に一端側が固定されると共に外周を上記インナーチューブの内周にピストンの摺動面を避けて当接することである。
本発明に係る油圧緩衝器は、上記リザーバ気室を備えることにより、コイルスプリングからなる懸架ばねを備えることなくサスペンションとして機能し、これにより軽量化することが可能となる。
また、バランススプリングを備えることにより、上記緩衝器本体が最伸張状態から収縮する所定のストローク範囲における乗り心地の悪化を防ぐことが可能となる。
即ち、バランススプリングは、フォーク本体が伸張状態にあるときに圧縮されて、ロッドがインナーチューブ内に侵入するよう附勢するため、フォーク本体は収縮する方向に附勢される。
従って、フォーク本体が最伸張時近傍にある場合においても、バランススプリングがリザーバ気室の内圧に抗してフォーク本体を収縮方向に附勢するため、最伸張時のフロントフォークにおける反力を言わば零にして、収縮ストロークの速やかな開始を妨げず、乗り心地の悪化を招くことがない。
更に、シール部材がアウターチューブとインナーチューブとの間を封止しているからフォーク本体内の圧力がアウターチューブとインナーチューブとの間の潤滑隙間に作用するのを防止する。
また、バランススプリングは、隔壁部材の下端に一端側が固定されると共に、インナーチューブ内周にピストンの摺動面を避けて当接することから、バックリングを防止することが可能となると共に、ばね径を最大にすることが可能となる。
すなわち、バランススプリングは、インナーチューブに支えられてバックリングが防止されると共に、バランススプリングが作動するフォーク本体の最伸張時近傍のみにおいて下端側がインナーチューブ2内周に摺接する。
つまり、フォーク本体の最伸張時近傍以外は、バランススプリング4がインナーチューブ2内周に摺接することがなく、インナーチューブ2内周の傷付を最小限にすることが可能となる。
また、バランススプリングは、ピストンの摺動面を避けてインナーチューブと当接するから、バランススプリング4の最伸張時の下端がインナーチューブ2とピストンとの摺動面に掛からない長さに設定される。
当該構成を備えることにより、バランススプリングの伸縮によりピストンの摺動面を傷つけることがなく、ピストンの外周がインナーチューブの内周に摺接する際のフリクションを最小にしてピストンの円滑な摺動を確保することが可能となる。
また、上記バランススプリングがインナーチューブの内周に当接することから、バランススプリングのコイル径を最大とし、バランススプリングの巻き数を最小にして全長を短く形成することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る流体圧緩衝器の最伸張状態を示す半断面図である。 本発明の一実施の形態に係る流体圧緩衝器の最収縮状態を示す半断面図である。 本発明の一実施の形態に係る流体圧緩衝器の最伸張状態を示す部分拡大半断面図である。 本発明の一実施の形態に係る流体圧緩衝器のばね特性を示すグラフである。
以下、本発明の一実施の形態を示す流体圧緩衝器について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品かまたはそれに対応する部品を示す。
本実施の形態は、本発明に係る流体圧緩衝器を二輪車の前輪を懸架しながらその前輪に入力される路面振動を減衰するフロントフォークに具現化したものである。
このフロントフォークは、二輪車の前輪の両側に起立する左右一対のフォーク部材からなり、このフォーク部材は、アウターチューブ1と、このアウターチューブ1内に出没自在に挿入されるインナーチューブ2とからなる緩衝器本体たるフォーク本体と、上記インナーチューブ2内に収容される作動流体からなる作動室と、この作動室と対向すると共に上記フォーク本体内に封入された気体からなり昇圧傾向に維持されてエアバネとして機能するリザーバ気室Rと、上記インナーチューブ2内周に外周を摺接させながら上記作動室内を移動してこの作動室内を圧側作動室P1と伸側作動室P2とに区画するピストン15と、上記アウターチューブ1の軸心部に起立して上記ピストン15を保持するロッド13と、上記ピストン15の移動に伴い所定の減衰力を発生する減衰力発生手段とを備えてなる。
そして、上記インナーチューブ2に一端側を固定されると共に外周を上記インナーチューブ2内周に当接するバランススプリング4を設け、このバランススプリング4は、上記フォーク本体が最伸張状態から収縮する所定のストローク範囲における上記リザーバ気室Rによるばね反力を抑制する。
