JP2010112547A - フロントフォーク - Google Patents
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Abstract
【課題】 フォーク本体内に収装のダンパにおけるシリンダ体をフォーク本体における車輪側チューブに吊持させるの際して、フロントフォークにおける全体重量のいたずらな増大化の阻止を可能にする。
【解決手段】 車体側チューブ1と車輪側チューブ2とが出没可能に嵌合されながら懸架バネSで伸長方向に附勢されるフォーク本体を有し、このフォーク本体内にシリンダ体3とロッド体4とからなるダンパを収装し、このダンパにおけるシリンダ体3の上端部が連結手段10を介して車輪側チューブ2に連結されてなるフロントフォークにおいて、連結手段10が車体側チューブ1における車輪側チューブ2を挿通させる開口端部に配設の軸受1bを摺接させない車輪側チューブ2における非摺動域Lに位置してなる。
【選択図】 図1
【解決手段】 車体側チューブ1と車輪側チューブ2とが出没可能に嵌合されながら懸架バネSで伸長方向に附勢されるフォーク本体を有し、このフォーク本体内にシリンダ体3とロッド体4とからなるダンパを収装し、このダンパにおけるシリンダ体3の上端部が連結手段10を介して車輪側チューブ2に連結されてなるフロントフォークにおいて、連結手段10が車体側チューブ1における車輪側チューブ2を挿通させる開口端部に配設の軸受1bを摺接させない車輪側チューブ2における非摺動域Lに位置してなる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、フロントフォークに関し、特に、車体側チューブと車輪側チューブとを有しながら懸架バネで伸長方向に附勢されるフォーク本体内にダンパを収装してなるフロントフォークの改良に関する。
車体側チューブと車輪側チューブとを有しながら懸架バネで伸長方向に附勢されるフォーク本体内にダンパを収装してなるフロントフォークとしては、従来から種々の提案がある。
その中で、たとえば、特許文献1には、フォーク本体内に収装のダンパを構成するシリンダ体をその上端から上方に延びる延設部を介して車輪側チューブの上端に連結して吊持する提案が開示されている。
それゆえ、この特許文献1に開示の提案にあっては、二輪車の走行時に生じる車輪側チューブの曲げ作用がダンパに伝達され難くなるため、ダンパにおいて、ロッド体とシリンダ体との作動が円滑になり、両者間における摺動抵抗を減ずる利点がある。
しかしながら、上記した特許文献1に開示の提案にあって、ダンパにおけるロッド体とシリンダ体との間の摺動抵抗を減ずる点で、基本的に問題がある訳ではないが、その実施化に際して、些かの不具合があると指摘される可能性がある。
すなわち、特許文献1に開示の提案の実施化に際して、気室の膨縮によるエアバネ特性を得るために気室の容積を保障しようとすると、どうしても油面が下がる傾向になる。
しかし、油面が下がることでダンパが油中から突出する事態は絶対的に避けなければならないから、ダンパを確実に油中に臨在させるには、シリンダ体に連設されて上方に延びる延設部の上端を車輪側チューブの上端に連結することが必須になる。
それゆえ、シリンダ体は、この延設部で吊持されるが、この延設部には、シリンダ体との間におけるいわゆる一体性や所定の機械的強度を有することが要求され、その結果、ダンパにおいてこの延設部を設けることによって、フロントフォークにおける重量の軽減化を妨げる傾向になる。
この発明は、上記した事情を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、フォーク本体内に収装のダンパにおけるシリンダ体をフォーク本体における車輪側チューブに吊持させるの際して、全体重量のいたずらな増大化の阻止を可能にして、その汎用性の向上を期待するのに最適となるフロントフォークを提供することである。
上記した目的を達成するために、この発明によるフロントフォークの構成を、基本的には、車体側チューブと車輪側チューブとが出没可能に嵌合されながら懸架バネで伸長方向に附勢されるフォーク本体を有し、このフォーク本体内にシリンダ体とロッド体とからなるダンパを収装し、このダンパにおける上記のシリンダ体の上端部が連結手段を介して上記の車輪側チューブに連結されてなるフロントフォークにおいて、上記の連結手段が上記の車体側チューブにおける上記の車輪側チューブを挿通させる開口端部に配設の軸受を摺接させない上記の車輪側チューブにおける非摺動域に位置してなるとする。
