JP5008548B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は二輪車及び四輪車に用いて好適な油圧緩衝器に関する。
油圧緩衝器として、車体側チューブと車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブと車軸側チューブの間にコイルバネを介装するとともに、車体側チューブと車軸側チューブが形成する気体室に閉じ込めた気体により気体バネを構成するものがある。特許文献1に記載の油圧緩衝器は、車体側チューブと車軸側チューブの間に介装される上述のコイルバネを、伸長作動の途中から撓み始める反発スプリングとしている。
実公昭57-41483
特許文献1に記載の油圧緩衝器では、コイルバネ(反発スプリング)を車体側チューブと車軸側チューブの間に単に介装し、伸長作動の途中から撓み始めるものとしているから、以下の問題点がある。
(1)気体バネのバネ荷重特性A、コイルバネ(反発スプリング)のバネ荷重特性B1を図示すると図10に示す如くになる。従って、気体バネとコイルバネ(反発スプリング)の合成バネ荷重特性は、図10のC1に示す如くになり、コイルバネ(反発スプリング)が自由長になるときに折れ点Pを生ずる。この折れ点Pが車両の操縦安定性を損なうものになる。
(2)コイルバネ(反発スプリング)が伸長作動の途中から撓み始めるに過ぎない。このため、気体室のシール機能が失陥して気体バネが機能しなくなると、油圧緩衝器の圧縮に対するバネ反力がなくなり、車体保持機能を失う。
本発明の課題は、気体バネとコイルバネを有する油圧緩衝器において、合成バネ荷重特性の連続化を図り、気体室のシール機能を失陥時にもバネ反力を確保することにある。
請求項1の発明は、車体側チューブと車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブと車軸側チューブの間にコイルバネを介装するとともに、車体側チューブと車軸側チューブが形成する気体室に閉じ込めた気体により気体バネを構成してなる油圧緩衝器において、コイルバネの両端末のそれぞれを車体側チューブと車軸側チューブのそれぞれに連結し、気体バネは油圧緩衝器を伸ばそうとする圧縮側荷重を油圧緩衝器の伸長側〜圧縮側の全ストロークで連続的に変化させるように発生し、コイルバネは自由長から油圧緩衝器の伸長側で油圧緩衝器を縮めようとする伸長側荷重と、自由長から油圧緩衝器の圧縮側で油圧緩衝器を伸ばそうとする圧縮側荷重を、油圧緩衝器の伸長側〜圧縮側の全ストロークで連続的に変化させるように発生し、上記気体バネと上記コイルバネの合成バネ荷重特性を油圧緩衝器の伸長側〜圧縮側の概ね全ストロークで連続化させたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記コイルバネの端末が、車体側チューブ又は車軸側チューブに支持される筒状のバネ受の筒面に形成した螺旋溝に螺着されて連結されるようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1の発明において更に、前記コイルバネの端末が、車体側チューブ又は車軸側チューブに支持されるバネ受の端面に形成した螺旋溝と、このバネ受に被着されるバネ押えの端面に形成した螺旋溝とに挟持されて連結されるようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項3の発明において更に、前記車体側チューブと車軸側チューブの一方に嵌合して固定されるバネ受支持体を有し、バネ受支持体の外周フランジ上に前記バネ受を着座させ、バネ受支持体の外周に前記バネ押えを螺着させ、バネ受の螺旋溝とバネ押えの螺旋溝を向かい合わせ配置させてなるようにしたものである。
(請求項1)
(a)コイルバネの両端末のそれぞれを車体側チューブと車軸側チューブのそれぞれに連結させた。従って、油圧緩衝器の概ね全ストロークでバネ荷重は連続的に変化するものになり、車両の操縦安定性を損なうことがない。
(b)コイルバネが油圧緩衝器の全ストロークで荷重を発生し、圧縮側では油圧緩衝器を伸ばそうとする圧縮側荷重を発生する。従って、気体室のシール機能が失陥して気体バネが機能しなくなっても、コイルバネの圧縮側荷重が車体を保持する。
(請求項2)