以下に、本実施の形態におけるフロントフォークの各構成部品についてそれぞれ説明する。
上記フロントフォークは、車体側に位置するアウターチューブ1と、車輪側に位置するインナーチューブ2とを備え、倒立型に設定される。
そして、図示しないが、アウターチューブ2の図中上端側は二輪車のハンドルに連結され、インナーチューブ2の図中下端側は二輪車の前輪の車軸に連結される。
更に、図示するところのフロントフォークは、アウターチューブ1とインナーチューブ2からなるフォーク本体内部に、気体が封入されてエアサスペンションとして機能すると共に、減衰力発生手段を備えてダンパたる流体圧緩衝器としても機能する。
上記フォーク本体は、上下端をキャップ部材12及びボトム部材22で封止され、アウターチューブ1とインナーチューブ2との摺動面を後述の第二シール部材21で封止されることにより密閉される。
上記フォーク本体内部とは、アウターチューブ1及びインナーチューブ2の内側に形成される空間のうち、上記第二シール部材21によって区画される後述の油溜室3を除く空間をいうものである。
このフォーク本体内部は、下方に位置して作動流体たる作動油で満たされる作動室と、作動油の油面Oを境に上方に位置して気体が封入されて昇圧傾向に維持されるリザーバ気室Rとに区画される。
上記リザーバ気室Rは、アウターチューブ1内に形成される上方気室R1と、インナーチューブ2内に形成される下方気室R2とからなり、これらの気室R1、R2は常に連通状態に保たれる。
上記作動油で満たされる作動室は、インナーチューブ2内周に外周を摺接するピストン15により、図中上方に位置する伸側作動室P2と、図中下方に位置する圧側作動室P1とに区画される。
そして、上記伸側作動室P2は、上記リザーバ気室R内に収容される気体により油面Oを介して加圧される。
上記各作動室P1、P2を区画するピストン15は、アウターチューブ1の図中上端を封止するキャップ部材12に基端部を固定されるロッド13の先端部に、先端部材14を介して保持されてなり、フォーク本体の伸縮に伴い作動室内を図中上下に移動する。
そして、上記ピストン15は、図示しないが、ピストン15の肉厚を貫通するポートを備え、このポートは、フォーク本体の収縮時に各作動室P1、P2を連通する圧側ポートと、フォーク本体の伸張時に各作動流体室P1、P2を連通する伸側ポートとからなる。
更に、上記ピストン15は、減衰力発生手段を備え、この減衰力発生手段は、フォーク本体の収縮時にのみ圧側ポートの連通を許可して所定の減衰力を発生する圧側リーフバルブV1と、フォーク本体の伸張時にのみ伸側ポートの連通を許可して所定の減衰力を発生する伸側リーフバルブV2とからなる。
上記構成を備えることにより、上記リザーバ気室Rは、フォーク本体の伸長時にピストン15と共に伸側作動室P2を加圧するため、伸側作動室P2と圧側作動室P1との差圧を増して伸側リーフバルブV2の開口を助け、圧側作動室P1が減圧されてエアレーションが起こることを防止することが可能となる。
これにより、フロントフォークは、フォーク本体内にダンパシリンダやロッドガイド等を備えることなくダンパとしての機能を発揮することが可能となり、軽量に形成されることが可能となる。
更に、上記リザーバ気室R内に封入された気体は、フォーク本体の伸縮によるリザーバ気室Rの容積変化により圧縮比が変化して、この圧縮比に応じた所定のばね反力を生じてエアバネとして機能する。
従って、フロントフォークは、コイルスプリングからなる懸架ばねを使用することなくサスペンションとしての機能を発揮することが可能となり、更なる軽量化が図られるものである。
また、上記リザーバ気室R内に封入された気体は、インナーチューブ2内へ出没するロッド13の体積分増減するリザーバ気室Rの体積変化も補償する。
尚、上記減衰力発生手段の構成は上記の限りではなく、ピストン15を貫通するポートに形成されるオリフィスとする等、周知の方法を適宜選択することが可能である。
また、周知の方法により減衰力発生手段における減衰力を調整可能としても良く、当該調整方法としては、図示しないが、減衰力発生手段を迂回してピストンを貫通するバイパス路を設け、このバイパス路の開度を変更する方法が知られている。
また、上記リザーバ気室Rによる伸側作動室P2の加圧とは、リザーバ気室R内に封入される気体により、リザーバ気室R内を昇圧傾向に維持し得る所定の内圧に設定することにより実現され、圧側作動室P1のエアレーションを防止し得る限りにおいて、適宜設定することが可能である。