そして、より具体的には、上記の連結手段が上記の車輪側チューブにおける上記の非摺動域の内周に一体的に連設される係止部材からなりあるいは上記の車輪側チューブにおける上記の非摺動域の内周に一体に形成される凸部からなるストッパと、このストッパに隣接される上方ホルダと、この上方ホルダに連結されながら上記のストッパに隣接される下方ホルダとを有し、この下方ホルダと上記の上方ホルダとで上記のストッパを挟持しながら上記の上方ホルダあるいは上記の下方ホルダが上記のシリンダ体における上端部に連結されてなるとする。
それゆえ、この発明によるフロントフォークにあっては、ダンパにおけるシリンダ体の上端部と車輪側チューブとの連結を実現する連結手段が車体側チューブにおける車輪側チューブを挿通させる開口端部に配設の軸受を摺接させない車輪側チューブにおける非摺動域に位置するから、連結手段が車体側チューブと車輪側チューブとの間における出没に悪影響を及ぼすことがなく、かつ、特許文献1に開示の提案に比較して、フロントフォークにおける全体重量のいたずらな増大化を招来せずして、シリンダ体を車輪側チューブに連結できる。
そして、この発明によるフロントフォークにあって、連結手段が車輪側チューブにおける非摺動域の内周に設けられるストッパと、このストッパの上端に隣接される上方ホルダと、この上方ホルダに連結されながらストッパに隣設される下方ホルダとを有し、この下方ホルダと上方ホルダとでストッパを挟持しながら上方ホルダあるいは下方ホルダがシリンダ体における上端部に連結されるから、連結手段が簡素な構造となり、連結手段を設けることによるフロントフォークにおける全体重量のいたずらな増大化を招来しない。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるフロントフォークは、二輪車の前輪側に架装されて下端部で懸架する前輪に入力される路面振動を吸収する油圧緩衝器とされ、図示する実施形態にあっては、全体図たる図1に示すように、車体側チューブ1と車輪側チューブ2とが上下に間隔を有して配設の軸受1a,1bを介して出没可能に嵌合する倒立型に設定のフォーク本体を有してなる。
そして、図示するフォーク本体の内部には両ロッド型のダンパが収装され、この両ロッド型のダンパにあって、シリンダ体3が車輪側チューブ2に結合し、ロッド体4が車体側チューブ1に結合されている。
また、フォーク本体は、懸架バネSによって車体側チューブ1内から車輪側チューブ2が抜け出るようになる伸長方向に附勢され、この懸架バネSは、図1に示すところでは、下端が後述する連結手段10(図3参照)を構成する上方ホルダ102(図3参照)の上端にバネシートS1の介在下に担持される。
懸架バネSの下端が上方ホルダ102の上端に担持されるから、この上方ホルダ102が懸架バネSの附勢力で後述する連結手段10を構成するストッパ101(図3参照)の上端に押し付けられて定着される状態におかれ、したがって、このストッパ101に支承されるシリンダ体3が安定した定着状態におかれる。
このことからすると、懸架バネSの下端は、上方ホルダ102の上端にのみ担持されずして、シリンダ体3の上端部たるヘッド端部を構成するロッドガイド31、すなわち、シリンダ体3の上端開口を閉塞しながらシリンダ体3のヘッド端部を構成し軸芯部にロッド体4を貫通させるロッドガイド31(図3参照)の上端にも担持されて良く、また、図示しないが、ロッドガイド31の上端にのみ担持されても良い。
そして、懸架バネSの上端は、図2に示すように、車体側チューブ1の上端開口を閉塞するキャップ部材11におけるホルダ部11aに配設のバネ受11bに筒状に形成のスペーサ11cの配在下に係止される。
キャップ部材11におけるホルダ部11aは、ダンパにおけるロッド体4、すなわち、上方ロッド体41の上端部を螺入させ、これによって、ロッド体4の車体側チューブ1への連結を実現している。
