JP5952697B2 - 懸架装置 - Google Patents

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この発明は、懸架装置の改良に関する。
一般的に、自動車や自動二輪車等の輸送機器においては、車体と車輪との間に懸架装置を介装し、この懸架装置で路面凹凸による衝撃が車体に伝達されることを抑制している。
例えば、特許文献1に開示の懸架装置は、図4に示すように、二輪車の前輪を懸架するフロントフォークであり、アウターチューブt1とインナーチューブt2からなる懸架装置本体Tと、この懸架装置本体T内に収容されて懸架装置の伸縮に伴い減衰力を発生する緩衝器Dとを備えている。
さらに、懸架装置本体T内における緩衝器Dの外側には、リザーバRが形成されている。そして、このリザーバR内には、気体が圧縮されながら封入されてエアばねとして機能する気室r3が形成されており、この気室r3(エアばね)は、常に懸架装置を伸張方向に附勢し、車体を弾性支持する懸架ばねとして機能している。
このため、懸架装置は、エアばねからなる懸架ばね(気室r3)で路面凹凸による衝撃を吸収し、これに伴う懸架装置の伸縮運動を緩衝器Dで抑制することにより、路面凹凸による衝撃が車体に伝達されることを抑制することができる。
さらに、上記懸架装置は、エアばねからなる懸架ばね(気室r3)で車体を弾性支持していることから、コイルスプリングからなる懸架ばねを収容する図示しない懸架装置と比較して、軽量化するとともに、安価に製造することが可能となる。
特開2010−164167号公報
しかしながら、上記従来の懸架装置においては、上記気室r3の容積を調整するため、図4中複数の横線で示すように、リザーバR内に液体を収容しており、懸架ばねとして機能する気室r3は、上記液体の液面9を介して上側(車体側)に配置されている。つまり、ばね下となるリザーバRの車輪側端部(図4中下端部)に液体が貯留されていることから、ばね下重量が重くなる。
そこで、本発明の目的は、ばね下重量を従来よりも軽量化して路面追従性を向上させることが可能な懸架装置を提供することである。
上記課題を解決するための手段は、車体と車輪との間に介装されており、アウターチューブと上記アウターチューブ内に出没可能に挿入されるインナーチューブとからなる懸架装置本体と、上記懸架装置本体内に収容される緩衝器とを備え、上記懸架装置本体内における上記緩衝器の外側にリザーバが形成される懸架装置において、上記リザーバは、区画手段で区画されていて、上記区画手段から上記リザーバの車輪側端にかけて気体が封入される気室が形成されており、上記緩衝器は、上記アウターチューブに連結されるシリンダと、上記インナーチューブに連結されて上記シリンダ内に出没可能に挿入されるピストンロッドとを備えており、上記区画手段は、上記インナーチューブ若しくは上記シリンダの一方に保持されて上記インナーチューブ若しくは上記シリンダの他方に摺接することである。
本発明によれば、リザーバの車輪側端部に気体が収容される気室が形成されていることから、ばね下重量を従来よりも軽量化して、路面追従性を向上させることが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る懸架装置を示した縦断面図である。 図1の主要部を拡大して示した縦断面図である。 本発明の一実施の形態に係る懸架装置の変形例を示し、変更部を拡大して示した縦断面図である。 従来の懸架装置を部分的に切欠いて示した正面図である。
以下に本発明の一実施の形態に係る懸架装置について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
図1に示すように、本実施の形態に係る懸架装置Fは、車体と車輪との間に介装されており、アウターチューブt1とこのアウターチューt1ブ内に出没可能に挿入されるインナーチューブt2とからなる懸架装置本体Tと、この懸架装置本体T内に収容される緩衝器Dとを備え、上記懸架装置本体T内における上記緩衝器Dの外側にリザーバRが形成されている。そして、上記リザーバRの車輪側端部に気体が収容されている。