ところが、本来ばね反力が零であることが好ましいフォーク本体の最伸張時においても、リザーバ気室R内に封入された気体によりばね反力を生じることとなる(図4、一点鎖線)。
従って、上記リザーバ気室Rを昇圧傾向に維持した場合において、フォーク本体の最伸張時近傍から収縮ストロークを開始する際、フォーク本体は、上記リザーバ気室R内の気体によって伸張方向に附勢されているため、収縮ストロークが速やかに開始されず、乗り心地を悪化させる虞がある。
そこで、本発明に係るフロントフォークは、フォーク本体の最伸張時近傍においても良好な乗り心地を実現するため、フォーク本体を収縮方向に附勢するバランススプリング4を備えてなる。
上記バランススプリング4は、図4中破線で示すばね特性を備え、インナーチューブ側に固定される上側ばね受け4aと、ピストン側に固定される下側ばね受け4bとの間に介装される。
そして、バランススプリング4は、上記フォーク本体が最伸張状態から収縮する所定のストローク範囲における上記リザーバ気室Rによるばね反力を抑制する。
本実施の形態において、バランススプリング4は、フォーク本体の最伸張状態から全ストロークの約1/2までの範囲において作用し、上記フォーク本体の最伸張時近傍とは、このバランススプリング4が作用する範囲をいう。
このバランススプリング4が作用する範囲は、上記の限りではなく、適宜設定することが可能である。
上記上側ばね受け4aは、インナーチューブ2におけるアウターチューブ1への挿入側、即ち、図中上方に位置する一方端部内側に重ねて取り付けられた隔壁部材5の下端に固定され、上記下側ばね受け4bは、ロッド13の先端部外周に取り付けられる筒状のケース16に固定される。
当該構成を備えることにより、バランススプリング4は、図1に示すように、フォーク本体が伸張状態にあるときに圧縮されて、インナーチューブ2の図中上端とロッド13の先端とを離間させ、ロッド13がインナーチューブ2内に侵入するよう附勢するため、フォーク本体は収縮する方向に附勢される。
従って、フォーク本体が最伸張時近傍にある場合においても、バランススプリング4がリザーバ気室Rの内圧に抗してフォーク本体を収縮方向に附勢するため、図5中実線で示すように、最伸張時のフロントフォークにおける反力を言わば零にして、収縮ストロークの速やかな開始を妨げず、乗り心地の悪化を招くことがない。
また、上記下側ばね受け4bを備えるケース16は、当該ケース16の上方と下方を連通する通孔16aを備え、作動油の移動を妨げることがなく、油面Oにかかるリザーバ気室Rの圧力は、当該通孔16aを介してケース16の下方に作用するため、伸側作動室P2全体を加圧することが可能となる。
尚、バランススプリング4は、上側ばね受け4aに図中上端を固定されることが好ましいがこの限りではなく、図中下端を下側ばね受け4bに固定されるとしても、両端を固定されることなくフリーで使用されるとしても良い。
また、上記バランススプリング4は、上記隔壁部材5を介してインナーチューブ2に上端側を固定されると共に外周を上記インナーチューブ2内周にピストン15の摺動面を避けて当接する。
従って、バランススプリング4は、インナーチューブ2に支えられてバックリングが防止されると共に、バランススプリング4が作動するフォーク本体の最伸張時近傍のみにおいて下端側がインナーチューブ2内周に摺接する。
つまり、フォーク本体の最伸張時近傍以外は、バランススプリング4がインナーチューブ2内周に摺接することがなく、インナーチューブ2内周の傷付を最小限にすることが可能となる。
また、バランススプリング4は、ピストン15の摺動面を避けてインナーチューブ2と当接する、即ち、本実施の形態においては、バランススプリング4の最伸張時の下端がインナーチューブ2とピストン15との摺動面に掛からない長さに設定される。
当該構成を備えることにより、バランススプリング4の伸縮によりピストン15の摺動面を傷つけることがなく、ピストン15外周がインナーチューブ2内周に摺接する際のフリクションを最小にしてピストン15の円滑な摺動を確保することが可能となる。
また、上記バランススプリング4がインナーチューブ2の内周に当接することから、バランススプリング4のコイル径を最大とし、バランススプリング4の巻き数を最小にして全長を短く形成することが可能となる。