一方、このフロントフォークにあって、図1に示すように、フォーク本体内たるダンパの外は、リザーバRとされ、このリザーバRには作動油が注入され、その作動油の油面Oを境にする気室Aが画成され、この気室Aは、フォーク本体の収縮作動時にエアバネ力を発揮する。
そして、このダンパにあって、図3に示すように、シリンダ体3内には作動油を充満させながらピストン体5が摺動可能に収装され、このピストン体5は、シリンダ体3内に上方油室R1と下方油室R2を画成している。
また、このダンパにあって、ピストン体5は、伸側減衰バルブ51および圧側減衰バルブ52を有し、この伸側減衰バルブ51および圧側減衰バルブ52は、上方油室R1と下方油室R2との連通を許容しながら所定の減衰力を発生させる。
ロッド体4は、上方ロッド体41と下方ロッド体42とからなり、上方ロッド体41は、前記したピストン体5の図1中で上端側に基端が連設されながら先端がシリンダ体3の上端開口を閉塞するロッドガイド31(図3参照)の軸芯部を貫通してシリンダ体3外に突出する。
そして、下方ロッド体42は、基端が上記のピストン体5の図1中で下端側に連設されながら先端がシリンダ体3の下端開口を閉塞してシリンダ体3における下端部たるボトム端部を形成するロッドガイド32(図4参照)の軸芯部を貫通してシリンダ体3外に突出する。
ちなみに、図3に示すように、上方ロッド体41の先端側が貫通するロッドガイド31は、後述する連結手段10との関係では、シリンダ体3の上端部を形成しながら軸芯部に軸受部材31aを有し、この軸受部材31aで上方ロッド体41の摺動性を保障している。
一方、図4に示すように、下方ロッド体42の先端側が貫通するロッドガイド32は、下方ロッド体42の摺動性を保障しつつシール部材32aを有し、このシール部材32aによってリザーバRとシリンダ体3内の下方油室R2との連通を遮断している。
以上のように形成されたフロントフォークにあっては、フォーク本体の伸縮作動時に両ロッド型のダンパが伸縮作動して、ピストン体が有する減衰バルブ51,52で所定の減衰力を発生する。
そして、ダンパにおいて、シリンダ体3内をピストン体5が最上昇する伸び切り時には、図3に示すように、上方油室R1内にあって上方ロッド体41の外周に介装される伸び切りバネS2が最収縮されて作用力が吸収される。
また、上記と逆に、ダンパにおいて、シリンダ体3内をピストン体5が最下降する最収縮時には、図2中に架装線図で示すように、車輪側チューブ2の上端が前記したキャップ部材11の下端に隣接のクッション部材12に当接して作用力が吸収される。
なお、フロントフォークにおける最収縮時の作用力吸収については、上記のクッション部材12を利用する方策に代えて、あるいは、これに併せて、図示しないが、オイルロック機構を利用しても良い。
また、フォーク本体における伸縮、すなわち、車体側チューブ1に対する車輪側チューブ2の出没は、車輪側チューブ2に開穿の孔2b(図1,図3および図5参照)を介しての車体側チューブ1と車輪側チューブ2との間となる潤滑隙間(符示せず)への作動油の流入で保障される。
ところで、この発明のフロントフォークを構成するフォーク本体内に収装のダンパにあっては、両ロッド型のダンパを形成する上方ロッド体41が車体側チューブ1に結合されて垂設されるのに対して、シリンダ体3が車輪側チューブ2に結合されて吊持されている。
すなわち、シリンダ体3は、図4に示すように、下端が車輪側チューブ2のボトム部側に連結されないのはもちろんだが、図3に示すように、上端部を構成するロッドガイド31が車体側チューブ1に設けた前記の軸受1a,1bの間に位置する連結手段10によって車輪側チューブ2に連結される。
これにより、シリンダ体3の上端部を構成するロッドガイド31は、車輪側チューブ2における曲げ作用が小さい位置に連結され、車輪側チューブ2におけるの曲げ作用をダンパに一層伝達し難くする。
のみならず、前記した特許文献1に開示の提案にあっては、シリンダ体(11)を車輪側チューブ(2)に吊持させるについて、シリンダ体(11)の上端から上方に向けて筒状に延設される延設部(15)を利用するが、このことと比較して、この発明にあっては、筒状に形成の延設部(15)を有しない分フロントフォークにおける重量の軽減化を妨げない。