(c)コイルバネの端末が、車体側チューブ又は車軸側チューブに支持される筒状のバネ受の筒面に形成した螺旋溝に螺着されて連結される。コイルバネの端末を簡易且つ確実に連結できる。
(請求項3)
(d)コイルバネの端末が、車体側チューブ又は車軸側チューブに支持されるバネ受の端面に形成した螺旋溝と、このバネ受に被着されるバネ押えの端面に形成した螺旋溝とに挟持されて連結される。コイルバネの端末を簡易且つ確実に連結できる。
(請求項4)
(e)車体側チューブと車軸側チューブの一方に嵌合して固定されるバネ受支持体を有し、バネ受支持体の外周フランジ上に前記バネ受を着座させ、バネ受支持体の外周に前記バネ押えを螺着させ、バネ受の螺旋溝とバネ押えの螺旋溝を向かい合わせ配置させる。上述(d)のバネ受とバネ押えを、バネ受支持体を介して、車体側チューブ又は車軸側チューブに確実に支持させることができる。
図1は油圧緩衝器を示す全体断面図、図2は図1の下部断面図、図3はコイルバネの下端末連結構造を示す断面図、図4はコイルバネの上端末連結構造を示す断面図、図5は図1の上部断面図、図6はオイルロックカラーとバネ受とバネ押えの小組体を示す断面図、図7はバネ受を示す側面図、図8はバネ押えを示す側面図、図9はバネ受を示す側面図、図10は油圧緩衝器のバネ荷重特性を示す線図である。
(実施例1)(図1〜図6)
フロントフォーク10(油圧緩衝器)は、図1〜図5に示す如く、車体側チューブ(アウタチューブ)11内に車軸側チューブ(インナチューブ)12を摺動自在に挿入し、両チューブ11、12の間にコイルバネ13を介装するとともに、単筒型ダンパ14を倒立にして内装している。
車体側チューブ11は車体側に支持され、車軸側チューブ12は車軸に結合される。
車体側チューブ11の上端部にはダンパ14のダンパシリンダ16(上シリンダチューブ16A)の上端部がOリングを介して螺着され、ダンパシリンダ16の上部開口端はフォークボルト15により閉塞される。フォークボルト15は、Oリングを介して上シリンダチューブ16Aの内周に挿入されて螺着される。
車軸側チューブ12の下端部内周にはオイルロックカラー17がOリングを介して液密に嵌装され、このオイルロックカラー17をボトムボルト18で車軸ブラケット19にOリングを介して液密に固定してある。また、ボトムボルト18にはダンパ14のピストンロッド(中空ロッド)20の基端部が螺着されるとともにロックナット18Aでロックされ、このピストンロッド20の先端部をダンパシリンダ16に挿入してある。ピストンロッド20は、ダンパシリンダ16(下シリンダチューブ16B)の下端側の開口部に螺着したロッドガイド21のブッシュ21Aで支持され、シール部材21Bを貫通してダンパシリンダ16の内部に挿入されている。シール部材21Bは、ダンパシリンダ16の後述する油室43Bを密封し、油室43Bの油がダンパシリンダ16の外に逃げ出すのを阻止する一方向性のシール機能をもつ。尚、ロッドガイド21の外周部にはオイルロックカラー22を設けてある。また、ロッドガイド21の内側端面にはリバウンドスプリング23が支持されている。尚、シリンダチューブ16A、16Bはパイプナット16Cで接続ロックされる。
コイルバネ13は、オイルロックカラー17の基端部外周面に装着したバネ受71と、ダンパシリンダ16(下シリンダチューブ16B)に外装して軸方向に係止したバネ受81との間に後に詳述する如くに介装されている。また、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内部で、ダンパ14の外側には油室31と気体室32とが設けられ、油室31と気体室32とは自由界面を介して接触し、気体室32に閉じ込められている気体が気体バネを構成する。これらのコイルバネ13と気体バネの弾発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
尚、本実施例のフロントフォーク10は、気体バネのバネ荷重を大きく設定することにより、コイルバネ13のバネ定数を小さくしてコイルバネ13を軽量化できる。後述する調圧弁65Aを用いて気体室32、本実施例では気体室32及び体積補償室63の気体圧力を高圧化し、気体バネのバネ荷重を大きくすることができる。