ところで、上記ピストン15を保持するロッド13は、その外周に取り付けられる上下一対のクッション部材17a、17bを備えてなり、上側クッション部材17aはロッド13の基端部材近傍に、下側クッション部材17bはロッド13の略中央に取り付けられる。
これらのクッション部材17a、17bは弾性素材からなり、フォーク本体の最伸張時においては、図1に示すように、下側クッション部材17bがインナーチューブ2に固定される隔壁部材5の内周片5a下面に当接し、フォーク本体の最収縮時においては、図2に示すように、上側クッション部材17aが上記隔壁部材5の内周片5a上面に当接する。
従って、各クッション部材17a、17bは、フォーク本体の最伸張時及び最収縮時の衝撃を吸収すると共に、それ以上の伸張及び収縮を防ぐ。
また、クッション部材17bと隔壁部材5とが当接している場合においても、上下のリザーバ気室R1、R2は連通しており、クッション部材17b及び隔壁部材5は、上下のリザーバ気室R1、R2の連通を妨げないものである。
インナーチューブ2の図中下側には、硬質の合成樹脂からなるキャップ状のボトムケース23がボトム部材22に固定され、図示しないが、このボトムケース23外周とボトム部材22は液密に封止されており、上記ボトムケース23の内側には外気と連通する空気室Aが設けられている。
上記ボトムケース23が図2に示すフォーク本体の最収縮時において、その上端とピストン15とが接触しない長さに形成され、当該構成を備えることにより、フォーク本体のストローク長を確保すると共に作動油量を低減してフロントフォークを軽量化することが可能となる。
従って、ストローク長が確保される限りにおいては、上記ケース23を設けずにフォーク本体の全長を短くするとしても良い。
以上の構成を備えることにより、本実施の形態におけるフロントフォークは、エアサスペンションや流体圧緩衝器としての機能等、フロントフォークとしての基本的な性能を発揮することが可能となる。
また、本実施の形態におけるフロントフォークは、アウターチューブ1内にインナーチューブ2を円滑に出没させるための構成を備え、当該構成は、アウターチューブ1内周とインナーチューブ2外周との間に具現化される。
フォーク本体は、図3に示すように、インナーチューブ1の外周とアウターチューブ2の内周との間に筒状の潤滑隙間3aを形成し、この潤滑隙間3a内に潤滑用の作動油を収容する。
そして、上記潤滑隙間3a内には、上下一対の環状軸受6a、6bが設けられ、この環状軸受6a、6bは、インナーチューブ2がアウターチューブ1内へ円滑に出没するよう助ける。
アウターチューブ1のインナーチューブ挿入側の開口端部10、即ち、図中下方端部内周に、インナーチューブ2外周に摺接する環状の第一シール部材11を備え、この第一シール部材11は、潤滑用の作動油を潤滑隙間3a内に保持する。
上記第一シール部材11は、外側に位置する環状のダストシール11aと、このダストシール11aの内側に直列に設けられる環状のオイルシール11bとを備えてなり、従来周知の構成が採用される。
そして、上記第一シール部材11と直列に第二シール部材21を設け、この第二シール部材21は、上記第一シール11よりも内側に位置するアウターチューブ1内周に摺接し、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間を封止してなる。
従って、フォーク本体内部の圧力が第二シール部材21よりも外側の潤滑隙間3aに作用せず、第一シール部材11が損傷した場合においても潤滑用の作動油が潤滑隙間3aから噴出することを防ぐことが可能となる。
また、上記第一シール11よりも内側に位置するアウターチューブ1内周は外気に曝されることがなく、例えば、飛び石等の外的要因により損傷することがないことから円滑に保たれる。
従って、第二シール部材21の摺動面が円滑に保たれ、第二シール部材21が摺動面の傷により損傷する危険性を回避してフェールセーフとして確実に機能させることが可能となる。
本実施の形態において、上記潤滑隙間3aは、図中下端側を上記第一シール部材11で封止され、図中上端側をインナーチューブ2に隔壁部材5を介して取り付けられた第二シール部材21で封止されて、フォーク本体の伸縮に伴い膨縮する。
つまり、図1に示すように、フォーク本体が伸張状態にある場合には、第一シール部材11と第二シール部材21とが接近して潤滑隙間3aの容積が収縮し、図2に示すように、フォーク本体が収縮状態にある場合には、第一シール部材11と第二シール部材21とが離間して潤滑隙間3aの容積が膨張する。