ところで、前記した軸受1a,1bは、車体側チューブ1に対する車輪側チューブ2の出没可能にする嵌合を許容するもので、車輪側チューブ2の外周にあっては、軸受1a,1bを全く摺接させない非摺動域L(図1参照)が出現する。
すなわち、図1に示すところでは、最伸長状態にあるダンパにおける作動ストロークLdに基づいて、軸受1aが車輪側チューブ2に対して摺接するストロークL1と、軸受1bが車輪側チューブ2に対して摺接するストロークL2とが出現し、このストロークL1,L2間に上記の非摺動域Lが出現する。
そして、この非摺動域Lに連結手段10を設けることで、フロントフォークの作動を阻害せずして、車輪側チューブ2にシリンダ体3を連結することが可能になる。
さらに、車輪側チューブ2におけるこの非摺動域Lの外周について、メッキ加工を省略すれば、後述する連結手段10におけるストッパたる係止部材101を車輪側チューブ2の内周に連設させるための溶接によるメッキの剥がれなどの危惧を解消できる。
また、車輪側チューブ2におけるこの非摺動域Lにある溶接部2a(図5参照)、すなわち、連結手段10におけるストッパたる係止部材101を車輪側チューブ2の内周に溶接させる溶接部2aにおける肉厚は、外周を凹状に削り落すように凹まして薄肉に形成されている。
この凹みの形成で、車輪側チューブ2越にするストッパたる係止部材101に対する溶接を保障し易くすると共に、溶接熱の影響で車輪側チューブ2に歪みが生じる場合でも、この歪みが車体側チューブ1に干渉しないようにすることが可能になる。
なお、上記した車輪側チューブ2における非摺動域Lの設定要素たる上下の軸受1a,1b(図1参照)についてだが、車体側チューブ1の開口端部に配設される下方の軸受1bについてはともかく、上方の軸受1aは、図示するところでは、車体側チューブ1に配設されてなるとして、非摺動域Lが定尺になるとしているが、この非摺動域Lを設けることの意義からすれば、上記に代えて、図示しないが、上方の軸受が車輪側チューブ2の上端部の外周に配設されて変化されるとしても良い。
一方、連結手段10は、その一実施例として、図3、すなわち、詳しくは、図5に示すように、ストッパたる係止部材101と、上方ホルダ102と、下方ホルダ103とを有してなり、上方ホルダ102が懸架バネSの附勢力でストッパに押し付けられて定着され、シリンダ体3をストッパに安定的に支承させる。
すなわち、連結手段10は、車輪側チューブ2における上記した非摺動域Lの内周に溶接などの適宜の手法で一体的に連設される係止部材101を有し、この係止部材101は、結果的にシリンダ体3の吊持を可能にする限りには、任意に形成されて良いが、図示するところでは、車輪側チューブ2における内周に沿う環状に形成されながら、あるいは、車輪側チューブ2における周方向に沿って等間隔に配設されながら、この車輪側チューブ2の内周に一体的に連設される。
係止部材101が環状に形成される場合には、この係止部材101における機械的強度を保障し易くなるから、その小型化が可能になる点で有利となり、係止部材101が散点状に形成配設される場合には、ストッパにおける全体重量を小さくできる点で有利となる。
このように、連結手段10にあって、ストッパたる係止部材101が溶接で車輪側チューブ2の内周に一体的に連設されるから、部品コストの高騰化を危惧させずして部品の製作を容易にし、したがって、フロントフォークにおけるコストのいたずらの高騰化を回避できる。
一方、この連結手段10は、上記のストッパたる係止部材101の上端に載置されるように隣接する上方ホルダ102を有してなり、この上方ホルダ102は、シリンダ体3の上端部を形成するロッドガイド31における外周に形成の螺条部31bに螺合、すなわち、螺着されている。
また、この上方ホルダ102は、基本的には、車輪側チューブ2の内周に沿う環状に形成されて、シリンダ体3の上端部に連設されるとき、シリンダ体3における上端部を言わば膨径させるように機能する。
それゆえ、この上方ホルダ102が機能するところからすれば、図示しないが、この上方ホルダ102がシリンダ体3における上端部に一体に形成されてなるとしても良い。
そして、この上方ホルダ102は、図示するところでは、外周を車輪側チューブ2の内周に隣接させ、これによって上方ホルダ102の車輪側チューブ2における径方向の移動を阻止して、シリンダ体3の上端部の横揺れを阻止する。