以下、詳細に説明すると、上記懸架装置Fは、自動二輪車等の鞍乗型車両においてその前輪を懸架するフロントフォークであり、上記アウターチューブt1が図示しない車体側ブラケットを介して車体の骨格を形成する車体フレームに連結されるとともに、上記インナーチューブt2が車輪側ブラケット30を介して前輪の車軸に連結されており、倒立型に設定されている。
そして、上記アウターチューブt1と上記インナーチューブt2とで、懸架装置Fの外殻となる懸架装置本体Tを構成しており、この懸架装置本体Tの車体側開口(図1中上側開口)がキャップ部材10で塞がれるとともに、懸架装置本体Tの車輪側開口(図1中下側開口)が上記車輪側ブラケット30で塞がれている。
ここで、上記懸架装置本体Tにおけるアウターチューブt1とインナーチューブt2の内側には、緩衝器Dが収容されるとともに、この緩衝器Dの外側にリザーバRが形成されている。また、懸架装置本体Tにおけるアウターチューブt1とインナーチューブt2の重複部の間(アウターチューブt1の内側で、且つ、インナーチューブt2の外側)には筒状隙間t3が形成されている。
つづいて、上記緩衝器Dは、キャップ部材10に筒状のシリンダ保持部材11を介して取り付けられるシリンダ1と、車輪側ブラケット30の底部に起立して先端側がシリンダ1内に出没可能に挿入されるピストンロッド3と、このピストンロッド3の先端に保持されてシリンダ1の内周面に摺接するピストン4とを備えている。つまり、本実施の形態において、シリンダ1がアウターチューブt1を介して車体側に連結されるとともに、ピストンロッド3がインナーチューブt2を介して車輪側に連結されており、緩衝器Dが倒立型に設定されている。
さらに、上記緩衝器Dは、上記シリンダ1の反キャップ部材側端部(図1中下端部)に取り付けられる環状のロッドガイド12を備えており、このロッドガイド12の内周に環状の軸受け12aが嵌合されている。そして、上記ピストンロッド3は、上記軸受け12aに軸方向に移動自在に支持されており、アウターチューブt1内にインナーチューブt2が出没する懸架装置Fの伸縮に伴い、シリンダ1内に出没することができる。
また、上記緩衝器Dは、上記キャップ部材10に吊り下げられた状態に保持されて上記シリンダ1の反ピストンロッド側(図1中上側)の軸心部に起立するベースロッド13と、このベースロッド13の先端に保持されてシリンダ1に固定されるベース部材5と、上記ベースロッド13の外周面及びシリンダ1の内周面に摺接し軸方向に移動可能なフリーピストン6とを備えている。
そして、上記シリンダ1内は、ピストン4、ベース部材5及びフリーピストン6で軸方向に区画され、シリンダ1内には、ピストン4とロッドガイド12との間に伸側室Aが形成され、ピストン4とベース部材5との間に圧側室Bが形成され、フリーピストン6とベース部材5との間に液溜室Cが形成され、フリーピストン6のキャップ部材側(図1中上側)に附勢室Gが形成されている。さらに、伸側室A、圧側室B及び液溜室Cには油、水、水溶液等の液体からなる作動流体が充填されるとともに、附勢室Gには気体が封入されている。
また、本実施の形態において、ロッドガイド12の内周には、環状に形成されてピストンロッド3の外周面に摺接するオイルシール12bとエアシール12cが軸受け12aと直列に保持されている。そして、上記オイルシール12bは、軸受け12aのシリンダ側(図1中上側)に配置されて、ピストンロッド3の外周面に付着した作動流体を掻き落とし、シリンダ1内の作動流体がシリンダ1外に流出することを防いでいる。他方、上記エアシール12cは、軸受け12aの反シリンダ側(図1中下側)に配置されており、シリンダ1から突出するピストンロッド3の外周に形成されている気室r1の気体がシリンダ1内に侵入することを防いでいる。