そして、上記潤滑隙間3aは、インナーチューブ2の図中先端側に設けた油孔30を介して体積補償室3bに連通し、この体積補償室3bと共に密閉された油溜室3を構成する。
当該油溜室3は、第二シール部材21によってフォーク本体内部と区画されると共に、フォーク本体が伸張状態にある場合、その内部には、下方に位置して潤滑用の作動油で満たされた潤滑油室Lと、この潤滑油室Lの油面O1を境に上方に位置する気室Gとが形成される(図1、3)。
当該構成を備えることにより、フォーク本体が伸張した場合には、潤滑隙間3aの体積が減少することにより、潤滑隙間3aから溢れた作動油が油孔30を介して体積補償室3b内に流入する(図1)。
また、フォーク本体が収縮した場合には、潤滑隙間3aの体積が増加することにより、潤滑隙間3a内で不足した作動油が油孔30を介して体積補償室3b内から潤滑隙間3a内に供給される(図2)。
そして、体積補償室3b内における作動油の増減は、気室G内に収容される気体の膨縮によって補償される。
上記構成を備えることにより、フォーク本体内部におけるリザーバ気室Rの圧力が第二シール部材21よりも外側に位置する油溜室3内に作用せず、油溜室3をフォーク本体内部と区画して、フォーク本体内部の圧力が潤滑隙間3aに作用することを防ぐことができる。
更には、体積補償室3bを備え、潤滑隙間3aと体積補償室3bとからなる油溜室3内に潤滑油室Lと気室Gとを形成することにより、潤滑隙間3a内の油面低下を防ぎ、潤滑隙間3aの体積変化を補償することが可能となる。
上記体積補償室3bは、インナーチューブ2におけるアウターチューブ1への挿入側、即ち、図中上側に位置する一方端部内側に設けた筒状の隔壁部材5によって形成される。
この隔壁部材5は、図3に示すように、上記インナーチューブ2の一方端部から突出して上記第二シール部材21を外周に備える環状の突出部50と、この突出部50から延設されて外周が上記インナーチューブ2の一方端部内周に結合する環状の結合部51と、この結合部51から延設されて外周が縮径されてなる環状の縮径部52と、この縮径部52から延設されて外周が上記インナーチューブ2内周にシール部材53aを介して液密に当接する密接部53とを備えてなる。
そして、縮径部52外周とインナーチューブ2内周との間に体積補償室3bを形成し、この体積補償室3bは、インナーチューブ2における縮径部52とのラップ部に上記油孔30が開穿され、この油孔30を介して潤滑隙間3aと連通される。
上記構成を備えることにより、フロントフォークを組み立てる際、フォーク部材が最収縮状態に維持された状態で作動流体を上端近傍まで満たし、次いで、隔壁部材5をインナーチューブ2に組み付けることにより、隔壁部材5内に気室が自然に形成されることがら、本実施の形態における油溜室3を容易に具現化することが可能となる。
また、第二シール部材21は、上記隔壁部材5に取り付けられることから、第二シール部材21もまた容易に組み付けることが可能となる。
上記第二シール部材21は、リザーバ気室Rに対向して気体をリザーバ気室R内に封入される気体をシールする環状のエアシール21aと、このエアシール21aと直列に設けられて潤滑隙間3a内の作動流体をシールする環状のオイルシール21bとを備えてなる。
当該構成を備えることにより、各シール21a、21bでリザーバ気室Rの気体及び潤滑隙間3aの作動流体を確実にシールすることが可能となる。
尚、上記第二シール部材21として使用するシールの特性は、封止したい対象によって適宜選択することが可能である。
また、エアシール21aが潤滑隙間3aの作動油をリザーバ気室Rに掻き出さない程度に封止する機能を有していれば、必ずしもオイルシール21bを備えなくても良い。
ところで、本実施の形態において、アウターチューブ1とインナーチューブ2との円滑な摺動を助ける上下一対の環状軸受6a、6bは、潤滑隙間3a内に設けられ、インナーチューブ2の図中上端部外周に位置決めされる上側環状軸受6aと、アウターチューブ1の図中下端部内周に設けられスライド可能な下側環状軸受6bとからなる。
上記上側環状軸受6aは、潤滑隙間3aと体積補償室3bとを連通する油孔30よりも上方に設けられ、インナーチューブ2外周に形成された溝24に嵌合されて移動せず、外周をアウターチューブ1内周に摺接させてなり、当該構成を備えることにより、潤滑隙間3aと体積補償室3bとを移動する作動流体の妨げとなることがない。