また、この上方ホルダ102は、環状に形成された言わば本体部の下端に筒状に形成のスカート部102aを有し、このスカート部102aを上記の係止部材101の内周に挿し込んでいる。
それゆえ、上記のように形成された連結手段10にあっては、シリンダ体3の上端部を車体側チューブ1に吊持させるについて、その配設位置を上下の軸受1a,1b間に位置して車輪側チューブ2の非摺接域Lにするから、車輪側チューブ2の曲げ作用を受け難く、ロッド体4とシリンダ体3との作動を円滑にする。
そして、この連結手段10にあっては、シリンダ体3を車輪側チューブ2に吊持させる場合に、シリンダ体3の上端部たるヘッド端部を言わば直接的に車輪側チューブ2に連結させるから、前記した特許文献1に開示の提案のように重量が嵩む別部材を利用して連結させる場合に比較して、フロントフォークにおける重量の軽減化に寄与する。
すなわち、特許文献1に開示のダンパにおいては、シリンダ体(11)に上方に延びる延設部(15)を連設すると共に、この延設部(15)の上端を車輪側チューブの上端に連結するから、この延設部(15)たる別部材を有する分、フロントフォークにおける重量の軽減化を妨げる。
それに対して、この連結手段10にあっては、シリンダ体3の上端部たるヘッド端部をあたかも膨径させるようにして、車輪側チューブ2の内周に連結するから、重量が嵩む別部材を不要にし、いたずらな重量の増大を招来せずして、フロントフォークにおける重量の軽減化を妨げない。
以上のように、この発明の連結手段10にあっては、シリンダ体3の上端部たるヘッド端部に一体的に連結される上方ホルダ102がストッパに担持されることで、シリンダ体3の車輪側チューブ2への吊持が実現される。
それゆえ、上記したところで、この発明における連結手段10が成立すると言い得るが、図示するところにあっては、この連結手段10が下方ホルダ103を有している。
すなわち、この連結手段10にあっては、図5に示すように、シリンダ体3と車輪側チューブ2との間に出現する隙間に下方ホルダ103が挿し込まれ、このとき、この下方ホルダ103は、基本的には、適宜の長さの筒状に形成されて、シリンダ体3と車輪側チューブ2との間に出現する隙間に挿し込まれる立ち上り部103aを有すると共に、この立ち上り部103aを上方ホルダ102のスカート部102aに螺着させて、シリンダ体3の上端部の横揺れを阻止すると共に、上方ホルダ102との間にストッパたる係止部材101を挟持している。
一方、この下方ホルダ103にあっては、筒状に形成の言わば本体部をシール104の配設下に車輪側チューブ2に隣接させると共に、シール105の配設下にシリンダ体3に隣接させて、この連結手段10の上方と下方との分断を可能にしている。
すなわち、この下方ホルダ103にあっては、上方ホルダ102の上方にある作動油をこの下方ホルダ103の下方に流入させず、したがって、下方ホルダ103の下方たるリザーバR部分を気室にすることを可能にしている。
そして、下方ホルダ103の下方のリザーバR部分を気室にする場合には、ここに封入される分の作動油量を削減でき、フロントフォークにおける重量削減に寄与すると共に、作動油の封入時間の短縮や封入される作動油量の削減でコスト上有利になる。
また、下方ホルダ103の下方のリザーバR部分を気室にする場合には、この気室にロッド体4を形成する他方のロッド体42(図4参照)が出没することで、気室が膨縮されて、エアバネ力の発生を期待できる。
なお、下方ホルダ103の下方の気室にエアバネ力の発揮を期待しない場合には、図4中に仮想線図で示すように、車輪側チューブ2の下端開口を閉塞するボトム部材21に大気に連通する通孔21aを開穿しても良く、この通孔21aを開穿する場合には、いわゆる放熱効果を期待でき、また、ロッド体4、すなわち、下方ロッド体42に対するオイルシールたるシール部材32aからの油漏れの早期発見を可能にし得る。
上記に対して、図示しないが、下方ホルダ103が上記のシールの104,105を有せずして、下方ホルダ103の上方側と下方側との連通を許容する連通路を有する場合には、下方ホルダ103の下方に作動油を流入できる。