ダンパ14は、メインバルブ装置(伸側減衰バルブ装置)40と、サブバルブ装置(圧側減衰バルブ装置)50とを有している。ダンパ14は、メインバルブ装置40とサブバルブ装置50の発生する減衰力により、コイルバネ13と気体バネによる衝撃力の吸収に伴う車体側チューブ11と車軸側チューブ12の伸縮振動を抑制する。
(メインバルブ装置40)
メインバルブ装置40は、ピストンロッド20の先端部にピストンホルダ41を装着し、このピストンホルダ41にメインピストン42を装着している。メインピストン42は、ダンパシリンダ16の内部をピストンロッド20が収容されないピストン側油室43Aとピストンロッド20が収容されるロッド側油室43Bとに区画し、該ダンパシリンダ16の内部を摺動する。メインピストン42は、伸側減衰バルブ44Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする伸側流路44と、圧側減衰バルブ(チェックバルブ)45Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする圧側流路45とを備える。
また、メインバルブ装置40は、アジャスタ46に結合されている減衰力調整ロッド47をピストンロッド20の中空部に通し、アジャスタ46の回転操作により軸方向に進退する減衰力調整ロッド47の先端のニードル47Aにより、ピストンホルダ41に設けてあるピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとのバイパス路48の流路面積を調整可能とする。
(サブバルブ装置50)
サブバルブ装置50は、上シリンダチューブ16Aの上端部に螺着されている前述のフォークボルト15にガイドパイプ51(支持軸)を螺着し、ガイドパイプ51の先端部にピストンホルダ51Aを螺着し、このピストンホルダ51Aにナット51B等によりサブピストン52を保持している。サブピストン52はダンパシリンダ16の内部でメインピストン42に相対配置され、上シリンダチューブ16Aの内周部に液密に接し、前述のピストン側油室43Aの上方にサブタンク室53を区画形成する。サブピストン52は、圧側減衰バルブ54Aを備えてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とする圧側流路54と、伸側減衰バルブ55Aを備えてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とする伸側流路55(不図示)とを備える。また、ピストンホルダ51Aは、圧側流路54と伸側流路55とをバイパスしてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とするバイパス路56を備える。
フォークボルト15に螺合された減衰力調整ロッド58は、アジャスタ59を備えるとともに、ガイドパイプ51に挿入され、アジャスタ59の回転操作により軸方向に進退する先端のニードル58Aによりバイパス流路56の流路面積を調整可能とする。尚、フォークボルト15は頭部端面の中央部にアジャスタ59とそのホルダ59Aを埋込み保持している。
また、サブバルブ装置50は、上シリンダチューブ16Aの内部であって、上シリンダチューブ16Aとガイドパイプ51の間の環状空間にてフリーピストン61を移動可能に設ける。フリーピストン61の外周環状溝には、ピストンリング61Aが装填され、フリーピストン61はピストンリング61Aを介して上シリンダチューブ16Aの内周を液密に摺動する。フリーピストン61の内周凹部には、オイルシール62が装填され、フリーピストン61はオイルシール62を介してガイドパイプ51の外周を液密に摺動する。フリーピストン61は、サブピストン52の側でピストン側油室43Aに連通しているサブタンク室53と、フォークボルト15の側の体積補償室63とを区画する。体積補償室63、本実施例では体積補償室63及び気体室32の気体圧力は、フォークボルト15に設けた調圧弁65A等により高低調整できる。体積補償室63は、上シリンダチューブ16Aの上端側に設けた連通孔64で気体室32と連通している。フォークボルト15は、フロントフォーク10の伸縮によって車体側チューブ11と車軸側チューブ12の摺動部から気体室32、体積補償室63に侵入した空気を排出するための排気弁65Bを頭部端面の側部に着脱可能に螺着している。尚、加圧スプリング66が、この最大伸長時に僅かな初期荷重を有するように、フリーピストン61とフォークボルト15との間に介装される。加圧スプリング66は、圧縮コイルばねからなり、フリーピストン61をサブピストン52の側に向けて付勢する。