もどって、ピストンロッド3の先端に保持されるピストン4には、伸側室Aと圧側室Bとを連通する伸側と圧側のピストン流路40,41が形成されている。そして、伸側のピストン流路40は、入口が常に伸側室Aと連通するとともに、出口がピストン4の圧側室側(図1中上側)に積層される伸側減衰バルブV1で開閉可能に塞がれている。また、圧側のピストン流路41は、入口が常に圧側室Bと連通するとともに、出口がピストン4の伸側室側(図1中下側)に積層される圧側チェックバルブV2で開閉可能に塞がれている。
また、上記ベース部材5には、圧側室Bと液溜室Cとを連通する伸側と圧側のベース部材流路50,51が形成されている。そして、伸側のベース部材流路50は、入口が常に液溜室Cと連通するとともに、出口が圧側室側(図1中下側)に積層される伸側チェックバルブV3で開閉可能に塞がれている。また、圧側のベース部材流路51は、入口が常に圧側室Bと連通するとともに、出口が液溜室側(図1中上側)に積層される圧側減衰バルブV4で開閉可能に塞がれている。
上記構成を備えることにより、ピストンロッド3がシリンダ1から退出する懸架装置Fの伸長時において、ピストン4で加圧された伸側室Aの作動流体が伸側減衰バルブV1を開き、伸側のピストン流路40を通過して圧側室Bに移動する。このとき、伸側チェックバルブV3が開き、シリンダ1から退出したピストンロッド体積分の作動流体が伸側のベース部材流路50を通過して液溜室Cから圧側室Bに移動するため、フリーピストン6が図1中下側に移動する。
他方、ピストンロッド3がシリンダ1内に進入する懸架装置Fの圧縮時において、ピストン4で加圧された圧側室Bの作動流体が圧側チェックバルブV2を開き、圧側のピストン流路41を通過して伸側室Aに移動する。このとき、圧側減衰バルブV4が開き、シリンダ1内に進入したピストンロッド体積分の作動流体が圧側のベース部材流路51を通過して圧側室Bから液溜室Cに移動するため、フリーピストン6が図1中上側に移動する。
つまり、懸架装置Fの伸長時において、緩衝器Dは、伸側のピストン流路40及びベース部材流路50を作動流体が通過する際の、伸側減衰バルブV1及び伸側チェックバルブV3の抵抗に起因する減衰力を発生することができる。また、懸架装置Fの圧縮時において、緩衝器Dは、圧側のピストン流路41及びベース部材流路51を作動流体が通過する際の、圧側チェックバルブV2及び圧側減衰バルブV4の抵抗に起因する減衰力を発生することができる。
尚、本実施の形態において、伸側チェックバルブV3や圧側チェックバルブV2による抵抗は、伸側減衰バルブV1や圧側減衰バルブV4による抵抗と比較して小さく、低い開弁圧で開くように設定されている。このため、緩衝器Dの発生する減衰力は、主に伸側減衰バルブV1及び圧側減衰バルブV4の抵抗に起因し、伸側減衰バルブV1と圧側減衰バルブV4とで減衰力発生手段を構成している。しかし、この減衰力発生手段の構成は、適宜変更することが可能であり、上記伸側チェックバルブV3や圧側チェックバルブV2の開弁圧を高めて減衰力発生バルブとしたり、上記伸側減衰バルブV1や圧側減衰バルブV4に替えてオリフィス等を採用したりするとしてもよい。
さらに、本実施の形態において、上記附勢室Gにはフリーピストン6を液溜室側(図1中下側)に附勢する附勢ばねs1が収容されている。このため、上記液溜室Cがフリーピストン6を介して附勢ばねs1で加圧され、圧側チェックバルブV3の開き遅れを抑制することができる。また、本実施の形態において、上記附勢室Gは、懸架装置本体T内における緩衝器Dの外側に形成されるリザーバRと区画されているが、リザーバRと連通していてもよい。
つづいて、上記リザーバRは、区画手段Eで区画されており、この区画手段Eから上記リザーバRの車輪側端(図1中下端)にかけて気室r1が形成されるとともに、区画手段Eの車体側(図1中上側)にリザーバ気室r2が形成されている。そして、上記二つの気室(気室r1とリザーバ気室r2)には、気体が封入されている。