ちなみに、この下方ホルダ103の上方側と下方側との連通を許容する連通路は、基本的には、形成されていれば足りるが、下方ホルダ103の外周側に形成される場合には、流路面積を大きく確保でき、作動油の流量を保障する上で有利になる。
図6は、前記した連結手段10の他の実施形態を示すもので、以下には、これについて少し説明するが、その構成が前記した実施形態、すなわち、図5に示すところと同様となるところについては、図中に同一の符号を付するのみとして、要する場合を除き、その詳しい説明を省略する。
すなわち、前記した図5に示す実施形態にあって、連結手段10を構成するストッパは、車輪側チューブ2の内周に一体的に連設される言わば別部材となる係止部材101からなるが、この図6に示す実施形態にあっては、車輪側チューブ2の内周に一体に形成される言わば車輪側チューブ2の一部たる凸部106からなる。
そして、この凸部106は、一つの態様として、車輪側チューブ2の外周に対するロール加締めで車輪側チューブ2の内周の全周に環状に形成されるが、他の態様としては、車輪側チューブ2の外周に対する周方向に等間隔など適宜の間隔で実践される部分加締めで車輪側チューブ2の内周に周方向に等間隔など適宜の間隔に形成される。
この凸部106が車輪側チューブ2の外周に対する加締め加工で車輪がチューブ2の一部として形成されるから、車輪側チューブ2の内周に対する一体性が完全になり、前記した図5に示す実施形態の場合に比較して、たとえば、脱落などを危惧しなくて済む。
凸部106が上記のように形成されるとき、上方ホルダ102および下方ホルダ103は、前記した図5に示す実施形態の場合と同様に、この凸部106たるストッパを上下方向から挟持し、特に、この図6に示す実施形態では、下方ホルダ103がシリンダ体3に連結され、結果的にシリンダ体3が車輪側チューブ2に吊持される。
以上がこの図6に示す連結手段10におけるストッパの構成であるが、この凸部106を形成するためにする車輪側チューブの外周に対する加締め加工には、以下のような配慮がなされることが好ましい。
すなわち、まず、上記の凸部106を形成するために、車輪側チューブ2の外周に形成される凹み(符示せず)は、いわゆるエッジが立たない、すなわち、縁が際立たないように形成されることである。
つまり、凹みを形成する際、この凹みの縁が際立つ場合には、フォーク本体を組み上げるとき、この凹みを滑る軸受1bに傷付きを招来させるが、この凹みが縁を際立たせない場合には、上記の傷付を回避できるし、傷付を危惧しなくて済む。
そこで、上記の凸部106を形成するための凹みにあっては、縁が際立たないことが肝要となるが、このことは、前記しなかったが、図5に示す溶接のための溶接部2aについても、同様に縁を際立たせないようにすることが肝要となる。
つぎに、この図5に示す実施形態において考慮されることを列挙すると、下方ホルダ103が有するシール104,105は、所定の気密性を有するのはもちろんで、前記した図5に示す実施形態の場合と同様に、上方ホルダ102の上方たるリザーバRと下方ホルダ103の下方たるリザーバR部分とを遮断して、このリザーバR部分を気室にし得る。
また、上方ホルダ102および下方ホルダ103には、それぞれ工具の連繋を許容する切欠部102b,103bが形成されている。
そして、上方ホルダ102は、下方ホルダ103と共にストッパを挟持するとき、下方ホルダ103に螺着されて、下方ホルダ103がストッパに隣接する限りにおいてストッパから離脱しないが、さらには、下方ホルダ103に螺着された状態のとき、シリンダ体3の上端部で押さえ込まれている。
さらに、懸架バネSの下端は、バネシートS1を介してシリンダ体3の上端に担持され、このとき、シリンダ体3の上端部たるヘッド端部を構成するロッドガイド31は、シリンダ体3に固定的に螺着され、したがって、このロッドガイド31に工具を連繋させて回動するとき、シリンダ体3を下方ホルダから分離でき、それゆえ、シリンダ体3を車輪側チューブ2の内側から抜き出すこと、つまり、ダンパを非分解状態でフォーク本体内から抜き出すことが可能になる。
以上のように、この図6に示す実施形態にあっても、連結手段10は、シリンダ体3を車輪側チューブ2に吊持させることを可能にする。