ダンパシリンダ16内にピストンロッド20が進入する圧縮時に、この加圧スプリング66が収縮し、このときのスプリング66のばね荷重分だけ、ダンパシリンダ16内の油室が加圧され、伸長時におけるダンパシリンダ内油室のキャビテーションの発生を防止する。
尚、サブバルブ装置50は、フロントフォーク10のピストンロッド20がストロークする度に、該ピストンロッド20の外周面に付着した油室31の油をロッドガイド部21のシール部材21Bからダンパシリンダ16の内部に持ち込む。これにより、ダンパシリンダ16の内部の油室43A、43B、53の作動油が徐々に増加し、フリーピストン61がその増加により上方へ移動し、作動油が一定量以上になってフリーピストン61の外周のピストンリング61Aが上シリンダチューブ16Aの内周の連通孔64が開口している環状溝67(連通路)に到達したときに、ダンパシリンダ16の余剰油をサブタンク室53から環状溝67、体積補償室63、連通孔64、気体室32経由でダンパシリンダ16の外の油室31に排出するブロー機能を有する。
尚、本実施例において、体積補償室63は連通孔64で気体室32と連通している。但し、フリーピストン61の外周壁を特開2005-30534に記載の如くに立ち上げる等によって、体積補償室63を気体室32と遮断しても良い。
従って、フロントフォーク10は以下の如くに減衰作用を行なう。
(圧縮時)
フロントフォーク10の圧縮時には、サブバルブ装置50において、サブピストン52のニードル58A或いは圧側減衰バルブ54Aを流れる油により圧側減衰力を生じ、メインバルブ装置40において、メインピストン42の圧側減衰バルブ45Aを流れる油により、必要に応じた設定の圧側減衰力を生じる。
(伸長時)
フロントフォーク10の伸長時には、メインバルブ装置40において、メインピストン42のニードル47A或いは伸側減衰バルブ44Aを流れる油により伸側減衰力を生じ、サブバルブ装置50では殆ど減衰力を生じない。
これらの圧側と伸側の減衰力により、フロントフォーク10の伸縮振動が抑制される。
尚、フロントフォーク10の最圧縮時には、ダンパシリンダ16の下シリンダチューブ16Bの下端部のオイルロックカラー22が、車軸側チューブ12の下端部に設けてあるオイルロックカラー17に嵌合し、両者の間で圧縮した油によりオイルロック作用を生ぜしめ、ダンパ14の底つきを防止する。
また、フロントフォーク10の最伸長時には、ピストンロッド20に設けているピストンホルダ41の下端面が、ダンパシリンダ16の開口部に設けてあるロッドガイド21に支持されているリバウンドスプリング23に衝合し、伸切りの緩衝作用を果たす。
しかるに、フロントフォーク10にあっては、コイルバネ13と気体バネの合成バネ荷重特性の連続化を図り、気体室32のシール機能失陥時にもバネ反力を確保するため、以下の構成を具備する。
フロントフォーク10は、コイルバネ13の両端末のそれぞれを車体側チューブ11と車軸側チューブ12のそれぞれに連結している。本実施例では、図2に示す如く、コイルバネ13の下端末をバネ受71(図7)とバネ押え72(図8)により車軸側チューブ12の側に連結し、コイルバネ13の上端末をバネ受81(図9)により車体側チューブ11の側に連結している(図4)。
コイルバネ13の下端末は、図3に示す如く、車軸側チューブ12の側に支持されるバネ受71の上端面に形成した螺旋溝71Aと、このバネ受71に被着されるバネ押え72の下端面に形成した螺旋溝72Aとに挟持されて連結される。
このとき、油圧緩衝器10は、前述した如くに車軸側チューブ12に嵌合して固定されるオイルロックカラー17(バネ受支持体)を有し、オイルロックカラー17の車軸側チューブ12の内周に液密に嵌合する外周フランジ17Aの上にバネ受71を着座させ、オイルロックカラー17における外周フランジ17Aの内周側から立ち上がる環状立上り部17Bの外周にバネ押え72を挿着して螺着させ、バネ受71の螺旋溝71Aとバネ押え72の螺旋溝72Aを向かい合わせ配置し、図6に示す如くの小組体70とする。小組体70におけるバネ受71の螺旋溝71Aとバネ押え72の螺旋溝72Aが相対して形成する螺旋孔70Aにコイルバネ13の下端末の素線を螺入した後、バネ押え72をオイルロックカラー17の環状立上り部17Bに一層深く螺着することにより、コイルバネ13の下端末を小組体70に固定化する。コイルバネ13の下端末を固定化した小組体70を車軸側チューブ12の内周に液密に嵌装し、この小組体70のオイルロックカラー17を前述の如くにボトムボルト18で車軸ブラケット19に固定する。これにより、コイルバネ13の下端末がバネ受71とバネ押え72により車軸側チューブ12の側に連結される。