また、上記区画手段Eは、インナーチューブt2の車体側端部(図1中上端部)に取り付けられる筒状の隔壁体7と、この隔壁体7を介してインナーチューブt2に保持されてシリンダ1の外周面に摺接する環状のオイルシールからなるシール部材2と、上記隔壁体7の内周に上記シール部材2と直列に保持されてシリンダ1の外周面に摺接する環状の軸受け8と、シール部材2の車体側に貯留される潤滑用の液体とを備えている。尚、この潤滑用の液体は、上記緩衝器D内に収容される作動流体と同じ液体であっても、異なる液体であってもよい。また、図1,2では、リザーバR内に貯留される潤滑用の液体を複数の横線で示しており、図1中符号9は、リザーバR内に収容される潤滑用の液体の液面を示している。
そして、上記シール部材2は、リザーバRに貯留される潤滑用の液体がシール部材2の車輪側(気室r1)に流出することを防ぐとともに、区画手段Eの車輪側(図1中下側)に形成される気室r1の気体がシール部材2よりも車体側に流出することを防ぎ、上記気室r1に気体を密閉することができる。
つづいて、上記隔壁体7は、図2に示すように、インナーチューブt2の車体側端部(図2中上端部)の内周に螺合する環状の螺子部70と、この螺子部70の車輪側(図2中下側)に連なり外周に上記インナーチューブt2の内周面に密着する環状のシール71aを保持する環状の基端部71と、上記螺子部70の車体側(図2中上側)に連なり内周にシール部材2と軸受け8を保持する環状の保持部72と、この保持部72の車体側(図2中上側)外周部に起立する筒状のオイルロックケース73とを備えている。
上記構成を備えることにより、上記シール部材2及び軸受け8は、シール部材2の車体側(図2中上側)に貯留される潤滑用の液体の液膜を介してシリンダ1の外周面に摺接することから、シール部材2及び軸受け8の内周面に沿ってシリンダ1が円滑に摺動することが可能になる。
そして、懸架装置Fの伸縮に伴いシリンダ1が区画手段Eの車輪側(図2中下側)に形成される気室r1内に出没すると、上記気室r1の容積が拡大、縮小する。このため、上記気室r1は、懸架装置Fの伸縮量に応じた所定の反力を発生し、エアばねとして機能することができる。さらに、上記気室r1には気体が圧縮されながら封入されていることから、上記気室r1は、シリンダ1を押し出す方向、即ち、懸架装置F(懸架装置本体T)が伸長する方向に常に懸架装置本体Fを附勢して車体を弾性支持し、エアばねからなる懸架ばねとして機能することができる。
また、本実施の形態においては、図1に示すように、車体側ブラケット30に取り付けられたエアバルブ32を介して上記気室r1内に気体を吸排することができる。このため、上記気室r1の内圧を上記エアバルブ32で調整することで、気室r1(懸架ばね)による反力を調整することができる。
また、上記緩衝器Dにおいて、ロッドガイド12とピストン4との間には、内周側に配置されるリバウンドばねs2と、外周側に配置されて上記リバウンドばねs2よりも長尺に形成されるバランスばねs3とが並列に設けられている。そして、上記バランスばねs3が、懸架装置Fが最伸張時にあるときに圧縮されて所定の反力を発生し、最伸張時における気室r1(エアばね)による反力を相殺する。つまり、バランスばねs3が懸架装置Fの最伸張時から所定のストローク範囲における懸架装置Fの圧縮を助けるため、懸架装置Fの圧縮ストロークが速やかに開始されて車両の乗り心地を良好にすることができる。また、懸架装置Fの最伸張時において、上記リバウンドばねs2が圧縮されて所定の反力を発生するため、上記リバウンドばねs2で懸架装置Fの最伸張時の衝撃を吸収することができる。
また、本実施の形態において、隔壁体7がインナーチューブt2に取り付けられてアウターチューブt1とシリンダ1との間に出没可能に挿入されており、懸架装置Fの伸縮に伴いリザーバ気室r2の容積が拡大、縮小する。また、リザーバ気室r2にも気体が封入されているため、リザーバ気室r2も、懸架装置Fの伸縮量に応じた所定の反力を発生し、上記気室r1と同様にエアばねとして機能することができる。しかし、本実施の形態においては、上記リザーバ気室r2の内圧は上記気室r1の内圧よりも低く設定されており、気室r1単独で懸架ばねとして機能できるようになっている。