一方、上記下側環状軸受6bは、アウターチューブ1の図中下側先端部10内周に形成された溝10a内にスライド自在に設けられ、インナーチューブ2外周に油膜を介して内周を摺接させてなり、インナーチューブ2の移動に伴い上下する。
当該構成を備えることにより、第一シール部材11におけるオイルシール11bに作動流体を供給して当該オイルシール11bの摺動性を確保することが可能となる。
尚、アウターチューブ1内にインナーチューブ2を円滑に出没させるための構成は、上記の限りではなく、各シール部材11、21や、各環状軸受6a、6bの構成は、適宜選択することが可能である。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
例えば、上記実施の形態において、倒立型のフロントフォークを採用するとしたがこの限りではなく、正立型のフロントウォークとしても良いことは勿論である。
また、本実施の形態においては、本発明に係る構成をフロントフォークに具現化したが、この限りではなく、リアクッションユニットや他の懸架装置に具現化するとしても良い。
また、本実施の形態においては、フォーク本体内部に作動流体たる作動油を収容するとしたが、この限りではなく、水系の作動流体としても良いことは勿論である。
また、潤滑隙間3aに潤滑用の作動油を収容するとしたが、作動油と別のもの、例えば水系の作動流体や他の油計の作動流体を用いても良い。
A 空気室
G 気室
L 潤滑油室
O、O1 油面
P1 圧側作動室
P2 伸側作動室
R リザーバ気室
V1 圧側リーフバルブ
V2 伸側リーフバルブ
1 アウターチューブ
2 インナーチューブ
3 油溜室
3a 潤滑隙間
3b 体積補償室
4 バランススプリング
5 隔壁部材
6a、6b 環状軸受
11 第一シール部材
12 キャップ部材
13 ロッド
14 先端部材
15 ピストン
16 ケース
17 クッション部材
21、210 第二シール部材
22 ボトム部材
23 ボトムケース

Claims (4)

  1. アウターチューブと、このアウターチューブ内に出没自在に挿入されるインナーチューブとからなる緩衝器本体と、上記インナーチューブ内に収容される作動流体からなる作動室と、この作動室と対向すると共に上記緩衝器本体内に封入された気体からなり昇圧傾向に維持されてエアバネとして機能するリザーバ気室と、上記インナーチューブ内周に外周を摺接させながら上記作動室内を移動してこの作動室内を圧側作動室と伸側作動室とに区画するピストンと、上記アウターチューブの軸心部に起立して上記ピストンを保持するロッドと、上記ピストンの移動に伴い所定の減衰力を発生する減衰力発生手段と、上記インナーチューブの外周と上記アウターチューブ内周との間に筒状に形成される潤滑隙間とを備えた液体圧緩衝器であって、
    上記緩衝器本体が最伸張状態から収縮する所定のストローク範囲で作動して上記リザーブ気室によるばね反力を抑制するバランススプリングと、
    上記インナーチューブの端部に取り付けられ、上記アウターチューブの内周に摺接して上記環状隙間と上記リザーバ気室とを区画するシール部材が設けられた隔壁部材とを設け、
    上記バランススプリングが、上記隔壁部材の下端に一端側が固定されると共に外周を上記インナーチューブの内周にピストンの摺動面を避けて当接することを特徴とする流体圧緩衝器。
  2. 上記バランススプリングが上記ピストンの摺動面を避けて上記インナーチューブ内周に当接することを特徴とする請求項1に記載の流体圧緩衝器。
  3. 上記圧側作動室はピストン側に、上記伸側作動室はロッド側に形成されてなり、
    上記リザーバ気室は伸側作動室の液面を介して伸側作動室を加圧することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流体圧緩衝器。
  4. 上記バランススプリングは、上記隔壁部材の下端に設けた上側ばね受けと、上記ロッドに取り付けられた筒状ケースに固定した下側ばね受けとの間に介装されてなり、
    上記バランススプリングは、上記緩衝器本体が最伸張状態から収縮する所定のストローク範囲において、上記インナーチューブの一端部を上記ピストンとを離間させるよう附勢することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の流体圧緩衝器。
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