コイルバネ13の上端末は、図4に示す如く、車体側チューブ11に固定されているダンパシリンダ16(下シリンダチューブ16B)に支持される筒状のバネ受81の筒外面81Bに形成した螺旋溝81Aに螺着されて連結される。
このとき、フロントフォーク10は、車体側チューブ11の側のダンパシリンダ16の外周に係着した止め輪82にワッシャ83を介してスラストプレート84を支持し、このスラストプレート84によりバネ受81の上端側縮径部81Cの上端面を支持する。バネ受81は、図9に示す如く、筒外面81Bの上端側環状溝81Dに嵌着したブッシュ85を介して車軸側チューブ12の内周に回転且つ軸方向摺動可能に挿入される。フロントフォーク10の伸縮に伴なってコイルバネ13が伸縮するとき、小組体70のバネ受71、バネ押え72により車軸側チューブ12に固定されているコイルバネ13の下端末に対し、コイルバネ13の上端末がねじり回転することを、ワッシャ83、スラストプレート84に対するバネ受81の回転によって許容する。バネ受81の筒外面81Bと上端側拡径部81Cの間のテーパ部81Eには油孔81Fが設けられている。
尚、コイルバネ13の下端末を、その上端末におけると同様に、車軸側チューブ12に支持される筒状のバネ受の筒面に形成した螺旋溝に螺着させて連結するようにしても良い。また、コイルバネ13の上端末を、その下端末におけると同様に、車体側チューブ11に支持されるバネ受の端面に形成した螺旋溝と、このバネ受に被着されるバネ押えの端面に形成した螺旋溝とに挟持させて連結するようにしても良い。
ここで、コイルバネ13のバネ荷重特性は、図10に示す如くに設定される。図10において、Aは気体バネのバネ荷重特性、Bはコイルバネ13のバネ荷重特性、Cは気体バネとコイルバネ13の合成バネ荷重特性を示す。
即ち、気体バネのバネ荷重特性Aは、フロントフォーク10を伸ばそうとする圧縮側荷重を、フロントフォーク10の最伸長側〜最圧縮側の全ストロークで連続的(連続曲線をなす)に変化させるように発生する。コイルバネ13のバネ荷重特性Bは、コイルバネ13の自由長から最伸長側でフロントフォーク10を縮めようとする伸長側荷重と、コイルバネ13の自由長から最圧縮側でフロントフォーク10を伸ばそうとする圧縮側荷重を、フロントフォーク10の最伸長側〜最圧縮側の全ストロークで連続的(連続直線をなす)に変化させるように発生する。そして、気体バネとコイルバネ13の合成バネ荷重特性Cを、フロントフォーク10の最伸長側〜最圧縮側の概ね全ストロークで連続化(連続曲線をなす)させる。尚、連続線Aと連続線Bの合成線は必ず連続線Cとなる。また、合成バネ荷重特性Cを概ね全ストロークで連続化するものとしたのは、フロントフォーク10の最伸長端の極部で、リバウンドスプリング23が伸切りの緩衝作用のための伸長側荷重Dを発生させ、これがフロントフォーク10の全合成バネ荷重特性の完全な連続化を拒むものになることを考慮したことによる。
従って、本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)コイルバネ13の両端末のそれぞれを車体側チューブ11と車軸側チューブ12のそれぞれに連結させた。従って、フロントフォーク10の概ね全ストロークでバネ荷重は連続的に変化するものになり、車両の操縦安定性を損なうことがない。
(b)コイルバネ13がフロントフォーク10の全ストロークで荷重を発生し、圧縮側ではフロントフォーク10を伸ばそうとする圧縮側荷重を発生する。従って、気体室32のシール機能が失陥して気体バネが機能しなくなっても、コイルバネ13の圧縮側荷重が車体を保持する。
(c)コイルバネ13の上端末が、車体側チューブ11の側に支持される筒状のバネ受81の筒面に形成した螺旋溝81Aに螺着されて連結される。コイルバネ13の上端末を簡易且つ確実に連結できる。