つづいて、シリンダ1の車体側(図1中上側)外周には、シリンダ保持部材11を介して環状のオイルロックピース14が保持されており、このオイルロックピース14と、上記区画手段Eを構成する隔壁体7のオイルロックケース73(図2)と、シール部材2の車体側に貯留される潤滑用の液体とでオイルロック機構を構成している。
また、図2に示すように、隔壁体7の保持部72の外径が螺子部70の外径よりも大きく形成されて、その境界に環状の段差面72aが形成されており、この段差面72aにインナーチューブt2の先端(図2中上端)が当接している。
このため、懸架装置Fの最圧縮時に、オイルロックピース14がインナーチューブt2で支えられたオイルロックケース73内に嵌入し、オイルロックケース73内の液体が加圧されてオイルロック効果を発揮し、懸架装置Fの最圧縮時における衝撃を吸収することができる。
さらに、本実施の形態においては、ピストンロッド3の基端側(図1中下側)外周に発泡ウレタン等の合成樹脂からなるクッションラバー31が設けられている。そして、懸架装置Fの最圧縮時にクッションラバー31がロッドガイド12で押されて弾性変形し、所定の反力を発生する。このため、クッションラバー31でも懸架装置Fの最圧縮時における衝撃を吸収することができる。
つまり、本実施の形態においては、上記オイルロック機構と、クッションラバー31の両方で、懸架装置Fの最圧縮時における衝撃を吸収することができる。しかし、懸架装置Fがオイルロック機構若しくはクッションラバー31の何れか一方のみを備えるとしてもよい。
つづいて、アウターチューブt1とインナーチューブt2の重複部の間に形成される筒状隙間t3には、インナーチューブt2の車体側(図1中上側)外周に保持されてアウターチューブt1の内周面に摺接する環状の内側軸受け33と、アウターチューブt1の車輪側(図1中下側)内周に保持されてインナーチューブt2の外周面に摺接する環状の外側軸受け15と、この外側軸受け15の外気側(図1中下側)に直列に配置されアウターチューブt1の車輪側(図1中下側)内周に保持される環状のオイルシール16と、このオイルシール16の外気側(図1中下側)に直列に配置されアウターチューブt2の車輪側端部(図1中下端部)内周に保持される環状のダストシール17とが設けられている。そして、上記筒状隙間t3にも、シール部材2の車体側に貯留された潤滑用の液体と同じ潤滑用の液体が収容されている。
さらに、本実施の形態において、図示しないが、内側軸受け33がC環状に形成されて合口部を備えており、潤滑用の液体が上記合口部の間を通って筒状隙間t3とリザーバRとの間を移動することができる。このため、アウターチューブt1とインナーチューブt2の重複量が減少して筒状隙間t3の容積が小さくなる懸架装置Fの伸長時には、筒状隙間t3に収容されている潤滑用の液体が上記合口部(図示せず)を通過してリザーバRに移動することができる。他方、アウターチューブt1とインナーチューブt2の重複部が増加して筒状隙間t3の容積が大きくなる懸架装置Fの圧縮時には、リザーバRに収容されている潤滑用の液体が上記合口部を通過して筒状隙間t3に移動することができる。
また、上記構成を備えることにより、筒状隙間t3内に配置されるオイルシール16、ダストシール17及び外側軸受け15を、潤滑用の液体の液膜を介してインナーチューブt2の外周面に摺接させるとともに、内側軸受け33を、同じく潤滑用の液体の液膜を介してアウターチューブt1の内周面に摺接させることができる。このため、インナーチューブt2がオイルシール16、ダストシール17及び外側軸受け15の内周面に沿って円滑に摺動するとともに、インナーチューブt2に取り付けられる内側軸受け33がアウターチューブt1の内周面に沿って円滑に摺動することができる。さらには、オイルシール16で筒状隙間t3内に貯留させる潤滑用の液体がオイルシール16よりも外気側(図1中下側)に流出することを防ぐことで、リザーバ気室r2に収容される気体の流出を防ぐことができる。