この図6に示す実施形態にあって、車輪側チューブ2の外周に対する加締め加工は、この車輪側チューブ2の内周にストッパたる凸部106を一体に形成するためであるが、これに代えて、図示しないが、上記の加締め加工で下方ホルダ103を車輪側チューブ2の内周に一体的に保持させ、この下方ホルダ103にシリンダ体3の上端部を螺着させても良い。
前記したところにあって、ダンパにおけるロッド体4を形成する上方ロッド体41は、図示しないが、軸芯部にプッシュロッドを挿通させ、このプッシュロッドは、車体側チューブ1の上端開口を閉塞するキャップ11に配設の内側アジャスタ13(図1参照)の回動操作で上下動する。
また、同じく図示しないが、プッシュロッドの下端にはニードル状に形成の弁体を有し、この弁体が前記したピストン体5が有する伸側減衰バルブ51あるいは圧側減衰バルブ52を迂回するバイパス路における作動油の通過流量を調整して、ダンパで発生される減衰力を高低調整する。
そして、前記したところでは、フォーク本体内に収装されるダンパが両ロッド型からなるとして説明したが、この発明が意図するところからすれば、ダンパが片ロッド型からなるとしても良いことはもちろんで、この場合には、シリンダ体3の取付部を車輪側チューブ2の下底から立設するための複雑な構造を簡素化できる。
車体側チューブと車輪側チューブとを有しながら懸架バネで伸長方向に附勢されるフォーク本体内にダンパを収装するのに向く。
1 車体側チューブ
1a,1b 軸受
2 車輪側チューブ
3 シリンダ体
4 ロッド体
10 連結手段
31 上端部を構成するロッドガイド
32 下端部を構成するロッドガイド
101 ストッパたる係止部材
102 上方ホルダ
103 下方ホルダ
104,105 シール
106 ストッパたる凸部
L 非摺動域
S 懸架バネ
1a,1b 軸受
2 車輪側チューブ
3 シリンダ体
4 ロッド体
10 連結手段
31 上端部を構成するロッドガイド
32 下端部を構成するロッドガイド
101 ストッパたる係止部材
102 上方ホルダ
103 下方ホルダ
104,105 シール
106 ストッパたる凸部
L 非摺動域
S 懸架バネ
Claims (5)
- 車体側チューブと車輪側チューブとが出没可能に嵌合されながら懸架バネで伸長方向に附勢されるフォーク本体を有し、このフォーク本体内にシリンダ体とロッド体とからなるダンパを収装し、このダンパにおける上記のシリンダ体の上端部が連結手段を介して上記の車輪側チューブに連結されてなるフロントフォークにおいて、上記の連結手段が上記の車体側チューブにおける上記の車輪側チューブを挿通させる開口端部に配設の軸受を摺接させない上記の車輪側チューブにおける非摺動域に位置してなることを特徴とするフロントフォーク。
- 上記の連結手段が上記の車輪側チューブにおける上記の非摺動域の内周に一体的に連設される係止部材からなりあるいは上記の車輪側チューブにおける上記の非摺動域の内周に一体に形成される凸部からなるストッパと、このストッパに隣接される上方ホルダと、この上方ホルダに連結されながら上記のストッパに隣接される下方ホルダとを有し、この下方ホルダと上記の上方ホルダとで上記のストッパを挟持しながら上記の上方ホルダあるいは上記の下方ホルダが上記のシリンダ体における上端部に連結されてなる請求項1に記載のフロントフォーク。
- 上記のストッパが上記の車輪側チューブにおける内周に沿う環状に形成され、あるいは、上記の車輪側チューブにおける周方向に沿って等間隔に配設されてなる請求項2に記載のフロントフォーク。
- 上記の上方ホルダの外周が上記の車輪側チューブの内周に隣接してなる請求項2または請求項3に記載のフロントフォーク。
- 上記の下方ホルダがシールの配設下に上記の車輪側チューブに隣接する一方で、上記の下方ホルダがシールの配設下に上記のシリンダ体における上端部に隣接し、あるいは、上記のシリンダ体における上端部がシールの配設下に上記の下方ホルダに隣接してなる請求項2,請求項3または請求項4に記載のフロントフォーク。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2009
- 2009-03-23 JP JP2009070411A patent/JP2010112547A/ja active Pending
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