(d)コイルバネ13の下端末が、車軸側チューブ12の側に支持されるバネ受71の端面に形成した螺旋溝71Aと、このバネ受71に被着されるバネ押え72の端面に形成した螺旋溝72Aとに挟持されて連結される。コイルバネ13の下端末を簡易且つ確実に連結できる。
(e)車軸側チューブ12に嵌合して固定されるオイルロックカラー17を有し、オイルロックカラー17の外周フランジ17A上にバネ受71を着座させ、オイルロックカラー17の環状立上り部17Bの外周にバネ押え72を螺着させ、バネ受71の螺旋溝71Aとバネ押え72の螺旋溝72Aを向かい合わせ配置させる。上述(d)のバネ受71とバネ押え72を、オイルロックカラー17を介して、車軸側チューブ12に確実に支持させることができる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本実施例では、車軸側チューブ12の下端部に設けたバネ受71と車体側チューブ11の側に設けたバネ受81のそれぞれにコイルバネ13の両端末のそれぞれを連結したが、車軸側チューブ12に設けるバネ受を車体側チューブ11の側に設けるバネ受よりも車軸側チューブ12の上端部の側に設け、車軸側チューブ12の上端部に設けたバネ受と車体側チューブ11の側に設けたバネ受のそれぞれにコイルバネ13の両端末のそれぞれを連結しても良い。
また、本発明の油圧緩衝器は、車体側チューブをインナチューブとし、車軸側チューブをアウタチューブとするものでも良い。また、本発明の油圧緩衝器は、ダンパを内蔵しても、しなくても良い。
図1は油圧緩衝器を示す全体断面図である。 図2は図1の下部断面図である。 図3はコイルバネの下端末連結構造を示す断面図である。 図4はコイルバネの上端末連結構造を示す断面図である。 図5は図1の上部断面図である。 図6はオイルロックカラーとバネ受とバネ押えの小組体を示す断面図である。 図7はバネ受を示す側面図である。 図8はバネ押えを示す側面図である。 図9はバネ受を示す側面図である。 図10は油圧緩衝器のバネ荷重特性を示す線図である。
符号の説明
10 フロントフォーク(油圧緩衝器)
11 車体側チューブ
12 車軸側チューブ
13 コイルバネ
17 オイルロックカラー(バネ受支持体)
32 気体室
71 バネ受
71A 螺旋溝
72 バネ押え
72A 螺旋溝
81 バネ受
81A 螺旋溝

Claims (4)

  1. 車体側チューブと車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブと車軸側チューブの間にコイルバネを介装するとともに、車体側チューブと車軸側チューブが形成する気体室に閉じ込めた気体により気体バネを構成してなる油圧緩衝器において、
    コイルバネの両端末のそれぞれを車体側チューブと車軸側チューブのそれぞれに連結し、
    気体バネは油圧緩衝器を伸ばそうとする圧縮側荷重を油圧緩衝器の伸長側〜圧縮側の全ストロークで連続的に変化させるように発生し、
    コイルバネは自由長から油圧緩衝器の伸長側で油圧緩衝器を縮めようとする伸長側荷重と、自由長から油圧緩衝器の圧縮側で油圧緩衝器を伸ばそうとする圧縮側荷重を、油圧緩衝器の伸長側〜圧縮側の全ストロークで連続的に変化させるように発生し、
    上記気体バネと上記コイルバネの合成バネ荷重特性を油圧緩衝器の伸長側〜圧縮側の概ね全ストロークで連続化させたことを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 前記コイルバネの端末が、車体側チューブ又は車軸側チューブに支持される筒状のバネ受の筒面に形成した螺旋溝に螺着されて連結される請求項1に記載の油圧緩衝器。
  3. 前記コイルバネの端末が、車体側チューブ又は車軸側チューブに支持されるバネ受の端面に形成した螺旋溝と、このバネ受に被着されるバネ押えの端面に形成した螺旋溝とに挟持されて連結される請求項1に記載の油圧緩衝器。
  4. 前記車体側チューブと車軸側チューブの一方に嵌合して固定されるバネ受支持体を有し、バネ受支持体の外周フランジ上に前記バネ受を着座させ、バネ受支持体の外周に前記バネ押えを螺着させ、バネ受の螺旋溝とバネ押えの螺旋溝を向かい合わせ配置させてなる請求項3に記載の油圧緩衝器。
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