次に、本実施の形態に係る懸架装置Fの作用効果について説明する。上記懸架装置Fは、車体と車輪との間に介装されており、アウターチューブt1とこのアウターチューブt1内に出没可能に挿入されるインナーチューブt2とからなる懸架装置本体Tと、この懸架装置本体T内に収容される緩衝器Dとを備え、懸架装置本体T内における緩衝器Dの外側にリザーバRが形成されている。そして、このリザーバRの車輪側端部(図1中下端部)に気体が収容されている。
つまり、本実施の形態の懸架装置Fは、従来の懸架装置のように、リザーバRの車輪側端部(図1中下端部)に液体が収容されておらず、気体が収容されていることから、ばね下重量を従来よりも軽量化して、路面追従性を向上させることが可能となる。
さらに、本実施の形態の懸架装置Fは、上記構成を備えることにより、懸架装置本体Tの車輪側端部の内側に発泡ウレタン等の合成樹脂からなるクッションラバー31を収容し、このクッションラバー31で懸架装置Fの最圧縮時の衝撃を吸収することが可能となる。
これに対して、従来の懸架装置においては、リザーバRの車輪側端部に液体が収容されており、本実施の形態の懸架装置Fのように発泡ウレタン等の合成樹脂からなるクッションラバー31を利用して懸架装置Fの最圧縮時の衝撃を吸収しようとした場合、クッションラバー31が液体に浸かるため、好ましくない。
また、本実施の形態において、上記リザーバRには、区画手段Eで区画され、気体が封入される気室r1が形成されており、この気室r1は、区画手段EからリザーバRの車輪側端(図1中下端)にかけて形成されている。
つまり、区画手段EでリザーバRを軸方向に区画し、区画手段Eの車輪側(図1中下側)を気体が封入される気室r1とすることで、リザーバRの車輪側端部に気体を収容することが容易に可能となる。
また、本実施の形態において、緩衝器Dは、アウターチューブt1に連結されるシリンダ1と、インナーチューブt2に連結されてシリンダ1内に出没可能に挿入されるピストンロッド3とを備えている。また、区画手段Eは、インナーチューブt2に保持されてシリンダ1に摺接し上記気室r1内の気体の流出を防ぐためのシール部材2を備えている。
このため、懸架装置Fの伸縮に伴い気体が封入された気室r1内にシリンダ1が出没し、気室r1の容積が変化する。したがって、気室r1は、懸架装置Fの伸縮量に応じた反力を発生することができ、エアばねとして機能することができる。
また、上記構成を備えることにより、本実施の形態においては、上記シール部材2が外気に曝されることがないシリンダ1の外周面に摺接することになる。しかし、図4に示すように、従来の懸架装置において、エアばねとして機能する気室r3内の気体の流出を防ぐシール部材200は、懸架装置の伸長時にアウターチューブt1から露出して外気に曝されるインナーチューブt2の外周面に摺接しており、飛石等によってインナーチューブt2の外周面に疵ができると、この疵でシール部材200が疵付き、気室r3内の気体が気室r3外に流出する虞がある。
つまり、本実施の形態においては、シール部材2が摺接するシリンダ1の外周面が飛石等によって疵付く心配がなく、気室r1に収容される気体が気室r1外に流出することを確実に抑制することができ、これにより、気室r1が所望のエアばねとしての機能を損なうことを確実に抑制することができる。
また、従来の懸架装置では、リザーバR内に液体を収容することでエアばねとして機能する気室r3の容積調整をしているが、本実施の形態においては、上記区画手段Eの位置を調整することでエアばねとして機能する気室r1の容積を調整することが可能となる。
つまり、本実施の形態の懸架装置Fにおいては、気室r1の容積を調整するための液体が不要となることから、従来の懸架装置よりも軽量化することが可能となる。
また、本実施の形態において、区画手段Eは、オイルシールからなる上記シール部材2と、このシール部材2を保持する隔壁体7と、シール部材2の車体側に貯留される潤滑用の液体とを備えている。また、上記隔壁体7は、この隔壁体7の車体側端部に配置されて、上記潤滑用の液体及びシリンダ1の車体側(図1中上側)外周に取り付けられるオイルロックピース14とともにオイルロック機構を構成するオイルロックケース73を備えている。
このため、本実施の形態において、リザーバR内に収容される液体(潤滑用の液体)の量は、上記シール部材2の摺接面を潤滑したり、筒状隙間t3に潤滑用の液体を補充したり、オイルロック機構によるオイルロック効果を発揮したりすることが可能な程度にあればよく、従来のように気室r3の容積調整のために利用されていないため、リザーバR内に収容される液体の量が従来よりも少なく、懸架装置Fの軽量化の妨げとならない。
また、本実施の形態の懸架装置Fは、上記懸架装置本体Tの車輪側開口を塞ぐ車輪側ブラケット30と、この車輪側ブラケット30に取り付けられて上記気室r1内に気体を吸排するためのエアバルブ32とを備えている。このため、通常、気室r1内に気体を注入するための空気入れは地面に設置されているが、空気入れとエアバルブ32との距離を短くすることができる。
これに対して、従来の懸架装置においては、図4に示すように、エアばねとして機能する気室r3内に気体を吸排するためのエアバルブ32が懸架装置本体Fの車体側開口を塞ぐキャップ部材10に取り付けられている。このため、空気入れとエアバルブ32の距離が長くなり、気体の注入作業を行う際に長いホースを利用する必要がある。
つまり、本実施の形態の懸架装置Fは、上記構成を備えることにより、従来よりも短いホースを利用して気室r1への気体の注入作業を行うことが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
例えば、上記実施の形態において、本発明に係る懸架装置Fがフロントフォークであるとしたが、鞍乗型車両の後輪を懸架するリアクッションユニットであってもよく、また、自動車等、鞍乗型車両以外の輸送機器用の懸架装置であってもよい。
また、上記実施の形態において、アウターチューブt1が車体側に連結されるとともにインナーチューブt2が車輪側に連結されており、懸架装置Fが倒立型に設定されている。しかし、図示しないが、インナーチューブt2が車体側に連結されるとともにアウターチューブt1が車輪側に連結されて、懸架装置が正立型に設定されるとしてもよい。
また、上記実施の形態において、シリンダ1が車体側に連結されるとともにピストンロッド3が車輪側に連結されており、緩衝器Dが倒立型に設定されている。しかし、図示しないが、ピストンロッド3が車体側に連結されるとともにシリンダ1が車輪側に連結されて、緩衝器Dが正立型に設定されるとしてもよい。
また、上記実施の形態において、リザーバRには、区画手段Eで区画され、気体が封入される気室r1が形成されており、この気室r1は、上記区画手段EからリザーバRの車輪側端にかけて形成されているが、リザーバRの車輪側端部に気体を収容するための構成は、適宜選択することが可能である。
また、上記区画手段Eの構成も適宜変更することが可能であり、区画手段Eを図3に示すように変更してもよい。この変形例に係る区画手段E1は、筒状の隔壁体7Aと、この隔壁体7Aを介してシリンダ1に保持されてインナーチューブt2の内周面に摺接する環状のオイルシールからなるシール部材2Aと、隔壁体7Aの外周にシール部材2Aと直列に保持されてインナーチューブt2の内周面に摺接する環状の軸受け8Aと、シール部材2Aの車体側に貯留される潤滑用の液体とを備えている。尚、この潤滑用の液体は、一実施の形態と同様に、緩衝器D内に収容される潤滑用の液体と同じ液体であっても、異なる液体であってもよい。また、図3でも、リザーバR内に貯留される潤滑用の液体を複数の横線で示している。
そして、上記シール部材2Aは、リザーバRに貯留される潤滑用の液体がシール部材2Aの車輪側(気室r1)に流出することを防ぐとともに、区画手段Eの車輪側(図1中下側)に形成される気室r1の気体がシール部材2Aよりも車体側に流出することを防ぎ、上記気室r1に気体を密閉することができる。
つまり、本変形例において、区画手段E1は、シリンダ1に保持されてインナーチューブt2に摺接し気室r1内の気体の流出を防ぐためのシール部材2Aを備えている。
このため、懸架装置Fの伸縮に伴いインナーチューブt2内にシリンダ1及び区画手段E1が出没し、気体が封入された気室r1の容積が変化する。したがって、気室r1は、懸架装置Fの伸縮量に応じた反力を発生することができ、エアばねとして機能することができる。
また、上記構成を備えることにより、シール部材2Aが外気に曝されることがないインナーチューブt2の内周面に摺接することになる。このため、本実施の形態においても、シール部材2Aが摺接するインナーチューブt2の内周面が飛石等によって疵付く心配がなく、気室r1に収容される気体が気室r1外に流出することを確実に抑制することができ、これにより、気室r1が所望のエアばねとしての機能を損なうことを確実に抑制することができる。
また、上記実施の形態においては、気室r1に気体が圧縮されながら封入されており、気室r1が懸架装置本体Fを常に伸長方向に附勢している。つまり、上記気室r1は、車体を弾性支持する懸架ばねとして機能している。しかし、図示しないが、懸架装置本体T内にコイルスプリングからなる懸架ばねを収容するとしてもよい。
また、上記実施の形態において、区画手段E,E1がオイルシールからなるシール部材2,2Aと、このシール部材2,2Aの車体側に貯留される潤滑用の液体とを備えている。しかし、図示しないが、上記区画手段のシール部材がエアシールからなり、区画手段が潤滑用の液体を備えていなくてもよい。
A 伸側室
B 圧側室
C 液溜室
D 緩衝器
E,E1 区画手段
F 懸架装置
G 附勢室
R リザーバ
r1,r3 気室
r2 リザーバ気室
s1 附勢ばね
s2 リバウンドばね
s3 バランスばね
T 懸架装置本体
t1 アウターチューブ
t2 インナーチューブ
t3 筒状隙間
V1 伸側減衰バルブ
V2 圧側チェックバルブ
V3 伸側チェックバルブ
V4 圧側減衰バルブ
1 シリンダ(軸部材)
2,2A,200 シール部材
3 ピストンロッド
4 ピストン
5 ベース部材
6 フリーピストン
7,7A 隔壁体
8,8A 軸受け
9 液面
10 キャップ部材
11 シリンダ保持部材
12 ロッドガイド
13 ベースロッド
14 オイルロックピース
15 外側軸受け
16 オイルシール
17 ダストシール
18 スナップリング
19,32 エアバルブ
30 車輪側ブラケット
31 クッションラバー
33 内側軸受け
40,41 ピストン流路
50,51 ベース部材流路
70 螺子部
71 基端部
72 保持部
73 オイルロックケース

Claims (3)

  1. 車体と車輪との間に介装されており、アウターチューブと上記アウターチューブ内に出没可能に挿入されるインナーチューブとからなる懸架装置本体と、上記懸架装置本体内に収容される緩衝器とを備え、上記懸架装置本体内における上記緩衝器の外側にリザーバが形成される懸架装置において、
    上記リザーバは、区画手段で区画されていて、上記区画手段から上記リザーバの車輪側端にかけて気体が封入される気室が形成されており、
    上記緩衝器は、上記アウターチューブに連結されるシリンダと、上記インナーチューブに連結されて上記シリンダ内に出没可能に挿入されるピストンロッドとを備えており、
    上記区画手段は、上記インナーチューブ若しくは上記シリンダの一方に保持されて上記インナーチューブ若しくは上記シリンダの他方に摺接することを特徴とする懸架装置。
  2. 上記懸架装置本体の車輪側開口を塞ぐ車輪側ブラケットと、上記車輪側ブラケットに取り付けられて上記気室内に気体を吸排するためのエアバルブとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の懸架装置。
  3. 上記気室には、気体が圧縮された状態で封入されており、上記気室は上記懸架装置本体を常に伸長方向に附勢していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の懸架装置。
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